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英霊と私たちをつなぐ架け橋 「死ぬ理由、生きる理由 -英霊の渇く島に問う-」

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『死ぬ理由、生きる理由 -英霊の渇く島に問う-』
 
 8月12日に発売された青山繁晴さんの著書です。
 遅ればせながら、そして僭越ながら今日は私の感想を…<(_ _)>

※以下の画像は全て、過去放送された関西テレビ「スーパーニュース アンカー」“ニュースDEズバリ”コーナーからの転載です。


 2014年5月25日から30日までの日程で実施された「にっぽん丸 小笠原・硫黄島クルーズ」。

 そのクルーズで青山さんは、講演「海から祖国が甦る」を3回にわたり行われました。

 本書ではそれらの講演すべてが採録されています。

 冒頭には、青山さんのこんなメッセージが記されています。
 
【硫黄の烈しく噴き出る島に
 今も取り残されたままの栗林忠道陸軍中将をはじめ
 およそ一万と千人の日本国民に
 ただ一杯の水のごとく
 このちいさき書を捧ぐ。】



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 このような感じのカラー口絵が32ページもあり、ちょっとした写真集のようにもなっています。

 乗客の皆さんと一緒に、青山さんの講演を追体験できます。

 全276ページのうち200ページほどが、硫黄島クルーズの講演の書き起こしです。

 とても臨場感にあふれていて、「マイクが不調で聞き取りづらくてごめんなさい」的な発言までちゃんと再現されています。

 「えっ?講演の内容をそのまま文字にしただけ?手抜きでは?」
 ……などとおっしゃるなかれ!

 実は、青山さんにとって、「最初から文章を新しく書きおろしていく方が、講演録に手を入れるより、ずっと楽、時間も取らない」のだそうです。

 理由は、「講演の起こしを本にしていくとき、すでに行った講演そのものを変えないように、文法を微妙に正したり、方向転換をモデレート(穏やか)にしたり、事実関係を確認したり、非常に微妙な作業を、一行一行、延々と続けることになる」ためだそうです。

 なので、「講演を本にするオファーはこれまで全部お断りしてきた」のだとか。

 そんな青山さんが、今回あえて初めてそれに取り組まれた理由とは?

 このあたりのことは、青山さんの公式ブログの7/19付に書かれてあります。
 
 熱心なファンの方はよくご存知でしょうが、青山さんの日本語へのこだわりは並外れています(悪い意味ではなく良い意味で)。

 どの言葉を漢字にし、どの言葉をひらがなで表現するか、といったことに非常にこだわりをお持ちです。

 (ちなみに私の「水曜アンカー」青山さんコーナーの起こしでは、そのあたり完全に私の独断でやらせていただいてますが、青山さんからクレームが来たことは一度もありません)


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 さて、講演の内容ですが、「アンカー」よりも、当然ながら深い、深〜い内容です。

 「いくら関西ローカルとはいえ、地上波ではやっぱりここまでは言えないよね」的な話がてんこ盛りです。

 そのため、「アンカー」で何度も取り上げられた硫黄島の話にもかかわらず、私の知らない話がたくさん出てきました。

 2006年12月9日、硫黄島を「自由」に歩いた最初の民間人である青山さんが、同行していた方から聞いたシャレコウベのショッキングな話とか…。

 撮影した写真に写り込んだ、感動的、そして少し不思議な話とか…。

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 また、2013年4月14日に安倍総理が硫黄島に行かれたその10日前、青山さんが総理と直接会われて話されたことは同年9月25日放送「アンカー」で触れられましたが、その時は明かされなかった詳しいやりとりとか…。

 2013年10月3日、アメリカのケリー国務長官とヘーゲル国防長官が千鳥ヶ淵を訪れ献花しましたが、そこにも実は硫黄島が背景のひとつとしてあったこととか…。


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 講演の中で割いた時間の割合(ページ数)は少ないのものの、硫黄島以外にも、青山さんがこれまで取り組まれてきたテーマが複数登場します。

 「しらうめの塔」と沖縄戦、東日本大震災と福島原子力災害などです。

 いずれも、「アンカー」では紹介されなかった感動的なエピソード(青山さんが出会った人々の行動や言葉など)が紹介されています。

 メタンハイドレートの話は、今回はなしです。

 青山さんの既刊「希望の現場 メタンハイドレート」あるいは「海と女とメタンハイドレート ~青山千春博士ができるまで~」をどうぞ(と、講演でご本人も言われています(^_^;)。

 沖縄に関する部分で、青山さんはこう述べておられます。

【そのおばあたち(くっくり註:白梅学徒隊の語り部の方々。おばあは沖縄では尊敬語)に、ぼくは何年もかけて申しているのは、わたしたちが敗戦後に考えてきたことは本当は違っているんじゃないでしょうかということです。
 この沖縄戦にやってきた兵庫県民も東京都民も、本土のどこの出身者も自分のことを考えて沖縄に来たのではなく、沖縄県民を護り、日本を護るためにみんな来たんです。
(中略)わたしたちは、あの戦争に負けはしたけれども、硫黄島の英霊の方々を、敵だったアメリカこそが尊敬しているように、「わたくしを捨てて人のために生きる」という日本人の生き方が現れたのも、また沖縄戦ではないでしょうか。


 本書の背骨を貫いているのは、まさにこの部分です。

 あの戦争の時、「私」ではなく「公」のために生きた方々が大勢いて、それにより祖国は護られ、今の私たちがいるのだという、青山さんの強い想いです。



 青山さんは、講演の終わりの方でこういうことも言われています。

【硫黄島の英霊の方々、それと福島第一原発のあのなかで、今日も批判だけされながら人のために働いている作業員とどこか違っていますか?
 遠藤未希さん(くっくり註:東日本大震災のとき津波が押し寄せた南三陸町の防災庁舎で最期まで職責を果たした女性)と白梅の少女たちとどこか違っていますか。
 天皇陛下の御心とどこか違っていますか。何も違っていませんね。
 わたしたちは敗戦後の教育によって、ぼくのいた共同通信もそうですが、メディアの刷り込みを含めて、これだけ違ったことを教え込まれても、いちばん大切なところを忘れていません。
 いざとなればみんなのため、人のために生きるということをずっと忘れないで、今日この瞬間を硫黄島でも沖縄でも、このにっぽん丸の船内でも、みんながある。】


 教育やメディアの“洗脳”によって、「公」より「私」を大切にしろと叩き込まれてきた、私たち戦後の日本人。

 でも、いざという時には、自分の身を犠牲にすることもいとわず、「公」を体現する人たちが、戦前と変わらず今も存在しています。

 これは、日本にとって大きな希望です。


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 硫黄島クルーズでは、当初は天候が悪かったのに、硫黄島周遊の時に突然晴れて、しかも硫黄島にかかる虹まで現れました。

 この時のことを、青山さんはあとがきで、「過去と今をつなぎ、英霊とぼくらをつなぐ架け橋に見えました」と振り返っておられます。

 私は、青山さんのこの本こそが、英霊と私たちをつなぐ架け橋ではないかと感じました。

 私たちの祖国日本を再建したいと思っているすべての皆様に、ぜひ読んでいただきたい本です。

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 あと、これは講演の部分ではなく、いわば前書きの部分で語られているのですが、「皇紀」の話を聞いたアラブ人たちが、自分のことのように喜んだという話も、すごく印象に残りました。

 これ、機会があればぜひ「アンカー」でも話していただきたいです!


 ……最後に。

 拙ブログ経由でAmazonから青山さんのこの新著を購入してくださった皆様、どうもありがとうございます<(_ _)>
 8月末日までの集計で、約100冊分のご注文をいただきました。
 皆様からいただいた温かいお志は、例によってお米代や書籍代に充てさせていただく予定です。

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※拙ブログ関連エントリー(青山繁晴さんの著書紹介)
08/7/8付:「日中の興亡」
09/8/16付:64年目の夏に読む青山さんの新刊&うじき氏親子の「戦争」
12/1/6付:お子様にもお勧め「ぼくらの祖国」

※拙ブログ関連エントリー(青山繁晴さんのテレビ番組での発言)
【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし







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※拉致被害者奪還 日本列島縦断デモ行進はじめ、各種デモ・集会のまとめ
 http://ameblo.jp/hosyuyamato/

竹島に関する動画:英語版(Takeshima - Seeking a Solution based on Law and Dialogue

尖閣諸島に関する動画もあります。いずれも12カ国語公開されています。世界に広めましょう!
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Comments

自分以外で何を守るか・・・戦記などは、その点を考えさせるものだと思います。
もちろん、勝ちも負けも含めてで、イデオロギーに捉われず、ただし、様々な状況に対してのシミュレーションとしての視点は必要ですが。

昔に読んだ書物(題名は失念)の所為か、硫黄島と聞くと、西竹一氏とウラヌス号の、馬術でオリンピック金メダル獲得、を思い出します。
戦争が無かったら、西氏ももっと活躍できたでしょうね。

ただ、反戦を唱えていても戦火が止むことは無いと、昨今のニュースが伝え捲っていますから、それに対する体制を整えるのは、致し方ないかと。

青山さんには、その辺の考察をまとめてやって欲しい・・・というのは欲張りですかねw
オルグイユ | 2014/09/06 04:29 AM
このご本、ここで知ってamazon でぽちらせていただきました。
読んでいるとつらくて涙が出てなかなか読み進められないんです。
日本を守って闘ってくださった方々のいさおしが歪められることなく後々まで伝えられていきますように願ってやみません。
nazonazo | 2014/09/06 02:52 PM

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