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GHQ焚書より 拉致され兵隊にされた中国人青年の体験

【追記8/23】「敗走千里」読了。引用を交えた内容紹介はこちらのエントリーを。
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 ブログ更新のプレッシャーから解放された分、読書の時間が増えました。
 たまりにたまった未読の本を片っ端から読んでいるところです(^^ゞ

 そんな中、撃論ムック「世界を愛した日本」を読んでいたら、これはぜひ皆さんに知っていただきたいと思うくだりに行き当たりました。

 評論家の西尾幹二氏が連載論文の中で、GHQ焚書の一つである「敗走千里」という本を紹介されているのですが、その内容がちょっとすごいんです。
 「敗走千里」は、支那事変(日中戦争)が起きて間もない中国での中国人による実体験記です。

 やや引用が長くなりますが、当時の中国軍の状況や中国兵の気質などがよく分かるので、ぜひお読みになって下さい。
 
 私は最近、GHQ焚書を読んでいることはみなさんご存知と思いますが、昭和十三年に出た本で、焚書の一つですが、『敗走千里』という本がございます。著者の名前は陳登元という方ですが、お父さんが親日家なので、十五歳のころ日本にやってきて、その頃日本の大学生になっていました。要するに中国人といったってみんな一色(ひといろ)ではないんで、とんでもないいろいろなタイプがいて、もう日本人好きのレベルの高い中国人もいたわけです。

 彼は昭和十二年、国で戦争が起こったらしいからというので心配して一旦帰国してみるのです。

 そうしたら親の家に隠れているところを拉致されて、兵隊にとられる。当時の中国には徴兵の形式はございません。道を歩いているものも連れて行かれてすぐ兵隊にされてしまう。それが中国の徴兵のやり方でした。兵隊になって約二年間*1、軍務について転々とする間の記録の本で、これはすごい話なのです。
 (くっくり注:*1は「約二カ月間」の誤植と思われます)

 読んでみるとびっくりします。彼はいきなり兵営につれて行かれます。

 斥候は知っていますよね。斥候というのは危険なんです。ですから普通には斥候に出るのはありがたくない。斥候はたいがいの場合五名から六名ですが、それがそろっていざ出発という場合、例外なく彼ら、彼らというのは彼が入隊してみたその軍隊の兵隊たちですが、彼らはにやりとなにか意味ありげな微笑をかえす。彼のごときわずか一ヶ月ほど前に強制徴兵されてきた新兵にはその微笑がなにを意味するのか、全然分からなかった。

 が、二時間ほどして意気揚々と帰ってきた彼らを見て、新兵たちは初めて彼らがなぜ危険きわまる斥候を志願するかが分かった。彼らは実におびただしい種々雑多の戦利品をぶら下げているのです。主に時計とか指輪、耳飾といったようなもの、これは上海近郊の話ですから、要するに中国兵が斥候になって、中国の民間人のいるところへ行ったということです。小さくて金目のものだが、中には重いほどそのポケットを銀貨で膨らまして帰ってくる者もいる。ある一人の兵が持っていた耳飾のごとき、げんにたった今まである女の耳にぶら下がっていたものを無理に引きちぎってきたからだろう、血痕がにじんでさえいました。

 しかもその兵の無知蒙昧、残虐無頼を象徴するかのごときひしゃげた大きな鼻、あつく突き出た唇、とんかんらかした黄色く濁った目、その目が何ごとか追想するようにニタリニタリと笑い、厚い大きな下唇をなめずりまわしている顔を見ていると、彼の胸にはなにかしらそくそくと哀愁が浮かんできてならなかった。あの血痕の滲んだ耳飾と関連して、なにかしら悲惨なことが行われたような気がしてならないのだった。

 斥候に行った連中はお互いになにか探りあうような視線を交わして囁きあっている。「おい、貴様それだけか」。ポケットをざくざく銀貨でいわしている男が言った。「うん、これだけよ。でもなぁよかったぞ」

 唇の厚い男は舌をなめずりなめずりみだりがましい笑いを黄色く濁った目に浮かべながら、大きな翡翠の耳飾を弄り回している。「貴様、相変わらず女一方なんだな」、銀貨の男は相手を軽蔑しながらも、やっぱり自由にした女に気を引かれているらしい。

 「その女はよかったか、いくつぐらいなんだ?二十歳ぐらいかなぁ、そりゃいい女よ」云々と、これがその当時の駐屯地における中国軍です。例えば日本でそういうことは考えられるでしょうか。日本の兵隊が日本国内の駐屯地で、こんなことはありえないですよ。もし万が一あったらすぐ見つかるし、銃殺です。

 この実体験記をみていますと、略奪とか強姦は中国の兵隊たちの特権であり、慣習であったことが分かります。しかも、彼らは略奪に入ると必ず、民間人の服を盗んでくるんです。それをシャツの下に着こむのです。どうしてかというと、いざというときパッと軍服を脱いで、民間人になり済ますわけです。そしてなにをするか。脱走です。

 これが例の南京事件の時に問題になったテーマです。兵隊は民間服になって見つかったら銃殺です。兵隊だと分かれば、便衣兵とみられ、文句は言えない。つまり軍服を着ていれば逮捕されたときに正規の捕虜になるわけですが、軍服を着てなければ、これはゲリラとみなされるから射殺されても文句はいえない。

 ところが、民間人に完全に成りすましてしまえば、これは逃亡の成功ですから別の話です。ここでは彼らはいつでも逃亡しようとしているということを説明しているのです。

 それから上海郊外ですさまじい戦闘が行われまして、敵に追われ自分の味方の陣地に近づいてくると、味方の陣地から弾をうってくるのです。督戦兵というやつです。つまり、「お前ら、戻るな、日本軍と戦え」って味方が撃つ。しょうがないから敵に向かう、だから両方から撃たれる。そうして死体の山ができる。この話の主人公がどうやって助かったかというと、山のような死体の中にもぐりこんで身を隠す。すさまじい描写です。

 死体の中にもぐりこんで、そして一夜を明かすのです。それが一番安全だというのです。

 こうして死体の下で敵味方両方の弾をよけて生き延びて、匪賊になるのです。匪賊というのは強盗団ですが、生き延びて、脱走して病院に運ばれて、どういういきさつをたどったかは解りませんが、日本語で原稿を書いて、日本の先生のところへ送り込んできたのでした。

 それが昭和十三年に翻訳されて出版された。当時かなり売れた、約三万五千部ぐらい売れたと書いてあります。

 実にすさまじい中国の最前線といえるでしょう。日本の軍隊は実はついぞ考えたこともない、日本人とはまったく違った世界にぶつかっていたのですね。

 西尾氏が「びっくりする」と言われるぐらいです。私のびっくり度はその比ではありません(T^T)

 南京事件についての議論の中で、中国兵が民間人の衣服を奪い、それを着て逃げたという話がよく出てきますが、なぜそんな卑怯な真似が平然とできたのか?
 私は単に「当時の中国人は日本人と違って、国や公のために尽くすという概念がなかったんだろうな(今の中国人もそれに近いと思うけど)」と思っていました。が、それだけではなかったんですね。

 こんなふうに理不尽な形で「徴兵」された人たちであれば、民間人を犠牲にしてでも自分が生き残ろうとした気持ちも分からんでもないな、と。
 当時の日本軍の兵隊はそんな事情はもちろん知らないわけですから、その光景を目の当たりにした時はさぞ驚いたことでしょうね。

 「敗走千里」は現在、残念ながら入手困難というか、古書でしか手に入らないようです。ぜひ復刻してほしいですね。


 ちなみに西尾氏はこのあとの文章で、別の本も取り上げています。
 林思雲氏と北村稔氏の共著「日中戦争」です。サブタイトルは「戦争を望んだ中国、望まなかった日本」。
 こちらは最近出版されたものなので入手可能です。

 西尾氏はこの本からも中国の徴兵に関する記述を引用されていますので、いくつかピックアップします。


●中国の兵士はほとんど全員が文盲であり、軍事訓練を受けたものは少なく、強制的に連れてこられた農民たちがほとんどであった。彼らが銃の撃ち方を学んだのは、戦場であった。

農民の中には、日本軍はどこかの軍閥の軍隊であろうと思う者まであり、ある地方では日本軍は満州の張作霖の軍隊の一部だと思われていた。

●強制的に連れてこられた兵士たちは当然のことに機会があれば逃亡する。

●中国には徴兵制度はあるが徴兵の方法は簡単で不精である。整理番号も体格検査も無い。法律に基づいた徴兵免除も無い。

通行人を拉致するか、人買い組織から壮年男子を買い入れて充足すればよいのが普通である。

道行く人を拉致し、地方の役人に売り渡して『人肉』を供給するのである。闇市場では、さらわれた一人の壮年男子の値段は五万元から十万元、白米五袋か豚三匹の値段であった。

●ナチスの強制収容所の悲惨を極めた状況が伝わってきたころ、中国では徴兵がクライマックスに達していた…。ドイツでの恐ろしいやり方に驚くどころか、ナチスの強制収容所の様子は我々のところと全く同じであると語っていた。

●四万人を収容して兵士にする訓練を施すはずであったが、多くの人間が連れてこられた途中で死んでしまい、生きて訓練を受けたのは八千人であった。



 私は2項目めの赤字のところで「は?」となりました。
 自分たちの戦ってる相手が日本軍だと知らなかったってこと?それどころか日本軍を張作霖の軍隊の一部だと思ってる人たちもいた?何じゃそりゃ?

 この当時の支那はきちんと統一された国家とは言えないまでも、いちおう「中華民国」という名前になっていて、国民党・共産党も国共合作ってことで協力関係になってたはずですよね。
 それに、張作霖ってそもそも日中戦争の時まだ生きてたっけ?(記憶曖昧につき調べたところ、1928年(昭和3年)6月4日死去となってます)


 ——と、混乱しかけたところ、幸いにも西尾氏が同じ論文の中で、当時の支那の状況についても分かりやすく説明されてましたので、ついでに引用。

 (清朝末期に起こった)人類史上最大の内乱を記録したといわれる太平天国の乱は十年から十五年も続いた内乱で、清朝の当時の人口四億人の約一〇%から二〇%、五千万人から八千万人の死者を出しています。そして引き続き、回教徒の虐殺の事態がおこって、このときイスラム教徒が四千万人も殺戮されています。

 この説明のできない内乱と悲劇の国、これが満州事変のあとあたりまでぐずぐずと繋がっていました。政府がいくつにも割れて、外国は中国という一つの国を相手にして交渉することができません。つまり中国は国家ではなかったのです。

 そういうことを今にして言うのは、そのことをしっかりと押さえておかなければ、私たちは私たちの近代史を理解することもできないはずだからです。

 日中戦争というからおかしいんです。日中といっても「中国」などそもそもその当時ありませんでした。やっぱり「支那事変」なのです。

 大陸に関わった昭和史にだけ限ってみても、中国は一体どういう国だったのかということを、どういう領土でどういう状態だったのか、少なくとも政治状況全体がどういうことだったのかということを客観的に見ない限り、日本の歴史も書けないはずではないでしょうか。

(中略)中国は国家ではなかったんです。ですから清朝末期から内乱の続きであって、辛亥革命のあと中華民国になってからも内乱は止まず、国民党は国民党の内部で戦い合いをしているし、共産党は共産党の内部で殺し合いをしているし、そして戦後の文化大革命もその長い清朝末期からの内乱の一つなんです。

 「支那事変」だけでなく、たとえば「大東亜戦争」という名称にも言えることですが、やはり当時使われていた名称、すなわち歴史的背景が分かりやすい名称にした方がいいですよね。


 ところで、日本では「支那」って言うと、未だに差別用語のように思ってる人が多いみたいですが、それは違います。

 拙ブログの読者様には釈迦に説法だと思うので、説明は省かせていただきますが、気になる方は以下のサイトをご覧になって下さい。

はなごよみさん>“差別用語”と呼ばないで>支那=CHINA
政の狼〜The Wolf wants his own Dandism.〜>“支那”は差別用語ではない
Wikipedia>支那


 いずれにしても、そのへんの道を歩いている人を無理やり連行して兵隊にしてしまったり、「日本軍」すら知らない農民を兵隊にしてしまったりという当時の支那の実態を見れば、未だに中国共産党が自慢している「抗日民族統一戦線」なんていうのはきれい事というか、少なくとも“民衆運動”ではなかったことが分かりますよね。

 先ほど林思雲氏と北村稔氏の共著「日中戦争」を西尾幹二氏の引用で紹介しましたが、北村稔氏が「正論」09年6月号に掲載された【東京裁判シンポジウム第二弾完全収録 「村山談話」をいかに克服するか】の中で、中国がなぜ歴史を捏造するか?について興味深いことを述べておられます。

 その北村稔氏の言葉を引用して今日の締めにしたいと思います。

 中国人にとっての歴史、歴史描写に対するスタンスについての林思雲氏からの重要な指摘があります。それは中国人にとって歴史を書くというのは、本当のことなど書かなくていい、自分たちの体面を保つためには、嘘をついていい、それが愛国の証しなのだということを日本人はもっとわかっていたほうがいいということです。

(中略)中国人は古くから儒教道徳のなかに——日本の儒学ですけど——忠とか義とか礼智信に加えて、避忌という都合の悪いことを隠す徳目があるわけです。自分の都合の悪いことを自分のために隠すのではなくて、国家社会の安定のために、偉い人のやった都合の悪いことを隠すのは善だという考えです。

 なぜ善になるか。君子は道徳性の高い人で、小人は物欲ばかりのダメな人です。中国は人治の社会ですから君子が上に立って政治を行うと社会は安定するが、小人がやると世は乱れる。乱世と治世ですね。君子もスーパーマンじゃありませんから、間違いは起こす。それをあげつらうと安定が崩れる、だから偉い人が何かやっても隠す、それはいいことなんだというわけです。

 やがてその支配者と国家が一体化しまして、国の不名誉なことは隠していいという考えになる。子供の時からそう教えられるのです。だから、本当のことは言わないし、都合の悪いことは全部隠すわけです。

 これがいったん敵に対すると激しく悪口を言うわけです。一方では隠す、一方では徹底的に悪口を言う。それは表裏一体の心理がもたらす独特の現象です。

 韓国も同じで、儒教道徳の影響が非常に強い。日本ではちょっと考えられないのですが、中国と韓国では常にそういう力が働いています。だから「嘘つきめ」と言っても仕方がないのです。非常にやりにくいことは事実です。共同の歴史研究なども無理だと思います。しかし、それに決して驚かず、冷静に対処するのが大切です。


※「敗戦千里」についての補足
 序文と後書きだけですが文字に起こして下さっている方がいます。
『敗走千里』陳登元著 別院一郎譚 自序
『敗走千里』陳登元著 別院一郎譚 後序

※拙ブログ支那事変関連エントリー(降順)
09/4/14付:ある老兵士の孤独と嘘
09/1/10付:日本の昔のお正月について調べてたはずが大脱線(笑)
07/12/15付:新「南京大虐殺記念館」まだ30万人て言うとんのか!
07/3/6付:「南京大虐殺」入門の入門
06/11/27付:【過去】「南京大虐殺」まとめ(2)
06/11/27付:【過去】「南京大虐殺」まとめ(1)

【追記】「敗走千里」読了。引用を交えた内容紹介はこちらのエントリーを。

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「お気楽くっくり」更新済
 こういう視点で見たことってあんまりなかった……な動画たち。


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東アジア(歴史) | comments (30) | trackbacks (1)

Comments

ここでも売っています
https://www.kosho.or.jp/
ころ | 2009/07/19 10:31 AM
<三大規律>
・命令には服従
・民衆のものは針一本糸一筋もとらぬ
・敵や地主からとったものは公のものにする
<八項注意>
・言葉はていねいに
・買い物は公正に
・借りたら返す
・壊したら弁償する
・人に暴力を行使しない
・農作物を荒らさない
・婦人をからかわず乱暴しない
・捕虜をいじめない
三大規律八項注意 | 2009/07/19 08:25 PM
数か月前「ウォーロード」という
中国映画を見ました。

その中にこういう場面がありました。
舞台は清末の中国。
盗賊集団がある町を
襲い制圧します。

そのリーダーがそこでこう宣言します。
「これから3日間はおきてに従って、好きなだけ盗んで、殺して、
女性を暴行してもいいぞ」

これを見て「三光作戦」のルーツってここかぁ〜と思ってしまいました。
さっちゃん | 2009/07/19 10:14 PM
<新三大規律>
・共産党には盲従のふり
・民衆のものは搾り取れるだけ搾り取る
・賄賂は自分のものにする。
<新八項注意>
・言葉は尊大不遜に
・買い物は不公正に
・借りたら返すな
・毒入り食品は他人のせいにする
・他民族は暴力で服従させる
・農作物は農薬漬け
・女の子は中絶する
・犯罪者は処刑して臓器売買
腰抜け外務省 | 2009/07/19 10:40 PM
日本では、どんなに善い政策をしても批判ばかりされる総理大臣がいる。
ある意味、支那がうらやましいですね。指導者の悪いところは隠したほうが、国はまとまります。

一国の総理がこんなにバカにされるのも珍しいです。
hamusuke | 2009/07/19 10:52 PM
今回のも実に興味深いですね。
中国人にとって兵隊=略奪者と言う図式は簡単に想像できます。

ですが、日本の統治下の南京での映像を前に見た事がありますが、何と平和な事でしょう。規律が徹底していたからなんでしょうね。
日本軍=略奪者だったらあり得ない映像だと思います。
クニ | 2009/07/19 11:17 PM
北村稔先生の話への補足なんですが…

> 中国人にとっての歴史、歴史描写に対するスタンスについての林思雲氏からの重要な指摘があります。
> それは中国人にとって歴史を書くというのは、本当のことなど書かなくていい、自分たちの体面を保つためには、嘘をついていい、それが愛国の証しなのだということを日本人はもっとわかっていたほうがいいということです。

ここは(地理的に)シナに独自の現象でも、民族的にシナ人特有の現象でもなく、「前近代」の社会では極く一般的な現象です。
(歴史的には)日本でも中世は、さうした時代でした。

以下、『偽書の精神史』から引用です。
http://www.bk1.jp/product/02183218

> 鎌倉時代の安貞元年(1227)のことである。
>        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
> 聖徳太子が書いたという未来記が出現するのは、実はこれが初めてではなかった。
>        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
> これほど明々白々たる偽書が繰り返し出現しては人々の心を捉えるという現象は、現代人にとって、ほとんど理解を超えることである。
> だが、中世には聖徳太子未来記に止まらず、実にさまざまな偽書が作られては、公然と社会に流通していたのである。

> 現代人の目から見た時、偽書の作成は許しがたい行為であり、それ自体、邪悪なものである。
> それは道徳的に「悪」とみなされているだけではない。
> 場合によっては公文書偽造・私文書偽造といった、法律に抵触する行為だった。

> しかし、中世はどうであろうか。
> 一見する限り、直接自らの利害に関わらない限り、世に流布する文書の真偽を厳密に区別しようとする指向性は皆無である。
> 偽書を著した当事者にしても、その行為に対する罪悪感は一かけらも見られない。
> さらに、ひとたび作り上げられた偽書は、聖徳太子未来記に見られるように、驚くほどスンナリと社会に受け入れられて行く。
> その結果、中世社会には膨大な数の偽書が流通することになった。

> なぜ、このような現象が起るのであろうか。
> 中世には、現代人には想像もつかない、まったく異質な精神世界が広がっていたと考えざるを得ない。

> とすれば、私たちがなすべきことは、偽書を思うままに作成することを容認し、その流通を抑止できなかった中世社会の未開ぶりを指摘して、その迷妄をあげつらう事ではなかろう。

> 偽書を生み出し、それを受け入れていった中世人の精神世界それ自体にメスをいれようとする試みでなければなるまい。
(pp.6-9,『偽書の精神史』)


で、「客観的な事実」と「己の意見・願望」を明確に分けるやうになつたのは、日本では江戸時代以降です。

> 江戸時代に入ると、やがて<偽書>に対する見方に変化が生じてくる。
> 「実証的」「合理主義的」立場から偽書の主観性・恣意性を指摘する批判が出現し、それが社会的な風潮となって行くのである。
>        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
> 宗学(しゅうがく)勃興の気風の中で、中世にはほとんど無批判のまま流通していた数々の偽書について、「実証的」「合理主義的」視点からの批判が行われるようになってくる。
> それは神話の世界にもおよんだ。
> 仏教系の神道書は勿論、中世において重んじられた「神道五部書」さえもが、みな「偽書」のレッテルを貼られてしまう。

> それは江戸時代において、古学や国学が成立し、中国や日本の古典に対する「実証的」研究が盛行することと共通する現象だった。
> 彼らは主観に彩られた後代の解釈を退ける一方、仏教に汚される以前の古典本来の精神を、テキストに対する実証的研究によって見出そうとしたのである。

> 本居宣長の『古事記伝』が学問的には多くの問題を孕みながらも、いまなお『古事記』研究において参照すべき必須の文献とされているように、宗学(しゅうがく)も、その「実証性」において見るべきものを持っていたのである。
(pp.221-222,『偽書の精神史』)


これは宗学(しゅうがく)に限らず、商業でも並行する現象で、資本主義の芽は江戸時代にさかのぼります。

日本の「近代」は江戸時代から始まる訣(ワケ)です。


オマケ
http://www.youtube.com/watch?v=-VOCDFIW4xg&feature=PlayList&p=4112EC95834EB139&playnext=1&playnext_from=PL&index=32
まれびと | 2009/07/20 01:08 AM
>「前近代」の社会では極く一般的な現象です。
(歴史的には)日本でも中世は、さうした時代でした。

そんな事は、このブログの読者には釈迦に説法でしょう。
しかも、一つの物事を違う尺度の他の物と比べて相対的にして矮小化するのは、いい加減やめた方がいい。

日本の中世がそうであっても、日本人はそこから精神構造と価値観を変えた訳です。
ひるがえって、未だその精神構造が変わらない支那人および中共人の話をここでは述べている訳です。
あなたは、彼らがこれより未来においてその精神構造を変えると思うのですか?
変えられるとすれば教育(家庭内外共に)だけでしょうが、
わたしの経験上それは非常になりがたい物だと思います。
sss | 2009/07/20 05:56 AM
>ここは(地理的に)シナに独自の現象でも、民族的にシナ人特有の現象でもなく、「前近代」の社会では極く一般的な現象です。
>(歴史的には)日本でも中世は、さうした時代でした。

冗談じゃない。
シナ特有の嘘吐き(中華思想)と同列に扱うな。

京劇の動画の意味もわからん。
シナ文化は素晴らしいとでも言いたいのか?

シナ人の自己中は未来永劫変わらない。
華僑見ててもわかる。
情報を自由に入手できる環境にありながら
チベットやウイグルの虐殺に反対の声なんて絶対に上げない。
シナ人にとって自分たち以外は虫けらだからだ。
H | 2009/07/20 08:08 AM
戦中のチャイナでの最大の死因が徴兵(というか拉致)というのは有名な話です。こんな生々しい話は知らなかったですが。
『中国の民衆殺戮』という本の作者である米国人R.J.ラムル氏も信じられなかったらしく詳述しています。
しかしそんな事実すら知られていない日本人の中国幻想は問題ですね。日本で常識になればいずれ中国にも知られるようになると思うのですが。。。
きゃべじん | 2009/07/20 12:24 PM
なんだかんだと更新のペースが変わってないように思いますwくっくりさんの危機感の高さがうかがい知れます。
これからますます更新のペースは上がりそうな情勢ですが、無理しないでくださいね。これからも楽しみにしてます。
ビビデス | 2009/07/20 03:34 PM
【中国ブログ】まさか!中国人を恨む民族が存在するとは・・(サーチナ) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090714-00000007-scn-cn

>中国軍は前進するために、軍人と一緒に一般庶民の女や子供を一列に並べていたのだ。米国の戦闘機は一般庶民を空爆するわけにもいかず、やむを得ず引き返して行ったのだ

今更ながら、朝鮮でも同様のやり口です。
今更ですが | 2009/07/21 03:09 AM
>(歴史的には)日本でも中世は、さうした時代でした。

どうにも日本の中世は近世の支那よりも文明的で残酷ではなかったようですよ。信長は別だと思いますけど。

http://d.hatena.ne.jp/mensch/20090127
コーヨー | 2009/07/21 09:06 AM
何故、日中戦争とは呼ばず、支那事変と呼ぶのかが判り、目から鱗でした。
上記のことから、当時中国は国の呈を成していないことがよく判りました。また、日本が支那へ進出した理由は、当時内乱状態であった支那で、日清戦争で日本が得た権益や自国民の保護が目的であり、決して侵略が目的ではないと理解できました。
がんばれ日本 | 2009/07/21 10:35 AM
参考です↓
WiLL 「China(チャイナ)を中国と呼ぶ重大な過ち」
http://hiton.seesaa.net/article/27829264.html
hiro | 2009/07/21 10:13 PM
私の主観ですが、古代からあまり変わっていないように思います。
日本人はまじめで馬鹿正直。半島の人は、嘘つきで馬鹿。中国人は嘘つきですが、何割か立派な人がいる。文字に特殊な力があるような信仰があり古文書を偽装するようなことは、恐れ多くて中々できない。こう考えると中世偽書を作った人はどこの人か解るような気がする。今でも宗教家などが多い。
密航は中世以前から行われていたのでしょう。
 神仏混合は神道が持っていた縄文時代からの既得権益の略奪や神道を用いた一般大衆への浸透でしょうか。この段階で書籍が改ざんされるものが有ったのでしょう。
日本人は仏教の関係で、江戸時代まで四足は食べなかったのです。こんな人たちが、残酷なはずがないですよね。
 近隣では、少し前までは人を食べたり、猿や犬をまだ食べている国も有るようです。恐ろしい。
ヘナチョコ | 2009/07/23 12:29 AM
外部世界に対する反応…

具体的には(↓)かうなる、と

伝統的ルサンチマンが確実に中国で高まっている。
天安門事件の時と同じ…
http://www.youtube.com/watch?v=HpRo2-SYFc4&feature=related


これは(↓)立上がり方が違つてた、と

などて人民解放軍は立上がらぬや?
http://www.youtube.com/watch?v=kDoS2m_LCKc&feature=related
まれびと | 2009/07/23 03:03 PM
中国最大の秘密は実は人民解放軍があまり強くないのではと言う事かも知れません。中越戦争では負けていますし、朝鮮戦争の時のように国民党の捕虜は居ませんので、自前で戦争をしなくてはなりません。人民解放軍には宣伝工作隊のプロパガンダが必要不可欠かもしれません。
と言うわけで、えらい方はどうしても、核兵器に頼る比重が大きくなるのでしょう。
日本の核武装は大変困るわけです。
噛み合わない書き込みですみません。
ヘナチョコ | 2009/07/24 12:58 AM
敗走千里を萩書房で購入しました。送料込みで1260円でした。文も平易でむちゃくちゃ面白かったです。復刻したらベストセラーでは?
敗走千里 | 2009/07/24 06:49 AM
いやああああ面白い。目から鱗です。敗走千里、萩書房で売っているのですか!購入しようかな。

先日、GHQにより発禁になった「大東亜戦争とスターリンの謀略」復刻版を購入しました。まだ読み始めですが、作者は共産主義者を取り締まった経験と、国会議員となって特高の取締りを受けた経験を持つ、非常に面白い方で興味津々です。

西尾氏は皇太子殿下・雅子妃殿下への批判で一気に嫌になりましたが、GHQ焚書に対する取り組みについては非常に尊敬の念を持っております。中国でビジネスをされている五十嵐らんさんも、「中国人は嘘はついたらつきとおせ、というのが常識」とおっしゃっていますので、北村氏の発言は的を得たものと思います。
おれんじ | 2009/07/26 12:28 AM
敗走千里を読んだら、敗戦文学やNHK敗戦特集なんかあほらしくて。まるでレベルが違います。ウソとホントの差ですかね。

敗走千里のレベルの高さから推測するに、GHQ焚書はどれも名著ばかりなのでは?
敗走千里 | 2009/07/26 09:34 AM
敗走千里さん(本の題名とHNが同じなのが面白い!)、私も早速萩書房にメール出してみました。在庫がありそうだったら購入します。そうですね、「大東亜戦争と…」も非常に面白いのでGHQ焚書は名著が多いのかもしれません。ただ秦郁彦さんによると「妄想的な陰謀論を描いた著作も多数」とのことですが(汗)、秦氏のおっしゃる事なのでこれも偏向かも。きっと生々しい内容なのでしょうね、楽しみ!
おれんじ | 2009/07/26 11:03 PM
「おれんじ」さんのHNはアメリカの作成していた仮想敵国との戦争プラン「カラー・プラン」から来ているのでしょうか。日露戦争前からものモノのようです。
オレンジは対日作戦のようですが、「緻密な陰謀」とお考えなのでしょうか。
ヘナチョコ | 2009/07/28 12:47 AM
GHQ焚書を読んだのは初めてですが、一番感銘を受けたのは、当時の人々の常識に触れたことです。本書には「国府は日米英を闘わせて共倒れになったところで独立するという考えだがとてもうまくいくとは思えない」と書かれております。我々は「当時は軍国主義で言論の自由が無く皆バカだった」と思いこまされていますが、この文章だけでもそれがウソだったことがよく分かります。現在、世界大不況中に政局選挙で政治空白になっておりますが、当時と大変似た状況ではないでしょうか?こんな時こそ過去の苦い体験を生かすべきですが、ウソの歴史では生かせません。西尾幹二やくっくりさん達のご努力に感謝したいと思います。
敗走千里 | 2009/07/30 07:11 AM
皆さん、コメントありがとうございます。
いつも個別にレスを差し上げられず申し訳ありません。

ネットの古本屋さんで『敗走千里』を注文しました。
最初「ころ」さんご紹介のサイト経由で注文したのですが、立て続けに「在庫ありません」と言われ(古い情報が更新されないまま載っているケースがけっこうあるようです)あきらめかけていたところ、別のサイト経由で見付けた古本屋さんに在庫があることがわかって、そちらで注文しました。届くのが楽しみです。
「敗走千里」さん(HNの方です、ややこしいけど(^_^;)の書き込みは大変参考になりました。ありがとうございました。
くっくり | 2009/07/30 12:54 PM
『敗走千里』紹介していただきありがとうございます。図書館で探したら戦争文学全集7巻の中にありました。めちゃくちゃ面白かった。
昭和14年8月30日初版、9月20日94版とありますから相当売れたようです。単行本の序文は省略されておりました。
dao | 2009/08/02 01:00 PM
「敗走千里」、土曜日に到着しました(^o^)
私のは昭和13年6月15日12版です。

「敗走千里」そのものでなくても、全集の中に入ってることもあるんですね。
まだ少ししか読んでませんが、『敗走千里』さんや『dao』さんが言われるようにすごく面白いです。

面白かった箇所をブログで引用などしてみたいんですが、旧字(昔の漢字)が多くてパソコンで表示されないものが多いんじゃないかと。
(↓私が考えていたよりは表示される旧字けっこうあるみたいですが…)
http://www.geocities.jp/hgonzaemon/kyuukannji.html

昔の漢字は今の漢字に直せばいいんでしょうが、「今の漢字ではどれに当たるのか?」が分からないものが多いんです(T^T)

たとえば、「敗走千里」の序文とあとがきを起こされている方の、その序文の起こしがこれなんですが、
http://bbs.searchina.ne.jp/?CID=thread&ca1=middlemedia&ca2=middlemedia1&ca3=x730&th=945cb62a0f1a58b254b5412db8667ec0&bid=799&type=one

本文一行目の「学業を絶ち」は原文では「學業を抛ち」なんですが、「抛」が今の漢字に直すと「絶」になるというのが私には分からないんです(T^T)
うちの父親(昭和10年生まれ)あたりだったら分かるかもしれませんが(^^ゞ
くっくり | 2009/08/02 11:55 PM
「抛ち」普通は「なげうち」ですね。旧漢字ではありません。序文を起こした方が読みを間違えたのでしょう。
dao | 2009/08/04 10:19 PM
daoさん、ありがとうございます。抛ち……ほんとだ、ATOKで一発変換されました!うーむ、こりゃ漢字検定1級ぐらいのスキルがないと無理ですかね(^_^;
くっくり | 2009/08/05 12:33 AM
日本人に旧漢字(+歴史的仮名遣い)をアクセス出来なくしたのもGHQ(アメリカ)の占領政策の一つでしたね。

占領中のアメリカ教育使節団からは日本語表記のローマ字一本化答申も出たくらいですからね。

このあたりの焚書され没収された本や雑誌、民間郵便の文書を検閲コピーした「コメントシート」などはアメリカで保管されてます。このあたりは江藤淳氏の「閉ざされた言語空間」に詳しいです。現在マスゴミの自主検閲のルーツが記されてますので、なぜマスコミがなぜ簡単に反日報道をするか興味のある方はどうぞ。
じいさん | 2009/08/05 10:27 AM

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有名ブロガー | ☆セレブな奥様は今日もつらつら考える☆ | 2009/07/19 10:42 AM
ぼやきっくっくりさんが、西尾先生関係のエントリーをあげておられます。西尾先生が紹介されているGHQ焚書の中には、本当に復刻されたら??...