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「アンカー」北“弔問外交”の狙い&民主政権で日本沈没?

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■8/26放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”

政治空白“置き去り”ニッポン・北“弔問外交”の狙い・拉致問題は?青山解説

090826-04title.jpg 北朝鮮の動きがますます活発になっていますが、その狙いとは?
 あと、最後に私の方から「WiLL」最新号の大特集「民主政権で日本沈没!」よりちょこっと中身紹介。

 間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
 画像はYouTubeで拾ったビデオからキャプチャさせていただきました。


 内容紹介ここから____________________________
 
韓国と北朝鮮、26日午後に金剛山で南北赤十字会談 離散家族面会など協議へ(FNN8/26)
米・ゴールドバーグ調整官、安保理の北朝鮮制裁決議は効果が表れているとの考え示す(FNN8/26)

 …………等々、南北関連ニュースが伝えられたあと…………

山本浩之
「はい。このあと青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーはズバリこの北朝鮮関連のお話だと」

青山繁晴
「そうですね。あのー、この北朝鮮の今の動きを見るにつけて、ま、あと4日でね、総選挙なんですけど、この40日間ほんとに長かったなあと。40日間、その、選挙以外はほとんど政治空白、もっとはっきり言うと政治が欠落してるような状況がずっと続いてて、で、その間世界はもちろん大きく動き、あるいは新型インフルのような新しい危機も深まり、特にその、北朝鮮を中心とした動きを見るとですね、こういう言葉が頭に浮かびます(フリップ出す)」

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山本浩之
「『直球 魔球 変化球』」

青山繁晴
「ええ。あの、別に高校野球の見過ぎでこう言ってるんじゃないんですね。あの、直球、変化球がもう自由自在にこの朝鮮半島で投げられてるって感じがする上に、まあ実は魔球と呼ばざるをえないような、ま、したたかな上にもしたたかなボールを北朝鮮が投げてきたんじゃないかという現実があってですね、これあの、新型インフルと同じで、総選挙終わって新しい内閣がいずれにしてもできる、そうするとすぐにこの魔球に対処しなきゃいけなくなる。今日その話をですね、あの、事前にみんなで一緒に見ておきたいと思います」

山本浩之
「はい。ではコマーシャルをはさんで青山さんの解説です」

(いったんCM)

 …………………………VTR開始…………………………

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 23日、韓国ソウルの国会前広場で金大中元大統領の告別式が行われた。告別式には国内外からおよそ2万4000人が参列し、アメリカのオルブライト元国務長官など世界各国から弔問団が訪れた。

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 葬儀に先立ち、金正日総書記のメッセージを携えて北朝鮮の弔問団が韓国を訪問。李明博大統領との会談を要求するなど、積極的な弔問外交を行った。

【23日】
李明博元大統領
「金総書記はこの前テレビで見たら健康なように見えましたが」

朝鮮労働党 金己男書記
「健康です」

 およそ30分間に及ぶ詳しい会談の内容は明らかにされていないが、金正日総書記からのメッセージの中身とは何だったのか。

 ミサイル発射や核実験と強硬路線を進んでいた北朝鮮が一転してアメリカ、韓国と対話の姿勢を示し始めた。

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 動き出したかに見える北朝鮮問題。今日はその真相にズバリ迫ります。

 …………………………VTR終了…………………………
 
山本浩之
「はい。えー、青山さんが、したたかな上にもしたたかなと評された北朝鮮の外交戦略なんですけれども、政治空白の続く日本にとっては大変気がかりなところです。さっそくお願いします」

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青山繁晴
「はい。あの、したたかと言わざるをえないけれど、同時にやっぱり皆さんもう、またかと思われてると思いますが、その『またか』の感覚も正しくて、こう強硬強硬っていうように人の頭ボンボン叩いてったら、いきなりこう優しく出るというのがもうずっと繰り返し来てるんで、そういう意味ではまあいつものことやってるんだという目も必要なんですね」

村西利恵
「常套手段と」

青山繁晴
「で、ただですね、あの、したたかの意味の一つはその、タイミングっていうか、その、たまたま起きたことを捕まえるのがやっぱり非常に上手で、あの、今ここに弔問外交って言葉、あの、出てますけれども、たまたま金大中元大統領が亡くなって、その金大中さんは北朝鮮と仲良くしましょうという大統領だった。あの、先週のこのコーナーで、その、弔問団を派遣してそれをきっとまさしくしたたかに利用すると思われますよって話をしましたら、その通り弔問団がやって来てですね。そして先週の金曜日に1泊2日の予定で来たんだけれども、1泊2日で帰らずに、どうして帰らなかったというと、韓国の、北朝鮮に今までやや厳しかった李明博、今の大統領と会わせろということで、えーまぁはっきり言うと、しつこく残ったと」

村西利恵
「粘って」

青山繁晴
「粘って残ったと。それで李明博大統領の方も頑張っててですね、すぐパッと会ったりしないで、ま、1日引き延ばして。他に弔問団いろいろいらっしゃってますからね、外国からは。オルブライトも含めてですね、そういう人とのうちの一部だということで会ったんですね。だからお互いにそうやってやり合ってるんですが、ところが一つ大事なことがあって、実は謎が1個残ってるんですね。で、あの、さっきのVTRにも、中身が公表されないっていうこともあるんですが、それはむしろ当たり前なんですね。そんなもの、常に外交交渉の中身が全部出てくることありえない。だからそれが謎じゃなくて、実は今回に限っての謎が残ってるんですね。それは何かっていうのをちょっと見ていただきます」

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村西利恵
「韓国の複数のメディアは、北朝鮮の弔問団が南北首脳会談の開催を提案したと報じているんですが、韓国政府は北朝鮮からの提案があったことを否定しています」

青山繁晴
「はい。これ謎というのはですね、どっちかっていうとこの否定が謎なんですね。本当はですね。というのは北朝鮮は今、お金に困っててですよ、その、さっき言った右手左手で言うと、右手で殴っといて、左手で下さいってなってるわけですから、その、首脳会談やりましょうぐらいのことを、その、提案しても別にびっくりするわけじゃない。今までも南北首脳会談って行われてるわけですから。それなのにどうして李明博政権がこんなに強硬にこれ否定って言うんですが、むしろこれ全面否定で、絶対そんなことはなかったっていうふうにですね、その、韓国の大統領官邸は否定してるわけですけどね。それがなぜなのか。どうしてそこまで強く否定しなきゃいけないのかっていうのが実は残ってる、あるいは浮かび上がってる謎なんですね。で、これについて残念ながら、日本のたとえば外務省であったり情報当局であったりは、その、完全な情報得てるわけじゃない。ま、一つはやっぱり政治空白も影響してますが、でも政治と関係なく特に情報部門は動いてますから、だいたいこうだろうっていうのは分かってきました。ちょっと出していただけますか」

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村西利恵
「その金正日総書記のメッセージ。実は金大中大統領と合意した2000年の南北共同宣言を実行するというものだった」

青山繁晴
「はい。これご覧になったらですね、え?どうしてこれが、その、たとえば李明博さんの側が否定しなきゃいけないものなのかという疑問を思われると思うんですよね。で、もちろん金大中大統領、当時の金大中大統領は北朝鮮に非常に優しくて、太陽政策をとったと。で、李明博さんはそれよりは厳しい政策とってる。とは言いながらですよ、しかしその、正式に合意した南北共同宣言があって、それを実行したいと言ってるだけだから、そんなに否定しなくてもいんじゃないかということになるんですが、実はそうじゃなくて、僕はこの李明博大統領がこれを否定したくなるっていうのはよく分かります。どうしてかというと、この金大中大統領が、これ正確に言うと2000年の6月15日に金正日さんと交わした南北共同宣言について、これについてだけはそれを実行するとなると、実はこういう意外なことが起きるはずなんです。はい、出していただけますか」

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村西利恵
「実行するということは、金正日総書記がソウルに入る」

山本浩之
「はあー、行きますか、ソウルに」

青山繁晴
「ええ。これね、あの、南北首脳会談は今までも行われたと申しましたが、これは韓国側が行ってるわけですね。金大中さんだったり盧武鉉だったりですね、盧武鉉大統領だったり。えー、韓国側が行くと。で、金正日さんがこのソウルのような西側に今まで行ったことないから、これは、えっという話なんですね。えっという話だけど、実はこれ、えっていう話じゃないんですよ。で、こういう何か謎が浮かび上がった時っていうのは、このコーナーで何度も申しましたが、その、原点に当たれ、元に戻れば実は謎がちゃんと見える、どなたにも見える、普通の視聴者の方にもちゃんと分かるということ何度も申しましたが、これはその典型でですね。その、さっき申しました2000年6月15日の韓国では6・15宣言って言ってますが、南北共同宣言そのものに当たるとですよ、その中にこういう言葉があるんです。はい、出して下さい」

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村西利恵
「『金大中大統領は金正日国防委員長がソウルを訪問するよう丁重に招へいし、金正日国防委員長は今後、適切な時期にソウルを訪問することとした』と」

青山繁晴
「はい、この南北共同宣言というのはですね、今皆さんにあえてこの、紙でお見せするとですね(宣言が書かれたA4サイズの紙を示す)、もう1枚紙ぐらいのですね、短いもんです。こんなもんです。ね。別にアップにする必要ありませんけど。だからインターネットで見たい人はどうぞご覧になっていただきたいんですが。その、最後にですね、つまり署名の直前、だからむしろこの南北共同宣言の一番大事なところと見える、そこにですね、金正日さんは今後、適切な時期を選んでソウルを訪問すると。これもう言っちゃってるわけですね。で、これが2000年の6月ですから、9年間ほったらかしになってきたのが突然ボールを投げてきたわけですよ」

村西利恵
「思い出したかのように」

青山繁晴
「ええ…」

山本浩之
「いや、だからやっぱりその、ソウル入りって言われた時にはですね、その2000年の段階では2人がこうやって握手してですよ、その末に出された共同宣言ですから、ああーこういう言葉で出てくるのかと思った方もその当時はいたでしょう」

青山繁晴
「その通りです」

山本浩之
「9年経って、今こんな状況になってるのに」

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青山繁晴
「その通りです。いや、ヤマヒロさんね、これ打ち合わせで言ってんじゃなくてね、やっぱりあの、いい直感されてると思ったんですけど、この時はですよ、南北の交流を始めるってことになってんだから、金大中さんが平壌に行ったんだから、そのあと、今映ってますけど、そのあと、じゃああの、当時はまだ元気ですね、金正日さんがソウルに来る番だろうということで、これ別に、その時はある意味ではそこまでの値打ちだったわけですよね。で、それでこうやって真っ直ぐ投げたら、それ直球じゃないですか、そのあとソウルに来たら。ところが投げないで、こう、ここの胸に隠しておいてですよ、9年ぶりに突然投げたわけですよ(一同同意&苦笑)。だから魔球なんですよ」

村西利恵
「なるほど」

青山繁晴
「だから直球なのになぜか魔球だということでですね、まずですね、この魔球の意味を考える上でね、じゃあ今までどうして9年間もソウルに行かなかったのかという理由、あの、もちろんいくつも考えられますが、もうはっきりしてるのはこう2つありますね。はい、ちょっと出していただけますか」

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村西利恵
「それは暗殺の危険性があるということ。それから最近は健康問題も」

青山繁晴
「はい。この金正日さんという独裁者が暗殺を非常に怖れてるっていうのは、もう知らない人はいない、関係者で知らない人はいないんですね。まずその、外国に訪問するのがロシア、中国に限られているし、えー、その際に徹底的な事前調査と事前準備をやって、とにかく暗殺の可能性を排除すると。だからそういう意味でも飛行機に乗るのが嫌いで有名なんですよね。その、飛行機に乗るのが嫌いなのは暗殺の危険性じゃなくて、おそらく自分を守るタイプの方なんでしょうが、この、ソウルに行くとしたらですよ、たとえば今回の弔問団も平壌からソウルまで特別機で来たんですけど、特別機で。あの、金正日さんは飛行機嫌いだからおそらく飛行機使わない」

村西利恵
「じゃあ陸路で」

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青山繁晴
「陸路ってことになりますね。で、陸路はですね、あの、今、映ってますけど、これあの、南北の和解の象徴だったはずの、この、平壌とソウルを結ぶところの南北鉄道ってあってですよ。これあの、貨物便は往来したことあるんですけれども、まだその旅客って運んだことはないんですよね。で、場合によってはこれをその、実際に運用始めて、そこに、その、最初の列車にたとえば金正日さんが乗ってる、乗ってくるなんてことも考えられるし」

一同
「ほぅー」

青山繁晴
「それから鉄道好きで有名ですから、僕は来るなら鉄道の可能性は高いと思いますが、そうでなかったら車で来てもですよ、せいぜい200数十キロの距離ですからその、金正日さんの体調がある程度悪くても来れる可能性は十分あるんですね。で、今まで暗殺の危険性を考え、それから、そして特に去年の夏からはもう重大な健康問題も起きた。しかしこれ逆に言うとですよ、もう健康問題が深刻になってしまって、だから三男坊の金正雲さんを後継者に事実上指名するまで行ったわけですよ。そうすると今までのように怖れてるばっかりじゃなくてですね、最後にいわば命もかける形でその、今の北朝鮮の現状を切り開くために、えー、金正日さんが実際にソウルに乗り込んでくる可能性っていうのは実はありえるわけですね。で、ありえるから、これは実はもう韓国だけの問題じゃない。もちろん韓国はですね、一体これは本気なのか、その、弔問団があの、6・15宣言を実行しよう、つまり金正日さんがソウルに来るかもしれないってことを示唆した、直接言ったと思いませんけど、南北共同宣言を実行しようっていうことを通じて、ソウルに我が将軍が来るかもしれないってのは本気なのか、それから健康の状態はどうなのかってことをですね、見極めなきゃいけない。だから今のところもう絶対否定してですよ、その間に情報集めなきゃいけない。そしてさっき言いかけた通り、これ韓国だけの問題じゃなくてその、アメリカや日本や中国やあるいはロシアにとっても大変な問題だから、まずアメリカが動き出しました。えー、アメリカは従って今どうしようとしてるかというと、こういう動きになってますね」

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村西利恵
「来月にもボズワース北朝鮮問題特別代表らが訪朝し、アメリカ・北朝鮮の2国間協議へ」

青山繁晴
「はい。ま、『へ』とは書いてありますけど、これはまだちょっと『へ』は早いですね。まだ検討段階ですが、でもこのボズワースさんて人ね、日本でなじみないですけど、この番組でやりましたね。この方は日本や北朝鮮(韓国の間違い?)にお金とか技術を出させて、北朝鮮にただで安全な原子力発電所を与えましょうと。そうやって北朝鮮の頭をいわば撫でて、あの、仲良くしましょうって路線で来た人ですから、その、こうやって北朝鮮が対話路線を見せかけたら、必ずあの、この人が出てくるわけですね。で、9月の、これ、ここに書いてますね、まぁ半ば、9月半ばにも行きたいってこと言ってて、しかし当然オバマ政権の中にも異論反論はあってですね、その、6カ国協議を北朝鮮がもう1回やるというのを約束しない限りは行っちゃいかんという意見もあってですね、アメリカのオバマ政権の中も割れてるけれども、ボズワースさん自体が行きたいのは、これはすごくはっきりしてるわけですね。で、それは目的の一つはただ単に仲良くするだけじゃなくて、その、ソウルに来るかもしれないっていうのは本気なのか、ということは健康問題もどうなのか。こないだクリントンさんと会った金正日さんがもしも影武者でないならばですよ、ね、影武者でないならば、本当にこういう外交の専門家がその、クリントンさんていう間接的なあれじゃなくて、直接オバマ政権として確認したいってことがある。それと同時にですね、私たち日本国民がしっかり意識したいことがもう一つあるんですね。はい、出して下さい」

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村西利恵
「北朝鮮側の意向を伝えたのはクリントン元大統領の訪朝の際」

青山繁晴
「はい、これ皆さん思い出して下さい。クリントン元大統領が8月4日、今月の最初の頃に北朝鮮に突然行きましたよね。電撃訪朝しましたが、その時はアメリカ人のテレビ記者2人を取り返すのが目的であって、人道目的であって、あくまでも民間人としてクリントンさんは行ったんだと、アメリカと北朝鮮の政府間の交渉とは関係ないと言ったじゃないですか。言ったのに、実際はここでこういう動きが出てきて、ま、はっきり言うとばれちゃったのはですね、この時にクリントンさんの側に対して北朝鮮が、つまり北朝鮮は民間ありませんから、政府として、ボズワースさんを9月になったら送って来て下さいってことをはっきり要請したと見られます。日本の情報でもですね」

岡安譲
「へえー」

青山繁晴
「で、その時にクリントンさんは、自分はそういう返答する立場じゃないということで返答はしてないようですが、そのあとオバマ大統領と会った時にこれを伝えていると。ということははっきり言うと、私的に行った訪問でしたっていうのは嘘じゃないですか

村西利恵
「本当ですね」

青山繁晴
「日本という同盟国に対してもその、嘘を言ってたと。つまりもっとはっきり言うと、アメリカというよりは、現オバマ政権は日本のようなほんとは近い同盟国に嘘をついてでも、北朝鮮との交渉を進めたいという現実がある。アメリカが悪いって話をしてんじゃなくて、その現実を僕らは見なきゃいけないと思うんですね。そうすると今日のもう一つのキーワードはこれになります(フリップ出す)」

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村西利恵
「ここでズバリキーワードは『超 与野党』。4日後の総選挙で与野党が決まりますが、それを超えるとはどういうことなんでしょうか。CMのあと詳しく解説していただきます」

(いったんCM)

山本浩之
「えー、青山さんが出した2つめのキーワードは『超 与野党』でした。北朝鮮問題に日本はどう対応すべきなのか、引き続きお願いします」

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青山繁晴
「はい。あの、まさしく日本が政治空白の間に北朝鮮問題は大きな動きを見せる、この大きな動きと、この表現は、ま、適切な表現だと思うんですね。というのはその、金大中元大統領が亡くなったのはたまたまだけれども、その前から実は大きな動きありましたよね。すなわちこれですね。皆さんもう一回これ振り返って下さい」

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村西利恵
「金剛山(クムガンサン)観光の再開などに合意したこと」

青山繁晴
「はい。あの、まさしくその金大中大統領が太陽路線に従って、この金剛山観光とか、あるいは開城(ケソン)っていう所の工業団地とかを南北共同でやりますということでやってたわけですね。それを北朝鮮がさっきの、さっきので言えば右手でバンバンと叩くように、そんなの駄目だと。それから特に金剛山の観光は去年の7月に韓国の女性観光客が射殺されるって事件が起きてですね。もう凍りついた状態になってたわけですね。ところが北朝鮮側がこの現代グループの社員を1人人質にとって、この現代グループのこの会長の方が北朝鮮に行って、この将軍様に頭を下げて、もう再開するってことになったわけですよね。で、これはあくまでも民間の韓国の企業グループとそれから北朝鮮側の合意だったわけですけれども、これは韓国政府ももうこれやらざるをえない、認めざるをえないと。しかしその上で大きな問題になるのはですね、あの、さっきのVTRにもありましたけど、北朝鮮のミサイルや核開発に関連してですよ、ずっと国際社会制裁してて、特に今、新しい制裁やってるわけですよね。で、これとどう絡むのかってことについてですね、問題が生じるんですが、ところがアメリカはこういう態度に出てしまいました。はい、出して下さい」

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村西利恵
「ゴールドバーグ・アメリカ国務省の調整官は、金剛山などの観光事業の再開は制裁決議の対象外と考えていると発言したと」

青山繁晴
「これ対象外ってまず笑ってしまうんですけど、このゴールドバーグさんて方はまさしくなじみないと思うので、一言説明すればですね、これ簡単に言うとアメリカの国務省、国務省って日本で外務省です、そこのまあ官僚だと思っていただければいいです。で、調整官ていうのもよく分からないでしょうが、これ英語で言うとコーディネーター、コーディネーターです。で、コーディネーターっていうのはその、制裁をやる時に各国が協調してやらないといけないじゃないですか。日本とかアメリカだけ単独でやっても意味がないから、そういうその各国の制裁のやり方を調整しますっていう国務省の役人なんですよ」

山本浩之
「あんまり、そんな高い地位じゃないんですね?」

青山繁晴
「あくまでも、地位は高いですけれどもですね、すごく偉いとか、たとえば政治家とかいうわけでは全くないわけですよね。で、この人がですよ、24日、一昨日にまず韓国だけじゃなくていろんな国回ったんですけど、制裁に関係する所回ったんですが、でも韓国のソウルでですね、ええ、もうこの観光事業の再開とか制裁決議の対象外ですって言っちゃったわけですよ」

山本浩之
「(笑)だからこの人、権限ないんでしょ?そんな別に。あるんですか?」

青山繁晴
「いや、あの、調整官ですからそれは権限はあります」

山本浩之
「権限はあるんですか」

青山繁晴
「権限っていうかその、調整する権限はあるわけです。最終決定はもちろんアメリカの…」

山本浩之
「政府ですよね」

青山繁晴
「ああ、アメリカの決定については大統領が最終的には決断しなきゃいけませんけれども」

山本浩之
「制裁決議の対象外って……(小声でブツブツ)」

青山繁晴
「それであの、今ヤマヒロさんがちょっとブツブツ言われましたが、そのブツブツ言われるのは当然のことでね。これ対象外って重大事なんですよ」

山本浩之
「重大事ですねー」

青山繁晴
「ね。というのはあの、今、北朝鮮はとにかくキャッシュがない、現生がなくて、しかし金剛山の観光だけで、だけでもですよ、去年1年間で20億円以上のキャッシュが北朝鮮に入った。で、それがたとえば今まで300億円、400億円以上のお金が北朝鮮の核開発に使われてきたと、こういう絡みでですね、で、それがまた復活するとなるとですよ、何のことはない、北朝鮮の人々を餓えから救うんじゃなくて核開発をまたプッシュするだけだ、になるわけですよ(一同同意)。だから対象外っていうのは意味が分かんないです。意味が分からないからさすがにそれで済まなくて、日本にやって来たんですね。日本にやって来て、しかしその、これぐらいの地位の人だからたとえば外務大臣とかに会うんじゃなくてですよ、その、日本でも斎木さんていう外務省のアジア大洋州局長と会ったわけですね。で、会いまして、どういう話になったか。それあの、新聞、これも残念ながら僕の古巣の共同通信も含めてですよ、日米が頑張って制裁をこれからやっていくことで一致したみたいな話ばっかり書かれてあるわけですよ。で、そんなことの説明に来るわけがないから、話を聞いていくと、だいたいこういうやりとりだったと。はい」

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村西利恵
「『韓国政府の決定は尊重する。金剛山観光などが再開されたら、北朝鮮に外貨が入る。その外貨がどこに流れ、何に使われるのか、国際的に必ず注目される』と」

青山繁晴
「はい。これね、斎木さんの側がこれを、ま、答えたわけですけど、というのはね、このアメリカ側からですよ、もう金剛山の観光再開とか、あるいは開城工業団地の再活性化ってのは制裁の決議の外で考えましょうよってことを実は言ったと。それに対して斎木さんも役人ですから、ま、役人の中ではギリギリ言ってるわけですよ。つまり韓国がそれをやるって言うならそれは尊重しますよと、ね。しかしアメリカそれでいいとは言ってないわけですよ。だから言外にアメリカがそれに簡単に乗っかるのは困るじゃないかと言った上でですよ、その観光が再開されたら北朝鮮に外貨が確実に入りますねと。その外貨が一体どこに流れていって、つまり軍とか核開発の部分に流れていくのかどうか、そして核開発に使われるのか、国際的に必ず注目されると。ほんとは日本はそれを注視すると言いたいんだけれども、それ言えないから、かろうじてこう言ってるわけですよ」

山本浩之
「そこは言えないもんなんですか」

青山繁晴
「ええ、これはね、あの、ほんとは言ってもいいんですが、やっぱりこれは政治レベルの話で

一同
「なるほどー」

青山繁晴
「本来は政治家が言わなきゃいけない。ところがその中曽根さんも、外務大臣も参議院議員ってこともあって遊説忙しいし、その、とくかくアメリカ側がこういう、はっきり言うと大物じゃない人を出してきたら、日本側もこの程度の対応しかできないってことになってるわけです。ところがですよ、裏の動きは激しくてですね、たとえば中国がこれ指を加えて見てるわけじゃなくて、中国は外務次官の武大偉って人を北朝鮮に送りました。すると我々は当然これ6カ国協議の再開が決まるのかなと思ったら、北朝鮮はバーンと蹴ったんですよ。蹴ったから、中国はやがて戴秉国(タイヘイコク)っていうですね、外交担当の国務委員、これ中国、不思議な国で、外務大臣の上にもっと偉い人がいるわけですよ、それを送る準備をしてるんですよ。これは何を物語ってるかというと、このまま行くとですよ、6カ国協議の再開じゃなくて、アメリカと中国と北朝鮮の3カ国で物事を仕切っていく流れができるかもしれないっていう状況があるわけですね。ですからさっきのキーワードもう一回、時間ないですけど見ていただくと、選挙が終わったらその時にまた与野党に分かれて、その、争うだけじゃなくてですよ、もちろん争わなきゃいけないこともあるけど、この件についてはですね、与野党一致して取り組んでいただきたいと。もう日本は取り残されつつあるから、それをカバーするためにこの件は与野党一致して下さいって、そのためには国民の気持ちをまず、私たちまとめていきましょうというのが、今日の僕の提案なんです」

山本浩之
「はい。ありがとうございました。以上“ニュースDEズバリ”でした」

 ____________________________内容紹介ここまで


 先週のこのコーナーは「新型インフルや北朝鮮問題で新政権は重大な試練に直面する」ってことで、少し総選挙に絡めたっぽい話になってましたが、今週はやっぱもう投票日直前だからか、そういう方向にはなりませんでしたね(^_^;

 その総選挙について、個人的にどうしても皆さんにお伝えしたいことがあるので、最後にそれを書いておきます。
 8月26日に発売された「WiLL」の大特集は「民主政権で日本沈没!」なんですが、そこに民主党東京都議会議員の土屋敬之氏による【除名覚悟で民主政権を内部告発する!】と題された論文が掲載されています。

 土屋都議については、「民主党のマニフェストについては与党だけでなく身内から、つまり民主党内からも批判が出てる」ってことで拙エントリー8/2付:自民党マニフェスト発表&民主党はマニフェストに本音を書けでも少し紹介しました。

 そこで紹介した土屋都議の主張は、「民主党のマニフェストには、党の重要な政策(サヨク丸出しの政策)が意図的に脱落されている。それを入れたら国民の支持を得られないと判断したからだ。ねこだましで、国民に正確な政権構想を知らせないことにしたのだ。こんな姑息なことはない。多くの国民は保守改革の政党を期待しており、夫婦別姓、ジェンダーフリー、国旗・国歌反対などばかげた政策は支持していない」というものでした(詳細は土屋都議の日記7/31付を参照)。

 今回の「WiLL」掲載論文はその主張の詳細がまとめられたものです。
 ごくごく一部をざざっと紹介しますと——。

 民主党のマニフェストはまるで偽装マンションのパンフレット。大事なところは全く知らせず、国民にとって聞こえのいい政策だけを載せた。
 表向きは「市民の政党ですよ」という顔をしながら、実態は社民党と同じで、左翼的な意見でも強引に政策に入れてしまう。それでいてマニフェストには公開しない。
 民主党内は歴史認識、靖国問題だけでなく、安全保障すら党内で全く一致していないにもかかわらず、自民党と違って争いが表に出てこないのは、民主党が本来は「意見を圧殺する政党」であるから。
 有権者の多くが「政権交代」という言葉に惑わされているが、政治に特効薬はない。にもかかわらず「民主党に一度やらせてみれば」という空気が広がっている。こうした単純思考が最も怖い。
 表向きの穏健なイメージの民主党だと思うから「一度やらせてみれば」と思うだけで、社民党であればそうは思わないはず。しかし実際に盛り込まれている各政策は社民党と大差ないし、すでに連立政権を組むと明言している。
 安易な気持ちで民主党政権ができてしまえば、あっという間に外国人参政権や慰安婦賠償政策が実行され、バラマキ政治も行われ、国家財政もむちゃくちゃになる。「政権交代」すれば生活がよくなる、未来も拓けると信じて民主党に投票した有権者は茫然自失になるだろう——。


 実際はもっと具体的事例とかが載ってますので、まぁとにかく投票日前にぜひ一度、今月号の「WiLL」、そして土屋都議の日記をお読みになって下さい。

 他に今月号の「WiLL」で特に注目すべきは、元民主党政策担当秘書の木村英哉氏による【民主政権“10の神話”を暴く】でしょう。
 「『民主党政権は清新、清潔である』という神話」「『民主党政権は行革=政治主導の党である』という神話」「『民主党政権は子どものことを考えている』という神話」「『民主党政権は“市民が主役”“弱者の味方”』という神話」等々、こちらも必見です。
 私が一番驚いたのは、今年5月20日の参議院予算委員会で、民主党で自治労出身の峰崎直樹議員が社会保険庁で処分を下された職員に対する「就職斡旋」の要請をする発言をしていたってことです(参議院の会議録を参照のこと)。これを木村氏は「民主党が『護官』政党であることを明白に物語っている」と指摘しています。

 事前の各社世論調査では、「投票に行くつもり」と答えた人の数が前回の郵政選挙を軒並み上回っているようです。
 有権者が政治に関心を持つこと自体は大変良いのですが、もしも、野党やマスコミが連呼する「政権交代」という言葉に釣られ、「どう変わるか」を考えず「ただ変わる事」を望んで投票行動をするのだとしたら、それは大変愚かなことではないかと私は思います。

★★★★★★拙ブログ民主党関連エントリー(降順)★★★★★★

<民主党全般>
8/2付:自民党マニフェスト発表&民主党はマニフェストに本音を書け
7/28付:民主党がマニフェストを発表したわけですが
6/29付:“民主政権”への100の不安 「WiLL」より
6/16付:郵便不正事件 民主党国会議員関与でメディアに温度差
6/9付:民主党のバナー作りました
6/6付:鳩山由紀夫 変節まとめ(付:替え歌「傀儡ハッティ」)

<日教組>
7/5付:民主政権は“日教組政権”だ 「WiLL」より
08/10/25付:日教組とズブズブの民主党に政権は託せない
08/10/13付:「たかじん委員会」教育問題と日教組
08/7/22付:再録「報道特集」日教組徹底研究

<外国人参政権>
5/16付:「TVタックル」外国人参政権と在日韓国人の本国参政権
08/2/19付:「たかじん委員会」韓国と外国人参政権と在日特権
07/12/1付:外国人参政権と人権擁護法案がセットで来てます
07/10/20付:「太田総理」外国人に地方選挙権をあげます

<自治労>
07/6/12付:「たかじん委員会」年金問題と自治労、麻生太郎

<おまけ:麻生政権関連エントリー>
5/12付:「危機をチャンスに変えろ」(後編) 予算編成の舞台裏
4/25付:「危機をチャンスに変えろ」(前編) G20サミットの舞台裏
4/18付:麻生さん講演【中東和平】平和と繁栄の回廊

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※拙ブログ関連エントリー
【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし

※参考リンク
ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
 青山さんのブログです。ご本人に直接コメントが送れます。
誰にも手渡してはならない自由意志
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