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慰安婦問題年表(2)2016- <追記あり>
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<最終更新日:2021/4/23>
年表が追記を重ねてあまりに長くなりすぎたので、2つに分けました。
(1)2015年12月まで
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1634.html
(2)2016年1月以降(このページ)
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2145.html
ざっくり言って、日韓合意までが(1)で、それ以降が(2)。
2015年12月28日の日韓合意によって、「日韓両政府は慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した」はずなのに、その後も年表は続いているという笑えない現実。
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<最終更新日:2021/4/23>
年表が追記を重ねてあまりに長くなりすぎたので、2つに分けました。
(1)2015年12月まで
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1634.html
(2)2016年1月以降(このページ)
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2145.html
ざっくり言って、日韓合意までが(1)で、それ以降が(2)。
2015年12月28日の日韓合意によって、「日韓両政府は慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した」はずなのに、その後も年表は続いているという笑えない現実。
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<2016年>
1月1日
朴槿恵大統領が閣僚との会合で、日韓合意を「外交成果」の第1位として挙げた。その上で、「経済の活性化につながり、国民が大きな恵みを得ることが重要だ」と述べ、日韓関係改善による経済効果に期待を寄せた。
台湾の馬英九総統は新年談話で、慰安婦問題について「20年以上引き延ばされてきた論争だ」として、解決を急ぐべきだと述べた。
北朝鮮の報道官は、日韓合意は「政治的取引の産物であり絶対に容認できない」として、批判する声明を発表した。
1月5日
朴槿恵大統領が、慰安婦問題に関する日本との合意を「過去の政権が手を付けられなかった難題」の一つに挙げ、その解決に全力を挙げてきたと強調し成果を自賛する発言を閣議で行った。
韓国の外務省報道官が、慰安婦問題を国内外に周知させるため、同国政府が発刊準備を進めている「慰安婦白書」について、「韓日合意とは無関係だ」と指摘、「予定通り発刊されると理解している」と述べた。これについて菅義偉官房長官は同日の会見で、お互いが最終的、不可逆的という形で確認しあった。韓国政府は適切に対応していくだろう」と韓国側の動きを牽制した。
また、韓国の最大野党「共に民主党」の李鍾杰院内代表らがソウルの韓国外務省を訪れ、尹炳世外相に交渉のやり直しを求め、日本政府が拠出する10億円を「絶対に受け取ったり使ったりしてはならない」と要求した。外相は「交渉のやり直しは考えていない」と拒否したという。野党は4月の総選挙で日韓合意の賛否を焦点にする構えを強めている。
また、中国外務省の華春瑩報道官が定例記者会見で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に慰安婦問題関連資料の登録を申請する動きに韓国が加わらないとの認識が日本で出ていることについて、「事実無根」と否定。韓国側と共同歩調を取りたい考えをにじませた。世界記憶遺産の登録申請については、韓国側も12月29日に外務省報道官が記者会見で、日本側の認識を「事実無根」だと否定している。
1月11日
慰安婦問題を扱った書籍「帝国の慰安婦」をめぐり在宅起訴された著者の朴裕河・韓国世宗大教授が、ワシントンのシンクタンクが開いた日韓関係に関するシンポジウムで同問題に関し、「政府の声を唯一の声とせず、ナショナリズムを人々の利益に優先させないことが重要だ」と述べ、学術的立場からの冷静な議論を呼びかけた。
1月13日
慰安婦問題の学術書「帝国の慰安婦」で名誉を毀損されたとして、元慰安婦の女性らが著者の朴裕河世宗大教授に計2億7千万ウォン(約2650万円)の損害賠償を求めた訴訟で、ソウル東部地裁は、一部表現が元慰安婦らの名誉を傷つけたと認め、朴氏に計9千万ウォンの支払いを命じる判決を言い渡した。
1月14日
挺対協が日韓合意反対の財団を創設すると発表。
1月20日
朴裕河世宗大教授の初公判が、ソウル東部地裁で開かれた。公判で検察側は、朴氏の著書の中で慰安婦に関して「『自発的な売春』や『日本軍と同志的関係にもあった』などとの虚偽の事実の記述があり、元慰安婦らの名誉を毀損した」と起訴理由を述べた。これに対し、朴氏の弁護人は「(同書に)虚偽の事実はなく、元慰安婦の女性らの名誉を傷つける意図もなかった」として、起訴事実を否認して争う構えを示した。
1月26日
元慰安婦の李玉善と姜日出が東京の衆議院会館で記者会見し、日韓合意について「被害者の意見も聞かずに妥結した」と批判し、改めて合意への反対を訴えた。
2月15日
朴裕河教授の給料が、差し押さえられたことが分かった。この日、本人が大学側から伝えられて知った。この月から賠償金の支払いが終了するまで、給料の一部が差し押さえられることとなった。朴教授は産経新聞の取材に対し、「全く予想していなかった」と述べ、何らかの圧力がかけられている状況を説明した。
2月16日
ジュネーブの国連女子差別撤廃委員会で日本政府がようやく「慰安婦は強制連行でない」と反論。前年7月、杉田水脈前衆院議員らが同委員会の準備会合で強制連行説には根拠がないと訴えたことをきっかけに、同委員会が同年8月に日本政府に問い合わせをしたことで、反論(回答)の機会に恵まれることとなった。つまりこれは外務省がそれまで何も発信してこなかったことの裏返しでもある。
日本政府はこの日までに、委員会側に回答を書面で送っていた。委員会はその回答を1月30日までにHPで公表。それによれば、回答は冒頭、昨年末に「日韓両政府は慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した」と説明した上で、日本政府は「1990年代初頭以降、慰安婦問題が日韓間における政治問題として取り上げられた際、事実関係に関する本格的な調査を行った」として、関係省庁の関連文書、米国国立公文書館での文献、関係者への聞き取り調査などを行ったが、強制連行は「確認できなかった」と説明した。
そして2月16日当日、女子差別撤廃委員会の対日審査で、政府代表の外務省の杉山晋輔外務審議官は、まず昨年末の日韓外相会談で、慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決することで合意したことを説明。その上で、強制連行が流布された原因は吉田清治氏が執筆した本で「吉田氏自らが日本軍の命令で韓国の済州島において大勢の女性狩りをしたという事実を捏造して、発表したため」と指摘した。吉田氏の本の内容が「朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、日本韓国の世論のみならず国際社会にも大きな影響を与えた」とも述べ、内容は「複数の研究者により完全に想像の産物であったことがすでに証明されている」と明言した。また、朝日新聞が2014年(平成26年)に「事実関係の誤りを認め、正式に謝罪した」と説明した。「慰安婦20万人」についても、杉山氏は「具体的な裏付けがない数字」として、朝日新聞が謝罪した際に労働力として動員された女子挺身隊と慰安婦を混同したことを認めている点も説明した。「性奴隷」との表現についても「事実に反する」と強調した。
中国系の委員らからは「歴史的事実を変えたり、否定することはできない」などといった大きな反発が起きたが、杉山氏は「非常に残念なことにいずれの点においても日本政府として受け入れられるものではないだけではなく、事実に反することを発言されたと残念ながら申し上げざるを得ない」と反論した。
但し、杉山外務審議官のこれらの説明は口頭によるものだったため、国連の正式な記録(文書)には残されていない。外務省のサイトには掲載されている。
2月18日
16日に日本政府が国連女子差別撤廃委員会の対日審査で、慰安婦の強制連行説が広まったのは朝日新聞の報道が大きな影響を与えたなどと説明した件について、朝日新聞社は外務省に対し、根拠を示さない発言で遺憾であると文書で申し入れた。この文書で朝日新聞社は、朝日の慰安婦報道を検証した第三者委員会の委員から「(日本軍が暴力的に強制連行したという)イメージの形成に大きな影響を及ぼした証拠も決定的ではない」といった見解が述べられている、と強調した。また、杉山氏は「慰安婦20万人」に関しても、朝日新聞が女子挺身隊を「混同したことにあると自ら認めている」と語ったが、これに対して、申入れ書では「弊紙は20万人という数字について、女子挺身隊と慰安婦の混同がもとになったとは報じておりません」と反論した。
しかし朝日新聞の第三者委による検証は、当初から追及が甘いと指摘されていた。これに飽き足りない独立検証委員会が2015年2月に出した報告書は、朝日新聞が慰安婦強制連行説を盛んに喧伝した1991年から92年1月以前は、米主要3紙は「慰安婦問題をほぼ無視し、取り上げていなかった」と明らかにしている。同委員会の副委員長で東京基督教大教授の西岡力氏は「吉田清治を世に出したのは朝日新聞だ。朝日は第三者委員会で見解が分かれたというが、それは委員会の中でも影響があると認めた人がいたということではないか」と指摘し、朝日の姿勢をこう批判した。「朝日は外務省に申し入れたことで初めて自社の責任に言及した杉山発言を報じた。ファクト(事実)を報じる新聞の役割を果たしていない。(誤報を)本当に反省しているのなら、自ら国際社会に発信すべきではないか」。
2月24日
チョ・ジョンレ監督による慰安婦プロパガンダ映画『鬼郷』が韓国で封切られた。公開5日目には観客動員数100万人を記録した。映画はわざわざ「元慰安婦たちの証言による事実にもとづく」と銘打っているが、ストーリーは荒唐無稽。「日本兵による少女たちに対する殴る蹴る引き裂く…の残虐な暴行、拷問場面の連続は正視に耐えず、客席からは悲鳴が上がるほど」と産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏は指摘している。ちなみに、2月4日の試写会記者懇談会で、監督は映画を作った動機を、「ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)映画のように、文化的証拠の役割にしようという心から出発した」とし、「証拠がないという言葉に腹が立った」と述べている。
3月1日
韓国野党第一党の「共に民主党」の金鍾仁非常対策委員会代表が元慰安婦たちと面会し、「ひとまず国家間で交渉を行ったので、その結果を現時点で白紙化は困難だ」と述べた。日韓合意を批判し、再交渉を求めてきた「共に民主党」のこれまでの方針とは異なる発言。
3月2日
スイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会で、韓国の尹炳世外相が演説を行ったが、慰安婦問題について言及しなかった。日韓合意後、国際舞台で初めて行う演説であり、韓国内では演説で慰安婦問題自体を取り上げないとの見方はほとんどなく、国際社会に合意内容を説明し、日本側の誠実な履行を求めるとの予想が多かった。
3月7日
国連女子差別撤廃委員会が、慰安婦問題を含む日本に関する最終見解を発表した。この中で、慰安婦募集の「強制性」に言及せず、「性奴隷」の表現も使用しなかった。しかし、慰安婦に関して発言する日本の政治家が増えているとして、「指導者や政治家」が元慰安婦を傷つけるような発言をしないよう勧告。また、昨年末の日韓両政府の合意を「被害者を中心に据えたアプローチを採用していない」と批判し、元慰安婦への金銭賠償や公式謝罪を含む「完全かつ効果的な賠償」を行うよう求めた。また、「慰安婦問題が第二次大戦中に締約国(日本)の軍隊により遂行された深刻な人権侵害であり被害者に影響を与え続けていると考える」と指摘。日韓合意に「留意する」とした上で、「合意を履行する際、被害者の立場に正当な考慮を払い、彼女たちの真実・正義・賠償への権利を確保する」よう勧告した。また、慰安婦問題を教科書に記述し「歴史的事実が客観的に学生や一般の人々に提供されるようにすること」を求めた。
最終見解に関し、日本政府関係者は「杉山氏が行った事実関係の説明が全く考慮されていらず、受け入れられない。日韓合意への批判も的外れだ」と述べた。
3月17日
米カリフォルニア州議会上院が、「人権活動の功績」をたたえ、韓国から訪米中の元慰安婦・李容洙を表彰した。州上院の有力議員が表彰を提案した。
3月27日
韓国の弁護士団体「民主社会のための弁護士会」が、慰安婦問題に関する昨年末の日韓合意について、韓国の元慰安婦らが財産権などを保障した憲法に違反するとの訴えをソウルの憲法裁判所に起こしたと発表した。元慰安婦らが合意を違憲だと訴えるのは初めて。訴えは、韓国政府が元慰安婦らの対日賠償請求権行使の道を妨げ、元慰安婦らのために何の努力もしていないと指摘している。
4月13日
韓国で総選挙が実施され、与党セヌリ党が惨敗して過半数を割り込み、左派系の「共に民主党」など野党が躍進。朴槿恵政権の国政掌握力は低下へ。
6月1日
慰安婦に関連する資料の国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産への登録を目指す韓国の民間団体が、日本や中国、オランダなど各国の市民団体と共同で、5月31日付で資料の登録申請をしたと明らかにした。申請は韓国に事務局を置く「国際連帯委員会」が中心となって進めた。申請資料は計2744件に上り、音声記録を含む元慰安婦らの証言記録や写真、市民団体による調査資料などという。登録されるかどうかは、翌年(2017年)10月ごろまでに決まる見通しという。
※なお、国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産という名称について、日本ユネスコ国内委員会は6月20日、英語名の「Memory of the World」を直訳する「世界の記憶」との新名称に変更することを決定した。
6月21日
韓国メディアJTBCが、国民の党の朴柱宣(パク・ジュソン)議員室が入手した来年度の女性家族部予算案から国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産登録事業予算4億4000万ウォン(約4000万円)が全額削減されたと報じた。女性家族部関係者は「民間団体で不十分な部分があっため支援したのであって、我々が主導していたのではない」とし「韓日合意とは関係のない決定」と伝えた。
6月21日
韓国の元慰安婦の女性2人が、日本政府や産経新聞社などの日本企業を相手取って米サンフランシスコの連邦地裁に起こした訴訟で、同連邦地裁が、全21被告に対する原告の請求をすべて退ける判決を下した。これで第1審は終結した。前年11月に同連邦地裁は、産経新聞社に関する提訴につき原告の訴えを却下すると決定したが、その後、原告が証拠開示手続きを求めたため、審理が続いていた。
6月29日
慰安婦を追悼する公園「記憶の場」の起工式が、ソウル市中心部の韓国統監官邸の跡地で行われた。式典には元慰安婦の女性のほか、敷地を提供するソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長、挺対協、国会議員らも出席。朴市長はあいさつで、韓国を中心とする国際市民団体が慰安婦関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産へ登録申請したことに触れ、市の予算拠出を表明した。
7月28日
日韓合意に基づき、韓国政府が、元慰安婦の女性らを支援する財団「和解・癒やし財団」の初の理事会をソウル市内で開き、財団は設立、発足した。会見場に市民団体が乱入、理事長に就任した金兌玄(キム・テヒョン)誠信女子大名誉教授が催涙剤スプレーで襲撃されるなど波乱の船出となった。財団が発足したことで、慰安婦問題は日韓合意にうたわれた「最終的かつ不可逆的な解決」に向けて一歩前進すこととなった。
7月28日
慰安婦をめぐる朝日新聞の記事で間違った事実が国際社会に広まり、日本国民の名誉や信用が傷つけられたとして、渡部昇一・上智大名誉教授ら約2万5千人が朝日新聞社を相手取り、1人1万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決が東京地裁であった。脇博人裁判長は「原告らに対する名誉毀損は認められない」として訴えを退けた。原告側は控訴する方針。
8月2日
ソウル市はこの日までに、慰安婦問題で関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」に登録する運動を進めている韓国の民間団体に財政支援を行うことを決め、事業申請の受け付けを始めた。
8月4日
慰安婦像が設置された米ロサンゼルス近郊グレンデール市の日系人住民らが、像の撤去を市に求めた訴訟で、カリフォルニア州の連邦高裁は、原告の訴えを棄却した。2014年の1審判決に続き2審でも日系人住民が敗訴した。原告側は、グレンデール市による像設置は連邦政府だけが持つ外交権限を侵害すると主張したが、同高裁は、像を設置するかどうかは市の管轄権に属し、連邦政府の外交権は侵害しないと判断。像の設置が日米の外交関係に悪影響を及ぼすとの原告の主張も退けた。
8月6日
オーストラリアの一部韓国系グループが、最大都市シドニー郊外で「慰安婦」像の除幕式を行った。豪州での慰安婦像設置は初めて。オーストラリア公共放送ABC(電子版)は「(日韓市民間の)対立が深まっている」と伝えた。
8月7日
「和解・癒やし財団」の金兌玄理事長は、聯合ニュースが報じたインタビューで、元慰安婦らは大多数が疲れ切っており「もう(問題が)終わってほしい」との思いから、満足ではないが合意を受け入れようとする人が多いと話した。
8月18日
ジャーナリストの大高未貴氏が、吉田清治の長男のインタビューに成功。この日発売された月刊誌「新潮45」9月号に掲載された。長男は大高氏に対し、このように述べたという。「父が犯した慰安婦強制連行の捏造について、吉田家の長男として、日本の皆様に本当に申し訳なく思っております。できることなら、クレーン車で世界中の慰安婦像を撤去したい…」「父の責任は重大ですが、一方で、あれだけの創作話を父1人でできるはずがありません。慰安婦問題を既成事実化したい人々の何らかの関与があったはずです」「父は済州島なんか行っていません。家で地図を見ながら原稿を書いていました」
8月24日
日本政府が閣議で、元慰安婦支援を目的とした韓国の「和解・癒やし財団」への10億円拠出を閣議決定。この日行われた日韓外相会談で、岸田外相が尹炳世外相に伝達した。
9月1日
韓国外務省が、元慰安婦を支援する「和解・癒やし財団」の銀行口座に、日本政府から10億円が入金されたと発表した。
9月7日
慰安婦像が、年内に欧州では初めて、ドイツ西部のフライブルク市に設置されることになったと、複数の韓国メディアが報道。同市と姉妹関係にある韓国京畿道・水原(スウォン)市の廉泰英(ヨムテヨン)市長が同年5月、フライブルク市長に像の共同設置を呼びかけ、像設置を受け入れるとの返事があったという。慰安婦像は国連の世界人権宣言の記念日に当たる12月10日にフライブルク市中心部に両市共同で設置され、記念式典も行われる予定としていた。しかし、ドイツのBadische Zeitung(バーディシュ新聞)9月24日付記事のフライブルク市長のインタビュー記事により、中止となったことが判明した。ただ、水原市側はあきらめておらず、今後も注視が必要(なでしこアクション参照)。
9月10日
ソウル市議会が「ソウル市の銅像・モニュメント・オブジェの建立および管理基準などに関する条例」、別名「平和の少女像守護条例」を可決。慰安婦像の撤去を事実上約束してしまった韓国政府を邪魔しようと、公道に無許可で建てられた「平和の少女像」を市の公有財産として市がこれを管理し、中央政府であっても勝手に処分させないよう条例を制定してしまった(続・慰安婦騒動を考える参照)
9月19日
日韓合意に基づき元慰安婦支援のために韓国でつくられた「和解・癒やし財団」が、日本政府に対し、安倍晋三首相名義で被害女性らへの「おわびの手紙」を出すよう要請していることが、財団関係者の話で分かった。韓国外務省報道官は同月29日の定例会見で、「韓国政府としても、日本側が慰安婦被害者の方々の心の傷を癒すそうした追加的な措置をとるよう期待している」と述べた。
10月3日
安倍首相は衆院予算委員会で、韓国の元慰安婦支援財団が首相による謝罪の手紙を求めていることに関して「われわれは毛頭考えていない」と応じない考えを表明した。「(前年12月の日韓合意で)合意した内容を両国が誠実に実行していくことが求められている。(手紙は)内容の外だ」と説明した。
10月22日
中国上海市の上海師範大学で、米カリフォルニア州に拠点を置く中国系米国人らによる反日団体「世界抗日戦争史実維護連合会(抗日連合会)」が国際会合を開き、旧日本軍の慰安婦関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(記憶遺産)への登録を進める方法などを検討。また、同大学では同日、「慰安婦」を象徴するという中国人と韓国人の2人の少女を模した像の除幕式も行われた。
11月3日
朴槿恵大統領の親友、崔順実の国政介入疑惑を批判する集会を挺対協や元慰安婦らが開き、「日韓合意も崔順実に操られていたのではないか」と主張、合意破棄の訴えを強めた。挺対協などは声明で、「和解・癒やし財団」に対しても「初めから存在理由がなく、即刻解散すべきだ」と強調した。
11月16日
「和解・癒やし財団」が、合意の時点で生存していた元慰安婦46人のうち、これまでに半数にあたる23人に対し1人当たり日本円で1000万円程度の現金の一部を支給したことを明らかにした。そのうえで、「現在の状況に関係なく、1人でも多くの元慰安婦の名誉と尊厳を回復する」として、崔順実らが逮捕された一連の事件で国政が停滞している中でも、支援事業を継続していく姿勢を強調した。
12月9日
韓国国会が朴槿大統領に対する弾劾訴追案を可決し、朴大統領の職務権限が停止された。黄教安(ファン・ギョアン)首相が職務を代行。
12月10日
米首都に慰安婦像を設置しようとしている韓国系住民の団体が、ワシントン中心部の公園で像を公開した。団体はホワイトハウスに近い場所に設置し、旧日本軍に「性奴隷になることを強制された」ことを訴えようとしているが、主張の政治性から場所探しは難航。像は2時間ほどの式典で披露された後、当面は倉庫に保管されることとなった。
12月14日
オーストラリア・シドニー近郊の教会敷地内に8月に韓国系団体の依頼で設置された「慰安婦」像について、現地日系団体「オーストラリア・ジャパン・コミュニティー・ネットワーク(AJCN)」が、像を移動するよう求め、オーストラリア人権委員会に調停を申し立てた。不特定多数の人の目に触れる場所への設置は日本人への憎悪をあおり、人種差別禁止法に違反すると主張している。なお、翌15日、「AJCN」宛てに脅迫メールが届いた。メールは英文で「できるだけ残酷な方法で命乞いをさせながら殺したい」などとあり、殺人予告とも取れる内容となっていた。
12月23日
「和解・癒やし財団」が、日韓合意の時点で生存していた元慰安婦46人のうち、11月にすでに現金を支給したことを明らかにした23人を含め、これまでに34人が合意を受け入れる意向を示したことを明らかにした。
12月28日
日韓両政府の合意からちょうど1年に当たるこの日、釜山の日本総領事館前の歩道に、地元の市民団体が「少女像」を設置。警察が撤去を試みたが、市民団体側が像を取り囲んで座り込むなどし、撤去を拒否。しかし約4時間半後、「少女像」は地元自治体によって撤去された。総領事館がある区の区長は「公道に像を設置することは許可できない」という立場をかねてから示しており、それが実行された。ところがその後、東区側に抗議と苦情が殺到したことで、東区側は強制撤去を謝罪。30日午後、市民団体側が改めて像を設置し、31日に除幕式が行われた。日本政府は像を設置させないよう韓国政府や釜山市に繰り返し求めてきたが、法より国民感情が優先される「情治国家」であることが改めて露呈された形となった。
12月30日
釜山の日本総領事館前に「少女像」が設置された問題で、韓国外務省が、「政府と地元自治体、そして、市民団体など関係者が慰安婦問題を記憶する適切な場所に関して、知恵を集められることを期待している」とのコメントを発表し、関係者と協議したいという意向を示した。
<2017年>
1月3日
釜山の日本総領事館前の「少女像」問題で、韓国外務省のチョ・ジュンヒョク(趙俊赫)報道官が「外国の公館を保護するという国際的な儀礼と慣行の観点からも慎重に判断する必要があるという立場だ」と述べた。しかし、政府として関係者と協議したいという前年12月30日に示した意向には言及せず、地元自治体である釜山市東区の判断に丸投げする考えを示した。
1月6日
菅義偉官房長官が記者会見で、釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置された国際条約違反への対抗措置として、(1)長嶺安政・駐韓日本大使と森本康敬・在釜山日本総領事の一時帰国(2)日韓通貨交換(スワップ)の取り決め協議の中断(3)日韓ハイレベル経済協議の延期(4)在釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合わせ−の4項目を発表した。
1月6日
ソウル行政裁判所が、日韓合意に至った交渉に関する文書を公開するよう韓国外務省に言い渡した。韓国の弁護士団体による訴訟の判決で、行政裁は「合意で問題が最終的かつ不可逆的に解決されるのなら、被害者(元慰安婦)だけでなく、日本政府がどのような理由で謝罪と支援をするのか、合意への過程を韓国国民は知る必要がある」とした。
1月8日
安倍晋三首相はNHKの番組で、韓国・釜山の日本総領事館前の慰安婦像設置について「韓国に誠意を示してもらわなねばならない」と述べ、早期の撤去を求めた。日韓合意に基づき、日本側は元慰安婦支援などへの10億円拠出を行っている。首相はこれらの経緯に言及し、「たとえ政権が代わろうとも、それを実行することが国の信用の問題だろう」とも強調した。
1月9日
長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山総領事が一時帰国。
1月9日
韓国最大野党「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表が党幹部会議で、8日の安倍首相の発言について、「予備費でも編成するので10億円を返そう」と呼びかけた。
1月10日
国で職務停止状態の朴槿恵大統領の代行を務める黄教安(ファン・ギョアン)首相は閣議で、慰安婦問題について「状況悪化を招きかねない言動は、自制することが韓日関係の未来志向的な発展のために望ましい」「両政府だけでなく、全当事者が合意の趣旨と精神を尊重し、韓日関係発展のため努力し続けることが必要だ」と語った。黄氏の慰安婦問題への言及は、釜山の日本総領事館前での慰安婦像設置に対し日本政府が駐韓大使らを一時帰国させるなどの措置を取って以降、初めて。
1月12日
民団が東京都内のホテルで新年会を開き、呉公太(オ・ゴンテ)団長が釜山の総領事館前に設置された慰安婦像について「撤去すべきだというのが、私たち在日同胞の共通した切実な思いだ」と述べた。その上で「(韓国)国民の冷静かつ賢明な判断と、日本政府の冷静な対処を望む」とし、一昨年12月の慰安婦問題に関する日韓合意を堅持すべきだとの考えを示した。
1月13日
尹炳世外相が国会外交統一委員会で、釜山での慰安婦像設置に日本で反発が起きていることに触れ、「国際社会では、外交公館前に造形物を設置することは望ましくないというのが一般的だ」と説明した。その上で、「設置場所について知恵を集める必要がある」と語った。
1月13日
韓国大統領選への出馬を事実上、表明した潘基文前国連事務総長が、慰安婦問題に関する日韓合意に基づく日本政府の10億円拠出についてソウルや釜山の日本公館前に設置された慰安婦像の撤去の条件なら「金を返すべきだ」と発言した。韓国紙、中央日報や朝鮮日報が前日に米国から帰国した潘氏の機内インタビューとして報じた。なお、潘基文は後日、大統領選の立候補を辞退した。
1月16日
韓国・京畿道の議員団「独島(竹島の韓国での呼称)愛・国土愛の会」が竹島(島根県隠岐の島町)に慰安婦像を年内に設置しようと、募金活動を始めた。ソウル南方の水原市にある道議会のロビーに募金箱を設けた。
1月17日
民団が釜山の慰安婦像の撤去を求める建議書を在日韓国大使館に提出。
1月18日
韓国・京畿道の議員団が竹島に慰安婦像を年内に設置する活動を始めたことについて、韓国で竹島を管轄区域とする南東部慶尚北道の金寛容(キム・グァンヨン)知事が、竹島が韓国の領土であることを主張する一方で、「像の設置は不適切だ」との考えを示した。「少女像(慰安婦像)の設置推進はいいことだが、場所だけは慎重に検討、考慮すべきだ。感情的でなく慎重にならねばならない」と語った。
1月19日
京畿道の議員団が竹島に慰安婦像を年内に設置する活動を始めたことについて、韓国外務省報道官が定例会見で「少女像(慰安婦像)と性格が全く異なる独島(竹島の韓国での呼称)を結びつけるのは望ましくない」と述べた。また、京畿道の南景弼(ナム・ギョンピル)知事も同日、「独島問題の本質は領土主権の守護であり、慰安婦合意の核心は日本政府の真摯で責任ある謝罪だ。2つの問題を結びつけてはならない」と計画に否定的な立場を示した。
1月21日
米軍基地村慰安婦被害者120人が韓国政府に対して起こした損害賠償請求訴訟で、ソウル中央地裁が、「国が被害者57人に対して500万ウォン(約49万円)を賠償せよ」とする原告一部勝訴判決を下した。ただし、「国が売買春が容易に行われるよう基地村を作ったのは違法」という被害者たちの主張は受け入れなかった。
1月23日
朴槿恵大統領の代行を務める黄教安首相が年頭の記者会見で、釜山の慰安婦像について「像は民間が設置した。政府が関与しあれこれ言うのは難しい状況だ」と従来の姿勢を繰り返した。一方で、「韓日間の重要な関心事であり政府も関心を持っている。さまざまなルート、チャンネルを通じて協議を進めている」「韓日関係の未来のためにどのように解決するか知恵を集めていくことが必要だ。時間がかかろうが必ず克服できるよう努める」と語った。ただ、具体的な解決策には触れなかった。
1月25日
南東部慶尚北道の金寛容知事が、竹島に上陸した。知事は1月18日の会見で「(竹島は韓国の島だが、慰安婦像を設置する)場所だけは慎重に検討、考慮すべきだ。感情的でなく慎重にならねばならない」と語っていた。
1月25日
「帝国の慰安婦」で、元慰安婦の名誉を傷つけたとして名誉毀損の罪に問われた朴裕河世宗大教授の判決公判がソウル東部地裁で開かれ、同地裁は朴氏に無罪の判決(求刑・懲役3年)を言い渡した。
1月31日
韓国・釜山市東区の日本総領事館前に慰安婦像を設置した市民団体と同区の朴三碩区長が31日、区庁で面会し、像の管理方法について話し合った。聯合ニュースが報じた。地元自治体が管理に乗り出したことで、日本が要求する像の撤去や移転は一層難しい状況になった。31日の協議では、像のそばに防犯カメラやフェンスを設置することが検討されたという。
1月31日
韓国教育省が2018年度から中学や高校で導入予定の国定歴史教科書の最終版内容を発表した。在ソウル日本大使館前に慰安婦像が設置された経緯や、慰安婦が「集団虐殺」されたとする記述を盛り込むなど、見本版より反日傾向が強まった。
2月14日
釜山の日本総領事館前に違法に設置された慰安婦像について、韓国外務省が、釜山市や総領事館前の道路を管理する同市東区に像の移転を求める文書を送付した。韓国外務省や釜山の自治体の話として、複数の韓国メディアが2月23日に報じた。
2月17日
ドイツのボンで行われた日韓外相会談で、慰安婦像の撤去を求めた岸田文雄外相に対し、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は「可能な限り、最大限の努力を引き続き行っていく」と約束した。
2月25日
産経新聞の報道によれば、米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去をめぐり、地元の日本人たちが米連邦最高裁での上告審を求めていることについて、日本政府が「請求は認められるべきだ」との見解を表明した意見書を連邦最高裁に提出したことが24日、分かった。日本政府が連邦最高裁に第三者意見書を提出することは異例。
3月8日
ドイツ南部バイエルン州ウィーゼントの公園に慰安婦像が設置され、除幕式が行われた。慰安婦像設置は欧州で初めて。韓国・水原市の市民団体などが設置を進めた。前年に市長主導で姉妹都市の独南西部フライブルクに慰安婦像の設置を提案したが、同様に姉妹都市の愛媛県松山市が交流への影響などについてフライブルクに懸念を伝達し、計画は実現しなかった。今回は場所を移して設置した格好となった。
3月10日
韓国国会が弾劾訴追した朴槿恵大統領の罷免が妥当かどうかを判断する審判で、憲法裁判所は、朴氏の罷免を言い渡した。裁判官8人全員一致で罷免に相当する法律違反があったと判断した。朴氏は失職し、60日以内に大統領選が実施されることとなった。
3月10日
米南部ジョージア州アトランタの「公民権人権センター」敷地内に慰安婦像を設置する計画が約3年前から進められていたが、センター側が、一転して設置を認めないことを決め、この日までに関係者に通知。同センターの広報担当者は、1月に韓国系団体と設置に向けた覚書を締結したが、その後、敷地内に銅像などの構造物を設置してはならない規則があることが分かったと説明した。
3月27日
ドイツ南部バイエルン州ウィーゼントの公園に慰安婦像が設置された問題で、公園の所有者が産経新聞の取材に対し、慰安婦像の説明のため一緒に設置された碑文を撤去したことを明らかにした。設置後、日本政府関係者から像設置が日韓間の問題になっていると知らされ、考え直したという。また、碑文撤去について双方の納得が得られない場合、「像は公園に置いておけなくなるだろう。私は中立でありたい」と述べた。
3月27日
慰安婦像が設置された米ロサンゼルス近郊グレンデール市の日系人住民らが、像の撤去を市に求めた訴訟で、米連邦最高裁は、原告の訴えを棄却した。
4月4日
長嶺駐韓大使が3カ月ぶりに帰任。理由について、萩生田光一官房副長官は7日、「大統領の弾劾、逮捕という事態の中、緊迫する北朝鮮情勢への対応と情報収集、邦人保護の視点からやむを得ない判断だった」とメールマガジンで振り返った。
4月20日
松山市はこの日までに、同年7月に予定していた友好都市・韓国平沢市への中学生派遣事業を中止する方針を決めた。平成18(2006)年度から続けてきたが、平沢市の市有地に慰安婦問題を象徴する少女像が3月に設置されたことなどを挙げ「派遣に市民の理解が得られないと判断した」としている。
4月26日
徴用工の像をソウルの日本大使館前に設置する計画を進めている「対日抗争期強制動員被害者連合会」(日帝強占期被害者全国遺族連合会)がソウルで記者会見し、徴用工像を南東部釜山と南西部の光州にも設置する計画を発表した。
4月27日
慰安婦をめぐる朝日新聞の報道で誤った国際世論が形成され、損害を受けたとして、米国在住の50人を含む日本人計約2500人が朝日新聞社に主要米紙への謝罪広告掲載などを求めた訴訟の判決が、東京地裁であった。佐久間健吉裁判長は「国際社会では慰安婦問題に関して多様な認識や見解があり、どのような要因が影響を与えたか特定するのは困難」として、原告側の請求を棄却した。但し、「記事が、国際社会での慰安婦問題に関する認識に何らかの影響を与えなかったとはいえない」とした。
5月10日
親北派で日韓合意見直しを主張している文在寅が韓国大統領に就任した(但し大統領選では主要候補全てが日韓合意の見直しや再協議を公約に掲げていた)。
5月11日
朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した吉田清治(故人)の長男が、父親が韓国内に建てた「謝罪碑」の碑文の説明も虚偽だとして、関係者を通じて碑文を書き直していたことが分かった。長男は「父が発信し続けた虚偽によって日韓両国民が不必要な対立をすることにこれ以上、耐えられない」と説明している。長男はジャーナリストの大高未貴氏に対し、「朝日新聞が間違いだったと発表したわけですから、それに沿って間違いは正さなければなりません。朝日新聞社は謝罪碑の間違いを正さないでしょうから、正すことができるのは私しかいません」と語った。
5月12日
国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会が、日韓合意について、被害者への補償などが不十分として、合意の見直しを勧告する報告書を発表した。報告書は韓国に対する審査を記したもので、同合意について「元慰安婦は現在も生存者がおり、被害者への補償や名誉回復、再発防止策が十分とはいえない」として、韓国政府に勧告した。しかし韓国が同委員会に提出した文書では、日本政府の1億円拠出に触れず、日本側の履行が十分でないため慰安婦問題が解決されていないとの見解を示していた。このタイミングで、拷問禁止委が日韓合意を持ち出した背景には、3月20日に韓国のNGO63団体が拷問禁止委に提出した報告書の存在があると考えられた。今回の勧告は韓国を対象にした審査で、日本が関与する余地はなく、合意の履行状況に関する照会もなかった。日本政府は勧告にかかわらず引き続き日韓合意の履行を迫るが、韓国の書面回答に対し、政府関係者は「きちんと対応する」としており、経緯を確認した上で抗議も含め対処する考えを示した。
6月1日
日韓合意について、韓国外務省報道官は定例会見で、「合意を韓国国民の大多数が情緒的に受け入れられないという現実を認め、韓日両国が共同で努力し、問題を賢く克服していくことを韓国政府は希望している」と述べた。文在寅大統領が前月、安倍首相との電話会談で同様の見解を伝え、文氏の特使として訪日した与党「共に民主党」の議員、文喜相氏も日本側に伝えている。外務省報道官はこの日、韓国政府の公式見解として言明した。
6月10日
挺対協の尹美香共同代表が東京都内で講演会を開いた。尹代表は日韓合意後、新たな財団設立を企図し、9日、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶財団(正義記憶財団)」を設立、国連人権委員会の認可が下りたとして、尹氏は常任理事に就任。今後、韓国内外で広報、募金事業を強化し、全アジアの日本軍性奴隷被害者らと連帯するとした。
なお、「正義記憶財団」のキャンペーン事業の一環として、日本で「希望のたね基金」が設立された。趣旨は「日本の若者が『慰安婦』問題について学び、性暴力のない社会づくりに役立てるための基金です。日韓の若者間の意識ギャップを埋めて、『終わらせる』のではなく、『記憶・継承』することで、二度と同じような被害を生まないための取り組みを、日韓の若者、ひいてはアジアの被害国、さらに世界の人々と共におこなえるよう『希望のたね』を撒いて行くことをめざします」というものであり、慰安婦問題を終わらせないことが目的であることが分かる。
6月12日
国連人権理事会の「表現の自由」に関する特別報告者、デービッド・ケイ氏が、スイス・ジュネーブで開会中の同理事会で日本の状況について報告した。その中で、ケイ氏は歴史教育をめぐって、教科書検定に対する政府の介入があると主張して慰安婦問題に言及し、「第二次大戦中の慰安婦虐待」との表現を用いた。一方、伊原純一・在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使は日本の教科書検定制度は「専門的・学術的な調査審議に基づくもので、政府が介入する余地はない」と反論した。政府はケイ氏とは接触を重ね、伝聞や推測に基づく指摘や根拠不明な記述・見解を正すよう求めていたが、日本側にとり不本意な結果となった。
6月13日
韓国大統領府が、慰安婦問題などを担当する女性家族相の候補に大学教授の鄭鉉栢氏を充てる人事を発表した。報道官は鄭氏について、慰安婦問題を巡る日韓合意の「再交渉」などに当たる上で適任と説明したが、その後、再交渉に言及した個所は現段階で政府の公式的な立場ではないとして取り消した。
6月18日
文在寅大統領が、外相候補に指名した康京和(カン・ギョンファ)前国連事務総長特別顧問の任命を強行、康氏は外相に就任した。康氏をめぐっては居住地を偽った偽装転入や脱税などが次々露呈している。
6月20日
文在寅大統領が米紙ワシントン・ポストとのインタビューで、日韓合意に関し「問題解決には、日本が法的責任を取り、公式に謝罪することが必須だ」と述べた。これに対し、菅義偉官房長官は、21日の記者会見で、「一昨年の日韓合意は最終的で不可逆的な解決であり、日韓両国で確認している」と述べた。その上で「日韓合意で、政府として心からのおわびと反省の気持ちを表明している」と指摘し、改めて謝罪する必要はないとの考えを示した。
6月23日
日本政府は、文在寅大統領がロイター通信とのインタビューで慰安婦など歴史問題をめぐり日本政府が「最善の努力をしていない」と批判したことに対し、外交ルートを通じて抗議した。22日には米紙インタビューでの文氏の発言に関しても抗議している。
6月24日
吉田清治が韓国内に建てた「謝罪碑」を吉田の長男の依頼で「書き換えた」奥茂治氏が、仁川空港内で韓国警察に一時拘束された。韓国警察から再三出頭依頼があり、奥氏は、自分の正当性を韓国警察に説明するために、拘束覚悟で韓国に入国した。
6月26日
奥茂治氏が、公用物損壊の疑いで韓国の警察に刑事立件された。
6月29日
篠塚隆駐アトランタ日本総領事が米地方紙のインタビューで「慰安婦は金をもらった売春婦だった」と語ったとの報道について、韓国外務省報道官が「被害者(元慰安婦)の方々の心に、再び深い傷を与える極めて不適切な発言で、遺憾に思う」と批判したうえで、「慰安婦問題をめぐる合意の精神に反するこのような発言の撤回と再発防止に向けた措置を日本側に強く求めた」と述べた。発言は、米ジョージア州のリポーターニューズペーパーズがインタビューとして報じたもので、韓国メディアは報道を引用する形で、篠塚氏を猛批判。しかし、篠塚氏は「プロスティチュート(売春婦)」という言葉は使っておらず、アトランタ総領事館はこの事実を同紙に伝えたところ、同紙の報道は直接引用の形ではなく、言葉を置き換えたものであり、これを韓国メディアが篠塚氏の発言として報じたことが判明。菅義偉官房長官は30日午前の記者会見で「篠塚氏は『報酬を受けた娼婦』とか『娼婦』という表現は用いていない」と説明し、「総領事はわが国政府の立場に沿って慰安婦を『性奴隷』と称することは不適切であるという説明を行った」と述べた。また、篠塚氏の発言の撤回を求めていた韓国側には「説明済みだ」と述べた。
6月29日
ソウルの日本大使館前に違法設置されている慰安婦像をめぐり、地元自治体の鍾路区の議会で「都市空間芸術条例」の改正案がこの日までに可決された。これを受け、慰安婦像は7月から「公共造形物」として区の管理下に置かれることとなった。
6月30日
釜山の日本総領事館前に、違法に設置されていた慰安婦像を釜山市が保護、管理できるようにした条例案が、同市議会で可決された。条例の成立、制定により、昨年末に市民団体が無許可で設置し、地元自治体が放置していた慰安婦像は、ソウルの日本大使館前の慰安婦像と同様、行政の管理下に置かれることになった。
6月30日
ジョージア州部ブルックヘブン市の公園に慰安婦像が設置され除幕式が行われた。米国の公有地への像設置は、2013年の西部カリフォルニア州グレンデール市に次いで2例目。2015年末の日韓合意後は初となる。
6月30日
日韓合意に基づいて韓国政府が設立した「和解・癒し財団」は、47人の元慰安婦のうち4分の3以上にあたる36人が合意に基づく支援事業を受け入れる意向を示したことを明らかにした。36人のうち32人にすでに現金の支給を終えたとのこと。
7月7日
香港の反日団体が、日本総領事館が入居するビル近くの歩道橋に「慰安婦像」2体を置いた。総領事館は同日、外国公館前での侮辱行為を禁じたウィーン条約に違反しているとして、香港政府に慰安婦像の早期撤去を申し入れたことを明らかにした。香港メディアによると、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の中国領有権を主張している香港の活動家で組織している「保釣(釣魚島防衛)行動委員会」などのメンバーら約20人が参加。この日は支那事変の発端となった「盧溝橋事件」から80年にあたるとして、抗議を行った。
7月10日
韓国の鄭鉉栢女性家族相が、日韓合意について再協議する意思を明らかにした。また、韓国の民間団体などが進める慰安婦関連資料の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産への登録に政府予算を拠出し支援する考えを示した。鄭氏は「慰安婦資料のユネスコ記憶遺産への登録と慰安婦博物館の設立を進める」とも語った。登録は挺対協やナヌムの家などと協議して資料をまとめるとし、「女性家族省で予算執行がほぼ準備されている」と明らかにした。
7月19日
文在寅政権が、文大統領の任期中の施政方針に当たる「国政運営5カ年計画」を発表。大統領の諮問機関「国政企画諮問委員会」が公表した。慰安婦問題をめぐって2018年に「日本軍『慰安婦』被害者記念日」を制定し、2019年に「『慰安婦』被害者研究所」(仮称)を設置。2020年には「歴史館」の設立を通じ調査・研究事業を体系化するとしている。同委はこれまでに8月14日を記念日に指定すると発表。この日は1991年に元慰安婦が記者会見で初めて名乗り出た日。日本政府は同日、韓国側に抗議を行った。
7月23日
日韓合意に基づき韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」の金兌玄理事長が、前週開かれた理事会で辞意を表明していたことが分かった。関係者によると、金氏は財団の運営費が政府予算に組み込まれず、全面カットされたことなどへの責任をとって辞意を表したという。金氏の辞意表明により、財団の運営、活動が停滞する可能性が強まった。
7月31日
韓国外務省が日韓合意の成立経緯を検証するための康京和外相直属の作業部会を発足。
8月3日
第3次安倍第3次改造内閣発足。河野洋平の長男・河野太郎が外務大臣に就任。
8月14日
文在寅大統領が元慰安婦の金福童氏らを大統領府に招き、日本の「植民地支配」に対する独立運動に関する記録の継承活動を強化すると表明した。韓国大統領が元慰安婦と公式に会うのは初めて。一方ソウルでは日韓合意に反対する元慰安婦の支援団体や労組などが、合意に基づいて日本が韓国に拠出した10億円を日本に返還し年内の合意破棄を目指すとして、100万人を対象にした少額募金運動を始めると宣言。
8月17日
文在寅大統領が就任100日にあたり会見し、日本の朝鮮半島統治時代の徴用工に絡む請求権について、「個人の権利は残っている」とした2012年の韓国最高裁の判断を踏襲する考えを明言した。韓国政府として個人請求権が消滅していないとの司法判断を公式に確認したこととなった。韓国政府は盧武鉉政権時代、1965年の日韓国交正常化時に徴用工問題は外交問題としては解決済みで、韓国政府が取り組む問題とし、歴代政権も踏襲してきた。また文大統領は、慰安婦問題について「(1965年)の韓日会談の当時には分かっていなかった」と述べ、日韓合意については、「現在、韓国外務省で検証作業を進めている」とした。
9月14日
吉田清治が韓国内に建てた「謝罪碑」を吉田の長男の依頼で「書き換えた」奥茂治氏を、公用物損傷と建造物侵入の罪で韓国検察が在宅起訴した。奥氏は当初から法廷で争う姿勢を示してきており、「慰安婦問題の根源に吉田氏の偽証があり、朝日新聞が関連記事を取り消した事実は韓国でほとんど知られていない。公判の場で書き換えの背景を説明していきたい」と話した。
9月22日
中国系民間団体が慰安婦像を米サンフランシスコ市内の公園の展示スペース(私有地)に設置した。韓国系団体なども協力した。サ市議会もこの日を「慰安婦の日」とする決議をした。碑文は慰安婦を「性奴隷」と表記。「ほとんどが戦時中の捕らわれの身のまま亡くなった」などと日本政府の見解と異なる主張が一方的に書かれている。
9月25日
韓国女性家族省は忠清南道天安市にある国立墓地「望郷の丘」に、慰安婦の追悼碑を設置する計画を発表した。翌2018年6月6日の「顕忠日」(朝鮮戦争での戦死者など国家に貢献した人々を追悼する記念日)に除幕式を行うという。韓国政府が主導する慰安婦追悼碑の設置は初めて。
9月25日
大阪市の吉村洋文市長は、姉妹都市の米サンフランシスコ市の公園で中国系民間団体が慰安婦像や碑文を設置したことに関し、「サ市が団体から慰安婦像の寄贈を受け入れることになれば、姉妹都市の関係を解消する」と述べた。
9月27日
大阪市議会が本会議で、サ市に公有地への像設置の再検討を求める決議案を賛成少数で否決した。決議案は大阪維新の会が提案。自民、公明、共産各党は反対した。
9月28日
ソウルの日本大使館前に違法設置されている慰安婦像について、ソウル市鍾路区が「公共造形物」に指定したと発表した。韓国の聯合ニュースが報じた。慰安婦像は区の管理下に置かれることになり、撤去はさらに困難になる見通し。鍾路区は6月、民間による造形物を「公共造形物」に指定し、区による管理を可能とする条例を可決。今回の指定が初適用となった。
10月4日
大阪市の姉妹都市の米サンフランシスコ市で中国系の民間団体が慰安婦像と碑文を設置した私有地について、吉村洋文大阪市長は、サ市に寄贈を受けないよう求める公開書簡を9月29日付で送り、返信を受け取ったと発表した。サ市が寄贈を受ければ市有地に像と碑文が設置されることになるが、エドウィン・E・リー市長は10月2日付の返信書簡で「地域に応えるのが私の責務」と寄贈を受ける可能性に言及した。これを受け、吉村市長は4日、「サ市として像と碑文を受け入れるのなら姉妹都市を解消する」と改めて表明。「リー市長の思いは像と碑文を市有地に設置しても姉妹都市の関係を続けていこうという趣旨かもしれないが、僕の中ではありえない」と強調した。
10月6日
人権問題を議論する国連総会第3委員会が「女性の地位向上」を議題に各国代表が演説し、慰安婦問題をめぐって北朝鮮と日本が論戦を繰り広げた。北朝鮮の代表は「20万人の朝鮮女性や少女などを、強制的に日本軍のための性奴隷とした」「国連は、日本が公式な謝罪と補償を行うまで圧力をかけ続けるべきだ」などと訴えた。日本代表部の斉藤純公使は答弁権を行使し、北朝鮮側の主張を「事実誤認で、まったく根拠のないことだ」「戦後70年以上にわたり、日本人は人権と法の支配を尊重し、自由で民主的な国家を築いてきた」と反論した。韓国も演説の機会があったが、慰安婦問題に言及しなかった。
10月13日
米ニューヨーク・マンハッタンにある韓国系米国人の歴史を紹介する博物館(建設中)で、慰安婦像の除幕式が行われた。式典に出席したニューヨーク州のマロニー下院議員(民主党)は「われわれは(日本から)より一層の謝罪を必要としており、日本政府は行動を取る必要がある」と述べ、首都ワシントンでの慰安婦像設置にも意欲を示した。
10月23日
大阪市と米サンフランシスコ市の姉妹都市提携60周年を記念し、サ市代表団が大阪市役所に吉村洋文市長を表敬訪問した。サ市内の私有地に設置された慰安婦像と碑文の今後の扱いをめぐり、吉村市長が姉妹都市関係解消の可能性に言及する中、代表団のキャスリーン・キムラ姉妹都市協会共同委員長は「末永い友好関係の継続」を求めた。吉村市長はキムラ氏に「日本人として受け入れられない」と伝え、サ市のエドウィン・M・リー市長宛てに書いた懸念を表明する2度目の書簡を代表団に託したいと要望した。
10月25日
サンフランシスコ市の中華街にあるセント・メリーズ公園の展示スペースが、同市に寄贈されたことが分かった。米公有地での設置は、同州グレンデール市、ジョージア州ブルックヘブン市の公園に続き、3例目。
10月27日
「帝国の慰安婦」で、元慰安婦らの名誉を傷つけたとして名誉毀損の罪に問われ、一審で無罪判決を受けた朴裕河世宗大教授の控訴審の判決公判がソウル高裁で開かれ、高裁は1審判決を破棄し、罰金1千万ウォン(約100万円)=求刑・懲役3年=の逆転有罪判決を言い渡した。高裁は判決理由で、「著書では個々の慰安婦を指してはいないが、集団としての慰安婦を指すことはその中の個別の人物を指すことになり、名誉毀損に当たる」とした。また、「著書に歪曲があったとみるべき」と判断した。朴氏は判決後、「意外な判決だ。1審では自分の主張を繰り広げ勝てたが、今回は弁論の時間が短かかった。膨大な研究内容を十分検討せず、先入観だけで判断した不当な判決だと思う」と述べ、上告する考えを示した。
10月31日
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、重要な歴史文書などの認定事業「世界の記憶」(世界記憶遺産)に申請された慰安婦に関する2案件について、登録可否の判断を延期した。日本側は、学術的に歴史認識の間違いを指摘するのではなく、事業の欠陥を突くことで「登録阻止」を優先させた。中韓の抵抗は強かったが、日本が慰安婦関連資料の登録は憲章の精神に反すると説き、対話促進などを盛り込んだ制度改革の必要性を訴えると、共鳴する加盟国も多かった。ユネスコ執行委員会は10月18日に制度改革を決め、非公開審査から公平性と透明性が従来より担保されたが、適用は「次回から」。日本側は今回の審査から「政治的緊張の回避」を求める決議採択を働きかけ、採択にこぎ着けていた。日本がユネスコ分担金の拠出を留保していたことも圧力になっていた。
11月7日
トランプ米大統領を招き韓国大統領府で開かれた晩餐会に、元慰安婦の李容洙が出席した。韓国大統領府が招待した。李容洙は2007年に米下院が慰安婦問題で日本に謝罪を求める決議を可決した際に証言した人物。その後も内外での慰安婦像の設置に関わるなどし、日韓合意の破棄を強く求めている。
日本政府は同日、ソウルの日本大使館を通じて抗議。翌8日には河野太郎外相が、APEC閣僚会議出席のため訪問中のベトナムで抗議の意を含む康京和外相宛てのメッセージを韓国政府高官に伝え、同時に、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した2015年末の日韓合意を順守するよう改めて求めた。
米国のナッパー駐韓代理大使は10日までに、トランプ大統領が李から抱擁を求められて応じたことについて、「単なる人間的なジェスチャーで、政治的な観点から見たくはない」と述べた。
なお、7日の晩餐会のメニューには、竹島近海で捕れた「独島(竹島の韓国での呼称)エビ」を使った料理が含まれており、大統領府が事前にわざわざ発表していた。
11月14日
日本の人権状況を審査する国連人権理事会の対日作業部会が、ジュネーブの国連欧州本部で開かれた。2015年の日韓合意について、韓国代表は政府としての対日批判を避ける一方、「元慰安婦や民間団体などから容認できないとの意見が出ている」と指摘した。韓国代表は、外務省に2017年7月に設立された作業部会が日韓合意の成立経緯を検証し、年内に検証結果を示す予定だとした。その上で、「慰安婦問題を含めて過去についての正しい教育を行う」よう日本に要求した。日本政府代表団の岡村善文・人権担当大使は、日韓合意で「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したと説明。合意を受け、日本が韓国の元慰安婦支援財団に10億円を拠出したと述べた。中国代表は慰安婦に対して「日本は謝罪をすべきだ」と要求した。
11月14日
大阪市の姉妹都市、米サンフランシスコ市に設置されている慰安婦像と碑文をめぐり、サンフランシスコ市議会が、像と碑文の寄贈を受け入れる決議案を全会一致で可決した。エドウィン・M・リー市長が議会側からの通知を受けて10日以内に拒否権を発動しない限り、自動的に寄贈は受け入れられることとなった。
11月18日
「ナヌムの家」で元慰安婦らの遺品などを展示する新たな施設の開館式が行われた。鄭鉉栢女性家族相も出席し「人々が痛みの歴史を振り返り、青少年が戦時の女性人権問題を学べる場にしてほしい」と述べた。日本からは北海道の市民団体などの数十人が出席した。
11月23日
米サンフランシスコ市に設置された慰安婦像と碑文の受け入れをリー市長が22日(現地時間)に承認したことを受け、姉妹都市である大阪市の吉村洋文市長が、「今後、姉妹都市解消に向けた手続きを行い、12月中に完了させたい」とするコメントを発表した。
11月24日
韓国国会は本会議で、毎年8月14日を元慰安婦をたたえる法定記念日とする「日帝下の日本軍慰安婦被害者生活安全支援と記念事業などに関する法改正案」を賛成多数(賛成205、反対0、棄権8)で可決した。同法には、慰安婦問題を国内外に伝え、記憶するための行事を行うことが盛り込まれ、記念日の趣旨に沿った行事や広報を行う努力が国や自治体に義務づけられている。また、慰安婦関連の政策を進める際には、元慰安婦からの意見聴取や政策内容の国民への積極的な公開なども義務づけられる。さらに、改正法には、慰安婦追悼施設の設置事業などの支援や、元慰安婦が死亡した際、遺族に葬儀費を支給することも盛り込まれた。8月14日は、1991年に元慰安婦の女性(金学順)が初めて公に名乗り出て証言した日に当たる。
12月5日
福岡市の高島宗一郎市長が、姉妹都市である韓国・釜山市の日本総領事館前に設置された慰安婦像に関し、年内にも市幹部を派遣し、懸念を伝えると正式発表した。これに対し、同月18日までに、2つの市民団体が再考を求める申し入れ書を市に提出した。
12月8日
フィリピン国家歴史委員会(NHCP)が首都圏マニラ市ロハス大通り沿いの湾岸遊歩道上に「フィリピン人慰安婦像」を設置のうえ除幕式を行い、像をマニラ市に引き渡した。比中華系の「トゥライ財団」(路上孤児救済などで実績がある)や比人元慰安婦と支援者の団体「リラ・ピリピーナ」(1990年代の韓国での慰安婦運動をフィリピンに導入した団体)などの協力を得て造られた。
産経新聞の取材に、フィリピン国家歴史委員会は、「マニラ市からの協力要請」を受け、歴史家らからなる委員6人で決めたと強調。日本政府の反発に「銅像は民間団体からの寄贈で、私たちの責任は碑文のみ。除幕式も招かれただけだ」と困惑した。だが、遊歩道を管轄するマニラ市側の担当者は、慰安婦像の設置や除幕式を行政的に主導したのは歴史委員会だと反論している。市長代理として除幕式に参加した幹部は、日中間の懸案事項に関わる式典に違和感を覚え、用意された祝辞の代読前に「問題になりませんように」と挨拶。歴史委員会の担当者に外務省の承諾を確認したが、「即答がなかった」と説明しているという。委員会と市側が責任をなすり合っている形。
在フィリピン日本大使館は、除幕式翌日の9日の報道で今回の動きを知った。連絡を密にしている大統領府や外務省へ問い合わせたが「向こうも寝耳に水」(幹部)で、後の祭りだった。
12月12日
サンフランシスコ市のエドウィン・M・リー市長が急逝。大阪市の吉村洋文市長は翌13日、姉妹都市解消の通知を、来年6月にサンフランシスコ市長選が実施された後、新市長に対して行う方針を示した。
12月初め
吉田清治が天安市にある国立墓地「望郷の丘」に建てた「謝罪碑」を、吉田の長男の依頼で「書き換えた」奥茂治氏が、確認しに訪れた際、碑の脇に、吉田証言を正当化する「説明板」が設置されているのを発見した。同年夏以降に設置したとみられる。
12月14日
米東部ニュージャージー州フォートリー区の議会が、区内に慰安婦碑の設置を認める決議を全会一致で可決した。慰安婦碑が設置されれば、同州では5例目となる。設置場所は公表されていないが、公有地に建てられる。フォートリーでは2012年に、韓国系団体が慰安婦碑の設置を計画。デザインや碑文の内容をめぐって複数の韓国系団体で意見が対立し、計画はいったん立ち消えとなった。その後、地元の韓国系米国人の高校生らが16年にデザインを公募することを発表し、準備を進めてきた。すでに慰安婦碑のデザインは決定しており、地元の高校生による詩文が刻まれる。日本への言及はないという。
12月19日
文在寅政権発足以降、初めてとなる日韓外相会談が東京都内で行われた。今回の来日は韓国側の要請によるもの。慰安婦や北朝鮮への対応をめぐる日韓間の温度差を印象づけた。河野外相は「着実な実施が重要だ」と強調。これに対し、康外相は合意の検証作業(同月27日に結果発表を控えていた)の現状を説明するにとどまった。
12月21日
朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した故吉田清治氏が韓国に建てた謝罪碑を無断で書き換えたとして、公用物損傷罪などで在宅起訴された奥茂治氏の初公判が、韓国の大田地裁天安支部で開かれた。奥氏側は犯意を否認。検察が懲役1年を求刑し、即日結審した。吉田氏の長男も取り調べを受けないまま、教唆罪で在宅起訴されたが、日本にとどまっており、出廷しなかった。
12月27日
2015年12月の日韓合意に対し、韓国外相直属の作業部会が、検証結果の報告書を発表した。報告は「被害者(元慰安婦)の意見を十分集約せず、政府間で最終的・不可逆的解決を宣言しても問題は再燃するしかない」と指摘。合意の「非公開部分」として、元慰安婦支援団体に対する韓国政府の説得があったことも明らかにした。発表に先立ち康京和外相は会見で「被害者中心の観点が欠けていた」と謝罪した。韓国政府の立場については、日韓関係への影響も考慮し「慎重に決めていく」と述べた。検証は韓国側が一方的に行ったもので、発表内容を見る限り、日本側は誠実に交渉に臨み、韓国側の対応に問題があったことが分かるものであった。「非公開部分」では、「海外の慰安婦像設置を支援しない」「『性奴隷』の表現を使用しない」「運動団体を政府が説得する」などの日本側の要求を、韓国が事実上受け入れていたことも明らかになった。
同日、河野太郎外相は談話で、「この合意は、両政府間において正当な交渉過程を経てなされたものであり、合意に至る過程に問題があったとは考えられません」「韓国政府が同報告書に基づいて、既に実施に移されている合意を変更しようとするのであれば、日韓関係がマネージ不能となり、断じて受け入れられません。日本政府としては、韓国政府が合意を『最終的かつ不可逆的』なものとして引き続き着実に実施するよう、韓国側に対し、強く求めます」などと述べた。また、合意の非公開部分を一方的に公開したことについては、「極めて遺憾だ」とした。
12月28日
文在寅大統領は、外務省作業部会による慰安婦問題をめぐる日韓合意の検証結果発表を受けて、「この合意で問題を解決することはできない」と表明した。大統領府報道官が声明を読み上げた。報道官によると、大統領は早期に「後続措置」を取るよう関係部署に指示した。大統領府高官は「(合意の)破棄という言葉を使うことは適切ではない」と述べ、元慰安婦らの意見を聞き、日韓関係に悪影響を与えないよう政府の方針を慎重に検討する姿勢を示した。
12月30日
日韓合意に基づき、韓国政府が元慰安婦支援のために設置した「和解・癒やし財団」の理事8人のうち、民間の5人全員が辞表を提出していたことが分かった。残る3人は外務省や女性家族省など政府派遣職員ら。関係者によれば、合意の“誤り”を大統領自ら断言している以上、「理事としている意味がなく、戻る気はない」と考えており、辞任の意志は固いとされた。財団の定款では、理事5人以上での運営が定められ、辞表が受理されれば、財団の事業は事実上、停止する。
<2018年>
1月4日
文在寅大統領が、元慰安婦8人や挺対協や挺対協が主導する「正義記憶財団」の代表らを招いて昼食会を開いた。大統領府によると、文氏は「日韓合意は真実と正義の原則に反するだけでなく、政府(朴槿恵前政権)がみなさんの意見を聞かず一方的に進めた。内容、手続き、いずれも間違ったものだ」と語った。「大統領として両国間の公式合意だった事実は否定できないが、合意で問題が解決されたということは受け入れないと言明した」とし、「みなさんから話を聞き、政府の方針決定に役立てる」とも述べた。
日本政府は同日、文在寅大統領が慰安婦問題に関する日韓合意は間違ったものだと発言したことに反発し、「合意を否定しているような発言だ。受け入れられない。合意を変更すれば、日韓関係は管理不能になる」と抗議した。駐韓日本大使館公使が韓国外務省に伝えた。
1月9日
康京和外相が、慰安婦問題の解決を確認した日韓合意に関する韓国政府の新方針を発表した。合意に基づき日本政府が拠出した10億円を日本に返還すべきだとの一部元慰安婦らの主張を踏まえ、同額を韓国政府が拠出し、日本拠出分の扱いを今後日本側と協議すると表明。合意が「両国間の公式合意だったという事実は否定できない」として、日本側に再交渉は要求しないとした。
これに対し、河野外相は同日、「日韓合意は国と国との約束であり、たとえ政権が代わったからといって責任をもって実施されなければならないというのが、国際的かつ普遍的な原則だ。合意の着実な履行は、国際社会に対する両国の責務だと認識している」「日韓合意で、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認したにもかかわらず、韓国側が、日本側に対し、さらなる措置を求めることは全く受け入れることはできない」と述べ、韓国側に直ちに抗議する意向を明らかにした。
1月10日
韓国の文在寅大統領が、大統領府で年頭の記者会見を開いた。慰安婦問題をめぐって「韓日両国が公式に合意した事実は否定できない」としながらも、「誤ったもつれは解かなければならない」と述べ、日本側にさらなる謝罪などを求めていく意思を示した。朴槿恵前政権当時に日本と結ばれた合意は、元慰安婦らの意向をほとんどくみ取ることなく、政府間で取り決めたもので、これでは「解決できない」との認識も改めて示した。また、韓国政府が10億円を拠出した理由については、「これで日本政府から受け取っていない元慰安婦も堂々と受け取れる」と説明した上で、「日本の10億円はよい目的で使えるならそれも望ましい。時間をかけて日本政府と協議する」と述べた。そして「日本政府が真実を認めて心から謝罪すれば元慰安婦も日本を許すだろうし完全に解決するだろう。日本に対して真実と正義の原則にもとづいて解決するよう促す」と述べ、日本側のさらなる対応に期待を示した。その上で「日本と心が通じる真の友人になることを望む」と述べ、「歴史問題と未来志向的協力を分離して努力していく」と主張した。
これに対し、同日、管官房長官は記者会見で、「(日韓合意で)慰安婦問題は最終的で不可逆的な解決を確認した。にも関わらず韓国側がさらなる措置を求めることは、わが国として全く受け入れることができない」とくぎを刺した。
1月11日
吉田清治が韓国に建てた謝罪碑を無断で書き換えたとして、公用物損傷などの罪で在宅起訴された元自衛官、奥茂治氏の判決公判が大田地裁天安支部で開かれた。裁判官は「故意があり、犯行を緻密に計画した」として、懲役6月執行猶予2年(求刑・懲役1年)を言い渡した。奥氏は判決後、記者団に控訴するかについて「吉田氏の碑文が嘘だということが判決文で認められているかを見て決めたい」と述べた。判決では、裁判官が理由などについて簡潔に読み上げただけで、判決の全文は手に入らず、“嘘”の認定があったかは確認できなかったため。また奥氏は、日韓の報道陣を前に「法治国家で司法手続きに従うのは当然のこと。刑に不服はない。重要なのは吉田清治氏の嘘が判決文に盛り込まれているかだ」「訴えてきたのは『国の施設が嘘の碑文を使い続ければ、国際的な恥になりますよ』ということ。韓国では、慰安婦問題が吉田氏の嘘の証言から始まっていることがほとんど知られていない」などと話した。
同月16日、奥氏は判決を不服として控訴した。前年12月に即日結審した公判では、検察や弁護人と裁判官のやり取りの大半に加え、論告求刑や最終弁論も通訳されなかった。奥氏は「罪状を判断するのに重大な欠落がある」と主張。
同月24日、奥氏は控訴を取り下げた。判決文に自ら訴えてきた事件の背景に「吉田氏の偽証」がある点が盛り込まれたと判断し、取り下げを決めた。判決文には、吉田氏の長男が、父親の嘘が原因で慰安婦問題が起きたと考え、碑の撤去を依頼した経緯が明記された。奥氏は控訴取り下げの理由を、自身のフェイスブックで、「控訴審の判決で韓国の『公務所が現在利用中している』との部分が取り消され万が一私が無罪にでもなったら何の目的で韓国まで出頭したのか、皆さんの期待が無益になり自己の事だけで戦いに来たような気がするからです」と述べた。控訴取り下げで1審判決が確定すれば、奥被告は前年6月の出頭から7カ月間に及んだ出国禁止措置が解かれ、近く帰国する見通しとなった。帰国後には、碑の所有権の確認や碑の完全撤去を求め、民事訴訟を起こすことも検討している。
1月12日
安倍首相が記者団に対し、慰安婦問題をめぐる日韓合意で、韓国政府が新たな措置を日本政府に要求する方針を発表した状況について、「合意は国と国との約束で、これを守ることは国際的かつ普遍的な原則だ。韓国側が一方的にさらなる措置を求めることは、全く受け入れることはできない」と明言した。また、「日本側は約束したことは全て誠意をもって実行している。韓国側に実行するよう強く求め続けていきたい」と述べ、重ねて韓国側に合意履行を促した。
1月16日
河野太郎外相がカナダのバンクーバーで韓国の康京和外相と会談。康氏は日韓合意では慰安婦問題は解決できないとする韓国政府の新方針を説明。河野外相は「韓国側が日本にさらなる措置を求めるのは全く受け入れられない」と述べ、新たな協議を拒否すると同時に、合意の着実な履行を求めた。河野外相は徴用工問題にも言及。韓国の民間団体が釜山の日本総領事館前に徴用工像を設置する計画を進めていることを問題視し、計画が実施されないよう韓国政府に対応を求めた。
1月17日
フィリピンを訪問した自民党の河井克行総裁外交特別補佐がドゥテルテ大統領と会談し、前年12月にマニラに日本軍占領下の慰安婦を象徴するフィリピン人女性像が設置されたことについて懸念を伝えた。これに対しドゥテルテ大統領は「しっかりとした措置をとる」との考えを表明した。
1月23日
韓国の鄭鉉栢女性家族相が、韓国紙・京郷新聞のインタビューに対し、日韓合意に基づき設立された韓国の「和解・癒やし財団」を年内に解散させたい意向を示した。また、「ワシントン、ニューヨーク、ベルリンで慰安婦問題に関する国際会議を開くなどし、効果的に日本に圧力をかけねばならない」と述べ、国際社会での対日圧力を強める考えを示した。日韓両国は合意で慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認し、国際社会で慰安婦問題について「互いに非難、批判するのを控える」ことで合意しているが、鄭氏の発言はこれを否定したもの。
同日、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は、在日韓国大使館の李煕燮公使に抗議し、「日本の立場と相いれないものだ」と申し入れた上で、合意の着実な履行を求めた。
1月24日
安倍首相が、韓国で2月9日に行われる平昌五輪の開会式出席のため訪韓する考えを明らかにした。その際に文在寅大統領と会談し、日韓合意に関し、文政権が示した新方針を「受け入れることはできない」と直接伝える意向を示した。平昌五輪に合わせた安倍首相の訪韓を、韓国側はこれまで繰り返し要請していた。安倍首相の開会式出席の是非について日本の世論は割れていた。韓国が示した新方針への批判が根強く(1月20〜21日実施の産経・FNN世論調査で「新方針に納得できない」が90.8%)、首相が訪韓すれば韓国と国際社会に対して間違ったメッセージを送ってしまう、などの反対意見が多数あり、首相も一時出席見送りに傾いたが、米朝対立で緊張が続く北朝鮮情勢(文政権は北朝鮮に対して非常に融和的である)などを考慮して再考したという。
2月8日
米軍基地村慰安婦被害者117人が韓国政府に対して起こした損害賠償請求訴訟で、ソウル高裁民事第22部(イ・ボムギュン裁判長)は、政府が強制収容された被害者らには700万ウォン(約70万円)ずつ、そのほかの被害者には300万ウォン(約30万円)ずつ、それぞれ支払うよう命じた。
2月9日
安倍首相が、平昌五輪開会式出席に先立ち、韓国・平昌のホテルで文在寅大統領と会談した。日韓合意について「合意は最終的かつ不可逆的に解決したとの合意であり、国と国の約束は2国間関係の基盤である」と述べ、一方的に新たな措置を求める韓国の方針は受け入れられないことを明確に伝えた。ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦像の撤去を要請したほか、日本の朝鮮半島統治時代の徴用工の問題についても、既に解決済みとして適切な対応を求めた。
日韓合意に関する首相の指摘に対し、文大統領は、
(1)合意は破棄しない(2)再交渉しない(3)合意に基づき設立された韓国の「和解・癒やし財団」を解散しない(4)日本が拠出した10億円は返還しない
ことを表明した。ただ文大統領は、合意を受け入れていない元慰安婦がいるなどとして、慰安婦問題は解決していないとの認識を示した。また、首相に解決に向けた協力を呼びかけたが、首相は応じなかった。
2月22日
韓国の鄭鉉栢女性家族相は、元慰安婦に対する住宅や医療の手当など、同国が行ってきた支援の重要性を説明した。さらに、同国内外各地に作られ続ける慰安婦像について、「二度と女性が傷つけられることがないよう、このような問題を忘れないためだ」と、設置の意義を強調。「元慰安婦や支援団体の声を聞いてこの事業を支える」と述べ、政府として、像設置などの活動を支援する考えを示した。鄭家族相はまた、韓国政府として今年(2018年)8月、慰安婦問題に関する資料を収集し、この問題の歴史教育や対外発信をするための拠点「慰安婦研究所」を発足させる方針を明らかにし、「慰安婦や『性奴隷』について、資料を集めている」と述べた。
日本の外務省は同日、鄭鉉栢女性家族相が「性奴隷」という表現を使ったことについて、「受け入れがたく、非常に遺憾」だとする声明を発表した。声明は、慰安婦問題は2015年の日韓合意で決着済みだとして、「『性奴隷』の表現は事実に反する。使うべきではない」と主張。合意が「国連や国際社会で互いに批判をしない」と定めていることを指摘し、韓国政府に誠実な履行を求めた。
2月23日
朝日新聞社の広報がツイッターで、「『朝日新聞の慰安婦に関する報道で誤った事実が世界に広まり名誉を傷つけられた』などとして、国内外に住む62人が弊社に謝罪広告の掲載などを求めた訴訟が、弊社勝訴で確定しました。これで慰安婦報道を巡り弊社を訴えた裁判がすべて、弊社の勝訴で終結したことになります」と投稿した。この投稿に対して多数の返信が付いたが、その大半が「傲慢だ」「朝日新聞が慰安婦報道をでっち上げた事実は消えない」「日本の名誉を傷つけ外交問題に発展させた朝日の罪は消えない」「英語版で未だに虚偽報道をしている。早く訂正しろ」など、批判的な内容だった。
2月26日
韓国の康京和外相が国連人権理事会のハイレベル会合で演説し、2015年の日韓合意は元慰安婦救済に十分ではないと指摘し、「政府は被害者の傷を癒やし、尊厳回復のための手段をとる」と述べた。また、「戦時中の性暴力について、われわれは慰安婦問題など過去から学ばねばならない。生存する被害者は尊厳回復を切望している」と訴えた。一方、康外相は「性奴隷」の表現は避けた。
これを受け、伊原純一・駐ジュネーブ国際機関政府代表部大使は同日、記者会見し、「容認できない」と述べ、演説後、ジュネーブの韓国政府代表部に抗議したと明かした。伊原大使は、慰安婦問題は日韓合意で「最終的かつ不可逆的」解決を確認したと強調。「(康外相は同理事会の演説で)この問題を持ち出すべきではなかった」と述べた。
27日、堀井学外務政務官が同理事会で韓国に対する反論演説をした。日韓合意は国連などの国際社会で互いに非難・批判することを控えることを決めたとし、「合意は国と国との約束であり、責任を持って実施されなければならない」と強調した。また22日の国連女子差別撤廃委員会で韓国代表団が「性奴隷」との言葉を使用したことに対しては、「この言葉は事実に反するので使用すべきではないし、日韓合意の際に韓国側とも確認していた」と訴えた。さらに「慰安婦が強制連行されたという見方は、故吉田清治氏が虚偽の事実を捏造して発表し、日本の大手新聞社の一つにより事実であるかのように大きく報道されたことによる」とも指摘した。
3月1日
文在寅大統領が「3・1独立運動」の記念式典で演説。慰安婦問題について「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはならない。戦時の反人類的な人権犯罪行為は終わったという言葉で覆い隠せない」と述べた。一方で、文大統領は慰安婦問題の解決に向けて「日本には特別な対応を要求しない」とも言明した。
菅義偉官房長官は同日の会見で、「日韓合意に反する。全く受け入れられず、極めて遺憾だ」と批判。外交ルートを通じて韓国側に「絶対に受け入れられない」と強く抗議した経緯も明らかにした。また日韓合意に関し「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した」と改めて強調。その上で「わが国は合意に基づいて、やるべきことはすべてやった。あとは韓国が約束をしっかり履行することを強く求めていきたい」と述べた。
3月1日
日本政府が、平昌五輪・パラリンピックの競技会場近くの公園に慰安婦像が設置されていることについて、「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意の趣旨と精神に反するとして、2月にソウルの日本大使館が韓国外務省に対し、撤去を含む「適切な対応」を申し入れた韓国政府に抗議していたことが分かった。慰安婦像は韓国の市民団体が2015年8月、江陵市の「3・1運動万歳記念公園」に設置した。
3月8日
挺対協から支援を受け日本政府への抗議活動を続けてきた元慰安婦の李容洙がフランスの下院を訪問し、韓国系議員らと面会した。元国家改革・簡素化担当相のジャン・ヴァンサン・プラセ氏の要請により実現した。プラセ氏は1975年、7歳のときに韓国からフランスに養子に出された。フランス政界から退いた後、韓国とフランスの親善を目指す財団「タリ(橋)」を設立。最近、慰安婦被害者を支援する韓国の福祉施設「ナヌムの家」を訪問し、李容洙の訪仏を要請していた。
4月12日
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の執行委員会が、「世界の記憶」(世界記憶遺産)の制度改革に向けアズレ事務局長が提出した行動計画案に見直しを求める方針を決めた。不透明な審査体制の改革は翌年以降にずれ込む見通しで、2018〜19年期の新規登録は困難となった。前年秋、延期が決まった慰安婦関係資料の登録審査も当面、凍結が避けられなくなった。
4月28日
フィリピンの華人団体などが首都マニラに2017年12月に設置した慰安婦像が、台座ごと撤去されたことが分かった。像の近くには数日前から重機が置かれていたという。日本大使館には撤去前日の27日にフィリピン政府から連絡があった。
この像については、ドゥテルテ大統領が1月に「像を撤去するように関係団体を説得することを約束する」と日本側に伝えていたことが5月1日、明らかになった。安倍晋三首相と親しく、日本との関係を重視するドゥテルテ大統領の判断が影響したとみられる。ドゥテルテ大統領は同年1月17日にマニラで自民党の河井克行総裁外交特別補佐と会談しており、その際、河井氏は像の設置について「日本側は激怒している」と批判した上で、安倍首相のメッセージとして「日本はアジア女性基金を設立し、歴代首相も謝罪の手紙を出した」などと伝えていた。メッセージには「私とあなたが築いてきた過去最高水準の日比関係が悪化することがないようにご理解とご支持を賜りたい」との内容もあった。これに対しドゥテルテ大統領は、フィリピン憲法の表現の自由との関係にも触れつつ、日本側の懸念と要請に理解を示し、関係団体の説得を約束していた。
ドゥテルテ大統領は4月29日の記者会見で、像の建立や撤去は関知しないとした上で「日本の償いは何年も前に始まった。侮辱するのはもうやめよう」などと述べ、公共の場への設置に反対する考えを示した。
5月1日
韓国の市民団体や労働団体がメーデーに合わせ、釜山の日本総領事館前に徴用工像の設置を試みたが、多数の警察官が動員され、阻止された。韓国政府は、事前に関連法令に従い必要な措置を検討するとしていた。韓国政府もやればできることが証明された形。ただ、像は日本総領事館付近の歩道上に置かれたまま。市民団体側は3日に総領事館前で会見を開き、「総領事館からさらに離れた所に動かす意思はない」と主張し、歩道を管轄する自治体との話し合いにも応じない考えを示した。
5月14日
韓国の「碩隠キム・ヨングン先生記念事業会」は、第24回キム・ヨングン民族教育賞受賞者に、元朝日新聞記者・植村隆氏を選定したと、明らかにした。中央日報はこの件について、「植村氏は朝日新聞社会部記者として活動していた1991年、日本で初めて旧日本軍従軍慰安婦の存在を記事化した。その後、日本右翼の標的になった植村氏は、暴力や脅迫、家族の安全が脅かされながらも所信を曲げず、著書『真実 私は「捏造記者」ではない』を通じて真実を知らせた」と報じている。
5月23日
米東部ニュージャージー州フォートリーの公園で慰安婦碑の除幕式が行われた。同州の慰安婦碑は5例目で、公有地への設置は4例目。地元の韓国系米国人の高校生が中心となった団体が主導して設置され、除幕式には韓国系住民や行政関係者ら100人以上が参加した。フォートリーの人口は約4万5000人で韓国系住民の割合は4割近いという。フォートリーの区議会は2017年12月、碑の設置を認める決議を全会一致で可決。2012年ごろから始まった設置計画は、韓国系団体の対立などでいったんは立ち消えになったが、16年から高校生らが前面に出る形となっていた。
5月31日
釜山の日本総領事館近くの歩道上に市民団体によって置かれたままとなっていた徴用工像を、この日の午後、歩道を管轄する地元自治体の釜山市東区が強制撤去した。撤去に先立ち韓国政府や東区などは、午前から市民団体側と協議をしていたが、決裂した。
6月14日
ベトナム戦争時の韓国軍兵士による性的暴行問題を追及する英民間団体「ライダイハンのための正義」(ピーター・キャロル会長)が、同問題を象徴する等身大の母子像を製作し、今秋にも米ワシントンの連邦議会議事堂の展示会場に持ち込み、韓国の責任糾明を訴えたいとの考えを明らかにした。「ライダイハンのための正義」は「慰安婦問題に比べて、韓国軍兵士がベトナム人女性に性的暴行などして生まれた子供のライダイハン問題は国際的にあまり認識されていない。第二次世界大戦とベトナム戦争の区別なく、女性への性暴力を犯した者は行動に責任を取らねばならない」としている。
6月15日
日韓合意は不当だとして、韓国の元慰安婦の女性10人が韓国政府に損害賠償を求めていた訴訟で、ソウル中央地裁が、原告の訴えを棄却した。地裁は「合意の法的責任の認定や合意に基づき日本が拠出した10億円の性格が不明確な点など、不足する部分は多い」としつつも、「外交的行為は国家間の関係で幅広い裁量権が許容される点を考慮すれば、違法とはいえない」との判断を示した。一方で、合意により原告個人の日本に対する損害賠償請求権が消滅するとはみなし難いとした。
6月18日
韓国の康京和外相が就任1年の記者会見で、慰安婦問題について「国際社会で慰安婦問題が『戦時の女性への性暴力』という非常に深刻な人権問題として位置付けられるよう、韓国外務省として計画している」と述べた。同日、外務省は外交ルートを通じて韓国側に抗議した。
6月19日
韓国の康京和外相が紛争地域における性暴力の根絶に向けた「女性とともにする平和イニシアチブ(主導)」の発足を宣言し、関連する市民団体の代表や専門家ら21人を諮問委員に任命した。諮問委員には、元慰安婦を支援する韓国挺身隊問題対策協議会の尹美香代表や、元慰安婦が暮らす施設「ナヌムの家」の安信権所長ら、慰安婦問題に関わる人物が少なくとも5人は含まれている。
7月7日
台北の慰安婦記念館で、アンネ・フランク展が始まった。オランダ・アムステルダムの博物館「アンネ・フランクの家」が協力し台湾当局も助成する展示会だが、宣伝用リーフレットにナチスのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)と慰安婦問題を同列視するかのような表現がある。
7月11日
米カリフォルニア州サンフランシスコ市で、慰安婦を「性奴隷」と記した碑文や像の寄贈を受け入れ、公共物化を承認したリー市長の死去に伴って行われた市長選で当選した元市議会議長、ロンドン・ブリード氏が市長に就任した。就任演説では、像などの公共物化を受けて大阪市が姉妹都市提携の解消を決定したことには触れなかった。
7月16日
「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」が組織名を「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」と変更すると発表した。2016年に設立された市民団体と組織統合した。正義連の理事長には挺対協の尹美香常任代表が就いた。
7月23日
ケント・ギルバート氏、山岡鉄秀氏ら有志が、慰安婦問題をめぐる朝日新聞電子版の英文報道に修正を申し入れていた問題で、朝日新聞は「申し入れに応じることはできない」と回答した。ギルバート氏は24日、東京都内で記者会見し「朝日は日本や日本人の名誉回復に努めることが自分たちの仕事だと思っていないことがはっきりした」と語った。
※「朝日新聞英語版の『慰安婦』印象操作中止を求める有志の会」への回答書の全文(朝日新聞社)
7月24日
韓国女性家族省は、慰安婦問題の日韓合意に基づき日本が拠出した10億円を韓国政府の予算で置き換えるため、相当額の予備費を計上する案が同日、閣議で承認されたと発表した。10億円を日本に返すべきだとの一部元慰安婦らの主張を踏まえ、韓国政府は同額を自国予算で拠出、日本拠出分を凍結する方針を既に示していた。女性家族省は、予備費をどう執行するかは日本政府などと協議して決めるとしている。10億円は合意に基づき設立された韓国の「和解・癒やし財団」に対し、2016年に日本が拠出。生存者や、故人の代理人らに現金が支給された。既に支給された資金を「韓国政府の拠出金」とすることで、日本から受け取ったとの意味合いをなくす狙いがある。
菅義偉官房長官は同日、記者会見で、「予算の使途は合意の精神に反するものであってはならない」とけん制、「韓国政府にはわが国の考え方をさまざまなレベル、ルートを通じて伝達しており、合意を着実に実施するよう粘り強く求めていく」と強調した。
8月2日
国連人権理事会のザイド・フセイン代表が、ニューヨークの国連本部での記者会見で、慰安婦問題に対する日本政府の迅速な対応を求めた。フセイン代表は、人権高等弁務官だった2016年にも、「性奴隷」という表現を使いながら日韓合意に批判的な発言をし、日本政府が抗議していた。
8月8日
中国上海市の上海師範大で10日に予定されていた旧日本軍の慰安婦問題に関する国際シンポジウムが中国政府の要請で中止になったことが分かった。「12日が日中平和友好条約の締結40周年に当たり、日本側に配慮したとみられる」と日本のメディアは伝えた。
8月10日
韓国女性家族省が、日本軍慰安婦問題研究所の開所式を行った。日本政府は即日抗議した。
8月14日
慰安婦問題を巡り、韓国政府が被害の記憶を国内外に伝える記念日と定めたこの日、天安で政府主催の式典が開かれ文在寅大統領が出席した。文氏は演説で、慰安婦問題は日韓間だけでなく、戦時の女性への性暴力で人類の普遍的な人権問題とした上で「韓日間の外交紛争につながらないことを望む」と述べた。文氏は、慰安婦問題が「韓日間の外交交渉で解決する問題とは考えていない」と指摘し、「韓日を含む全世界が反省し、二度と起こさないと固く誓ったときに初めて解決される。記念日に指定した趣旨もそこにある」と述べた。記念日が日本の責任追及を目的とするものではないと配慮をにじませた。式典は天安の国立墓地「望郷の丘」で開かれ、元慰安婦の女性らの追悼碑の除幕式が行われた。
文大統領の「慰安婦の日」行事出席に対し、日本政府は同日、日韓合意の着実な履行を申し入れた。
一方、台湾では、台南市内で、慰安婦問題を象徴する銅像の除幕式が行われた。台湾の野党、国民党の馬英九前総統が出席して挨拶した。馬前総統は「日本政府は謝罪と賠償を行うべきだが、民主進歩党(民進党)は政権党になって2年余り、この問題に触れていない」と政権を批判した。銅像除幕式を行う団体「台南市慰安婦人権平等促進協会」は「慰安婦の歴史への理解を広める目的」で同年4月に設立されたという。台湾政府筋は「銅像に政府は一切関与していない」と強調している。台北市内の日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の前では、女性団体が慰安婦問題への日本政府の謝罪などを求めて抗議の座り込みを行った。
日本政府は同日、日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会を通じて申し入れを行った。
8月15日
韓国の文在寅大統領が「光復節」の記念式典で演説。日本との歴史問題には深く踏み込まず、慰安婦問題などをめぐる日本の責任にも触れず、多くを南北関係に費やした。光復節の大統領演説としては異例。対日関係の悪化を避けつつ、北朝鮮の金正恩委員長に非核化の進展を呼びかける狙いがあったとみられる。
8月17日
国連人種差別撤廃委員会の対日審査の2日目の会合が行われた。日本政府代表の大鷹正人・国連担当大使は、慰安婦問題をめぐって会合中に委員から「性奴隷」という表現が使われたとして、「事実に反し、不適切」だと抗議した。日本側は、アジア女性基金を通じて元慰安婦への償い金支給や福祉支援を行ってきたと説明したが、鄭鎮星委員(ソウル大学教授で慰安婦問題の活動家)は「基金は徹底的な調査なしに設立された。償い金受け取りの拒否は難しかった」と述べた。また、日韓合意で両国が「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したとする日本の主張に対し、ガイ・マクドゥーガル委員(米国)は「政府間の合意で、個人の要求を消すことはできない」と発言。慰安婦への謝罪が必要だと主張した。マルク・ボシュイ委員(ベルギー)も「政府間の合意で解決はできない」と述べた。大鷹大使は、女性を強制連行したとする吉田清治の偽証を朝日新聞が報じたことで、慰安婦問題が世界的に広がったことに言及。不正確な情報が流布したことで「不幸な側面があった。この新聞はすでに謝罪した」と述べ、委員に客観的評価を求めた。
なお、2016年2月16日、国連女子差別撤廃委員会で当時の杉山外務審議官がやはり吉田清治と朝日新聞について説明したが、口頭によるものだったため、国連の正式な記録(文書)には残されていない。
8月下旬
朝日新聞の慰安婦問題にからむ英訳記事2本がインターネットで検索できないような設定になっていたことが判明。朝日新聞広報部は産経新聞の取材に対し、「記事を最終確認するため社内のみで閲覧できる状態で配信し、確認を終えてから検索可能な状態にした。その際に2本のタグ設定解除の作業が漏れてしまった」と説明し、8月24日までに設定を解除した。
検索できない設定となっていたのは、2014年8月5日付朝刊に特集「慰安婦問題を考える 上」に掲載された記事の英訳版2本。
●朝鮮半島で女性を強制連行したと虚偽証言した吉田清治氏を取り上げた記事を取り消した記事
●「女子挺身隊」と「慰安婦」の混同を認めたことを伝えた記事
いずれも朝日新聞デジタルのウェブサイトに2014年8月22日午前10時にアップされていたが、この2本の記事には、グーグルなどの検索エンジンの動きを制御し、利用者が特定ウェブページを訪問することを防ぐようにする「noindex」「nofollow」「noarchive」という3つの「メタタグ」が埋め込まれていた。
発覚のきっかけを作ったのは、慰安婦問題をめぐる朝日新聞電子版の英文報道に修正を申し入れていたケント・ギルバート氏らだった。ケント氏らが「吉田証言」に関する記事を撤回したことを英文で告知するよう申し入れた部分に対して、朝日は「2014年8月5日付記事の英訳版は『朝日新聞デジタル』で2014年8月22日に掲載し、現在も下記のURLで全文閲覧できます」と反論。そこでケント氏らは検索エンジンで問題の記事を検索したが見つからず、やがてネット民によりメタタグの存在が突き止められ、朝日の「検索避け」が発覚した。なお、これらは朝日英語版(AJW)ではなく、朝日日本語版の中に置かれた英訳記事であり、もともと英語圏の人が閲覧しにくい場所に置かれてあった。
※この問題の詳細はこちらを参照。
8月30日
国連の人種差別撤廃委員会が日本に対する報告書を発表し、慰安婦問題をめぐって日本政府に「被害者中心のアプローチによる恒久的な解決」を勧告した。2015年の日韓合意で「最終的かつ不可逆的解決」を確認したという日本政府の主張は受入れなかった。対日勧告は14年以来、4年ぶり。報告書は日本政府に対し、「恒久的な解決」には、韓国だけでなく「すべての国籍」の慰安婦も含め、日本が女性に対する人権侵害の責任を受入れるよう勧告した。元慰安婦や家族への適切な措置を含め、解決策を今後、同委員会に報告することも求めた。報告書はまた、日韓合意をめぐる日本の説明に「留意する」としたうえで、日本の対応は「元慰安婦への適切な相談がなく、軍による人権侵害への明確な責任提示をしていないという報告がある」と懸念を表明した。
菅義偉官房長官は31日の記者会見で「日本政府の説明内容を十分踏まえておらず極めて遺憾だ」として国連側に申し入れを行った経緯を明らかにした。申し入れは現地時間の30日、岡庭健ジュネーブ国際機関政府代表部大使が国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の担当幹部に対して行った。
河野太郎外相は31日の記者会見で「被害者中心のアプローチによる恒久的な解決」を日本政府に勧告した件に対し「委員会で取り上げるべきものでないとはっきりしている。繰り返し、そういうこと(勧告)が行われるのは、委員会の存在意義にも関わってくる」と述べ、同委員会の対応を強く批判した。
9月9日
「朝日新聞デジタル」の慰安婦問題に関する英語版記事2本がインターネット検索できない設定になっていた問題で、同じ内容の日本語の記事1本にも、利用者が特定ウェブページを訪問することを防ぐようにする「メタタグ」が埋め込まれていたことが、この日までに分かった。この記事は公開当時は検索可能な設定だったが、後からメタタグが埋め込まれていた。朝日新聞広報部は「8月23日に英語版のタグについて産経新聞の取材を受けた際、日本語版の記事についても確認作業をした。その際に配信システムの操作を誤り、記事の設定が変わっていたことが分かった」と説明した。すでにメタタグは削除され、検索できるようになっているという。
9月22日
米サンフランシスコ市が公共物として受け入れた慰安婦像と碑文が設置されて1年となったこの日、設置を主導した「慰安婦正義連合」(CWJC。中国系米国人らにより結成)が集会を開催した。地元市議のほか日本や中国からも支援者らが参加して「日本は謝罪しろ」などとシュプレヒコールを上げ、周辺をデモ行進した。集会には大阪で女性問題に取り組むグループなどが参加し、「慰安婦の歴史を否定する大阪市、日本政府と戦っていることをたたえる」としてCWJCから感謝状の贈呈を受けた。
9月27日
韓国海軍の報道官が、10月10日〜14日に済州島で開かれる国際観艦式において、「自国旗と太極旗(韓国国旗)だけをマストに掲揚するのが原則」だと、各国に通知したことを明らかにした。事実上の「旭日旗」外しであり、日本はこれを拒否し、国際観艦式への参加を取り止めた。招待された14カ国のうち、日本と中国は招待を拒否、フィリピンとマレーシアは当日キャンセルするなど、参加したのは10カ国だけ。参加した艦艇も、国旗を軍艦旗にしている米国、ベトナム、インドネシア以外は、全て各国独自の軍艦旗をメインマストに掲げた。
10月2日
米サンフランシスコ市が慰安婦を「性奴隷」と記した碑文や像を公共物化(市有化)したことをめぐり、大阪市は、吉村洋文市長がサ市に姉妹都市提携の解消を通知する書簡を送ったと発表した。これにより、大阪市とサ市の姉妹都市提携は解消された。4日、米サンフランシスコ市の市長室は、「1人の市長が、2都市の市民の関係を一方的に解消することはできない。サンフランシスコと大阪の姉妹都市関係は人々のつながりを通じてなお続いている」とするブリード市長の声明を公表した。その一方で、慰安婦像について「奴隷化と性的目的の人身売買の恐怖を強いられてきた全女性の苦しみを象徴するもの」と主張。「像によって忘れてはならない出来事と教訓を思い起こすことができる」と指摘した。
10月9日
日本の複数の保守系民間団体でつくる「慰安婦の真実国民運動」が、国連の人種差別撤廃委員会が8月末に日本に対して慰安婦問題への対応が不十分だと批判し、「人権侵害」の責任を認めるよう勧告したことに抗議する集会を国会内で開いた。「慰安婦問題は、人種差別とは全く関係がなく、日本が人種差別撤廃条約に加入した1995年以前の問題で、委員会で取り上げるのは不適切だ」とする決議を採択した。決議は、政府に対しても「主張すべきことは明確に主張」し、「日本国民の国益のために毅然と行動」するよう強く求めた。また、人種差別撤廃委のメンバーに、元慰安婦の支援を行う「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の元共同代表らが含まれていることも問題視。「公正な審議を望むことのできない委員によって構成されている」と批判した。
10月30日
第二次大戦中に「『徴用工』として日本で強制的に働かされた」と主張する韓国人4人が新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判で、韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金に賠償を命じる確定判決を出した。前代未聞の判断であり、1965年の日韓請求権協定で「解決済み」である請求権問題を蒸し返したもの。11月29日には、やはり韓国大法院が「元徴用工」と主張する韓国人男性の訴えを認め、三菱重工業に損害賠償を命じた確定判決を出した。翌2019年1月11日には日立造船にソウル高裁が、1月18日には不二越にソウル高裁が賠償命令の判決を下すなど、日本企業敗訴とする協定違反の判決が定着した。韓国で同様の訴訟が進行中の日本の企業は70社を超える。
11月9日
元朝日新聞記者で慰安婦報道に関わった植村隆氏が、記事を「捏造」と書かれ名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と原稿を掲載した出版社3社に損害賠償や謝罪広告掲載を求めた訴訟の判決が、札幌地裁であった。岡山忠広裁判長は「櫻井氏が、植村氏が事実と異なる記事を執筆したと信じたのには相当な理由がある」として請求を棄却した。植村氏側は11月22日に控訴した。
11月19日
国連の強制失踪委員会が対日審査の報告書を公表し、慰安婦問題をめぐって日本政府に事実解明と責任者の処罰を勧告した。2015年の日韓合意で「最終的かつ不可逆的解決を確認した」とする日本の主張は、「補償を求める被害者の権利を否定するもの」だとして遺憾を表明した。報告書は、日本政府が慰安婦問題で「事実関係やデータを開示していないという情報がある」と指摘。慰安婦やその子供の失踪について、遅滞なく完全な調査を行うべきだと求めた。行方が分からなくなった慰安婦の子供についても調査が必要だとした。対日審査は同月5〜6日に行われ、日本政府代表は慰安婦問題で「調査の結果、軍や官憲による『強制連行』を確認できるものはなかった」と主張。アジア女性基金などを通じて日本が行ってきた問題解決の努力を説明した。同委員会は、2010年に発効した強制失踪条約について、加盟国の実施状況を審査する機関。勧告に法的な拘束力はない。
11月21日
韓国の女性家族省が、日韓合意に基づき設立された「和解・癒やし財団」を解散し、事業を終了すると発表した。合意履行を求めてきた日本政府の意向に反する措置。財団は合意に基づいて日本政府が拠出した10億円を財源に、元慰安婦や遺族に対する現金支給などの事業を行ってきた。10億円からこれまでに、合意の時点で生存していた元慰安婦の7割以上に現金が支給された。女性家族省によると、10億円のうち約5億7600万円が残っており、韓国政府が7月に代替金として一方的に編成した103億ウォン(10億円に相当)とともに、元慰安婦や関連団体などの意見を聞き「合理的に処理方法をまとめていく」という。拠出金の日本への返還については言及しなかったが、韓国外務省が日本政府と協議するなど、外交上の措置も取っていくとした。国会での聴聞など、関連する法的手続きに入る見通し。陳善美(チン・ソンミ)女性家族相は「被害者中心主義の原則の下で財団解散を進めることになった」とコメントした。韓国政府の発表を受け、同日、安倍首相は記者団に対し、「日韓合意は最終的かつ不可逆的な解決だ。国際約束が守られないのであれば国と国の関係が成り立たなくなってしまう。韓国には国際社会の一員として責任ある対応を望みたい」と述べた。また、秋葉剛男外務事務次官は、韓国の李洙勲駐日大使を外務省に呼んで抗議するとともに、日韓合意の着実な履行を求めた。23日、アメリカ国務省報道官は「和解・癒やし財団」解散に関し声明を発表し、日韓政府が協力して慰安婦問題の解決に向け対処していくことを促す立場を改めて打ち出した。
12月21日
岩屋毅防衛相が夜、記者会見し、韓国海軍艦艇が20日午後、石川県・能登半島沖の日本海で、海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射したと明らかにした(以降の経緯は省略。Wikipediaなどをご参照)。
12月31日
在フィリピン日本大使館は、同国北部ルソン島中部のラグナ州サンペドロ市に、慰安婦を象徴するとする「少女像」が設置されたことを確認したと、産経新聞に明らかにした。大使館は比政府に対して、慰安婦を象徴する像の設置は「日本政府の立場と相いれない」と説明したという。大使館は1月3日までに、「少女像」が撤去されたことを確認した。ちなみに、12月31日に発表された大統領府声明では、「すでに議論された(慰安婦)問題を不当に政治問題化することは控えるべきだ」との立場を表明。「いずれにせよ、日本は補償を含め過去の行為について心から償っている」と言及していた。
<2019年>
1月8日
韓国最高裁が新日鉄住金に対し、いわゆる徴用工として労働を強制されたと主張する韓国人男性らへの損害賠償を命じた判決をめぐり、韓国南東部の大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支部が、原告による同社の韓国内資産の差し押さえ申請を認める決定をしたことを明らかにした。
1月10日
文在寅大統領が年頭会見で、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた「徴用工」訴訟をめぐり、「三権分立で政府は介入できない。日本は判決に不満を表明できるが、仕方がないという認識を持つべきだ」と指摘。「政治的に争って未来志向を妨げるのは望ましくない」とも述べ、日本側の対応を批判した。日本政府が日韓請求権協定に基づいて9日に要請した協議には直接言及しなかったうえ、具体的な解決策も示さなかった。日韓慰安婦合意に基づいて設立された財団の解散問題や、海上自衛隊の哨戒機が韓国軍艦艇に火器管制レーダーを照射された問題については言及しなかった。
1月16日
ベトナム戦争に派遣された韓国軍兵士による現地女性への性的暴行などで生まれた「ライダイハン」と呼ばれる混血児の問題を追及する英民間団体「ライダイハンのための正義」が、英議会内で集会を開いた。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の性暴力を告発してノーベル平和賞を受賞したクルド民族少数派ヤジド教徒、ナディア・ムラド氏は「性暴力に対して団結し、正義の実現まで行動を」と訴え、韓国の戦争性犯罪である同問題への連携した取り組みを訴えた。
1月23日
韓国最高裁が朴槿恵前政権の意向でいわゆる徴用工訴訟の確定判決を故意に先送りしたとされる疑惑で、ソウル中央地検が、職権乱用などの疑いで、前最高裁長官の梁承泰(ヤン・スンテ)容疑者を逮捕した(2月12日に起訴)。
2月1日
1月28日に95歳で死去した金福童(キム・ボクトン)氏の告別式が、慰安婦像が設置されたソウルの日本大使館前で行われた。陳善美女性家族相を含め、主催者推計で約1,000人が参列し、黙祷をささげた。金氏は「慰安婦被害者らの象徴」といわれた存在だった。西村康稔官房副長官は同日午前の記者会見で、「在韓国大使館の安寧を妨害、または威厳を侵害するものであれば、外交関係に関するウィーン条約の規定に照らして問題がある」との認識を示した。
2月7日
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、同紙が先月末の紙面で掲載した韓国の元慰安婦、金福童氏の死亡記事に反論する外務省の大菅岳史報道官の寄稿をウェブサイトに掲載した。寄稿は、記事中の慰安婦問題をめぐる日本政府の対応や2015年の日韓合意に関する記述の誤りを正す内容で、一連の指摘こそが「否定しようのない事実だ」と強調している。
2月7日
文在寅大統領に近い韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が、ブルームバーグとのインタビューで、「(謝罪をするのは)日本を代表する首相かあるいは、私としては間もなく退位される天皇が望ましいと思う。その方は戦争犯罪の主犯の息子ではないか。そのような方が一度おばあさんの手を握り、本当に申し訳なかったと一言いえば、すっかり解決されるだろう」と述べた。文氏はかつて韓日議連会長も務めた人物。
文氏の発言に日本政府は強く抗議。複数回にわたって謝罪と撤回を求めたが、文氏は、12日、訪問先のワシントンで記者団に、「なぜこのように大きな問題になるのか。安倍まで出てきて抗議するのが私は理解できない」「これは(私が)謝罪する事案ではない」「10年前から語ってた持論だ」「被害者が最終的に許すというまで謝罪しろということだ」と述べ、発言の撤回や謝罪をしない考えを示した。
(なお、9日、韓国の国会報道官が朝日新聞の取材に「他の同席者にも確認したが、文氏は(天皇に関し)『戦争犯罪』という表現は使っておらず、『戦争当時の天皇の息子』と述べたと思う」と説明し、ブルームバーグが引用した「戦争犯罪の主犯の息子」という発言はしていないと否定したが、12日までにブルームバーグの公式サイトが文氏のインタビュー音声の一部を公開し、文氏が「戦争犯罪の主犯の息子」と語っていたことが明らかとなった)
その後も文氏の発言は止まらず、18日に韓国の聯合ニュースが報じたインタビューで、日本が謝罪と撤回を求めていることに対し、「謝罪する側が謝罪せず、私に謝罪しろとは何事か。盗っ人たけだけしい」と批判。さらに、インタビュー記事には、【文氏は10年前に天皇から韓国に行きたい、仲立ちしてほしいと言われた時、「何はともあれ、(慰安婦被害者の)ハルモニ(おばあさん)たちが集まっているところに行き、ひと言『すまない』と言うだけでいい」と話したとし…】という記述があった。夕刊フジが宮内庁に確認したところ、宮内庁は「そもそも面会した記録がない」と回答。25日には、河野太郎外相も衆院予算委員会で、「天皇陛下が文議長とご面会になったという記録はない」と述べた上で、「議長の一連の発言は甚だしく不適切だ」と不快感を示した。
2月25日
韓国の康京和外相が、スイス・ジュネーブの国連人権理事会で演説。慰安婦問題で「被害者中心の取り組みを進める」と述べ、2015年の日韓合意は不十分だという立場を示した。また、国連の人種差別撤廃委員会が2018年8月、日本政府に慰安婦問題で「被害者中心のアプローチによる解決」を勧告したことに触れ、「これまでの努力はこうした視点を欠いた。われわれは、史実に基づく正義を求める生存者を支援する」と発言。1月に死去した元慰安婦の金福童氏を「人権の唱道者だった」とたたえ、紛争下の女性に対する暴力をめぐり、今年中に国際会議を開く方針も示した。
これに対し、菅義偉官房長官は翌26日午前の記者会見で、日韓合意の着実な実施を強く求める申し入れを韓国側に行ったことを明らかにした。菅氏は、日韓合意について「慰安婦問題の最終的で不可逆的な解決を日韓政府間で確認したものだ。政権が代わっても責任を持って実施されないといけない」と指摘。「合意の着実な実施は、わが国はもとより国際社会に対する責務だ」と強調した。
2月28日
朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が、日本政府に対し、「被害者の観点で痛みを癒やし、謝罪する努力が必要だ」と指摘した。「三・一運動」から100周年となるのを記念し、ソウル都市建築センターで開かれた慰安婦問題に関する展示会を訪れ、報道陣に対し述べた。
3月1日
ソウルで「三・一独立運動」100周年記念式典が行われた。文在寅大統領が約1万人の市民を前に演説。「歴史の立て直しこそが重要であり、(日本の統治に協力した)親日の残滓(ざんし)清算が課題だ。親日については反省し、独立運動は礼を尽くされるべきだという価値を正しく確立することが親日清算だ」と指摘。一方、「隣国との外交で葛藤の要因を作ろうというのではない。親日清算も外交も未来志向的であらねばならない」とも訴えた。また、文氏は「朝鮮半島の平和のために日本との協力を強化する」と述べた。「力を合わせ(日本の朝鮮半島統治時代の)被害者らの苦痛を実質的に癒やしたときこそ、韓国と日本は心の通じる真の友人になる」とし、慰安婦問題などでの日本の協力を暗に訴えた。
3月5日
釜山市が、挺身隊問題対策釜山協議会(2004年設立)に4300万ウォン(約430万円)の事業費支援を決めたと明らかにした。これに先立ち、1日、呉巨敦(オ・ゴドン)釜山市長は、釜山市で開かれた「三・一独立運動」100周年記念式典で、日本総領事館前に設置された慰安婦像を、釜山市が管理するという意志を明らかにしていた。
3月6日
韓国の光州市議会が、光州市役所市民広場にある平和の少女像の前で、慰安婦問題解決のための日本政府の心のこもった謝罪と責任ある行動を求めた。市議会は声明文を通じて、「日本軍慰安婦被害者の名誉回復と法的賠償のために、日本政府が反人倫的犯罪の事実に対する公式的な認定とともに、謝罪をしなければならない」と要求した。続けて、「日本政府は行政的、立法的な賠償制度制定と共に類似犯罪の再発を防ぐため、正しい事実に基づき、日本史教科書に記載して教育しなければならない」と主張した。
6月3日
4月に公開された、慰安婦をテーマとした映画「主戦場」に登場する藤岡信勝拓殖大客員教授らが、「出演は承諾していない」として上映差し止めを訴えている問題について、監督の出崎幹根氏が記者会見し、「藤岡氏らに差し止める権利はない」と述べ、応じない考えを示した。出崎氏は、作中で藤岡氏らを「歴史修正主義者」と位置付けたことについて、「彼らは世界的に合意されている歴史観を変えようとしている。それは歴史修正主義だ」と述べ、「世界が考えている慰安婦問題とは、彼女たちは性奴隷であり、20万人いた、強制連行された人たちだということだ」とも主張した。
6月19日
映画「主戦場」の出演者5人(ケント・ギルバート氏、トニー・マラーノ氏、山本優美子氏、藤岡信勝氏、藤木俊一氏)が、映画の上映差し止めと計1300万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
6月26日
「慰安婦記事を捏造した」などと指摘する記事や論文で名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆氏が、文芸春秋と麗澤大学の西岡力客員教授に計2750万円の損害賠償と謝罪記事の掲載などを求めた訴訟の判決が東京地裁であった。原克也裁判長は「指摘は公益目的で、重要部分は真実」などとして植村氏の請求を棄却した。植村氏側は控訴。
7月1日
経済産業省が、韓国向けに輸出される軍事転用可能な一部の半導体関連物品について、企業ごとに一定期間包括的に許可する方式から、契約ごとに個別審査する方式へ切り替えると発表した(いわゆる対韓輸出管理強化)。8月2日には輸出管理上のキャッチオール規制(補完的輸出規制)における優遇措置、いわゆる「ホワイト国」(のち「グループA」へ改称)から韓国を除外する旨を閣議決定し、政令改正を経て7月28日より施行された。背景には、韓国が北朝鮮向けに無許可で物資支援を行ったり、日本からの輸出品の横流しをしているのではないかとの疑念が生じていたこと、また日本が求めた輸出管理に関する協議を、韓国が3年にわたって拒んでいたことがあった。しかし韓国側はこれらの措置を、いわゆる徴用工問題への報復として日本から仕掛けてきた経済戦争と捉え、激しく反発。韓国政府によるGSOMIA(日韓秘密軍事情報保護協定)の破棄決定(後に撤回)へとエスカレートしていく。
7月5日
日韓合意に基づき韓国で設立された「和解・癒やし財団」が登記上、解散したことを関係者が明らかにした。解散の申請は6月17日に行われ、7月3日、完了の通知が財団側にあったという。日本政府は同日、外交ルートを通して合意履行を韓国政府に求めた。
7月10日
李栄薫氏、李宇衍氏らが著述した「反日種族主義」が韓国で発売。内容は「日帝下徴用等強制動員・日本軍慰安婦被害者・独島領有権」となっており、日本の朝鮮統治時代に対する韓国人の通念を真っ向から否定しているにも関わらず、韓国でベストセラーとなった。日本語版は同年11月に発売。
7月28日
釜山市が、悪化している日韓関係が改善するまでの間、日本との行政交流を中断すると発表した。
8月3日
愛知県などが支援する国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」(芸術監督はジャーナリストの津田大介氏)が、開幕からわずか3日で中止された(10月に入場制限をかけて再開。7日間)。直接の理由は展示内容に対する脅迫だとされた。バーナーで昭和天皇の写真を燃え上がらせる映像を展示したり、「慰安婦像」として知られる少女像を展示するなどし、開幕当初から「日本に対するヘイトだ」などと批判が集中していた。
名古屋市の河村たかし市長は、自身が展示中止を求めた抗議について「表現の自由の規制が目的ではなく、公共施設の管理、利用方法が不適切と指摘した」と説明した。これに対し、愛知県の大村秀章知事が「表現の自由を保障した憲法21条に違反する疑いが極めて濃厚ではないか」と批判するなどし、波紋が広がった。
8月16日に大村知事により設置された「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」が、9月25日、検証委は中間報告を出し、「条件(脅迫や攻撃を回避すること、展示方法や解説を改善することなど)が整い次第、速やかに再開すべきだ」とした。中間報告では、津田大介芸術監督の責任が厳しく指摘された。
9月26日、この中間報告を受け、文化庁は補助金およそ7800万円を全額不交付とすることを決定した。補助金申請者である愛知県が、展覧開催に当たり、来場者を含め展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず、それらの事実を申告することなく採択の決定通知を受領した上、補助金交付申請書を提出し、その後の審査段階においても、文化庁から問合せを受けるまでそれらの事実を申告しなかったことが、不交付の理由とされた。
「あいちトリエンナーレ2019」は10月14日に閉幕したが、2019年末の時点で、大村愛知県知事と河村名古屋市長の対立が続くなど、余波は収まっていない。
8月14日
ドイツの首都ベルリンの観光名所ブランデンブルク門前に慰安婦像が展示された。在独韓国系団体が企画した。戦時下に性暴力を受けた女性を追悼する集会の一環としている。
8月14日
韓国で法定記念日に定められた「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」の政府主催の式典がソウルで開かれた。式典には元慰安婦や市民団体、専門家ら約300人が参加。文在寅大統領は出席せず、「韓国政府は被害者の尊厳と名誉回復のために最善を尽くす」「国際社会で共有し、広めていく」とのメッセージを寄せたが、日本への批判はなかった。
8月15日
文在寅大統領が「光復節」の記念式典で演説を行った。日本政府による輸出管理厳格化などを批判しつつ、日本に対する過度の刺激を避けた抑制した内容で、いわゆる徴用工や慰安婦の問題など具体的な日本との歴史問題について直接言及することはなかった。
8月22日
韓国大統領府がGSOMIA(日韓秘密軍事情報保護協定)の破棄を決定。破棄決定の理由について、李洛淵首相は「日本が根拠も示さず、韓国を安全保障上信頼できない国であるかのようにレッテルを貼り、輸出優遇国のリストから韓国を外したためだ」と説明した上で、「日本の不当な措置が元に戻れば、わが政府もGSOMIAを再検討することが望ましい」と述べた。
11月23日に失効期限を控えていたが、アメリカ政府からの継続要請を受諾する形で、協定失効前日の11月22日に開催した国家安全保障会議で協定失効通告の停止を決定した。
10月27日
米ワシントン近郊の南部バージニア州アナンデールで、韓国系米国人の市民団体が慰安婦像を設置。この日、韓国から元慰安婦を呼んで除幕式が行われた。米国内での慰安婦像の設置は南部ジョージア州、西部カリフォルニア州などに続き5体目。
11月13日
韓国の元慰安婦やその遺族らが日本政府に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が、ソウル中央地裁で行われた。慰安婦問題をめぐり日本政府が被告となる裁判の審理が韓国で行われたのは初めて。日本政府は、外国政府が他国の裁判から免除される国際法上の「主権免除の原則」に基づき出廷しなかった。
12月11日
ソウルの日本大使館前では毎週水曜日に慰安婦問題で日本政府を糾弾する集会が開かれているが、「反日種族主義」の共同著者で「反日民族主義に反対する会」の代表を務める落星台経済研究所の李宇衍研究委員らが、この集会の中止と大使館前に設置された慰安婦像の撤去を求める活動を、集会場の近くで行った。
12月18日
韓国最高裁が2018年にいわゆる元徴用工の訴訟で日本企業に賠償を命じた確定判決をめぐり、韓国の文喜相国会議長が問題解決に向けまとめた法案が韓国国会に提出された。法案は、日韓両国の企業と国民からの寄付金で財団を設立し、その基金から対象者に「慰謝料」や「慰労金」を支給するという内容。韓国最高裁が賠償を命じた企業に参加の義務はない。左派系の市民団体などは「日本からの謝罪がないまま免罪符を与える内容だ」と反発した。原案段階では「和解・癒やし財団」に日本政府が拠出した10億円の残金約6億円相当を移管する案を検討したが、元慰安婦関連団体が強く反発したため見送られた。
12月21日
愛知県で8月に開催された「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が一時中止になった騒動を受け、企画展「北海道・表現の自由と不自由展」が、札幌市で1日限定で開催された。愛子内親王殿下、名古屋市の河村市長や管官房長官など政治家、存命の一般人、赤ちゃんや子供、原爆の被害者などの写真が燃やされる作品は大きな批判を呼び、実行委員会がお詫びする結果となった。「慰安婦像」として知られる少女像は、高さ約10センチのミニチュアが展示された。
12月24日
日韓首脳会談が1年3カ月ぶりに行われた。安倍首相は「日韓関係は非常に厳しい状況にあるが、根本原因は旧朝鮮半島出身労働者問題(いわゆる元徴用工問題)にかかる最高裁判決にある」と従来からの立場を述べた。文在寅大統領は「解決の重要性は認識していて、早期に問題解決を図りたい」と応じたが、具体的な解決策の提示はなかった。
12月26日
慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年の日韓合意で精神的な苦痛を受けたとして、3年前に元慰安婦の女性12人が韓国政府に1人当たり1億ウォン、日本円にしておよそ940万円の賠償を求めていた訴訟で、ソウル高等裁判所が「韓国政府は合意が真の解決ではないことを認め、元慰安婦の名誉回復のために内外に向けた努力を続ける」という調停案を示し、元慰安婦側、韓国政府双方がこれを受け入れる方針を示した。
12月27日
2015年の日韓合意について、元慰安婦らが「韓国の憲法に違反する」と訴えていた裁判で、韓国の憲法裁判所は「違憲審査の対象ではない」として、原告側の訴えを却下した。ただ、日韓合意は条約締結の手続きを踏んでいない「政治的な合意」にすぎず「具体的な権利・義務が生じたとは認められない」とし、根本的に慰安婦問題とは何なのかについて日韓間で「共通の認識が存在しない」とも指摘した。日本では「原告の訴えが却下されたことで、いわゆる徴用工判決で悪化した日韓関係に再び悪影響を与える事態は回避された」という見方がある一方、「日本政府が韓国政府に求めてきた合意履行の義務を骨抜きにするような判断といえ、日韓関係にさらなる悪影響を与える可能性がある」とする論評も見られた。。
<2020年>
2月6日
元朝日新聞記者の植村隆氏が、慰安婦について書いた記事を「捏造」とされ名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と出版社3社に謝罪広告の掲載と損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌高裁は、訴えを退けた1審判決を支持し、植村氏の控訴を棄却した。植村氏は上告する方針。
3月3日
元朝日新聞記者の植村隆が、「慰安婦記事を捏造した」などと指摘する記事や論文で名誉を傷つけられたとして、文芸春秋と麗澤大学の西岡力客員教授に損害賠償と謝罪記事の掲載などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は、植村氏の請求を棄却した1審東京地裁判決を支持し、植村氏側の控訴を棄却した。植村氏側は上告する方針。
3月29日
「日本軍による慰安婦の被害者を支援する韓国挺身隊問題対策協議会」(旧名称は挺対協)がソウル市の支援金を重複申請し、審議過程で摘発されていたことが分かった。ソウル市はこの日、挺対協とその後身で事実上同一団体である正義記憶連帯が同時に性平等基金に申請を行っていた事実を確認し、1団体を支援から除外することを決めたと発表した。
5月7日
講義中に「慰安婦は売春の一種」という趣旨の発言をして物議をかもした延世大学社会学科の柳錫春(リュ・ソクチュン)教授が、学校側から停職1カ月の懲戒処分を受けた。柳教授は「懲戒に不服」とし「真実を明らかにするために努力する」と述べた。柳教授は2019年9月、講義中に「慰安婦は売春の一種」と発言し、問題提起した女子学生に「気になるなら、一度やってみますか」と問いかけてセクハラ論争が起こっていた。柳教授は7日に発表した声明文の中で、「『気になるなら、一度やってみますか』という発言は『研究を一度やってみなさい』という趣旨の発言だった」と釈明した。
5月7日
元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)が大邱で記者会見し、ソウルの日本大使館前で毎週開かれている日本政府への抗議集会(水曜集会)と、集会を主催する慰安婦支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連。旧挺対協)を強く批判した。李容洙は、日本大使館前での集会について「学生たちが尊いお金と時間を使っているのに、集会は憎悪を教えている」「学生たちに良い影響を与えず、集会はなくすべきだ」などと語り、「集会への参加学生からの募金はどこに使われるか分からない」「募金は元慰安婦のために使われていない」と批判。今後、集会に参加しない意思も示した。李容洙はさらに、「(正義連に)30年間だまされるだけだまされ、利用されるだけ利用されてきた」と述べ、2020年4月の選挙で「共に市民党」の比例代表として当選した尹美香(ユン・ミヒャン)前正義連理事長について、「私欲のため的外れなところに行った」と指摘した。李容洙の「暴露」は、以降次々と浮上する正義連と尹美香に対する一連の疑惑の発端となった。尹美香はこの時点では国会議員にまだ就任していない「当選人」。5月30日に就任予定。
5月8日
正義連(旧挺対協)が、前日の李容洙の会見について「李さんは92歳で記憶が歪曲されている」と反論。李には1億350万ウォン(約900万円。28年間で3回の支払い額合計)を支給したとし、領収書を公開した。
与党関係者らはこれまで「李さんの記憶ははっきりしている」と強調してきたが、今回、李が尹美香らを批判すると、記憶力の問題で片付けた。
なお、尹美香は同日、「(30年前に)李さんと最初に電話で話した時は、『私は被害者ではなく、私の友人が…』だった」とフェイスブックに書き、李が元慰安婦ではなかったとも受け取れる反応を示した。
李容洙は過去に何度か挺対協を批判したことがあるが、今回の騒動は異質であり、朝鮮日報は9日付の社説(日本語版)で、このように述べた。「慰安婦問題では国民から寄付を集め、日本からも慰労金を受け取り、最終的に国会議員にまでなった人物たちは今、これまであれほど持ち上げてきた女性を本物ではないかのように、あるいは認知症の老人のように取り扱っている。もし李さんが慰安婦でなかったのなら、これまで彼らはこれを知りながら利用してきたことになる。もしそのことが事実なら絶対に容認できない」。
5月11日
正義連(旧挺対協)がソウル市内で記者会見を開き、同団体が募金を元慰安婦のために使っていないなどとの指摘について、「募金を伝達するだけが支援事業ではない」として、募金の運用に問題はなかったと説明した。詳細な内訳の公表を要求する声には、「世の中のどの市民団体が活動内容を一つ一つ公開するのか」として回答を避けた。
しかし同日、朝鮮日報が取材したところ、正義連は「日本軍慰安婦被害者問題解決」のため受け取った寄付金の支出について、実際よりも過度に粉飾し会計処理を行っていたことが分かった。飲み屋で1日3300万ウォン(現在のレートで約293万7000円)を支払ったことになっていたが、正義連が当時実際に支払った額は430万ウォンで、会計処理ではその8倍近い額が記載されていた。また正義連が「寄付金の内訳は透明性を持って管理されている」として公表した2017年から2019年までの「年度別寄付金収入内訳および事業別支出内訳」も、記者会見のため別途作成された非公式資料だったことが明らかになった。正義連が自ら、かつて国税庁ホームページに公示した「公益法人決算書類」とも違っていた。正義連がこれまで税法に基づいて公示してきた資料もずさんだった。正義連は「人員不足の中で仕事を進めたため、内部的な問題があった。厳密ではなかった」と述べた。正義連の李娜栄理事長は李容洙と支持者に向けて、「心に不要な傷を付けてしまって申し訳ない」と公式謝罪した。だが、寄付金使用に関する疑惑については、「この問題で誹謗中傷し、ひいては活動家を分裂させ、傷付けた皆さん、反省してほしい」と非難した。正義連が2017年から支給されていた国家補助金を会計帳簿に記載していなかったことも確認された。収益内訳を「0ウォン」、あるいは支給額よりも少ない金額を記録していた。
一方、尹美香には別の複数の疑惑も発覚。挺対協時代から「共に市民党」公薦直前まで、この団体の運営を行いながら元慰安婦のための寄付金を本人名義の複数の個人口座を通じて常時集めてきた事実が明るみになった。寄付金を原資に「元慰安婦の憩いの場」として建設した建物の管理を尹美香の父親に任せ、管理費などの名目で2014〜20年に計約7500万ウォン(約650万円)を支給していたと、正義連は5月16日付の文書で明らかにし、陳謝した。他にも、娘の米国留学費問題、故人となった元慰安婦が作った奨学金を遺志とは異なり市民団体幹部の子弟に支給した問題など、疑惑が次々と持ち上がった。
こうした論争について、韓国の与党「共に民主党」の議員や尹美香は「親日勢力の最後の攻勢」と主張した。当初、韓国では保守系メディアのみが追求していたが、日々疑惑が広まるにつれ、左派系メディアも報道を始めるに至った。
5月13日
慰安婦たちの生活施設である京畿道広州市内の「ナヌムの家」について、京畿道が13日から3日間の特別調査に着手したことを発表した。道関係者は「元慰安婦のために使うべき政府の補助金・支援金が正しく使われていないという内部告発があった」と明らかにした。京畿道広州警察署も支援金横領疑惑についてナヌムの家の調査を開始した。この内部告発は、「ナヌムの家」職員が3月10日に政府に対する国民の提案や要求を書き込むインターネット・サイトを介して行ったもので、李容洙の暴露とは別ルート。告発者の一人は「ナヌムの家」で国際室長として働く矢嶋宰氏(日本人)。
5月14日
盧武鉉政権時代の2004年、沈美子(シム・ミジャ。2008年死亡)ら元慰安婦13人が正義連の前身団体である挺対協を相手取り、「恥ずかしい過去の経験を公表して行う募金行為と水曜集会の禁止」を求める訴訟を起こしていたことが、この日までに確認された。しかし、地裁は仮処分申請を棄却した。挺対協を「悪党」と呼んで批判した沈美子の名前は、南山の「記憶の場」にある元慰安婦の名簿にはないことが確認されたと、中央日報が19日に報じた。当時、名簿は挺対協が作成した。
5月20日
韓国のソウル西部地検が正義連のソウル市内の事務所の家宅捜索に入ったと発表した。翌21日には、正義連が元慰安婦の「憩いの場」としてソウル市麻浦区に購入した施設「平和のわが家」の家宅捜索を行った。「平和のわが家」は尹美香の住所として登録されており、実際に住んでいない場所を居住地として届け出る偽装転入疑惑も浮上。
5月21日
正義連の前身である挺対協が、10億ウォン(約8700万円)もの寄付金を獲得するため、元慰安婦の休養施設「平和と癒やしが出会う家」について、事実上虚偽の事業計画書を社会福祉共同募金会に提出していたことが、この日までに確認された。
また、挺対協が「欧州平和紀行」と題するプログラムを運営し、参加した学生に欧州現地で北朝鮮のスパイと会わせるなど、親北朝鮮・反米教育をしていたとする参加者の証言も明らかになった。
5月22日
2004年に、沈美子(2008年死亡)をはじめとする元慰安婦12人が「挺対協とナヌムの家が、元慰安婦6人を大金をかけて、中国から輸入して利用した」と主張した事実が明らかになった。
5月25日
元慰安婦の李容洙が2回目の記者会見を行った。正義連(旧挺対協)について「最初の会見の時に思いもよらなかったことがあまりにも多く出てきた」とし、尹美香次期国会議員を巡る不正疑惑については「検察が(捜査)することだと考える」と述べた。また、「1992年6月25日に(元慰安婦として)名乗り出た時に、尹氏が29日に集会があると言ったのである教会に行った。その日に日本のある先生が定年退職後に1000万円を(寄付して)くれたとしながら100万ウォン(現在のレートで約8万7000円)を配られた」とし、「それが何の金なのかは知らず、その時から挺対協が募金を集めるのを見た。なぜ募金を集めるのか分からなかった」と話した。さらに、挺身隊問題を扱う団体に何の権利があって元慰安婦を利用したのかと述べ、2回目の会見を開いたのはこのことを明らかにするためだったと説明。正義連が日本による謝罪と賠償を妨害したと批判した。
5月27日
正義連が2018年、6億3560万ウォン(約500万円)の寄付金を集めたが、元慰安婦の支援事業には約3%に当たる2240万ウォンしか使わなかったことが分かった。最大野党「未来統合党」の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)国会議員が行政安全部から提出を受けた正義連の寄付金募集・使用明細を明らかにした。
5月29日
尹美香が国会で記者会見を開き、「もっとはやく謝罪することができず申し訳ない」とした上で、「寄付金を募金しながらも元慰安婦らに伝達しなかった」「『憩いの場』を高く購入して安く売却した」「日韓合意を事前に知りながらも元慰安婦らに知らせなかった」など自身をめぐる疑惑をすべて否定した。娘の米国留学費用については、「留学資金はほとんどが夫(金三石。妹の金銀周とともに日本で北朝鮮の工作員と接触した容疑で1993年にスパイとして逮捕され、国家保安法違反で有罪が確定)の刑事補償金ならびに損害賠償金から充当された」とし、「それ以外の不足分は自分と家族の金から充当した」と述べた。また国会議員を辞退する考えがないことも明らかにした。尹には第21代国会の任期が始まる5月30日から「不逮捕特権」が与えられる。現職の国会議員は国会会期中、国会の同意がなければ逮捕・拘禁されない。
5月31日以降、北朝鮮の複数のメディアは正義連と尹を擁護、支持する主張を展開した。北朝鮮メディアの過剰な擁護は、尹や正義連の「親北疑惑」を裏付けることとなった。ちなみに尹や正義連の前身である挺対協はかつて、自分たちを「従北」と評した韓国の保守系ネットメディアを訴えたが、2020年2月に韓国最高裁で敗訴が確定している。
6月1日
「太平洋戦争犠牲者遺族会」が記者会見を開き、正義連への寄付金流用などの疑惑が取り沙汰されている尹美香を強く批判。議員を辞職し正義連を解散すべきだと主張した。また、正義連の前身である挺対協と尹氏が数十年間、元慰安婦中心の団体ではなく権力を振りかざす団体として規模を拡大したと批判した。会見に出席した梁順任会長は、元慰安婦たちが挺対協と尹氏を恐れていたとし、「政府はこれ以上、正義連に支援金を支給してはならない」と述べた。梁氏は会見前に聯合ニュースの取材に対し、「尹氏がうそをつかなければ見守ろうとしたが、うそをついたので記者会見を開くことにした」と説明。金銭に関する問題もあるとした上で、尹のような人が国会議員になってはならないと批判した。
6月6日
正義連がソウル市で運営する元慰安婦の生活支援施設「平和のわが家」の所長が、自宅で死亡しているのが発見された。自殺とみられる。第一発見者は尹美香の補佐を務める人物だった。疑惑の捜査を続ける検察当局は5月、正義連事務所とともに同施設も家宅捜索していた。
6月8日
文在寅大統領が尹美香と正義連の疑惑に初めて言及。「慰安婦運動の大義に傷を付けようとする試みは適切ではない」と述べたが、この問題の根源である尹の名前は口にしなかった。
6月24日
韓国の元慰安婦の支援団体がソウルの日本大使館前で28年間、毎週水曜日に行っている日本政府への抗議集会が、大使館前に設置された慰安婦像前から初めて場所を移して行われた。支援団体を批判する保守系市民団体「自由連帯」が先手を打ち、7月中旬まで慰安婦像前を集会場所とする警察の許可を得て支援団体の集会を阻止したため。
7月10日
9日に遺書を残して失踪していたソウル市の朴元淳市長の遺体が市内の山林で発見された。セクハラ被害を受けたという元秘書が8日に朴氏を告訴しており、これを苦にした自殺とみられる。朴氏は生前、人権派弁護士として知られ、慰安婦問題をめぐる日本大使館前での抗議集会にも参加。「女性の人権」を尊重する市長を標榜していた。
7月27日
韓国北東部の平昌にある「韓国自生植物園」がこの日までに、慰安婦像にひざまずき謝罪する安倍晋三首相を模し「永遠の贖罪」と題された像を園内に設置した。韓国メディアによると、像を作成した彫刻家は「日本がぬかずき、われわれがいいと言うまで贖罪して初めて許しが考えられるということを形にした。安倍首相が植民地支配や慰安婦問題への謝罪を避け逆の行動をしていることを刻み、反省を促す作品だ」と語った。同植物園のキム園長も「贖罪の対象を形にする必要があり、少女像(慰安婦像)と安倍首相で象徴させた」と説明した。ただ、像をめぐって韓国国内では賛否が分かれた。
翌28日、菅義偉官房長官は記者会見で、「事実関係は確認していない」としつつ、「国際儀礼上、許されない」と強い口調で非難した。その上で「仮に報道が事実であれば日韓関係に決定的な影響を与えることになる」とも語った。
なお、キム園長は29日、中央日報の電話取材に対し、「私は造形物が安倍首相だとただの一度も話したことはない」と述べているが、京郷新聞はじめ複数の韓国メディアが27日までに、この像は安倍首相であると名指しで報じていた。
8月11日
ソウル近郊の京畿道は、「ナヌムの家」で2015年から約5年間に集められた寄付金88億ウォン(約7億9千万円)の大半が、目的外に不正流用されていたとする調査結果を発表した。発表によると、施設に用いられたのは寄付金のわずか2.3%の約2億ウォン。その多くも元慰安婦のための直接経費ではなかったという。そのほかは施設を運営する「大韓仏教曹渓宗ナヌムの家」が法人口座で管理し、一般向けの療養施設や土地購入のために蓄えられていたとみられている。また、介護人が体の不自由な元慰安婦に心理的な虐待を加えたり、元慰安婦の絵や写真、寄せられた励ましの手紙がベランダに放置されたりしていたことも判明。「ナヌムの家」をめぐっては、職員から「寄付金が元慰安婦のために使われていない」との内部告発があり、官民合同で調査が行われていた。
8月12日
釜山の日本総領事館前に設置されている慰安婦像が、釜山市東区によって、この日までに事実上、設置が合法化された。釜山市議会は前年9月、市内の道路上に置かれた造形物の許可に関する条例の一部改正案を可決。これらを受け、市民団体が7月に道路占用許可を総領事館がある同区に申請。区は8月4日、申請を承認した。丸山浩平・駐釜山総領事は6日、区庁を訪れ、区による設置許可が外交公館の品位保護を義務付けたウィーン条約にそぐわない上、日韓関係を損なうと抗議。許可の取り消しを求めた。区は「適法な手続きによる承認」を理由に日本側の要求を拒否していた。慰安婦像は、2015年の日韓合意に反対する市民団体が、翌16年12月に設置し、以来、放置され誰も手が出せない状態が続いている。
8月13日
正義連の前理事長で与党「共に民主党」所属の国会議員の尹美香氏が、正義連の不正会計疑惑などについてソウル西部地検の取り調べを受けた。取り調べは13日午後から14日未明まで約14時間半に及んだ。尹氏の出頭は検察が5月に正義連の不正会計疑惑の捜査に着手して以降初めて。
8月14日
韓国の国定記念日「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」の3回目の式典が行われた。正義連や「ナヌムの家」による寄付金の不正流用疑惑などが続出する中での開催となったが、文在寅大統領は疑惑には直接言及せず、「問題解決のための運動の過程と結果、検証の全過程に開放性と透明性を持たせ、多様な市民が共に参与できることを望む」と述べるにとどまった。
9月14日
ソウル西部地検が、正義連の前理事長で与党「共に民主党」所属の国会議員の尹美香氏を、業務上横領や詐欺など6つの容疑で在宅起訴した(2021年4月現在で8つの容疑で起訴されている。補助金管理法違反、地方財政法違反、詐欺、寄付金品法違反、業務上横領、準詐欺、業務上背任、公衆衛生管理法違反)。また、正義連の理事も在宅起訴。翌15日、「共に民主党」は尹氏の党職を停止すると明らかにした。
10月8日
同年9月、ドイツの首都ベルリン中心部のミッテ区の公有地に韓国系市民団体が中心となって慰安婦像を設置した問題で、像が置かれた地区当局が、同団体に1年に限って出していた設置許可を取り消し、10月14日までに撤去するよう求めたと発表した。茂木敏充外相は最近、ドイツのマース外相との電話会談で像の撤去を要請していた。問題となっている像は現地の韓国系市民団体が中心となって設置し、正義連が製作費などを支援した。ドイツ国内に設置された慰安婦像は3体目で、今回初めて公共の場に設置された。
10月13日
ベルリン市ミッテ区は13日、区内の公有地に設置され、いったん撤去を求めた慰安婦像について、設置を「当面認める」と発表した。韓国系市民団体が撤去決定の効力停止をベルリンの裁判所に申請したことを受け、14日までとしていた撤去期限を前に、新たに判断した。今後、日韓双方が折り合える妥協案を探りたいとしている。これに先立ち、シュレーダー前ドイツ首相夫妻(妻が韓国系)が撤去指示に協議し、ドイツ当局に決定を撤回するよう要請する手紙を送っていたことも判明している。
10月19日
台北市にある台湾唯一の慰安婦記念館「アマ(おばあちゃん)の家」が11月10日に閉館することが、この日までに判明。運営団体関係者が明らかにした。台湾社会での慰安婦問題への関心低下や新型コロナウイルス流行の影響などで来館者が激減し、運営難に陥ったのが理由。慰安婦記念館は中国国民党の馬英九前政権時代(2008年〜16年)に立案・準備され、16年末に開館。同年3月の除幕式には当時の馬総統も出席した。台北市を拠点とする人権団体「婦女救援基金会」が運営し、台湾で確認された日本統治時代の元慰安婦約60人の人生を紹介し、元慰安婦らが作った手芸品なども展示。日本政府に謝罪と賠償を求めるイベントも主催してきた。国民党は日本に厳しい姿勢をとることで知られるが、冷ややかな反応を示す台湾の市民は少なくない。なぜなら国民党は一党独裁時代、金門島などの離島に駐屯する兵士らのために「軍中楽園」と称する娼館を設置し、李登輝時代の1990年に廃止されるまで約40年も営業し続けた。その問題を無視し、「日本統治時代の慰安婦だけを問題視することはおかしい」(民進党関係者)との声が上がっている。
11月2日
名古屋市の河村たかし市長はこの日の記者会見で、ドイツ・ベルリン市ミッテ区の公有地に設置されている慰安婦の被害を象徴する少女像に抗議し、撤去を求める文書を同区の区長に送付する意向を示した。
外務省もこの問題を受け、女性を「性奴隷」にした事実はないなどとする慰安婦問題の見解をドイツ語に訳し、この日までにホームページに掲載した。旧日本軍が被害女性を「強制連行」したとの指摘についても、日本政府が確認した関連資料の中に見当たらないとして反論した。英語版は以前から掲載している。
11月11日
ソウル西部地方裁判所所属のイ部長判事が急死。最近では尹美香事件を担当していた。尹議員の初公判は同月30日に開かれる予定だった。
11月18日
元朝日新聞記者の植村隆氏が従軍慰安婦について書いた記事を「捏造」とされ名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と出版社3社に謝罪広告の掲載と損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は植村氏の上告を退ける決定をした。請求を棄却した1、2審判決が確定した。
11月18日
ドイツ・ベルリン市ミッテ区の公有地に韓国系市民団体などが設置した慰安婦像をめぐり、自民党有志議員が同区が示した像の撤去方針を支持する声明文を、同日付でミッテ区長と区議会議長にメールで送った。稲田朋美元防衛相や高鳥修一衆院議員、青山繁晴参院議員らが呼びかけ、82人の国会議員が賛同した。声明では、ミッテ区の慰安婦像を「芸術作品または戦時性暴力被害者一般に対する表現ではなく、日本のみを標的とし、日本の尊厳を一方的に傷つけている」と指摘。「ミッテ区が一方的な政治的支持を示す印象を与え、日独間の友好関係に悪影響を及ぼす恐れがある」と訴えた。
11月30日
正義連の前理事長で国会議員の尹美香被告に対する事実上の初公判である公判準備手続きが、ソウル西部地裁で行われた。尹被告側は起訴事実を全面的に否認した。被告人の出席義務はなく、尹被告は欠席した。
12月1日
韓国の聯合ニュースなどによると、ドイツの首都ベルリン市ミッテ区の公有地に韓国系団体が9月末に設置した慰安婦像について、同区議会はこの日、永続的な設置に向けた方策を見いだすよう区側に求める決議案を賛成多数で採択した。これを受け、一時は設置許可を取り消した区側が永続的な設置を認める可能性もある。決議文は「像が戦時中の性暴力に関する議論の契機となる」などとし、1年間限定で許可した像の設置が継続されるように、区側に対応を要請した。決議文には「河野談話」も引用された。
12月13日
正義連の前理事長で国会議員の尹美香が、元慰安婦の誕生祝いと称してマスクをせずにワインパーティーを開き、「(元慰安婦の)吉元玉さんの誕生日をお祝いし、健康を祈願」などとする文章とともに、知人5人と撮った写真をSNSで公開したところ、韓国国民から批判が殺到。尹氏は急いで写真を削除した。韓国ではこの日新型コロナ感染者が過去最多となっていたこともさることながら、吉氏が問題のパーティーには参加していなかったことが、より世論の非難を強める形となった。
16日、尹氏が所属する与党「共に民主党」は、尹氏に対し、「厳重に警告することを決めた」とする首席報道官の声明を出した。
12月18日
2021年度から使用される中学校歴史教科書の一部で、2004年度(平成16年度)検定以降は使われていなかった「従軍慰安婦」の記述があることについて、「新しい歴史教科書をつくる会」(高池勝彦会長)などが、「検定基準に違反する」として、出版社側に記述削除を勧告するよう求める要望書を萩生田光一文部科学相あてに提出した。記述があるのは、文科省の検定に合格した山川出版の歴史教科書。要望書を提出した同会と「慰安婦の真実国民運動」(加瀬英明代表)は、記述の問題点について、軍属として勤務した慰安婦は確認されておらず、「従軍」の用語を使うのは不適切であり、「(裏付けのない)強制連行というイメージと深く結びついて使われるようになった言葉」としている。さらに、文科省の検定基準は、教科書の記述内容を「閣議決定などで示された政府の統一的な見解」か、「最高裁の判例」に基づくことを求めていると指摘した。これまで政府は「(調査で)強制連行を直接指示するような記述も見当たらなかった」などとする見解を示してきた。
<2021年>
1月8日
韓国の元慰安婦ら12人が日本政府を相手取り2013年に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は原告側の請求を認め、日本政府に対し原告1人当たりに1億ウォン(約950万円)の賠償支払いを命じる判決を言い渡した。日本政府を相手取った元慰安婦らによる訴訟としては今回が初の判決。日本政府は、他国の裁判権に国家は服さないという国際法上の「主権免除」の原則に基づき、訴えの却下が相当として、これまで審理に出席していない。韓国の司法府は今回、この原則を適用しなかった形。原告勝訴となったことで、日本政府が控訴しなければ、判決は今回の1審で確定する可能性が高くなった。韓国国内の日本政府の資産が差し押さえの対象となることもあり得る。いわゆる徴用工訴訟で韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた判決を受け、韓国では日本企業の資産現金化に向けた手続きが進められている。ただ、今回の訴訟は、訴えの対象が民間企業ではなく、日本政府であることで判決は注目された。主権免除の原則を無視した形で、日本の主権も尊重されず、国家への強制執行が現実味を増したことで、日韓関係はさらに悪化の勢いに歯止めがかからなくなった。
同日、外務省の秋葉剛男事務次官は、南官杓駐日大使を同省に呼び、抗議した。
9日、茂木敏充外相は、韓国の康京和外相に電話で直接抗議した。
11日、韓国のソウル中央地裁は、日本政府に元慰安婦の女性への賠償を命じた判決が、日本政府が方針通り控訴しない場合、23日午前0時(日本時間同)に確定することを明らかにした。
同日、文在寅大統領が「新年の辞」を発表したが、この訴訟の判決については触れず、日本との関係に関しては、「未来志向的な発展のためにも引き続き努力していく」との従来の姿勢を示すにとどまった。
1月11日
同月8日に判決が出た元慰安婦らの損害賠償訴訟とは別の、2016年に李容洙氏ら20人が日本政府に総額30億ウォン(約2億8千万円)の賠償を求めていた訴訟について、ソウル中央地裁は、予定していた同月13日の判決日程を取り消し、3月24日に弁論を再開すると決めた。地裁は変更の理由を公表していない。
1月18日
文在寅大統領が年頭の記者会見で、日韓関係悪化の原因となっている慰安婦問題や、いわゆる徴用工問題について言及。「韓日間には解かねばならない懸案があり、外交的に解決しようと両国はさまざまな協議をしている。そんな中、(8日のソウル中央地裁の)慰安婦判決が出た。率直に言って、少し困惑しているのが事実だ」と述べた上で、「過去の歴史は過去の歴史として、韓日関係は未来志向的に発展していかねばならない。すべての問題を結び付けては、ほかの分野の協力にも影響が及ぶ」と指摘。2015年の合意について「韓国政府は両国間の公式的な合意である事実は認める」とし、合意を土台として問題を解決していくべきだとの考えを示した。また、いわゆる元徴用工の問題についても「(慰安婦問題と)同じだ」とし、日本企業に賠償を命じた韓国最高裁の判決に従って進められている日本企業の韓国国内資産の売却手続きについて「強制執行の形での(資産の)現金化は韓日関係において望ましくない。そうなる前に両国が解決策を見いだすべきだ」と語った。ただ、「原告(元徴用工ら)が同意できるものでなければならない。原告を最大限、説得するかたちで問題を解決できると信じている」とし、“被害者中心主義”での解決の重要性を訴えた。
1月22日
「ナヌムの家」の寄付金不正流用事件で、水原地検城南支庁は、施設の安信権前所長と前事務局長の2人を詐欺の罪で在宅起訴したことを発表した。
1月23日
韓国のソウル中央地裁が日本政府に対し元慰安婦の女性らへの賠償を命じた判決が午前0時に確定した。日本政府は、国家は他国の裁判権に服さないという国際法上の「主権免除」の原則に基づき、訴えの却下が相当だとして公判に出席しなかったが、地裁は日本側が判決文を受け取ったとみなす「公示送達」の手続きをとった。判決確定を受け、原告側は強制執行手続きに着手し韓国国内の日本政府の資産を差し押さえることが可能となった。ただ、大使館などの公館は国際法上、差し押さえができない。強制執行手続きを進める場合にも、相当の時間を要することが予想される。
茂木敏充外相は同日、談話を発表し、「極めて遺憾であり、断じて受け入れることはできない」と改めて判決を批判した。茂木氏は談話で、「国際法上、国家は主権を有し、互いに対等な存在であることから、外国の裁判権に服することはない」と強調。請求権問題は昭和40(1965)年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決」されており、判決は「国際法および日韓両国間の合意に明らかに反する」とした。その上で、韓国政府に対し、「国家として自らの責任で直ちに国際法違反の状態を是正するために適切な措置を講ずることを改めて強く求める」と要求した。
1月下旬
米ハーバード大のJ・マーク・ラムザイヤー教授が、慰安婦が当時政府規制下で認められていた国内売春婦の延長線上の存在であることを理論的実証的に示した学術論文が、3月刊行予定の「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス」誌65巻に掲載されることが分かった(先駆けて、雑誌ホームページですでに閲覧可能となった。こちらをクリック)。本論文では、他の研究者の業績や当時の日本・朝鮮の史料に基づき、朝鮮人慰安婦も日本人慰安婦も公認の売春婦であり、日本軍に拉致され売春を強いられた「性奴隷」ではないこと、慰安婦をめぐる問題点は朝鮮における募集業者にあったことが指摘されている。米国の高名な会社法学者であるとともに、日本研究の大家でもあるラムザイヤー教授が、他の専門研究者の査読を経た学術論文で、「慰安婦=性奴隷」説に異を唱える議論を展開した意義は大きい。ただ、ラムザイヤー教授は韓国側から激しい攻撃にさらされることとなった。ハーバード大の韓国人留学生が非難と抗議の声を上げ、ニューヨークなど各地の在米韓国人団体や親韓学者などが呼応し、論文の撤回や教授の辞職を要求しデモまで行われた。
1月29日
加藤勝信官房長官は記者会見で、4月から使われる中学校歴史教科書に「従軍慰安婦」という記述があることについて、文部科学省の教科書検定の基準に沿ったものだとの認識を示した。
2月1日
外務省がこの月から、慰安婦問題に関する「強制連行」や「性奴隷」といった事実と異なる主張に反論する同省ホームページの記述を拡充した。記述を拡充したのは「歴史問題Q&A」のページ。従来は「強制連行」や「性奴隷」といった史実に基づかない主張があることを簡潔に紹介していたが、2月1日からは各用語を取り上げ、問題点を詳述するよう変更した。同様の記述は同省HPの「慰安婦問題についてのわが国の取組」にもあるが、より多くの閲覧者に認知されるよう「Q&A」にも掲載した。反論の拡充は自民党外交部会も求めていた。
2月8日
加藤勝信官房長官が衆院予算委員会で、慰安婦をめぐる表現について「近年、政府は『慰安婦』という用語を用いており、『従軍慰安婦』は用いていない」と述べた。日本維新の会の藤田文武氏の質問に答えた。
2月23日
韓国の崔鍾文第2外務次官が国連人権理事会でビデオ演説し、慰安婦問題について「普遍的な人権問題として取り組まなければならない。紛争下でのこうした深刻な人権侵害の再発は防がなければならない」と訴えた。韓国は前年まで3年連続で康京和外相がジュネーブの人権理会場で演説し、慰安婦問題に触れてきた。ただ今回はオンライン形式にもかかわらず外相は登場しなかった。
加藤勝信官房長官は25日の記者会見で、日本政府がこれに対して反論したことを明らかにした。人権理で「答弁権」を2回行使し、日本政府の立場を述べたと説明した。(1)平成27年の日韓合意に照らして韓国側の主張は受け入れられない(2)日本政府は合意に基づいて韓国の財団に10億円の支出を行うと約束し、全て誠実に実施した(3)日本政府に元慰安婦らへの賠償を命じた韓国地裁判決は国際法違反で是正措置を求めている−ことなどを挙げたという。
2月23日
同年4月から使われる中学校歴史教科書で久々に登場する「従軍慰安婦」の記述をめぐり、「新しい歴史教科書をつくる会」などが教科書会社に記述削除を勧告するよう文部科学省に求めている問題で、同省が改めて「勧告することは考えていない」と同会に回答したことがこの日、分かった。同省は回答で、当該箇所の記述内容が強制連行を否定した政府見解に反したものではなく、「検定意見を付す必要はないと教科書検定調査審議会で判断された」と説明した。
今回の問題をめぐっては、同会などが2020年12月に萩生田光一文科相あてに削除勧告を要請。2021年1月に同省教科書課名で「審議会の学術的・専門的な審議の結果、検定意見は付されなかったので、記述の訂正を勧告することは考えていない」と回答があったが、同会などは再要請していた。
3月9日
米東部ペンシルベニア州フィラデルフィア市で、韓国系団体が、慰安婦像を設置した公園の造成を計画していることが分かった。韓国メディアによると、市当局は建設計画を承認しており、韓国系団体は2021年末の着工を目指している。同市議会は同月、慰安婦が公的に認められた売春婦であることを事実上示した米ハーバード大のラムザイヤー教授の学術論文について「無礼な歴史の書き換え」と指摘する反論決議を採択していた。
3月11日
「慰安婦記事を捏造した」などと指摘する記事や論文で名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆氏が、文芸春秋と麗澤大学の西岡力客員教授に損害賠償と謝罪記事の掲載などを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は植村氏の上告を退ける決定をした。植村氏の請求を棄却した1、2審判決が確定した。
3月30日
文部科学省は、令和4年度から高校で使用される教科書(主に1年生用)の検定結果を公表した。世界史と日本史を統合した必修科目「歴史総合」では、大半が「慰安婦」を取り上げるなど一部で自虐的な傾向が強まった。
4月20日
国のソウル中央地裁が同年1月、元慰安婦への賠償支払いを日本政府に命じた確定判決について、同地裁の別の裁判官らが判決内容の一部を職権で事実上変更し、訴訟費用の確保に向けた日本政府資産の差し押さえを認めない決定を出したと、韓国紙の中央日報(電子版)が報じた。決定は、差し押さえが「国際法違反になりうる」との判断を示した。決定は判断の根拠として、2015年の日韓合意に加え、両国民の請求権について「完全かつ最終的な解決」を確認した1965年の日韓請求権協定に言及。いわゆる徴用工問題をめぐる資産差し押さえに関しても、今後の司法判断に影響を与える可能性がある。
4月21日
元慰安婦や遺族ら計20人が日本政府を相手取り損害賠償の支払いを求めた訴訟で、ソウル中央地裁は、原告側の訴えを却下する判決を言い渡した。慰安婦問題をめぐっては、1月に判決が確定した同種訴訟で日本政府の賠償責任が認められており、裁判官によって判断が分かれるねじれが生じる形となった(判決要旨はこちら)。
この日の判決に先立ち、同地裁のまた別の裁判官らが1月の確定判決についても内容の一部を職権で事実上変更し、訴訟費用の確保に向けた日本政府資産の差し押さえを認めない決定を出したことが20日、明らかになっていた。
4月21日
国連教育科学文化機関(ユネスコ)執行委員会は、全体会議で「世界の記憶」の新制度を承認した。加盟国が「政治利用」とみる申請案件の登録を阻止できるようになる。2015年に始まった制度改革は日韓の対立で難航し、日本の主張に沿った形で決着した。「日本有利」の流れを決めたのは中国やロシアの支持だった。中国をめぐっては、人権団体が天安門事件資料の登録を目指す運動を展開しており、これに対する懸念が一因とみられる。今回の制度改革が承認されたことで、韓国側から慰安婦関連資料が再申請されても、日本が異議を唱えるのは確実で、登録の見込みはなくなった。
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※参考サイト
・Wikipedia>慰安婦の年表
・国民が知らない反日の実態>従軍慰安婦問題の年表
・産経新聞2014年10月19日朝刊大阪版>現代史家・秦郁彦氏に聞く 慰安婦問題 政府どう取り組むべきか(慰安婦問題めぐる経緯(表))
・週刊文春臨時増刊 「慰安婦」捏造と「朝日新聞」 2014年 10/3号
・どうして日本はこうなった!(2014/1/16)
・韓国政府、慰安婦募集広告ページを消去(enjoy Korea 2007/03/05)
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※拙ブログ関連エントリー(慰安婦問題(厳選))
・(旧ブログ)06/3/4付:朝日はいつまで「元慰安婦」を利用するの?(李玉善氏と金君子氏の証言の変遷)
・(旧ブログ)06/3/19付:米連邦最高裁判所が「慰安婦」にNO!
・07/2/22付:「報道2001」慰安婦問題ホンダ議員生出演
・07/3/17付:【資料】慰安婦問題おさらい10問10答
・07/3/19付:「たかじん」慰安婦問題(全文テキスト)
・07/3/27付:「WiLL」慰安婦問題特集
・07/4/9付:元慰安婦「李容洙」証言の矛盾
・07/6/30付:慰安婦問題「寝た子を起こすな」でいいの?
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・13/12/21付:続・韓国軍によるベトナム民間人虐殺問題「SAPIO」13年1月号(ライダイハン)
・14/1/28付:「アンカー」有本香さんがNHK会長を慰安婦問題で質問攻めにした朝日新聞を批判
・14/2/1付:ミヤネ屋で籾井会長の慰安婦発言を批判した元NHK職員の正体…Tweetまとめ14.01.16〜14.01.31
・14/2/3付:韓国「慰安婦漫画」仏の国際漫画祭で日本側が冷遇された本当の理由?
・14/2/14付:NHKワールドの慰安婦解説が河野談話より酷い件
・14/2/18付:売春大国韓国<反日慰安婦プロパガンダ の欺瞞
・14/2/21付:【署名】河野談話見直しを求める国民運動署名【拡散】
・14/4/26付:NHK 時論公論「在米韓国ロビーと慰安婦問題」日系の苦悩を完全スルー!出石直氏の偏向解説アーカイブ
・14/2/27付:「アンカー」なぜ中韓はいま日本叩きか&河野談話めぐる石原証言の意味と自民が河野洋平を国会に呼びたくない理由
・14/3/29付:河野談話見直し署名、締切までわずか!
・14/6/2付:慰安婦問題で火付け役を自負する高橋喜久江…Tweetまとめ14.05.16〜14.05.31
・14/6/21付:河野談話作成過程の検証結果が出た!談話の“無力化”に向け一歩前進です
・14/6/26付:「アンカー」河野談話検証報告書から見える慰安婦問題の真実 『見直さない』の真意は? 抜け落ちた『慰安婦は身売り』 独立記念館は捏造だらけ
・14/7/1付:米軍慰安婦訴訟は日本にとって吉か凶か…Tweetまとめ14.06.16〜14.06.30
・14/7/7付:慰安婦強制連行の虚構と元朝日記者の耳を疑う弁解「間違いに気づいていたが…」
・14/7/12付:欧米で理解されない慰安婦強制連行の虚構…JAPAN EXPOに今年も韓国ブース…民間有志が国連へ!
・14/8/2付:戸塚悦朗は「慰安婦=性奴隷」の生みの親…Tweetまとめ14.07.15〜14.07.31
※拙ブログ関連エントリー(朝日慰安婦検証報道以降)
・14/8/5付:朝日新聞が慰安婦報道で長〜い言い訳。国際問題化させてしまった責任をまるで感じていない。
・14/8/7付:「アンカー」朝日慰安婦報道を徹底批判&安倍政権8つの課題&舛添知事の狙いは五輪の日中韓共催?&韓国の恥ずかしい像
・14/8/9付:「ミヤネ屋」朝日慰安婦検証報道 西岡力さん徹底解説!朝日は記事を英文サイトに載せろ!&植村報道の2カ月後に“挺身隊”と“慰安婦”の混同を把握
・14/8/16付:朝日新聞の逃亡を許すな!慰安婦検証報道その後…Tweetまとめ14.08.01〜14.08.15
・14/8/18付:朝日の「吉田調書」虚報を産経が指摘!門田隆将氏「慰安婦報道と全く同じ図式」
・14/8/23付:朝日の英語版慰安婦検証記事は人目につかない場所に埋めてある
・14/9/11付:朝日が会見で吉田調書と慰安婦の虚報を謝罪(但し国民には謝ってない)&「報ステ」朝日慰安婦検証特集
・14/9/13付:「ミヤネ屋」門田隆将さん西岡力さんが出演!朝日の吉田調書&慰安婦虚報を批判
・14/9/16付:朝日は在米日本人の人権はどうでもいいらしい…Tweetまとめ14.09.01〜14.09.15
・14/9/18付:「アンカー」朝日新聞“誤報”と“謝罪”の真相&スコットランド独立なら世界が変わる国連も変わる!?
・14/9/26付:「朝生」朝日と慰安婦問題…青木理がズレまくり
・14/10/4付:植村よ義母の“復帰”に何思う?Tweetまとめ14.09.15〜14.09.30
・14/10/6付:西野瑠美子「慰安婦の強制連行があったことは否定できない」
・14/10/17付:クマラスワミ報告撤回要請は大事な戦いの始まり!「ザ・ボイス」より
・14/11/3付:『性奴隷』論を完全論破!今後の日本の戦い方は? 「ひと目でわかる『慰安婦問題』の真実」より
・14/11/8付:日本側当事者の証言から見る慰安婦問題 「正論」12月号より
・14/11/24付:下村満子さん、慰安婦問題を複雑にしている挺対協の暴露会見をお願いします。
・14/12/6付:新社長になっても「反日ありき」が続く限り朝日は変わらない!
・15/1/5付:「逃げたとは書いていない」「強制連行とは書いていない」朝日知識人の騙しの論理!「WiLL」2月号より
・15/1/10付:植村隆元朝日記者が文春と西岡力氏を提訴!茶番の外国特派員協会記者会見と提訴報告集会
・15/1/13付:日豪分断が目的の慰安婦像建立を「地域融和」を訴えて阻止
・15/1/31付:朝日慰安婦訂正「先送り」を金融機関の失敗と同列に扱う池上彰氏
・15/2/7付:朝日OB若宮啓文vs櫻井よしこ 朝日慰安婦誤報問題「プライムニュース」より
・15/2/17付:ドイツの何を見習えというのか? ナチス治下の慰安婦の実態とワイツゼッカーの本音
・15/2/21付:“売春婦”を削除せよ!朴裕河教授の慰安婦本が韓国で事実上の出版禁止に…日本のサヨクは彼女を救わないのか?
・15/2/28付:韓国がパラオに建てた反日記念碑と日本パラオ友好橋
・15/3/21付:奇跡のツーショット?! 慰安婦問題(米教科書事実誤認問題)で秦郁彦氏と元アジア女性基金理事が会見
・15/4/24付:「慰安婦の補償を日本に求めない。自分で解決する」と言った韓国のプライドはどこへ?
・15/5/4付:ハーバード大のチェ君とチェさん…Tweetまとめ15.04.16〜15.04.30
・15/5/8付:韓国メディアの歪曲に日米歴史家が困惑
・15/5/11付:植村隆LA講演テキスト…在米日本人「朝日慰安婦記事取り消しも日本の保守の声も米国では全く知られていない」
・15/6/15付:アメリカ人はなぜ捏造史を信じるのか?ヨン氏の慰安婦問題分析 (付:谷山雄二朗さんのこと)
・15/6/22付:唐突に慰安婦を登場させるヒストリーチャンネル
・15/12/25付:慰安婦問題で日韓外相会談へ…挺対協を封じられるのか?
・15/12/27付:なぜ朝日は慰安婦虚報を続けたのか?「崩壊−朝日新聞」より
※拙ブログ関連エントリー(日韓合意以降)
・15/12/28付:【速報】慰安婦問題妥結、日韓外相共同記者会見
・16/1/4付:日韓合意で韓国以外の国はどう動く?
・16/2/13付:秦氏×阿比留氏 日韓合意対談&国連で日本政府がようやく“強制連行”反論へ!
・16/2/17付:政府が国連委で慰安婦“強制連行”初反論「朝日新聞が“捏造”を報道」
・16/2/19付:稲田朋美×青山繁晴 慰安婦問題めぐる討論 「ザ・ボイス」より
・16/2/24付:青山繁晴「国連での慰安婦反論は記録に残らない!背景に中韓側との談合!?」 “インサイト・コラム”より
・16/3/7付:「日の丸を見たら胸が悪くなる」国連に“性奴隷”を持ち込んだ戸塚悦朗とは? 本岡昭次インタビュー
・16/3/14付:なぜ元慰安婦は核心部分で“間違う”のか?
・16/7/28付:安倍総理は偽少女像が撤去されると思ったことはない!? 青山繁晴「虎ノ門ニュース」
・16/9/1付:日韓スワップ協定“反対”は過激じゃない・慰安婦10億円拠出の深層・自民部会メタハイ続報 青山繁晴「虎ノ門ニュース」
・16/12/22付:続・日本側当事者の証言から見る慰安婦問題
・17/1/6付:釜山の慰安婦像設置に日本政府が対抗措置発表!
・17/6/8付:吉田清治とは何者か?長男の告白と決断 「父の謝罪碑を撤去します」
・17/6/30付:【緊急拡散】奥茂治さんを支援しよう【吉田清治謝罪碑『書き換え』】
・17/7/6付:辻元清美が反日活動を支援(挺対協と連携する日本の『希望のたね基金』について)
・17/11/8付:韓国がトランプ大統領晩餐会で「元慰安婦」「竹島エビ」
・17/11/17付:サ市慰安婦像公共物化で姉妹都市解消へ!吉村大阪市長を応援しよう
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<2016年>
1月1日
朴槿恵大統領が閣僚との会合で、日韓合意を「外交成果」の第1位として挙げた。その上で、「経済の活性化につながり、国民が大きな恵みを得ることが重要だ」と述べ、日韓関係改善による経済効果に期待を寄せた。
台湾の馬英九総統は新年談話で、慰安婦問題について「20年以上引き延ばされてきた論争だ」として、解決を急ぐべきだと述べた。
北朝鮮の報道官は、日韓合意は「政治的取引の産物であり絶対に容認できない」として、批判する声明を発表した。
1月5日
朴槿恵大統領が、慰安婦問題に関する日本との合意を「過去の政権が手を付けられなかった難題」の一つに挙げ、その解決に全力を挙げてきたと強調し成果を自賛する発言を閣議で行った。
韓国の外務省報道官が、慰安婦問題を国内外に周知させるため、同国政府が発刊準備を進めている「慰安婦白書」について、「韓日合意とは無関係だ」と指摘、「予定通り発刊されると理解している」と述べた。これについて菅義偉官房長官は同日の会見で、お互いが最終的、不可逆的という形で確認しあった。韓国政府は適切に対応していくだろう」と韓国側の動きを牽制した。
また、韓国の最大野党「共に民主党」の李鍾杰院内代表らがソウルの韓国外務省を訪れ、尹炳世外相に交渉のやり直しを求め、日本政府が拠出する10億円を「絶対に受け取ったり使ったりしてはならない」と要求した。外相は「交渉のやり直しは考えていない」と拒否したという。野党は4月の総選挙で日韓合意の賛否を焦点にする構えを強めている。
また、中国外務省の華春瑩報道官が定例記者会見で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に慰安婦問題関連資料の登録を申請する動きに韓国が加わらないとの認識が日本で出ていることについて、「事実無根」と否定。韓国側と共同歩調を取りたい考えをにじませた。世界記憶遺産の登録申請については、韓国側も12月29日に外務省報道官が記者会見で、日本側の認識を「事実無根」だと否定している。
1月11日
慰安婦問題を扱った書籍「帝国の慰安婦」をめぐり在宅起訴された著者の朴裕河・韓国世宗大教授が、ワシントンのシンクタンクが開いた日韓関係に関するシンポジウムで同問題に関し、「政府の声を唯一の声とせず、ナショナリズムを人々の利益に優先させないことが重要だ」と述べ、学術的立場からの冷静な議論を呼びかけた。
1月13日
慰安婦問題の学術書「帝国の慰安婦」で名誉を毀損されたとして、元慰安婦の女性らが著者の朴裕河世宗大教授に計2億7千万ウォン(約2650万円)の損害賠償を求めた訴訟で、ソウル東部地裁は、一部表現が元慰安婦らの名誉を傷つけたと認め、朴氏に計9千万ウォンの支払いを命じる判決を言い渡した。
1月14日
挺対協が日韓合意反対の財団を創設すると発表。
1月20日
朴裕河世宗大教授の初公判が、ソウル東部地裁で開かれた。公判で検察側は、朴氏の著書の中で慰安婦に関して「『自発的な売春』や『日本軍と同志的関係にもあった』などとの虚偽の事実の記述があり、元慰安婦らの名誉を毀損した」と起訴理由を述べた。これに対し、朴氏の弁護人は「(同書に)虚偽の事実はなく、元慰安婦の女性らの名誉を傷つける意図もなかった」として、起訴事実を否認して争う構えを示した。
1月26日
元慰安婦の李玉善と姜日出が東京の衆議院会館で記者会見し、日韓合意について「被害者の意見も聞かずに妥結した」と批判し、改めて合意への反対を訴えた。
2月15日
朴裕河教授の給料が、差し押さえられたことが分かった。この日、本人が大学側から伝えられて知った。この月から賠償金の支払いが終了するまで、給料の一部が差し押さえられることとなった。朴教授は産経新聞の取材に対し、「全く予想していなかった」と述べ、何らかの圧力がかけられている状況を説明した。
2月16日
ジュネーブの国連女子差別撤廃委員会で日本政府がようやく「慰安婦は強制連行でない」と反論。前年7月、杉田水脈前衆院議員らが同委員会の準備会合で強制連行説には根拠がないと訴えたことをきっかけに、同委員会が同年8月に日本政府に問い合わせをしたことで、反論(回答)の機会に恵まれることとなった。つまりこれは外務省がそれまで何も発信してこなかったことの裏返しでもある。
日本政府はこの日までに、委員会側に回答を書面で送っていた。委員会はその回答を1月30日までにHPで公表。それによれば、回答は冒頭、昨年末に「日韓両政府は慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した」と説明した上で、日本政府は「1990年代初頭以降、慰安婦問題が日韓間における政治問題として取り上げられた際、事実関係に関する本格的な調査を行った」として、関係省庁の関連文書、米国国立公文書館での文献、関係者への聞き取り調査などを行ったが、強制連行は「確認できなかった」と説明した。
そして2月16日当日、女子差別撤廃委員会の対日審査で、政府代表の外務省の杉山晋輔外務審議官は、まず昨年末の日韓外相会談で、慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決することで合意したことを説明。その上で、強制連行が流布された原因は吉田清治氏が執筆した本で「吉田氏自らが日本軍の命令で韓国の済州島において大勢の女性狩りをしたという事実を捏造して、発表したため」と指摘した。吉田氏の本の内容が「朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、日本韓国の世論のみならず国際社会にも大きな影響を与えた」とも述べ、内容は「複数の研究者により完全に想像の産物であったことがすでに証明されている」と明言した。また、朝日新聞が2014年(平成26年)に「事実関係の誤りを認め、正式に謝罪した」と説明した。「慰安婦20万人」についても、杉山氏は「具体的な裏付けがない数字」として、朝日新聞が謝罪した際に労働力として動員された女子挺身隊と慰安婦を混同したことを認めている点も説明した。「性奴隷」との表現についても「事実に反する」と強調した。
中国系の委員らからは「歴史的事実を変えたり、否定することはできない」などといった大きな反発が起きたが、杉山氏は「非常に残念なことにいずれの点においても日本政府として受け入れられるものではないだけではなく、事実に反することを発言されたと残念ながら申し上げざるを得ない」と反論した。
但し、杉山外務審議官のこれらの説明は口頭によるものだったため、国連の正式な記録(文書)には残されていない。外務省のサイトには掲載されている。
2月18日
16日に日本政府が国連女子差別撤廃委員会の対日審査で、慰安婦の強制連行説が広まったのは朝日新聞の報道が大きな影響を与えたなどと説明した件について、朝日新聞社は外務省に対し、根拠を示さない発言で遺憾であると文書で申し入れた。この文書で朝日新聞社は、朝日の慰安婦報道を検証した第三者委員会の委員から「(日本軍が暴力的に強制連行したという)イメージの形成に大きな影響を及ぼした証拠も決定的ではない」といった見解が述べられている、と強調した。また、杉山氏は「慰安婦20万人」に関しても、朝日新聞が女子挺身隊を「混同したことにあると自ら認めている」と語ったが、これに対して、申入れ書では「弊紙は20万人という数字について、女子挺身隊と慰安婦の混同がもとになったとは報じておりません」と反論した。
しかし朝日新聞の第三者委による検証は、当初から追及が甘いと指摘されていた。これに飽き足りない独立検証委員会が2015年2月に出した報告書は、朝日新聞が慰安婦強制連行説を盛んに喧伝した1991年から92年1月以前は、米主要3紙は「慰安婦問題をほぼ無視し、取り上げていなかった」と明らかにしている。同委員会の副委員長で東京基督教大教授の西岡力氏は「吉田清治を世に出したのは朝日新聞だ。朝日は第三者委員会で見解が分かれたというが、それは委員会の中でも影響があると認めた人がいたということではないか」と指摘し、朝日の姿勢をこう批判した。「朝日は外務省に申し入れたことで初めて自社の責任に言及した杉山発言を報じた。ファクト(事実)を報じる新聞の役割を果たしていない。(誤報を)本当に反省しているのなら、自ら国際社会に発信すべきではないか」。
2月24日
チョ・ジョンレ監督による慰安婦プロパガンダ映画『鬼郷』が韓国で封切られた。公開5日目には観客動員数100万人を記録した。映画はわざわざ「元慰安婦たちの証言による事実にもとづく」と銘打っているが、ストーリーは荒唐無稽。「日本兵による少女たちに対する殴る蹴る引き裂く…の残虐な暴行、拷問場面の連続は正視に耐えず、客席からは悲鳴が上がるほど」と産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏は指摘している。ちなみに、2月4日の試写会記者懇談会で、監督は映画を作った動機を、「ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)映画のように、文化的証拠の役割にしようという心から出発した」とし、「証拠がないという言葉に腹が立った」と述べている。
3月1日
韓国野党第一党の「共に民主党」の金鍾仁非常対策委員会代表が元慰安婦たちと面会し、「ひとまず国家間で交渉を行ったので、その結果を現時点で白紙化は困難だ」と述べた。日韓合意を批判し、再交渉を求めてきた「共に民主党」のこれまでの方針とは異なる発言。
3月2日
スイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会で、韓国の尹炳世外相が演説を行ったが、慰安婦問題について言及しなかった。日韓合意後、国際舞台で初めて行う演説であり、韓国内では演説で慰安婦問題自体を取り上げないとの見方はほとんどなく、国際社会に合意内容を説明し、日本側の誠実な履行を求めるとの予想が多かった。
3月7日
国連女子差別撤廃委員会が、慰安婦問題を含む日本に関する最終見解を発表した。この中で、慰安婦募集の「強制性」に言及せず、「性奴隷」の表現も使用しなかった。しかし、慰安婦に関して発言する日本の政治家が増えているとして、「指導者や政治家」が元慰安婦を傷つけるような発言をしないよう勧告。また、昨年末の日韓両政府の合意を「被害者を中心に据えたアプローチを採用していない」と批判し、元慰安婦への金銭賠償や公式謝罪を含む「完全かつ効果的な賠償」を行うよう求めた。また、「慰安婦問題が第二次大戦中に締約国(日本)の軍隊により遂行された深刻な人権侵害であり被害者に影響を与え続けていると考える」と指摘。日韓合意に「留意する」とした上で、「合意を履行する際、被害者の立場に正当な考慮を払い、彼女たちの真実・正義・賠償への権利を確保する」よう勧告した。また、慰安婦問題を教科書に記述し「歴史的事実が客観的に学生や一般の人々に提供されるようにすること」を求めた。
最終見解に関し、日本政府関係者は「杉山氏が行った事実関係の説明が全く考慮されていらず、受け入れられない。日韓合意への批判も的外れだ」と述べた。
3月17日
米カリフォルニア州議会上院が、「人権活動の功績」をたたえ、韓国から訪米中の元慰安婦・李容洙を表彰した。州上院の有力議員が表彰を提案した。
3月27日
韓国の弁護士団体「民主社会のための弁護士会」が、慰安婦問題に関する昨年末の日韓合意について、韓国の元慰安婦らが財産権などを保障した憲法に違反するとの訴えをソウルの憲法裁判所に起こしたと発表した。元慰安婦らが合意を違憲だと訴えるのは初めて。訴えは、韓国政府が元慰安婦らの対日賠償請求権行使の道を妨げ、元慰安婦らのために何の努力もしていないと指摘している。
4月13日
韓国で総選挙が実施され、与党セヌリ党が惨敗して過半数を割り込み、左派系の「共に民主党」など野党が躍進。朴槿恵政権の国政掌握力は低下へ。
6月1日
慰安婦に関連する資料の国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産への登録を目指す韓国の民間団体が、日本や中国、オランダなど各国の市民団体と共同で、5月31日付で資料の登録申請をしたと明らかにした。申請は韓国に事務局を置く「国際連帯委員会」が中心となって進めた。申請資料は計2744件に上り、音声記録を含む元慰安婦らの証言記録や写真、市民団体による調査資料などという。登録されるかどうかは、翌年(2017年)10月ごろまでに決まる見通しという。
※なお、国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産という名称について、日本ユネスコ国内委員会は6月20日、英語名の「Memory of the World」を直訳する「世界の記憶」との新名称に変更することを決定した。
6月21日
韓国メディアJTBCが、国民の党の朴柱宣(パク・ジュソン)議員室が入手した来年度の女性家族部予算案から国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産登録事業予算4億4000万ウォン(約4000万円)が全額削減されたと報じた。女性家族部関係者は「民間団体で不十分な部分があっため支援したのであって、我々が主導していたのではない」とし「韓日合意とは関係のない決定」と伝えた。
6月21日
韓国の元慰安婦の女性2人が、日本政府や産経新聞社などの日本企業を相手取って米サンフランシスコの連邦地裁に起こした訴訟で、同連邦地裁が、全21被告に対する原告の請求をすべて退ける判決を下した。これで第1審は終結した。前年11月に同連邦地裁は、産経新聞社に関する提訴につき原告の訴えを却下すると決定したが、その後、原告が証拠開示手続きを求めたため、審理が続いていた。
6月29日
慰安婦を追悼する公園「記憶の場」の起工式が、ソウル市中心部の韓国統監官邸の跡地で行われた。式典には元慰安婦の女性のほか、敷地を提供するソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長、挺対協、国会議員らも出席。朴市長はあいさつで、韓国を中心とする国際市民団体が慰安婦関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産へ登録申請したことに触れ、市の予算拠出を表明した。
7月28日
日韓合意に基づき、韓国政府が、元慰安婦の女性らを支援する財団「和解・癒やし財団」の初の理事会をソウル市内で開き、財団は設立、発足した。会見場に市民団体が乱入、理事長に就任した金兌玄(キム・テヒョン)誠信女子大名誉教授が催涙剤スプレーで襲撃されるなど波乱の船出となった。財団が発足したことで、慰安婦問題は日韓合意にうたわれた「最終的かつ不可逆的な解決」に向けて一歩前進すこととなった。
7月28日
慰安婦をめぐる朝日新聞の記事で間違った事実が国際社会に広まり、日本国民の名誉や信用が傷つけられたとして、渡部昇一・上智大名誉教授ら約2万5千人が朝日新聞社を相手取り、1人1万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決が東京地裁であった。脇博人裁判長は「原告らに対する名誉毀損は認められない」として訴えを退けた。原告側は控訴する方針。
8月2日
ソウル市はこの日までに、慰安婦問題で関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」に登録する運動を進めている韓国の民間団体に財政支援を行うことを決め、事業申請の受け付けを始めた。
8月4日
慰安婦像が設置された米ロサンゼルス近郊グレンデール市の日系人住民らが、像の撤去を市に求めた訴訟で、カリフォルニア州の連邦高裁は、原告の訴えを棄却した。2014年の1審判決に続き2審でも日系人住民が敗訴した。原告側は、グレンデール市による像設置は連邦政府だけが持つ外交権限を侵害すると主張したが、同高裁は、像を設置するかどうかは市の管轄権に属し、連邦政府の外交権は侵害しないと判断。像の設置が日米の外交関係に悪影響を及ぼすとの原告の主張も退けた。
8月6日
オーストラリアの一部韓国系グループが、最大都市シドニー郊外で「慰安婦」像の除幕式を行った。豪州での慰安婦像設置は初めて。オーストラリア公共放送ABC(電子版)は「(日韓市民間の)対立が深まっている」と伝えた。
8月7日
「和解・癒やし財団」の金兌玄理事長は、聯合ニュースが報じたインタビューで、元慰安婦らは大多数が疲れ切っており「もう(問題が)終わってほしい」との思いから、満足ではないが合意を受け入れようとする人が多いと話した。
8月18日
ジャーナリストの大高未貴氏が、吉田清治の長男のインタビューに成功。この日発売された月刊誌「新潮45」9月号に掲載された。長男は大高氏に対し、このように述べたという。「父が犯した慰安婦強制連行の捏造について、吉田家の長男として、日本の皆様に本当に申し訳なく思っております。できることなら、クレーン車で世界中の慰安婦像を撤去したい…」「父の責任は重大ですが、一方で、あれだけの創作話を父1人でできるはずがありません。慰安婦問題を既成事実化したい人々の何らかの関与があったはずです」「父は済州島なんか行っていません。家で地図を見ながら原稿を書いていました」
8月24日
日本政府が閣議で、元慰安婦支援を目的とした韓国の「和解・癒やし財団」への10億円拠出を閣議決定。この日行われた日韓外相会談で、岸田外相が尹炳世外相に伝達した。
9月1日
韓国外務省が、元慰安婦を支援する「和解・癒やし財団」の銀行口座に、日本政府から10億円が入金されたと発表した。
9月7日
慰安婦像が、年内に欧州では初めて、ドイツ西部のフライブルク市に設置されることになったと、複数の韓国メディアが報道。同市と姉妹関係にある韓国京畿道・水原(スウォン)市の廉泰英(ヨムテヨン)市長が同年5月、フライブルク市長に像の共同設置を呼びかけ、像設置を受け入れるとの返事があったという。慰安婦像は国連の世界人権宣言の記念日に当たる12月10日にフライブルク市中心部に両市共同で設置され、記念式典も行われる予定としていた。しかし、ドイツのBadische Zeitung(バーディシュ新聞)9月24日付記事のフライブルク市長のインタビュー記事により、中止となったことが判明した。ただ、水原市側はあきらめておらず、今後も注視が必要(なでしこアクション参照)。
9月10日
ソウル市議会が「ソウル市の銅像・モニュメント・オブジェの建立および管理基準などに関する条例」、別名「平和の少女像守護条例」を可決。慰安婦像の撤去を事実上約束してしまった韓国政府を邪魔しようと、公道に無許可で建てられた「平和の少女像」を市の公有財産として市がこれを管理し、中央政府であっても勝手に処分させないよう条例を制定してしまった(続・慰安婦騒動を考える参照)
9月19日
日韓合意に基づき元慰安婦支援のために韓国でつくられた「和解・癒やし財団」が、日本政府に対し、安倍晋三首相名義で被害女性らへの「おわびの手紙」を出すよう要請していることが、財団関係者の話で分かった。韓国外務省報道官は同月29日の定例会見で、「韓国政府としても、日本側が慰安婦被害者の方々の心の傷を癒すそうした追加的な措置をとるよう期待している」と述べた。
10月3日
安倍首相は衆院予算委員会で、韓国の元慰安婦支援財団が首相による謝罪の手紙を求めていることに関して「われわれは毛頭考えていない」と応じない考えを表明した。「(前年12月の日韓合意で)合意した内容を両国が誠実に実行していくことが求められている。(手紙は)内容の外だ」と説明した。
10月22日
中国上海市の上海師範大学で、米カリフォルニア州に拠点を置く中国系米国人らによる反日団体「世界抗日戦争史実維護連合会(抗日連合会)」が国際会合を開き、旧日本軍の慰安婦関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(記憶遺産)への登録を進める方法などを検討。また、同大学では同日、「慰安婦」を象徴するという中国人と韓国人の2人の少女を模した像の除幕式も行われた。
11月3日
朴槿恵大統領の親友、崔順実の国政介入疑惑を批判する集会を挺対協や元慰安婦らが開き、「日韓合意も崔順実に操られていたのではないか」と主張、合意破棄の訴えを強めた。挺対協などは声明で、「和解・癒やし財団」に対しても「初めから存在理由がなく、即刻解散すべきだ」と強調した。
11月16日
「和解・癒やし財団」が、合意の時点で生存していた元慰安婦46人のうち、これまでに半数にあたる23人に対し1人当たり日本円で1000万円程度の現金の一部を支給したことを明らかにした。そのうえで、「現在の状況に関係なく、1人でも多くの元慰安婦の名誉と尊厳を回復する」として、崔順実らが逮捕された一連の事件で国政が停滞している中でも、支援事業を継続していく姿勢を強調した。
12月9日
韓国国会が朴槿大統領に対する弾劾訴追案を可決し、朴大統領の職務権限が停止された。黄教安(ファン・ギョアン)首相が職務を代行。
12月10日
米首都に慰安婦像を設置しようとしている韓国系住民の団体が、ワシントン中心部の公園で像を公開した。団体はホワイトハウスに近い場所に設置し、旧日本軍に「性奴隷になることを強制された」ことを訴えようとしているが、主張の政治性から場所探しは難航。像は2時間ほどの式典で披露された後、当面は倉庫に保管されることとなった。
12月14日
オーストラリア・シドニー近郊の教会敷地内に8月に韓国系団体の依頼で設置された「慰安婦」像について、現地日系団体「オーストラリア・ジャパン・コミュニティー・ネットワーク(AJCN)」が、像を移動するよう求め、オーストラリア人権委員会に調停を申し立てた。不特定多数の人の目に触れる場所への設置は日本人への憎悪をあおり、人種差別禁止法に違反すると主張している。なお、翌15日、「AJCN」宛てに脅迫メールが届いた。メールは英文で「できるだけ残酷な方法で命乞いをさせながら殺したい」などとあり、殺人予告とも取れる内容となっていた。
12月23日
「和解・癒やし財団」が、日韓合意の時点で生存していた元慰安婦46人のうち、11月にすでに現金を支給したことを明らかにした23人を含め、これまでに34人が合意を受け入れる意向を示したことを明らかにした。
12月28日
日韓両政府の合意からちょうど1年に当たるこの日、釜山の日本総領事館前の歩道に、地元の市民団体が「少女像」を設置。警察が撤去を試みたが、市民団体側が像を取り囲んで座り込むなどし、撤去を拒否。しかし約4時間半後、「少女像」は地元自治体によって撤去された。総領事館がある区の区長は「公道に像を設置することは許可できない」という立場をかねてから示しており、それが実行された。ところがその後、東区側に抗議と苦情が殺到したことで、東区側は強制撤去を謝罪。30日午後、市民団体側が改めて像を設置し、31日に除幕式が行われた。日本政府は像を設置させないよう韓国政府や釜山市に繰り返し求めてきたが、法より国民感情が優先される「情治国家」であることが改めて露呈された形となった。
12月30日
釜山の日本総領事館前に「少女像」が設置された問題で、韓国外務省が、「政府と地元自治体、そして、市民団体など関係者が慰安婦問題を記憶する適切な場所に関して、知恵を集められることを期待している」とのコメントを発表し、関係者と協議したいという意向を示した。
<2017年>
1月3日
釜山の日本総領事館前の「少女像」問題で、韓国外務省のチョ・ジュンヒョク(趙俊赫)報道官が「外国の公館を保護するという国際的な儀礼と慣行の観点からも慎重に判断する必要があるという立場だ」と述べた。しかし、政府として関係者と協議したいという前年12月30日に示した意向には言及せず、地元自治体である釜山市東区の判断に丸投げする考えを示した。
1月6日
菅義偉官房長官が記者会見で、釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置された国際条約違反への対抗措置として、(1)長嶺安政・駐韓日本大使と森本康敬・在釜山日本総領事の一時帰国(2)日韓通貨交換(スワップ)の取り決め協議の中断(3)日韓ハイレベル経済協議の延期(4)在釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合わせ−の4項目を発表した。
1月6日
ソウル行政裁判所が、日韓合意に至った交渉に関する文書を公開するよう韓国外務省に言い渡した。韓国の弁護士団体による訴訟の判決で、行政裁は「合意で問題が最終的かつ不可逆的に解決されるのなら、被害者(元慰安婦)だけでなく、日本政府がどのような理由で謝罪と支援をするのか、合意への過程を韓国国民は知る必要がある」とした。
1月8日
安倍晋三首相はNHKの番組で、韓国・釜山の日本総領事館前の慰安婦像設置について「韓国に誠意を示してもらわなねばならない」と述べ、早期の撤去を求めた。日韓合意に基づき、日本側は元慰安婦支援などへの10億円拠出を行っている。首相はこれらの経緯に言及し、「たとえ政権が代わろうとも、それを実行することが国の信用の問題だろう」とも強調した。
1月9日
長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山総領事が一時帰国。
1月9日
韓国最大野党「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表が党幹部会議で、8日の安倍首相の発言について、「予備費でも編成するので10億円を返そう」と呼びかけた。
1月10日
国で職務停止状態の朴槿恵大統領の代行を務める黄教安(ファン・ギョアン)首相は閣議で、慰安婦問題について「状況悪化を招きかねない言動は、自制することが韓日関係の未来志向的な発展のために望ましい」「両政府だけでなく、全当事者が合意の趣旨と精神を尊重し、韓日関係発展のため努力し続けることが必要だ」と語った。黄氏の慰安婦問題への言及は、釜山の日本総領事館前での慰安婦像設置に対し日本政府が駐韓大使らを一時帰国させるなどの措置を取って以降、初めて。
1月12日
民団が東京都内のホテルで新年会を開き、呉公太(オ・ゴンテ)団長が釜山の総領事館前に設置された慰安婦像について「撤去すべきだというのが、私たち在日同胞の共通した切実な思いだ」と述べた。その上で「(韓国)国民の冷静かつ賢明な判断と、日本政府の冷静な対処を望む」とし、一昨年12月の慰安婦問題に関する日韓合意を堅持すべきだとの考えを示した。
1月13日
尹炳世外相が国会外交統一委員会で、釜山での慰安婦像設置に日本で反発が起きていることに触れ、「国際社会では、外交公館前に造形物を設置することは望ましくないというのが一般的だ」と説明した。その上で、「設置場所について知恵を集める必要がある」と語った。
1月13日
韓国大統領選への出馬を事実上、表明した潘基文前国連事務総長が、慰安婦問題に関する日韓合意に基づく日本政府の10億円拠出についてソウルや釜山の日本公館前に設置された慰安婦像の撤去の条件なら「金を返すべきだ」と発言した。韓国紙、中央日報や朝鮮日報が前日に米国から帰国した潘氏の機内インタビューとして報じた。なお、潘基文は後日、大統領選の立候補を辞退した。
1月16日
韓国・京畿道の議員団「独島(竹島の韓国での呼称)愛・国土愛の会」が竹島(島根県隠岐の島町)に慰安婦像を年内に設置しようと、募金活動を始めた。ソウル南方の水原市にある道議会のロビーに募金箱を設けた。
1月17日
民団が釜山の慰安婦像の撤去を求める建議書を在日韓国大使館に提出。
1月18日
韓国・京畿道の議員団が竹島に慰安婦像を年内に設置する活動を始めたことについて、韓国で竹島を管轄区域とする南東部慶尚北道の金寛容(キム・グァンヨン)知事が、竹島が韓国の領土であることを主張する一方で、「像の設置は不適切だ」との考えを示した。「少女像(慰安婦像)の設置推進はいいことだが、場所だけは慎重に検討、考慮すべきだ。感情的でなく慎重にならねばならない」と語った。
1月19日
京畿道の議員団が竹島に慰安婦像を年内に設置する活動を始めたことについて、韓国外務省報道官が定例会見で「少女像(慰安婦像)と性格が全く異なる独島(竹島の韓国での呼称)を結びつけるのは望ましくない」と述べた。また、京畿道の南景弼(ナム・ギョンピル)知事も同日、「独島問題の本質は領土主権の守護であり、慰安婦合意の核心は日本政府の真摯で責任ある謝罪だ。2つの問題を結びつけてはならない」と計画に否定的な立場を示した。
1月21日
米軍基地村慰安婦被害者120人が韓国政府に対して起こした損害賠償請求訴訟で、ソウル中央地裁が、「国が被害者57人に対して500万ウォン(約49万円)を賠償せよ」とする原告一部勝訴判決を下した。ただし、「国が売買春が容易に行われるよう基地村を作ったのは違法」という被害者たちの主張は受け入れなかった。
1月23日
朴槿恵大統領の代行を務める黄教安首相が年頭の記者会見で、釜山の慰安婦像について「像は民間が設置した。政府が関与しあれこれ言うのは難しい状況だ」と従来の姿勢を繰り返した。一方で、「韓日間の重要な関心事であり政府も関心を持っている。さまざまなルート、チャンネルを通じて協議を進めている」「韓日関係の未来のためにどのように解決するか知恵を集めていくことが必要だ。時間がかかろうが必ず克服できるよう努める」と語った。ただ、具体的な解決策には触れなかった。
1月25日
南東部慶尚北道の金寛容知事が、竹島に上陸した。知事は1月18日の会見で「(竹島は韓国の島だが、慰安婦像を設置する)場所だけは慎重に検討、考慮すべきだ。感情的でなく慎重にならねばならない」と語っていた。
1月25日
「帝国の慰安婦」で、元慰安婦の名誉を傷つけたとして名誉毀損の罪に問われた朴裕河世宗大教授の判決公判がソウル東部地裁で開かれ、同地裁は朴氏に無罪の判決(求刑・懲役3年)を言い渡した。
1月31日
韓国・釜山市東区の日本総領事館前に慰安婦像を設置した市民団体と同区の朴三碩区長が31日、区庁で面会し、像の管理方法について話し合った。聯合ニュースが報じた。地元自治体が管理に乗り出したことで、日本が要求する像の撤去や移転は一層難しい状況になった。31日の協議では、像のそばに防犯カメラやフェンスを設置することが検討されたという。
1月31日
韓国教育省が2018年度から中学や高校で導入予定の国定歴史教科書の最終版内容を発表した。在ソウル日本大使館前に慰安婦像が設置された経緯や、慰安婦が「集団虐殺」されたとする記述を盛り込むなど、見本版より反日傾向が強まった。
2月14日
釜山の日本総領事館前に違法に設置された慰安婦像について、韓国外務省が、釜山市や総領事館前の道路を管理する同市東区に像の移転を求める文書を送付した。韓国外務省や釜山の自治体の話として、複数の韓国メディアが2月23日に報じた。
2月17日
ドイツのボンで行われた日韓外相会談で、慰安婦像の撤去を求めた岸田文雄外相に対し、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は「可能な限り、最大限の努力を引き続き行っていく」と約束した。
2月25日
産経新聞の報道によれば、米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去をめぐり、地元の日本人たちが米連邦最高裁での上告審を求めていることについて、日本政府が「請求は認められるべきだ」との見解を表明した意見書を連邦最高裁に提出したことが24日、分かった。日本政府が連邦最高裁に第三者意見書を提出することは異例。
3月8日
ドイツ南部バイエルン州ウィーゼントの公園に慰安婦像が設置され、除幕式が行われた。慰安婦像設置は欧州で初めて。韓国・水原市の市民団体などが設置を進めた。前年に市長主導で姉妹都市の独南西部フライブルクに慰安婦像の設置を提案したが、同様に姉妹都市の愛媛県松山市が交流への影響などについてフライブルクに懸念を伝達し、計画は実現しなかった。今回は場所を移して設置した格好となった。
3月10日
韓国国会が弾劾訴追した朴槿恵大統領の罷免が妥当かどうかを判断する審判で、憲法裁判所は、朴氏の罷免を言い渡した。裁判官8人全員一致で罷免に相当する法律違反があったと判断した。朴氏は失職し、60日以内に大統領選が実施されることとなった。
3月10日
米南部ジョージア州アトランタの「公民権人権センター」敷地内に慰安婦像を設置する計画が約3年前から進められていたが、センター側が、一転して設置を認めないことを決め、この日までに関係者に通知。同センターの広報担当者は、1月に韓国系団体と設置に向けた覚書を締結したが、その後、敷地内に銅像などの構造物を設置してはならない規則があることが分かったと説明した。
3月27日
ドイツ南部バイエルン州ウィーゼントの公園に慰安婦像が設置された問題で、公園の所有者が産経新聞の取材に対し、慰安婦像の説明のため一緒に設置された碑文を撤去したことを明らかにした。設置後、日本政府関係者から像設置が日韓間の問題になっていると知らされ、考え直したという。また、碑文撤去について双方の納得が得られない場合、「像は公園に置いておけなくなるだろう。私は中立でありたい」と述べた。
3月27日
慰安婦像が設置された米ロサンゼルス近郊グレンデール市の日系人住民らが、像の撤去を市に求めた訴訟で、米連邦最高裁は、原告の訴えを棄却した。
4月4日
長嶺駐韓大使が3カ月ぶりに帰任。理由について、萩生田光一官房副長官は7日、「大統領の弾劾、逮捕という事態の中、緊迫する北朝鮮情勢への対応と情報収集、邦人保護の視点からやむを得ない判断だった」とメールマガジンで振り返った。
4月20日
松山市はこの日までに、同年7月に予定していた友好都市・韓国平沢市への中学生派遣事業を中止する方針を決めた。平成18(2006)年度から続けてきたが、平沢市の市有地に慰安婦問題を象徴する少女像が3月に設置されたことなどを挙げ「派遣に市民の理解が得られないと判断した」としている。
4月26日
徴用工の像をソウルの日本大使館前に設置する計画を進めている「対日抗争期強制動員被害者連合会」(日帝強占期被害者全国遺族連合会)がソウルで記者会見し、徴用工像を南東部釜山と南西部の光州にも設置する計画を発表した。
4月27日
慰安婦をめぐる朝日新聞の報道で誤った国際世論が形成され、損害を受けたとして、米国在住の50人を含む日本人計約2500人が朝日新聞社に主要米紙への謝罪広告掲載などを求めた訴訟の判決が、東京地裁であった。佐久間健吉裁判長は「国際社会では慰安婦問題に関して多様な認識や見解があり、どのような要因が影響を与えたか特定するのは困難」として、原告側の請求を棄却した。但し、「記事が、国際社会での慰安婦問題に関する認識に何らかの影響を与えなかったとはいえない」とした。
5月10日
親北派で日韓合意見直しを主張している文在寅が韓国大統領に就任した(但し大統領選では主要候補全てが日韓合意の見直しや再協議を公約に掲げていた)。
5月11日
朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した吉田清治(故人)の長男が、父親が韓国内に建てた「謝罪碑」の碑文の説明も虚偽だとして、関係者を通じて碑文を書き直していたことが分かった。長男は「父が発信し続けた虚偽によって日韓両国民が不必要な対立をすることにこれ以上、耐えられない」と説明している。長男はジャーナリストの大高未貴氏に対し、「朝日新聞が間違いだったと発表したわけですから、それに沿って間違いは正さなければなりません。朝日新聞社は謝罪碑の間違いを正さないでしょうから、正すことができるのは私しかいません」と語った。
5月12日
国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会が、日韓合意について、被害者への補償などが不十分として、合意の見直しを勧告する報告書を発表した。報告書は韓国に対する審査を記したもので、同合意について「元慰安婦は現在も生存者がおり、被害者への補償や名誉回復、再発防止策が十分とはいえない」として、韓国政府に勧告した。しかし韓国が同委員会に提出した文書では、日本政府の1億円拠出に触れず、日本側の履行が十分でないため慰安婦問題が解決されていないとの見解を示していた。このタイミングで、拷問禁止委が日韓合意を持ち出した背景には、3月20日に韓国のNGO63団体が拷問禁止委に提出した報告書の存在があると考えられた。今回の勧告は韓国を対象にした審査で、日本が関与する余地はなく、合意の履行状況に関する照会もなかった。日本政府は勧告にかかわらず引き続き日韓合意の履行を迫るが、韓国の書面回答に対し、政府関係者は「きちんと対応する」としており、経緯を確認した上で抗議も含め対処する考えを示した。
6月1日
日韓合意について、韓国外務省報道官は定例会見で、「合意を韓国国民の大多数が情緒的に受け入れられないという現実を認め、韓日両国が共同で努力し、問題を賢く克服していくことを韓国政府は希望している」と述べた。文在寅大統領が前月、安倍首相との電話会談で同様の見解を伝え、文氏の特使として訪日した与党「共に民主党」の議員、文喜相氏も日本側に伝えている。外務省報道官はこの日、韓国政府の公式見解として言明した。
6月10日
挺対協の尹美香共同代表が東京都内で講演会を開いた。尹代表は日韓合意後、新たな財団設立を企図し、9日、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶財団(正義記憶財団)」を設立、国連人権委員会の認可が下りたとして、尹氏は常任理事に就任。今後、韓国内外で広報、募金事業を強化し、全アジアの日本軍性奴隷被害者らと連帯するとした。
なお、「正義記憶財団」のキャンペーン事業の一環として、日本で「希望のたね基金」が設立された。趣旨は「日本の若者が『慰安婦』問題について学び、性暴力のない社会づくりに役立てるための基金です。日韓の若者間の意識ギャップを埋めて、『終わらせる』のではなく、『記憶・継承』することで、二度と同じような被害を生まないための取り組みを、日韓の若者、ひいてはアジアの被害国、さらに世界の人々と共におこなえるよう『希望のたね』を撒いて行くことをめざします」というものであり、慰安婦問題を終わらせないことが目的であることが分かる。
6月12日
国連人権理事会の「表現の自由」に関する特別報告者、デービッド・ケイ氏が、スイス・ジュネーブで開会中の同理事会で日本の状況について報告した。その中で、ケイ氏は歴史教育をめぐって、教科書検定に対する政府の介入があると主張して慰安婦問題に言及し、「第二次大戦中の慰安婦虐待」との表現を用いた。一方、伊原純一・在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使は日本の教科書検定制度は「専門的・学術的な調査審議に基づくもので、政府が介入する余地はない」と反論した。政府はケイ氏とは接触を重ね、伝聞や推測に基づく指摘や根拠不明な記述・見解を正すよう求めていたが、日本側にとり不本意な結果となった。
6月13日
韓国大統領府が、慰安婦問題などを担当する女性家族相の候補に大学教授の鄭鉉栢氏を充てる人事を発表した。報道官は鄭氏について、慰安婦問題を巡る日韓合意の「再交渉」などに当たる上で適任と説明したが、その後、再交渉に言及した個所は現段階で政府の公式的な立場ではないとして取り消した。
6月18日
文在寅大統領が、外相候補に指名した康京和(カン・ギョンファ)前国連事務総長特別顧問の任命を強行、康氏は外相に就任した。康氏をめぐっては居住地を偽った偽装転入や脱税などが次々露呈している。
6月20日
文在寅大統領が米紙ワシントン・ポストとのインタビューで、日韓合意に関し「問題解決には、日本が法的責任を取り、公式に謝罪することが必須だ」と述べた。これに対し、菅義偉官房長官は、21日の記者会見で、「一昨年の日韓合意は最終的で不可逆的な解決であり、日韓両国で確認している」と述べた。その上で「日韓合意で、政府として心からのおわびと反省の気持ちを表明している」と指摘し、改めて謝罪する必要はないとの考えを示した。
6月23日
日本政府は、文在寅大統領がロイター通信とのインタビューで慰安婦など歴史問題をめぐり日本政府が「最善の努力をしていない」と批判したことに対し、外交ルートを通じて抗議した。22日には米紙インタビューでの文氏の発言に関しても抗議している。
6月24日
吉田清治が韓国内に建てた「謝罪碑」を吉田の長男の依頼で「書き換えた」奥茂治氏が、仁川空港内で韓国警察に一時拘束された。韓国警察から再三出頭依頼があり、奥氏は、自分の正当性を韓国警察に説明するために、拘束覚悟で韓国に入国した。
6月26日
奥茂治氏が、公用物損壊の疑いで韓国の警察に刑事立件された。
6月29日
篠塚隆駐アトランタ日本総領事が米地方紙のインタビューで「慰安婦は金をもらった売春婦だった」と語ったとの報道について、韓国外務省報道官が「被害者(元慰安婦)の方々の心に、再び深い傷を与える極めて不適切な発言で、遺憾に思う」と批判したうえで、「慰安婦問題をめぐる合意の精神に反するこのような発言の撤回と再発防止に向けた措置を日本側に強く求めた」と述べた。発言は、米ジョージア州のリポーターニューズペーパーズがインタビューとして報じたもので、韓国メディアは報道を引用する形で、篠塚氏を猛批判。しかし、篠塚氏は「プロスティチュート(売春婦)」という言葉は使っておらず、アトランタ総領事館はこの事実を同紙に伝えたところ、同紙の報道は直接引用の形ではなく、言葉を置き換えたものであり、これを韓国メディアが篠塚氏の発言として報じたことが判明。菅義偉官房長官は30日午前の記者会見で「篠塚氏は『報酬を受けた娼婦』とか『娼婦』という表現は用いていない」と説明し、「総領事はわが国政府の立場に沿って慰安婦を『性奴隷』と称することは不適切であるという説明を行った」と述べた。また、篠塚氏の発言の撤回を求めていた韓国側には「説明済みだ」と述べた。
6月29日
ソウルの日本大使館前に違法設置されている慰安婦像をめぐり、地元自治体の鍾路区の議会で「都市空間芸術条例」の改正案がこの日までに可決された。これを受け、慰安婦像は7月から「公共造形物」として区の管理下に置かれることとなった。
6月30日
釜山の日本総領事館前に、違法に設置されていた慰安婦像を釜山市が保護、管理できるようにした条例案が、同市議会で可決された。条例の成立、制定により、昨年末に市民団体が無許可で設置し、地元自治体が放置していた慰安婦像は、ソウルの日本大使館前の慰安婦像と同様、行政の管理下に置かれることになった。
6月30日
ジョージア州部ブルックヘブン市の公園に慰安婦像が設置され除幕式が行われた。米国の公有地への像設置は、2013年の西部カリフォルニア州グレンデール市に次いで2例目。2015年末の日韓合意後は初となる。
6月30日
日韓合意に基づいて韓国政府が設立した「和解・癒し財団」は、47人の元慰安婦のうち4分の3以上にあたる36人が合意に基づく支援事業を受け入れる意向を示したことを明らかにした。36人のうち32人にすでに現金の支給を終えたとのこと。
7月7日
香港の反日団体が、日本総領事館が入居するビル近くの歩道橋に「慰安婦像」2体を置いた。総領事館は同日、外国公館前での侮辱行為を禁じたウィーン条約に違反しているとして、香港政府に慰安婦像の早期撤去を申し入れたことを明らかにした。香港メディアによると、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の中国領有権を主張している香港の活動家で組織している「保釣(釣魚島防衛)行動委員会」などのメンバーら約20人が参加。この日は支那事変の発端となった「盧溝橋事件」から80年にあたるとして、抗議を行った。
7月10日
韓国の鄭鉉栢女性家族相が、日韓合意について再協議する意思を明らかにした。また、韓国の民間団体などが進める慰安婦関連資料の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産への登録に政府予算を拠出し支援する考えを示した。鄭氏は「慰安婦資料のユネスコ記憶遺産への登録と慰安婦博物館の設立を進める」とも語った。登録は挺対協やナヌムの家などと協議して資料をまとめるとし、「女性家族省で予算執行がほぼ準備されている」と明らかにした。
7月19日
文在寅政権が、文大統領の任期中の施政方針に当たる「国政運営5カ年計画」を発表。大統領の諮問機関「国政企画諮問委員会」が公表した。慰安婦問題をめぐって2018年に「日本軍『慰安婦』被害者記念日」を制定し、2019年に「『慰安婦』被害者研究所」(仮称)を設置。2020年には「歴史館」の設立を通じ調査・研究事業を体系化するとしている。同委はこれまでに8月14日を記念日に指定すると発表。この日は1991年に元慰安婦が記者会見で初めて名乗り出た日。日本政府は同日、韓国側に抗議を行った。
7月23日
日韓合意に基づき韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」の金兌玄理事長が、前週開かれた理事会で辞意を表明していたことが分かった。関係者によると、金氏は財団の運営費が政府予算に組み込まれず、全面カットされたことなどへの責任をとって辞意を表したという。金氏の辞意表明により、財団の運営、活動が停滞する可能性が強まった。
7月31日
韓国外務省が日韓合意の成立経緯を検証するための康京和外相直属の作業部会を発足。
8月3日
第3次安倍第3次改造内閣発足。河野洋平の長男・河野太郎が外務大臣に就任。
8月14日
文在寅大統領が元慰安婦の金福童氏らを大統領府に招き、日本の「植民地支配」に対する独立運動に関する記録の継承活動を強化すると表明した。韓国大統領が元慰安婦と公式に会うのは初めて。一方ソウルでは日韓合意に反対する元慰安婦の支援団体や労組などが、合意に基づいて日本が韓国に拠出した10億円を日本に返還し年内の合意破棄を目指すとして、100万人を対象にした少額募金運動を始めると宣言。
8月17日
文在寅大統領が就任100日にあたり会見し、日本の朝鮮半島統治時代の徴用工に絡む請求権について、「個人の権利は残っている」とした2012年の韓国最高裁の判断を踏襲する考えを明言した。韓国政府として個人請求権が消滅していないとの司法判断を公式に確認したこととなった。韓国政府は盧武鉉政権時代、1965年の日韓国交正常化時に徴用工問題は外交問題としては解決済みで、韓国政府が取り組む問題とし、歴代政権も踏襲してきた。また文大統領は、慰安婦問題について「(1965年)の韓日会談の当時には分かっていなかった」と述べ、日韓合意については、「現在、韓国外務省で検証作業を進めている」とした。
9月14日
吉田清治が韓国内に建てた「謝罪碑」を吉田の長男の依頼で「書き換えた」奥茂治氏を、公用物損傷と建造物侵入の罪で韓国検察が在宅起訴した。奥氏は当初から法廷で争う姿勢を示してきており、「慰安婦問題の根源に吉田氏の偽証があり、朝日新聞が関連記事を取り消した事実は韓国でほとんど知られていない。公判の場で書き換えの背景を説明していきたい」と話した。
9月22日
中国系民間団体が慰安婦像を米サンフランシスコ市内の公園の展示スペース(私有地)に設置した。韓国系団体なども協力した。サ市議会もこの日を「慰安婦の日」とする決議をした。碑文は慰安婦を「性奴隷」と表記。「ほとんどが戦時中の捕らわれの身のまま亡くなった」などと日本政府の見解と異なる主張が一方的に書かれている。
9月25日
韓国女性家族省は忠清南道天安市にある国立墓地「望郷の丘」に、慰安婦の追悼碑を設置する計画を発表した。翌2018年6月6日の「顕忠日」(朝鮮戦争での戦死者など国家に貢献した人々を追悼する記念日)に除幕式を行うという。韓国政府が主導する慰安婦追悼碑の設置は初めて。
9月25日
大阪市の吉村洋文市長は、姉妹都市の米サンフランシスコ市の公園で中国系民間団体が慰安婦像や碑文を設置したことに関し、「サ市が団体から慰安婦像の寄贈を受け入れることになれば、姉妹都市の関係を解消する」と述べた。
9月27日
大阪市議会が本会議で、サ市に公有地への像設置の再検討を求める決議案を賛成少数で否決した。決議案は大阪維新の会が提案。自民、公明、共産各党は反対した。
9月28日
ソウルの日本大使館前に違法設置されている慰安婦像について、ソウル市鍾路区が「公共造形物」に指定したと発表した。韓国の聯合ニュースが報じた。慰安婦像は区の管理下に置かれることになり、撤去はさらに困難になる見通し。鍾路区は6月、民間による造形物を「公共造形物」に指定し、区による管理を可能とする条例を可決。今回の指定が初適用となった。
10月4日
大阪市の姉妹都市の米サンフランシスコ市で中国系の民間団体が慰安婦像と碑文を設置した私有地について、吉村洋文大阪市長は、サ市に寄贈を受けないよう求める公開書簡を9月29日付で送り、返信を受け取ったと発表した。サ市が寄贈を受ければ市有地に像と碑文が設置されることになるが、エドウィン・E・リー市長は10月2日付の返信書簡で「地域に応えるのが私の責務」と寄贈を受ける可能性に言及した。これを受け、吉村市長は4日、「サ市として像と碑文を受け入れるのなら姉妹都市を解消する」と改めて表明。「リー市長の思いは像と碑文を市有地に設置しても姉妹都市の関係を続けていこうという趣旨かもしれないが、僕の中ではありえない」と強調した。
10月6日
人権問題を議論する国連総会第3委員会が「女性の地位向上」を議題に各国代表が演説し、慰安婦問題をめぐって北朝鮮と日本が論戦を繰り広げた。北朝鮮の代表は「20万人の朝鮮女性や少女などを、強制的に日本軍のための性奴隷とした」「国連は、日本が公式な謝罪と補償を行うまで圧力をかけ続けるべきだ」などと訴えた。日本代表部の斉藤純公使は答弁権を行使し、北朝鮮側の主張を「事実誤認で、まったく根拠のないことだ」「戦後70年以上にわたり、日本人は人権と法の支配を尊重し、自由で民主的な国家を築いてきた」と反論した。韓国も演説の機会があったが、慰安婦問題に言及しなかった。
10月13日
米ニューヨーク・マンハッタンにある韓国系米国人の歴史を紹介する博物館(建設中)で、慰安婦像の除幕式が行われた。式典に出席したニューヨーク州のマロニー下院議員(民主党)は「われわれは(日本から)より一層の謝罪を必要としており、日本政府は行動を取る必要がある」と述べ、首都ワシントンでの慰安婦像設置にも意欲を示した。
10月23日
大阪市と米サンフランシスコ市の姉妹都市提携60周年を記念し、サ市代表団が大阪市役所に吉村洋文市長を表敬訪問した。サ市内の私有地に設置された慰安婦像と碑文の今後の扱いをめぐり、吉村市長が姉妹都市関係解消の可能性に言及する中、代表団のキャスリーン・キムラ姉妹都市協会共同委員長は「末永い友好関係の継続」を求めた。吉村市長はキムラ氏に「日本人として受け入れられない」と伝え、サ市のエドウィン・M・リー市長宛てに書いた懸念を表明する2度目の書簡を代表団に託したいと要望した。
10月25日
サンフランシスコ市の中華街にあるセント・メリーズ公園の展示スペースが、同市に寄贈されたことが分かった。米公有地での設置は、同州グレンデール市、ジョージア州ブルックヘブン市の公園に続き、3例目。
10月27日
「帝国の慰安婦」で、元慰安婦らの名誉を傷つけたとして名誉毀損の罪に問われ、一審で無罪判決を受けた朴裕河世宗大教授の控訴審の判決公判がソウル高裁で開かれ、高裁は1審判決を破棄し、罰金1千万ウォン(約100万円)=求刑・懲役3年=の逆転有罪判決を言い渡した。高裁は判決理由で、「著書では個々の慰安婦を指してはいないが、集団としての慰安婦を指すことはその中の個別の人物を指すことになり、名誉毀損に当たる」とした。また、「著書に歪曲があったとみるべき」と判断した。朴氏は判決後、「意外な判決だ。1審では自分の主張を繰り広げ勝てたが、今回は弁論の時間が短かかった。膨大な研究内容を十分検討せず、先入観だけで判断した不当な判決だと思う」と述べ、上告する考えを示した。
10月31日
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、重要な歴史文書などの認定事業「世界の記憶」(世界記憶遺産)に申請された慰安婦に関する2案件について、登録可否の判断を延期した。日本側は、学術的に歴史認識の間違いを指摘するのではなく、事業の欠陥を突くことで「登録阻止」を優先させた。中韓の抵抗は強かったが、日本が慰安婦関連資料の登録は憲章の精神に反すると説き、対話促進などを盛り込んだ制度改革の必要性を訴えると、共鳴する加盟国も多かった。ユネスコ執行委員会は10月18日に制度改革を決め、非公開審査から公平性と透明性が従来より担保されたが、適用は「次回から」。日本側は今回の審査から「政治的緊張の回避」を求める決議採択を働きかけ、採択にこぎ着けていた。日本がユネスコ分担金の拠出を留保していたことも圧力になっていた。
11月7日
トランプ米大統領を招き韓国大統領府で開かれた晩餐会に、元慰安婦の李容洙が出席した。韓国大統領府が招待した。李容洙は2007年に米下院が慰安婦問題で日本に謝罪を求める決議を可決した際に証言した人物。その後も内外での慰安婦像の設置に関わるなどし、日韓合意の破棄を強く求めている。
日本政府は同日、ソウルの日本大使館を通じて抗議。翌8日には河野太郎外相が、APEC閣僚会議出席のため訪問中のベトナムで抗議の意を含む康京和外相宛てのメッセージを韓国政府高官に伝え、同時に、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した2015年末の日韓合意を順守するよう改めて求めた。
米国のナッパー駐韓代理大使は10日までに、トランプ大統領が李から抱擁を求められて応じたことについて、「単なる人間的なジェスチャーで、政治的な観点から見たくはない」と述べた。
なお、7日の晩餐会のメニューには、竹島近海で捕れた「独島(竹島の韓国での呼称)エビ」を使った料理が含まれており、大統領府が事前にわざわざ発表していた。
11月14日
日本の人権状況を審査する国連人権理事会の対日作業部会が、ジュネーブの国連欧州本部で開かれた。2015年の日韓合意について、韓国代表は政府としての対日批判を避ける一方、「元慰安婦や民間団体などから容認できないとの意見が出ている」と指摘した。韓国代表は、外務省に2017年7月に設立された作業部会が日韓合意の成立経緯を検証し、年内に検証結果を示す予定だとした。その上で、「慰安婦問題を含めて過去についての正しい教育を行う」よう日本に要求した。日本政府代表団の岡村善文・人権担当大使は、日韓合意で「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したと説明。合意を受け、日本が韓国の元慰安婦支援財団に10億円を拠出したと述べた。中国代表は慰安婦に対して「日本は謝罪をすべきだ」と要求した。
11月14日
大阪市の姉妹都市、米サンフランシスコ市に設置されている慰安婦像と碑文をめぐり、サンフランシスコ市議会が、像と碑文の寄贈を受け入れる決議案を全会一致で可決した。エドウィン・M・リー市長が議会側からの通知を受けて10日以内に拒否権を発動しない限り、自動的に寄贈は受け入れられることとなった。
11月18日
「ナヌムの家」で元慰安婦らの遺品などを展示する新たな施設の開館式が行われた。鄭鉉栢女性家族相も出席し「人々が痛みの歴史を振り返り、青少年が戦時の女性人権問題を学べる場にしてほしい」と述べた。日本からは北海道の市民団体などの数十人が出席した。
11月23日
米サンフランシスコ市に設置された慰安婦像と碑文の受け入れをリー市長が22日(現地時間)に承認したことを受け、姉妹都市である大阪市の吉村洋文市長が、「今後、姉妹都市解消に向けた手続きを行い、12月中に完了させたい」とするコメントを発表した。
11月24日
韓国国会は本会議で、毎年8月14日を元慰安婦をたたえる法定記念日とする「日帝下の日本軍慰安婦被害者生活安全支援と記念事業などに関する法改正案」を賛成多数(賛成205、反対0、棄権8)で可決した。同法には、慰安婦問題を国内外に伝え、記憶するための行事を行うことが盛り込まれ、記念日の趣旨に沿った行事や広報を行う努力が国や自治体に義務づけられている。また、慰安婦関連の政策を進める際には、元慰安婦からの意見聴取や政策内容の国民への積極的な公開なども義務づけられる。さらに、改正法には、慰安婦追悼施設の設置事業などの支援や、元慰安婦が死亡した際、遺族に葬儀費を支給することも盛り込まれた。8月14日は、1991年に元慰安婦の女性(金学順)が初めて公に名乗り出て証言した日に当たる。
12月5日
福岡市の高島宗一郎市長が、姉妹都市である韓国・釜山市の日本総領事館前に設置された慰安婦像に関し、年内にも市幹部を派遣し、懸念を伝えると正式発表した。これに対し、同月18日までに、2つの市民団体が再考を求める申し入れ書を市に提出した。
12月8日
フィリピン国家歴史委員会(NHCP)が首都圏マニラ市ロハス大通り沿いの湾岸遊歩道上に「フィリピン人慰安婦像」を設置のうえ除幕式を行い、像をマニラ市に引き渡した。比中華系の「トゥライ財団」(路上孤児救済などで実績がある)や比人元慰安婦と支援者の団体「リラ・ピリピーナ」(1990年代の韓国での慰安婦運動をフィリピンに導入した団体)などの協力を得て造られた。
産経新聞の取材に、フィリピン国家歴史委員会は、「マニラ市からの協力要請」を受け、歴史家らからなる委員6人で決めたと強調。日本政府の反発に「銅像は民間団体からの寄贈で、私たちの責任は碑文のみ。除幕式も招かれただけだ」と困惑した。だが、遊歩道を管轄するマニラ市側の担当者は、慰安婦像の設置や除幕式を行政的に主導したのは歴史委員会だと反論している。市長代理として除幕式に参加した幹部は、日中間の懸案事項に関わる式典に違和感を覚え、用意された祝辞の代読前に「問題になりませんように」と挨拶。歴史委員会の担当者に外務省の承諾を確認したが、「即答がなかった」と説明しているという。委員会と市側が責任をなすり合っている形。
在フィリピン日本大使館は、除幕式翌日の9日の報道で今回の動きを知った。連絡を密にしている大統領府や外務省へ問い合わせたが「向こうも寝耳に水」(幹部)で、後の祭りだった。
12月12日
サンフランシスコ市のエドウィン・M・リー市長が急逝。大阪市の吉村洋文市長は翌13日、姉妹都市解消の通知を、来年6月にサンフランシスコ市長選が実施された後、新市長に対して行う方針を示した。
12月初め
吉田清治が天安市にある国立墓地「望郷の丘」に建てた「謝罪碑」を、吉田の長男の依頼で「書き換えた」奥茂治氏が、確認しに訪れた際、碑の脇に、吉田証言を正当化する「説明板」が設置されているのを発見した。同年夏以降に設置したとみられる。
12月14日
米東部ニュージャージー州フォートリー区の議会が、区内に慰安婦碑の設置を認める決議を全会一致で可決した。慰安婦碑が設置されれば、同州では5例目となる。設置場所は公表されていないが、公有地に建てられる。フォートリーでは2012年に、韓国系団体が慰安婦碑の設置を計画。デザインや碑文の内容をめぐって複数の韓国系団体で意見が対立し、計画はいったん立ち消えとなった。その後、地元の韓国系米国人の高校生らが16年にデザインを公募することを発表し、準備を進めてきた。すでに慰安婦碑のデザインは決定しており、地元の高校生による詩文が刻まれる。日本への言及はないという。
12月19日
文在寅政権発足以降、初めてとなる日韓外相会談が東京都内で行われた。今回の来日は韓国側の要請によるもの。慰安婦や北朝鮮への対応をめぐる日韓間の温度差を印象づけた。河野外相は「着実な実施が重要だ」と強調。これに対し、康外相は合意の検証作業(同月27日に結果発表を控えていた)の現状を説明するにとどまった。
12月21日
朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した故吉田清治氏が韓国に建てた謝罪碑を無断で書き換えたとして、公用物損傷罪などで在宅起訴された奥茂治氏の初公判が、韓国の大田地裁天安支部で開かれた。奥氏側は犯意を否認。検察が懲役1年を求刑し、即日結審した。吉田氏の長男も取り調べを受けないまま、教唆罪で在宅起訴されたが、日本にとどまっており、出廷しなかった。
12月27日
2015年12月の日韓合意に対し、韓国外相直属の作業部会が、検証結果の報告書を発表した。報告は「被害者(元慰安婦)の意見を十分集約せず、政府間で最終的・不可逆的解決を宣言しても問題は再燃するしかない」と指摘。合意の「非公開部分」として、元慰安婦支援団体に対する韓国政府の説得があったことも明らかにした。発表に先立ち康京和外相は会見で「被害者中心の観点が欠けていた」と謝罪した。韓国政府の立場については、日韓関係への影響も考慮し「慎重に決めていく」と述べた。検証は韓国側が一方的に行ったもので、発表内容を見る限り、日本側は誠実に交渉に臨み、韓国側の対応に問題があったことが分かるものであった。「非公開部分」では、「海外の慰安婦像設置を支援しない」「『性奴隷』の表現を使用しない」「運動団体を政府が説得する」などの日本側の要求を、韓国が事実上受け入れていたことも明らかになった。
同日、河野太郎外相は談話で、「この合意は、両政府間において正当な交渉過程を経てなされたものであり、合意に至る過程に問題があったとは考えられません」「韓国政府が同報告書に基づいて、既に実施に移されている合意を変更しようとするのであれば、日韓関係がマネージ不能となり、断じて受け入れられません。日本政府としては、韓国政府が合意を『最終的かつ不可逆的』なものとして引き続き着実に実施するよう、韓国側に対し、強く求めます」などと述べた。また、合意の非公開部分を一方的に公開したことについては、「極めて遺憾だ」とした。
12月28日
文在寅大統領は、外務省作業部会による慰安婦問題をめぐる日韓合意の検証結果発表を受けて、「この合意で問題を解決することはできない」と表明した。大統領府報道官が声明を読み上げた。報道官によると、大統領は早期に「後続措置」を取るよう関係部署に指示した。大統領府高官は「(合意の)破棄という言葉を使うことは適切ではない」と述べ、元慰安婦らの意見を聞き、日韓関係に悪影響を与えないよう政府の方針を慎重に検討する姿勢を示した。
12月30日
日韓合意に基づき、韓国政府が元慰安婦支援のために設置した「和解・癒やし財団」の理事8人のうち、民間の5人全員が辞表を提出していたことが分かった。残る3人は外務省や女性家族省など政府派遣職員ら。関係者によれば、合意の“誤り”を大統領自ら断言している以上、「理事としている意味がなく、戻る気はない」と考えており、辞任の意志は固いとされた。財団の定款では、理事5人以上での運営が定められ、辞表が受理されれば、財団の事業は事実上、停止する。
<2018年>
1月4日
文在寅大統領が、元慰安婦8人や挺対協や挺対協が主導する「正義記憶財団」の代表らを招いて昼食会を開いた。大統領府によると、文氏は「日韓合意は真実と正義の原則に反するだけでなく、政府(朴槿恵前政権)がみなさんの意見を聞かず一方的に進めた。内容、手続き、いずれも間違ったものだ」と語った。「大統領として両国間の公式合意だった事実は否定できないが、合意で問題が解決されたということは受け入れないと言明した」とし、「みなさんから話を聞き、政府の方針決定に役立てる」とも述べた。
日本政府は同日、文在寅大統領が慰安婦問題に関する日韓合意は間違ったものだと発言したことに反発し、「合意を否定しているような発言だ。受け入れられない。合意を変更すれば、日韓関係は管理不能になる」と抗議した。駐韓日本大使館公使が韓国外務省に伝えた。
1月9日
康京和外相が、慰安婦問題の解決を確認した日韓合意に関する韓国政府の新方針を発表した。合意に基づき日本政府が拠出した10億円を日本に返還すべきだとの一部元慰安婦らの主張を踏まえ、同額を韓国政府が拠出し、日本拠出分の扱いを今後日本側と協議すると表明。合意が「両国間の公式合意だったという事実は否定できない」として、日本側に再交渉は要求しないとした。
これに対し、河野外相は同日、「日韓合意は国と国との約束であり、たとえ政権が代わったからといって責任をもって実施されなければならないというのが、国際的かつ普遍的な原則だ。合意の着実な履行は、国際社会に対する両国の責務だと認識している」「日韓合意で、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認したにもかかわらず、韓国側が、日本側に対し、さらなる措置を求めることは全く受け入れることはできない」と述べ、韓国側に直ちに抗議する意向を明らかにした。
1月10日
韓国の文在寅大統領が、大統領府で年頭の記者会見を開いた。慰安婦問題をめぐって「韓日両国が公式に合意した事実は否定できない」としながらも、「誤ったもつれは解かなければならない」と述べ、日本側にさらなる謝罪などを求めていく意思を示した。朴槿恵前政権当時に日本と結ばれた合意は、元慰安婦らの意向をほとんどくみ取ることなく、政府間で取り決めたもので、これでは「解決できない」との認識も改めて示した。また、韓国政府が10億円を拠出した理由については、「これで日本政府から受け取っていない元慰安婦も堂々と受け取れる」と説明した上で、「日本の10億円はよい目的で使えるならそれも望ましい。時間をかけて日本政府と協議する」と述べた。そして「日本政府が真実を認めて心から謝罪すれば元慰安婦も日本を許すだろうし完全に解決するだろう。日本に対して真実と正義の原則にもとづいて解決するよう促す」と述べ、日本側のさらなる対応に期待を示した。その上で「日本と心が通じる真の友人になることを望む」と述べ、「歴史問題と未来志向的協力を分離して努力していく」と主張した。
これに対し、同日、管官房長官は記者会見で、「(日韓合意で)慰安婦問題は最終的で不可逆的な解決を確認した。にも関わらず韓国側がさらなる措置を求めることは、わが国として全く受け入れることができない」とくぎを刺した。
1月11日
吉田清治が韓国に建てた謝罪碑を無断で書き換えたとして、公用物損傷などの罪で在宅起訴された元自衛官、奥茂治氏の判決公判が大田地裁天安支部で開かれた。裁判官は「故意があり、犯行を緻密に計画した」として、懲役6月執行猶予2年(求刑・懲役1年)を言い渡した。奥氏は判決後、記者団に控訴するかについて「吉田氏の碑文が嘘だということが判決文で認められているかを見て決めたい」と述べた。判決では、裁判官が理由などについて簡潔に読み上げただけで、判決の全文は手に入らず、“嘘”の認定があったかは確認できなかったため。また奥氏は、日韓の報道陣を前に「法治国家で司法手続きに従うのは当然のこと。刑に不服はない。重要なのは吉田清治氏の嘘が判決文に盛り込まれているかだ」「訴えてきたのは『国の施設が嘘の碑文を使い続ければ、国際的な恥になりますよ』ということ。韓国では、慰安婦問題が吉田氏の嘘の証言から始まっていることがほとんど知られていない」などと話した。
同月16日、奥氏は判決を不服として控訴した。前年12月に即日結審した公判では、検察や弁護人と裁判官のやり取りの大半に加え、論告求刑や最終弁論も通訳されなかった。奥氏は「罪状を判断するのに重大な欠落がある」と主張。
同月24日、奥氏は控訴を取り下げた。判決文に自ら訴えてきた事件の背景に「吉田氏の偽証」がある点が盛り込まれたと判断し、取り下げを決めた。判決文には、吉田氏の長男が、父親の嘘が原因で慰安婦問題が起きたと考え、碑の撤去を依頼した経緯が明記された。奥氏は控訴取り下げの理由を、自身のフェイスブックで、「控訴審の判決で韓国の『公務所が現在利用中している』との部分が取り消され万が一私が無罪にでもなったら何の目的で韓国まで出頭したのか、皆さんの期待が無益になり自己の事だけで戦いに来たような気がするからです」と述べた。控訴取り下げで1審判決が確定すれば、奥被告は前年6月の出頭から7カ月間に及んだ出国禁止措置が解かれ、近く帰国する見通しとなった。帰国後には、碑の所有権の確認や碑の完全撤去を求め、民事訴訟を起こすことも検討している。
1月12日
安倍首相が記者団に対し、慰安婦問題をめぐる日韓合意で、韓国政府が新たな措置を日本政府に要求する方針を発表した状況について、「合意は国と国との約束で、これを守ることは国際的かつ普遍的な原則だ。韓国側が一方的にさらなる措置を求めることは、全く受け入れることはできない」と明言した。また、「日本側は約束したことは全て誠意をもって実行している。韓国側に実行するよう強く求め続けていきたい」と述べ、重ねて韓国側に合意履行を促した。
1月16日
河野太郎外相がカナダのバンクーバーで韓国の康京和外相と会談。康氏は日韓合意では慰安婦問題は解決できないとする韓国政府の新方針を説明。河野外相は「韓国側が日本にさらなる措置を求めるのは全く受け入れられない」と述べ、新たな協議を拒否すると同時に、合意の着実な履行を求めた。河野外相は徴用工問題にも言及。韓国の民間団体が釜山の日本総領事館前に徴用工像を設置する計画を進めていることを問題視し、計画が実施されないよう韓国政府に対応を求めた。
1月17日
フィリピンを訪問した自民党の河井克行総裁外交特別補佐がドゥテルテ大統領と会談し、前年12月にマニラに日本軍占領下の慰安婦を象徴するフィリピン人女性像が設置されたことについて懸念を伝えた。これに対しドゥテルテ大統領は「しっかりとした措置をとる」との考えを表明した。
1月23日
韓国の鄭鉉栢女性家族相が、韓国紙・京郷新聞のインタビューに対し、日韓合意に基づき設立された韓国の「和解・癒やし財団」を年内に解散させたい意向を示した。また、「ワシントン、ニューヨーク、ベルリンで慰安婦問題に関する国際会議を開くなどし、効果的に日本に圧力をかけねばならない」と述べ、国際社会での対日圧力を強める考えを示した。日韓両国は合意で慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認し、国際社会で慰安婦問題について「互いに非難、批判するのを控える」ことで合意しているが、鄭氏の発言はこれを否定したもの。
同日、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は、在日韓国大使館の李煕燮公使に抗議し、「日本の立場と相いれないものだ」と申し入れた上で、合意の着実な履行を求めた。
1月24日
安倍首相が、韓国で2月9日に行われる平昌五輪の開会式出席のため訪韓する考えを明らかにした。その際に文在寅大統領と会談し、日韓合意に関し、文政権が示した新方針を「受け入れることはできない」と直接伝える意向を示した。平昌五輪に合わせた安倍首相の訪韓を、韓国側はこれまで繰り返し要請していた。安倍首相の開会式出席の是非について日本の世論は割れていた。韓国が示した新方針への批判が根強く(1月20〜21日実施の産経・FNN世論調査で「新方針に納得できない」が90.8%)、首相が訪韓すれば韓国と国際社会に対して間違ったメッセージを送ってしまう、などの反対意見が多数あり、首相も一時出席見送りに傾いたが、米朝対立で緊張が続く北朝鮮情勢(文政権は北朝鮮に対して非常に融和的である)などを考慮して再考したという。
2月8日
米軍基地村慰安婦被害者117人が韓国政府に対して起こした損害賠償請求訴訟で、ソウル高裁民事第22部(イ・ボムギュン裁判長)は、政府が強制収容された被害者らには700万ウォン(約70万円)ずつ、そのほかの被害者には300万ウォン(約30万円)ずつ、それぞれ支払うよう命じた。
2月9日
安倍首相が、平昌五輪開会式出席に先立ち、韓国・平昌のホテルで文在寅大統領と会談した。日韓合意について「合意は最終的かつ不可逆的に解決したとの合意であり、国と国の約束は2国間関係の基盤である」と述べ、一方的に新たな措置を求める韓国の方針は受け入れられないことを明確に伝えた。ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦像の撤去を要請したほか、日本の朝鮮半島統治時代の徴用工の問題についても、既に解決済みとして適切な対応を求めた。
日韓合意に関する首相の指摘に対し、文大統領は、
(1)合意は破棄しない(2)再交渉しない(3)合意に基づき設立された韓国の「和解・癒やし財団」を解散しない(4)日本が拠出した10億円は返還しない
ことを表明した。ただ文大統領は、合意を受け入れていない元慰安婦がいるなどとして、慰安婦問題は解決していないとの認識を示した。また、首相に解決に向けた協力を呼びかけたが、首相は応じなかった。
2月22日
韓国の鄭鉉栢女性家族相は、元慰安婦に対する住宅や医療の手当など、同国が行ってきた支援の重要性を説明した。さらに、同国内外各地に作られ続ける慰安婦像について、「二度と女性が傷つけられることがないよう、このような問題を忘れないためだ」と、設置の意義を強調。「元慰安婦や支援団体の声を聞いてこの事業を支える」と述べ、政府として、像設置などの活動を支援する考えを示した。鄭家族相はまた、韓国政府として今年(2018年)8月、慰安婦問題に関する資料を収集し、この問題の歴史教育や対外発信をするための拠点「慰安婦研究所」を発足させる方針を明らかにし、「慰安婦や『性奴隷』について、資料を集めている」と述べた。
日本の外務省は同日、鄭鉉栢女性家族相が「性奴隷」という表現を使ったことについて、「受け入れがたく、非常に遺憾」だとする声明を発表した。声明は、慰安婦問題は2015年の日韓合意で決着済みだとして、「『性奴隷』の表現は事実に反する。使うべきではない」と主張。合意が「国連や国際社会で互いに批判をしない」と定めていることを指摘し、韓国政府に誠実な履行を求めた。
2月23日
朝日新聞社の広報がツイッターで、「『朝日新聞の慰安婦に関する報道で誤った事実が世界に広まり名誉を傷つけられた』などとして、国内外に住む62人が弊社に謝罪広告の掲載などを求めた訴訟が、弊社勝訴で確定しました。これで慰安婦報道を巡り弊社を訴えた裁判がすべて、弊社の勝訴で終結したことになります」と投稿した。この投稿に対して多数の返信が付いたが、その大半が「傲慢だ」「朝日新聞が慰安婦報道をでっち上げた事実は消えない」「日本の名誉を傷つけ外交問題に発展させた朝日の罪は消えない」「英語版で未だに虚偽報道をしている。早く訂正しろ」など、批判的な内容だった。
2月26日
韓国の康京和外相が国連人権理事会のハイレベル会合で演説し、2015年の日韓合意は元慰安婦救済に十分ではないと指摘し、「政府は被害者の傷を癒やし、尊厳回復のための手段をとる」と述べた。また、「戦時中の性暴力について、われわれは慰安婦問題など過去から学ばねばならない。生存する被害者は尊厳回復を切望している」と訴えた。一方、康外相は「性奴隷」の表現は避けた。
これを受け、伊原純一・駐ジュネーブ国際機関政府代表部大使は同日、記者会見し、「容認できない」と述べ、演説後、ジュネーブの韓国政府代表部に抗議したと明かした。伊原大使は、慰安婦問題は日韓合意で「最終的かつ不可逆的」解決を確認したと強調。「(康外相は同理事会の演説で)この問題を持ち出すべきではなかった」と述べた。
27日、堀井学外務政務官が同理事会で韓国に対する反論演説をした。日韓合意は国連などの国際社会で互いに非難・批判することを控えることを決めたとし、「合意は国と国との約束であり、責任を持って実施されなければならない」と強調した。また22日の国連女子差別撤廃委員会で韓国代表団が「性奴隷」との言葉を使用したことに対しては、「この言葉は事実に反するので使用すべきではないし、日韓合意の際に韓国側とも確認していた」と訴えた。さらに「慰安婦が強制連行されたという見方は、故吉田清治氏が虚偽の事実を捏造して発表し、日本の大手新聞社の一つにより事実であるかのように大きく報道されたことによる」とも指摘した。
3月1日
文在寅大統領が「3・1独立運動」の記念式典で演説。慰安婦問題について「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはならない。戦時の反人類的な人権犯罪行為は終わったという言葉で覆い隠せない」と述べた。一方で、文大統領は慰安婦問題の解決に向けて「日本には特別な対応を要求しない」とも言明した。
菅義偉官房長官は同日の会見で、「日韓合意に反する。全く受け入れられず、極めて遺憾だ」と批判。外交ルートを通じて韓国側に「絶対に受け入れられない」と強く抗議した経緯も明らかにした。また日韓合意に関し「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した」と改めて強調。その上で「わが国は合意に基づいて、やるべきことはすべてやった。あとは韓国が約束をしっかり履行することを強く求めていきたい」と述べた。
3月1日
日本政府が、平昌五輪・パラリンピックの競技会場近くの公園に慰安婦像が設置されていることについて、「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意の趣旨と精神に反するとして、2月にソウルの日本大使館が韓国外務省に対し、撤去を含む「適切な対応」を申し入れた韓国政府に抗議していたことが分かった。慰安婦像は韓国の市民団体が2015年8月、江陵市の「3・1運動万歳記念公園」に設置した。
3月8日
挺対協から支援を受け日本政府への抗議活動を続けてきた元慰安婦の李容洙がフランスの下院を訪問し、韓国系議員らと面会した。元国家改革・簡素化担当相のジャン・ヴァンサン・プラセ氏の要請により実現した。プラセ氏は1975年、7歳のときに韓国からフランスに養子に出された。フランス政界から退いた後、韓国とフランスの親善を目指す財団「タリ(橋)」を設立。最近、慰安婦被害者を支援する韓国の福祉施設「ナヌムの家」を訪問し、李容洙の訪仏を要請していた。
4月12日
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の執行委員会が、「世界の記憶」(世界記憶遺産)の制度改革に向けアズレ事務局長が提出した行動計画案に見直しを求める方針を決めた。不透明な審査体制の改革は翌年以降にずれ込む見通しで、2018〜19年期の新規登録は困難となった。前年秋、延期が決まった慰安婦関係資料の登録審査も当面、凍結が避けられなくなった。
4月28日
フィリピンの華人団体などが首都マニラに2017年12月に設置した慰安婦像が、台座ごと撤去されたことが分かった。像の近くには数日前から重機が置かれていたという。日本大使館には撤去前日の27日にフィリピン政府から連絡があった。
この像については、ドゥテルテ大統領が1月に「像を撤去するように関係団体を説得することを約束する」と日本側に伝えていたことが5月1日、明らかになった。安倍晋三首相と親しく、日本との関係を重視するドゥテルテ大統領の判断が影響したとみられる。ドゥテルテ大統領は同年1月17日にマニラで自民党の河井克行総裁外交特別補佐と会談しており、その際、河井氏は像の設置について「日本側は激怒している」と批判した上で、安倍首相のメッセージとして「日本はアジア女性基金を設立し、歴代首相も謝罪の手紙を出した」などと伝えていた。メッセージには「私とあなたが築いてきた過去最高水準の日比関係が悪化することがないようにご理解とご支持を賜りたい」との内容もあった。これに対しドゥテルテ大統領は、フィリピン憲法の表現の自由との関係にも触れつつ、日本側の懸念と要請に理解を示し、関係団体の説得を約束していた。
ドゥテルテ大統領は4月29日の記者会見で、像の建立や撤去は関知しないとした上で「日本の償いは何年も前に始まった。侮辱するのはもうやめよう」などと述べ、公共の場への設置に反対する考えを示した。
5月1日
韓国の市民団体や労働団体がメーデーに合わせ、釜山の日本総領事館前に徴用工像の設置を試みたが、多数の警察官が動員され、阻止された。韓国政府は、事前に関連法令に従い必要な措置を検討するとしていた。韓国政府もやればできることが証明された形。ただ、像は日本総領事館付近の歩道上に置かれたまま。市民団体側は3日に総領事館前で会見を開き、「総領事館からさらに離れた所に動かす意思はない」と主張し、歩道を管轄する自治体との話し合いにも応じない考えを示した。
5月14日
韓国の「碩隠キム・ヨングン先生記念事業会」は、第24回キム・ヨングン民族教育賞受賞者に、元朝日新聞記者・植村隆氏を選定したと、明らかにした。中央日報はこの件について、「植村氏は朝日新聞社会部記者として活動していた1991年、日本で初めて旧日本軍従軍慰安婦の存在を記事化した。その後、日本右翼の標的になった植村氏は、暴力や脅迫、家族の安全が脅かされながらも所信を曲げず、著書『真実 私は「捏造記者」ではない』を通じて真実を知らせた」と報じている。
5月23日
米東部ニュージャージー州フォートリーの公園で慰安婦碑の除幕式が行われた。同州の慰安婦碑は5例目で、公有地への設置は4例目。地元の韓国系米国人の高校生が中心となった団体が主導して設置され、除幕式には韓国系住民や行政関係者ら100人以上が参加した。フォートリーの人口は約4万5000人で韓国系住民の割合は4割近いという。フォートリーの区議会は2017年12月、碑の設置を認める決議を全会一致で可決。2012年ごろから始まった設置計画は、韓国系団体の対立などでいったんは立ち消えになったが、16年から高校生らが前面に出る形となっていた。
5月31日
釜山の日本総領事館近くの歩道上に市民団体によって置かれたままとなっていた徴用工像を、この日の午後、歩道を管轄する地元自治体の釜山市東区が強制撤去した。撤去に先立ち韓国政府や東区などは、午前から市民団体側と協議をしていたが、決裂した。
6月14日
ベトナム戦争時の韓国軍兵士による性的暴行問題を追及する英民間団体「ライダイハンのための正義」(ピーター・キャロル会長)が、同問題を象徴する等身大の母子像を製作し、今秋にも米ワシントンの連邦議会議事堂の展示会場に持ち込み、韓国の責任糾明を訴えたいとの考えを明らかにした。「ライダイハンのための正義」は「慰安婦問題に比べて、韓国軍兵士がベトナム人女性に性的暴行などして生まれた子供のライダイハン問題は国際的にあまり認識されていない。第二次世界大戦とベトナム戦争の区別なく、女性への性暴力を犯した者は行動に責任を取らねばならない」としている。
6月15日
日韓合意は不当だとして、韓国の元慰安婦の女性10人が韓国政府に損害賠償を求めていた訴訟で、ソウル中央地裁が、原告の訴えを棄却した。地裁は「合意の法的責任の認定や合意に基づき日本が拠出した10億円の性格が不明確な点など、不足する部分は多い」としつつも、「外交的行為は国家間の関係で幅広い裁量権が許容される点を考慮すれば、違法とはいえない」との判断を示した。一方で、合意により原告個人の日本に対する損害賠償請求権が消滅するとはみなし難いとした。
6月18日
韓国の康京和外相が就任1年の記者会見で、慰安婦問題について「国際社会で慰安婦問題が『戦時の女性への性暴力』という非常に深刻な人権問題として位置付けられるよう、韓国外務省として計画している」と述べた。同日、外務省は外交ルートを通じて韓国側に抗議した。
6月19日
韓国の康京和外相が紛争地域における性暴力の根絶に向けた「女性とともにする平和イニシアチブ(主導)」の発足を宣言し、関連する市民団体の代表や専門家ら21人を諮問委員に任命した。諮問委員には、元慰安婦を支援する韓国挺身隊問題対策協議会の尹美香代表や、元慰安婦が暮らす施設「ナヌムの家」の安信権所長ら、慰安婦問題に関わる人物が少なくとも5人は含まれている。
7月7日
台北の慰安婦記念館で、アンネ・フランク展が始まった。オランダ・アムステルダムの博物館「アンネ・フランクの家」が協力し台湾当局も助成する展示会だが、宣伝用リーフレットにナチスのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)と慰安婦問題を同列視するかのような表現がある。
7月11日
米カリフォルニア州サンフランシスコ市で、慰安婦を「性奴隷」と記した碑文や像の寄贈を受け入れ、公共物化を承認したリー市長の死去に伴って行われた市長選で当選した元市議会議長、ロンドン・ブリード氏が市長に就任した。就任演説では、像などの公共物化を受けて大阪市が姉妹都市提携の解消を決定したことには触れなかった。
7月16日
「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」が組織名を「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」と変更すると発表した。2016年に設立された市民団体と組織統合した。正義連の理事長には挺対協の尹美香常任代表が就いた。
7月23日
ケント・ギルバート氏、山岡鉄秀氏ら有志が、慰安婦問題をめぐる朝日新聞電子版の英文報道に修正を申し入れていた問題で、朝日新聞は「申し入れに応じることはできない」と回答した。ギルバート氏は24日、東京都内で記者会見し「朝日は日本や日本人の名誉回復に努めることが自分たちの仕事だと思っていないことがはっきりした」と語った。
※「朝日新聞英語版の『慰安婦』印象操作中止を求める有志の会」への回答書の全文(朝日新聞社)
7月24日
韓国女性家族省は、慰安婦問題の日韓合意に基づき日本が拠出した10億円を韓国政府の予算で置き換えるため、相当額の予備費を計上する案が同日、閣議で承認されたと発表した。10億円を日本に返すべきだとの一部元慰安婦らの主張を踏まえ、韓国政府は同額を自国予算で拠出、日本拠出分を凍結する方針を既に示していた。女性家族省は、予備費をどう執行するかは日本政府などと協議して決めるとしている。10億円は合意に基づき設立された韓国の「和解・癒やし財団」に対し、2016年に日本が拠出。生存者や、故人の代理人らに現金が支給された。既に支給された資金を「韓国政府の拠出金」とすることで、日本から受け取ったとの意味合いをなくす狙いがある。
菅義偉官房長官は同日、記者会見で、「予算の使途は合意の精神に反するものであってはならない」とけん制、「韓国政府にはわが国の考え方をさまざまなレベル、ルートを通じて伝達しており、合意を着実に実施するよう粘り強く求めていく」と強調した。
8月2日
国連人権理事会のザイド・フセイン代表が、ニューヨークの国連本部での記者会見で、慰安婦問題に対する日本政府の迅速な対応を求めた。フセイン代表は、人権高等弁務官だった2016年にも、「性奴隷」という表現を使いながら日韓合意に批判的な発言をし、日本政府が抗議していた。
8月8日
中国上海市の上海師範大で10日に予定されていた旧日本軍の慰安婦問題に関する国際シンポジウムが中国政府の要請で中止になったことが分かった。「12日が日中平和友好条約の締結40周年に当たり、日本側に配慮したとみられる」と日本のメディアは伝えた。
8月10日
韓国女性家族省が、日本軍慰安婦問題研究所の開所式を行った。日本政府は即日抗議した。
8月14日
慰安婦問題を巡り、韓国政府が被害の記憶を国内外に伝える記念日と定めたこの日、天安で政府主催の式典が開かれ文在寅大統領が出席した。文氏は演説で、慰安婦問題は日韓間だけでなく、戦時の女性への性暴力で人類の普遍的な人権問題とした上で「韓日間の外交紛争につながらないことを望む」と述べた。文氏は、慰安婦問題が「韓日間の外交交渉で解決する問題とは考えていない」と指摘し、「韓日を含む全世界が反省し、二度と起こさないと固く誓ったときに初めて解決される。記念日に指定した趣旨もそこにある」と述べた。記念日が日本の責任追及を目的とするものではないと配慮をにじませた。式典は天安の国立墓地「望郷の丘」で開かれ、元慰安婦の女性らの追悼碑の除幕式が行われた。
文大統領の「慰安婦の日」行事出席に対し、日本政府は同日、日韓合意の着実な履行を申し入れた。
一方、台湾では、台南市内で、慰安婦問題を象徴する銅像の除幕式が行われた。台湾の野党、国民党の馬英九前総統が出席して挨拶した。馬前総統は「日本政府は謝罪と賠償を行うべきだが、民主進歩党(民進党)は政権党になって2年余り、この問題に触れていない」と政権を批判した。銅像除幕式を行う団体「台南市慰安婦人権平等促進協会」は「慰安婦の歴史への理解を広める目的」で同年4月に設立されたという。台湾政府筋は「銅像に政府は一切関与していない」と強調している。台北市内の日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の前では、女性団体が慰安婦問題への日本政府の謝罪などを求めて抗議の座り込みを行った。
日本政府は同日、日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会を通じて申し入れを行った。
8月15日
韓国の文在寅大統領が「光復節」の記念式典で演説。日本との歴史問題には深く踏み込まず、慰安婦問題などをめぐる日本の責任にも触れず、多くを南北関係に費やした。光復節の大統領演説としては異例。対日関係の悪化を避けつつ、北朝鮮の金正恩委員長に非核化の進展を呼びかける狙いがあったとみられる。
8月17日
国連人種差別撤廃委員会の対日審査の2日目の会合が行われた。日本政府代表の大鷹正人・国連担当大使は、慰安婦問題をめぐって会合中に委員から「性奴隷」という表現が使われたとして、「事実に反し、不適切」だと抗議した。日本側は、アジア女性基金を通じて元慰安婦への償い金支給や福祉支援を行ってきたと説明したが、鄭鎮星委員(ソウル大学教授で慰安婦問題の活動家)は「基金は徹底的な調査なしに設立された。償い金受け取りの拒否は難しかった」と述べた。また、日韓合意で両国が「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したとする日本の主張に対し、ガイ・マクドゥーガル委員(米国)は「政府間の合意で、個人の要求を消すことはできない」と発言。慰安婦への謝罪が必要だと主張した。マルク・ボシュイ委員(ベルギー)も「政府間の合意で解決はできない」と述べた。大鷹大使は、女性を強制連行したとする吉田清治の偽証を朝日新聞が報じたことで、慰安婦問題が世界的に広がったことに言及。不正確な情報が流布したことで「不幸な側面があった。この新聞はすでに謝罪した」と述べ、委員に客観的評価を求めた。
なお、2016年2月16日、国連女子差別撤廃委員会で当時の杉山外務審議官がやはり吉田清治と朝日新聞について説明したが、口頭によるものだったため、国連の正式な記録(文書)には残されていない。
8月下旬
朝日新聞の慰安婦問題にからむ英訳記事2本がインターネットで検索できないような設定になっていたことが判明。朝日新聞広報部は産経新聞の取材に対し、「記事を最終確認するため社内のみで閲覧できる状態で配信し、確認を終えてから検索可能な状態にした。その際に2本のタグ設定解除の作業が漏れてしまった」と説明し、8月24日までに設定を解除した。
検索できない設定となっていたのは、2014年8月5日付朝刊に特集「慰安婦問題を考える 上」に掲載された記事の英訳版2本。
●朝鮮半島で女性を強制連行したと虚偽証言した吉田清治氏を取り上げた記事を取り消した記事
●「女子挺身隊」と「慰安婦」の混同を認めたことを伝えた記事
いずれも朝日新聞デジタルのウェブサイトに2014年8月22日午前10時にアップされていたが、この2本の記事には、グーグルなどの検索エンジンの動きを制御し、利用者が特定ウェブページを訪問することを防ぐようにする「noindex」「nofollow」「noarchive」という3つの「メタタグ」が埋め込まれていた。
発覚のきっかけを作ったのは、慰安婦問題をめぐる朝日新聞電子版の英文報道に修正を申し入れていたケント・ギルバート氏らだった。ケント氏らが「吉田証言」に関する記事を撤回したことを英文で告知するよう申し入れた部分に対して、朝日は「2014年8月5日付記事の英訳版は『朝日新聞デジタル』で2014年8月22日に掲載し、現在も下記のURLで全文閲覧できます」と反論。そこでケント氏らは検索エンジンで問題の記事を検索したが見つからず、やがてネット民によりメタタグの存在が突き止められ、朝日の「検索避け」が発覚した。なお、これらは朝日英語版(AJW)ではなく、朝日日本語版の中に置かれた英訳記事であり、もともと英語圏の人が閲覧しにくい場所に置かれてあった。
※この問題の詳細はこちらを参照。
8月30日
国連の人種差別撤廃委員会が日本に対する報告書を発表し、慰安婦問題をめぐって日本政府に「被害者中心のアプローチによる恒久的な解決」を勧告した。2015年の日韓合意で「最終的かつ不可逆的解決」を確認したという日本政府の主張は受入れなかった。対日勧告は14年以来、4年ぶり。報告書は日本政府に対し、「恒久的な解決」には、韓国だけでなく「すべての国籍」の慰安婦も含め、日本が女性に対する人権侵害の責任を受入れるよう勧告した。元慰安婦や家族への適切な措置を含め、解決策を今後、同委員会に報告することも求めた。報告書はまた、日韓合意をめぐる日本の説明に「留意する」としたうえで、日本の対応は「元慰安婦への適切な相談がなく、軍による人権侵害への明確な責任提示をしていないという報告がある」と懸念を表明した。
菅義偉官房長官は31日の記者会見で「日本政府の説明内容を十分踏まえておらず極めて遺憾だ」として国連側に申し入れを行った経緯を明らかにした。申し入れは現地時間の30日、岡庭健ジュネーブ国際機関政府代表部大使が国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の担当幹部に対して行った。
河野太郎外相は31日の記者会見で「被害者中心のアプローチによる恒久的な解決」を日本政府に勧告した件に対し「委員会で取り上げるべきものでないとはっきりしている。繰り返し、そういうこと(勧告)が行われるのは、委員会の存在意義にも関わってくる」と述べ、同委員会の対応を強く批判した。
9月9日
「朝日新聞デジタル」の慰安婦問題に関する英語版記事2本がインターネット検索できない設定になっていた問題で、同じ内容の日本語の記事1本にも、利用者が特定ウェブページを訪問することを防ぐようにする「メタタグ」が埋め込まれていたことが、この日までに分かった。この記事は公開当時は検索可能な設定だったが、後からメタタグが埋め込まれていた。朝日新聞広報部は「8月23日に英語版のタグについて産経新聞の取材を受けた際、日本語版の記事についても確認作業をした。その際に配信システムの操作を誤り、記事の設定が変わっていたことが分かった」と説明した。すでにメタタグは削除され、検索できるようになっているという。
9月22日
米サンフランシスコ市が公共物として受け入れた慰安婦像と碑文が設置されて1年となったこの日、設置を主導した「慰安婦正義連合」(CWJC。中国系米国人らにより結成)が集会を開催した。地元市議のほか日本や中国からも支援者らが参加して「日本は謝罪しろ」などとシュプレヒコールを上げ、周辺をデモ行進した。集会には大阪で女性問題に取り組むグループなどが参加し、「慰安婦の歴史を否定する大阪市、日本政府と戦っていることをたたえる」としてCWJCから感謝状の贈呈を受けた。
9月27日
韓国海軍の報道官が、10月10日〜14日に済州島で開かれる国際観艦式において、「自国旗と太極旗(韓国国旗)だけをマストに掲揚するのが原則」だと、各国に通知したことを明らかにした。事実上の「旭日旗」外しであり、日本はこれを拒否し、国際観艦式への参加を取り止めた。招待された14カ国のうち、日本と中国は招待を拒否、フィリピンとマレーシアは当日キャンセルするなど、参加したのは10カ国だけ。参加した艦艇も、国旗を軍艦旗にしている米国、ベトナム、インドネシア以外は、全て各国独自の軍艦旗をメインマストに掲げた。
10月2日
米サンフランシスコ市が慰安婦を「性奴隷」と記した碑文や像を公共物化(市有化)したことをめぐり、大阪市は、吉村洋文市長がサ市に姉妹都市提携の解消を通知する書簡を送ったと発表した。これにより、大阪市とサ市の姉妹都市提携は解消された。4日、米サンフランシスコ市の市長室は、「1人の市長が、2都市の市民の関係を一方的に解消することはできない。サンフランシスコと大阪の姉妹都市関係は人々のつながりを通じてなお続いている」とするブリード市長の声明を公表した。その一方で、慰安婦像について「奴隷化と性的目的の人身売買の恐怖を強いられてきた全女性の苦しみを象徴するもの」と主張。「像によって忘れてはならない出来事と教訓を思い起こすことができる」と指摘した。
10月9日
日本の複数の保守系民間団体でつくる「慰安婦の真実国民運動」が、国連の人種差別撤廃委員会が8月末に日本に対して慰安婦問題への対応が不十分だと批判し、「人権侵害」の責任を認めるよう勧告したことに抗議する集会を国会内で開いた。「慰安婦問題は、人種差別とは全く関係がなく、日本が人種差別撤廃条約に加入した1995年以前の問題で、委員会で取り上げるのは不適切だ」とする決議を採択した。決議は、政府に対しても「主張すべきことは明確に主張」し、「日本国民の国益のために毅然と行動」するよう強く求めた。また、人種差別撤廃委のメンバーに、元慰安婦の支援を行う「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」の元共同代表らが含まれていることも問題視。「公正な審議を望むことのできない委員によって構成されている」と批判した。
10月30日
第二次大戦中に「『徴用工』として日本で強制的に働かされた」と主張する韓国人4人が新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判で、韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金に賠償を命じる確定判決を出した。前代未聞の判断であり、1965年の日韓請求権協定で「解決済み」である請求権問題を蒸し返したもの。11月29日には、やはり韓国大法院が「元徴用工」と主張する韓国人男性の訴えを認め、三菱重工業に損害賠償を命じた確定判決を出した。翌2019年1月11日には日立造船にソウル高裁が、1月18日には不二越にソウル高裁が賠償命令の判決を下すなど、日本企業敗訴とする協定違反の判決が定着した。韓国で同様の訴訟が進行中の日本の企業は70社を超える。
11月9日
元朝日新聞記者で慰安婦報道に関わった植村隆氏が、記事を「捏造」と書かれ名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と原稿を掲載した出版社3社に損害賠償や謝罪広告掲載を求めた訴訟の判決が、札幌地裁であった。岡山忠広裁判長は「櫻井氏が、植村氏が事実と異なる記事を執筆したと信じたのには相当な理由がある」として請求を棄却した。植村氏側は11月22日に控訴した。
11月19日
国連の強制失踪委員会が対日審査の報告書を公表し、慰安婦問題をめぐって日本政府に事実解明と責任者の処罰を勧告した。2015年の日韓合意で「最終的かつ不可逆的解決を確認した」とする日本の主張は、「補償を求める被害者の権利を否定するもの」だとして遺憾を表明した。報告書は、日本政府が慰安婦問題で「事実関係やデータを開示していないという情報がある」と指摘。慰安婦やその子供の失踪について、遅滞なく完全な調査を行うべきだと求めた。行方が分からなくなった慰安婦の子供についても調査が必要だとした。対日審査は同月5〜6日に行われ、日本政府代表は慰安婦問題で「調査の結果、軍や官憲による『強制連行』を確認できるものはなかった」と主張。アジア女性基金などを通じて日本が行ってきた問題解決の努力を説明した。同委員会は、2010年に発効した強制失踪条約について、加盟国の実施状況を審査する機関。勧告に法的な拘束力はない。
11月21日
韓国の女性家族省が、日韓合意に基づき設立された「和解・癒やし財団」を解散し、事業を終了すると発表した。合意履行を求めてきた日本政府の意向に反する措置。財団は合意に基づいて日本政府が拠出した10億円を財源に、元慰安婦や遺族に対する現金支給などの事業を行ってきた。10億円からこれまでに、合意の時点で生存していた元慰安婦の7割以上に現金が支給された。女性家族省によると、10億円のうち約5億7600万円が残っており、韓国政府が7月に代替金として一方的に編成した103億ウォン(10億円に相当)とともに、元慰安婦や関連団体などの意見を聞き「合理的に処理方法をまとめていく」という。拠出金の日本への返還については言及しなかったが、韓国外務省が日本政府と協議するなど、外交上の措置も取っていくとした。国会での聴聞など、関連する法的手続きに入る見通し。陳善美(チン・ソンミ)女性家族相は「被害者中心主義の原則の下で財団解散を進めることになった」とコメントした。韓国政府の発表を受け、同日、安倍首相は記者団に対し、「日韓合意は最終的かつ不可逆的な解決だ。国際約束が守られないのであれば国と国の関係が成り立たなくなってしまう。韓国には国際社会の一員として責任ある対応を望みたい」と述べた。また、秋葉剛男外務事務次官は、韓国の李洙勲駐日大使を外務省に呼んで抗議するとともに、日韓合意の着実な履行を求めた。23日、アメリカ国務省報道官は「和解・癒やし財団」解散に関し声明を発表し、日韓政府が協力して慰安婦問題の解決に向け対処していくことを促す立場を改めて打ち出した。
12月21日
岩屋毅防衛相が夜、記者会見し、韓国海軍艦艇が20日午後、石川県・能登半島沖の日本海で、海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射したと明らかにした(以降の経緯は省略。Wikipediaなどをご参照)。
12月31日
在フィリピン日本大使館は、同国北部ルソン島中部のラグナ州サンペドロ市に、慰安婦を象徴するとする「少女像」が設置されたことを確認したと、産経新聞に明らかにした。大使館は比政府に対して、慰安婦を象徴する像の設置は「日本政府の立場と相いれない」と説明したという。大使館は1月3日までに、「少女像」が撤去されたことを確認した。ちなみに、12月31日に発表された大統領府声明では、「すでに議論された(慰安婦)問題を不当に政治問題化することは控えるべきだ」との立場を表明。「いずれにせよ、日本は補償を含め過去の行為について心から償っている」と言及していた。
<2019年>
1月8日
韓国最高裁が新日鉄住金に対し、いわゆる徴用工として労働を強制されたと主張する韓国人男性らへの損害賠償を命じた判決をめぐり、韓国南東部の大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支部が、原告による同社の韓国内資産の差し押さえ申請を認める決定をしたことを明らかにした。
1月10日
文在寅大統領が年頭会見で、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた「徴用工」訴訟をめぐり、「三権分立で政府は介入できない。日本は判決に不満を表明できるが、仕方がないという認識を持つべきだ」と指摘。「政治的に争って未来志向を妨げるのは望ましくない」とも述べ、日本側の対応を批判した。日本政府が日韓請求権協定に基づいて9日に要請した協議には直接言及しなかったうえ、具体的な解決策も示さなかった。日韓慰安婦合意に基づいて設立された財団の解散問題や、海上自衛隊の哨戒機が韓国軍艦艇に火器管制レーダーを照射された問題については言及しなかった。
1月16日
ベトナム戦争に派遣された韓国軍兵士による現地女性への性的暴行などで生まれた「ライダイハン」と呼ばれる混血児の問題を追及する英民間団体「ライダイハンのための正義」が、英議会内で集会を開いた。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の性暴力を告発してノーベル平和賞を受賞したクルド民族少数派ヤジド教徒、ナディア・ムラド氏は「性暴力に対して団結し、正義の実現まで行動を」と訴え、韓国の戦争性犯罪である同問題への連携した取り組みを訴えた。
1月23日
韓国最高裁が朴槿恵前政権の意向でいわゆる徴用工訴訟の確定判決を故意に先送りしたとされる疑惑で、ソウル中央地検が、職権乱用などの疑いで、前最高裁長官の梁承泰(ヤン・スンテ)容疑者を逮捕した(2月12日に起訴)。
2月1日
1月28日に95歳で死去した金福童(キム・ボクトン)氏の告別式が、慰安婦像が設置されたソウルの日本大使館前で行われた。陳善美女性家族相を含め、主催者推計で約1,000人が参列し、黙祷をささげた。金氏は「慰安婦被害者らの象徴」といわれた存在だった。西村康稔官房副長官は同日午前の記者会見で、「在韓国大使館の安寧を妨害、または威厳を侵害するものであれば、外交関係に関するウィーン条約の規定に照らして問題がある」との認識を示した。
2月7日
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、同紙が先月末の紙面で掲載した韓国の元慰安婦、金福童氏の死亡記事に反論する外務省の大菅岳史報道官の寄稿をウェブサイトに掲載した。寄稿は、記事中の慰安婦問題をめぐる日本政府の対応や2015年の日韓合意に関する記述の誤りを正す内容で、一連の指摘こそが「否定しようのない事実だ」と強調している。
2月7日
文在寅大統領に近い韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が、ブルームバーグとのインタビューで、「(謝罪をするのは)日本を代表する首相かあるいは、私としては間もなく退位される天皇が望ましいと思う。その方は戦争犯罪の主犯の息子ではないか。そのような方が一度おばあさんの手を握り、本当に申し訳なかったと一言いえば、すっかり解決されるだろう」と述べた。文氏はかつて韓日議連会長も務めた人物。
文氏の発言に日本政府は強く抗議。複数回にわたって謝罪と撤回を求めたが、文氏は、12日、訪問先のワシントンで記者団に、「なぜこのように大きな問題になるのか。安倍まで出てきて抗議するのが私は理解できない」「これは(私が)謝罪する事案ではない」「10年前から語ってた持論だ」「被害者が最終的に許すというまで謝罪しろということだ」と述べ、発言の撤回や謝罪をしない考えを示した。
(なお、9日、韓国の国会報道官が朝日新聞の取材に「他の同席者にも確認したが、文氏は(天皇に関し)『戦争犯罪』という表現は使っておらず、『戦争当時の天皇の息子』と述べたと思う」と説明し、ブルームバーグが引用した「戦争犯罪の主犯の息子」という発言はしていないと否定したが、12日までにブルームバーグの公式サイトが文氏のインタビュー音声の一部を公開し、文氏が「戦争犯罪の主犯の息子」と語っていたことが明らかとなった)
その後も文氏の発言は止まらず、18日に韓国の聯合ニュースが報じたインタビューで、日本が謝罪と撤回を求めていることに対し、「謝罪する側が謝罪せず、私に謝罪しろとは何事か。盗っ人たけだけしい」と批判。さらに、インタビュー記事には、【文氏は10年前に天皇から韓国に行きたい、仲立ちしてほしいと言われた時、「何はともあれ、(慰安婦被害者の)ハルモニ(おばあさん)たちが集まっているところに行き、ひと言『すまない』と言うだけでいい」と話したとし…】という記述があった。夕刊フジが宮内庁に確認したところ、宮内庁は「そもそも面会した記録がない」と回答。25日には、河野太郎外相も衆院予算委員会で、「天皇陛下が文議長とご面会になったという記録はない」と述べた上で、「議長の一連の発言は甚だしく不適切だ」と不快感を示した。
2月25日
韓国の康京和外相が、スイス・ジュネーブの国連人権理事会で演説。慰安婦問題で「被害者中心の取り組みを進める」と述べ、2015年の日韓合意は不十分だという立場を示した。また、国連の人種差別撤廃委員会が2018年8月、日本政府に慰安婦問題で「被害者中心のアプローチによる解決」を勧告したことに触れ、「これまでの努力はこうした視点を欠いた。われわれは、史実に基づく正義を求める生存者を支援する」と発言。1月に死去した元慰安婦の金福童氏を「人権の唱道者だった」とたたえ、紛争下の女性に対する暴力をめぐり、今年中に国際会議を開く方針も示した。
これに対し、菅義偉官房長官は翌26日午前の記者会見で、日韓合意の着実な実施を強く求める申し入れを韓国側に行ったことを明らかにした。菅氏は、日韓合意について「慰安婦問題の最終的で不可逆的な解決を日韓政府間で確認したものだ。政権が代わっても責任を持って実施されないといけない」と指摘。「合意の着実な実施は、わが国はもとより国際社会に対する責務だ」と強調した。
2月28日
朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が、日本政府に対し、「被害者の観点で痛みを癒やし、謝罪する努力が必要だ」と指摘した。「三・一運動」から100周年となるのを記念し、ソウル都市建築センターで開かれた慰安婦問題に関する展示会を訪れ、報道陣に対し述べた。
3月1日
ソウルで「三・一独立運動」100周年記念式典が行われた。文在寅大統領が約1万人の市民を前に演説。「歴史の立て直しこそが重要であり、(日本の統治に協力した)親日の残滓(ざんし)清算が課題だ。親日については反省し、独立運動は礼を尽くされるべきだという価値を正しく確立することが親日清算だ」と指摘。一方、「隣国との外交で葛藤の要因を作ろうというのではない。親日清算も外交も未来志向的であらねばならない」とも訴えた。また、文氏は「朝鮮半島の平和のために日本との協力を強化する」と述べた。「力を合わせ(日本の朝鮮半島統治時代の)被害者らの苦痛を実質的に癒やしたときこそ、韓国と日本は心の通じる真の友人になる」とし、慰安婦問題などでの日本の協力を暗に訴えた。
3月5日
釜山市が、挺身隊問題対策釜山協議会(2004年設立)に4300万ウォン(約430万円)の事業費支援を決めたと明らかにした。これに先立ち、1日、呉巨敦(オ・ゴドン)釜山市長は、釜山市で開かれた「三・一独立運動」100周年記念式典で、日本総領事館前に設置された慰安婦像を、釜山市が管理するという意志を明らかにしていた。
3月6日
韓国の光州市議会が、光州市役所市民広場にある平和の少女像の前で、慰安婦問題解決のための日本政府の心のこもった謝罪と責任ある行動を求めた。市議会は声明文を通じて、「日本軍慰安婦被害者の名誉回復と法的賠償のために、日本政府が反人倫的犯罪の事実に対する公式的な認定とともに、謝罪をしなければならない」と要求した。続けて、「日本政府は行政的、立法的な賠償制度制定と共に類似犯罪の再発を防ぐため、正しい事実に基づき、日本史教科書に記載して教育しなければならない」と主張した。
6月3日
4月に公開された、慰安婦をテーマとした映画「主戦場」に登場する藤岡信勝拓殖大客員教授らが、「出演は承諾していない」として上映差し止めを訴えている問題について、監督の出崎幹根氏が記者会見し、「藤岡氏らに差し止める権利はない」と述べ、応じない考えを示した。出崎氏は、作中で藤岡氏らを「歴史修正主義者」と位置付けたことについて、「彼らは世界的に合意されている歴史観を変えようとしている。それは歴史修正主義だ」と述べ、「世界が考えている慰安婦問題とは、彼女たちは性奴隷であり、20万人いた、強制連行された人たちだということだ」とも主張した。
6月19日
映画「主戦場」の出演者5人(ケント・ギルバート氏、トニー・マラーノ氏、山本優美子氏、藤岡信勝氏、藤木俊一氏)が、映画の上映差し止めと計1300万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
6月26日
「慰安婦記事を捏造した」などと指摘する記事や論文で名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆氏が、文芸春秋と麗澤大学の西岡力客員教授に計2750万円の損害賠償と謝罪記事の掲載などを求めた訴訟の判決が東京地裁であった。原克也裁判長は「指摘は公益目的で、重要部分は真実」などとして植村氏の請求を棄却した。植村氏側は控訴。
7月1日
経済産業省が、韓国向けに輸出される軍事転用可能な一部の半導体関連物品について、企業ごとに一定期間包括的に許可する方式から、契約ごとに個別審査する方式へ切り替えると発表した(いわゆる対韓輸出管理強化)。8月2日には輸出管理上のキャッチオール規制(補完的輸出規制)における優遇措置、いわゆる「ホワイト国」(のち「グループA」へ改称)から韓国を除外する旨を閣議決定し、政令改正を経て7月28日より施行された。背景には、韓国が北朝鮮向けに無許可で物資支援を行ったり、日本からの輸出品の横流しをしているのではないかとの疑念が生じていたこと、また日本が求めた輸出管理に関する協議を、韓国が3年にわたって拒んでいたことがあった。しかし韓国側はこれらの措置を、いわゆる徴用工問題への報復として日本から仕掛けてきた経済戦争と捉え、激しく反発。韓国政府によるGSOMIA(日韓秘密軍事情報保護協定)の破棄決定(後に撤回)へとエスカレートしていく。
7月5日
日韓合意に基づき韓国で設立された「和解・癒やし財団」が登記上、解散したことを関係者が明らかにした。解散の申請は6月17日に行われ、7月3日、完了の通知が財団側にあったという。日本政府は同日、外交ルートを通して合意履行を韓国政府に求めた。
7月10日
李栄薫氏、李宇衍氏らが著述した「反日種族主義」が韓国で発売。内容は「日帝下徴用等強制動員・日本軍慰安婦被害者・独島領有権」となっており、日本の朝鮮統治時代に対する韓国人の通念を真っ向から否定しているにも関わらず、韓国でベストセラーとなった。日本語版は同年11月に発売。
7月28日
釜山市が、悪化している日韓関係が改善するまでの間、日本との行政交流を中断すると発表した。
8月3日
愛知県などが支援する国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」(芸術監督はジャーナリストの津田大介氏)が、開幕からわずか3日で中止された(10月に入場制限をかけて再開。7日間)。直接の理由は展示内容に対する脅迫だとされた。バーナーで昭和天皇の写真を燃え上がらせる映像を展示したり、「慰安婦像」として知られる少女像を展示するなどし、開幕当初から「日本に対するヘイトだ」などと批判が集中していた。
名古屋市の河村たかし市長は、自身が展示中止を求めた抗議について「表現の自由の規制が目的ではなく、公共施設の管理、利用方法が不適切と指摘した」と説明した。これに対し、愛知県の大村秀章知事が「表現の自由を保障した憲法21条に違反する疑いが極めて濃厚ではないか」と批判するなどし、波紋が広がった。
8月16日に大村知事により設置された「あいちトリエンナーレのあり方検証委員会」が、9月25日、検証委は中間報告を出し、「条件(脅迫や攻撃を回避すること、展示方法や解説を改善することなど)が整い次第、速やかに再開すべきだ」とした。中間報告では、津田大介芸術監督の責任が厳しく指摘された。
9月26日、この中間報告を受け、文化庁は補助金およそ7800万円を全額不交付とすることを決定した。補助金申請者である愛知県が、展覧開催に当たり、来場者を含め展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず、それらの事実を申告することなく採択の決定通知を受領した上、補助金交付申請書を提出し、その後の審査段階においても、文化庁から問合せを受けるまでそれらの事実を申告しなかったことが、不交付の理由とされた。
「あいちトリエンナーレ2019」は10月14日に閉幕したが、2019年末の時点で、大村愛知県知事と河村名古屋市長の対立が続くなど、余波は収まっていない。
8月14日
ドイツの首都ベルリンの観光名所ブランデンブルク門前に慰安婦像が展示された。在独韓国系団体が企画した。戦時下に性暴力を受けた女性を追悼する集会の一環としている。
8月14日
韓国で法定記念日に定められた「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」の政府主催の式典がソウルで開かれた。式典には元慰安婦や市民団体、専門家ら約300人が参加。文在寅大統領は出席せず、「韓国政府は被害者の尊厳と名誉回復のために最善を尽くす」「国際社会で共有し、広めていく」とのメッセージを寄せたが、日本への批判はなかった。
8月15日
文在寅大統領が「光復節」の記念式典で演説を行った。日本政府による輸出管理厳格化などを批判しつつ、日本に対する過度の刺激を避けた抑制した内容で、いわゆる徴用工や慰安婦の問題など具体的な日本との歴史問題について直接言及することはなかった。
8月22日
韓国大統領府がGSOMIA(日韓秘密軍事情報保護協定)の破棄を決定。破棄決定の理由について、李洛淵首相は「日本が根拠も示さず、韓国を安全保障上信頼できない国であるかのようにレッテルを貼り、輸出優遇国のリストから韓国を外したためだ」と説明した上で、「日本の不当な措置が元に戻れば、わが政府もGSOMIAを再検討することが望ましい」と述べた。
11月23日に失効期限を控えていたが、アメリカ政府からの継続要請を受諾する形で、協定失効前日の11月22日に開催した国家安全保障会議で協定失効通告の停止を決定した。
10月27日
米ワシントン近郊の南部バージニア州アナンデールで、韓国系米国人の市民団体が慰安婦像を設置。この日、韓国から元慰安婦を呼んで除幕式が行われた。米国内での慰安婦像の設置は南部ジョージア州、西部カリフォルニア州などに続き5体目。
11月13日
韓国の元慰安婦やその遺族らが日本政府に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が、ソウル中央地裁で行われた。慰安婦問題をめぐり日本政府が被告となる裁判の審理が韓国で行われたのは初めて。日本政府は、外国政府が他国の裁判から免除される国際法上の「主権免除の原則」に基づき出廷しなかった。
12月11日
ソウルの日本大使館前では毎週水曜日に慰安婦問題で日本政府を糾弾する集会が開かれているが、「反日種族主義」の共同著者で「反日民族主義に反対する会」の代表を務める落星台経済研究所の李宇衍研究委員らが、この集会の中止と大使館前に設置された慰安婦像の撤去を求める活動を、集会場の近くで行った。
12月18日
韓国最高裁が2018年にいわゆる元徴用工の訴訟で日本企業に賠償を命じた確定判決をめぐり、韓国の文喜相国会議長が問題解決に向けまとめた法案が韓国国会に提出された。法案は、日韓両国の企業と国民からの寄付金で財団を設立し、その基金から対象者に「慰謝料」や「慰労金」を支給するという内容。韓国最高裁が賠償を命じた企業に参加の義務はない。左派系の市民団体などは「日本からの謝罪がないまま免罪符を与える内容だ」と反発した。原案段階では「和解・癒やし財団」に日本政府が拠出した10億円の残金約6億円相当を移管する案を検討したが、元慰安婦関連団体が強く反発したため見送られた。
12月21日
愛知県で8月に開催された「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が一時中止になった騒動を受け、企画展「北海道・表現の自由と不自由展」が、札幌市で1日限定で開催された。愛子内親王殿下、名古屋市の河村市長や管官房長官など政治家、存命の一般人、赤ちゃんや子供、原爆の被害者などの写真が燃やされる作品は大きな批判を呼び、実行委員会がお詫びする結果となった。「慰安婦像」として知られる少女像は、高さ約10センチのミニチュアが展示された。
12月24日
日韓首脳会談が1年3カ月ぶりに行われた。安倍首相は「日韓関係は非常に厳しい状況にあるが、根本原因は旧朝鮮半島出身労働者問題(いわゆる元徴用工問題)にかかる最高裁判決にある」と従来からの立場を述べた。文在寅大統領は「解決の重要性は認識していて、早期に問題解決を図りたい」と応じたが、具体的な解決策の提示はなかった。
12月26日
慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年の日韓合意で精神的な苦痛を受けたとして、3年前に元慰安婦の女性12人が韓国政府に1人当たり1億ウォン、日本円にしておよそ940万円の賠償を求めていた訴訟で、ソウル高等裁判所が「韓国政府は合意が真の解決ではないことを認め、元慰安婦の名誉回復のために内外に向けた努力を続ける」という調停案を示し、元慰安婦側、韓国政府双方がこれを受け入れる方針を示した。
12月27日
2015年の日韓合意について、元慰安婦らが「韓国の憲法に違反する」と訴えていた裁判で、韓国の憲法裁判所は「違憲審査の対象ではない」として、原告側の訴えを却下した。ただ、日韓合意は条約締結の手続きを踏んでいない「政治的な合意」にすぎず「具体的な権利・義務が生じたとは認められない」とし、根本的に慰安婦問題とは何なのかについて日韓間で「共通の認識が存在しない」とも指摘した。日本では「原告の訴えが却下されたことで、いわゆる徴用工判決で悪化した日韓関係に再び悪影響を与える事態は回避された」という見方がある一方、「日本政府が韓国政府に求めてきた合意履行の義務を骨抜きにするような判断といえ、日韓関係にさらなる悪影響を与える可能性がある」とする論評も見られた。。
<2020年>
2月6日
元朝日新聞記者の植村隆氏が、慰安婦について書いた記事を「捏造」とされ名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と出版社3社に謝罪広告の掲載と損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌高裁は、訴えを退けた1審判決を支持し、植村氏の控訴を棄却した。植村氏は上告する方針。
3月3日
元朝日新聞記者の植村隆が、「慰安婦記事を捏造した」などと指摘する記事や論文で名誉を傷つけられたとして、文芸春秋と麗澤大学の西岡力客員教授に損害賠償と謝罪記事の掲載などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は、植村氏の請求を棄却した1審東京地裁判決を支持し、植村氏側の控訴を棄却した。植村氏側は上告する方針。
3月29日
「日本軍による慰安婦の被害者を支援する韓国挺身隊問題対策協議会」(旧名称は挺対協)がソウル市の支援金を重複申請し、審議過程で摘発されていたことが分かった。ソウル市はこの日、挺対協とその後身で事実上同一団体である正義記憶連帯が同時に性平等基金に申請を行っていた事実を確認し、1団体を支援から除外することを決めたと発表した。
5月7日
講義中に「慰安婦は売春の一種」という趣旨の発言をして物議をかもした延世大学社会学科の柳錫春(リュ・ソクチュン)教授が、学校側から停職1カ月の懲戒処分を受けた。柳教授は「懲戒に不服」とし「真実を明らかにするために努力する」と述べた。柳教授は2019年9月、講義中に「慰安婦は売春の一種」と発言し、問題提起した女子学生に「気になるなら、一度やってみますか」と問いかけてセクハラ論争が起こっていた。柳教授は7日に発表した声明文の中で、「『気になるなら、一度やってみますか』という発言は『研究を一度やってみなさい』という趣旨の発言だった」と釈明した。
5月7日
元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)が大邱で記者会見し、ソウルの日本大使館前で毎週開かれている日本政府への抗議集会(水曜集会)と、集会を主催する慰安婦支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連。旧挺対協)を強く批判した。李容洙は、日本大使館前での集会について「学生たちが尊いお金と時間を使っているのに、集会は憎悪を教えている」「学生たちに良い影響を与えず、集会はなくすべきだ」などと語り、「集会への参加学生からの募金はどこに使われるか分からない」「募金は元慰安婦のために使われていない」と批判。今後、集会に参加しない意思も示した。李容洙はさらに、「(正義連に)30年間だまされるだけだまされ、利用されるだけ利用されてきた」と述べ、2020年4月の選挙で「共に市民党」の比例代表として当選した尹美香(ユン・ミヒャン)前正義連理事長について、「私欲のため的外れなところに行った」と指摘した。李容洙の「暴露」は、以降次々と浮上する正義連と尹美香に対する一連の疑惑の発端となった。尹美香はこの時点では国会議員にまだ就任していない「当選人」。5月30日に就任予定。
5月8日
正義連(旧挺対協)が、前日の李容洙の会見について「李さんは92歳で記憶が歪曲されている」と反論。李には1億350万ウォン(約900万円。28年間で3回の支払い額合計)を支給したとし、領収書を公開した。
与党関係者らはこれまで「李さんの記憶ははっきりしている」と強調してきたが、今回、李が尹美香らを批判すると、記憶力の問題で片付けた。
なお、尹美香は同日、「(30年前に)李さんと最初に電話で話した時は、『私は被害者ではなく、私の友人が…』だった」とフェイスブックに書き、李が元慰安婦ではなかったとも受け取れる反応を示した。
李容洙は過去に何度か挺対協を批判したことがあるが、今回の騒動は異質であり、朝鮮日報は9日付の社説(日本語版)で、このように述べた。「慰安婦問題では国民から寄付を集め、日本からも慰労金を受け取り、最終的に国会議員にまでなった人物たちは今、これまであれほど持ち上げてきた女性を本物ではないかのように、あるいは認知症の老人のように取り扱っている。もし李さんが慰安婦でなかったのなら、これまで彼らはこれを知りながら利用してきたことになる。もしそのことが事実なら絶対に容認できない」。
5月11日
正義連(旧挺対協)がソウル市内で記者会見を開き、同団体が募金を元慰安婦のために使っていないなどとの指摘について、「募金を伝達するだけが支援事業ではない」として、募金の運用に問題はなかったと説明した。詳細な内訳の公表を要求する声には、「世の中のどの市民団体が活動内容を一つ一つ公開するのか」として回答を避けた。
しかし同日、朝鮮日報が取材したところ、正義連は「日本軍慰安婦被害者問題解決」のため受け取った寄付金の支出について、実際よりも過度に粉飾し会計処理を行っていたことが分かった。飲み屋で1日3300万ウォン(現在のレートで約293万7000円)を支払ったことになっていたが、正義連が当時実際に支払った額は430万ウォンで、会計処理ではその8倍近い額が記載されていた。また正義連が「寄付金の内訳は透明性を持って管理されている」として公表した2017年から2019年までの「年度別寄付金収入内訳および事業別支出内訳」も、記者会見のため別途作成された非公式資料だったことが明らかになった。正義連が自ら、かつて国税庁ホームページに公示した「公益法人決算書類」とも違っていた。正義連がこれまで税法に基づいて公示してきた資料もずさんだった。正義連は「人員不足の中で仕事を進めたため、内部的な問題があった。厳密ではなかった」と述べた。正義連の李娜栄理事長は李容洙と支持者に向けて、「心に不要な傷を付けてしまって申し訳ない」と公式謝罪した。だが、寄付金使用に関する疑惑については、「この問題で誹謗中傷し、ひいては活動家を分裂させ、傷付けた皆さん、反省してほしい」と非難した。正義連が2017年から支給されていた国家補助金を会計帳簿に記載していなかったことも確認された。収益内訳を「0ウォン」、あるいは支給額よりも少ない金額を記録していた。
一方、尹美香には別の複数の疑惑も発覚。挺対協時代から「共に市民党」公薦直前まで、この団体の運営を行いながら元慰安婦のための寄付金を本人名義の複数の個人口座を通じて常時集めてきた事実が明るみになった。寄付金を原資に「元慰安婦の憩いの場」として建設した建物の管理を尹美香の父親に任せ、管理費などの名目で2014〜20年に計約7500万ウォン(約650万円)を支給していたと、正義連は5月16日付の文書で明らかにし、陳謝した。他にも、娘の米国留学費問題、故人となった元慰安婦が作った奨学金を遺志とは異なり市民団体幹部の子弟に支給した問題など、疑惑が次々と持ち上がった。
こうした論争について、韓国の与党「共に民主党」の議員や尹美香は「親日勢力の最後の攻勢」と主張した。当初、韓国では保守系メディアのみが追求していたが、日々疑惑が広まるにつれ、左派系メディアも報道を始めるに至った。
5月13日
慰安婦たちの生活施設である京畿道広州市内の「ナヌムの家」について、京畿道が13日から3日間の特別調査に着手したことを発表した。道関係者は「元慰安婦のために使うべき政府の補助金・支援金が正しく使われていないという内部告発があった」と明らかにした。京畿道広州警察署も支援金横領疑惑についてナヌムの家の調査を開始した。この内部告発は、「ナヌムの家」職員が3月10日に政府に対する国民の提案や要求を書き込むインターネット・サイトを介して行ったもので、李容洙の暴露とは別ルート。告発者の一人は「ナヌムの家」で国際室長として働く矢嶋宰氏(日本人)。
5月14日
盧武鉉政権時代の2004年、沈美子(シム・ミジャ。2008年死亡)ら元慰安婦13人が正義連の前身団体である挺対協を相手取り、「恥ずかしい過去の経験を公表して行う募金行為と水曜集会の禁止」を求める訴訟を起こしていたことが、この日までに確認された。しかし、地裁は仮処分申請を棄却した。挺対協を「悪党」と呼んで批判した沈美子の名前は、南山の「記憶の場」にある元慰安婦の名簿にはないことが確認されたと、中央日報が19日に報じた。当時、名簿は挺対協が作成した。
5月20日
韓国のソウル西部地検が正義連のソウル市内の事務所の家宅捜索に入ったと発表した。翌21日には、正義連が元慰安婦の「憩いの場」としてソウル市麻浦区に購入した施設「平和のわが家」の家宅捜索を行った。「平和のわが家」は尹美香の住所として登録されており、実際に住んでいない場所を居住地として届け出る偽装転入疑惑も浮上。
5月21日
正義連の前身である挺対協が、10億ウォン(約8700万円)もの寄付金を獲得するため、元慰安婦の休養施設「平和と癒やしが出会う家」について、事実上虚偽の事業計画書を社会福祉共同募金会に提出していたことが、この日までに確認された。
また、挺対協が「欧州平和紀行」と題するプログラムを運営し、参加した学生に欧州現地で北朝鮮のスパイと会わせるなど、親北朝鮮・反米教育をしていたとする参加者の証言も明らかになった。
5月22日
2004年に、沈美子(2008年死亡)をはじめとする元慰安婦12人が「挺対協とナヌムの家が、元慰安婦6人を大金をかけて、中国から輸入して利用した」と主張した事実が明らかになった。
5月25日
元慰安婦の李容洙が2回目の記者会見を行った。正義連(旧挺対協)について「最初の会見の時に思いもよらなかったことがあまりにも多く出てきた」とし、尹美香次期国会議員を巡る不正疑惑については「検察が(捜査)することだと考える」と述べた。また、「1992年6月25日に(元慰安婦として)名乗り出た時に、尹氏が29日に集会があると言ったのである教会に行った。その日に日本のある先生が定年退職後に1000万円を(寄付して)くれたとしながら100万ウォン(現在のレートで約8万7000円)を配られた」とし、「それが何の金なのかは知らず、その時から挺対協が募金を集めるのを見た。なぜ募金を集めるのか分からなかった」と話した。さらに、挺身隊問題を扱う団体に何の権利があって元慰安婦を利用したのかと述べ、2回目の会見を開いたのはこのことを明らかにするためだったと説明。正義連が日本による謝罪と賠償を妨害したと批判した。
5月27日
正義連が2018年、6億3560万ウォン(約500万円)の寄付金を集めたが、元慰安婦の支援事業には約3%に当たる2240万ウォンしか使わなかったことが分かった。最大野党「未来統合党」の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)国会議員が行政安全部から提出を受けた正義連の寄付金募集・使用明細を明らかにした。
5月29日
尹美香が国会で記者会見を開き、「もっとはやく謝罪することができず申し訳ない」とした上で、「寄付金を募金しながらも元慰安婦らに伝達しなかった」「『憩いの場』を高く購入して安く売却した」「日韓合意を事前に知りながらも元慰安婦らに知らせなかった」など自身をめぐる疑惑をすべて否定した。娘の米国留学費用については、「留学資金はほとんどが夫(金三石。妹の金銀周とともに日本で北朝鮮の工作員と接触した容疑で1993年にスパイとして逮捕され、国家保安法違反で有罪が確定)の刑事補償金ならびに損害賠償金から充当された」とし、「それ以外の不足分は自分と家族の金から充当した」と述べた。また国会議員を辞退する考えがないことも明らかにした。尹には第21代国会の任期が始まる5月30日から「不逮捕特権」が与えられる。現職の国会議員は国会会期中、国会の同意がなければ逮捕・拘禁されない。
5月31日以降、北朝鮮の複数のメディアは正義連と尹を擁護、支持する主張を展開した。北朝鮮メディアの過剰な擁護は、尹や正義連の「親北疑惑」を裏付けることとなった。ちなみに尹や正義連の前身である挺対協はかつて、自分たちを「従北」と評した韓国の保守系ネットメディアを訴えたが、2020年2月に韓国最高裁で敗訴が確定している。
6月1日
「太平洋戦争犠牲者遺族会」が記者会見を開き、正義連への寄付金流用などの疑惑が取り沙汰されている尹美香を強く批判。議員を辞職し正義連を解散すべきだと主張した。また、正義連の前身である挺対協と尹氏が数十年間、元慰安婦中心の団体ではなく権力を振りかざす団体として規模を拡大したと批判した。会見に出席した梁順任会長は、元慰安婦たちが挺対協と尹氏を恐れていたとし、「政府はこれ以上、正義連に支援金を支給してはならない」と述べた。梁氏は会見前に聯合ニュースの取材に対し、「尹氏がうそをつかなければ見守ろうとしたが、うそをついたので記者会見を開くことにした」と説明。金銭に関する問題もあるとした上で、尹のような人が国会議員になってはならないと批判した。
6月6日
正義連がソウル市で運営する元慰安婦の生活支援施設「平和のわが家」の所長が、自宅で死亡しているのが発見された。自殺とみられる。第一発見者は尹美香の補佐を務める人物だった。疑惑の捜査を続ける検察当局は5月、正義連事務所とともに同施設も家宅捜索していた。
6月8日
文在寅大統領が尹美香と正義連の疑惑に初めて言及。「慰安婦運動の大義に傷を付けようとする試みは適切ではない」と述べたが、この問題の根源である尹の名前は口にしなかった。
6月24日
韓国の元慰安婦の支援団体がソウルの日本大使館前で28年間、毎週水曜日に行っている日本政府への抗議集会が、大使館前に設置された慰安婦像前から初めて場所を移して行われた。支援団体を批判する保守系市民団体「自由連帯」が先手を打ち、7月中旬まで慰安婦像前を集会場所とする警察の許可を得て支援団体の集会を阻止したため。
7月10日
9日に遺書を残して失踪していたソウル市の朴元淳市長の遺体が市内の山林で発見された。セクハラ被害を受けたという元秘書が8日に朴氏を告訴しており、これを苦にした自殺とみられる。朴氏は生前、人権派弁護士として知られ、慰安婦問題をめぐる日本大使館前での抗議集会にも参加。「女性の人権」を尊重する市長を標榜していた。
7月27日
韓国北東部の平昌にある「韓国自生植物園」がこの日までに、慰安婦像にひざまずき謝罪する安倍晋三首相を模し「永遠の贖罪」と題された像を園内に設置した。韓国メディアによると、像を作成した彫刻家は「日本がぬかずき、われわれがいいと言うまで贖罪して初めて許しが考えられるということを形にした。安倍首相が植民地支配や慰安婦問題への謝罪を避け逆の行動をしていることを刻み、反省を促す作品だ」と語った。同植物園のキム園長も「贖罪の対象を形にする必要があり、少女像(慰安婦像)と安倍首相で象徴させた」と説明した。ただ、像をめぐって韓国国内では賛否が分かれた。
翌28日、菅義偉官房長官は記者会見で、「事実関係は確認していない」としつつ、「国際儀礼上、許されない」と強い口調で非難した。その上で「仮に報道が事実であれば日韓関係に決定的な影響を与えることになる」とも語った。
なお、キム園長は29日、中央日報の電話取材に対し、「私は造形物が安倍首相だとただの一度も話したことはない」と述べているが、京郷新聞はじめ複数の韓国メディアが27日までに、この像は安倍首相であると名指しで報じていた。
8月11日
ソウル近郊の京畿道は、「ナヌムの家」で2015年から約5年間に集められた寄付金88億ウォン(約7億9千万円)の大半が、目的外に不正流用されていたとする調査結果を発表した。発表によると、施設に用いられたのは寄付金のわずか2.3%の約2億ウォン。その多くも元慰安婦のための直接経費ではなかったという。そのほかは施設を運営する「大韓仏教曹渓宗ナヌムの家」が法人口座で管理し、一般向けの療養施設や土地購入のために蓄えられていたとみられている。また、介護人が体の不自由な元慰安婦に心理的な虐待を加えたり、元慰安婦の絵や写真、寄せられた励ましの手紙がベランダに放置されたりしていたことも判明。「ナヌムの家」をめぐっては、職員から「寄付金が元慰安婦のために使われていない」との内部告発があり、官民合同で調査が行われていた。
8月12日
釜山の日本総領事館前に設置されている慰安婦像が、釜山市東区によって、この日までに事実上、設置が合法化された。釜山市議会は前年9月、市内の道路上に置かれた造形物の許可に関する条例の一部改正案を可決。これらを受け、市民団体が7月に道路占用許可を総領事館がある同区に申請。区は8月4日、申請を承認した。丸山浩平・駐釜山総領事は6日、区庁を訪れ、区による設置許可が外交公館の品位保護を義務付けたウィーン条約にそぐわない上、日韓関係を損なうと抗議。許可の取り消しを求めた。区は「適法な手続きによる承認」を理由に日本側の要求を拒否していた。慰安婦像は、2015年の日韓合意に反対する市民団体が、翌16年12月に設置し、以来、放置され誰も手が出せない状態が続いている。
8月13日
正義連の前理事長で与党「共に民主党」所属の国会議員の尹美香氏が、正義連の不正会計疑惑などについてソウル西部地検の取り調べを受けた。取り調べは13日午後から14日未明まで約14時間半に及んだ。尹氏の出頭は検察が5月に正義連の不正会計疑惑の捜査に着手して以降初めて。
8月14日
韓国の国定記念日「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」の3回目の式典が行われた。正義連や「ナヌムの家」による寄付金の不正流用疑惑などが続出する中での開催となったが、文在寅大統領は疑惑には直接言及せず、「問題解決のための運動の過程と結果、検証の全過程に開放性と透明性を持たせ、多様な市民が共に参与できることを望む」と述べるにとどまった。
9月14日
ソウル西部地検が、正義連の前理事長で与党「共に民主党」所属の国会議員の尹美香氏を、業務上横領や詐欺など6つの容疑で在宅起訴した(2021年4月現在で8つの容疑で起訴されている。補助金管理法違反、地方財政法違反、詐欺、寄付金品法違反、業務上横領、準詐欺、業務上背任、公衆衛生管理法違反)。また、正義連の理事も在宅起訴。翌15日、「共に民主党」は尹氏の党職を停止すると明らかにした。
10月8日
同年9月、ドイツの首都ベルリン中心部のミッテ区の公有地に韓国系市民団体が中心となって慰安婦像を設置した問題で、像が置かれた地区当局が、同団体に1年に限って出していた設置許可を取り消し、10月14日までに撤去するよう求めたと発表した。茂木敏充外相は最近、ドイツのマース外相との電話会談で像の撤去を要請していた。問題となっている像は現地の韓国系市民団体が中心となって設置し、正義連が製作費などを支援した。ドイツ国内に設置された慰安婦像は3体目で、今回初めて公共の場に設置された。
10月13日
ベルリン市ミッテ区は13日、区内の公有地に設置され、いったん撤去を求めた慰安婦像について、設置を「当面認める」と発表した。韓国系市民団体が撤去決定の効力停止をベルリンの裁判所に申請したことを受け、14日までとしていた撤去期限を前に、新たに判断した。今後、日韓双方が折り合える妥協案を探りたいとしている。これに先立ち、シュレーダー前ドイツ首相夫妻(妻が韓国系)が撤去指示に協議し、ドイツ当局に決定を撤回するよう要請する手紙を送っていたことも判明している。
10月19日
台北市にある台湾唯一の慰安婦記念館「アマ(おばあちゃん)の家」が11月10日に閉館することが、この日までに判明。運営団体関係者が明らかにした。台湾社会での慰安婦問題への関心低下や新型コロナウイルス流行の影響などで来館者が激減し、運営難に陥ったのが理由。慰安婦記念館は中国国民党の馬英九前政権時代(2008年〜16年)に立案・準備され、16年末に開館。同年3月の除幕式には当時の馬総統も出席した。台北市を拠点とする人権団体「婦女救援基金会」が運営し、台湾で確認された日本統治時代の元慰安婦約60人の人生を紹介し、元慰安婦らが作った手芸品なども展示。日本政府に謝罪と賠償を求めるイベントも主催してきた。国民党は日本に厳しい姿勢をとることで知られるが、冷ややかな反応を示す台湾の市民は少なくない。なぜなら国民党は一党独裁時代、金門島などの離島に駐屯する兵士らのために「軍中楽園」と称する娼館を設置し、李登輝時代の1990年に廃止されるまで約40年も営業し続けた。その問題を無視し、「日本統治時代の慰安婦だけを問題視することはおかしい」(民進党関係者)との声が上がっている。
11月2日
名古屋市の河村たかし市長はこの日の記者会見で、ドイツ・ベルリン市ミッテ区の公有地に設置されている慰安婦の被害を象徴する少女像に抗議し、撤去を求める文書を同区の区長に送付する意向を示した。
外務省もこの問題を受け、女性を「性奴隷」にした事実はないなどとする慰安婦問題の見解をドイツ語に訳し、この日までにホームページに掲載した。旧日本軍が被害女性を「強制連行」したとの指摘についても、日本政府が確認した関連資料の中に見当たらないとして反論した。英語版は以前から掲載している。
11月11日
ソウル西部地方裁判所所属のイ部長判事が急死。最近では尹美香事件を担当していた。尹議員の初公判は同月30日に開かれる予定だった。
11月18日
元朝日新聞記者の植村隆氏が従軍慰安婦について書いた記事を「捏造」とされ名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と出版社3社に謝罪広告の掲載と損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は植村氏の上告を退ける決定をした。請求を棄却した1、2審判決が確定した。
11月18日
ドイツ・ベルリン市ミッテ区の公有地に韓国系市民団体などが設置した慰安婦像をめぐり、自民党有志議員が同区が示した像の撤去方針を支持する声明文を、同日付でミッテ区長と区議会議長にメールで送った。稲田朋美元防衛相や高鳥修一衆院議員、青山繁晴参院議員らが呼びかけ、82人の国会議員が賛同した。声明では、ミッテ区の慰安婦像を「芸術作品または戦時性暴力被害者一般に対する表現ではなく、日本のみを標的とし、日本の尊厳を一方的に傷つけている」と指摘。「ミッテ区が一方的な政治的支持を示す印象を与え、日独間の友好関係に悪影響を及ぼす恐れがある」と訴えた。
11月30日
正義連の前理事長で国会議員の尹美香被告に対する事実上の初公判である公判準備手続きが、ソウル西部地裁で行われた。尹被告側は起訴事実を全面的に否認した。被告人の出席義務はなく、尹被告は欠席した。
12月1日
韓国の聯合ニュースなどによると、ドイツの首都ベルリン市ミッテ区の公有地に韓国系団体が9月末に設置した慰安婦像について、同区議会はこの日、永続的な設置に向けた方策を見いだすよう区側に求める決議案を賛成多数で採択した。これを受け、一時は設置許可を取り消した区側が永続的な設置を認める可能性もある。決議文は「像が戦時中の性暴力に関する議論の契機となる」などとし、1年間限定で許可した像の設置が継続されるように、区側に対応を要請した。決議文には「河野談話」も引用された。
12月13日
正義連の前理事長で国会議員の尹美香が、元慰安婦の誕生祝いと称してマスクをせずにワインパーティーを開き、「(元慰安婦の)吉元玉さんの誕生日をお祝いし、健康を祈願」などとする文章とともに、知人5人と撮った写真をSNSで公開したところ、韓国国民から批判が殺到。尹氏は急いで写真を削除した。韓国ではこの日新型コロナ感染者が過去最多となっていたこともさることながら、吉氏が問題のパーティーには参加していなかったことが、より世論の非難を強める形となった。
16日、尹氏が所属する与党「共に民主党」は、尹氏に対し、「厳重に警告することを決めた」とする首席報道官の声明を出した。
12月18日
2021年度から使用される中学校歴史教科書の一部で、2004年度(平成16年度)検定以降は使われていなかった「従軍慰安婦」の記述があることについて、「新しい歴史教科書をつくる会」(高池勝彦会長)などが、「検定基準に違反する」として、出版社側に記述削除を勧告するよう求める要望書を萩生田光一文部科学相あてに提出した。記述があるのは、文科省の検定に合格した山川出版の歴史教科書。要望書を提出した同会と「慰安婦の真実国民運動」(加瀬英明代表)は、記述の問題点について、軍属として勤務した慰安婦は確認されておらず、「従軍」の用語を使うのは不適切であり、「(裏付けのない)強制連行というイメージと深く結びついて使われるようになった言葉」としている。さらに、文科省の検定基準は、教科書の記述内容を「閣議決定などで示された政府の統一的な見解」か、「最高裁の判例」に基づくことを求めていると指摘した。これまで政府は「(調査で)強制連行を直接指示するような記述も見当たらなかった」などとする見解を示してきた。
<2021年>
1月8日
韓国の元慰安婦ら12人が日本政府を相手取り2013年に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は原告側の請求を認め、日本政府に対し原告1人当たりに1億ウォン(約950万円)の賠償支払いを命じる判決を言い渡した。日本政府を相手取った元慰安婦らによる訴訟としては今回が初の判決。日本政府は、他国の裁判権に国家は服さないという国際法上の「主権免除」の原則に基づき、訴えの却下が相当として、これまで審理に出席していない。韓国の司法府は今回、この原則を適用しなかった形。原告勝訴となったことで、日本政府が控訴しなければ、判決は今回の1審で確定する可能性が高くなった。韓国国内の日本政府の資産が差し押さえの対象となることもあり得る。いわゆる徴用工訴訟で韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた判決を受け、韓国では日本企業の資産現金化に向けた手続きが進められている。ただ、今回の訴訟は、訴えの対象が民間企業ではなく、日本政府であることで判決は注目された。主権免除の原則を無視した形で、日本の主権も尊重されず、国家への強制執行が現実味を増したことで、日韓関係はさらに悪化の勢いに歯止めがかからなくなった。
同日、外務省の秋葉剛男事務次官は、南官杓駐日大使を同省に呼び、抗議した。
9日、茂木敏充外相は、韓国の康京和外相に電話で直接抗議した。
11日、韓国のソウル中央地裁は、日本政府に元慰安婦の女性への賠償を命じた判決が、日本政府が方針通り控訴しない場合、23日午前0時(日本時間同)に確定することを明らかにした。
同日、文在寅大統領が「新年の辞」を発表したが、この訴訟の判決については触れず、日本との関係に関しては、「未来志向的な発展のためにも引き続き努力していく」との従来の姿勢を示すにとどまった。
1月11日
同月8日に判決が出た元慰安婦らの損害賠償訴訟とは別の、2016年に李容洙氏ら20人が日本政府に総額30億ウォン(約2億8千万円)の賠償を求めていた訴訟について、ソウル中央地裁は、予定していた同月13日の判決日程を取り消し、3月24日に弁論を再開すると決めた。地裁は変更の理由を公表していない。
1月18日
文在寅大統領が年頭の記者会見で、日韓関係悪化の原因となっている慰安婦問題や、いわゆる徴用工問題について言及。「韓日間には解かねばならない懸案があり、外交的に解決しようと両国はさまざまな協議をしている。そんな中、(8日のソウル中央地裁の)慰安婦判決が出た。率直に言って、少し困惑しているのが事実だ」と述べた上で、「過去の歴史は過去の歴史として、韓日関係は未来志向的に発展していかねばならない。すべての問題を結び付けては、ほかの分野の協力にも影響が及ぶ」と指摘。2015年の合意について「韓国政府は両国間の公式的な合意である事実は認める」とし、合意を土台として問題を解決していくべきだとの考えを示した。また、いわゆる元徴用工の問題についても「(慰安婦問題と)同じだ」とし、日本企業に賠償を命じた韓国最高裁の判決に従って進められている日本企業の韓国国内資産の売却手続きについて「強制執行の形での(資産の)現金化は韓日関係において望ましくない。そうなる前に両国が解決策を見いだすべきだ」と語った。ただ、「原告(元徴用工ら)が同意できるものでなければならない。原告を最大限、説得するかたちで問題を解決できると信じている」とし、“被害者中心主義”での解決の重要性を訴えた。
1月22日
「ナヌムの家」の寄付金不正流用事件で、水原地検城南支庁は、施設の安信権前所長と前事務局長の2人を詐欺の罪で在宅起訴したことを発表した。
1月23日
韓国のソウル中央地裁が日本政府に対し元慰安婦の女性らへの賠償を命じた判決が午前0時に確定した。日本政府は、国家は他国の裁判権に服さないという国際法上の「主権免除」の原則に基づき、訴えの却下が相当だとして公判に出席しなかったが、地裁は日本側が判決文を受け取ったとみなす「公示送達」の手続きをとった。判決確定を受け、原告側は強制執行手続きに着手し韓国国内の日本政府の資産を差し押さえることが可能となった。ただ、大使館などの公館は国際法上、差し押さえができない。強制執行手続きを進める場合にも、相当の時間を要することが予想される。
茂木敏充外相は同日、談話を発表し、「極めて遺憾であり、断じて受け入れることはできない」と改めて判決を批判した。茂木氏は談話で、「国際法上、国家は主権を有し、互いに対等な存在であることから、外国の裁判権に服することはない」と強調。請求権問題は昭和40(1965)年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決」されており、判決は「国際法および日韓両国間の合意に明らかに反する」とした。その上で、韓国政府に対し、「国家として自らの責任で直ちに国際法違反の状態を是正するために適切な措置を講ずることを改めて強く求める」と要求した。
1月下旬
米ハーバード大のJ・マーク・ラムザイヤー教授が、慰安婦が当時政府規制下で認められていた国内売春婦の延長線上の存在であることを理論的実証的に示した学術論文が、3月刊行予定の「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス」誌65巻に掲載されることが分かった(先駆けて、雑誌ホームページですでに閲覧可能となった。こちらをクリック)。本論文では、他の研究者の業績や当時の日本・朝鮮の史料に基づき、朝鮮人慰安婦も日本人慰安婦も公認の売春婦であり、日本軍に拉致され売春を強いられた「性奴隷」ではないこと、慰安婦をめぐる問題点は朝鮮における募集業者にあったことが指摘されている。米国の高名な会社法学者であるとともに、日本研究の大家でもあるラムザイヤー教授が、他の専門研究者の査読を経た学術論文で、「慰安婦=性奴隷」説に異を唱える議論を展開した意義は大きい。ただ、ラムザイヤー教授は韓国側から激しい攻撃にさらされることとなった。ハーバード大の韓国人留学生が非難と抗議の声を上げ、ニューヨークなど各地の在米韓国人団体や親韓学者などが呼応し、論文の撤回や教授の辞職を要求しデモまで行われた。
1月29日
加藤勝信官房長官は記者会見で、4月から使われる中学校歴史教科書に「従軍慰安婦」という記述があることについて、文部科学省の教科書検定の基準に沿ったものだとの認識を示した。
2月1日
外務省がこの月から、慰安婦問題に関する「強制連行」や「性奴隷」といった事実と異なる主張に反論する同省ホームページの記述を拡充した。記述を拡充したのは「歴史問題Q&A」のページ。従来は「強制連行」や「性奴隷」といった史実に基づかない主張があることを簡潔に紹介していたが、2月1日からは各用語を取り上げ、問題点を詳述するよう変更した。同様の記述は同省HPの「慰安婦問題についてのわが国の取組」にもあるが、より多くの閲覧者に認知されるよう「Q&A」にも掲載した。反論の拡充は自民党外交部会も求めていた。
2月8日
加藤勝信官房長官が衆院予算委員会で、慰安婦をめぐる表現について「近年、政府は『慰安婦』という用語を用いており、『従軍慰安婦』は用いていない」と述べた。日本維新の会の藤田文武氏の質問に答えた。
2月23日
韓国の崔鍾文第2外務次官が国連人権理事会でビデオ演説し、慰安婦問題について「普遍的な人権問題として取り組まなければならない。紛争下でのこうした深刻な人権侵害の再発は防がなければならない」と訴えた。韓国は前年まで3年連続で康京和外相がジュネーブの人権理会場で演説し、慰安婦問題に触れてきた。ただ今回はオンライン形式にもかかわらず外相は登場しなかった。
加藤勝信官房長官は25日の記者会見で、日本政府がこれに対して反論したことを明らかにした。人権理で「答弁権」を2回行使し、日本政府の立場を述べたと説明した。(1)平成27年の日韓合意に照らして韓国側の主張は受け入れられない(2)日本政府は合意に基づいて韓国の財団に10億円の支出を行うと約束し、全て誠実に実施した(3)日本政府に元慰安婦らへの賠償を命じた韓国地裁判決は国際法違反で是正措置を求めている−ことなどを挙げたという。
2月23日
同年4月から使われる中学校歴史教科書で久々に登場する「従軍慰安婦」の記述をめぐり、「新しい歴史教科書をつくる会」などが教科書会社に記述削除を勧告するよう文部科学省に求めている問題で、同省が改めて「勧告することは考えていない」と同会に回答したことがこの日、分かった。同省は回答で、当該箇所の記述内容が強制連行を否定した政府見解に反したものではなく、「検定意見を付す必要はないと教科書検定調査審議会で判断された」と説明した。
今回の問題をめぐっては、同会などが2020年12月に萩生田光一文科相あてに削除勧告を要請。2021年1月に同省教科書課名で「審議会の学術的・専門的な審議の結果、検定意見は付されなかったので、記述の訂正を勧告することは考えていない」と回答があったが、同会などは再要請していた。
3月9日
米東部ペンシルベニア州フィラデルフィア市で、韓国系団体が、慰安婦像を設置した公園の造成を計画していることが分かった。韓国メディアによると、市当局は建設計画を承認しており、韓国系団体は2021年末の着工を目指している。同市議会は同月、慰安婦が公的に認められた売春婦であることを事実上示した米ハーバード大のラムザイヤー教授の学術論文について「無礼な歴史の書き換え」と指摘する反論決議を採択していた。
3月11日
「慰安婦記事を捏造した」などと指摘する記事や論文で名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆氏が、文芸春秋と麗澤大学の西岡力客員教授に損害賠償と謝罪記事の掲載などを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は植村氏の上告を退ける決定をした。植村氏の請求を棄却した1、2審判決が確定した。
3月30日
文部科学省は、令和4年度から高校で使用される教科書(主に1年生用)の検定結果を公表した。世界史と日本史を統合した必修科目「歴史総合」では、大半が「慰安婦」を取り上げるなど一部で自虐的な傾向が強まった。
4月20日
国のソウル中央地裁が同年1月、元慰安婦への賠償支払いを日本政府に命じた確定判決について、同地裁の別の裁判官らが判決内容の一部を職権で事実上変更し、訴訟費用の確保に向けた日本政府資産の差し押さえを認めない決定を出したと、韓国紙の中央日報(電子版)が報じた。決定は、差し押さえが「国際法違反になりうる」との判断を示した。決定は判断の根拠として、2015年の日韓合意に加え、両国民の請求権について「完全かつ最終的な解決」を確認した1965年の日韓請求権協定に言及。いわゆる徴用工問題をめぐる資産差し押さえに関しても、今後の司法判断に影響を与える可能性がある。
4月21日
元慰安婦や遺族ら計20人が日本政府を相手取り損害賠償の支払いを求めた訴訟で、ソウル中央地裁は、原告側の訴えを却下する判決を言い渡した。慰安婦問題をめぐっては、1月に判決が確定した同種訴訟で日本政府の賠償責任が認められており、裁判官によって判断が分かれるねじれが生じる形となった(判決要旨はこちら)。
この日の判決に先立ち、同地裁のまた別の裁判官らが1月の確定判決についても内容の一部を職権で事実上変更し、訴訟費用の確保に向けた日本政府資産の差し押さえを認めない決定を出したことが20日、明らかになっていた。
4月21日
国連教育科学文化機関(ユネスコ)執行委員会は、全体会議で「世界の記憶」の新制度を承認した。加盟国が「政治利用」とみる申請案件の登録を阻止できるようになる。2015年に始まった制度改革は日韓の対立で難航し、日本の主張に沿った形で決着した。「日本有利」の流れを決めたのは中国やロシアの支持だった。中国をめぐっては、人権団体が天安門事件資料の登録を目指す運動を展開しており、これに対する懸念が一因とみられる。今回の制度改革が承認されたことで、韓国側から慰安婦関連資料が再申請されても、日本が異議を唱えるのは確実で、登録の見込みはなくなった。
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※参考サイト
・Wikipedia>慰安婦の年表
・国民が知らない反日の実態>従軍慰安婦問題の年表
・産経新聞2014年10月19日朝刊大阪版>現代史家・秦郁彦氏に聞く 慰安婦問題 政府どう取り組むべきか(慰安婦問題めぐる経緯(表))
・週刊文春臨時増刊 「慰安婦」捏造と「朝日新聞」 2014年 10/3号
・どうして日本はこうなった!(2014/1/16)
・韓国政府、慰安婦募集広告ページを消去(enjoy Korea 2007/03/05)
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※拙ブログ関連エントリー(慰安婦問題(厳選))
・(旧ブログ)06/3/4付:朝日はいつまで「元慰安婦」を利用するの?(李玉善氏と金君子氏の証言の変遷)
・(旧ブログ)06/3/19付:米連邦最高裁判所が「慰安婦」にNO!
・07/2/22付:「報道2001」慰安婦問題ホンダ議員生出演
・07/3/17付:【資料】慰安婦問題おさらい10問10答
・07/3/19付:「たかじん」慰安婦問題(全文テキスト)
・07/3/27付:「WiLL」慰安婦問題特集
・07/4/9付:元慰安婦「李容洙」証言の矛盾
・07/6/30付:慰安婦問題「寝た子を起こすな」でいいの?
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・13/12/21付:続・韓国軍によるベトナム民間人虐殺問題「SAPIO」13年1月号(ライダイハン)
・14/1/28付:「アンカー」有本香さんがNHK会長を慰安婦問題で質問攻めにした朝日新聞を批判
・14/2/1付:ミヤネ屋で籾井会長の慰安婦発言を批判した元NHK職員の正体…Tweetまとめ14.01.16〜14.01.31
・14/2/3付:韓国「慰安婦漫画」仏の国際漫画祭で日本側が冷遇された本当の理由?
・14/2/14付:NHKワールドの慰安婦解説が河野談話より酷い件
・14/2/18付:売春大国韓国<反日慰安婦プロパガンダ の欺瞞
・14/2/21付:【署名】河野談話見直しを求める国民運動署名【拡散】
・14/4/26付:NHK 時論公論「在米韓国ロビーと慰安婦問題」日系の苦悩を完全スルー!出石直氏の偏向解説アーカイブ
・14/2/27付:「アンカー」なぜ中韓はいま日本叩きか&河野談話めぐる石原証言の意味と自民が河野洋平を国会に呼びたくない理由
・14/3/29付:河野談話見直し署名、締切までわずか!
・14/6/2付:慰安婦問題で火付け役を自負する高橋喜久江…Tweetまとめ14.05.16〜14.05.31
・14/6/21付:河野談話作成過程の検証結果が出た!談話の“無力化”に向け一歩前進です
・14/6/26付:「アンカー」河野談話検証報告書から見える慰安婦問題の真実 『見直さない』の真意は? 抜け落ちた『慰安婦は身売り』 独立記念館は捏造だらけ
・14/7/1付:米軍慰安婦訴訟は日本にとって吉か凶か…Tweetまとめ14.06.16〜14.06.30
・14/7/7付:慰安婦強制連行の虚構と元朝日記者の耳を疑う弁解「間違いに気づいていたが…」
・14/7/12付:欧米で理解されない慰安婦強制連行の虚構…JAPAN EXPOに今年も韓国ブース…民間有志が国連へ!
・14/8/2付:戸塚悦朗は「慰安婦=性奴隷」の生みの親…Tweetまとめ14.07.15〜14.07.31
※拙ブログ関連エントリー(朝日慰安婦検証報道以降)
・14/8/5付:朝日新聞が慰安婦報道で長〜い言い訳。国際問題化させてしまった責任をまるで感じていない。
・14/8/7付:「アンカー」朝日慰安婦報道を徹底批判&安倍政権8つの課題&舛添知事の狙いは五輪の日中韓共催?&韓国の恥ずかしい像
・14/8/9付:「ミヤネ屋」朝日慰安婦検証報道 西岡力さん徹底解説!朝日は記事を英文サイトに載せろ!&植村報道の2カ月後に“挺身隊”と“慰安婦”の混同を把握
・14/8/16付:朝日新聞の逃亡を許すな!慰安婦検証報道その後…Tweetまとめ14.08.01〜14.08.15
・14/8/18付:朝日の「吉田調書」虚報を産経が指摘!門田隆将氏「慰安婦報道と全く同じ図式」
・14/8/23付:朝日の英語版慰安婦検証記事は人目につかない場所に埋めてある
・14/9/11付:朝日が会見で吉田調書と慰安婦の虚報を謝罪(但し国民には謝ってない)&「報ステ」朝日慰安婦検証特集
・14/9/13付:「ミヤネ屋」門田隆将さん西岡力さんが出演!朝日の吉田調書&慰安婦虚報を批判
・14/9/16付:朝日は在米日本人の人権はどうでもいいらしい…Tweetまとめ14.09.01〜14.09.15
・14/9/18付:「アンカー」朝日新聞“誤報”と“謝罪”の真相&スコットランド独立なら世界が変わる国連も変わる!?
・14/9/26付:「朝生」朝日と慰安婦問題…青木理がズレまくり
・14/10/4付:植村よ義母の“復帰”に何思う?Tweetまとめ14.09.15〜14.09.30
・14/10/6付:西野瑠美子「慰安婦の強制連行があったことは否定できない」
・14/10/17付:クマラスワミ報告撤回要請は大事な戦いの始まり!「ザ・ボイス」より
・14/11/3付:『性奴隷』論を完全論破!今後の日本の戦い方は? 「ひと目でわかる『慰安婦問題』の真実」より
・14/11/8付:日本側当事者の証言から見る慰安婦問題 「正論」12月号より
・14/11/24付:下村満子さん、慰安婦問題を複雑にしている挺対協の暴露会見をお願いします。
・14/12/6付:新社長になっても「反日ありき」が続く限り朝日は変わらない!
・15/1/5付:「逃げたとは書いていない」「強制連行とは書いていない」朝日知識人の騙しの論理!「WiLL」2月号より
・15/1/10付:植村隆元朝日記者が文春と西岡力氏を提訴!茶番の外国特派員協会記者会見と提訴報告集会
・15/1/13付:日豪分断が目的の慰安婦像建立を「地域融和」を訴えて阻止
・15/1/31付:朝日慰安婦訂正「先送り」を金融機関の失敗と同列に扱う池上彰氏
・15/2/7付:朝日OB若宮啓文vs櫻井よしこ 朝日慰安婦誤報問題「プライムニュース」より
・15/2/17付:ドイツの何を見習えというのか? ナチス治下の慰安婦の実態とワイツゼッカーの本音
・15/2/21付:“売春婦”を削除せよ!朴裕河教授の慰安婦本が韓国で事実上の出版禁止に…日本のサヨクは彼女を救わないのか?
・15/2/28付:韓国がパラオに建てた反日記念碑と日本パラオ友好橋
・15/3/21付:奇跡のツーショット?! 慰安婦問題(米教科書事実誤認問題)で秦郁彦氏と元アジア女性基金理事が会見
・15/4/24付:「慰安婦の補償を日本に求めない。自分で解決する」と言った韓国のプライドはどこへ?
・15/5/4付:ハーバード大のチェ君とチェさん…Tweetまとめ15.04.16〜15.04.30
・15/5/8付:韓国メディアの歪曲に日米歴史家が困惑
・15/5/11付:植村隆LA講演テキスト…在米日本人「朝日慰安婦記事取り消しも日本の保守の声も米国では全く知られていない」
・15/6/15付:アメリカ人はなぜ捏造史を信じるのか?ヨン氏の慰安婦問題分析 (付:谷山雄二朗さんのこと)
・15/6/22付:唐突に慰安婦を登場させるヒストリーチャンネル
・15/12/25付:慰安婦問題で日韓外相会談へ…挺対協を封じられるのか?
・15/12/27付:なぜ朝日は慰安婦虚報を続けたのか?「崩壊−朝日新聞」より
※拙ブログ関連エントリー(日韓合意以降)
・15/12/28付:【速報】慰安婦問題妥結、日韓外相共同記者会見
・16/1/4付:日韓合意で韓国以外の国はどう動く?
・16/2/13付:秦氏×阿比留氏 日韓合意対談&国連で日本政府がようやく“強制連行”反論へ!
・16/2/17付:政府が国連委で慰安婦“強制連行”初反論「朝日新聞が“捏造”を報道」
・16/2/19付:稲田朋美×青山繁晴 慰安婦問題めぐる討論 「ザ・ボイス」より
・16/2/24付:青山繁晴「国連での慰安婦反論は記録に残らない!背景に中韓側との談合!?」 “インサイト・コラム”より
・16/3/7付:「日の丸を見たら胸が悪くなる」国連に“性奴隷”を持ち込んだ戸塚悦朗とは? 本岡昭次インタビュー
・16/3/14付:なぜ元慰安婦は核心部分で“間違う”のか?
・16/7/28付:安倍総理は偽少女像が撤去されると思ったことはない!? 青山繁晴「虎ノ門ニュース」
・16/9/1付:日韓スワップ協定“反対”は過激じゃない・慰安婦10億円拠出の深層・自民部会メタハイ続報 青山繁晴「虎ノ門ニュース」
・16/12/22付:続・日本側当事者の証言から見る慰安婦問題
・17/1/6付:釜山の慰安婦像設置に日本政府が対抗措置発表!
・17/6/8付:吉田清治とは何者か?長男の告白と決断 「父の謝罪碑を撤去します」
・17/6/30付:【緊急拡散】奥茂治さんを支援しよう【吉田清治謝罪碑『書き換え』】
・17/7/6付:辻元清美が反日活動を支援(挺対協と連携する日本の『希望のたね基金』について)
・17/11/8付:韓国がトランプ大統領晩餐会で「元慰安婦」「竹島エビ」
・17/11/17付:サ市慰安婦像公共物化で姉妹都市解消へ!吉村大阪市長を応援しよう
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Comments
一部報道で、安倍総理の五輪出席はアメリカからの要請だとありますが、安倍さん行ったら支持率下がるのを知っているでしょうし、そうなると憲法改正の目がまた萎むのもご存知のはず。
それでも行くと決めつつあると言うからには、余程の重大事(対北鮮で間違いないでしょうが)をこなしに行くんだと思います。
慰安婦日韓合意の10億円も今となっては、相手にとってたんこぶになっている様子ですし、個人的に忸怩たる思いを持ちながら、
今回の開会式参加も信じるしかないと思います。
失礼ながら「安倍さん行ったら支持率下がる」の根拠はなんでしょうか
概ねどの世論調査でも「出席したほうがいい」が半分かそれ以上、産経ですら「出席すべき」が半分近くですよ
支持率は少し上がってますし
日本が昔と比べれば韓国に厳しい視線を向けてるのは確かですが、それでも「大人の対応を」と考える人が多いのかもしれません
まあ、その「大人のナントカ」が相手をバカにしてる発想なのだと思わないのでしょう
親韓派議員にも言えることですが・・・もっとも彼らは相手国ではなく、そこから寄越される利益が大好きなので「大人の対応」なんて使い勝手の良い擁護しかできないのかと思います
北朝鮮や中国によって日本は防衛力強化に努め、韓国によって自国の歴史を勉強し、政治に無関心ではいられなくなり、と、見方をプラスにを変えていければと思います。
ご指摘有難うございます。
確かに客観的な根拠はございません。反省です。
こう言うわたしの思い込みの書き込み等が印象操作になり得るのかもしれませんね。
ただ、国としてと言うより人間としての付き合い方の根本も知らない韓国のちゃぶ台ひっくり返しに安倍さん支持者でさえ今回の訪韓(五輪開会式)は納得できない人が少なくないと思います。
そう言う意味で、支持率低下の一因になる可能性はあるかと思う一方で訪韓によって新たな支持者が出てくる可能性も有り得るわけで、「支持率が下がる」と言うのはちょっと浅い考察でしたね、確かに。
●民主党が 中国共産党と結んだ「交流協議機構」協定の全記録(民主党の隠しHPより)について
お忙しいところお手数をおかけしますが、下記の民進党隠しHPを見てください。
民主党が 中国共産党と協定を結んで「交流協議機構」を作っていましたが、
民進党になってからはそのやり取りの記録を党の表のホームページからは
アクセスできなくなるよう隠していました。
http://www1.dpj.or.jp/china/contents/20091108.html#04
2001/03/05
民主党の招きで中国共産党青年訪日団が来日、
6泊7日の日程で宮城、愛知・長野、沖縄をそれぞれ訪問。
先端技術の研究施設や、農業現場、自動車工場、沖縄の米軍
基地周辺を視察
http://www1.dpj.or.jp/china/contents/?num=2141
★【民主党 日中「交流協議機構」】で検索でたので、念の為付記いたします。
****その一部のコピーです。************
中国との交流実績
2012年|2011年|2010年|2009年|2008年|2007年|2006年|2005年|2004年|2003年|
2002年|2001年|2000年|1999年|1998年|
2012年
2012/06/12 輿石幹事長、張志軍・中国外交部常務副部長の表敬を受ける
2012/05/30 樽床伸二幹事長代行及び前原誠司政策調査会長、于洪君中連部副部長の表敬を受け、意見交換
2012/04/27 輿石幹事長、唐家セン・中日友好協会会長の表敬を受ける
2012/03/24 交流協議機構会議を終えて輿石幹事長が会見
2012/03/24 「交流協議機構」交流・協力に関する覚書に調印 輿石幹事長
2012/03/24 「交流協議機構」第4回会議で輿石幹事長が基調講演
2012/03/23 輿石幹事長、李源潮共産党中央組織部長と会談
2012/03/23 輿石幹事長、習近平国家副主席と会談
2011年
2011/09/21 輿石幹事長、中国共産党訪日代表団の表敬受ける
2011/09/20 輿石幹事長、程永華駐日中国大使の表敬受ける
2011/08/25 西村智奈美国際局長らが中国青年代表団と意見交換
******この他にまだまだ続きがあります******
2002/06/27
鳩山代表、中国共産党中央党学校で基調講演
http://www1.dpj.or.jp/china/contents/?num=2559