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TBSの東條英機のドラマを見て感じたこと

 拙ブログでは毎週木曜は通常、前日の水曜に放送されている「アンカー」青山繁晴さんコーナーのテキスト起こしをUPしてるんですが、実は今週は放送時間が短縮されており、青山さんコーナーはお休みでした。

 その代わりと言っては何ですが、12/24(水)はTBSで「シリーズ激動の昭和 あの戦争は何だったのか 日米開戦と東条英機」をやってましたので、今日はそれについて書きたいと思います。

 「どうせTBSだし、また日本軍を悪者にしたドラマなんだろうな。特に今回は東條英機がどんなに悪人だったかってのを見せるドラマなんだろうな」と思って、当初は見るつもりはありませんでした。
 が、あのビートたけし氏が東條英機を演じることを知り、ちょっと興味を持ったので、公式サイトを見に行ったんです。

 で、このたけし氏の発言を見まして――

このドラマで昭和天皇はかなり冷静に、「戦争を望まない、平和を望む」って歌に託しているんだよね。阿部くん演じる石井とか、軍人にも冷静な人間がいたんだよね。だから戦争に関してはね、軍人だけじゃなく、国民全体がお祭り騒ぎになってたところもあると思うよ。代表である首相や軍人が開戦する決断をくださなければならないような空気を国民も作ったんだと思う。どの時代でも、国の大多数である人々にも責任があって、一部の指導者だけが悪いというのは嘘だと思うな。だからね、現代に置き換えても、国民として責任を取る努力をするとか、知識を得なければならないと思うよ。

 ――もしかしたら、ちょっとは期待できるのかしら?と。

 ただ、オリジナルテキスト(原作)が、一部で「蛸壺史観」と批判されてる保阪正康っていうのがちょっと引っ掛かりましたが(wikipedia参照)、まあでも思いっきりサヨクな学者よりはいいかと思い、期待半分、不安半分でしたが、とにかく見てみることにしました。

 第一部のドキュメンタリー部分は細切れにしか見てないのでよく分からないんですが(午後7時前から11時半までって長すぎ!(T^T))、第二部のドラマはけっこう微妙でしたね。

 どんな内容だったか?というのを、めちゃ雑ですが、ドラマのスタンスが表れてるであろう場面を中心にまとめてみました。
 (  )内は私のツッコミです。

 あ、ちなみに東條の側近だった石井秋穂が準主役。石井は開戦反対派です。
 また、総じて開戦派は過去の戦争ドラマにも見られたような声が大きくて高圧的なキャラ設定、開戦反対派は落ち着いてて「良い人」的なキャラ設定でした。


 大ざっぱな内容紹介ここから_________________________
 
 戦後、東都新聞記者の吉原政一(架空の人物)は、開戦に至る経緯を知るため、当時の言論界をリードした徳富蘇峰を訪ねる。徳富はA級戦犯容疑を受けたが老齢のため不起訴、公職追放されている。

 日本軍による南部仏印進駐に対し、昭和16年7月、アメリカは対日石油輸出禁止という厳しい経済制裁をとり、日米関係は一気に緊張。
 9月には御前会議で、政府と軍部は、外交がうまくいかなければ、「日米開戦を決意す」と決定。

(支那事変については「貧しかった日本は豊かさを求めて支那に進出した」という感じで触れる程度。安全保障上の視点はほとんどスルー)

 が、軍人の中にも開戦反対派はいた。特に海軍は最初は開戦には反対で、外交で解決してくれと政治にボールを投げていた。
 東條英機は開戦派。開戦しなかったらクーデターが起きると心配していた。

 首相の近衛文麿は戦争が嫌い。「新聞もラジオも国民も、国中がアメリカと戦えと言っている」とぼやき、「統帥権があるから馬鹿馬鹿しくてやってられない」と首相を辞任(海軍からボール投げられてたのに何もしなかった)。

 昭和天皇も外交で解決することを望んでいた。天皇は東條にしか開戦は止められないと考え、彼に組閣を命じた(実際のところ東條を首相に据えたのは内大臣の木戸幸一)。
 10月18日、東條が首相に就任したことで開戦は決定的かと思われたが、東條は就任後、9月に行われた御前会議の決定を白紙に戻し、戦争回避に尽くす。

 話は遡るが、昭和15年9月、日本は第二次近衛内閣の松岡洋右外務大臣の熱狂的なリーダーシップにより、日独伊三国同盟を結んだ。この時、軍からは「対米・対英関係と敵対し得策ではない」ということで慎重論があったのだが…(陸軍は賛成、海軍は反対した)。

 新聞記者・吉原の上司は、吉原に記事のダメ出しをする。「他紙を見てみろ!もっと国民が喜ぶような派手な見出しをつけろ!」。当時、新聞各紙は競って戦意高揚記事を書いていたのだ。

 国民が戦争を欲し、陸軍の中枢部にいた石井秋穂が和平を模索するという、奇妙な現象があった。

 一方、日本の情報はアメリカに筒抜け。暗号解読されていた。情報戦ですでに日本はアメリカに負けていたのだ。

 ルーズベルトは日本を叩き潰したかったが、当時アメリカ世論は戦争には反対。だからルーズベルトは参戦の大義名分を探していた。

 新聞記者・吉原は戦後、徳富を訪ねた際に「シナや満州から撤退すればよかったのに」と言うが、徳富は「満州は日本の生命線。もはや支那や満州から撤退することはできなかった。国民が満州を失うことには耐えられなかった。開戦しかないと世論も傾いていた」

 (吉原はドラマ冒頭、「満州は中国の一部なのに日本軍はやりすぎた」と言っているが、満州はそもそも中国(支那)の土地ではない)

 天皇は戦争反対をなぜ強く言わなかったのか?と、吉原に聞かれ、徳富はこう答えた。「『君臨すれども統治せず』を守ったから。臣下は天皇の気持ちを尊重して判断する。明治では上の人が偉かった。伊藤公、山縣公が偉かった。だからみんな従った。昭和の下剋上の軍隊にまともな戦略など立てられない。だから日本は敗れた。が、例外もいる。真珠湾攻撃を任された山本五十六は偉かった。彼には戦争の結果が見えていた」。

 11月1日、最後の政府大本営連絡会議。東條は戦争回避しようと頑張るが、なかなかまとまらない。
 石井秋穂は内閣総辞職を進言する。「そうすれば確実に開戦は遅れる。また一から会議で戦争準備が大幅に遅れる。年が明ければ海も荒れて出撃できない」。

 それに対して東條は言う。「天子様はわしでなくては軍がまとめられんと言って内閣をお預けになった。それを放り出せるか」「今の日本はバラバラ。政治は利権に走り、統帥部はお上の名を借りて勝手に戦争。貧しい庶民が増加。ひとつにまとめて挙国一致、東亜に新秩序を打ち立てるのが使命」「代わりの首相が立ち一時の和平を得ても、国がばらばらではアメリカにつけこまれる。明治以降、国民の手で作り上げてきた帝国が、下手をすれば未来永劫、奴隷国家になってしまう。そうしたくはない」

 それに対し石井は「それでは戦争は回避できない。今の日本はバラバラでよい」「『高貴なる帝国』であるが故に戦争をしたくなるのではいか」

 もし内閣総辞職をしていれば歴史は変わったかもしれない。が、東條はそれをしなかった。それが彼の限界だった。…と、徳富の呟き。

 結局、16時間かけたこの日の会議で開戦が決定的となった。
 東郷外相は責任をとり辞任を考えたが、後任に開戦派が就くのを恐れた外務省幹部に慰留され留任。
 賀屋蔵相はこの会議の議定書にサインすることを拒んだが、結局翌日サインしてしまった。

 東條は天皇に「開戦は12月初頭とし、対米交渉は12月1日午前0時をもって打ち切り、我が国は自存自衛のため、対英米蘭に対し戦いを…」と号泣しながら上奏した。

 11月26日の日米交渉で日本はハル・ノートを突き付けられた。
 ハル・ノートの原案にルーズベルトが興味深いメモを添えていた。「日本がこれを受け入れる可能性はほとんどないだろう」。
 スチムソン陸軍長官は日記で、「大統領は日本は無警告攻撃で悪名高いと言う。問題は日本をどう誘導していくか。最初の一発を日本に撃たせるように…」。

 日本政府はハル・ノートで開戦を決意。
 徳富は「惜しむらくはもっと早く決断するべきだった。そうすれば戦局も変わった」と振り返る。それに対し吉原は「そのかわり国民の犠牲が早まった」。

 徳富は「米国の属国として甘んじる今日の無残さよりその方がよかったのでは。君たち新聞記者も書いたじゃないか。日本は勝てると。そういう調子で国民を煽った。わしも日本は戦えば一丸となって勝つと思った。日本中がみんな自分自身を買い被っていた。何とかなるだろうと」と返す。

 が、吉原は言う。「気づいていた人たちもいたのでは?石井秋穂中佐のように。このままではまずいと。それを我々に一言でいいから言ってほしかった」。そして「たった一握りの軍人や官僚が開戦を決めて300万人死んだ。あなたにも責任がある」と徳富を責める。

 徳富は反論する。「国民たちは戦意高揚記事を熱狂して読んだ。そういう時代だった。戦争は起こるべくして起きた。わしは逃げも隠れもしない。しかし、あの戦争が間違いとあの時点で誰が分かっていたというのか?分かっていたのはほんのわずかな人間たち。我々は何も知らされていなかった。責任は東條たちが負わなければならない」

 去っていく徳富に吉原は言う。「我々は何も知らなかったのではない。我々は知ろうとしなかった。だから徳富先生にも責任がある。私にも責任がある」

 吉原の最後の台詞。
 「いったい誰があの戦争を起こしたのか。東條だったのか。統帥部だったのか。軍隊を支えた官僚たちだったのか。それともそれを許した我々国民だったのか。まだ私ははっきり分からない。歴史の底に沈んでいく太平洋戦争という事実を、もっとはっきりと記憶にとどめ、それが何であったかを明らかにしなければならない。それが私に残された永遠の課題だと思った。二度と戦争の風景を見ぬために」

 まとめのナレーション。
 ルーズベルトの思惑通りになったが、彼は3年後、勝利を見ることなく死去した……。
 結局始まった戦争で、たくさんの人が死んでいった……。
 東郷は平和主義者だったのにアメリカに断罪された……。
 近衛文麿の長男はシベリアで死亡。その妻曰く「軍人は戦争したがる」……。
 東條の獄中ノートには「日米交渉は誤解の連続」……。
 統帥権という魔物は消え、天皇は象徴となった……。
 東條処刑の日の徳富の日記には「東條は首相の器に非ず」……。
 東條の葬儀は60年前の12月24日に行われた……。

 _________________________大ざっぱな内容紹介ここまで


 ――という感じで。

 他にもいろんな人物が出てきたり、ナレーションで説明があったりしたんですが、はしょってます。そもそもが長丁場のため始めから終わりまでじっくり見てたわけじゃないので(T^T)
 特に会議のシーンはたくさんあって、やりとりを細かく再現してたようです。

 で、私の感想ですが、「それを言っちゃおしまいよ」かもしれませんが、大東亜戦争開戦だけをテーマにしてる上に、東條が首相になる少し前から始まってるので、それまで日本のたどってきた道筋がよく分からない作りになってたように思います。

 ただ、事実を淡々と描いているなという感じはしました。TBSってふだんはほぼ完全に軸足が左なので、その点で言えば異色のドラマだったのかもしれません。

 よく知らない人がこのドラマを見たら、「世間で言われてるほど東條って悪い人じゃないんだな」と感じたんじゃないでしょうか。少なくとも「独裁者」には見えなかった。
 逆に、左の人は「東條を美化しすぎだ」とか言い出しそう。TBSはそれでいいんでしょうか?(^_^;

 良かったのは、「軍部だけでなく政治にも、マスコミにも、国民にも、戦争を煽った責任がある」というスタンスがそこかしこに見られたこと。
 また、東條は望んで首相になったのではなく、陸軍が押し立てたのでもない、ということも分かるようになってました。
 あと、当時は官僚も海軍も陸軍も、みんなとにかくバラバラで、話し合いをしてもなかなか決められなかった。軍部だけでなく外務省はじめ官僚にも問題があった。……ということも分かるようになってたと思います。

 「?」だったのは、近衛文麿が良い人のように描かれてたこと。特に第一部ではそれが顕著だったんじゃないでしょうか。私なんか「ははーん、近衛=文民=善人、東條=軍人=悪人という図式にするつもりね」と思ったほどです。

 そもそも近衛を取り上げるなら、支那事変からやらないと駄目なのでは?「日中戦争の責任を感じていた」とかナレーションは入れてたけど、何かアリバイ作りみたい。

 近衛内閣は第三次までありましたが、もうどうしようもないというか……。
 特に、蒋介石政府との和平交渉(トラウトマン工作)を打ち切って、かの有名な「国民政府を対手とせず」声明を発表してしまった件。そこから泥沼になってしまったわけですよね(近衛は積極的に打ち切ったのではなく何もしなかっただけという話も聞きますが、それもまた無責任な話ではないでしょうか)。

 とにかく、政治家として有効な手を何も打てず、投げ出しちゃった無責任な人というのが、大方の歴史家の見方だと思うんですが。


 気になったこと、もう一つ。

 第一部で「統帥権」の説明がありましたが、「統帥権干犯」問題には触れなかったですよね。でもこれって、軍部の「暴走」つまり文民統制を考える上では非常に大事な問題だと思います。
 まぁゴールデンタイムの民放、しかもTBSにそこまで触れろっていうのも無理な話かもしれませんが。

 「統帥権干犯」問題については、田母神論文が問題になったのをきっかけに、「文民統制」の視点から言及されることもしばしばあるようですので、ご存知の方も多いと思いますが、ご存知ない方はwikipediaとか、あとこちらのサイトなども参考になさって下さい。

 それまで全く問題にされなかったのに(というか、いろんな解釈ができるので議論が分かれてた?)、昭和5年、ロンドン海軍軍縮会議をきっかけに出てきたのが「統帥権干犯」問題。
 私もあまり当時の政治状況などに精通してないので細かなことはよく分かりませんが、明らかな事実として言えるのは、野党が濱口内閣を「統帥権干犯」だと非難し、政治問題にしてしまったことです。

 野党だった政友会の鳩山一郎や犬養毅が軍部と呼応し、統帥権を政争の具にしてしまったのです。これに陸軍や右翼、マスコミも乗っかって、問題はさらに大きくなってしまいました。

 「統帥権干犯」問題は軍部の「暴走」の例としてよく出されるようですが、決して軍部が先に騒いだのではなくて、あくまで野党が政治抗争のために利用したのが発端で、それが後の軍部の「暴走」の下地を作ったということです。

 そもそも軍部は暴走しようにも、議会が予算を通してくれなければ何もできません。軍といえども官僚組織なのですから。
 「とにかく軍部が悪かったんだ」と主張する人は多いけど、予算を通した政治の責任も問うべきではないでしょうか。

 とにかく、こういう国家の根幹や行く末に関わる重大なことを政争の具にしてしまうというのは、戦前も今も変わらないですね。今も国防とか安全保障とか自衛隊とか、ほんとによく政争の具にされますから。

 田母神論文だって、村山談話見直しや憲法見直しという根本的な方向には行かずに、政府叩き、防衛省叩き、自衛隊叩きの具にされてしまってますよね。

 それと、田母神論文が問題にされて以降、政府も政治家もマスコミも「文民統制、文民統制」ってアホの一つ覚えみたいに言ってて、まるで「文民統制さえしっかりしてれば平和が保たれるんだ」と言わんばかりですが、必ずしもそうとは限りません。愚かな文民が国を危機に引きずり込んだ例も少なくありません。

 たとえばヒトラーは文民です。選挙で国民の圧倒的支持を得て政権を取り、軍を動かしました。軍もヒトラーのやり方には反対しながらも、文民統制に忠実に従いました。その結果、ドイツはどうなった?
 (第二次世界大戦時の為政者を見ると、大半が文民です。文民でなかったのは、スペインのフランコ、蒋介石、この2人は軍人です。フランコは第二次大戦では巧みな外交で中立を守りました。軍人=「好戦的」「暴走する」とは必ずしもならないという例です)

 日本にはヒトラーのような独裁者はいなかったけれど(日本で東條英機を独裁者のように思っている人は、さすがにもういないでしょう)、逆に、政治家が決断できないという状況にあったわけで、それが日本にとっての不幸でした。
 ……あ、実は今もその不幸は続いてるんですね(T^T)

 「WiLL」09年2月号で、小林よしのり氏がこのように指摘していますが、本当にその通りだと思います。

 結局、体質は戦前となにも変わらないわけですよ。戦前は軍部の暴走だったというけれど、政治が腐敗していて政治家がなにも決断しないという状況があった。満州や支那をどうするのか、政治でちゃんとプランを決めて、軍人を説得できる政治的論理で軍を導かなければならなかったのに、その役割を果たせなかった。

 現場にいる軍は、たとえば満州で居留民がテロの脅威にさらされるとなれば、現場の権益と居留民を守るためには動かざるをえない。なにも私利私欲のために動いたわけじゃない。

 今だって、もし拉致問題を自衛隊が独自に動いて救出したらどうなるか。国民のために動いて、国民の命を守ったとなれば国民は拍手喝采するでしょう。しかし政治家に決断力もなければ、軍を使いこなす能力もない。これは戦前と同じなんです。


 あと、マスコミが国民を煽って世論を誘導したり、時には日本の将来を大きく左右してしまうという点も、戦前と変わらないですね。
 もっとも今はネットがあるので、マスコミの欺瞞に気づいてる国民も大勢いるんですが(今ここをご覧の皆さんのように)、残念ながらまだまだ一つの「勢力」とはなり得ない。

 ドラマにもあったように、戦前のマスコミ、特に朝日新聞なんかは大いに戦意高揚記事を書いて世論を煽りました。
 それがどのぐらいひどい記事だったか?っていうのは、「百人斬り」のでっち上げ報道(これは毎日新聞)などを見ればだいたい分かりますが……、実は最近、面白いものを入手しました。

 飛鳥新社「1937南京の真実」
 これはドキュメンタルコミックとコラムで構成されている本ですが、特別資料として、南京陥落を報道した朝日新聞と毎日新聞の原寸大カラーコピーが封入されてたんです(実はそれを目当てに買ってたりして(^^ゞ)。

 それが以下の2点です。
 (裏面もありますが今回は表面だけをUP)

081224asahi.jpeg

081224mainichi.jpeg

 これらの南京陥落報道について、大高未貴さんのコラム【当時の日本の新聞は“南京攻略”をどう報じたか】より一部引用。

 朝日新聞が、トップに真紅の日章旗を掲げ、赤文字で「南京遂に陥落す」と大書きしたのは昭和12年(1937年)12月10日の夕刊である。この大見出しに続いて「全城門、城壁に日章旗」「直(ただち)に残敵掃蕩(そうとう)戦開始」「抗日の本墟ここに覆滅(ふくめつ)」などの活字が躍る。誰がどう読んでも、南京攻防に決着がついたと読める構成だ。

 しかし、南京が本当に陥落するのはそれから3日後の12月13日、完全な虚報である。では、なぜこんな虚報が堂々と罷り通っていたのかといえば、当時の新聞が、戦意高揚と好戦的な国民の期待に迎合する形で、先を競って戦争報道を繰り広げていたからだ。

〈中略〉朝日新聞だけが先走りしていたわけではない。大阪毎日新聞は、南京陥落から6日も早い12月7日「南京攻略成る」「敵戦意を失うて潰走」「我軍の猛攻、見事奏功」と報じている。もっともこの記事の片隅に、虫眼鏡でないと読めないような極小の活字で「敵の本防衛線を占領し南京城攻略の態勢を完成せり」とある。紙面全体を覆う、活劇映画もかくやと思わせる戦闘描写の中で、この数行だけが真実を伝える報道だったのだ。

 こうした、東スポ的「勝った!勝った!」という先走り報道を受け、国内ではあちこちで祝賀行事や提灯行列が敢行され戦況は天皇陛下にも上奏され「陛下の御機嫌斜(ななめ)ならず」というニュースまで流れた。

 こうした誇大報道に対し入江相政侍従は「刻々戦況を上聞に達した(陛下に報告した)と(朝日新聞に)書いてある。実に出鱈目も甚だしい」と日記に怒りを記し、上海の軍報道部の責任者の一人、馬淵逸雄は、「南京完全占領が(陛下に報告されたとあっては)両三日中に達成できなければ自決の外無し」と覚悟を決めた。新聞の暴走は、戦争当事者の軍人にまでプレッシャーを与えていたのだ。

 「軍部が暴走して勝手に戦争を始めた」と一方的なことを言う人は多いけど、実際はこのようにマスコミが煽って、世論もイケイケドンドンになって、それが軍部を後押ししたという側面があるのも確かです。

 戦後、特に朝日新聞なんかはそのことに完全にほっかむりして他人事のような顔をしてますが、日本が二度と戦争をしない、あるいは巻き込まれないためには、何よりもまずそういったマスコミが反省する必要があると私は思います。


※参考リンク
NHKスペシャル 「御前会議」太平洋戦争開戦はこうして決められた
 番組起こしです。石井秋穂氏がインタビューに答えています。今回のTBSのドラマによれば石井氏は平成8年に亡くなってるので、これはそれ以前に放送されたものでしょうか。

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Comments

関連しますが、中国では「日本国民そのものが残虐な日中戦争を支持した。それは、千人針で軍人を戦地に送り出した婦人達も同罪だ。残虐な対中戦争を深く反省せよ。」というプロパガンダが撒かれそうです。
実際に、そのような研究書が注目を浴びているようです。
今までは、A級戦犯は罪深かったが日本国民は無罪だったというパターンでしたが、国民自身が残虐非道だったのだという宣伝がなされつつあるという事です。
ご注意めされよ | 2008/12/25 08:28 AM
補足

しかし、この番組は中国人こそが観るべきだったと思います。
集団ヒステリーやマスコミの煽動がいかに恐ろしいかを知り、冷静になって考えれば勝算の乏しい強大な相手とも負け戦を戦ってしまう、良く言えば愛国心に満ちた勇敢な、悪く言えば破れかぶれの無謀な心理状態を反面教師とすべきでしょう。
ご注意めされよ | 2008/12/25 08:39 AM
国民党政権は、それで滅びた。
(敗走して、台湾へ)

共産党政権も、それで滅びればよい。
(敗走して、何処へ?)
大いに結構 | 2008/12/25 08:50 AM
反日マスコミでも、もう「日本は悪い戦争をした」(太平洋戦争は日本の侵略戦争)が成り立たなくなった、ということだと思う。

それで、「勝つべきだった=負けたのは悪い」という議論に導いているのだと思う。

この議論に持って行くと、アメリカの「戦争責任」に煙幕を張れる。
(正確には、ABCD諸国の「戦争責任」から話を外せる)

筋立て自体は古いもの。
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/books/nazemake.html
見てないけど感想、笑 | 2008/12/25 09:29 AM
こんにちは。裏番組を楽しく?見ていたので文字起こしはありがたいです。
たけしさんは以前から様々な番組で「一部の指導者だけが悪いというのは嘘だと思うな。」という主旨の発言をしている方ですよ。よく勉強されているみたいですね。
| 2008/12/25 10:43 AM
武力覇権政治、植民地経済が当時のグローバルスタンダードで現在の金融植民地経済(金融工学詐欺)の破綻と同じく各国の拡大路線が衝突、行き詰まり不況になっていた国際情勢が語られていませんでしたね。

これがTBS?と思わせる内容でしたが、歴史に学ぶというものには程遠いできだったように思いました。

筑紫氏が存命ならもっと違った、ネットが喜びそうな内容になっていたかもしれませんね。
mm | 2008/12/25 11:23 AM
番組では触れてない様なので、念の為…

大東亜戦争(米側呼称=太平洋戦争)に関する連合国(=現在の「国連」)の公式見解(=歴史認識)は…
『1928年以降、日本の軍国主義者が「世界制服」の目的で、第二次大戦にいたる一連の戦争を起こした』です。

最終的には、連合国が「東京裁判」で…
東條大将以下、被告を殺害することによって、この陰謀論を「事実」として確定したわけです。

この連合国側の「歴史認識」は、今だに訂正されていません。
(だから、「敵国条項」も残っている)

が、これを「事実でない」と国連が認めれば、今度は、「東京裁判」の方が「犯罪」(殺人とか不法拘禁とか)という事になる(笑

それと…
中共が「日本の軍国主義復活…云々」を言うのも、国連憲章(=敵国条項)に照らせば「正論」です。
(日本のマスコミが「軍グツの音が聞こえる(笑)」とかいうのも、旧敵国の歴史認識に照らせば… 同じく「正論」)
見てないけど感想、笑 | 2008/12/25 11:58 AM
新聞が3日も前に予定稿を書いていたというのは、初めて知りました。
ただ当時は、今ほどITが発達していない為も有ったかもしれません。
それと、昭和12年12月12日までに南京を陥すと、何か良いことが有るという、語呂合わせが言われていたとも聞いています。此の為も有ったかも知れません。

右翼は戦前の朝日新聞を、今の左翼朝日憎しの延長線上で、「戦争を煽った」と叩きますが、当時の世界の新聞論調との比較で見れば、それほど酷いとも言えないのではないでしょうか。

それより朝日新聞の大問題は、尾崎秀實の様なスターリンのスパイが、ソ連の指示に従って記事を書いていた事です。ゾルゲ事件では、尾崎までしか裁かれませんでしたが、その上の部長やひょっとしたら社長まで、スパイだった可能性が有ります。
日本を代表する大新聞が、敵国のスパイに操られていたという事は、記事の内容などとは比較にならない大問題です。
八目山人 | 2008/12/25 12:31 PM
くっくりさん、こんばんは〜

毎度ながらの力作、お疲れ様です。

政治と国民の軍事・安全保障への無知・無関心と、マスコミの無責任な煽りが戦争を招いたような気がして私はなりません。

なにやら流行語大賞とかやらに「ゲリラ豪雨」という言葉が選ばれたそうですが、それをけしからんとか言う人達がいるようですね。戦争を連想させるというのが理由だそうです。

戦前は「無敵皇軍」と言わなければけしからんと言われたのでしょうが、どうも発想の根源は同じような気がします。

すなわち、その言葉の本質・実態はともかく、スローガン、その時の社会の空気に反する言葉は全てKY、NGということなのでしょうか。

世界的経済危機と一部国家の国際的な台頭。そして政治、国民、マスコミの安全保障への意図的な無視・無関心。いつか来た道のような気がしてなりません。
腰抜け外務省 | 2008/12/25 06:47 PM
アメリカの戦時ポスター
http://www.geocities.jp/torikai007/pic-Ajapan.html
the other side of the hill | 2008/12/25 07:15 PM
確かに、TBSの放送だと思うと
いくらかマシなできだったかな、
とは思いますが・・・・
「一部の指導者だけの責任ではない」と言うメッセージはよいと
思います。国全体で責任を感じるべきです。
感じたのは、近衛の描き方にしても、渡部j昇一氏などは
かなり批判していますがこのドラマでは
好意的な描き方をしていて
歴史というのは、人の主観によって様々な捉え方をされてしまう
宿命なのかと感じました。
何故戦争をしたのかとか
何故負けたのか、誰が悪かったのか、と常に追求し「過ちを繰り返さない」などとお決まりの結論があるが、そうはいっても
ただ日本が戦争をし結果
負けたと言う事実だけは厳然と残る。そしてその事実から後世の我々がそれぞれの頭で考える
事くらいしか実のところ
出来ないのではないか・・・・
翡翠(ひすい) | 2008/12/25 08:03 PM
「戦争とは自然災害のようなもので、人間によってコントロールできないものである。そのため、台風をやりすごすのと同じように戦争は正しいか正しくないかにかかわらず勝たねばならない」
「大事変が終わった時には、必ず<若しかくかくだったら事変は起らなかったろう、こんな風にはならなかったろう>という議論が起こる。必然というものに対する人間の復讐、はかない復讐だ。この大戦争は一部の人達の無智と野心から起こったとか、それさえなければ起こらなかったとか。僕にはそんなお目出度い歴史観は持てないね。僕は馬鹿だから反省しない。利口な君達は、好きなだけ反省すればいいじゃないか」
小林秀雄のことばです。
これが反日史観および、保坂・司馬史観も問題点でしょうね。
marquis | 2008/12/25 09:12 PM
ついでに「責任」という言葉に対応する英語の話。

「説明責任」の場合だと‘accountability’、
「製造物責任」の場合なら‘liability’、
一般的には「対応する義務」の意味で‘responsiblity’ですね。

ただ「戦争責任」の場合は特殊で‘guilt’です。
つまり「戦争責任」は‘war-guilt’です。
ヴェルサイユ条約の「戦責条項」は‘war-guilt clause’です。
戦争罪責… | 2008/12/25 09:24 PM
昨日は一寸揉め事があって見れなかったので助かりました。

確かにTBSにしては異色の出来ですね。
それに比べて朝日と来たら・・。
http://blog.goo.ne.jp/taezaki160925/e/899a358c5ca17c9d18ba42ebaf63b1ec
↑のブログ様の記事にありますと、テレ朝は沖縄の集団自決捏造者どもをを支援する番組を報道するそうです。政府もしっかりとテレ朝から放送権を没収していただきたいですな。
unknown_protcol | 2008/12/25 10:32 PM
TBSにしては上出来でしたね。ハルノートには驚きました。

あの戦争って起こるべくして起こりましたよね。ハルノートを見る限りいつかどこかでアメリカとは戦うことになっていたのでしょう。戦争なんて誰もが経験したくないです。でもあの戦争があったからこそ今の日本があるんじゃないかと。
戦争を無理やり回避したとして、本当に今以上(または同じくらい)に平和な日本って存在したのでしょうか。まあ、憲法には色々思うところもありますが・・・・。
もし現在が中東のように荒れた国ならば先人を恨みもしたでしょうが、今現在の日本は中東のように荒れた治安ではないですよね。
この日本を守ったのは戦った先人がいてくれたから。一番辛い時代を乗り越えてきてくれた先祖があるからこそ、今の日本があるのかなと思います。
余計に靖国の大切さを思い知らされました。

何か、うまくまとめられなくてスイマセン・・・
モモタロさん | 2008/12/25 11:03 PM
くっくりさん、またまた興味深いエントリー有難うございます。くっくりさんって歴史にも詳しいな〜(驚)。私もシナ事変についてはもっと勉強しなくっちゃ。

私もハルノートが出てきたのには驚きました。あのTBSが!どうかしちゃったの?という感じで。
ただ、NHKの「その時、歴史が動いた」と同様、昭和天皇を戦争責任者のように(直接ではないが非常に巧妙に)描いていた印象を受け、不愉快でした。NHKの番組でも保坂氏がコメンテーターでしたから、この方の見方が反映されているのかもしれません。「諸君!」とかに連載しているのにね。

番組の最後の方で、確か東郷氏の未亡人が「軍は戦争したがりますからね…」と言った一言を字幕でデカデカと見せるあたり、「あーやれやれ、またかよ」とうんざりしてしまいました。
おれんじ | 2008/12/25 11:23 PM
連投失礼します。
朝日・毎日の南京事件の記事、非常に興味深いですね。

朝日は終戦の日に
「休戦の詔書を拝して一億の民は慟哭した。あの気持ちは陛下に対して赤子の罪を謝しまくる絶対の心境である。(中略)戦い敗れた後にもなほ我々には国体護持の喜びだけが残ったのである」
とか書いているのには失礼ながら笑ってしまいました。今は何という変わりよう(爆)。

私も飛鳥新社の本を購入してみたいです。
おれんじ | 2008/12/25 11:31 PM
ごめんなさい、南京事件→南京攻略ですね。
おれんじ | 2008/12/25 11:44 PM
【欺瞞、狡猾、党利党略……公明党の体質を露呈】
http://nvc.halsnet.com/jhattori/rakusen/AntiSouka/KillerMotoKouseiJikan.htm

年金が危ない。その「不安解消」と称して提案された政府の年金法案は、
公明党案を“丸飲み”したものだった。公明党はそれを、参院選での
最大の売り物に、ともくろんだ。いわく「年金100年安心プラン」。

【年金問題の掲示板】
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj1.cgi
ぼけもん | 2008/12/26 12:21 AM
この番組を取り上げて下さってありがとうございます。
いま、Mark Willey著Pearl Harborを読んでいますが、これは米国による日本の暗号解読に焦点を当てた本です。ルーズベルトの悪辣さと日本が開戦に仕向けられた経緯を詳細かつ明確に描いています。
TBSのこの番組でも多少、暗号解読について取り上げていましたが、単体で取り上げてもいいテーマだと思います。
今回の番組のつくりは、TBSにしてはまとも(?)なので少しビックリです。
しかし、インタビューを受ける徳富蘇峰の部屋に、なぜ「朝鮮半島」の地図があるのか?
この辺の小細工にTBSの相変わらずのセコさとダメさが伺えました。
まあ | 2008/12/26 02:03 AM
新聞のベタ記事やブック・レビューの評から判断して、
英米では元・政府関係者らが、大っぴらに…
米(FDR)政権は日本を挑発して戦争に追い込んだ(大成功!)と書いているようです。
一番最近では、キッシンジャーの回顧録(翻訳は岡崎久彦)。

彼らの倫理観を疑うが、「悪辣なナチス撲滅の過程で必要なことだった」と正当化、否、賞賛しているらしい。
(当時のドイツ、ナチス党、ヒトラーの「悪魔化」が前提になってるわけですが…)

考えてみれば、途方もない話なのだが、(戦争反対の)日本のマスゴミは(シーンとして)沈黙を守っている。

「シナ事変」に関しては…
ソ連のグラスノスチ(情報公開)の頃か、ベルリンの壁=崩壊の頃か、
ナニ新聞かは忘れたが…
「日中戦争の前後の時期、中国に派遣されていたドイツ軍事顧問団の文書が公開された」というベタ記事を見た記憶があります。

「続報」を期待してたのだが、十数年… まったく「音沙汰なし」でした。

結局、「続報」を見たのは『新「南京大虐殺」のまぼろし』(1999年)の中だった。
改革開放後の共産シナの出版物の中に、資料として使われているのを見た。

どうやら日本は、この種の情報からの「隔離」が行われているようですね。
見てないけど感想、笑 | 2008/12/26 07:39 AM
ですし、このドラマの時代設定がわかりませんが。蘇峰の部屋に朝鮮半島の地図があるのは、朝鮮戦争がすでにはじまっていたからではないでしょうか。間違っていたらごめんなさい。
これから出勤 | 2008/12/26 08:40 AM
「総辞職できなかったのが東條の限界」
「首相が市場を視察してアピール」「統帥権干犯」
麻生内閣の政権運営と田母神問題に関して、
戦前戦中の日本と重ね合わせようとする
刷り込みの意図を感じる番組でした。
一見、バランスの取れた作りになっているところが巧妙でしたね。

最後には近衛遺族のインタビューが恣意的に利用されてたりして、
とても後味が悪かったです。
ゾルゲ事件を自省して上奏文も書いた故人の無念を黙殺して、
再び敵の駒に仕立てようとするTBSの姿勢は人として許せません。
PPLL | 2008/12/26 10:02 AM
結局、日本のマスコミは皆、「脛に傷もつ身」だからね…
http://www.nishiokanji.jp/blog/?p=769
占領軍へ協力者(=対敵協力者)なんだから。
清算されざる過去… | 2008/12/26 10:42 AM
はじめまして。
なにも分かっていない若輩者ですが、ブログ記事内にリンクを貼らせていただきました。
この作品の内容を理解するための参考になりました。
有難うございます。
ゆた | 2008/12/26 11:19 AM
昔の「日本は悪い戦争をしたから、悪い」論より、現在の「負けたから悪い」論の方がタチが悪い。
(つまり、「負けたから悪い」論には倫理上の問題がある)

「負けたから悪い」論は、詰まるところ「損得」の話で、「正義」の観念が欠けている。

「負けたから悪い」論者の思考は、終戦直後のタチの悪い連中と同じです。
「負けたから悪い」論は、(立場を変えれば)「勝てば何をしても良い」論だから。
見てないけど感想、笑 | 2008/12/26 12:46 PM
今回は、過去の同系統の番組と毛色の違う点が見受けられましたが、それは
制作者達が改心したのではなく、国民感情の変化に対応して彼らの工作要領が
変化したと考えた方が無難だと思います。そして、その変化のポイントに、
彼らのこれからの動きを読むヒントがあるように思います。

気付いたポイントとして二つを挙げておきます。
一つは「一部の指導者だけではなく、国民全体に責任がある」という論調。
不当に貶められていた戦犯らの扱いが変わる事に、一定の価値は有りますが、
それは「日本人は民族・遺伝レベルで悪」「戦前日本の全否定」という論を補強し、
一億総懺悔や戦後教育の正当化に繋がる危険があることも、忘れてはなりません。
やがて伝統の破壊や外国人参政権等の後押しにも利用されるかもしれません。
それと、戦争を煽ったマスコミの責任逃れも、見過ごすわけにはいきません。

もう一つは「日本だけでなく米国にも問題があった」との姿勢。
(シナの問題はどこへ???)
これも甘い響きで誘惑してきますが、あくまで日米離間の一手でしょう。
現在米国も弱ってますし、ブッシュ路線否定が決定的となった今、日米安保に楔を打ち込む
には好機です。これは中国にとって都合の良い宣伝番組だったのではないでしょうか。
(シナをヨイショするシーンもあったような?)

日教組らの悪行も知れ渡り、日の丸君が代や皇室も国民から熱烈に支持され、
村山談話を踏襲すると首相の支持率が低下するご時世です。田母神論文への
同調者も多いと聞きます。デマはすぐにネットでバラされてしまいます。
そんな時代には、もう捏造の自虐史観だけで世論を押さえつけるのは不可能。
ならばどのように工作すれば、彼らの目標達成に都合が良いでしょうか?
強いものとは戦わず、すり寄って利用するのが連中の常です。
来年は、愛国心を刺激して反米(反自民)へ誘導するのがトレンドになるのかもしれません。
「とにかくチェンジすれば良くなる」と宣伝する、どこぞの党とも親和性が高いようです。

残念ながらマスコミによる世論操作の影響力は依然大きく、日本が革命へ向かって
流されている厳しい情勢に変わりはありません。
今後も彼らの宣伝を油断無く監視して、警鐘を鳴らし続ける必要があると思います。
PPLL | 2008/12/27 09:25 AM
> それと、戦争を煽ったマスコミの責任逃れも、見過ごすわけにはいきません。

「シナ事変」を煽つたのは、シナのマスコミ(=シナの輿論)で、
事変が始つてからも、日本のマスコミは[シナ側よりは]冷静だつたと思ひます。
(岡崎久彦の意見や林健太郎の回顧録など読んだ記憶からですが…)

それとアメリカ(特にカリフォルニア)の「反日キャンペーン」も紹介されて無いようですね。
(『新「南京大虐殺」のまぼろし』にも当時の描写があります)

うかがふに、敵側の状況(the other side of the hill)の分析の無い番組だつたのかな?全体として。
見てないけど感想、笑 | 2008/12/27 10:16 AM
初めまして中谷と申します

面白く読ませていただきました。テレビ、映画などの歴史モノはあまり見ないので、注釈つきの解説は読み応えがありました。当時の空気は全国水平社(現部落解放同盟)でさえ、解散したり、皇国日本、国家社会主義を理想としていた時代でした。帝国議会の松本冶一郎の発言録などは必見です。

どうもありがとうございました。

あっと、番組スポンサーは何処でしたでしょうか?判れば幸甚です。
nakatani | 2008/12/27 11:10 AM
【断 潮匡人】TBSに次回作を提案する (1/2ページ)
【断 潮匡人】TBSに次回作を提案する (2/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090108/acd0901080237000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090108/acd0901080237000-n2.htm

 昨年12月24日夜、TBS系列で「あの戦争は何だったのか 日米開戦と東條英機」が放送された。「ドラマとドキュメンタリーで綴(つづ)る」2部構成。ドラマで東條英機役を務めたビートたけし氏ら俳優陣の演技は秀逸だった。

 気になったのはドキュメンタリーだ。「A級戦犯・東條英機 その責任と統帥権」と題し、統帥権を「魔物」と酷評。内閣、防衛省、自衛隊と降りる図解を用い、安住紳一郎アナが「公民の授業のようになりますが」「内閣の中に防衛省があり、今の自衛隊はその指揮下にあります」と説明。続けて鳥越俊太郎氏が「これがシビリアンコントロール」と解説した。

 正確を期すなら、自衛隊は防衛省の指揮下にはない。防衛省と自衛隊は同じ組織の別名である。誤解が消えないのは、公民の授業で防衛問題を忌避してきた結果であろう。

 番組の善悪二分法にも違和感を覚えた。行司役は、監修者でありオリジナルテキスト著者の保阪正康氏。海軍善玉、陸軍悪玉史観に加え、東條に冷たく、近衛文麿と山本五十六を持ち上げた。

 山本の作戦指導にも疑問が残るが、何より、仏印進駐も、政党政治の終焉(しゅうえん)も、支那事変も「その責任」を問われるべきは近衛であろう。次回は「近衛文麿 その責任と新体制」で企画頂きたい。

 ちなみにロンドン軍縮条約を「統帥権干犯」と非難したのは政友会の犬養毅や鳩山一郎。政治とマスコミが「魔物」を産んだ。

 統帥権に代わる現代の魔物は、さしずめ文民統制であろう。(評論家)
| 2009/01/10 12:49 PM
とても面白かったです。
特に後半の新聞の紹介はとても勉強になりました。

さすが人気ブログですね。
気迫がこもった記事です。

不思議なのは、竹島問題でグーグルしらべてて今日偶然にこのブログを知ったことです。

どうしてもっと宣伝しないのかな?

たとえばヤフーとかイザのブログで。
読者数が倍になると思うんですが。
ヒロシ | 2009/01/13 06:18 AM

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