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「アンカー」原発対応 官邸未だ機能せず&エネルギー政策 青山繁晴×和田武

【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし

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■4/6放送「アンカー」

原発事故放射性物質の流出続く▽夏の電力不足…どう乗り切る?エネルギー政策の大転換を提言!

110406-10waao.jpg 4月から「アンカー」は、以前より5分前倒しの午後4時48分スタートとなりました。

 青山繁晴さんは出演されたものの、今週も“ニュースDEズバリ”のコーナーはありませんでした。てか、青山さんよく喋ってくれて番組全体がコーナーみたいな勢い?(^_^;
 前半は青山さんが単独でニュース解説。菅政権では原発事故は収束させられない、その理由がよく分かります。
 後半はゲストに日本環境学会会長の和田武氏を迎え、今後のエネルギー政策のあり方について。
 以上のスタジオのやりとり部分を丸ごと起こします。

 とはいえ、今週も長かったのでかなり手を抜かせてもらいました。ごめんなさい。特に、電力不足にまつわる説明(岡安譲キャスターの解説と飯田哲也氏のインタビューVTR)は概要程度にしています。
 また、先週同様、間投詞、言い直し、相づち、前振りやツッコミ等、本筋に支障のない限りカットしています。言葉尻が曖昧な箇所もあります。が、大筋は間違いないと思います。
 画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。


 内容紹介ここから____________________________

福島第1原発事故 高濃度の放射性物質含む水の海への流出止まる 東京電力が確認(04/06 13:20)
福島第1原発事故 韓国、事前報告なしに汚染水が海へ放出されたことについて憂慮示す(04/06 01:27)
福島第1原発事故 全漁連・服部会長ら、東電・勝俣会長に汚染水放出中止求める抗議文(04/06 13:00)

山本浩之
「(枝野官房長官の漁業関係者に対してのコメントについて)もともと納得が得られないことを当然だと思っているんだったら、やっぱり手順を踏んでやらなきゃいけなかったんじゃないかなと思いますけれども、低濃度とはいえ汚染水を水に流すという、昨日その一報をお伝えした時、ドキッとしながらお伝えしたんですけれども」

青山繁晴
「水の問題っていうか海が汚されていく問題というのは、実は2つあるわけですね。1つは濃度の高い、放射性線量の比較的多めの汚染された水がどこから出てるのか分からない状態で海にどんどん出ていった。もう1つは、低レベルの放射性物質だから、本当はそんなに大きな害はないと思われるけれども、でも意図的に放射性物質を普段より多く含んだ水を流したということ。実はこの2つとも人災なんですよ。1つめの高濃度の水の問題は、どなたがお考えになっても、こういう破壊された状況の中の原発にどんどん放水していったわけですよね。それも自衛官、警察官、消防官が指示されて危険を冒して放水してくれて、ようやく、そんなに異常な高熱にならなくてすんでるんですが、それだけ水を叩き込めば、水があふれてくるのは誰でも分かるわけですよ。僕は内閣の原子力委員会の専門部会の専門委員ですから、その水の問題っていうのはもちろん僕だけじゃなくて、専門委員の方々が何人もそれを言ってきたが、言っても、それこそ砂に水が染み込むようにどこかで消えちゃうんですよ。伝わらない。で、官邸の中にむちゃくちゃ人があふれかえってて、色んな、何とか会議みたいなのがあって、どこかで必ず消えていって結局何にも実行されないんですよ

山本浩之
「例えば具体的に青山さんが、それを言ったその内容っていうのはどういう…」

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青山繁晴
「つまり水があふれていきますから、これは当然、外部からポンプを入れて出さなきゃいけない。出さなきゃいけないと言っても、タンカーであろうがメガフロートであろうがどこであろうが満杯になるから、これ循環させなきゃいけませんよと、僕だけが言ってるんじゃなくて、ちょっとこの番組で言いましたが、実際の指揮の一部を警察庁という、本来原子力と関係ない所がとってて、つまり保安院が全然信用できないから。だから警察庁の中からもアメリカのNRC、核規制委員会って言うんですけど、本来、保安院と相談するところですが、アメリカ政府は保安院を全然信用してないから、何と警察庁と相談した結果、やっぱり水を回しましょうと。それも原発にもともとある緊急炉心システム、ECCSって言うんですけど、そういうのはもうダメじゃないですかと。それを復旧させるメンツばっかりこだわってないで、もう外のポンプでやりましょうっていうことを、僕だけじゃなくて何人もの人が言ってきたわけです。それぞれのルートで。政府の中からも、僕のように外からも。ところが、消えていって結局何も行われないから。さっき絵が出ましたが、要するに原発の下の所に、石とか砂を砕いて基礎を造ってるわけですよね、当然、発電所建てるために。そこの部分に染みていって、石の隙間から海に出ていったっていう、いわば当たり前のことが起きてるだけなんです。これはもう原子力工学じゃなくて、土木の世界ですね。隙間を埋めていったらそれは止まりますよ。しかし止まっただけであふれ返ってる水は実はまだそのままなわけです。従って2つめの問題が出てきて、要は、原発の中には非常に放射線量の多い場所と、実は低レベルになってて本当は環境に大きな負荷はかからない、人間を傷つけたりしませんって程度になった物と、廃棄物にもいろんな種類があるわけです。その比較的放射線量の少ない所を空にしたいと。濃いやつをそこに入れなきゃいけないから。だから空にするためにそれを海に流しますよというのがその2つめの問題なんです。ということは、これも人災だというのは、回すことを早くやってれば、タンクを空にする必要がないから、そのタンクの中の物はそのままそこにあればいいわけですよ。海にわざわざ出すことはなかった

山本浩之
「じゃあ出す必要なかった?」

青山繁晴
「出す必要なかったんですよ、ちゃんと仕事してれば」

村西利恵
「先週、青山さん、循環させないといけないと仰ってましたけど、今日この時点でも動いてないんですか」

青山繁晴
「あの時僕こう言ったでしょ。政府は発表してないけど、枝野さん言ってないけど、これ本命なんですと。あの時ね、もうやる寸前まで行ったんですよ。それがすーっと消えたんで、僕はほんとに怒って、この1週間の間に。この菅政権は官邸の中に4つのプロジェクトチームって作ったじゃないですか。細野豪志さんを筆頭に、それぞれ政治家がついて。その4人のうちの1人に電話をして、『あなたこの話知ってるでしょ?だってあなた担当なんだから。これどうしたの?』って聞いたら、『いや、初めて聞いた』って言うわけです

山本浩之
「えっ!?責任者が?」

青山繁晴
「ええ。彼ね、それで、はっきり言うと民主党の中では一番信頼できる政治家なんですよ。それで僕は、『あなたみたいな人でもそうなのか』って言ったら、『私は確かに官邸には行ってるよ、でも仕事がないんだよと」

山本浩之
「ええっ…」

青山繁晴
『情報も来ないし、何かどこかに情報はたくさんあって、いろんな参与の方とかいて、情報ぐるぐる回ってるらしいけど、俺のとこ来ないんだよ』と言うから、『あなた自分で警察庁に電話しなさいよ』と言ったんですよ、僕は」

山本浩之
「はあー」

青山繁晴
「そしたら警察庁は、やっぱり本来原子力の主管官庁じゃないし、やっぱり遠慮して人を通してその政治家に入れてたんですが、それどっかで消えてんですよ、やっぱり。だから船頭多くして船山に登る、要するに方角を間違ってしまうことが現に起きてて、全て人災なんですよ。しかしその上でね、ロシアと中国に僕はあのように言われる筋合いは全然ないと思ってますよ。どうしてかというと、例えばロシアは旧ソ連が1991年つぶれたあとに、ウラジオストック、つまり日本海を通じて日本に大量の放射性物質がやってくるそのウラジオストックの港に原子力潜水艦を勝手に放置して、あるいは処理する時に輪切りをして、そこから大量の放射性物質が出ていったんですよ。それがあんまりひどいから、何と私たちの税金を出して、ソ連の原潜ですよ、日本に脅威を与えてた

山本浩之
「それを日本がやった、お金で」

青山繁晴
その時に出てきた放射線量の多さなんて、今回の比じゃないんですよ。それから中国も、ほとんど公表してないけどもウイグルを中心にした少数民族のいらっしゃる所で核開発をたくさんやって、大気中にたくさんの放射性物質が出て、日本にもたくさん降り注いだわけですよ。だからどこ調べてもほんとはそれ出てくるんであって、だから少なくとも今回、もちろんロシアであっても中国であっても事前通告しなかった日本政府は全く間違いだけれど、しかし、それを置いても中国、ロシアにはこんなこと言われる筋合いはない。せいぜい言えても韓国ぐらいですよ。しかし韓国もこの機に竹島で色んな物つくり出すっていうのも、これは右手で支援、左手でひっぱたくっていうのは、ま、これ実は中韓露を責めて言ってるんじゃなくて、外国の常識なんですよ。これがむしろ。だから日本政府の対応は、本当はこういう時に、そうですか、ごめんなさいごめんなさいって言ってるだけじゃなくて、言うべきことは言わなきゃいけないんです

山本浩之
「今の話、よく分かりました。前段であった、官邸が機能してないと。専門家からのそういう緊急の提言とか提案とかいったものが伝わっていない。じゃあ政治家は何をしてるんだということになるんですけれども、この震災をきっかけに再び動き出してるのが民主党の大連立構想」
 
東日本大震災 政府検討の第1次補正予算案原案が明らかに 3兆円規模で新国債発行せず(04/06 13:32)
東日本大震災 小泉元首相、大連立構想について否定的な考え示す(04/05 21:27)

山本浩之
「今この時期に統一地方選挙行われてます。その選挙自体このタイミングで予定通りやること自体どうかなと思うんですけれど、その最中に、今度は降って湧いたように出てきたのがこの大連立構想。これはどうなってるんですか」

青山繁晴
「もう本当に腹の立つことが多くて困るんですが、これ具体的に言うと4日前だったと思うんですが、夜中に突然自民党の衆院議員から電話がありましてね。ずいぶん久しぶりだったんですけど。で、実は民主党から自民党に大連立を持ちかけられたんじゃない。だって小沢さんたちは全然乗っかってないから。要するに菅さんからですよ。例によって森喜朗さんとか古賀誠さんとか、僕ら有権者から見たら、すみません、はっきり申しますが魑魅魍魎にしか見えない、もう19世紀の政治家じゃないかっていうぐらい古い感じのところにまた話が通っていって、そして自民党側の谷垣総裁に来た話っていうのは3つのポストがありますよと。で、震災復興担当大臣と、あと何と環境大臣と北方沖縄担当大臣だと。沖縄ってじゃあ普天間を自民党にやらせるのかということになるでしょう?それで震災復興大臣、例えば、自民党には三役の中に防衛大臣経験者もいるよねと、だからこれピッタリだねって話まで仙谷さんから自民党の側に話がこう来たわけですけど、今、北沢防衛大臣がいるじゃないですか。じゃあ自衛隊にとったら頭2つになるんですか。官邸の中のぐちゃぐちゃを外にも広めるのかって、ひどい話なんですよ。それで僕に電話してきた人は、このポストを打診された1人なんですよ。どなたか申しませんが、皆さんが想像された人とは違います。だけどとにかく打診された本人からかかってきたので、僕はそれおかしいじゃないですかと。どうしてかっていうと、何もかもうやむやにする大連立っていうのは目に見えてるじゃないですか。3月11日の朝刊、忘れましたかと。あの運命の日ですが、その日の一面トップは、菅総理が外国人から献金もらってたと。104万円。そして、外国人から献金もらってた問題で前原外務大臣辞めたわけですから、総理大臣辞めなきゃいけないよねというのがその日の朝刊の一面トップに出てたわけですよ。それが午後2時46分になって震災が起きてうやむやになってて。菅さんが今、大連立を自民党に持ちかけてきてポスト3つあげるってことは、その3大臣は、自民党は、菅さんの指揮下に入れってことじゃないですか。だから全部うやむやにすることであり、そしてもっと重大なことの1つは、これから復興する時に、財源どうするんですかと。みんなそれ考えなきゃいけないでしょ。それを国債、国の借金をまた増やすのか、そうじゃなくて例えば菅さんは明らかに僕らに消費増税を言うとしてるわけですね。で、それを言いながら、一方で今までのばらまきはそのままやるというのが菅さんの今の主張でしょ。子ども手当であれ、高校無償化であれ、高速道路無料化であれ、農家の戸別補償であれ、この4つのばらまき全部そのままやりながら消費増税やると言ってて、その菅さんの指揮下に自民党は3人の大臣を入れるのかって、そんな話おかしいじゃないですかと電話で言ったら、『じゃあどうしたらいいんだよ』と言われたから、それはまず菅さん辞めるのが前提でしょと言ったら、『いや、でも菅さん辞めないんだもん』って言うわけですよ

山本浩之
「はあー」

青山繁晴
「そんな程度の政治力だったら、もう大連立に乗るべきじゃありませんと。僕の勝手な個人的意見だけど、電話をしてこられて意見を聞かれたことは、僕として、ちゃんと意見を色んな人に聞いてるんだなと思いますよと、それはあなたらしくてとても良いけれども、しかし大連立は今うやむやにするための連立だから間違いですと。その上で皆さんに1個提案があって、じゃあ国民は何を要求したらいいかっていうのは、僕は解散総選挙だと思うんですよ。今の状態で解散総選挙できるわけない、それは当然のことです。だってまだ避難所で暮らしてる方、たくさんいらっしゃる。でも、じゃあ、これから任期明けまでのおよそ2年ぐらいに渡って総選挙やらないのかと。そうじゃなくて、例えば、僕はほんとは3カ月でもいいんですが、あるいは半年でも、その福島原子力災害の見通しさえ立てば、つまりみんなが原子力災害の恐怖だけじゃなく色んな視野をもう一度持てるようになった段階で、その上で解散総選挙やるとしたら何が必要かというと、今までのような愚かな選挙はやめましょうと。もう名前を連呼して、ガソリン使って、ガソリン使わなくても自転車使っても同じで、そういう名前だけ記憶させるような、衆愚政治のような総選挙はやめて、復興財源どうしますか、消費増税ですか国債ですか、復興はどういうふうにやりますかというのを、文字通り政策の争いだけにして、立会演説会ももう一度粛々とやって、政策だけの争いにする総選挙をやるっていうことが、実は大連立なんていう、既存の政治家がごちゃごちゃ勝手にうやむやにやるんじゃなくて、私たちが自ら、義援金も今とても大切なことなんだけど、それに加えやがて消費増税も引き受けるのか引き受けないのかってことも含めて、僕ら主権者の判断する機会を作れと、国会に要求するのが一番じゃないかと思います」

山本浩之
「大連立を持ちかけられた自民党の側で浮き足立った議員がいたというのは、つまり解散がしばらくできない、政権を我々のもとに奪還することはできない、そういった中での、じゃあその話に乗ってみようっていう動きだったわけですよね」

青山繁晴
「そうです。解散総選挙に持ち込んで、さっき谷垣さんが追い込むっていうような話してたけども、追い込むつもりだったっていうのは要するに解散総選挙、今やったら自民党勝てるんじゃないかって話だった。ところが選挙そのものがないんだったら、あと2年以上このまま権力に預かれないんだったら、今とりあえず権力に入った方がいいってそういう浮き足立ち方なんですよ。既存の政治家は今までの自分たちの選挙のやり方をまたやろうとしてるからですよ。そうじゃなくて選挙のやり方を変えて、私たちの民意をちゃんと聞いてくれることがまず先決じゃないでしょうか」

山本浩之
「つまり国難である今のこの状況においても、菅政権、ま、菅直人総理も、それから野党の方の自民党のそういったことに呼応する議員たちも、言ってみたら本当に自分たちの、あるいは党利党略、そういったことだけに縛られてると。自分の政権を延命するためにしか考えてない総理大臣と、それから自分たちが野党で冷や飯ずっと食べるの嫌だから、何とかここで、言ってみたらこれを踏み台にしてですね、政権を取ろうという、そんなことを考えてる政治家が今まだ永田町にたくさんいるってことですよね」

青山繁晴
「ええ。で、これはね、政治家だけじゃなくて例えば高血圧のめまいってことで入院された東電の社長、それからずっと会見しなかった会長も含めて、日本の一番上で力を持ってる人たちが、いかに私心(わたくしごころ)に弱いかっていうことをね、僕らほんとにこの機に考えるべきだと思います。それでもし解散総選挙を今までと違うやり方でやるんだったら、例えば体育館にいらっしゃる方でも、私、投票したいですよと。つまり投票箱から来るんですよ、当然避難所に。自分から行けっていうんじゃなくて。投票箱が避難所に来たら投票したいって方は実はたくさん被災地にいらっしゃると思います

山本浩之
「このあとは、今聞きたい、原発事故Q&A。危機的な状況にある日本の電力問題を今日は考えます」

(いったんCM)

山本浩之
「原発事故の影響で関東では計画停電が行われるなど、日本は今、深刻な電力不足に直面しています。そこで今日は、日本のエネルギー問題を考えます」

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村西利恵
「ゲストは、元立命館大学教授で、日本環境学会会長の和田武さんにお越しいただきました」

山本浩之
「どうぞよろしくお願いいたします。和田さんは工学博士で、放射線高分子化学が専門でしたが、その後環境保全やエネルギー論を専門にし、長年、世界各地の自然エネルギーを調査研究されていらっしゃいます。そして、青山さんには、経済産業大臣の諮問機関、総合自然エネルギー調査会の専門委員を務められていらっしゃいますので、詳しくお話を伺っていきます。よろしくお願いします。ま、やはり今回の原発事故を受けて、昨日新たな動きがありました。こちらをご覧下さい。まず見ていただきたいのはこの原子力政策大綱の見直し作業を中断するというふうに、原子力委員会が表明いたしました。原子力委員会の専門委員でもある青山さんはどう受け止めていらっしゃいますか」

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青山繁晴
「まずね、皆さん意外かもしれないけど、これ昨日、原子力委員会がこうやって5人の委員で開く前は、全然何の連絡もなかったです

山本浩之
「えっ」

青山繁晴
「原子力委員会って(モニター画像の右上を示して)ここに座ってるこれ近藤委員長ですけど、委員っていうのは5人だけなんですよ。しかもそれは、近藤委員長もちろん専門家ですけど、消費者団体の代表とかもいらっしゃって、必ずしも専門家だけではないんです。で、この下に専門部会ってあって、50何人、僕も含めた、それはまあ専門家だけなんですが。少なくとも僕には何の連絡もなかったです。委員会開くこと自体。で、この原子力政策大綱って何かというと、要するに5年に一度、これから原子力をどうしますかってことを、大綱ですから、一番大事な基本方針を決めると。で、ちょうど今の大綱が作られたのは2005年ですから、見直しの会議をやってて、僕その委員になってるんですけどね。その新しい大綱作ってる最中に、福島原子力災害が起きたからどうするかって、もちろん僕にとっても関心事だったんですが、全然連絡なくて、それで、でも内閣の人がお見えになって、実は協議委員会開いて、中断することを決めました(笑)と話があって、ま、みんな忙しいからしょうがないかなと、僕も甘いからそう思ったんですが、但しこの中断ていうのははっきり申しますが、そんな生半可な中断じゃないですよ、たぶん数年間ダメですよ

山本浩之
「でしょうね。今日は、日本のこういった電力について考えていくんですけどね。これ日本の原発、どうなっていくというふうに思われますか」

青山繁晴
「まずこの原子力政策大綱のいわば上と言っていいと思うんですが、エネルギー基本計画って日本にあるんですね。すでに一度今の民主党政権が閣議決定をしたんですが、2030年までに今の原発50数基に加えて、14基の原子炉を増設するというのがもう一旦決定されてたわけですけど、これもう全部アウトだと僕は思います。推進とか反対とかそういう議論ではなくて、原発ってまさか空中に造るわけがなくて、必ず日本の国土に造るわけですから、そこに住んでらっしゃる方、たとえ人数は少なくても、その方々の同意が得られるはずがない。同意なく造ることは絶対ありませんから、日本は民主国家なので。従って原子力は、今ある物を使うのか使わないのか、使うとしたらいつまでなのかってもうその問題にガラッと変わってるわけです。新規増設はもうあり得ないです。福島についていうと、今問題になってる福島第一原発の1、2、3、4はもう廃炉に決まってます。しかし例えば5号機6号機はもう落ちついててそれどうするのか。それから福島第二原発が少し南にありますが、それ安定したがどうしますか。これ電力関係者に聞くと、どの関係者に聞いてもダメですと。だからもうはっきりしてるのは、原子力が占めてきたエネルギーの地位が小さくなるのは避けられない。だから違うエネルギーをどうするかっていうのはもう必ず…」

山本浩之
「福島に関しては、福島県民は絶対に同意しませんからね。そこで気になるのがこの問題です。今、聞きたい原発Q&A、電力不足、どうするんだと」

<<<岡安譲キャスターの解説>>>

・夏を乗り越えられるのかが首都圏で深刻な問題になっているが、電力不足の原因は、震災の影響で今、停止している発電所の数が非常に多いこと。止まっている福島第一、第二を合わせると910万kWの最大電力が失われている状態。さらに広野、常陸那珂、鹿島といった火力発電所も運転再開できていない。

・電量不足の解決の壁になっているのは周波数の問題。東西で周波数が違うから。西は60Hz、東は50Hz。もし西の電力会社から補おうとした場合、60Hzから50Hzに変換する作業が必要になる。今のところ西日本からの送電は最大で100万kWに過ぎない。結果的に東電管内の供給可能な電力は、北海道や東北からも全部集めたとしても現在3950万kWという状況。

・今もっとも深刻なのは、電力需要のピークとなる夏場を乗り切れるのかどうか。7月末の需要予測は5500万kW。一方、供給能力は今後仮に火力発電所が復活しても4650万kWにとどまるとみられている。単純に計算して約800万kW以上の電力不足。しかもこれは平年並みの夏の場合。去年は猛暑で需要は約6000万kWだった。夏場に予測不能な大規模停電が首都圏で起こるかもしれないという状況が差し迫っている。


山本浩之
「青山さん、東京にお住まいですが、もうすでに電量不足は実感されてますか」

青山繁晴
「電力不足ではなくて節電下の東京がどうなってるかということなんですが、最初は電車も間引き運転だったので、ひどい混雑でラッシュアワーがさらにひどくなった。それでも文句も出ないから、その意味ではやっぱり日本国民ってすごいなと思ったんですよ。あと首都高速がもう真っ暗で、首都高速の事故がとても心配なんです。その上で、でも計画停電ってそもそも必要なかったと思ってます。どうしてかというと、この夏の予測も含めて、日本ていうのは本当は法律上、社会上、大口需要家を中心に調整が十分効く社会なんですよ。だから大口需要家、つまり大工場とかは3割節電してもらって、一般家庭15%の節電していけば、ほんとは夏場も、もう計画停電そのものが実はもうやらないんですよ」

山本浩之
「その話は後ほどまた出てきますので、後ほど伺いたいと思います。和田さんは今回の電力不足っていうのはどういうふうにご覧に…」

和田武
「例えばヨーロッパでしたらね、国家間で電力が自由にやりとりができるんですよね。そういう体制を作っておくというのが本来こういう危機を乗り越える上では非常に重要なことですよね」

山本浩之
「例えばドイツがフランスから原子力発電を買ってるとかね」

和田武
「そうです。そういうことが自由にできるようになっている。だから本来、これまでにそういう体制をきちっと作っておくというのがまず第一に重要で」

山本浩之
「日本はこの小さい国で西と東でそれができないんですもんね」

和田武
「で、これは電力会社が地域独占の形ですよね。それと日本の非常に大きな特徴は、欧米と全く違うんですけども、送配電会社と電力会社が一体なんですよ。で、地域独占なんです。それがこういう状況を作ってきたんですね。ですからやっぱり送配電会社と電力会社を分離する、そういうことも含めて、今後こういうことだってあり得るわけですから、やっぱりきちっとしたそういう体制を作っていくことが非常に重要ですね。周波数の問題も含めてですね」

山本浩之
「そうですね。そこで、ま、夏場に深刻な状況を迎える電力不足、解決策を提言されている方を取材しました」

<<<環境エネルギー政策研究所所長・飯田哲也氏の解説VTR>>>

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ある方法を使えば全く問題なく乗り切れる。それは需給調整契約。電力の供給がちょっと足りなくなった時に、需要(電力使用量)を減らして下さいと、東京電力から個別に依頼が行くということで、そのかわり普段の電気料金をちょっと安くしている。

東電管内の電力消費のうち約2000万kW分はわずか3000件の大口需要家が占めている。今回非常時なので、自主的な契約ではなくて、国が法律に基づいて全数入りなさいという形にすれば、25%減らしてもらったら500万kW、40%減らしてもらったら800万kW減らすことができているので、これをしっかりと活用すれば、計画停電をすることなく、需要側を減らすことで安心して乗り切れる。

この方法は過去にも新潟県中越地震で柏崎刈羽原発が一時停止した時などに使われた実績があり、経済産業省の政省令だけで実行できる。が、政府はようやくその検討を始めたようだが、まだまだ腰が重いようだ。


山本浩之
「今の話は先ほど青山さんが仰ったのと同じことですよね」

青山繁晴
「ええ。従って東電の計画停電なるものも4月に入ったらやってないでしょ?もともと4月中にやめるって言ってたんですけど、4月中もうやらないでいくんじゃないでしょうか。ということは3月の段階ですでに、今VTRでおっしゃってたようなことを政府がちゃっちゃと決断して、指導力持ってやっていれば、日本の大口需要家って、私んとこは節電しませんって言いますか?言いませんよ。日本の企業はいろいろ批判されても社会と一体だから。いい意味でも悪い意味でも横並びだから言うことを聞くんで。そうすると計画停電のおかげで信号機がつかなくて亡くなった人とか、出なくてすんだと思うんですよ」

山本浩之
「そうですよね。この契約っていうのはだけど、それによって、少し安くなってるわけですから、こういう事態こそ活用しなきゃいけないことで、2000万kW分あるんですってね、3000件で。相当の効果が見込めたはずなのになというふうに思うんですけれども。さ、そこで今日のメインテーマに入っていきたいと思います。原発の運転再開も困難な状況ですから、専門家のお二人にお聞きしたいのはこちらです。今、聞きたい、日本のエネルギー、今後の行方は、と。詳しくはこのあと伺いますが、青山さん、今後の行方を、短く言うと…」

青山繁晴
「短く言うと、日本は資源がない国ってことで、例えば原子力発電にも大きく依存しなきゃいけないと言ってきたんですが、実は日本はすでに隠れた資源大国として、国際社会で認知されてるから、その事実を明らかにしましょうと」

山本浩之
「分かりました。和田さんはいかがですか」

和田武
「私はやっぱり資源も、これも豊富なんですが、自然エネルギー、ま、再生可能エネルギーと言いますけどね、太陽にしても風力にしても、それから水力にしても、地熱も非常に豊富ですね、日本は。そういう物を活用する」

山本浩之
「詳しい中身はコマーシャルのあと伺っていきたいと思います」

(いったんCM)

山本浩之
「日本の電力発電はどうなっていくのか、というかどうすべきなのか。まず青山さんからお願いします」

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青山繁晴
「2つ柱があると思ってます。1つめ、ほんものの自前資源と書きましたが、さっき言いましたとおり、日本は今まで資源がない国ってことになってて、だから原子力発電はその中でわずかに自主エネルギーだと言われてきて、僕もその考え方をとってきたんですが、でもウランを買わなきゃいけないんですね。ところが日本には本物の自前資源があって、要するに、この場合の資源は埋蔵資源ということですが、石油とか天然ガスはありませんねということだった。ところが人類には4番めの埋蔵資源があって、それはメタンハイドレート最近少し名前が出てきたと思うんですけど。難しくないです、これメタンって書いてますから、メタンですから要するに天然ガスの一種です。ハイドレートというのは要は水と一緒になって氷状になってると。海の底とかで冷たくて圧力かかって氷になってる。氷状になってるやつに火を近づけただけで燃える。だから燃える氷と言われてるわけですね。これ第4の埋蔵資源と言われてて、CO2出ますけども、しかし埋蔵資源の中では一番CO2が少ないだろうと言われてる」

山本浩之
「海底にあるんですね」

青山繁晴
「海底にあって、で、日本は今まで500億円近くを、太平洋側ばかりに投じて研究してきたんですが、はっきり言うと、太平洋側は泥の中に分子レベルで混じってるわけです。ところが日本海の側にはもっととりやすい海底の上に出てたり、あるいは浅い海にあったりするのに、わざと日本政府は自民党政権も民主党政権もそれを無視してきたんですよ。どうしてかというと、日本が自前資源持ったらいろいろ困る人が多いんですよ。石油、天然ガスを外国から買わなくてもすむ、そういうことが困る人がいたから」

山本浩之
「既得権益…」

青山繁晴
「そうです。だからそれをやめて、メタンハイドレートを日本海側からとるとどうなるかというと、今ある火力発電所そのものがそのまま使えます。というのは、火力発電所の隣りに、このメタンハイドレートを溶かして普通の天然ガスに変える小さな施設を持つだけで、そのまま天然ガスを燃やす火力発電所ができますから」

山本浩之
「メタンハイドレートをメタンガスにする」

青山繁晴
「溶かすだけです。溶かせばメタンガスになりますから、普通の天然ガスと同じなんで、そのまま火力発電所に使えるわけです。これ勝手に言ってるんじゃなくて、火力発電所の所長の何人もに確認した上で申してます。次は、分散型エネルギーと書きましたが、これ今までの電力、特に日本とか先進国はそうですよね、つまり原子力発電所のような1箇所でものすごいたくさんの電力を作って、それを送電線でみんなに配ると。だから集合型なんですよね。それを分散型にしましょうと。つまりお家ならお家、会社なら会社が自分で分散して、自分でエネルギーを作りましょうと。これは和田先生からあとでお話あると思いますが、例えば風力とか太陽光、太陽熱も入るんですが、僕は実は風とか、特に風力に依存するのは反対なんです。そうじゃなくて、僕がとりあえず分散型で一番有力だと思ってるのは燃料電池です。燃料電池は実はもう一部実用化されてて、今は作るコスト、維持費も高い、耐久性も弱いからまだ普及してないけども、例えば今、電気自動車が出ようとしてるでしょ。電気自動車は今はリチウム電池っていうバッテリーなんですが、やがて燃料電池に変わっていきます。燃料電池というのは要するに水素と酸素、水が分解するのを反対にもう一回くっつけて、くっつけたら水が出るわけです。実際には温かい水ですけども。その作用によって電気を安定的に作ることができて、小さくすると、各家庭や会社にこの燃料電池を置けば、要するにどこかから、発電所から電気を送ってもらわなくても自分で賄えることになる。僕はこの2つが柱だと思います」

山本浩之
「和田さんの提案、今度は聞きたいと思います。よろしくお願いします」

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和田武
私は自然エネルギーを中心にしてですね、それを普及促進して、で、これは自然エネルギーというのはどこにでもあるんですね、資源が。ただ資源としては非常に薄く存在するといいますか、但しそういうものについては農村を中心にした、地域を中心にして作っていくということが非常に重要なので、農村の活性化につながります。当然、今まあ震災で被害を受けている地域も、そういう地域多いわけですから、今後そういう所の復興にもこれを十分に使っていける。で、資源量でいえば、世界的に見たらもうエネルギー資源というのは、現在の世界の使用量の何倍もあるんですよ」

山本浩之
「じゃあ具体的にその資源エネルギーについて後ほどお話を伺うとして、実現するためには政策が必要ですよね」

和田武
「そうですね。もう政策をきちっと作っていくということが非常に重要です」

山本浩之
「例えば、ここに日本とドイツの比較がありますけれども、これはどういうことでしょうか」
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和田武
「これをご覧になっていただくと、もう一目瞭然なんですが、左側の日本は、ま、一番下が水力なんですね。で、上が水力以外ですが、圧倒的にダム付きの水力が多いです。で、水以外のところは増えてはいるんですけれども、水力の占有率が高いもんですから、これが上下するともう全体が上下すると。で、パーセンテージから言っても、今、エネルギー全体の3%ちょっとしかありません。これはまあ電力ですけどね。電力の場合でもまあ1割ぐらいしかありません。それに対してこれドイツですが、ドイツはこういうふうに、1990年からもう5倍以上に増えてるんですね。これが従来のいわゆる原発推進策と一体なんです。で、日本は原発推進政策、ドイツは脱原発政策、とってきてるわけですね。そのかわりにまあCO2も削減しなければいけませんね、温暖化防止のために。だから再生可能エネルギーを非常に急速に普及してきたわけです」

山本浩之
ドイツの風力発電の、こちらにフリップを用意させていただきました。この説明お願いします」
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和田武
「はい。これは実は北海の埋め立て地の村です。小さな村で160人の人口の村です。ところがその小さな村でですね、これ全部違う風車ですけれども、32基、3.75万kW、村の電力消費の500倍を生産する。それを村民たちが出資して作ってます

山本浩之
「民間によるものだと」

和田武
「民間といってもその地域住民ですね。地域の人々が取り組んでるわけです」

山本浩之
「で、この買電収入が年間550万円とありますけど、1人当たりこんなに入ってくるんですか」

和田武
ドイツではですね、再生化の、自然エネルギーの電力を電力会社が全部買ってくれます。それも設置者が損をしない価格で買ってくれます。十分に採算が成り立つ価格で買ってくれます。その結果、こういう人たちは、最初に取り組んだ人たちはもう10年足らずで全部設置経費を返しましてね、現在ではその最初に取り組んだ人たちは年間500万円以上の、1人当たりですよ、それで買電収入が得られている。で、この村はもともとものすごい貧しい、埋め立て地の入植者の村でした。だから農業収入乏しかったんですね。それで人口も減っていた」

山本浩之
「それが後継者不足も解消したと」

和田武
過疎化も、若者が風力に取り組むことで、農業をやれるということで、後継者難が解消していると

山本浩之
「なるほど。もう1つは太陽光発電。これについてはいかがですか」

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和田武
「実はこれがドイツの最北端の村だというと皆さん驚かれると思うんですね。一番北の村ということは、結局、太陽光が弱いわけですね。それでも、実はこれは日本のシャープの太陽電池を2600kW、この村は実は400数十人の村ですが、その村で2600kWという大変な発電設備を持ってます。しかも、これはなぜこんなふうに電力生産の効率がいいかというと、自分たちで、こう自動的に太陽の方向を向く装置を作って、その工事を作って、雇用まで生み出しているということなんです」

山本浩之
「なるほど。自然エネルギー全体を見ますと、電力買い取り制度ってありますけども」

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和田武
「そうですね。今お話ししたような例がなぜ成り立つかと言いますと、地域で住民たちが発電所を作っても、それを電力会社に全部売れるわけですね。全量買い取りです。で、そのことによって発電所の経費は全部賄えます。買電収入で」

山本浩之
「合理的なシステムで賄っているということですね」

和田武
「で、その財源は、電気料金を少しアップして、今ですとだいたい4%ぐらい上がってます。そのぐらいで全部賄うというやり方です」

山本浩之
「青山さん、効率のいい話ですけども…」

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青山繁晴
「今の和田先生のお話聞いて、和田先生のいわば哲学の、すみません、僭越なこと言いますが、根幹が少し分かった気がしたんですが、今、仰ってるのは、村おこしとか小さなコミュニティだと例えば風力であり、太陽光あるいは太陽熱であっても非常に有効だと思うんですね。ところが僕がお話ししたいのは、国家全体で考えると、まずベストミックスと言いまして、どれか1つの電源に頼ることは決してあってはいけないんです。それで、だから例えば風力1つに頼るってこともいけないんですが、例えばデンマークが風力発電を非常に重視していて、僕はデンマークに行きまして、その環境省の人たちに会った時に、3人会ったんですけど、特に1人は日本の大使館にいた人でね、『青山さん、日本に帰ったら日本政府に風力はやめろと言って下さい』と。僕はびっくりしたんですよ。どうしてかと言うと、『いや、聞こえるでしょ?』と。実は僕聞こえなかったけど、ずっと低周波の低い音がブーッて聞こえてて

山本浩之
「その問題指摘されてますよね、確かに」

青山繁晴
「その方も奥様もその音に悩んでるのと、それから日本にいた経験から言って、山の中に風車を造って、メンテのためにたくさん道路を造って、すなわち風力だから環境破壊しないんじゃなくて、環境破壊になります。造りすぎるとって意味ですよ」

山本浩之
「そういう問題点があるということですね。一旦コマーシャル挟まして下さい」

(いったんCM)

山本浩之
「風力発電について青山さんから低周波の健康問題、指摘されました。他には…」

青山繁晴
「それは一例なんですけどね。風だから、自然だから環境にいいとはほんとは限ってなくて、私たち台風の国ですから、ほんとは知ってますね。で、電力会社の中に例えば風車が倒れてしまって、でも台風がまた来るから結局再建できないでそのままになってる。そのために周りの環境が非常に困ったことになってる状況もあるわけですよ。従ってデンマークに行かれると分かりますが、見た光景に風車がいっぱいあって、それ自体も環境破壊になる。何を言ってるかというと、風力がいけないと言ってるんじゃなくて、地域のコミュニティで風力をみんなで同意してやるような所はあっていいけど、国家全体として風だからいいという考えとは実は違うんですよ。それからデンマーク自体も、たった550万しか人口いないんですよ。兵庫県ぐらいしかいないのに風力とかそういう物で賄いきれなくて、隣のスウェーデンから原子力の電気買ってるわけです。先生がよく研究されてるドイツについても実はフランスの原子力の電気も買ってるわけですから。だから既存の原子力も含めてベストミックスを目指すべきだっていうのが僕の考え方です」

山本浩之
「その提案については和田先生は…」

和田武
「私もデンマーク、ずいぶん調査してるんですが、デンマークもドイツもですね、風力発電所を誰が所有してるかというと地域の住民なんです。地域の住民が自分たちで風車を建てる時に、自分たちに迷惑がかかるような建て方をしませんね。そこが非常に重要なポイントなんです」

山本浩之
「国土として日本の場合は大丈夫なんでしょうか」

和田武
「国土としても、ですから建て方を工夫すれば、例えば距離を離すとかですね、色んな工夫はありますから、それを、ま、日本の場合は、住民に関係なくどっかの企業がやってきて、ポンと建てると。それが問題ですね

山本浩之
「どこが主導でやるか、ということ、それからミックスでどう上手い具合に…」

和田武
「そうなんです。デンマークでも80%が住民所有という。私が調査してる州は90%…」

(CM入って強制終了(^_^;)

山本浩之
「青山さん、一言」

青山繁晴
「自然エネルギーだから何でもいいんじゃなくて、その中から正しく選択すべきで、日本の場合は太陽光や風力よりも太陽熱だと僕は思ってます」

山本浩之
「和田さん、一言」

和田武
「太陽光発電でドイツは、去年1年間で原発…」

山本浩之
「あー、もう時間が!」

(番組強制終了(^_^;)

 ____________________________内容紹介ここまで


 風力発電は確かにコミュニティ単位でやる分にはいいのかもしれませんが、失敗例もありますからね。
 私が以前テレビで見たケースは、ある自治体が財源の足しにと、また町おこしもかねて風力発電をやってみたけど、肝心の風車が台風やら落雷やらでほとんど壊れてしまって、逆に大損害を被ったという…。
 欧米とは気候から何から全然違うんだから、そこのところをちゃんと考えてやらないと難しいって話だったように記憶してます。


※参考リンク
ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
 青山さんに直接コメントが送れます。
誰にも手渡してはならない自由意志
 拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
 動画の紹介など情報が大変充実しています。

※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし


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