「アンカー」尖閣ビデオ神戸海保職員流出告白 裁かれるべきは誰?
※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■11/10放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
尖閣衝突ビデオ流出問題について、まさに放送日の朝、神戸海上保安部所属の海上保安官が流出を告白しました。それもあって、今回の青山さんの解説は非常に濃いものとなりました。必見です!
コーナー前に、この海上保安官のビデオ流出告白のニュース報道&青山さんの解説がありましたので、まずこの部分を要旨のみ記述、続けてコーナー本編は完全起こしでお送りいたします。
コーナー本編は間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
内容紹介ここから____________________________
…………青山さんの解説(あくまで要旨)…………
( )内は山本浩之キャスターの発言です
■中国漁船衝突事件映像流出問題 神戸海保職員「自分が流出させた」 警視庁が逮捕へ(FNN11/10)
■中国漁船衝突事件映像流出問題 衆院予算委で情報管理の責任問題めぐり論戦(FNN11/10)
(ま、こうして一人の海上保安官が名乗り出たことで、どうやって流出したかが少しずつ分かってくるかと思いますけれども、このビデオをこの保安官が流出させなければ、ずっと私たちはこの真相を知らずにいた可能性が非常に高いわけでして、容疑が固まり次第逮捕する方針だと言っておりますけれども、私はこれは拍手喝采ものだと思ってるんです、個人的にはですね。この経緯については、このあとのコーナーで青山さんから詳しくお伝えしていただきたいと思うんですけれども、まずやっぱり政府の管理体制とそれに伴う政治責任ですよね。これについては?)
まず管理体制のことに関連して、海上保安庁の鈴木長官の答弁、その内容が、僕が海保の複数の幹部たちに聞いてる話と食い違ってるんですね。で、鈴木長官は、検察に渡したビデオはあるけれども、内部で研修用に作ったものはないとおっしゃいましたが、これは事実に反します。長官はおそらく研修用ってわけじゃありませんよということが言いたかったんじゃないかと推測、あるいは忖度するんですけど、中国の漁船ないしは偽装漁船が、思い切り日本の巡視船にぶつけたという異常な事件ですから、これは当然、海上保安官、みんな海の守りにつくわけですから、見なきゃいけないんですよ。見ちゃいけないんじゃなくて見なきゃいけないので。
(それは今後のためにですよね)
そうです。だから検察に渡して終わりじゃなくて、当然みんなが勉強するために、まさしくその意味では研修って意味で実際にビデオを作ったんですよね。だから鈴木長官がおっしゃった答弁は事実と違うと思います。
しかし、その上で、じゃあ今回は情報の管理体制だけが問題なのか。もう菅さんの答弁はそればっかり言ってるわけですけど、情報管理が甘かったということについては責任感じるってことをおっしゃってるけども、じゃあこれがヤマヒロさんがおっしゃったとおり、完全に隠してですよ、管理ってのはきれいな言葉で、要はこれ隠してるわけですから、隠して見せてはいけないものだったかってことについては全然答弁されないわけですよ。
それから仙谷官房長官も、今日、ちょうどこの保安官が名乗り出てきたっていう時に国会審議やってるんですけども、だからこそ、じゃあ官房長官はじめとする首相官邸から見たら、なぜこれが国民の目に触れてはいけない情報なのか、そしてだからなぜ強制捜査になって、やがてこの保安官は逮捕されなきゃいけないのかってことを、それこそ堂々と国民に説明すべきなのに、終始、いや、質問の意図がわからないとか、そういうことで逃げておられたから、ということは要するに説明できないのかなと思いますよね。
だからそういう意味から、責任ということについて言えば、この海上保安官はこれから法の裁きを受けていくわけですけれども、菅総理と仙谷官房長官の政治的な責任ってのは免れ得ないと思います。
(こちらの方が大きいですよね)
ええ。馬淵国交大臣とか鈴木海保長官の問題だけじゃなくて、これは総理の責任に直結すると僕は思います。
(なるほど。そしてこの問題はこれで終わりではなくて、今後どうやって乗り切っていくのかっていう、いくつもの問題がありますね)
終わりどころかこれがむしろ新しい始まりになってるわけですけれども、ひょっとしたら、僕、官邸から感じる空気のひとつにですね、ま、これでYouTubeでもうみんな出ちゃったんだから、もう今さら全面公開しなくても良くなったんじゃないか、つまり国民にちゃんと情報は行ったけど、中国に対しては、官邸はちゃんと中国のために守りましたよと言えるんじゃないかっていうね、そういう雰囲気が実は関係者に電話すると感じられるんですが、そんなわけにいかないですよ。
(とんでもないことですよね、それは)
そこまで国民が愚弄されてはたまらない。ちゃんと政府の責任できちんと、例えばですよ、強制接舷するところも含めて、ネット上ではいろんな憶測も流れてるわけですから、それに対応するためにも、政府の責任で、要するにYouTubeって手段じゃなくて、ちゃんと民主主義政府の責任として全面公開すべきっていうのが、次の大きな関門なんですよ。
(こういう声はほんとに皆さんに挙げていただきたいですよね。それと処分保留となってるままの中国人船長の問題もありますよね)
「アンカー」で何度か申しましたとおり、このビデオ、結果的には今のところYouTubeっていうものですが、多くの人が見てる。それでまさか(船長を)不起訴にしないでしょ?というのがみんなの感覚でしょう?これでこのまま処分保留が不起訴にもしなるとしたら、じゃあ外国人の犯罪もそうですが、じゃあ日本の例えば暴力団が覚醒剤の密輸を海上で行ったりするのも、海上保安官は取り締まるんですが、その時バーンと当てて行って、じゃあその時もお見逃ししなきゃいけないってことになるじゃないですか、誰が考えても。
だからそれこそ子供たちにまともな話をするためにも、これは今、処分保留なんだから、ちゃんと在宅起訴、船長が中国にいても関係なく起訴するというのをやるべきだというのが、このビデオでよく分かりますよね。
(そうですね。それとAPECが始まるんですよ。胡錦濤さんは来るって言ってます。今のところ日中首脳会談が行われる見通しだと言われてますが)
これはもう前からバレバレで、とりあえずAPECを無事に乗り切りたいっていうのが、中国の首脳が来るだけじゃなくて、首脳会談もしたいと。それがAPECを上手く運営することだと思い込んでるわけですよね、菅さんも仙谷さんも。しかし主権者から見てそうですか?そんな会議屋さんじゃないのでね、何となくなあなあで会議やるのがAPECだったらそもそもAPECの意義なんかないじゃないですか。だからそれを考えると、APECを無事乗り切りたいという、今、権力の座にある人にとってはある種、当たり前の感情かもしれないけど、法の正義とかあるいは私たちの民主主義というものをと、ちゃんと分けてやってもらわなきゃいけないってことですよね。
(そうですね。それにしましても、菅政権の今後を考えると、非常に暗澹たる気分になるんですけれど、国会答弁なんかをご覧になってていかがですか?)
これは菅政権の側だけじゃなくて自民党の質問も、今日せっかくの機会だったのに、僕は正直、迫力あまり感じなかったですね。中谷さん、元防衛庁長官のあと、小泉進次郎さんというホープも出てきたんですが、核心をついた質問というふうには僕は思わなかったです。だから菅政権が問われればいい、民主党が政権投げ出せばいいって問題では全然なくて、政治自体がむしろ例えば、たった一人の海上保安官の行為が巻き起こしたことにすら、政治が全体として対応できないというのが、僕らの最大の課題だと思いますよ。
…………以下、“ニュースDEズバリ”全文起こし…………
山本浩之
「そしてこのあとの“ニュースDEズバリ”のコーナーでも、引き続きこの尖閣、ビデオ流出問題について、えー、今日は解説していただけるということです」
青山繁晴
「はい。えー、あの、コーナーのある水曜日に、ま、ちょうどこういう大きな動きが起きたわけですけれども、今日は、最初にキーワード見ていただきたいと思います。それはこれです(フリップ出す)」
山本浩之
「公務員の『秘密』って何?」
青山繁晴
「はい。これは、例えば菅総理とか仙谷官房長官は、とにかく国家公務員が秘密守らなきゃいけないんだと、それを犯したんだからとにかく悪いっていう論法に立ってるけど、いや、ちょっと待って下さいよ、その、秘密になったりならなかったりするのが、政治のご都合で変わっていいのかと」
村西利恵
「ああー」
青山繁晴
「本当は、今回の海上保安官の行動をどのように僕らは、フェアに、真っ直ぐ真ん中から見たらどういうふうに見るべきなのかっていうのを、いつもと同じように、具体的に一緒に考えてまいりたいと思います」
山本浩之
「はい。ではコマーシャルをはさんで青山さんの解説です」
(いったんCM)
山本浩之
「えー、漁船衝突の映像が動画サイトに投稿された件はですね、今朝、海上保安官が名乗り出ましたけれども、では、この問題の真相、そして本質は何なのか。さっそく青山さんの解説です」
青山繁晴
「はい。えー、今日はまず、事の起こりと、それからたった今のことを、まず出して下さい」
村西利恵
「そもそもこの動画サイトに映像が投稿されたのは11月4日、先週の木曜日、夜9時頃のことでした」
青山繁晴
「はい。で、あの、事の起こりってのは本当は9月7日の事件から始まるんですけどね、その、ビデオの流出については、11月4日、ですから、木曜日の夜9時頃にあったということなんですね。で、僕が知ったのは、その、4日から5日金曜日にかけて、日付が変わる頃に知りました。で、えー、まあ夜中、この44分のビデオを4回ぐらい見まして、ま、実は4回見なくても最初の段階で、本物だってことはすぐにそう考えまして、5日金曜日、夜が明けて、えー、朝6時過ぎだったと思いますけど、海上保安庁の信頼する高級幹部に電話をしまして、えー、この件を聞いたら、ま、いろんな話をしてくれたんですが、それはこのコーナーでゆっくりお話ししますが、僕はその電話でですね、あの、実はすでに、あの、これは、あなた高級幹部だから、その、組織の下に降ろしてほしい話があると。それは、捕まる前に、自分から名乗り出るように、あの、隅々までその話を降ろして下さいと、言いました。あの、僕は海上保安庁長官任命の、海上保安庁の制作アドバイザーっていうのを務めてます。これもちろん、あの、無給でボランティアです。あの、無給でいるのは当然、海上保安庁にも言いたいこと言わなきゃいけないからですけども。あの、その立場で、つまり、あの、ま、いち民間人ですけど、その政策アドバイザーの立場で、この件は、名乗り出るように、捕まる前に、降ろして下さいってことを申しました。で、どうしてその、5日、の、金曜日の朝早い段階でそれが言えたかというと、実はその電話の時に、さっき申しましたとおり、この幹部が非常に大事なことを言ったんですね。はい、それちょっと出して下さい」
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■11/10放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
尖閣沖の衝突ビデオ流出で衝撃ずさんな情報管理体制深まる謎を青山スバリ(当日朝刊のテレビ欄より)
尖閣衝突ビデオ流出問題について、まさに放送日の朝、神戸海上保安部所属の海上保安官が流出を告白しました。それもあって、今回の青山さんの解説は非常に濃いものとなりました。必見です!
コーナー前に、この海上保安官のビデオ流出告白のニュース報道&青山さんの解説がありましたので、まずこの部分を要旨のみ記述、続けてコーナー本編は完全起こしでお送りいたします。
コーナー本編は間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
内容紹介ここから____________________________
…………青山さんの解説(あくまで要旨)…………
( )内は山本浩之キャスターの発言です
■中国漁船衝突事件映像流出問題 神戸海保職員「自分が流出させた」 警視庁が逮捕へ(FNN11/10)
■中国漁船衝突事件映像流出問題 衆院予算委で情報管理の責任問題めぐり論戦(FNN11/10)
(ま、こうして一人の海上保安官が名乗り出たことで、どうやって流出したかが少しずつ分かってくるかと思いますけれども、このビデオをこの保安官が流出させなければ、ずっと私たちはこの真相を知らずにいた可能性が非常に高いわけでして、容疑が固まり次第逮捕する方針だと言っておりますけれども、私はこれは拍手喝采ものだと思ってるんです、個人的にはですね。この経緯については、このあとのコーナーで青山さんから詳しくお伝えしていただきたいと思うんですけれども、まずやっぱり政府の管理体制とそれに伴う政治責任ですよね。これについては?)
まず管理体制のことに関連して、海上保安庁の鈴木長官の答弁、その内容が、僕が海保の複数の幹部たちに聞いてる話と食い違ってるんですね。で、鈴木長官は、検察に渡したビデオはあるけれども、内部で研修用に作ったものはないとおっしゃいましたが、これは事実に反します。長官はおそらく研修用ってわけじゃありませんよということが言いたかったんじゃないかと推測、あるいは忖度するんですけど、中国の漁船ないしは偽装漁船が、思い切り日本の巡視船にぶつけたという異常な事件ですから、これは当然、海上保安官、みんな海の守りにつくわけですから、見なきゃいけないんですよ。見ちゃいけないんじゃなくて見なきゃいけないので。
(それは今後のためにですよね)
そうです。だから検察に渡して終わりじゃなくて、当然みんなが勉強するために、まさしくその意味では研修って意味で実際にビデオを作ったんですよね。だから鈴木長官がおっしゃった答弁は事実と違うと思います。
しかし、その上で、じゃあ今回は情報の管理体制だけが問題なのか。もう菅さんの答弁はそればっかり言ってるわけですけど、情報管理が甘かったということについては責任感じるってことをおっしゃってるけども、じゃあこれがヤマヒロさんがおっしゃったとおり、完全に隠してですよ、管理ってのはきれいな言葉で、要はこれ隠してるわけですから、隠して見せてはいけないものだったかってことについては全然答弁されないわけですよ。
それから仙谷官房長官も、今日、ちょうどこの保安官が名乗り出てきたっていう時に国会審議やってるんですけども、だからこそ、じゃあ官房長官はじめとする首相官邸から見たら、なぜこれが国民の目に触れてはいけない情報なのか、そしてだからなぜ強制捜査になって、やがてこの保安官は逮捕されなきゃいけないのかってことを、それこそ堂々と国民に説明すべきなのに、終始、いや、質問の意図がわからないとか、そういうことで逃げておられたから、ということは要するに説明できないのかなと思いますよね。
だからそういう意味から、責任ということについて言えば、この海上保安官はこれから法の裁きを受けていくわけですけれども、菅総理と仙谷官房長官の政治的な責任ってのは免れ得ないと思います。
(こちらの方が大きいですよね)
ええ。馬淵国交大臣とか鈴木海保長官の問題だけじゃなくて、これは総理の責任に直結すると僕は思います。
(なるほど。そしてこの問題はこれで終わりではなくて、今後どうやって乗り切っていくのかっていう、いくつもの問題がありますね)
終わりどころかこれがむしろ新しい始まりになってるわけですけれども、ひょっとしたら、僕、官邸から感じる空気のひとつにですね、ま、これでYouTubeでもうみんな出ちゃったんだから、もう今さら全面公開しなくても良くなったんじゃないか、つまり国民にちゃんと情報は行ったけど、中国に対しては、官邸はちゃんと中国のために守りましたよと言えるんじゃないかっていうね、そういう雰囲気が実は関係者に電話すると感じられるんですが、そんなわけにいかないですよ。
(とんでもないことですよね、それは)
そこまで国民が愚弄されてはたまらない。ちゃんと政府の責任できちんと、例えばですよ、強制接舷するところも含めて、ネット上ではいろんな憶測も流れてるわけですから、それに対応するためにも、政府の責任で、要するにYouTubeって手段じゃなくて、ちゃんと民主主義政府の責任として全面公開すべきっていうのが、次の大きな関門なんですよ。
(こういう声はほんとに皆さんに挙げていただきたいですよね。それと処分保留となってるままの中国人船長の問題もありますよね)
「アンカー」で何度か申しましたとおり、このビデオ、結果的には今のところYouTubeっていうものですが、多くの人が見てる。それでまさか(船長を)不起訴にしないでしょ?というのがみんなの感覚でしょう?これでこのまま処分保留が不起訴にもしなるとしたら、じゃあ外国人の犯罪もそうですが、じゃあ日本の例えば暴力団が覚醒剤の密輸を海上で行ったりするのも、海上保安官は取り締まるんですが、その時バーンと当てて行って、じゃあその時もお見逃ししなきゃいけないってことになるじゃないですか、誰が考えても。
だからそれこそ子供たちにまともな話をするためにも、これは今、処分保留なんだから、ちゃんと在宅起訴、船長が中国にいても関係なく起訴するというのをやるべきだというのが、このビデオでよく分かりますよね。
(そうですね。それとAPECが始まるんですよ。胡錦濤さんは来るって言ってます。今のところ日中首脳会談が行われる見通しだと言われてますが)
これはもう前からバレバレで、とりあえずAPECを無事に乗り切りたいっていうのが、中国の首脳が来るだけじゃなくて、首脳会談もしたいと。それがAPECを上手く運営することだと思い込んでるわけですよね、菅さんも仙谷さんも。しかし主権者から見てそうですか?そんな会議屋さんじゃないのでね、何となくなあなあで会議やるのがAPECだったらそもそもAPECの意義なんかないじゃないですか。だからそれを考えると、APECを無事乗り切りたいという、今、権力の座にある人にとってはある種、当たり前の感情かもしれないけど、法の正義とかあるいは私たちの民主主義というものをと、ちゃんと分けてやってもらわなきゃいけないってことですよね。
(そうですね。それにしましても、菅政権の今後を考えると、非常に暗澹たる気分になるんですけれど、国会答弁なんかをご覧になってていかがですか?)
これは菅政権の側だけじゃなくて自民党の質問も、今日せっかくの機会だったのに、僕は正直、迫力あまり感じなかったですね。中谷さん、元防衛庁長官のあと、小泉進次郎さんというホープも出てきたんですが、核心をついた質問というふうには僕は思わなかったです。だから菅政権が問われればいい、民主党が政権投げ出せばいいって問題では全然なくて、政治自体がむしろ例えば、たった一人の海上保安官の行為が巻き起こしたことにすら、政治が全体として対応できないというのが、僕らの最大の課題だと思いますよ。
…………以下、“ニュースDEズバリ”全文起こし…………
山本浩之
「そしてこのあとの“ニュースDEズバリ”のコーナーでも、引き続きこの尖閣、ビデオ流出問題について、えー、今日は解説していただけるということです」
青山繁晴
「はい。えー、あの、コーナーのある水曜日に、ま、ちょうどこういう大きな動きが起きたわけですけれども、今日は、最初にキーワード見ていただきたいと思います。それはこれです(フリップ出す)」
山本浩之
「公務員の『秘密』って何?」
青山繁晴
「はい。これは、例えば菅総理とか仙谷官房長官は、とにかく国家公務員が秘密守らなきゃいけないんだと、それを犯したんだからとにかく悪いっていう論法に立ってるけど、いや、ちょっと待って下さいよ、その、秘密になったりならなかったりするのが、政治のご都合で変わっていいのかと」
村西利恵
「ああー」
青山繁晴
「本当は、今回の海上保安官の行動をどのように僕らは、フェアに、真っ直ぐ真ん中から見たらどういうふうに見るべきなのかっていうのを、いつもと同じように、具体的に一緒に考えてまいりたいと思います」
山本浩之
「はい。ではコマーシャルをはさんで青山さんの解説です」
(いったんCM)
山本浩之
「えー、漁船衝突の映像が動画サイトに投稿された件はですね、今朝、海上保安官が名乗り出ましたけれども、では、この問題の真相、そして本質は何なのか。さっそく青山さんの解説です」
青山繁晴
「はい。えー、今日はまず、事の起こりと、それからたった今のことを、まず出して下さい」
村西利恵
「そもそもこの動画サイトに映像が投稿されたのは11月4日、先週の木曜日、夜9時頃のことでした」
青山繁晴
「はい。で、あの、事の起こりってのは本当は9月7日の事件から始まるんですけどね、その、ビデオの流出については、11月4日、ですから、木曜日の夜9時頃にあったということなんですね。で、僕が知ったのは、その、4日から5日金曜日にかけて、日付が変わる頃に知りました。で、えー、まあ夜中、この44分のビデオを4回ぐらい見まして、ま、実は4回見なくても最初の段階で、本物だってことはすぐにそう考えまして、5日金曜日、夜が明けて、えー、朝6時過ぎだったと思いますけど、海上保安庁の信頼する高級幹部に電話をしまして、えー、この件を聞いたら、ま、いろんな話をしてくれたんですが、それはこのコーナーでゆっくりお話ししますが、僕はその電話でですね、あの、実はすでに、あの、これは、あなた高級幹部だから、その、組織の下に降ろしてほしい話があると。それは、捕まる前に、自分から名乗り出るように、あの、隅々までその話を降ろして下さいと、言いました。あの、僕は海上保安庁長官任命の、海上保安庁の制作アドバイザーっていうのを務めてます。これもちろん、あの、無給でボランティアです。あの、無給でいるのは当然、海上保安庁にも言いたいこと言わなきゃいけないからですけども。あの、その立場で、つまり、あの、ま、いち民間人ですけど、その政策アドバイザーの立場で、この件は、名乗り出るように、捕まる前に、降ろして下さいってことを申しました。で、どうしてその、5日、の、金曜日の朝早い段階でそれが言えたかというと、実はその電話の時に、さっき申しましたとおり、この幹部が非常に大事なことを言ったんですね。はい、それちょっと出して下さい」
村西利恵
「動画が投稿された翌日、その電話で海上保安庁の幹部は、『あれはウチしかない』と話したと」
一同
「うーん」
青山繁晴
「はい。実は今日この『アンカー』でこの話する前に、この人に、この言葉を何度も確認しました。こう言ったよねというのを。えー、もちろん、あの、この人も『アンカー』は実は見てる人ですから、いや、この、関西地方に住んでないですよ、見てる人ですから、この『アンカー』で話すことも前提の上で確認したら、確かにそう申しましたと、あれはウチしかありませんと。これどういう意味かというと、まずこうなんですね。はい」
村西利恵
「当初から、海上保安庁内部からの流出と考えられた」
青山繁晴
「はい。というのはですね、この当初ってね、あの、つまり、この、えー、神戸の海上保安官が名乗り出る前、まで、いっぱいいろんな報道があって、ありのままに言うと、もう誤報がいっぱいあるんですよ。未だに修正されてないのもあるんですが。で、その洪水のような報道の中に、その、あのビデオが行ってるのは検察もあれば、海上保安庁もあって、その、海上保安庁とは限らないっていう話がずーっとこう報道されてきたんですが、いや、そうじゃなくて、最初から、検察じゃなくて海保しかあり得なかったんですね。それはどうしてかというと、このキーワードは実は、この『あれ』なんですよ、『あれ』。『あれは』ってこれ漠然と言ってんじゃなくて、この電話の会話で出た具体的なものなんです。それは何かというと、ちょっと実際の映像を見ていただけますか」
村西利恵
「はい。動画サイトに投稿された映像、出ますでしょうか」
村西利恵
「動画投稿サイトに投稿された映像6本のうち、1本をご覧いただいています。この映像の最後に、『企画・制作 PL63 巡視船よなくに』とありますが、このエンドクレジットは一体どういう意味なんでしょうか」
青山繁晴
「はい。これ文字どおり真っ暗な、画面が真っ暗になってこれが出てくるんですけど、これ皆さんあの、普通に考えていただいてね、この企画・制作っていう言葉はね、これ検察に出すものに付けますか?ね。まずそれがありますね。で、もうちょっとしっかり説明するとですよ、まずその、検察庁に海上保安庁ないしは保安部から、あるいはその管区の保安本部から、つまり海保の側から確かにビデオを出しますが、これはまず無修正、無編集でないといけないんです。というのは、あくまで検察に出すのは、やがて裁判します、この中国人船長は起訴されて裁判にかけられるはずだったですから、証拠として、そのビデオを出さなきゃいけない。これはマスタービデオなんですよ」
山本浩之
「それはいじくっちゃだめなわけですよね」
青山繁晴
「いじくっちゃだめです。ちょっとでも手入れたら、ましてやこんな画面入れたら、一発で証拠の価値なくなってしまうから」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「無修正のビデオを、その検察庁に実は出したんです。で、その時に、でも10時間以上全部合わせたらありますから、検察官見るの大変だから、どうしたかというとですよ、こういう紙に、その映像、あの、始まってから何分何秒のところに、まず最初の犯罪事実があります、例えばその、網を入れました。あるいは引き揚げましたと。これ違法操業ですから。それからもちろん皆さんご存知のぶつかってる画面、それが何分何秒にありますっていうのを紙で出してるわけですね」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「ビデオそのものはいじってないんですよ。しかしその時にですね、検察にもその、44分の映像も渡された。それはどうしてかというと、紙以外にですね、もう簡単に見られるように、検察官が44分で理解できるようなものを作ったんですよ。で、それと同じものを活用して、海上保安庁の内部でも見ようとした。それは、面白がって見ようとしたんじゃない。さっきのストレートニュースのところでもちらっと申しましたけれども、要するに、いくら何でもこのような悪質な行為、巡視船に向かって、1回じゃなくて2回も意図的に当ててくる、それも明らかに普通の漁船としてはおかしい、訓練された行動でやってくる。これが、単に参考にすべきだけじゃなくて、今後も繰り返される恐れが強い」
山本浩之
「はい」
青山繁晴
「日本の現状からしたら、日本の政治やあるいは、憲法の現状からしたら、恐れが強いから、海上保安官は見なきゃいけなかったわけですよ。それを企画したんですよ。ね。そしてぶつけられた本人たち、巡視船よなくに、これ、PLっていうのは、パトロールラージっていう意味で、その、大きな巡視船って意味なんですね。この場合、1000トン。で、63っていうのはよなくにのことを指すわけですね。ま、内部用語、ま、これは内部用語って言っても、好きな人は分かりますけどね。いずれにしても、企画っていうのは、今回に限っては、これは全員見なきゃいけないよね、海の保安官たちはみんな見ようねと。あるいは場合によっては、海上保安庁職員12,000人、みんな見るべきだよねって、それ考えて責任持って作りましたと。だからこれは実は検察に行ってないんですよ。すなわち、こういうことです。はい、出していただくと…」
村西利恵
「海上保安官の研修用に作成されたものであると」
青山繁晴
「はい。で、例えば海上保安庁の鈴木長官は、そう研修を組織としてやった事実はない…」
村西利恵
「おっしゃいましたね」
青山繁晴
「だからその、否定してるんですが、しかし現場ではですよ、研修って言葉であっても、参考っていう言葉であってもいいんですが、要は実際に学ばなきゃいけないんですよ。そのために作って、しかもこの黒いエンドマークを付けたのは、海保しかないから、その、もう一回言いますが、流出の直後の、朝の電話で、海上保安庁の高級幹部は、その、彼は非常に良心的な人なんで、責任を持って、あれは、あれは、つまりこれはウチしかないと。だからその、ウチの内部だろうと。で、その時に僕が、心情分かりますかと聞いたら、いや、分かりません!とおっしゃいました。これは海上保安庁をむしろ破壊してしまうと、こんなことはやってはいけないと、私たちは海の警察だから、警察官はこんなことはしてはいけないと、血の涙が出ますと、言われました。僕はもう声が出なかったんですけども、それがありましたから、まあ海上保安庁の内部では、その、実は人知れず、その、ひょっとしたらですよ、これ僕は確認してません、確認してませんが、その、名乗り出るようにっていう、その努力があったかもしれません。ここは僕は今のところ確認はしてません。で、その上でですね、あの、今、申したことも踏まえながら、改めて、今に至るまでの流れをもう一度客観的に見てみましょう。はい、出して下さい」
村西利恵
「漁船衝突事件発生からの経緯です」
青山繁晴
「はい。これあの、さっきも言いましたが、その、9月7日に事件が発生してですよ、その事件てのはまさしくこの画像にあるように、この、意図的にぶつけてくる、しかもこれ2回あったわけですね。その、大変なことが起きたので、その、船長の身柄をついに押さえてですよ、つまり9月8日の未明に逮捕しましたね、今までは逮捕すらできなかったんですけど、とうとう逮捕しましたと。そして皆さん思い出していただくと、9月19日に船長の拘置を延長しましたと。これ僕らはごく普通のこととして受け止めたんですね。で、実はこの時には、那覇地検と、それからその上級官庁の福岡高検が、裁判をしますと、正式に起訴して、船長を裁判でちゃんとフェアに裁きますということを、最高検に上げたら、最高検、OKだったわけですよ」
一同
「(同意)」
青山繁晴
「だから、フェアな調べを続けなきゃいけないから拘置延長した。中国はイジメととったようですけども、違います。ね。日本の民主主義に基づいてそれをやったんです。ところが中国が逆に、これで、えっ、これは裁判やるつもりなのかと気がついて、ものすごい圧力を強めてきたんですね。圧力を強めてきて、ここには書いてないけど、たった5日後の9月24日に、あの那覇地検の歴史に残る会見があって、日中関係や国民生活に配慮して釈放することにしたってなって、25日に実際に釈放しちゃったんですよ。で、その、ここでですね、これまでは今まで何度もお話ししたとおり、これはみんなが見なきゃいけない映像だと、海上保安官ももう当然のこと、それだけじゃなくて、国民が見なきゃいけない映像だとなってたのが、ここから(船長釈放から)急に話がおかしくなったわけですよ」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「で、話がおかしくなって、これ微妙な状態が続いて、そして決定的だったのは10月18日になってから、馬淵国交大臣、つまり前原さんから代わった馬淵国交大臣が、映像の管理を徹底的にやれと言ったわけですね。ここから、いわば、ちょっと出してくれますか、こうなったわけですよね」
青山繁晴
「公式に機密扱いになったんですよ。しかしね、皆さんこれ、公平に見て、フェアに見てですよ、これ、国家、国益のために機密扱いになったんですか?そうじゃなくて…」
山本浩之
「いや、違うでしょ」
青山繁晴
「この映像を見たら、この釈放ってのは何なんだよと」
山本浩之
「そうですよね」
青山繁晴
「私たち主権者、あるいは世界の常識、国際法から見てもおかしいでしょうと」
山本浩之
「おかしいですね」
青山繁晴
「ということになるから、馬淵さんが映像の管理、つまりこれはまずいから出すなってことですよね、本当は」
一同
「(同意)」
青山繁晴
「馬淵さん真面目な人だけれども、しかしこれはこう解釈せざるを得ないわけですよ。そうすると、この流れってのは明らかにその、異常なんですよね。で、その、異常な上にですよ、その、異常が重なってきたから、いくら何でも国会に見せろになって、限定的に、予算委員会の理事だけ見せたんですよね。しかしこの時に、同時に仙石さんは、一般には公開しませんって言い切ったわけですよね」
山本浩之
「そうです」
青山繁晴
「いろんな配慮しなきゃいけないから。で、この、この3日後に映像の流出が起きるわけですから、もう動機はこの辺に、ま、今のところまだ動機、調べ中ですけれども、この辺にたっぷり動機はあるなっていうのは誰でも考えられることなんですね」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「そしてその上でですね、ちょっとこのVTR、もう一度見ていただけますか、はい」
青山繁晴
「このビデオ、皆さん、あの、こんな言い方いいかどうか分かりませんが、懐かしい映像ですよね」
村西利恵
「こちらは2001年12月に鹿児島県奄美大島沖で、北朝鮮の不審船が、海上保安庁の巡視船と銃撃戦を展開した時の映像です。この事件で北朝鮮の不審船は沈没し、乗組員全員死亡、海上保安庁の巡視船乗組員3人が負傷しています」
青山繁晴
「はい。これは誤解なきよう、沈没したのは北朝鮮の側が自爆したんであって、海上保安庁の銃撃によって死んだ、あるいは沈没したのではありません。しかし、そうであってもですよ、この映像というのは明らかに、我が国の海上保安庁、海上の警備力がどんな能力を持って、どういう時についに発砲するのかというのを、手の内を見せた映像なんですよ」
一同
「(同意)」
青山繁晴
「それなのに公開しててですよ、未だに皆さん、これあの、今日のテレビだけじゃなくて、海上保安庁のホームページに行けば今でも見られるんですよ。全世界に向けて公開されてて、手の内をさらけ出したものまで公開してるのに、同じ海でですよ、何で今回のやつが機密扱いになるのか、これは誰が考えてもおかしいわけですよね」
一同
「(同意)」
青山繁晴
「ですから、いわばこの北朝鮮のその不審船を、ついに銃撃した、銃撃といっても、威嚇銃撃ですね、威嚇のために銃撃して、そして向こうが撃ち返してきたんで正当防衛で、こちらも撃ったと。そしたら向こうが、はっきり言うと、勝手に自爆して沈んでいったと、そして全員死亡したと、いうこの、前の映像が、今回(の映像)は機密じゃないでしょうって、いわば証拠になるわけですね」
山本浩之
「はい」
青山繁晴
「で、この状態の上でですよ、すでに今、神戸で海上保安官が事情を聞かれてて、やがて逮捕されて、東京に身柄を移されることになって、そのあとどうなるかというと、それはもちろん、起訴したら裁判になるんですよね。そして僕は実は最近は、海上保安庁の人よりもたくさん電話してる相手って検察官なんですよ。検察官にね、例えばその、調べる側の人だけじゃなくて、公判部ってあるんですけど、公判を維持する立場の人に聞いて、これ、機密だと立証できるんですか?と。どうやって立証するんですかと。裁判になったら今、皆さんにお見せした、あの北朝鮮の工作船との銃撃の映像も出ますよと、裁判に、弁護側からおそらく。こっち(北朝鮮工作船)は公開で何でこっち(中国漁船)は機密だと。そんな時、どうやって反論するんですか?とね、言いましたら、実は、あー、現実はこうなんです」
村西利恵
「検察の幹部によると、ビデオ流出について『検察内で意見が真っ二つに割れている』と」
一同
「はぁーー(驚き)」
青山繁晴
「はい。例えばですね、断固、これはやるべきだと、僕に電話でかなり怒って言った人はですよ、10月18日に馬淵国交大臣が厳重管理と言ってるんだから、それはもう守るべき秘密に当たるんですよと、ね、言った人もいます。だけども、それもさっき言ったでしょ、その、馬淵さんの動機が、その、国益のためになるのかということでね、検察の内部でも、いや、やがてその、僕が電話で聞いた段階では、やがて容疑者が出てきて、それを仮に逮捕しても、青山さん、これは、我々は不起訴にするべきだと思う、ね、起訴すべきじゃないと思うと、(言う)人もいて、検察が実は二つに分かれてるわけですよ。で、それをこの後半、さらに具体的に見ていきたいんですけれども、後半のキーワードはこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『裁かれるのは誰か』。CMのあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「二つ目のキーワードは『裁かれるのは誰か』というものでした。早く続きが聞きたいという人は多いと思います。さっそくお願いします」
青山繁晴
「はい。皆さんこの、コマーシャルの前に、検察の中で意見が真っ二つに割れていると、申しましたが、これ具体的に何が真っ二つに割れているかというと、それはこれなんです」
村西利恵
「国家公務員法100条(守秘義務)違反に該当せず、無罪になる可能性がある」
青山繁晴
「はい。これは、その、真っ二つ、つまり、これ断固裁くべきだと、厳しくやるべきだと言う人も、問いつめて聞いていくと、いや、無罪になる可能性はそれは否定はできないよねって答えが、これも一人じゃないんですよ、公判部の複数の検事から返ってきて。ということは、これ可能性ですけれども、相当あるってことなんですね」
一同
「へえー」
青山繁晴
「それ、どうしてかというと、国家公務員法、国家公務員はこういうことしなきゃいけません、あるいはこれしちゃいけないよって法律があって、その第100条にですね、ちょうど100条のところに、職務上知りえた秘密は、その、公務員を辞めたあとも生涯守らなきゃいけませんよと。それを破った場合は、1年以下の懲役か、あるいは50万円以下の罰金ですよと。で、仙谷さんは、これがその、大してきつくないから、これをもっときつくするんだと、いわばこの機に乗じて情報統制したいみたいなことをおっしゃってますけど、いや、今その、これから裁判やらなきゃいけない、検察の内部で問題になってる、そんなことでは全然ないんですよ。どうしてかというと、無罪になるかもしれないってのは、これは歴然としたその、根拠があるからです。その根拠は、何とこれなんです」
村西利恵
「国家公務員法100条の『秘密』とは、国家機関が形式的に秘扱の指定をするだけでなく、1.一般人が知らない事実、2.秘密として保護するべき、この2つの条件を満たす場合のみ、守秘義務の対象になるということが、1977年の最高裁の判決で示されています」
青山繁晴
「はい。これちょっとあの、難しいなと思った人いるかもしれませんが、いや、話は難しくないんですよ。これ例えばですよ、あの、具体的にはね、その、税務署の職員が、その、部外秘って書いてある書類を、外に出しちゃったと。で、それについての裁判で、最高裁、つまり最高裁の判例ですから一番上なんですね。えー、はっきり言うと覆せません。その最高裁のその、あの、判決の時にですね、役所がポンポコポンポコ部外秘って判子を押したってダメだよと、それだけだと。そうじゃなくてその中身が問題なんだよと。その中身が、いや、もう一般人は全然知らないということなんだと。ね。そして同時に、中身が、国として、ね、国家公務員ですから、国として、秘密として保護しなきゃいけないと、それ認められきゃいけないと。ね。中身が問題だよと言ったんですよ。これは実は私たちの民主主義、司法の独立がちゃんと機能してる立派な証拠なんですよ」
山本浩之
「そうですねー」
青山繁晴
「というのはね、それは役所はね、ポンポコポンポコ、何でも部外秘って判子を実際に、秘とか厳秘とか押すじゃないですか。僕、記者時代もたくさん体験しましたよ。何でこれが秘密なのって。要するに自分たちの組織を守るために、それどんどんやるんですね。民主党はもともとそれを打ち破って情報公開するって言ったんじゃないんですか?」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「だから、もうとっくに33年も前にですよ、最高裁から、その、勝手に役人とか政治家が秘密と言ったってダメだよと。その中身を裁判になった時はちゃんと調べて、それは本当に国のために秘密にしなきゃいけませんね、あるいは人権のために秘密にしなきゃいけませんねと、証明されなきゃダメだよと言ってんですよ」
村西利恵
「つまり今回の場合は、出さない方が国益を損なうと、思われれば、ということですよね」
青山繁晴
「そうです。これあの、日本ですから、最後は、これ裁判員裁判じゃないんで、プロの裁判官が、この日本が定めてるとおり、自らの信念、あるいは良心、ね、ま、あの、正確には自らの良心と法にだけ基づいて、判決を下すんですが、その裁判官が今、村西さんが言ったとおり、これは出さないことの方がむしろ、秘密にしている方が国益損ねると思ったら、無罪になるし、そこまで行かなくてもですよ、つまりもともと経過をたどれば、さっき僕が説明したとおり、9月19日、ね、あたりまでは、みんなが見るべきものだったわけですから」
一同
「そうです、そうです」
青山繁晴
「それが船長解放したことによって、秘密にすり替えられたものがその、裁かれるものなのかってのは、必ずこれ、実は裁判で争いになって、実は、ま、強硬派と言っちゃいけないかもしれないけど、いや、これは断固やるべきだと言ってる検事も、いや、それは確かにこの判例があるから、無罪になるかもねと言わざるを得ない状況なんですよね」
山本浩之
「なるほど」
青山繁晴
「で、その上でですね、皆さん実はもうひとつ、今日の段階でも隠れた大事なことがあってですね、果たして、その、43歳と、僕は聞いてますが、43歳のベテラン海上保安官だけの、これは、したことなのかというのがもうひとつあるんです。というのは、もちろん僕は簡単に複数犯と言うつもりはありませんけれどね、しかし、えー、このスタジオに入る前、生放送に入る前に、直前に、最後に海上保安庁の幹部にもう一度電話しましたらね、こういう話があったんです。えー、この43歳の海上保安官はまず主任航海士という肩書きで、これは簡単に言うと士官です、オフィサーですね。海上自衛隊で言えば士官になるわけですね、あるいは海軍で言うと士官になる。だから責任ある立場ですと。で、この者、この方が乗ってるのはですね、『うらなみ』っていうちっちゃい船なんですよ。あの、神戸港のあたりを一生懸命警戒してるちっちゃい船ですから、これが沖縄に応援に行けない。というのはね、皆さん、あの事件、9月7日にあってですよ、その、えー、石垣海上保安部の誇る船が、2隻もぶつけられて、あの、修理にも出さなきゃいけないし、その前に、証拠の調べもあるから、身動きとれないから、実は全国から、海上保安庁の船が、その、捜査の応援じゃなくてですね、警備の応援に行ったんですよ。中国もまたどんどんやって来るわけですから。従って、その、神戸の海上保安部っていうのは日本でも、数ある、あの、中でも大きな海上保安部ですから、59隻も船持ってるんで。その中で一番大きい『せっつ』っていうですね、ヘリコプターも載っけられる、世界に誇る巡視船が行ったんですよ。ね。で、この43歳の方が乗ってるのはちっこい船だから、行かなかったけど、おっきな船が行って、そして、これは推測を交えて申しますよ、推測を交えるってことは明言しますが、みんなで最初に見てたわけですから。その、警備の任務から陸に上がってきますね、上がってきた時に、そのビデオをおそらくは見てるわけですよ。そして真面目に勉強しなきゃいけないから、面白がってじゃない、興味半分じゃなくて、真面目に警備の勉強しなきゃいけないから、コピーして持って帰った人がおそらくいるだろうってことなんです。もう一回言いますが、推測ですよ。そして、それも含めて、みんなで見なきゃいけないから、自分の乗ってる船が小さくても見なきゃいけないから、それが回っていって、この、43歳の人の手にも渡ったんじゃないか、ということなんですよね。で、どうして、その、みんなで見なきゃいけないかってことはもうひとつ大きな、実は、こういう大きな大きな問題があるんですよ。はい、出して下さい」
青山繁晴
「はい。これは、ちょっとまた歴史の話になって申し訳ないけれども、でも簡単に言いますとね、65年前に戦争に負けましたと。で、負けた直後に、もう海上保安庁、3年後にできましたと。ね。で、この間、日本はアメリカに占領されてましたが、1952年になったら、もう独立を回復して、日本に戻りましたと。ところが皆さん、思い出していただくと、尖閣諸島含む沖縄県は、そのままアメリカのもので、それが20年間続いたんですよね。20年間続いて、ようやく沖縄の人々が頑張って、祖国復帰運動をやって、72年の5月に沖縄は戻ってきたんですよ。そして、この大きな流れ、この中に何があったかというと、ちょっと出して下さい」
青山繁晴
「はい、別な話としてですよ、69年に、国連の調査で、尖閣諸島に、日本はもう資源小国じゃない、ほんとはたくさんの資源を抱え込んでる国なんだってことが出たら、突然翌年から、それまで日本のものと認めてた尖閣諸島を、中国や台湾が、いや、自分のもんなんだと、実は昔からそうだったと、言い始めたわけですね。そのあとに沖縄が日本に戻った。そしたら何が起きたかというと、実は、問題の根っこはこれなんです。はい、出して下さい」
村西利恵
「与那国町の外間(ほかま)町長は、10月16日に開かれた『中国の領海侵犯から尖閣諸島海域を守る沖縄県民の集い』の中で、『アメリカの施政下の尖閣には誰でも行けた。日本に復帰してから行けなくなった』と話しておられます」
一同
「ああー」
青山繁晴
「はい。この10月15日土曜日の、この集会に僕、行きまして、つたない講演をいたしたんですけど、僕の講演の前に、この自治体の首長や、あるいはその、国会議員の方々いろんな挨拶されたんですよ。いろんな挨拶ありましたけど、僕が一番ほんとに胸を突かれた思いがしたのは、この僕の信頼する外間町長、与那国島は日本で一番西の島で、もう台湾が目の前ですけどね、そこに自衛隊部隊を呼びたいと。反対論に、一生懸命苦しみながら頑張ってきた。僕も相談受けてきて、信頼してる人なんですよ。その外間町長、何気なく、その挨拶でおっしゃったのは、皆さん、その、祖国復帰運動やっててね、苦しんで、アメリカに支配された時の尖閣には、漁民も漁に行けたしね、それだけじゃなくて、ただの釣り船で遊びに行くこともできたし、誰でも行けたのに、やっとみんなが頑張って、祖国日本に復帰したら、日本国民行けなくなったと」
山本浩之
「はあー」
青山繁晴
「中国やその外国に、遠慮しなきゃいけなくなったっていうことを、これ沖縄県民みんな知ってるから、さらっとおっしゃたんです。本土から行った僕は、ほんとにそれ胸を突かれたわけですね。そうするとですね、実は、1972年に沖縄が日本に戻ってから、海上保安庁は、日本の領土として守ろうとしたのに、ところが日本の漁民にはなるべく行かないでもらいたいってな現状があってですよ、実は38年間、その重荷を背負ってきたのが現場の海上保安官なんですよ。従って、あの、単独犯、複数犯って言葉はあまり使いたくないけども、一人でやったのか複数でやったのかってことも、ほんとは根っこはですよ、この海上保安官の突き動かされた気持ちっていうのは、その、気持ちってそんな心情的なもんじゃなくて、事実の重みっていうのは、海上保安官みんなに降り積もってることなんです。そうするとですよ、この43歳の海上保安官はどんな志があっても、とにかく法で裁かれなきゃいけない。法廷に立たなきゃいけない。その上で、無罪になるか有罪になるか、この国の独立した司法が決めるんですよ。しかしそれと同時に、裁かれるのはその、その海上保安官だけなのか。この保安官は法で裁かれても、国民に裁かれなきゃいけない人がいますね!それはこの二人ですね。出して下さい」
青山繁晴
「菅さんと仙谷さん。これは私たちの総理大臣、私たちの官房長官、この二人は裁かれなきゃいけない。どうして中国船長を釈放したのか。そしてそれだけじゃなくて、ほんとは歴代の総理大臣もみんな、沖縄返還があった、そのあとの38年間、もちろん自民党内閣を中心にして、一体どうしてきたのか。国民に何も言うこともせずに、そのまま放置してきたではないかと。私たちが選んだ、歴代の総理大臣、みんな裁かれなきゃいけないってことを最後に考えるべきだと僕は思います」
山本浩之
「分かりました…」
青山繁晴
「はい、その上で、すみません、時間ないんですが一点だけ」
山本浩之
「どうぞ」
青山繁晴
「菅さんがね、こないだの国会答弁で、石にかじりついてでも続けたいと言ったでしょ?」
村西利恵
「おっしゃいましたね」
青山繁晴
「あの、あれが一番情けない、と、あの、総理の話だと思うんですよ。ご自分を守るんじゃなくて、あなたが守るのは祖国でしょうと。ね。石にかじりついてでも、国を続けなきゃいけないのは日本国であって、総理大臣の地位はそのためにあるんだと。自分のために動かないでいただきたい。それを最後に申して、すみません、時間を超過しました…」
山本浩之
「ありがとうございました。“ニュースDEズバリ”でした」
____________________________内容紹介ここまで
仙谷さんは10日午後の記者会見で、世論はこの神戸海保職員に寛大な措置を取るよう求める声が多いとの質問に対し、「国民のうちの過半数がそう思っているとはまったく思っていない。いろんな事件が起これば、けじめのついたしかるべき措置をしてもらいたい、という健全な国民が圧倒的な多数だと信じている」と答えてましたね。
「けじめのついたしかるべき措置を」、確かに一般の事件だったらそう思いますよ。でも今回の事件は全く性質が違うでしょ。
例えば、10日夜のFNNニュースで放送された街角アンケートで、「中国人船長とsengoku38、どっちが罪が重いですか?」という質問に、実に100人中93人が「中国人船長の方が罪が重い」と答えてましたが、仙谷さんから見たらその93人は「不健全な国民」ってことになるのでしょうね。
圧倒的少数でなく圧倒的多数の「不健全な国民」(笑)。
でもね、仙谷さんにこれだけは言いたい。
最初は公開前提だったビデオを、官邸の都合が悪くなったら、ありていに言えば中国様が怒ってるとなったら、急に「機密」にして国民から隠してしまう、そんなことを平気でやる国が果たして「健全な国家」と言えるんですか?
また、誰が見ても明らかに犯罪行為を犯してる中国人船長は法に裁かれることもなく事実上無罪放免となったのに、一方でこのsengoku38氏が法に裁かれて有罪になったとしたら、それこそこの国に正義はあるのか?って話ですよ。
もう一つ気になるのは、青山さんがコーナー前の箇所で言われてた、これです。
「官邸から感じる空気のひとつにですね、ま、これでYouTubeでもうみんな出ちゃったんだから、もう今さら全面公開しなくても良くなったんじゃないか、つまり国民にちゃんと情報は行ったけど、中国に対しては、官邸はちゃんと中国のために守りましたよと言えるんじゃないかっていうね、そういう雰囲気が実は関係者に電話すると感じられる」
ちゃんと政府として全面公開しなさいってことを、私たちは今後も厳しく言っていかないとダメですね。
官邸>ご意見募集
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
今日の「アンカー」では、ほかにTPPのニュースなどが取り上げられました。
誰にも手渡してはならない自由意志さんが近日中に起こして下さると思いますので、ぜひご覧下さい。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
※拙ブログ関連エントリー(尖閣問題)
・9/24付:【速報】中国人船長 処分保留で釈放決定
・9/27付:9月24日は国恥記念日 船長釈放でますます嵩にかかる中国
・10/2付:尖閣事件で改めて露呈した民主党政権の統治能力の無さ
・10/4付:中国が尖閣諸島を日本の領土だと認識していたことを裏付ける史料
・10/19付:尖閣問題で仙谷批判の小藪座長GJ!
・10/26付:石原知事も中国漁船の悪質行為に言及 ビデオを早急に公開せよ!
・11/5付:尖閣ビデオ流出キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
・11/6付:尖閣ビデオ流出の波紋
・11/8付:【拡散】英語字幕付き尖閣衝突ビデオ(付:タウンゼントの中国評)
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