「アンカー」テロ国家指定解除で拉致問題は?(付:中国毒インゲン)

■10/15放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”

テロ国家指定解除で日本政府はどう動く?拉致問題の行方は…青山がズバリ

081015-26nihon.jpeg アメリカが北朝鮮へのテロ支援国家指定を解除。アメリカ側の本音は?そして日本は、私たち国民はどうすべきか?
 金正日重病説の続報もあります。

 コーナー前に、家族会が河村官房長官に北朝鮮への経済制裁の強化を申し入れたというニュースが伝えられましたので、そこから起こしました。
 あと、トップニュースとして中国製毒インゲン問題が伝えられたんですが、これについての青山さんの見解を最後に紹介しました。

 細かい相づち、間投詞、言い直し、ツッコミはカット、言葉尻など曖昧な箇所もありますが、それ以外はほぼ完璧です。
 画像はYoutubeで拾ったビデオからキャプチャさせていただきました。
 今回は原寸大画像ですので、クリックしていただいてもこれ以上大きくは表示されません。あしからず<(_ _)>


 内容紹介ここから____________________________

山本浩之
「アメリカが北朝鮮のテロ支援国家指定解除したことを受けて、北朝鮮による拉致問題、これがどうなっていくのか、大変心配なこのニュースです」

村西利恵
「麻生総理は昨日、拉致解決がなければ北朝鮮へのエネルギー支援はしないと明言。そんな中、拉致被害者家族は河村官房長官に面会し、北朝鮮への経済制裁強化などを要望しました」

 …………………………VTR開始…………………………

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 沈痛な面持ちで官邸に入る拉致被害者家族会のメンバー。
 家族会は今日、平沼赳夫元経済産業大臣ら議員連盟とともに官邸を訪れ、河村官房長官に北朝鮮への経済制裁の強化を申し入れました。

飯塚繁雄 家族会代表
「効果のある態度、あるいは制裁を含めて対応していただきたいなというふうに…」

【今月12日】
麻生太郎首相
「(核問題が)動かない状況のまま置いとくより、きちんとやった方がいいと…」

 アメリカが北朝鮮のテロ支援国家指定を解除したことに理解を示していた麻生総理大臣でしたが、昨日(14日)の国会では――

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麻生首相
「『エネルギー支援を下さい』等々いろんなことが向こうから要求で出てきますから、その要求に関して私どもは拉致の問題の進展がない限り、この種の話に応ずることはないと」

 ――と明言。
 アメリカ政府に理解を示したのは、『6カ国協議を存続させるため』と答弁しました。

 一方、ワシントンで行われた日本・アメリカ・韓国の外務次官級会合に出席した佐々江アジア外務審議官も、日本の立場を説明。

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佐々江賢一郎 外務審議官
「我が方の立場というのはですね、現状でこの(拉致問題の)進展のない状況ではですね、(エネルギー支援は)難しいということをですね、ま、お話をしたということです」

 アメリカと韓国の代表は拉致問題を重視すると応じたということで、10日以内に6カ国協議の代表者会合が開かれる見通しです。
 拉致問題優先の態度を貫く日本に対し、北朝鮮がどのような姿勢で臨むのかが注目されます。

 奇しくも今日、蓮池さんたち拉致被害者が帰国してちょうど6年。福田総理が突然辞任して止まったままの拉致問題再調査は動き出すのでしょうか。
 家族会の飯塚代表は、会見でこう訴えました。

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飯塚繁雄 家族会代表
「相当な強い態度で(北朝鮮に)要求をしていかないと。『お願いします、返してください』じゃなくて『返せ』というような意気込みでですね、それに伴う対応含めて、これからもやっていただきたいと思いますけども…」

 …………………………VTR終了…………………………

山本浩之
「まあこの問題に関しては、今回アメリカが指定を解除したという驚きよりも、むしろそれを受けて日本政府が何にも動かないっていう驚きの方が、室井さん、僕は強いんですけれど」

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室井佑月
「うーん。だいたい、何か、そう言えば秋口に、拉致被害者の再調査をするっていうふうになったけど、その話はどうなったのかとか、いろいろ不思議なことがありますよね。あれはそのまま全然進展がないでしょう?それに何て言うのかな、これから寒くなってくると、結局その北朝鮮の貧しい人たちの映像とかがガンガン入ってきたりとかして、やっぱり日本だけがその援助しないって言っても、人道的にとかって話になってきて、援助は断れなくなってくるんじゃないかなって思うんですよね、拉致をうやむやにしたまま」

山本浩之
「これは青山さん、今、室井さんが、再調査についてはどうなったのかっていう疑問がありますけれども」

青山繁晴
「あの、さっきのね、毒餃子、インゲンの話と事柄も違うし、相手の国も違うのに、何かとても似てますよね。要するに合意したり約束したりしたことが全然実行されてないのに、しかし日本はそれを呆然と見てる。毒餃子事件もそうですが、この再調査についても、その後、北朝鮮側におそらく金正日さんが倒れたりした事情があるにしても、福田内閣の時にあれほどはっきり再調査をやると決めて、室井さん言った通り、この秋には、もうとっくに秋ですけど、結果出てるはずがね、動いてない」

室井佑月
「でも、あの、金正日さんが倒れたとかっていうのも向こう側の問題でしょう?日本としてはどういう動きをしてたんですか?この間」

青山繁晴
何もしてない、はっきり言うと」

室井佑月
「何もしてない…」

青山繁晴
「あのね、今、室井さんが言ったことはやっぱり大事なことに触れてて、向こうが倒れたらしばらく様子見ましょうね、じゃなくて、それは日本にとって本来はチャンスになることなんですよ。向こうが動揺してるってことはね」

山本浩之
「当然そうですよね」

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青山繁晴
「ところがその、戦後の日本外交っていうのは、相手がテロ国家であったり、日本国民を誘拐してる国でもですね、その国に何かあったらしばらく様子見ましょうと、相手の動きを待ちましょうっていう外交なんです。だから全部、相手が中国でも北朝鮮でも同じになっちゃうわけです」

山本浩之
「うーん。こちらから何かを働きかけるとか…」

青山繁晴
「ほとんどないですね」

山本浩之
「ただ、まあ今回の場合は9月1日に政権投げ出した前の首相がいて、その後政治空白ができましたよね。ただ、そのあと総裁選を自民党はやりましたけれど、その中でもこの拉致に関する問題っていうのは、5人候補いましたけれども、それを大きな声で、北朝鮮、これを問題、再調査に関してはどうするのかって、それを見極めて、私が総裁になったらこうするっていうふうに語った人っていませんでしたよね」

青山繁晴
「いなかったんですよ。現総理の麻生さんも含めて、そもそも総裁選の争点になってない。で、それは日本の政治の貧困、外交の貧困なんだけれど、やっぱりその、僕らの側もさっきの室井さんのような声をね、もっと日常的に挙げることが大事ですよ。時々思い出すんじゃなくて。『ところであの再調査どうなった』じゃなくてですね。その、ずーっと言わなきゃいけない。それが本来の民主主義なんで、僕らの問題でもあると思いますよ」

山本浩之
「はい。そこで青山さんの今日の“ニュースDEズバリ”のコーナー、引き続きこの拉致問題に関するお話だと聞いてます」

青山繁晴
「はい。今も話に出ましたけれども、アメリカが北朝鮮をテロ国家に指定してたのをとうとう解除してしまったと。で、これは今の話でもあったように、日本のもちろんピンチなんですけど、そのピンチっていうのは、あるいはリスクというのは必ずチャンスに変わるので、どうやってチャンスに変えようかということを今日、みんなが、僕らがどうするかっていうことで考えたいんですが、キーワードはまずですね、これを用意したんです(フリップ出す)」

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山本浩之
「『脱』」

青山繁晴
「はい。それもちょっと変な書き方だなと思われたと思うんですけど、これ実はこないだ亡くなった緒方拳さん、俳優の緒方さん、緒方さんって本当は書家でも有名だったんですけど、この緒方さんの書の展示会で、僕この緒方さんが書いた『脱』っていう字にものすごい感動したんです。もうずいぶん前ですよ、7〜8年前ですかね。で、こんなんじゃなくて、もっとこう力が抜けたような『脱』、そういう柔らかい『脱』、今までの自分たちの在り方から抜けていくことはとても大事だと思ってて、そして今回に限っては、その『脱』の中でもやっぱりこれだと思ってます(フリップ出す)」

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山本浩之
「『脱アメリカ』」

青山繁晴
「これが拉致問題の解決とどう結びつくのかというのを、このあと具体的にお話ししたいと思います」

山本浩之
「えー、岐路に立たされたこの拉致問題ですけれども、リスクの裏にあるチャンスについて、コマーシャルのあと青山さんの解説です」

(いったんCM)

 …………………………VTR開始…………………………

 アメリカ発の金融危機による世界恐慌への不安がいっそう広がっていった今月の初め、そのニュースの裏で、北朝鮮問題にも大きな展開があった。

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【ソウル 今月3日】
ヒル国務次官補
「(北朝鮮とは)長時間にわたり詳細な話ができた。実りのある話し合いだった」

 核計画の検証方法を協議するため平壌を訪問したヒル国務次官補。
 詳細は語らず、ライス国務長官に報告するとだけ語った。

 そして日本時間の12日未明――。

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国務省 マコーマック報道官
「米国務省はけさ北朝鮮へのテロ支援国家指定を解除した」

 ついに解除されたテロ支援国家指定。
 北朝鮮はこれを受け、核施設の無能力化を再開した。

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【参院予算委員会 きのう】
麻生首相
テロ支援国家指定解除に対しては我々は不満、ということははっきり申し上げてきております

 日本政府は、北朝鮮に対するアメリカの対応に振り回されていた。

 指定解除が発表されるわずか30分前、浜松市のホテルのバーにいた麻生総理にのもとに、ブッシュ大統領から電話があり、突然テロ支援国家指定解除の知らせを聞かされたという。

 さらにそのおよそ2時間前、G7に出席した中川昭一金融担当大臣はブッシュ大統領の傍らに立ち、憮然とした表情を浮かべていた。

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中川昭一 財務・金融担当相
「大統領を追っかけまして、『私は実は拉致問題の責任者をずっとやっていたんです』と、『テロ指定解除の話もあるんだけれども』と申し上げたら、ちょうどそこにライス国務長官が通られて、で、(ブッシュ大統領は)このことはライスによく話をしてくれということになって、で、ライスさんと10分ほどですね、話をしてきました」

 しかし、この時ライス長官からテロ支援指定解除の言葉はなかったという――。

 大きなカードを失う日本は、どのような戦略をとるべきなのか。
 拉致問題の行方をズバリ解説します。

 …………………………VTR終了…………………………

山本浩之
「まあこのアメリカによるテロ支援国家指定解除というのは、大変大きなニュースです。しかし青山さんは、日本にとってこのリスクの裏にあるチャンス、これをまあ活かすためにどんな方法があるのか、さっそく、そういうふうに述べられましたのでその解説からお願いしたいというふうに思います。お願いします」

青山繁晴
「はい。まずですね、このアメリカが北朝鮮をテロをやってる国、あるいはテロを支援してる国、20年ぐらい指定してきたけども、それを外すというのは、皆さん思い出して下さい、本当は6月に、このブッシュ大統領がアメリカの議会に通告しましたね。で、本来であればその45日後にもう解除ができるっていうことだから、もっと早く、だから8月中に解除するかもしれないということだった。ところが北朝鮮の態度が非常に不誠実だったから、アメリカが実際にはこれ、踏み切らずに来た。で、実はそのことに日本の外務省、あるいは首相官邸、今の麻生政権も含めて、はっきり言うと油断してしまって、これおそらく大統領選挙ギリギリ、11月4日ですけど、そこまでぐらいギリギリ引き延ばして、もし解除があるとしてもですね、そこまで行くだろうっていうことで、ま、安心してたわけですよ」

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青山繁晴
「で、ところが、その日本の甘い予想を裏切って、アメリカはむしろ早く、この10月上旬という段階で踏み切ったんですね。で、どうして踏み切ったのか。実は麻生さんや、あるいは日本の外務省はまだ腑に落ちてないところがあって、たとえば外務省幹部と電話で話するとそうなんですが、しかしそれは本当は違ってて、アメリカのいわばこの交渉の担当者の動き見たら、これはわかるわけです。で、それは誰でもわかりますけれど、ヒルさんですね。で、ヒルさんが何をしたか。はい、ちょっと出して下さい」
 
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