沖縄戦集団自決問題まとめ(1)

 沖縄集団自決出版差し止め訴訟の口頭弁論が今日(11月9日)大阪地裁で行われ、被告の大江健三郎氏が初めて出廷しました。
 大江氏は「軍の命令があったと考えている」と証言し、「(著書「沖縄ノート」の)記述は訂正する必要はないと考える」と述べました。

軍強制記述「訂正必要ない」=大江氏、原告側に反論−集団自決訴訟・大阪地裁(時事11/9)
 太平洋戦争末期に沖縄県・慶良間列島で起きた住民の集団自決が軍命による強制だったとした本の記述は虚偽として、守備隊長だった元陸軍少佐らが、著者でノーベル賞作家の大江健三郎氏と発行元「岩波書店」を相手に出版差し止めと損害賠償などを求めた訴訟の口頭弁論が9日、大阪地裁(深見敏正裁判長)で開かれた。午後は大江氏本人が出廷し、「命令があったという確信は強くなっている。記述の訂正は必要ない」と述べた。
 出廷した大江氏は紺のスーツに青のネクタイ姿。幾分上気した表情で同氏側弁護士の質問に「集団自決は隊長個人の資質や選択ではなく、日本軍−(沖縄駐留の)第32軍−守備隊という、縦の構造の力が島民に強制した」と強調。「著書の沖縄ノートでも軍の命令と記述し、個人名は書かなかった」と述べた。

「軍命令あったと考える」 集団自決訴訟で大江さん(中日11/9)
 太平洋戦争末期の沖縄戦で、軍指揮官が「集団自決」を命じたとする本の記述をめぐる訴訟は9日、大阪地裁(深見敏正裁判長)で引き続き口頭弁論があり、「沖縄ノート」の著者で被告の作家大江健三郎さん(72)が出廷。慶良間諸島の座間味、渡嘉敷両島での集団自決について「軍の命令だったと考えている」と証言した。
 ノーベル賞作家が自らの著作に関して法廷で証言するのは極めて異例で、歴史教科書の記述をめぐる問題とも絡み、内容が注目されていた。裁判は次回口頭弁論の12月21日に結審、来春にも判決の見通し。
 大江さんは、証言に先立ち陳述書を提出。この中で「集団自決は戦争下の国、日本軍、現地の軍までを貫くタテの構造の力で島民に強制された。命令書があるかないかというレベルのものではない」との考えを示した。
(共同)

 主なやりとりは以下をご覧下さい。

【沖縄集団自決訴訟の詳報(4)】大江氏「隊長が命令と書いていない。日本軍の命令だ」(産経11/9)
【沖縄集団自決訴訟の詳報(5)完】大江氏「責任をとるとはどういうことなのか」(産経11/9)

 やっぱりね。こういう抽象論を言い出すんじゃないかと思ってました。
 「隊長命令があったのか、なかったか」が争点なのに。
 慰安婦問題の「広義の強制」すり換えと全く同じパターンですね。

 「集団自決は隊長個人の資質や選択ではない」「沖縄ノートでも軍の命令と記述している」と隊長命令はなかったと認めつつ、「戦争下の国、日本軍、現地の軍までを貫くタテの構造の力で島民に強制された」「命令書があるかないかというレベルのものではない」――。

 要するに、命令とかじゃなくて当時の日本の空気はそんなものだったんだよと、大江氏自身も認めたということじゃないですか。

 しかし、ノーベル賞作家が出廷したわりには、テレビの扱いは小さかったように思います。
 「報ステ」は番組の最後にわずかに伝えただけで古舘氏のコメントはなしでしたし、「NEWS23」にいたっては完全スルーでした(と思います。間違ってたら教えて下さい)。
 「これはさすがにまずいよ大江さん……」ってことでスルーしたのかしら?

 沖縄戦集団自決「軍命令」問題、それにまつわる教科書検定問題や出版差し止め訴訟。
 拙ブログの読者皆さんには釈迦に説法だと思いますが、とりあえずまとめてみました。
 
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続・集団自決“日本軍の強制”が高校教科書に復活?

 だぁぁ、忙しいぃぃぃ!
 1日28時間ぐらいあればな〜と、つくづく思う今日この頃……(T^T)

 教科書問題@沖縄集団自決の続報です。

 実は水曜恒例「アンカー」起こし(1コ前のエントリー)に突っ込もうとしたんですが、字数制限が如何ともし難く、新たにエントリー立てた次第です。
 「アンカー」起こしも是非読んでって下さいね(^_^;
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集団自決“日本軍の強制”が高校教科書に復活?

 ほんとは今日、他のネタをUPしようと思って用意してたんですが(福田さんの所信表明演説じゃないですよ。突っ込む気にもなれへん)、このニュースを聞いて急きょ変更。
 急いで書いたので短いし雑ですが、お許しを<(_ _)>
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日印関係で朝日の露骨な社説&パール判事について

 最近、新聞の社説って全くチェックしてなかったんですが、今日は久々に見比べてみました。

読売社説:日印首脳会談 重層的な「新次元」の関係を築け(8/24)
産経社説:日印首脳会談 戦略的協力さらに育てよ(8/24)
毎日社説:日印関係 戦略的協調への第一歩に(8/24)
朝日社説:首相の訪印―価値観外交のすれ違い(8/24)
東京新聞社説:安倍外交 『価値観』もほどほどに(8/23)
日経社説:多角的アジア外交へ日印関係広げよ(8/23)
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全閣僚8・15靖国参拝見送り

 夏風邪の件でお見舞いのコメント、メールを下さった皆様、ありがとうございました。

 「ま、大丈夫でしょう」なんて書いたくせに、情けないことにあれからまた熱がぶり返しまして、土日は高熱(39度前後)と微熱(37度台前半)を行ったり来たりしてました。
 月曜になってからはほぼ38度未満で推移してますから、ちょっとずつは良くなってるようです。ちょうどお盆休みで出かける予定もないので、ご飯の買い出し以外はずっと家で安静にしてます(夫はお盆も仕事(T^T))。

 ひょっとして単なる風邪ではないのでは?と思ったこともあったんですが、熱が出る、喉が痛い、咳・痰が出る、このへんの症状は完全に風邪ですよね。
 いずれにしても今、お医者さんがお休みですので、お盆が明けてもこのような状況が続くようなら、行きつけのお医者さんにとっとと診てもらおうと思っています(^^ゞ

 でも今回、熱を出して一つだけ良かったなーと思ったことがありました。夫絡みのちょっとした話なんですけども。お気楽くっくりに書いてますので、よろしかったら。
 
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米下院で慰安婦決議案採択

 今日は更新休もうかと思ってたんですが、気になるニュースが飛び込んできましたので、紹介しときます。
 
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「原爆投下はしょうがない」発言について

6月下旬から、別人を装い多数のHNを使ってコメントされる方が出没しています。皆様方におかれましては、「このコメントは何か変だな」と思ったら相手をせず、スルーして下さい。


 「イラク戦争は間違いだった」「(普天間基地問題で)あまり偉そうなことを言ってくれるな」などとアメリカ批判を繰り返してきた久間防衛大臣が、原爆投下を容認する発言?!

 最初はもしかしたら、マスコミお得意の「発言の一部だけ恣意的に取り上げた」批判報道じゃないかと思ったりもしたんですが、どうやらそうでもないみたい。

 つーか、この人の歴史観、おかしくない?

(先に言い訳しときます。今回はかなり急いで書きました。うまくまとまってなかったらスミマセン)
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慰安婦問題「寝た子を起こすな」でいいの?

6月下旬から、別人を装い多数のHNを使ってコメントされる方が出没しています。皆様方におかれましては、「このコメントは何か変だな」と思ったら相手をせず、スルーして下さい。


 今日2本めのエントリー。

 日本時間27日未明、米下院外交委員会で慰安婦決議案が採択されました。
 予想はされていたので特に驚くこともないのですが、いちおうまとめ。
 もっと早くUPしたかったんですが、まとめるのに時間かかっちゃって……<(_ _)>
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誰がために散る もう一つの「特攻」(6)〜(8)

6月下旬から、別人を装い多数のHNを使ってコメントされる方が出没しています。皆様方におかれましては、「このコメントは何か変だな」と思ったら相手をせず、スルーして下さい。


0706dagatame-3.JPG 誰がために散る もう一つの「特攻」(1)〜(5) の続きです。

※文中の赤字強調は引用者による
 
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誰がために散る もう一つの「特攻」(1)〜(5)

0706dagatame-6.JPG 少し前になりますが、産経新聞に
【誰がために散る もう一つの「特攻」】
と題された特集が連載されました。

 人間魚雷「回天」の搭乗員たちと彼らを取り巻く人たちの証言から、彼らが命をかけて守ろうとしたもの、そして現代日本人が忘れかけている「何か」を探る――という内容です。

 大阪版では6月5日〜13日まで掲載されたんですが、東京版はもう少し早い時期にやっていたようです。中身はたぶん同じだと思います。

 この連載は残念ながらWEB版には存在しません。
 竹島特集の【波頭を越えて】もそうでしたが、何でこういう貴重なものをWEBに載せてくれないんでしょ?(T^T)

 一部を起こして下さっているサイトは見つけたのですが、全文起こしはないようです。
 というわけで、こちらで起こすことにしました。
 実際の話、入力作業をしていて泣けてきました。こんなことは初めてです。


※文中の赤字強調は引用者による
 
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