北方領土の日に思う もし上坂冬子さんがこの状況をご覧になったら…
竹島プロジェクト2011にぜひご参加を!参加方法はこちら。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2月7日は北方領土の日でした。
今年も全国各地で北方領土の返還を求める大会が開催されましたね。
昨年来のロシアの動きを思えば、今年は政府もマスコミも特に力を入れて然るべきですが、例年どおり「粛々」と行われたように見えました。
「粛々」に見えてしまったのは、私が関西在住ということもあるのかもしれません。が、それならなおのこと、北方領土から離れた所に住んでいる国民にもこの問題の重要性や日本の正当性を理解できるよう、マスコミはもっとしっかり伝えてほしいと思いました。
昨年来のロシアの動き……。
11月1日、ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問(不法入国)しました。
その後、シュワロフ第1副首相、バサルギン地域発展相、セルジュコフ国防相と、ロシア政府の高官も次々に北方領土入りしました。
また、ロシアは今年に入り、北方領土と千島列島(向こうの呼称ではクリール諸島)の投資・開発プロジェクトに第三国を巻き込む姿勢を明確にし始めており、特に中国、韓国の企業に熱心に働きかけているとのことです(産経2/6)。
返還どころか、実効支配をますます強めるロシア。
なのに、民主党政権はただ手をこまねいているだけの状態。
もちろん民主党だけが悪いとは言いません。自民党政権時代の失敗のツケが回ってきている部分も多々あると思います。
ちょっと振り返ってみますと……。
1991年、ソ連時代最後の指導者であるゴルバチョフ大統領は、日ソ共同声明で、北方四島が日ソ間で未解決の係争地域であり、交渉対象であることを正式に宣言しました。
その後ソ連は崩壊しましたが、ロシアの初代大統領のエルツィン大統領も、1993年の「東京宣言」で同様のことを認めています。
後を継いだプーチン大統領も、最初の頃はこの立場を維持していたようですが、二期目に入る頃から強気になって方向転換(ロシア経済が上向いてきたことも大きな理由?)、2005年秋には「(北方四島は)現在、ロシアの主権下にあり、これは第二次世界大戦の結果である」と述べました。
そして2006年、プーチン政権は「クリール諸島社会経済発展計画」を決定しました。
この計画は2007年から2015年までの9年間に、総額179億ルーブル(約493億円)を投資することを盛り込んだもので、工場や学校や病院、空港や道路などのインフラ整備を進め、クリール諸島の人口を1万9000人から3万人にまで増やす目標を掲げています。
もちろんこの計画は現在進行形で行われています。
が、自民党政権はこれらプーチン政権の動きに対し有効な策を打てませんでした。少なくとも私の知る限りにおいては。
領土交渉以外の失策もありました。
2007年夏、歯舞諸島海域で日本の漁船がロシアの国境警備艇に銃撃・拿捕されて若い漁師1人が殺害された事件。皆さんも覚えてらっしゃるでしょう。
あの時の日本政府の対応はあまりにもひどいものでした。
北方領土問題に熱心だった作家の上坂冬子さんが、この事件について取材した中身が当時の雑誌に掲載されたのですが、それによれば、日本政府はロシア側に抗議をしただけで実質何もしませんでした。
拘束された船長がロシアで裁判にかけられた時も、外務省は法廷に弁護士も通訳も送らず、船長は孤立無援のままロシアの言うなりに罪状を認めるしかなかったのです。
その上、船長以下乗員は根室海上保安部から書類送検までされたそうです。北海道庁はロシアが勝手に引いた「中間線」から少し北海道寄りに「規則ライン」を引いてしまっており、この規則を破ったからというのが理由だったそうです。
上坂さんはこの事件における日本政府の一連の対応について、こう憤っておられました。
「もともと政府が『わが国固有の領土』と繰り返し公言してきたにもかかわらず、領土内でおきた殺人事件に国家として手も足も出せず、解放を前提にした罰金も、すべて国民負担というのは理不尽ではないか。日本政府に“甲斐性がない”ために、国民は自国の領土内で殺されたという点を、私は声をからして叫びたい」
そしてロシアに対しては、こう厳しく批判をされました。
「すべてはスターリンの無法に始まっている。問題は民主ロシアがいまだにスターリンの暴挙を“実績”とみるのか、それとも暴挙を否定して先進国の名に恥じない態度をとるかどうか、にかかっている」
上坂さんが国後島に本籍を移されていたことは有名な話です。
残念ながら2009年4月に亡くなられましたが、もし生きていらして、民主党政権の無為無策やメドベージェフ大統領の国後島上陸をご覧になっていたら、どれほどお怒りになったことでしょう。
(上坂さんのこのお話についての詳細は07/9/11付:北方領土とロシアの蛮行を忘れるなをご覧下さい)
とにかく自民党時代も相当ひどかったわけですが(長くなるので鈴木宗男氏の話とか今回は省きましたが)、ただ、それでも少なくとも自民党政権時代は、ロシア及びソ連の最高指導者は北方領土入りにまでは踏み切れなかったんですよね。
それがなぜ、あのタイミングで一線を越えてしまったのか……。
メドベージェフ大統領は2012年に大統領選挙を控えているし、国内向けに強硬さをアピールしたかった面も当然あるんでしょうが、対日に絞って言えば、政権交代以降、民主党政権によってくり返されてきた稚拙な外交につけ込んできた面が大きいのは、誰の目にも明らかでしょう。
普天間基地移設問題をきっかけに日米関係が悪化。そこにつけ込んだ中国とロシアが接近、協調……。
胡錦濤国家主席とメドベージェフ大統領は北京で9月27日に会談し、翌日「第二次世界大戦終結65周年に関する両国元首の共同声明」を発表しました。
中露は歴史認識で協調し、領土問題でも日本を挟み撃ちにした格好となりました(ちなみに尖閣衝突事件で日本が中国人船長を釈放した日は9月24日)。
思い起こせば、メドベージェフ大統領の北方領土入りは、11月中旬に横浜で行われたAPECの開催直前に決行されたものでした。日本は完全に舐められたわけです。
でも、よく考えれば、そもそも同大統領の「不法入国」は予告されてたんですよね。
9月の中ロ首脳会談の後に訪問したカムチャッカで、記者団に対し「近いうちに北方領土へ必ず行く」とコメントしてたわけですから。
なのに、日本政府はロシア側に「日露関係に重大な支障が生じる」と警告しただけで、他に何ら手を打ちませんでした。
その上、メドベージェフ大統領の「不法入国」後、日本政府は対抗措置として駐ロシア大使を一時帰国させるも、わずか数日でまたモスクワに戻すという中途半端な対応をしてしまいました。
その後、APECのため日本を訪れたメドベージェフ大統領と菅首相が会談しましたが、何ら進展はなし。
菅首相は「北方四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結したい」と提起しましたが、同大統領は回答を避けました。
また国後島への訪問にも当然抗議しましたが、これも「感情的な声明や振る舞いは事態の改善にはつながらない」と軽くあしらわれる始末でした。
以降、度重なるロシア高官の「不法入国」に、日本政府はただ抗議を繰り返すのみ。
直近のセルジュコフ国防相の「不法入国」に対してももちろん抗議したのですが、ロシア外務省はそれに対し「失望した」と表明、その上で「第2次世界大戦の結果として両国間に生じた領土の客観的な現実に対し、冷静で考え抜かれた対応をとるよう望む」と述べたそうです(朝日2/6)。
もう本当に舐められきってますね(T^T)
ロシアが(中国も)「民主党政権の今が大チャンス♪」と考えていることは、容易に想像できます。
事態がここまで悪化した以上、仮に次の総選挙で自民党が民主党から政権を奪取したとしても、すぐに好転とはいかないでしょう。
ただ、このまま民主党政権が続けば、北方領土奪還への道はますます閉ざされてしまうだろうということだけは、間違いなく言えると思います。
だって政権取って1年半経つけど、未だに戦略とかはっきりしないんですもん。戦略どころかこんな有様ですわ。
・前原氏、鳩山前首相に「政府と違う考え方は控えてほしい」と批判 北方領土めぐり(産経2/7)
鳩山さんって首相時代はもちろん、首相辞めてからも日本のためになること一つもしてませんよね。もう即刻政界引退してほしいです(T^T)
前原外相は10日から訪露するそうですが、私は前原さんにも何も期待していません。
てか、前原さん個人がどうこう以前の問題で、菅政権自体がすでにほとんど死に体の状態でしょ?(名古屋の「トリプル投票」民主党惨敗で、菅さんはますます苦しくなった)
こんな状況で前原さんが行ったところで、ロシアがまともに相手なんかするわけないと思うんです。
そういうわけですから、7日の北方領土返還大会で、菅首相がメドベージェフ大統領の「不法入国」を「許しがたい暴挙」と強い口調で非難したところで、それこそ国内向けじゃないの?と、疑心暗鬼にならざるを得ません。
「くっくりさん、ぼやいてばっかりだけど、じゃあ北方領土奪回のために日本はどんな戦略で臨めばいいの?」と問われると困ってしまうんですが、素人なりに考えたことを書きますと、まず政府はもっと国内の広報や啓発をしっかりやって、国民世論をもっともっと高めていかなければならないと思います。
これは領土問題全般にも言えることだし、他の多くの問題にも言えることですが、解決が難しい問題であればあるほど、世論が盛り上がらなければ政治はなかなか本腰を入れて動かないものです。
だからマスコミももっともっと取り上げてほしいです。メドベージェフ大統領の「不法入国」はさすがに大きく取り上げたものの、それ以外のことは、保守系のメディアを除けばすごく小さな扱いですよね。
そして外交の面で言えば、ロシアが中国と協調したように、日本も協調できる国をもっとたくさん作っていくことが必要なんじゃないでしょうか。今までのところ、この問題に関してはどうも日本は単独で頑張ってる感が強いので……。
協調してくれる国を増やしていくためにはもちろん、政府を中心に国民が一体となって、これからも自分たちの立場を、つまり「日本の領土が不法に占拠され続けている」ことを、根気強く国際社会に発信し続けていくことが必要不可欠です。
いったん実効支配されてしまった領土を取り返すのは大変難しい、それは私も分かっています。でも、あきらめたら何もかもそこで終わり。
「あきらめへんで!精神」で、これからも発信し続けていきます。
※拙ブログ関連エントリー
・07/9/11付:北方領土とロシアの蛮行を忘れるな
・09/4/21付:追悼 上坂冬子さん
・10/2/6付:北方領土の日によせて【将兵万葉集】(1)シベリア抑留者
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★★★竹島もお忘れなく!!★★★
竹島プロジェクト2011にぜひご参加を!参加方法はこちら。
2月22日(火)に地元島根県にて「竹島の日」記念行事が行われます。
詳細は上のバナーをクリック!
※遠方に住んでいる等で参加できない方は、当日会場に激励の祝電を送るというのはいかがでしょうか。同じ日本国民として、竹島を決して忘れていないことを伝えましょう。
祝電の送り方はこちらを参考になさって下さい。意外と簡単ですよ(リンク先の日付は昨年のものですのでご注意)。
■「お気楽くっくり」更新済
リストラされて良かった?
★このブログが面白かったらクリックして下さい→
★ご面倒でなければこちらも→
アニメ「めぐみ」配信中。
英語・中国語・韓国語版もあります。ダウンロードはこちらから。コピーフリーです。世界に広めましょう!
「島根県の竹島英文ページを検索に引っ掛かり易くする作戦」もよろしく。
takeshima dokdo dokto tokdo tokto
________________________________________________
★コメント・トラックバックを下さる方へ
お手数ですが規約(11.2.6改訂)に一度目を通された上でお願いいたします。
なおトラックバックについては現在「言及リンクなしトラックバック」をはじく設定にさせていただいています。ご容赦下さい。
11月1日、ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問(不法入国)しました。
その後、シュワロフ第1副首相、バサルギン地域発展相、セルジュコフ国防相と、ロシア政府の高官も次々に北方領土入りしました。
また、ロシアは今年に入り、北方領土と千島列島(向こうの呼称ではクリール諸島)の投資・開発プロジェクトに第三国を巻き込む姿勢を明確にし始めており、特に中国、韓国の企業に熱心に働きかけているとのことです(産経2/6)。
返還どころか、実効支配をますます強めるロシア。
なのに、民主党政権はただ手をこまねいているだけの状態。
もちろん民主党だけが悪いとは言いません。自民党政権時代の失敗のツケが回ってきている部分も多々あると思います。
ちょっと振り返ってみますと……。
1991年、ソ連時代最後の指導者であるゴルバチョフ大統領は、日ソ共同声明で、北方四島が日ソ間で未解決の係争地域であり、交渉対象であることを正式に宣言しました。
その後ソ連は崩壊しましたが、ロシアの初代大統領のエルツィン大統領も、1993年の「東京宣言」で同様のことを認めています。
後を継いだプーチン大統領も、最初の頃はこの立場を維持していたようですが、二期目に入る頃から強気になって方向転換(ロシア経済が上向いてきたことも大きな理由?)、2005年秋には「(北方四島は)現在、ロシアの主権下にあり、これは第二次世界大戦の結果である」と述べました。
そして2006年、プーチン政権は「クリール諸島社会経済発展計画」を決定しました。
この計画は2007年から2015年までの9年間に、総額179億ルーブル(約493億円)を投資することを盛り込んだもので、工場や学校や病院、空港や道路などのインフラ整備を進め、クリール諸島の人口を1万9000人から3万人にまで増やす目標を掲げています。
もちろんこの計画は現在進行形で行われています。
が、自民党政権はこれらプーチン政権の動きに対し有効な策を打てませんでした。少なくとも私の知る限りにおいては。
領土交渉以外の失策もありました。
2007年夏、歯舞諸島海域で日本の漁船がロシアの国境警備艇に銃撃・拿捕されて若い漁師1人が殺害された事件。皆さんも覚えてらっしゃるでしょう。
あの時の日本政府の対応はあまりにもひどいものでした。
北方領土問題に熱心だった作家の上坂冬子さんが、この事件について取材した中身が当時の雑誌に掲載されたのですが、それによれば、日本政府はロシア側に抗議をしただけで実質何もしませんでした。
拘束された船長がロシアで裁判にかけられた時も、外務省は法廷に弁護士も通訳も送らず、船長は孤立無援のままロシアの言うなりに罪状を認めるしかなかったのです。
その上、船長以下乗員は根室海上保安部から書類送検までされたそうです。北海道庁はロシアが勝手に引いた「中間線」から少し北海道寄りに「規則ライン」を引いてしまっており、この規則を破ったからというのが理由だったそうです。
上坂さんはこの事件における日本政府の一連の対応について、こう憤っておられました。
「もともと政府が『わが国固有の領土』と繰り返し公言してきたにもかかわらず、領土内でおきた殺人事件に国家として手も足も出せず、解放を前提にした罰金も、すべて国民負担というのは理不尽ではないか。日本政府に“甲斐性がない”ために、国民は自国の領土内で殺されたという点を、私は声をからして叫びたい」
そしてロシアに対しては、こう厳しく批判をされました。
「すべてはスターリンの無法に始まっている。問題は民主ロシアがいまだにスターリンの暴挙を“実績”とみるのか、それとも暴挙を否定して先進国の名に恥じない態度をとるかどうか、にかかっている」
上坂さんが国後島に本籍を移されていたことは有名な話です。
残念ながら2009年4月に亡くなられましたが、もし生きていらして、民主党政権の無為無策やメドベージェフ大統領の国後島上陸をご覧になっていたら、どれほどお怒りになったことでしょう。
(上坂さんのこのお話についての詳細は07/9/11付:北方領土とロシアの蛮行を忘れるなをご覧下さい)
とにかく自民党時代も相当ひどかったわけですが(長くなるので鈴木宗男氏の話とか今回は省きましたが)、ただ、それでも少なくとも自民党政権時代は、ロシア及びソ連の最高指導者は北方領土入りにまでは踏み切れなかったんですよね。
それがなぜ、あのタイミングで一線を越えてしまったのか……。
メドベージェフ大統領は2012年に大統領選挙を控えているし、国内向けに強硬さをアピールしたかった面も当然あるんでしょうが、対日に絞って言えば、政権交代以降、民主党政権によってくり返されてきた稚拙な外交につけ込んできた面が大きいのは、誰の目にも明らかでしょう。
普天間基地移設問題をきっかけに日米関係が悪化。そこにつけ込んだ中国とロシアが接近、協調……。
胡錦濤国家主席とメドベージェフ大統領は北京で9月27日に会談し、翌日「第二次世界大戦終結65周年に関する両国元首の共同声明」を発表しました。
中露は歴史認識で協調し、領土問題でも日本を挟み撃ちにした格好となりました(ちなみに尖閣衝突事件で日本が中国人船長を釈放した日は9月24日)。
思い起こせば、メドベージェフ大統領の北方領土入りは、11月中旬に横浜で行われたAPECの開催直前に決行されたものでした。日本は完全に舐められたわけです。
でも、よく考えれば、そもそも同大統領の「不法入国」は予告されてたんですよね。
9月の中ロ首脳会談の後に訪問したカムチャッカで、記者団に対し「近いうちに北方領土へ必ず行く」とコメントしてたわけですから。
なのに、日本政府はロシア側に「日露関係に重大な支障が生じる」と警告しただけで、他に何ら手を打ちませんでした。
その上、メドベージェフ大統領の「不法入国」後、日本政府は対抗措置として駐ロシア大使を一時帰国させるも、わずか数日でまたモスクワに戻すという中途半端な対応をしてしまいました。
その後、APECのため日本を訪れたメドベージェフ大統領と菅首相が会談しましたが、何ら進展はなし。
菅首相は「北方四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結したい」と提起しましたが、同大統領は回答を避けました。
また国後島への訪問にも当然抗議しましたが、これも「感情的な声明や振る舞いは事態の改善にはつながらない」と軽くあしらわれる始末でした。
以降、度重なるロシア高官の「不法入国」に、日本政府はただ抗議を繰り返すのみ。
直近のセルジュコフ国防相の「不法入国」に対してももちろん抗議したのですが、ロシア外務省はそれに対し「失望した」と表明、その上で「第2次世界大戦の結果として両国間に生じた領土の客観的な現実に対し、冷静で考え抜かれた対応をとるよう望む」と述べたそうです(朝日2/6)。
もう本当に舐められきってますね(T^T)
ロシアが(中国も)「民主党政権の今が大チャンス♪」と考えていることは、容易に想像できます。
事態がここまで悪化した以上、仮に次の総選挙で自民党が民主党から政権を奪取したとしても、すぐに好転とはいかないでしょう。
ただ、このまま民主党政権が続けば、北方領土奪還への道はますます閉ざされてしまうだろうということだけは、間違いなく言えると思います。
だって政権取って1年半経つけど、未だに戦略とかはっきりしないんですもん。戦略どころかこんな有様ですわ。
・前原氏、鳩山前首相に「政府と違う考え方は控えてほしい」と批判 北方領土めぐり(産経2/7)
鳩山さんって首相時代はもちろん、首相辞めてからも日本のためになること一つもしてませんよね。もう即刻政界引退してほしいです(T^T)
前原外相は10日から訪露するそうですが、私は前原さんにも何も期待していません。
てか、前原さん個人がどうこう以前の問題で、菅政権自体がすでにほとんど死に体の状態でしょ?(名古屋の「トリプル投票」民主党惨敗で、菅さんはますます苦しくなった)
こんな状況で前原さんが行ったところで、ロシアがまともに相手なんかするわけないと思うんです。
そういうわけですから、7日の北方領土返還大会で、菅首相がメドベージェフ大統領の「不法入国」を「許しがたい暴挙」と強い口調で非難したところで、それこそ国内向けじゃないの?と、疑心暗鬼にならざるを得ません。
「くっくりさん、ぼやいてばっかりだけど、じゃあ北方領土奪回のために日本はどんな戦略で臨めばいいの?」と問われると困ってしまうんですが、素人なりに考えたことを書きますと、まず政府はもっと国内の広報や啓発をしっかりやって、国民世論をもっともっと高めていかなければならないと思います。
これは領土問題全般にも言えることだし、他の多くの問題にも言えることですが、解決が難しい問題であればあるほど、世論が盛り上がらなければ政治はなかなか本腰を入れて動かないものです。
だからマスコミももっともっと取り上げてほしいです。メドベージェフ大統領の「不法入国」はさすがに大きく取り上げたものの、それ以外のことは、保守系のメディアを除けばすごく小さな扱いですよね。
そして外交の面で言えば、ロシアが中国と協調したように、日本も協調できる国をもっとたくさん作っていくことが必要なんじゃないでしょうか。今までのところ、この問題に関してはどうも日本は単独で頑張ってる感が強いので……。
協調してくれる国を増やしていくためにはもちろん、政府を中心に国民が一体となって、これからも自分たちの立場を、つまり「日本の領土が不法に占拠され続けている」ことを、根気強く国際社会に発信し続けていくことが必要不可欠です。
いったん実効支配されてしまった領土を取り返すのは大変難しい、それは私も分かっています。でも、あきらめたら何もかもそこで終わり。
「あきらめへんで!精神」で、これからも発信し続けていきます。
※拙ブログ関連エントリー
・07/9/11付:北方領土とロシアの蛮行を忘れるな
・09/4/21付:追悼 上坂冬子さん
・10/2/6付:北方領土の日によせて【将兵万葉集】(1)シベリア抑留者
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★★★竹島もお忘れなく!!★★★
竹島プロジェクト2011にぜひご参加を!参加方法はこちら。
2月22日(火)に地元島根県にて「竹島の日」記念行事が行われます。
詳細は上のバナーをクリック!
※遠方に住んでいる等で参加できない方は、当日会場に激励の祝電を送るというのはいかがでしょうか。同じ日本国民として、竹島を決して忘れていないことを伝えましょう。
祝電の送り方はこちらを参考になさって下さい。意外と簡単ですよ(リンク先の日付は昨年のものですのでご注意)。
■「お気楽くっくり」更新済
リストラされて良かった?
★このブログが面白かったらクリックして下さい→
★ご面倒でなければこちらも→
アニメ「めぐみ」配信中。
英語・中国語・韓国語版もあります。ダウンロードはこちらから。コピーフリーです。世界に広めましょう!
「島根県の竹島英文ページを検索に引っ掛かり易くする作戦」もよろしく。
takeshima dokdo dokto tokdo tokto
________________________________________________
★コメント・トラックバックを下さる方へ
お手数ですが規約(11.2.6改訂)に一度目を通された上でお願いいたします。
なおトラックバックについては現在「言及リンクなしトラックバック」をはじく設定にさせていただいています。ご容赦下さい。
Comments
エントリーとずれますが、朝生でのホリエモンの暴走で、前からおかしかったが逮捕されて決定的に壊れたとか、誰かに操られてピエロになってるとか、色々言われてましたが、天木直人氏がこんな記事を。
ホリエモンに感動した
http://news.livedoor.com/article/detail/5323072/
最近中国に対して厳しい報道がぽつぽつ出てきた事に苛立ってる人も多いのでしょうね。しかし領土を守るという点で厳しさを増す状況に、決め手がない現実もツライ・・・
連中は「北方領土は先住民のアイヌの領土だ、ヤマト政府のものではない」として、沖縄を中心に反対の意志を示しています。同様に「竹島の日」にも反発しており、最近では尖閣諸島は琉球人民の領土だと吹聴している有様です。
自国の領土を死守するのが普通であるのに、こいつらはそれに反する行為を行う。「北方四島や竹島、尖閣諸島は日本では無い=琉球人やアイヌは日本人ではない」と自分で認めているようなものです。
アイヌ語も琉球語も、日本語とは似ても似つかぬ異国の言語ですが、少なくとも領土は日本領です。日本は上記の領土を放棄も譲渡もしていません。
琉球人やアイヌが何を言おうと、この事実は曲げられません。
★「桃太郎の鬼の立場で」「北方領土はどこの国?」日教組教研集会、とんでも教育の報告相次ぐ
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110125/edc11012501060002-n1.htm
卒業式で「仰げば尊し」を歌わせないよう根回しし、平和教育で「桃太郎の鬼の立場に立ってみよう」と問いかける−。24日終了した日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会(教研集会)では、学習指導要領に基づいているとは思えない教育内容の報告が相次いだ。「北方領土はどこの国の領土か分からなくなった」と児童に問いかけた教師も。専門家からは「公教育で行うべきことか」と批判の声が上がる。
「卒業式には『仰げば尊し』ではなく『○○』を歌って卒業させたかった」と報告したのは、広島県三原市の小学教師。年度初めから校長らに根回しし、子供たちにも「今年はこの曲を歌おうと思うんよ」と別の曲を聴かせていた。
最終的に「仰げば尊し」を歌ったが、報告書では「『君が代』『仰げば尊し』の強制は子供たちのためになっているのか」と強調。個人の思想からの行為であることを隠さなかった。
日本の“非”だけを強調する歴史観や、国際情勢を無視して単純に「戦争は恐い」というイメージを強調する「平和教育」の授業報告も多かった。
千葉県木更津市の小学校では、戦争を考えさせるために、子供たちに「童話『桃太郎』で退治される鬼の立場になって考えてみよう」という筋違いな学習課題を提示していた。
佐賀市の小学校では、このような平和教育を行った結果、将来の夢が「自衛隊に入り日本を守る」だった児童が、授業後、「自衛隊を含め一切の武力を放棄すべきだ」と考えを変えたという。
ただ、沖縄県の中学校では、自衛隊の国際貢献を否定的に考えさせようとしたところ、子供から「他国の人々を助ける」などとプラスの評価が相次いだケースもあった。担当の教師は報告で「教科書や資料が政府の考えばかり。反論できる資料を持ち込まないと…」とぼやいた。
北海道根室市の中学教師は北方領土を取り上げた社会の授業を報告。経緯を教える中で、「僕自身、北方領土がどこの国の領土か分からなくなった」と告白し、子供たちに「みんなはどう思う」と問いかけた。この教師によると、授業を受け、「どこの国か分からなくなった」という意見が子供たちから出たという。
高崎経済大の八木秀次教授は「公教育を教員の私的な思想表現の場にしている。こうした日教組組合員の行為は以前から行われてきたが、支援してきた民主党が政権についたことで、勢いを増しているのではないか」と話している。
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1295948887/
北方領土がどこの領土かわからない!?
信じられない教育がのさばっています。
やはり民主党政権は一刻も早く倒さねばなりません。
上坂さんの論が昔から好きで、著書は大部分読みました。数年前、書庫が狭くなったためほとんど売ってしまいましたが…。
>くっくりさんの「09/4/21付:追悼 上坂冬子さん」リンクから
「この無法な状況を解決するには論理よりも迫力しかないだろう。日本にはそれが欠けている。それが欠けているからこそ、四島が駄目なら二島でどうだと叩き売りの論理が横行するのだ。」
「そう、外交の基本はきまりをキチンと守らせることにある。ゴネ得を許さぬことであろう。相手が悪すぎるからというのは理由にならない。悪いヤツには悪いヤツ向けの手荒な対応をとらずして、何が外交か。」
迫力のある政治家、今の日本にはほとんど誰もいませんね。政治屋ならそれなりにいそうですが…。そこが今の日本政治の貧困さを表していると思います。
話は変わりますが、毎週「アンカー」のテキストをありがとうございます。
最近動画がアップされてないみたいなので助かってます。
支那人の民族性を考える上での具体例を77年前の本に学ぶ
暗黒大陸 中国の真実
ラルフ タウンゼント著
くっくりさんのエントリーを
御参考に。
1000年経ってもこのメンタリティは変わらないじゃないですか?
日本に対しては1度徹底的にやっつけるべきと思ってると石平さん
が言ってましたね。
原爆20個で日本を全滅出来ると
軍はシュミレーションしてる
らしいですよ。
世界が黙っていないって?、
ウィグル チベットに私たちが
なんか出来たでしょうか?
レポート連絡船の頃から、脈々と続いていると感じました。
《具体的》には官界・外交員とは別に内閣直轄(経済・金融・軍事)インテリジェンス・チームを派遣&動向を調査しておくべきだと思います。
次の大統領選でロシアは(08年改正後・任期6年)プーチンが就任するでしょう。(最悪)
”北海航路”シリコンバレーと同時に、ロシア国内の《石油パイプライン》が浮かびます、国外にテロと称していますが実質【周辺国との内戦状態】
☆何としてでも竹島&北方領土は奪回したい!【戦後侵略】というキーワードを広めるべきか。以前、日本海側に【核】のゴミ捨て場にしていましたよね。
ロシア国内には、イスラム原理主義者が多く、エジプトの氾濫もかなり影響あり。(課題)各国の国民性(経済背景)と動向を把握す。
☆桜井よしこ:『カテゴリー・ロシア』参考になると思います。
※ざっとですけど、JB PRESSの[ロシア]社会近況あり
「メドベージェフ大統領、ウェルカム トゥ ジャパン!」
なるほど、これならば北方四島がわが国日本固有の領土という立場を微塵も譲ってはおらず、痛烈な当て付けにもなりますが、どうなのでしょうね。
もしくは、「わが国日本に不法入国した者は、何人たりともAPECの場を踏む事はない」と追い返したら?
わが国に迫力の裏づけとなる強制的な実力が欠けている以上、正面から抗議しただけでは、(ロシアだけに)「熊の耳に念仏」でしょうね。
「完璧」の故事で知られる藺相如なら、どのような対応をするのでしょうか。
北方領土奪還の為には
露西亜全土を標的に出来る核ミサイル攻撃網を形成し、それから各種経済制裁を強行して締め上げるのが妥当かと。
軍事に予算をつぎ込むのが最も効果的な経済政策とも言いますし。
無論、露西亜との戦争を是とする正しい世論を作るためにも日教組を全員豚箱送りにすることも必須ですが。
【瀧澤一郎】最新のロシア情勢と日露関係[桜H23/1/28
ttp://www.youtube.com/watch?v=Hoc5k1kfh6k
週刊新潮にも載っていましたが、ロシア国内はボロボロだと・・・
今、北方領土に住んでいる方々に返還されたほうが、あなた方にとっても幸せだよということをもっと宣伝したらいいですよね。事実そうだと思うし・・・日本人は追い出したりしない。嘘つかないし。
もちろん世界にはロシアが火事場泥棒のように不法占拠したことを宣伝するのと一緒にですけど・・・
http://www.gov-online.go.jp/closeup/20100201.html
菅総理発言めぐり日本大使館前で抗議活動
http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210209007.html
これまでの迷走ぶりと合わせて、今TVCMを流したら国民はかえって困惑するかも。
「政治生命懸ける」で釈明=前原外相
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011020800803
これは外交以前の問題ですね。
「北方四島が日ロ間で未解決の係争地域であり、交渉対象である」という内容は、
「解決して全部がロシアの帰属であることとする」という意味にも(ロシア側からは)とれるんですよ。
つまり、歯舞・色丹が日本に帰属することを認めた日ソ共同宣言(1956)よりも、読み方によっては後退した内容なんです。
一応、ご注意しておきます。
ttp://www26.atwiki.jp/textlib/pages/122.html
麻生さんが何やら含みを持たせたような「独創的なアプローチ」という言い方も、裏で何かがあったからあのような言い方をしたとも考えられます。
また実際問題として、橋本さんの時に旧ソ連が崩壊して経済危機になっていたロシアが、北方4島と引き換えに経済協力を打診していたという話が出て、その当時は確証のある話ではなかったのでマスコミも含めてスルーしていましたが、後年北海道新聞の取材や産経新聞の取材で、実はあの時そのような話があったという事実が判明したことがありました。それ故上記で紹介したチラ裏もひょっとするととなるわけで。
>>ミルルさん
>>ホリエモンに感動した
朝生での尖閣諸島に関する発言はいただけませんでしたが、たかじんのNOマネーでの青山さんの提言(ホリエモンの資金で中国人に買われた土地を買い戻してくれないか。それに対してホリエモンは法律を変えればいいでしょうと言った)に対するホリエモンの反論は正論だと思いました。
>>ニッポニアNIPPNさん
もしアイヌの連中がそのような活動をしているというのであれば、自分たちでロシアと交渉すべきですよね。
それでもし日本が北方領土、あるいは千島列島を返還出来た際には、アイヌに対してお前たちは自分で交渉したのかと問い詰めることが出来ます。そもそもアイヌは王国等の統治すらなかった部族ですからね。
>>日本の行方さん
>>最近動画がアップされてないみたいなので助かってます。
2chの青山さんのスレでもようつべとは別の動画が紹介されていますよ。ようつべは工作員の通報によって消されまくりですが。
http://bbs68.meiwasuisan.com/bbs/bin/read/news/1297164298/
ほりえもんに今後期待すること、というコーナーで青山繁晴からは
「外国資本による水源地などの買い上げについて、今後法改正で規制はできるが既に買われたところは買い返すしかない。そういう部分にビジネスやってらっしゃるかたに期待したい」
と振られ、猛反論。
論旨としては、中国にどんどん買わせればいいじゃないですか。それでなんか問題ある?ニヤニヤ
青山からは、そうやって乗っ取られて主権取られていった国などの例をあげられるが
「だったらそのとき法律変えればいいんじゃないですか?ニヤニヤ」
青山からは主権取られたら法律変えれないだろ!と最もな反論もあり。
-----------------------------
番組の動画をダウンロードして見てみました。
青山さんの提言に関しては、中国がビジネスだけでなく政治的意図で動いているなら、日本人の買い返しにはなかなか応じないのでは?という疑問が一つ。
最後にホリエモンは「(征服されても主権は日本にあるのだから、軍事力でもってかれたならともかく)法律を変えるなり、資産封鎖するなりすればいい」と言ってるのですが、そんな事が可能なのか、やるにしてもとても大変な事じゃないのか?という疑問が浮かびました。
日本の民間企業は基本的に利益を追求するもので、国土や国民の生活の生命線を守るのは政治の仕事ですよ、と言いたいのかもしれませんが、あの独特な物言いや、尺の短さ、番組のカラーなのか、グダグダで流れてしまった感じです。
堀江 『朝生』出演者を批判・3日後のインタビューで「感情的なナショナリズムでは議論にならない」・「尖閣問題で政治空白が生じることを危惧」・「尖閣諸島を明け渡しちゃえばいいじゃない。何か問題ありますか」
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-4139.html
朝生の出演がまだ尾を引いていますが、経団連会長も昨秋こんな事を言ってましたね。
経団連会長、尖閣ビデオ流出「日中関係沈静化の流れに反する」
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1289211348/
いずれも、武力で解決する覚悟がないのであれば、少なくとも国交断絶くらいは持ち出さなくては、相手も本気で交渉のテーブルには着かないでしょうね。
「自分のものを盗るような人と友達になれますか?泥棒と付き合うことはできません。」とのロジックであれば、国民にも上記3国との国交断絶は理解されるのではないでしょうか?
「麻生首相、ロシア大統領と激しく口論」
日本の麻生太郎首相とロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領が激しく口論した。
今月9日、イタリアで行われた首脳会談でのことだ。首脳会談の席上では通常見られない、直截(ちょくせつ)的な批判や反論が繰り返された。
主要8カ国(G8)首脳会議に出席するためイタリアを訪問中の両首脳はこの日、
日ロ両国間で最大の懸案となっている北方4島の返還問題をめぐり、激しい口論を展開した。
以下略
こんな立派なニュースを,日本のマスコミは隠していましたね。
会ったときはニコニコ握手し、後で悪口を言う。
そんな人間(菅直人)を誰が信用しますか?