ルーズベルトが仕掛けた日米戦争 ドーク教授の見解
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やや古い記事で恐縮ですが、「正論」2013年9月号にジョージタウン大学のケヴィン(ケビン)・ドーク教授のインタビュー記事が掲載されていました。
題して……
【米知日派知識人が直言! 憲法改正と靖国参拝で民主主義国家たれ 〜 憲法改正も靖国参拝も日本に必要不可欠。歴史を使った中国の攻撃に屈するな】
タイトルで分かるように、主なテーマは憲法改正と靖國参拝、そして歴史問題をめぐる中韓との関係なのですが、それ以外の部分でちょっと興味深いやりとりがあったので引用いたします。
ドーク教授をご存知ない方のために、まず簡単なプロフィールを。
1960年生まれ。シカゴ大学で博士号を取得。
ウェークフォレスト・イリノイ大学の各助教授を経て現職。
日本留学は高校時代を含め4回にわたり、京都・東京・甲南大学などで学ぶ。
専門は日本の近代史、ナショナリズム、知的文化など。
いわゆる知日派です。
聞き手は産経新聞特別記者の湯浅博さんです。
起こしここから______________________________
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やや古い記事で恐縮ですが、「正論」2013年9月号にジョージタウン大学のケヴィン(ケビン)・ドーク教授のインタビュー記事が掲載されていました。
題して……
【米知日派知識人が直言! 憲法改正と靖国参拝で民主主義国家たれ 〜 憲法改正も靖国参拝も日本に必要不可欠。歴史を使った中国の攻撃に屈するな】
タイトルで分かるように、主なテーマは憲法改正と靖國参拝、そして歴史問題をめぐる中韓との関係なのですが、それ以外の部分でちょっと興味深いやりとりがあったので引用いたします。
ドーク教授をご存知ない方のために、まず簡単なプロフィールを。
1960年生まれ。シカゴ大学で博士号を取得。
ウェークフォレスト・イリノイ大学の各助教授を経て現職。
日本留学は高校時代を含め4回にわたり、京都・東京・甲南大学などで学ぶ。
専門は日本の近代史、ナショナリズム、知的文化など。
いわゆる知日派です。
聞き手は産経新聞特別記者の湯浅博さんです。
起こしここから______________________________
湯浅 ドークさんご自身は、昭和の戦争をどのように見ておられるのでしょうか。
ドーク もともと日本には、アメリカへの攻撃はもちろん、どこの国とも戦争をするつもりはなかったと思います。日中戦争について言えば、中国大陸の混乱に日本は引き込まれてしまった。特に満州ですね。日露戦争で日本が権益を得た満州に住んでいた人たちは、朝鮮人であっても日本人であっても、日本が守らなければなりませんでした。彼らが中国人に殺されたり暴行されたりする事件が相次ぎ、日本は傍観できなかった。それが満州事変(1931年9月)の引き金となったのです。
湯浅 万宝山事件(同年7月)などですね。1937年以降の日中間の戦争では、日本が戦った主たる敵は国民党軍で、中国共産党軍ではありませんでした。
ドーク そうです。日本は当初、国民党とも協力しようとしていたのだと思いますが。
湯浅 その流れを変えたのが、第2次国共合作。
ドーク 西安事件(1936年12月)で、中国共産党につながる張学良らに蒋介石が拘禁され、中国共産党と共に日本と戦わざるを得なくなった。
湯浅 しかも中国共産党は、国民党軍を日本軍と戦わせる一方で、自分たちは日本軍との戦闘よりも勢力拡大に熱心でした。にもかかわらず中国共産党は、自分たちが日本と英雄的に戦って勝利し、今の中華人民共和国に至ったというストーリーを国民に教えています。まさに歴史を都合よく解釈して、正当化に利用しています。
日米間の戦争についてはどうでしょうか。日本よりもむしろアメリカ側に、戦う意図があったという議論がアメリカ国内でもあります。歴史修正主義と批判されているのかもしれませんが。
ドーク 国際法上、日米戦争の始まりは日本の真珠湾攻撃ではありません。それは、1941(昭和16)年7月のルーズベルト大統領による日本の在米資産凍結です。これは当時の国際法では「戦争行為」にあたります。アメリカでは批判される見解かもしれませんが事実です。
ですから、法律的には、真珠湾攻撃は日本の防衛行為だと解釈されます。日本はもともとアメリカを攻撃したくはなかったのに、ルーズベルトが仕掛けた。ただ、彼も日本と戦いたかったのではなく、国民の意識をナチス・ドイツとの戦いに向けようとしたのです。
湯浅 第一次世界大戦後、アメリカはヨーロッパには参戦しないという反戦気分が国民の間に蔓延している中で、なんとかイギリスを助けたかった。
ドーク 戦争は複雑です。どの国が正義か悪かを単純に決めることは難しい。それよりも、現在は将来のことを考えなければならないと思いますね。
湯浅 法律的にはアメリカが最初に戦争行為を仕掛けたと解釈されるとおっしゃいましたが、ルーズベルトが日本に最初の一発を撃つように仕向けた、あるいは日本の真珠湾攻撃を知っていたのに防御せずに攻撃させたという議論もあります。ルーズベルトの陰謀論ですね。
ドーク ルーズベルトが本当に陰謀を実行したという決定的な証拠は出ていません。ただ、私の記憶では、おじたちを戦争に行かせた私の祖父は、ルーズベルトがそう仕向けたと信じていました。あの世代のアメリカ人は、部分的には陰謀論を信じていました。
湯浅 真珠湾の記念日あたりになると、毎年のように陰謀論に関する本が米国で出版されます。
ドーク ただ、新しい資料やファクトはあまり出てきていません。これからは真珠湾に興味のある世代がだんだんいなくなります。今の世代は当時とは随分違った日本を知っています。民主主義的な日本を経験的に知っている人たちにとっては、真珠湾はそう深い意味を持たないと思います。
______________________________起こしここまで
実は、戦後間もない1948年に、ドーク教授と同様の見解を示したアメリカ人がいます。
ヘレン・ミアーズという女性学者です。
1920年代から日米が開戦する直前まで二度にわたり支那と日本を訪れ、東洋学を研究しました。
彼女は1946年に連合国占領軍最高司令部の諮問機関のメンバーとして来日、戦後日本の労働基本法の策定に携わりましたが、1948年に出版した「アメリカの鏡・日本」(出版当時、マッカーサーにより邦訳出版が禁止された)でこう述べています。
「パールハーバーはアメリカ合衆国の征服をたくらんで仕掛けられた『一方的攻撃』であるというが、この論理では日本を公正に罰することはできない。なぜなら、私たちの公式記録が、パールハーバーはアメリカが日本に仕掛けた経済戦争への反撃だったという事実を明らかにしているからだ。パールハーバーは青天の霹靂ではなく、然るべき原因があって起きたのだ。原因は、1941年7月25日にアメリカ、イギリス、オランダが打ちだした『凍結』令である。三国は自国領内にある日本の全資産を凍結し、貿易、金融関係をすべて断絶した。日本は輸入必需品の80パーセントを『凍結』地域に頼っていたから、三国の行動は日中戦争の泥沼化だけでなく、国内経済の窒息を意味するものだった」
同じ1948年に、やはりルーズベルトを批判した勇気あるアメリカ人がもう一人います。
チャールズ・A・ビーアドという歴史家です。
曰く、「戦争責任を問われるべきは日本ではなくルーズベルト大統領だ」。
当時の世論に迎合せず、大胆にルーズベルト大統領を追及した著書を残しています。
こういった考え方は、もちろん現在のアメリカにおいてもごく少数でしょう。
だからこそドーク教授の発言に私も驚いたわけですが……。
保守派の間では有名だと思いますが、ドーク教授は「日本の政治指導者は靖國参拝すべき」という見解を示している人でもあります。
ドーク教授は産経新聞2006年5月25日に掲載された論説(書き起こしこちら)の中で、ローマ教皇庁が1936年、日本の信徒に向け、「靖国参拝は宗教的行動でないため日本のカトリック信徒は自由に参拝してよい」という通達を出しており、この通達は現在も変更されていないことを指摘しました。
さらに、アメリカの国立アーリントン墓地には奴隷制を守るために戦った南軍将兵も埋葬されているにも関わらず、歴代大統領が訪れ弔意を表していることや、それを見て「奴隷制を正当化している」などと批判するアメリカ国民もいないことにも言及しています。
私はドーク教授のことはこの靖國問題にまつわる論考でしか知らなくて、日本の戦争についてそもそもどういう考えを持っているのか等々、上記やりとりで初めて知りました。
但し、ドーク教授は何でもかんでも日本の理解者というわけではありません。
「正論」のインタビューではこの後、慰安婦に話題が及んだ時、「慰安婦については、日本はまったく正当化できないと思います」と述べ、次のように日本批判を展開しています。
「慰安婦を利用していたこと自体が非道徳で、罪なのです」
「強制連行があったか否かといった詳細にはほとんど興味はありません」
「当時の日本は社会道徳上、売春を軽く見ていた。そのこと自体が社会的な罪でしょう」
ドーク教授は敬虔なカトリック信徒だそうですが、やはり欧米(キリスト教の国)では慰安婦問題に対してはこういう考え方が一般的なのでしょうね。
ただ、知日派のドーク教授ともあろう人が、まさか、終戦直後に設置された特殊慰安施設協会(通称RAA。占領軍による日本の一般女性に対する強姦を防ぐため、日本政府によって作られた慰安所)の存在を知らないわけはないと思うのですが…。
このことは、たとえばアメリカの大手通信社であるAP通信も2007年4月25日に報道していますからね(Red Foxさまの記事を参照)。
[画像はWikipedia>特殊慰安施設協会より、安浦ハウスに集まる米国将兵たち]
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※拙ブログ関連エントリー(戦争を考える)
・06/8/26付:首相の靖国参拝反対派への反論
・06/12/8付:【過去】開戦の日:小野田寛郎さん語録
・08/8/16付:【終戦の日】外国人から見た日本と日本人(7)
・08/11/3付:「雷」工藤艦長の武士道精神とサー・フォールの報恩
・08/12/25付:TBSの東條英機のドラマを見て感じたこと
・09/12/8付:【記憶せよ12月8日】外国人から見た日本と日本人(16)
・10/2/6付:北方領土の日によせて【将兵万葉集】(1)シベリア抑留者
・10/3/8付:中共が靖国を否定する理由【将兵万葉集】(2)特別攻撃隊・神風-1
・10/3/20付:「たかじん委員会」SP 英霊に捧げられた花嫁人形
・10/5/7付:民族の誇りに…【将兵万葉集】(3)特別攻撃隊・神風-2
・10/7/20付:勝者に裁かれ【将兵万葉集】(4)戦争裁判の犠牲者-1
・10/8/2付:【日韓併合】外国人から見た日本と日本人(19)
・10/8/14付:国の行く末を案じ…【将兵万葉集】(5)戦争裁判の犠牲者-2
・11/2/22付:日本統治肯定で逮捕の韓国人作家『嘘の歴史で反日に』「SAPIO」02.7.24号
・11/8/14付:昭和天皇の涙…二つの位牌を手にした少女
・11/8/16付:【終戦の日2011】外国人から見た日本と日本人(30)
・11/9/24付:日本人が知らない八田與一「ビーバップ!ハイヒール」より
・11/12/17付:鈴木史朗さんが「南京大虐殺」は真実ではないと思う理由
・12/2/13付:子供たちに教えたい柴五郎
・12/2/27付:河村市長頑張れ&支那軍と支那人の特徴及び南京陥落前の大混乱
・12/7/7付:昭和21年7月南京・元日本兵の証言&米国高校副読本「虐殺40万人」
・12/7/16付:映画「凛として愛」と東京裁判史観ムラ
・12/7/30付:子供たちに教えたい森川清治郎と広枝音右衛門
・12/8/14付:【終戦の日2012】外国人から見た日本と日本人(35)
・12/8/27付:慰安婦問題まとめ2012
・12/12/8付:世界が愛した日本〜インドネシアとウズベキスタン「ビーバップ!ハイヒール」より
・12/11/12付:真珠湾攻撃の日に特別攻撃隊について改めて考えてみる
・13/3/8付:中山成彬議員が衆院予算委で日本の真の朝鮮統治(インフラ整備、創氏改名、慰安婦など)を語ってくれました
・13/4/10付:西川京子さんが衆院予算委で「従軍慰安婦」「南京大虐殺」の虚構と自虐史観に侵された入試問題について語ってくれました(中山成彬さん質疑まとめ付き)
・13/4/29付:佐藤新平少尉の御霊は靖国神社に今も居られます
・13/7/27付:慰安婦強制連行があったのなら、なぜ朝鮮人男性は反乱も起こさず黙っていたのか
・13/8/12付:「はだしのゲン」より、こうの史代さんの漫画をお薦めします
・13/8/16付:8月15日の大阪護國神社&「静かな祈り」を邪魔してきたのは誰?
・13/8/19付:韓国系が排斥する「竹林はるか遠く―日本人少女ヨーコの戦争体験記」を読みました
・13/12/3付:【続・記憶せよ12月8日】外国人から見た日本と日本人(37)
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ドーク もともと日本には、アメリカへの攻撃はもちろん、どこの国とも戦争をするつもりはなかったと思います。日中戦争について言えば、中国大陸の混乱に日本は引き込まれてしまった。特に満州ですね。日露戦争で日本が権益を得た満州に住んでいた人たちは、朝鮮人であっても日本人であっても、日本が守らなければなりませんでした。彼らが中国人に殺されたり暴行されたりする事件が相次ぎ、日本は傍観できなかった。それが満州事変(1931年9月)の引き金となったのです。
湯浅 万宝山事件(同年7月)などですね。1937年以降の日中間の戦争では、日本が戦った主たる敵は国民党軍で、中国共産党軍ではありませんでした。
ドーク そうです。日本は当初、国民党とも協力しようとしていたのだと思いますが。
湯浅 その流れを変えたのが、第2次国共合作。
ドーク 西安事件(1936年12月)で、中国共産党につながる張学良らに蒋介石が拘禁され、中国共産党と共に日本と戦わざるを得なくなった。
湯浅 しかも中国共産党は、国民党軍を日本軍と戦わせる一方で、自分たちは日本軍との戦闘よりも勢力拡大に熱心でした。にもかかわらず中国共産党は、自分たちが日本と英雄的に戦って勝利し、今の中華人民共和国に至ったというストーリーを国民に教えています。まさに歴史を都合よく解釈して、正当化に利用しています。
日米間の戦争についてはどうでしょうか。日本よりもむしろアメリカ側に、戦う意図があったという議論がアメリカ国内でもあります。歴史修正主義と批判されているのかもしれませんが。
ドーク 国際法上、日米戦争の始まりは日本の真珠湾攻撃ではありません。それは、1941(昭和16)年7月のルーズベルト大統領による日本の在米資産凍結です。これは当時の国際法では「戦争行為」にあたります。アメリカでは批判される見解かもしれませんが事実です。
ですから、法律的には、真珠湾攻撃は日本の防衛行為だと解釈されます。日本はもともとアメリカを攻撃したくはなかったのに、ルーズベルトが仕掛けた。ただ、彼も日本と戦いたかったのではなく、国民の意識をナチス・ドイツとの戦いに向けようとしたのです。
湯浅 第一次世界大戦後、アメリカはヨーロッパには参戦しないという反戦気分が国民の間に蔓延している中で、なんとかイギリスを助けたかった。
ドーク 戦争は複雑です。どの国が正義か悪かを単純に決めることは難しい。それよりも、現在は将来のことを考えなければならないと思いますね。
湯浅 法律的にはアメリカが最初に戦争行為を仕掛けたと解釈されるとおっしゃいましたが、ルーズベルトが日本に最初の一発を撃つように仕向けた、あるいは日本の真珠湾攻撃を知っていたのに防御せずに攻撃させたという議論もあります。ルーズベルトの陰謀論ですね。
ドーク ルーズベルトが本当に陰謀を実行したという決定的な証拠は出ていません。ただ、私の記憶では、おじたちを戦争に行かせた私の祖父は、ルーズベルトがそう仕向けたと信じていました。あの世代のアメリカ人は、部分的には陰謀論を信じていました。
湯浅 真珠湾の記念日あたりになると、毎年のように陰謀論に関する本が米国で出版されます。
ドーク ただ、新しい資料やファクトはあまり出てきていません。これからは真珠湾に興味のある世代がだんだんいなくなります。今の世代は当時とは随分違った日本を知っています。民主主義的な日本を経験的に知っている人たちにとっては、真珠湾はそう深い意味を持たないと思います。
______________________________起こしここまで
実は、戦後間もない1948年に、ドーク教授と同様の見解を示したアメリカ人がいます。
ヘレン・ミアーズという女性学者です。
1920年代から日米が開戦する直前まで二度にわたり支那と日本を訪れ、東洋学を研究しました。
彼女は1946年に連合国占領軍最高司令部の諮問機関のメンバーとして来日、戦後日本の労働基本法の策定に携わりましたが、1948年に出版した「アメリカの鏡・日本」(出版当時、マッカーサーにより邦訳出版が禁止された)でこう述べています。
「パールハーバーはアメリカ合衆国の征服をたくらんで仕掛けられた『一方的攻撃』であるというが、この論理では日本を公正に罰することはできない。なぜなら、私たちの公式記録が、パールハーバーはアメリカが日本に仕掛けた経済戦争への反撃だったという事実を明らかにしているからだ。パールハーバーは青天の霹靂ではなく、然るべき原因があって起きたのだ。原因は、1941年7月25日にアメリカ、イギリス、オランダが打ちだした『凍結』令である。三国は自国領内にある日本の全資産を凍結し、貿易、金融関係をすべて断絶した。日本は輸入必需品の80パーセントを『凍結』地域に頼っていたから、三国の行動は日中戦争の泥沼化だけでなく、国内経済の窒息を意味するものだった」
同じ1948年に、やはりルーズベルトを批判した勇気あるアメリカ人がもう一人います。
チャールズ・A・ビーアドという歴史家です。
曰く、「戦争責任を問われるべきは日本ではなくルーズベルト大統領だ」。
当時の世論に迎合せず、大胆にルーズベルト大統領を追及した著書を残しています。
こういった考え方は、もちろん現在のアメリカにおいてもごく少数でしょう。
だからこそドーク教授の発言に私も驚いたわけですが……。
保守派の間では有名だと思いますが、ドーク教授は「日本の政治指導者は靖國参拝すべき」という見解を示している人でもあります。
ドーク教授は産経新聞2006年5月25日に掲載された論説(書き起こしこちら)の中で、ローマ教皇庁が1936年、日本の信徒に向け、「靖国参拝は宗教的行動でないため日本のカトリック信徒は自由に参拝してよい」という通達を出しており、この通達は現在も変更されていないことを指摘しました。
さらに、アメリカの国立アーリントン墓地には奴隷制を守るために戦った南軍将兵も埋葬されているにも関わらず、歴代大統領が訪れ弔意を表していることや、それを見て「奴隷制を正当化している」などと批判するアメリカ国民もいないことにも言及しています。
私はドーク教授のことはこの靖國問題にまつわる論考でしか知らなくて、日本の戦争についてそもそもどういう考えを持っているのか等々、上記やりとりで初めて知りました。
但し、ドーク教授は何でもかんでも日本の理解者というわけではありません。
「正論」のインタビューではこの後、慰安婦に話題が及んだ時、「慰安婦については、日本はまったく正当化できないと思います」と述べ、次のように日本批判を展開しています。
「慰安婦を利用していたこと自体が非道徳で、罪なのです」
「強制連行があったか否かといった詳細にはほとんど興味はありません」
「当時の日本は社会道徳上、売春を軽く見ていた。そのこと自体が社会的な罪でしょう」
ドーク教授は敬虔なカトリック信徒だそうですが、やはり欧米(キリスト教の国)では慰安婦問題に対してはこういう考え方が一般的なのでしょうね。
ただ、知日派のドーク教授ともあろう人が、まさか、終戦直後に設置された特殊慰安施設協会(通称RAA。占領軍による日本の一般女性に対する強姦を防ぐため、日本政府によって作られた慰安所)の存在を知らないわけはないと思うのですが…。
このことは、たとえばアメリカの大手通信社であるAP通信も2007年4月25日に報道していますからね(Red Foxさまの記事を参照)。
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Comments
靖国問題に関して言えば、白人支配からアジアの植民地を開放した事をもって、大東亜戦争は日本の勝利であるとした日本の敗戦を受け入れる事のできない一部の右翼の妄想がA級戦犯合祀を引き起こし、結果天皇陛下が靖国参拝を止めざるを得なくなった。靖国参拝自体は中共や韓国の意向などはどうでもよくて、その時々の米帝政権との緊密度や米帝の国益と合致するかが問題なのです。SF条約を受け入れたのだから。
あの番組は情報戦が疑惑を生み、それが原因で戦争に至ったと、さも情報収集が悪いような結論になってましたが、機密保護法案に悪印象をもたせるためだったのでしょうかw
それはそうと、あの番組でも紹介されているように、あの時代は、アメリカを対ドイツ戦に引き込みたいイギリス、東アジアを共産圏にしたいソ連、対日で態度がふらふらするアメリカを反日のままにしておきたい中国が、なんとか自国に有利なようにしようと、アメリカに対して工作を行っていたことが分かります。
それに対して、日本は工作活動の不足から、「アメリカは話を分かってくれない」「対米戦だ!」と強硬派が台頭していく状態が描かれています。
つまり、日本は自ら英中ソの思惑に嵌っていってしまった部分があるのですね。
まあ、あの番組は従来のステレオタイプ的な部分が出てましたが、しかしあの時代の状態は現在に酷似しているとも思うのです。
アメリカはいつでも「利用される側」の部分が大きいのだと思います。
>とおりすがりさん
サンフランシスコ条約は、慣習によりアムネスティ条項(アムネスティ条約ではありません)が付随しているというのが大方の見方です。
この条項は平和条約を結ぶにあたり、互いに戦争の呪縛にとらわれることのないよう、「交戦諸国相互間で、永久の忘却、大赦ないし免罪があるべきものとする」というのがコンセプトです。
つまり条約を結んだことで、戦争犯罪というものは国際法的に存在しなくなったのです。
(問題にされたこともあるサンフランシスコ条約第11条も、ただ単に連合国の支配の及ぶ地域で勝手に釈放するなというものでしかありません。しかもその地域でさえ順次釈放されています)
だから本来は靖国参拝も外国から文句を言われる筋合いはありません。
でも国際情勢、というか中韓・そして国内の左翼の思惑から、靖国参拝は外交カードとなってしまっている。
それがアメリカの安全保障とも絡んでしまっているのだと思いますね。
GHQ単語使っているのがいるなんて
驚きですね。
洗脳を解くのは容易ではないようですね。
それとも成り済まし?
靖国に関して言えば、法律的な解釈は私も百も承知。色んな文献も読みましたよ。その上での冒頭の見解です。
くっくりさんのブログには以前にもコメさせていただいてました。青山さんは歴史認識や問題意識は私も共感する部分が多々有ります。でも、青山氏は大アジアウヨですよね。最近の特定秘密法案の流れは明らかに大アジア主義者には厳しい流れですが、それも親中・朝鮮派が招いた結果です。今回のは明らかに官僚と親米派大勝利の流れ。米中二国間の中では日本独自の路線を歩む事はなかなか難しいですし、人治主義と民主主義どちらかを選べといわれたら、そりゃ普通は民主主義です。その中でなんとか日本国内の情勢と国際金融資本との付き合いの整合性をとっていくのが今後の課題でしょうから、日本主導の大アジア主義者も今後は親米派との妥協をしていかなければならないと思いますよ。維新なんかは左翼を煽って童話と右翼を利用した構造改革推進派の米帝ポチですから、本来平沼さんの様な考え方とは合わないはずなんですが、それも時代の流れなんでしょうね。
私は在京なので、くっくりさんの文字起こしは大変重宝させていただいてます。個人としては今年も夏に靖国参拝もしました。近年はよく足を運びます。でもそれと政治は別物です。
みなさんも靖国の遊就館の特攻隊パイロットの便りを展示してあるコーナーは是非足を運ぶ機会があればご覧になってください。
蛇足ですが『幻の日本爆撃計画−真珠湾に隠された真実』『第二次大戦に勝者なし ウェデマイヤー回想録』なども今回のエントリーに関連した良い書籍だと思いますよ。
あの番組でもう少し掘り下げてほしいと思ったのは、日本側の諜報力についてですね。
去年放映された「チャーチルを裏切った男たち」という番組では
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/121217.html
イギリスのウィリアム・フォーブス・センピルという貴族(貴族議員、チャーチルの友人でもある人物)が中心となって、日本側に結構重要な情報を流していたらしいということが描かれています。
イギリスの新兵器、シンガポールの海軍基地の増強後の図面など。
スパイだと疑われた日本人が逮捕されると、手をまわして釈放させている。
さらに1941年8月のイギリスの軍艦上での、ルーズベルトとチャーチルの極秘会談の詳細な内容が日本側に漏れていた件でも、この人物は疑われている一人です。
日本が一方的に騙されたというステレオタイプとは違う一面もあるのですね。
この辺はまだまだ研究が必要なのでしょうか。
戦前の日本は普通の国でした。唯、軍と内閣が並列になっており、軍の上には天皇しかいなかった。それで軍がこうと決めたら誰も止めれなかった。
天皇が何もしなかったのが悪い。憲法は今と同じで、明治天皇が下賜された素晴しいものだから変えてはいけないと言って何も変えれなかった。でもそんなことはどこにでも有る事です。
今の中共も軍は独自になっているので怖い。
と書かれていますが、アメリカ人は自国に都合の悪いことは教えませんから、知らないかもしれませんよ。たとえ、大学教授や知日派であっても。また、都合の悪いことは知らないふりをする人たちです。アメリカ人が慰安婦について日本にどうこう言うのは、はっきり言って偽善だと思います。
いつも貴重な情報をありがとうございます。
今回、本文と外れるのですが(すみません)
テキサス親父から署名依頼が出ています。
【テキサス親父】グレンデールの売春婦像を撤去しろ!ホワイトハウス署名のお願い
http://staff.texas-daddy.com/?eid=454
私は はじめて見る署名サイトだったのですが
上記のページに詳しく説明してくださっているので
すんなりできました。
関心を持っていらっしゃる方は是非に。