青山繁晴さんが参議院予算委員会に参考人として出席
青山繁晴さんが5月13日午後、参議院予算委員会集中審議に参考人として出席されました。
今日はNHKで中継がありましたので、ご覧になった方も多いでしょう。
実は私、直前まで、掲示板で読者の方から教えていただくまで、このことを全く知りませんでした。もともと青山さんのブログとか関係先をあまりマメにチェックしてる方ではないので(T^T)
教えて下さったミルルさんには重ねて御礼申し上げます<(_ _)>
青山さんが参考人として出席されたのは、自民党の衛藤晟一議員の質疑(山本順三議員の関連質問)においてです。3回発言を求められました。
その全発言を起こしておきます。
画像は2ちゃんねるの実況板からいただいてきました。
あくまで青山さんの発言に特化した起こしですので、衛藤晟一議員の質疑全体については、参議院インターネット審議中継、あるいは後日起こされるであろう会議録をご覧下さい。
※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。また画像を利用される方は、直リンクでなく必ずお持ち帰り下さい。
まず衛藤議員から冒頭、「安全保障や原子力の専門家でもあるあなたは、福島第一原発を専門家の立場として見てこられた。専門家の立場から、どこまでが天災でどこからが人災だったのかということを聞かせていただきたい」と質問がありました。
これに対する、青山さんの答弁。
「えー、今、衛藤先生からお話ありました通り、4月の22日金曜日に、福島第一原発の現状に、現場に、行ってまいりました。えー、福島第一原発の吉田昌郎(まさお)所長の許可のもと、現場をつぶさに拝見しまして、今、衛藤先生がご指摘になったことに絞って申しますと、今まで私たちが目にできなかった情報のひとつは、海側の所がどうなっているのか、すなわち津波に直撃された所が、実際はどういう状態になってるかということでありますけれども、えー、その海側に回ってまいりますと、東電の作業員の方々と一緒に、その海側に回っていきますと、津波の直撃を受けた海側の施設、これはタービン建屋を含めて、それは凄まじい破壊でありまして、えー、私は多少、軍事のことも触っておりますけれども、通常兵器ではこのような破壊は起きないんじゃないか、場合によっては小型戦術核のような攻撃でなければ、ここまでの破壊はないんじゃないかというような、有様でありました。えー、ところがその反対側の、例えば4号炉、4号機におきまして、その下の方、今まで外に出なかった下の方を、またこれ、車から降りまして、えー、ある程度拝見したところ、実はあまり破壊されてないんです。で、これを総合的に、吉田所長に現場で確認したところ、現場の免震重要棟で確認したところ、すなわち、津波によって、タービン建屋などは徹底的に破壊されたけれども、原子炉建屋は、実は津波の直撃を受けた段階ではまだ、しっかりしていたと。完全に無事とは申せません、それは、地震というのは津波だけじゃなくて揺れもありますので、揺れによって配管のあたり、隙間などが、ずれができた事実はあるようですけれども、実は福島第一原発において、津波という、津波というのも、今まで私たちが知ってた津波と違って、869年の貞観(じょうがん)津波にあったような凄まじい、破壊力の津波を初めて、体験したわけですけれども、1100年以上ぶりに初めて体験したわけですけれども、それによってもなお、原子炉建屋と中の格納容器、圧力容器は大半が無事であったと。そうしますと、現場を見た限りにおいては、あるいは現場の作業員の方々や吉田所長と議論した限りにおいては、実は天災と呼ぶべきは、その、今、申しました津波と地震の被害にとどめて考えるべきであって、実際は、事象、事故が始まったあとの、判断ミスなどによる、対応の遅れによって、水素爆発が起きて、放射性物質の漏洩の大半も、全てではありません、正確に申しますが、多くのものも、その事後の、いわば、判断ミスや操作ミスによって起きた人災であるべき、人災と考えるべきと、専門家のはしくれの一人としては、考えるに至りました。はい、以上です」
続いて、衛藤議員が、地震発生当日(3月11日)から翌日にかけての原発事故対応の初動の遅れについて、政府及び東電を追及。
この間、青山さんは東電の清水社長、原子力安全委員会の斑目委員長の間に挟まれた形で座られてましたが、色んな意味で窮屈そうに見えました(^_^;
その後、地震翌日に行われた菅首相の福島第一原発の視察、これが現場の事故対応の邪魔になったのではないかという問題について、衛藤議員が「あなた自身が人災のもとを作った」と首相を追及。
そして、このことを安全保障・原子力の専門家の観点からどう思われるかということで、青山さんにコメントが求められました。
それに対する、青山さんの答弁。
「えー、今、衛藤先生がお聞きになったことについては、私は、事実、を確認したことだけを述べたいと思います。事前に聞いていた話を、福島第一原発の現場に行きまして、色々な方々に確認した限りにおいては、3月12日の午前6時50分に、総理が福島第一原発にお見えになることについて、東電本店から、現場に指示が降りてきて、準備してほしいと、いう連絡があったと。で、そのあと、その9分後の6時59分に、海江田経産大臣から、ベントの指示があったと。で、そのあと、午前7時11分に総理が、自衛隊のヘリでお見えになったと。えー、現場で確認できたのは、事実としては、そこまでです。従って、えー、6時50分に、準備するようにと指示があったということは、おそらく福島第一原発の中で、総理をお迎えするための準備はせねばならなかったであろうと。だから、そこの部分は、他の作業に加えて、必要であったことは間違いないと考えています。えー、但しこれは、衛藤先生にもフェアに申し上げたいんですけれども、私が福島第一原発の現場に今回入ったのは、えー、検証のためではなくて、私はジャーナリストではありませんので、実務家として入ったのは、あくまで現場を把握して、吉田所長以下と、今後どうするかを話し合うためでしたから、先ほどの話に戻りますと、6時50分に東電本店から指示があったことは確認いたしましたが、それによって他の作業にどの程度影響あったかということは、私は現場で一言も聞きませんでしたから、ここでその判断を言うというのは、フェアじゃないと思います。ただ、さっき衛藤先生がおっしゃった、一人の安全保障、国家安全保障の専門家として申せば、普通はリーダーというのはむしろ、この際は、例えば日本ですと総理官邸の執務室か、あるいは官邸のシチュエーションルームにいらっしゃるのが適切ではないかと、これは個人的にはこう思います。但しそれは、福島第一の原発に、いや、現場に行ったからそう思うのではなくて、原則としてはそのように考えております。以上です」
最後に、今後、福島第一原発付近で大きな余震があったらどうなるのか、その備えについて衛藤議員が青山さんに見解を求めました。
それに対する、青山さんの答弁。
「あの、現場に入りました時に、吉田昌郎所長は現場のリーダーとして、非常に明確なことをおっしゃって下さったんですが、その、今、衛藤先生ご指摘の、新たな津波と地震が来た時のことを一番心配されておられて、ま、スマトラ島沖地震ですと3カ月後に、またマグニチュード8.6の地震があったわけで、私たちの災害に当てはめると、それは6月の半ばですから、まだ来てない。従って、えー、今現在も、福島第一原発では、1号炉の問題などに加えて、この、今、津波が、地震がもう一度来たらどうなるかということを一番懸念され、来たらどうなりますかとお聞きしましたら、それは致命的ですと、あえて、ムービーカメラを回してる前で、そして、吉田所長自ら撮影を認められ、放送も認められ、その上で、致命的だっていう言葉をおっしゃいました。しかし、大切なことはそのあとに、致命的だけれども、だからこそ、構内に新たなしっかりした防波壁、防潮壁を造らねばならない、と、おっしゃいました。その後、ご承知の通り、6月半ばまでに、仮設のものが造られることになりました。その後、吉田所長にも電話してお聞きしましたところ、その防潮堤というのは、単に造ればいいのではなくて、津波の破壊力というものを、今回私たちは学んだわけですから、それをしっかり取り込まなきゃいけないということと、仮設のものではなく、本物の、新たな防波堤を、すぐに造らねばならない、それを、一番、危機意識として持ってらっしゃるってことは、現場からの声として、国会の皆様方にも、国民にも理解していただければと、考えております。以上です」
この青山さんの発言をもって、衛藤議員の質疑は終了しました。
というわけで、発言の中身自体は、これまで青山さんが「アンカー」その他メディアで話されてきたことと同様のものだったと思うのですが、ただ、これが国会という公式の場、後世にきちんと記録として残る場で発言されたということは、大きな意味があったと私は思います。
なお、余談ですが、青山さんの後ろの席に座っておられた女性は、おそらく奥様の青山千春さんだと思います。
※青山さんの発言起こしのエントリーは、コメント欄がよく荒れるため基本的には開放しないのですが、前エントリーとこのエントリー2回連続でコメント欄閉鎖というのもどうかと思い、今回は特に開放することにしました。皆様方には規約に則って冷静にご利用いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(原発事故関連の青山さん発言起こし)
・3/17付:青山繁晴「ニュースの見方」菅首相では危機は乗り越えられない(RKBラジオ)
・3/24付:「アンカー」福島第一原発の今後 青山繁晴×住田健二
・3/31付:「アンカー」原発事故で政府のズサン対応 青山繁晴×安斎育郎
・4/7付:「アンカー」原発対応 官邸未だ機能せず&エネルギー政策 青山繁晴×和田武
・4/14付:「アンカー」レベル7の真相&震災対応より延命優先の菅政権
・4/21付:「アンカー」アレバ社は信用できない&福島原発周辺で青山が見た現実
・4/28付:「アンカー」福島第1原発構内と所長を青山が取材 最大の問題は5・6号機
・5/5付:「アンカー」原発取材続報 - 政権からの圧力!しかし現場には成果も
・5/12付:「アンカー」原発停止要請のウラ側 菅政権『統治セズ』&南三陸町レポ
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Comments
[003/009] 159 - 衆 - 武力攻撃事態等への対処… - 8号
平成16年04月23日
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=28523&SAVED_RID=4&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=8&DOC_ID=8328&DPAGE=1&DTOTAL=9&DPOS=3&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=29856
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110513-00000155-jij-pol
お役に立ててよかったです。
夜更かししてたら、ヤフートップになっているのに気づきました。既にコメントも沢山ついてますね。
http://www.ustream.tv/channel/cskanagawa
桁違いの威力は圧巻!
LET'S ENJOY
記憶に残る海EVENT
「海 ド ォ ー ン」
2011年3月22日に更新された鹿児島県のパチンコ屋のHPに掲載された宣伝画像
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/
パチンコ屋は絶対根絶すべき。
「高温ガス炉」(安全な原子力発電)
高温ガス炉は、燃料の被覆材にセラミックス、炉心構造材に黒鉛を用いているので、万一事故が起きても炉心が溶けることはありません。
万一事故が起きた場合、緊急炉心冷却系を使わなくても、 原子炉圧力容器の外側からの自然放熱によって炉心の熱を自然に取ることができ
http://www.jaea.go.jp/jaeri/jpn/publish/01/ff/ff43/randd01.html
すぐれもの 高温ガス炉 研究進む次世代原子炉 2011年1月17日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/technology/science/CK2011011702000132.html
周りの政治家より貫禄ありますな。あんたが総理になりなさいよって感じ。
【復興会議を立ち上げても決断できないリーダーでは意味が無い】
http://www.choujintairiku.com/shimada110502.html(資料あり)
青山さんのここまでの発言も、非常に深く立体的に尚且つ【共感覚】を持って理解できると思います。
(とにかくラポール構築が上手い!)
くっくりさんに告知していただかなければ気付きませんでした。
ありがとうございました。
独立総合研究所のプレスに
随時掲載されていますよ。