平和だから呆けたのではない。他人任せにしたから呆けたのです。 “幻の名著”が新書で復活!「壊れた地球儀の直し方」
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■壊れた地球儀の直し方 (扶桑社新書)
6月2日に刊行された青山繁晴さんの新刊です。
2004年6月に扶桑社から出た『日本国民が決断する日』を改題し、一部改稿と新たな書きおろしを加えたうえで新書化されました。
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■壊れた地球儀の直し方 (扶桑社新書)
6月2日に刊行された青山繁晴さんの新刊です。
2004年6月に扶桑社から出た『日本国民が決断する日』を改題し、一部改稿と新たな書きおろしを加えたうえで新書化されました。
12年前の書を再生させようという発想は青山さんにはなく、編集者からの提案でした。
その際、「新書だからページ数を削り込んでください」という案とセットになっていたそうです。
青山さんは自身の書を改めて読むことをしない方だそうですが、今回、ちょっと抵抗を感じながらぱらぱら読み返してみて、「切りようがない、このありのままがいい」と思われたそう。
いったん新書化は諦めたところ、編集者から「それじゃ、信じられないぐらい、ぶっとい新書を出しましょう」と意外な提案が来たのだとか。
“ぶっとい新書”、略して“ぶと新”!(≧▽≦)
もうひとつ青山さんからお願いしたのは、「価格は1000円を超えないこと」。
この無理な提案も編集者は認めてくれたのでした。
あ〜、ありがたや〜ありがたや〜<(_ _)>
とはいえ、過去の著書を再生するという作業にはずいぶん苦労もされたようで…。
ハードルをいくつも越えて、私たち読者のもとに届いたこの著書は、なんと、発刊当日に増刷となり、さらにわずか5日目に3刷となったそうです。
[まさに〝ぶと新〟]
原著『日本国民が決断する日』(2004年6月発刊)の存在を、私は長い間知りませんでした。
知った時にはもう絶版になっていて、中古本には信じられない高値が付いていました(T_T)
というか、私はいつ青山さんを知ったのだろう?
定かでない…(^^ゞ
「ぼやきくっくり」の過去ログを調べてみたところ、初めて青山さんの名前が登場したのは2003年12月14日のようです。
「サンデープロジェクト」に出演された時のコメントをひとつだけ、紹介してありました。
青山さんはこの時、イラク(バグダッド)の取材報告と解説をされたようです。
その半年後に刊行された『日本国民が決断する日』の存在を知っていたら、私は買って読んでいただろうか?
申し訳ないですが、答えはおそらく「否」。
当時の私にとって、青山さんはまだそんなに大きな存在ではありませんでした。
存在が大きくなったのは、関西テレビの「スーパーニュースアンカー」(2006年4月〜2015年3月)に出演されるようになってから。
以降、メディアや著書を通じて青山さんのお考えにたびたび触れてきましたが、新たに気づかせてくれることや、好奇心を刺激してくれることが、今も毎回のようにあります。
この『壊れた地球儀の直し方』もそう。
序文でこう言われて、のっけから「ん?」となりました。
「第二次世界大戦での真の勝者は、ほんとうはアメリカだけです」(p.11)
えっ……?(°д°) どういうこと?
「常任理事国五大国のうち、イギリスに日本は負けたでしょうか。…フランスには負けたでしょうか。…ソ連には負けたのでしょうか。…中国はどうでしょうか」
ああ、そういうことね…(・∀・)
最初からこんな感じで、あとはもうぐいぐい引き込まれていきました。
普通の本の3冊分ぐらいの内容が詰まっています。
ページ数が多いだけでなく、内容がとにかく濃いんです。
原著発刊後、青山さんは、版元以外の複数の出版社の知友から「何冊かに分けて出せる内容なのに。一部でいいからウチにくれたら、手頃な1冊にして売れたのに」という趣旨を言われたそうですが、さもありなん。
分けて出さなかった理由は、「世界の根っこを掴みたい志のある読者に読んでほしかった。根っこを掴むには、すべてが繋がっている全体を読んでもらうのが一番」だからだそうです。
とても12年も前に書かれたものとは思えません。
まさに「予言の書」で、先見の明に驚かされます。
「壊れた地球儀」、それは戦勝国アメリカが作った地球儀です。
ブッシュ政権の時代に入り始めた亀裂が、オバマさんとトランプさんによって誰の目にもくっきりと見えるようになったと、青山さんは言われています。
「壊れた地球儀」の中で、私たち日本国民はどう生きていけばよいの?と、途方に暮れそうになりますが、青山さんは、「壊れた地球儀こそ、貴重品」であり、私たちがここからいかに生きるべきかを教えてくれます。
個別の話で言えば、イラク現地取材(2003年12月)の章が特に興味深かったです。
取材されたことはもちろん知っていますが、詳しい内容はよく知らなかったので。
本当にギリギリの目に遭われていたんだなあ…と。
ドキドキ、ハラハラ…(°_°;)
誤解を恐れずに言えば、そのへんの小説より百倍面白い!
イラクの混乱は現在も続いています。
なぜこんなことになってしまったのか?
それを知るうえでも、当時の青山さんの取材と解説はとても貴重です。
「アメリカは戦争ばっかりしている困った国だけど…」と、青山さんは日頃からコメントの中でよく言われますよね。
これも、世界の様々な現場を回られてきたからこそ出てくる、重たい言葉なんだなと改めて感じました。
今回、中国の脅威についてはあまり触れられていませんが、その少ない記述の中に、非常にぞっとするくだりがありました。
青山さんがかつて北京に行かれた時、中国共産党のブレーン組織である社会科学院の幹部にこう言われたそうです。
「早くアメリカ軍を出て行かせなさい。アメリカ軍が出て行けば、わが中国人民解放軍が、今度は日本を守ってあげますよ。遠いアメリカより、近い中国に守られる方が安心ですね」
これはジョークではありません。
中国は、日本が自立するはずはないと思っており、アメリカさえ出て行けば、自分たちが日本を属国にできると本気で信じているのです。
が、青山さんは帰国後、もっと驚くこととなりました。
防衛庁(当時)のきわめて地位の高い文民幹部にこの話をすると、こんな反応だったからです。
「日米同盟か、日中機軸態勢か、そのどちらかを選ぶのが日本の選択だからね」
中国がどうこうという以前に、「日本の自立、独立」という選択肢が、日本の防衛責任者の頭にないことを、青山さんは嘆いています。
これは日本国民全体の共通認識だと思いますが、敗戦後の日米関係はずっと「主従関係」でした。
青山さんに言わせれば、表向きは「同盟関係」とアメリカも言ってるけれども、これは社交辞令、あるいは武士の情け、あるいは「おまけ」。
以前は「主従関係」でも特に問題はなかったというか、とにかく日本は生きのびてこられました。
ところが、イラク戦争後、テロリストが跳梁跋扈する時代となり、アメリカ軍は神通力を失いました。
現在もアメリカ軍は世界最強ですが、あくまでそれは「正規軍」の話。
「アメリカ軍に護ってもらうから憲法も自衛隊法も、自衛隊そのものも不備でよかった時代は過ぎ去りました。否が応でも日本が自立する時代です。日米同盟は初めて対等になることを前提に堅持する時代です」(p.486)
この足を引っ張る人として、象徴的な2人の名前を青山さんは挙げておられます。
いずれも首相経験者です。
あと、青山さんが共同通信を退社されるきっかけとなったペルー日本大使公邸人質事件(2007年5月23日放送「アンカー」参照)についても、短めですが記述があります。
はっきり言って、これまで私が漠然と思っていた退社理由とは全く違っていました。
まあ、一言で言って、「青山さんらしいなぁ」と…。
また、過去の著書がそうであったように、本書でも、「作家さんらしい文学的な表現だな〜」と感じ入った箇所がいくつもありました。
「日本は21世紀に入って、アメリカ製の古い眼鏡を外したりまた掛け直したりしながら、目をこすり、膨らみつつ壊れる中国をはじめ周囲を見回し、ようやくおのれを見つめ始めている」(p.60)
「…しかし一粒の麦の一節に、こころを打たれない青春があるだろうか。年齢の話ではない。そんなものは勝手に移ろってゆく。誰にもひっそり志がある。そこに永遠の青春が息づく」(p.148)
私にとって青山さんは、国際情勢や安全保障の「先生」であるだけでなく、文章を書くうえでの「先生」でもあるのです(^^ゞ
最後に、今回最も心に残った言葉を紹介します。
平和ボケについて語られたものです。
「実は、日本国民は平和だから呆けたのじゃない。他人任せにしたから、呆けたのです。
(中略)平和とは積極的に前に出て、自らを犠牲にしてでも戦いとるものです。スウェーデンにしろスイスにしろ、そういう思想であるからこそ、いくら平和が長く続いても呆けたりしないのです」(p.358〜359)
「他人任せ」の「他人」とは、もちろんアメリカです。
アメリカとの同盟は大切です。不可欠です。
でも、アメリカに運命を委ねてきた戦後の日本の生き方が、この厳しい国際情勢の中でいつまでも通用するはずはありません。
そのことを、本書は嫌と言うほど教えてくれます。
中国の軍艦が初めて尖閣周辺の接続水域に侵入し、漫画『空母いぶき』に描かれている“日中衝突”がいつ起きてもおかしくない今、全国民必読の書と言っても過言ではないでしょう。
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※拙ブログ関連エントリー(青山繁晴さんの著書紹介)
・08/7/8付:「日中の興亡」
・09/8/16付:64年目の夏に読む青山さんの新刊&うじき氏親子の「戦争」
・12/1/6付:お子様にもお勧め「ぼくらの祖国」
・14/9/6付:英霊と私たちをつなぐ架け橋 「死ぬ理由、生きる理由 -英霊の渇く島に問う-」
・15/1/3付:日本国民だけが1945年の夏に佇んでいる 「ぼくらの真実」より
・15/10/5付:戦後の思い込みも刷り込みもちゃぶ台返し!「青山繁晴の『逆転』ガイドその1 ハワイ真珠湾の巻」
※拙ブログ関連エントリー(青山繁晴さんのテレビ・ラジオ番組での発言)
・【一覧】「アンカー」など青山繁晴さんテキスト起こし
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お手数ですが規約(13.5.9改訂)に一度目を通された上でお願いいたします。
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あ〜、ありがたや〜ありがたや〜<(_ _)>
とはいえ、過去の著書を再生するという作業にはずいぶん苦労もされたようで…。
ハードルをいくつも越えて、私たち読者のもとに届いたこの著書は、なんと、発刊当日に増刷となり、さらにわずか5日目に3刷となったそうです。
Amazon>内容(「BOOK」データベースより)
*本書は五部構成になっている。
第一部は、著者のイラク現地取材をもとに構成した。
第二部では、アメリカの世界戦略の転向とアジアの将来について論考した。
第三部では、起こりうる米朝戦争のシミュレーションを中心に、北朝鮮政府の思惑を検証した。
第四部では、真実の日米関係の姿を描き、著者の拠って来たるところを記した。
第五部では、日本の現代政治の果たしてきたことを検証し、わたしたちのくにの持つ不思議な力を呈示した。
[まさに〝ぶと新〟]
原著『日本国民が決断する日』(2004年6月発刊)の存在を、私は長い間知りませんでした。
知った時にはもう絶版になっていて、中古本には信じられない高値が付いていました(T_T)
というか、私はいつ青山さんを知ったのだろう?
定かでない…(^^ゞ
「ぼやきくっくり」の過去ログを調べてみたところ、初めて青山さんの名前が登場したのは2003年12月14日のようです。
「サンデープロジェクト」に出演された時のコメントをひとつだけ、紹介してありました。
青山さんはこの時、イラク(バグダッド)の取材報告と解説をされたようです。
その半年後に刊行された『日本国民が決断する日』の存在を知っていたら、私は買って読んでいただろうか?
申し訳ないですが、答えはおそらく「否」。
当時の私にとって、青山さんはまだそんなに大きな存在ではありませんでした。
存在が大きくなったのは、関西テレビの「スーパーニュースアンカー」(2006年4月〜2015年3月)に出演されるようになってから。
以降、メディアや著書を通じて青山さんのお考えにたびたび触れてきましたが、新たに気づかせてくれることや、好奇心を刺激してくれることが、今も毎回のようにあります。
この『壊れた地球儀の直し方』もそう。
序文でこう言われて、のっけから「ん?」となりました。
「第二次世界大戦での真の勝者は、ほんとうはアメリカだけです」(p.11)
えっ……?(°д°) どういうこと?
「常任理事国五大国のうち、イギリスに日本は負けたでしょうか。…フランスには負けたでしょうか。…ソ連には負けたのでしょうか。…中国はどうでしょうか」
ああ、そういうことね…(・∀・)
最初からこんな感じで、あとはもうぐいぐい引き込まれていきました。
普通の本の3冊分ぐらいの内容が詰まっています。
ページ数が多いだけでなく、内容がとにかく濃いんです。
原著発刊後、青山さんは、版元以外の複数の出版社の知友から「何冊かに分けて出せる内容なのに。一部でいいからウチにくれたら、手頃な1冊にして売れたのに」という趣旨を言われたそうですが、さもありなん。
分けて出さなかった理由は、「世界の根っこを掴みたい志のある読者に読んでほしかった。根っこを掴むには、すべてが繋がっている全体を読んでもらうのが一番」だからだそうです。
とても12年も前に書かれたものとは思えません。
まさに「予言の書」で、先見の明に驚かされます。
「壊れた地球儀」、それは戦勝国アメリカが作った地球儀です。
ブッシュ政権の時代に入り始めた亀裂が、オバマさんとトランプさんによって誰の目にもくっきりと見えるようになったと、青山さんは言われています。
「壊れた地球儀」の中で、私たち日本国民はどう生きていけばよいの?と、途方に暮れそうになりますが、青山さんは、「壊れた地球儀こそ、貴重品」であり、私たちがここからいかに生きるべきかを教えてくれます。
個別の話で言えば、イラク現地取材(2003年12月)の章が特に興味深かったです。
取材されたことはもちろん知っていますが、詳しい内容はよく知らなかったので。
本当にギリギリの目に遭われていたんだなあ…と。
ドキドキ、ハラハラ…(°_°;)
誤解を恐れずに言えば、そのへんの小説より百倍面白い!
イラクの混乱は現在も続いています。
なぜこんなことになってしまったのか?
それを知るうえでも、当時の青山さんの取材と解説はとても貴重です。
「アメリカは戦争ばっかりしている困った国だけど…」と、青山さんは日頃からコメントの中でよく言われますよね。
これも、世界の様々な現場を回られてきたからこそ出てくる、重たい言葉なんだなと改めて感じました。
今回、中国の脅威についてはあまり触れられていませんが、その少ない記述の中に、非常にぞっとするくだりがありました。
青山さんがかつて北京に行かれた時、中国共産党のブレーン組織である社会科学院の幹部にこう言われたそうです。
「早くアメリカ軍を出て行かせなさい。アメリカ軍が出て行けば、わが中国人民解放軍が、今度は日本を守ってあげますよ。遠いアメリカより、近い中国に守られる方が安心ですね」
これはジョークではありません。
中国は、日本が自立するはずはないと思っており、アメリカさえ出て行けば、自分たちが日本を属国にできると本気で信じているのです。
が、青山さんは帰国後、もっと驚くこととなりました。
防衛庁(当時)のきわめて地位の高い文民幹部にこの話をすると、こんな反応だったからです。
「日米同盟か、日中機軸態勢か、そのどちらかを選ぶのが日本の選択だからね」
中国がどうこうという以前に、「日本の自立、独立」という選択肢が、日本の防衛責任者の頭にないことを、青山さんは嘆いています。
これは日本国民全体の共通認識だと思いますが、敗戦後の日米関係はずっと「主従関係」でした。
青山さんに言わせれば、表向きは「同盟関係」とアメリカも言ってるけれども、これは社交辞令、あるいは武士の情け、あるいは「おまけ」。
以前は「主従関係」でも特に問題はなかったというか、とにかく日本は生きのびてこられました。
ところが、イラク戦争後、テロリストが跳梁跋扈する時代となり、アメリカ軍は神通力を失いました。
現在もアメリカ軍は世界最強ですが、あくまでそれは「正規軍」の話。
「アメリカ軍に護ってもらうから憲法も自衛隊法も、自衛隊そのものも不備でよかった時代は過ぎ去りました。否が応でも日本が自立する時代です。日米同盟は初めて対等になることを前提に堅持する時代です」(p.486)
この足を引っ張る人として、象徴的な2人の名前を青山さんは挙げておられます。
いずれも首相経験者です。
あと、青山さんが共同通信を退社されるきっかけとなったペルー日本大使公邸人質事件(2007年5月23日放送「アンカー」参照)についても、短めですが記述があります。
はっきり言って、これまで私が漠然と思っていた退社理由とは全く違っていました。
まあ、一言で言って、「青山さんらしいなぁ」と…。
また、過去の著書がそうであったように、本書でも、「作家さんらしい文学的な表現だな〜」と感じ入った箇所がいくつもありました。
「日本は21世紀に入って、アメリカ製の古い眼鏡を外したりまた掛け直したりしながら、目をこすり、膨らみつつ壊れる中国をはじめ周囲を見回し、ようやくおのれを見つめ始めている」(p.60)
「…しかし一粒の麦の一節に、こころを打たれない青春があるだろうか。年齢の話ではない。そんなものは勝手に移ろってゆく。誰にもひっそり志がある。そこに永遠の青春が息づく」(p.148)
私にとって青山さんは、国際情勢や安全保障の「先生」であるだけでなく、文章を書くうえでの「先生」でもあるのです(^^ゞ
最後に、今回最も心に残った言葉を紹介します。
平和ボケについて語られたものです。
「実は、日本国民は平和だから呆けたのじゃない。他人任せにしたから、呆けたのです。
(中略)平和とは積極的に前に出て、自らを犠牲にしてでも戦いとるものです。スウェーデンにしろスイスにしろ、そういう思想であるからこそ、いくら平和が長く続いても呆けたりしないのです」(p.358〜359)
「他人任せ」の「他人」とは、もちろんアメリカです。
アメリカとの同盟は大切です。不可欠です。
でも、アメリカに運命を委ねてきた戦後の日本の生き方が、この厳しい国際情勢の中でいつまでも通用するはずはありません。
そのことを、本書は嫌と言うほど教えてくれます。
中国の軍艦が初めて尖閣周辺の接続水域に侵入し、漫画『空母いぶき』に描かれている“日中衝突”がいつ起きてもおかしくない今、全国民必読の書と言っても過言ではないでしょう。
1)中露海軍艦艇が接続水域に侵入★ザ・ボイス青山繁晴★中露連携ではない。中国が露軍の何でもない動きに乗じて、前から機を窺っていた海軍艦艇の侵入をついにやった。中国がやってることは重大。そう遠くない時期に領海に軍艦を入れてきたり、台風シーズンに偽漁民に上陸させる前触れ。
— くっくり (@boyakuri) 2016年6月9日
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・08/7/8付:「日中の興亡」
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・15/1/3付:日本国民だけが1945年の夏に佇んでいる 「ぼくらの真実」より
・15/10/5付:戦後の思い込みも刷り込みもちゃぶ台返し!「青山繁晴の『逆転』ガイドその1 ハワイ真珠湾の巻」
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Comments
そして本書で青山さんが提示されている、これまでの国民のあり方を超えて自ら決断する国民になる即ち「超国民」とは、福沢諭吉の説いた「一身独立して一国独立す」にも通じ、現在の私達に明治の先達の気概を持つようにと言われているように感じながら読み進めています。
ところで中露海軍艦艇の接続水域侵入の件ですが、毎日新聞に気になる記事がありました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160611-00000003-mai-pol
この記事によると「仮に自衛艦がロシア艦を追尾しなかった場合、接続水域に入ったロシア艦を中国艦が率先して監視することで「中国が尖閣を守る」という構図を作る−−。防衛省関係者はそうした最悪のシナリオになった可能性を指摘する。」だそうです。恐ろしいですね。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1111088841
http://megalodon.jp/2008-0614-2152-43/ryutukenkyukai.hp.infoseek.co.jp/spy_boshi_1.html
※平和呆けの原因とよく言われるのが憲法第九条ですが、スパイ防止法が無いのも日本の弱点ですね。
核兵器を除けば自衛隊は決して人民解放軍に引けを取ってはいませんが、諜報活動(情報戦)は負けっぱなしでスパイ天国と言われて久しいですが、忍者という存在が昔は有ったのに、現在のこのていたらくは情けないです。
ちょっとびっくりしましたけど、法律を調べてみるとどうもそんな感じです。
http://nadesiko-action.org/?page_id=5813&cpage=12#comment-13252
で、それをやってるのは、国際金融で、通貨がほかのものと違い、時とともに減価していかないことに根本的な問題がある。
衝撃的な内容でした。
メデイアは扱いませんけど、ご高齢の方には結構知られている問題だと思います。
エンデの遺言
〜根源からお金を問う〜
http://rothschild.ehoh.net/material/animation_03.html
中国が今度のG20、世界経済といってますから、たぶん、これ関係だと思うんですが。
ぜひ、ご一読を。
故に先ずもって目に見える所の、最も戦後日本の堕落(物心両面)を象徴し法治国家の否定に直結している占領基本法の完全否定からスタートするのが最善でしょう。
この憲法によって講和条約締結が可能となったわけですから、これを全否定する必要はなく、99条改正、または自主憲法制定によって、大日本帝国憲法が息を吹き返しさえすればいいんだと思います。
日本は「ソ連が南クリルを奪いなどしなかったこと」を理解すべき
http://jp.sputniknews.com/opinion/20160606/2256671.html
日本国が放棄しても、千島が日本帝国の領土であることに変わりはなく、ロシアの占領が戦時占領に過ぎない事に変わりはないので、ここにおけるロシアの主張は、どの道、通らないことになります。
戦後体制派、あくまで、戦闘終結後における一時的な態勢であり、戦争終結は未だ果たされていない、ということになるはず。
なお、通貨に関する問題解決法として、地域通過と呼ばれるものがあります。
第5章 もうひとつの「お金」は可能だ! http://rothschild.ehoh.net/truth/part1/05/part1_48.html
具体的にこうやろう、との主張があります。
G20へ向けた通貨改革の国際的アクション(2009年版)
http://rothschild.ehoh.net/material/40.html
どちらも相当、読み応えがありますが、壊れた地球を治すには必須だと思います。