皇室典範〜小泉チルドレンからも女系反対の声
 気になる皇室典範改正問題(女系天皇問題)。
 大きく報道はされていませんが、政治の場では動きが活発になってきているようです。

皇室典範 議員懇、対案提示へ 女性・女系「現行で継承可能」も
 政府が来年の通常国会に、女性・女系天皇を認める皇室典範改正案を提出する方針を示していることを受けて十四日、国会議員による勉強会が相次いで開かれた。
 超党派の保守系議員でつくる日本会議国会議員懇談会(二百四十二人)はジャーナリストの櫻井よしこさんを講師に招いて第四回勉強会を開き、政府案の対案をまとめる方針を明らかにした。櫻井氏は「(GHQによる)旧十一宮家の皇籍離脱は日本人の選択ではなかった」と指摘した。
 弁護士資格を持つ稲田朋美衆院議員は、数十年後に皇室典範一条の条文「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」に該当する継承者がいなくなっても、現行法を改正しなくてもいいとするアイデアを紹介。「緊急避難的に、継承順位を定めた二条にある『皇族』に、皇族でない者(旧皇族ら)を類推適用して皇族の範囲を広げればいいのではないか」と述べた。この案についても、議員懇として衆院法制局と検討することになった。
 自民党の新人衆院議員で構成する「83会」の勉強会では、約三十人の出席者の中で、女系天皇容認派と反対派で賛否が分かれた。通常国会で皇室典範改正案を審議することには「議論が国会議員や国民に周知徹底されておらず、拙速だ」との意見が大勢を占めた。
(産経新聞) - 12月15日2時57分更新

 櫻井よしこさん、稲田朋美さん、頑張ってくれてますね。
 女性が前面に出てくることで、「女系を認めない=男女差別ではない、そういう次元の問題ではない」という良いアピールになるような気がします。

 ところで、↑この記事では「『83会』の勉強会では賛否が分かれた」とありますが、毎日新聞によれば……↓

<女系天皇>自民新人男性議員「伝統が大事」と反対続出
 小泉純一郎首相が来年通常国会で成立を目指す女性・女系天皇容認のための皇室典範改正で、思わぬ「抵抗勢力」が現れた。自民党新人議員でつくる「83会」の自主研修会で議論したところ、「世論より伝統が大事だ」として「男系継承維持」などの主張が相次いだからだ。「場合によっては離党せざるを得ない」という強硬論も飛び出し、首相が教え子たちの反乱に手を焼く事態も起きかねない雲行きだ。
 約30人が出席した研修会は14日、党本部で開かれ、これが第1回。皇室典範改正の賛成・反対両方の学者を招いて議論した。
 10人近い女性議員らは、稲田朋美議員を除いて「時代が変わったので男系にこだわる必要はない」などと女帝歓迎論が多かったが、20人近い男性議員は、発言した全員が「男系を変えたら天皇制が壊れる」「国民的な議論が不十分。なぜ急ぐのか」などと反対論者。
 「郵政とは比べものにならない国の根幹にかかわる問題だ」「皇室の問題は世論に従うべきではない」などと、郵政ブームで当選した議員らしからぬ意見も。稲田議員は、男系維持のために旧宮家を復帰させる私案を披露し、男系維持派の講師、八木秀次高崎経済大助教授は「83人は大きい力になり、国の行く末を左右する。過去の新人とは違う」と激励した。【野口武則】
(毎日新聞) - 12月15日21時27分更新

 いずれにしても、小泉チルドレンからも反対の声が上がり始めたってのは心強い……のかな(^_^;?

女系天皇「伝統断絶後世に禍根残す」宮城県議会常任委
 宮城県議会総務企画常任委員会は14日、女系天皇容認などを盛り込んだ「皇室典範に関する有識者会議」(小泉純一郎首相の私的諮問機関)報告書に沿った皇室典範の改正について「政府は伝統を順守し、拙速な改正法案提出を慎むべきだ」との意見書を提出するよう求める請願を、賛成多数で採択した。
 宮城県神社庁によると、同趣旨の請願が採択されたのは都道府県議会で初めてという。
 請願採択を受け、有志の県議が15日、県議会本会議に首相らあての意見書案を提出。採決されるが、賛否は拮抗(きっこう)しており、可決されるかどうかは流動的だ。
 請願は県神社庁や神道政治連盟県本部、新しい歴史教科書をつくる会県支部の代表者ら8人が提出していた。
 請願は、有識者会議が1年足らずの議論で、女系容認、長子優先を柱とする報告書をまとめたことを批判。「世界に冠たる尊い皇室伝統の断絶への道を開き、後世に大なる禍根を残す」として、改正法案を提出しないよう求めている。
 賛成した委員は「皇室伝統を根本から変えてしまう」などと述べた。
 仙台市議会総務財政委員会では14日、同趣旨の請願が賛成少数で不採択となった。
(河北新報) - 12月15日7時6分更新

 地方から盛り上げていくって手もありますよね。
 女系反対の皆さん、ぜひ地元の有力議員にメールでお願いしてみて下さい。

■小泉内閣メールマガジン 第215号(2005/12/15)より
[特別寄稿]
● 「皇室典範に関する有識者会議」を終えて・前編
  (皇室典範に関する有識者会議座長 吉川弘之)

 皇室典範に関する有識者会議の委員になることを依頼されたとき、検討の対象は法律であっても、それは皇室制度に関わることであり、恐れ多いことだという念にとらわれないわけにはいかなかった。
 しかし、現在の皇室の構成からすれば、皇位継承制度の在り方について、早急な検討が必要であることは理解できるところであり、総理からの依頼である以上、一国民として断るわけにはいかない。
 有識者会議が依頼されたのは、将来にわたり皇位継承を安定的に維持するための検討を行うことであった。
 皇室制度はわが国の長い歴史において常に中心にあり、現在は、憲法に「天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴」とある。検討の対象は、国家の基本にも関わるものであり、極めて重いものである。
 しかも、私たち国民が理解する「象徴」とは、国民一人一人の思想に依拠して多様であり、制度に対する見方も、多様な思想、すなわち歴史観や国家観によって様々であるはずである。
 この重く難しい課題を前にして、私たちは、まず、現在の制度を変えずに安定的な継承を維持することが可能かどうかを詳細に検討した。その結果、現在の皇位継承資格者の4つの要件、皇統に属すること、嫡出であること、男系男子であること、皇族であること、をすべて満たす資格者を、今後安定的に確保することは極めて困難という結論になった。
 いわゆる旧皇族の復帰等についても検討を行ったが、たとえそれを行ったとしても中長期的な解決とはならず、また、国民の理解と支持、安定性、伝統いずれの点でも問題があるとの結論に至った。
 それでは、どのようにして可能な案を考えていくのか。そのとき、私たちは、様々な歴史観や国家観を踏まえながらも、その中の特定の立場に基づく議論をすることは差し控えるという態度をとった。特定の立場を背景とした考え方は、他の立場を否定することにもなってしまうからである。
 そこで、私たちは、憲法に戻り、その範囲内で可能な方法を探るという方法をとることとした。
そうして、明治及び現行の皇室典範についての検討の経過も追う中で到達したのが、女子や女系の皇族への皇位継承資格の拡大である。
 (次週・後編へ続く)

※ 首相官邸ホームページ(皇室典範に関する有識者会議)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/index.html
※ 執筆者の紹介
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2005/yosikawa.html

 何かそのへんの学者の見解丸写し〜って感じ〜。

 つーかね、「特定の立場に基づく議論をすることは差し控えるという態度をとった。特定の立場を背景とした考え方は、他の立場を否定することにもなってしまうからである」なんて言ってるけどね、“憲法”の立場を背景とした考え方は、果たして特定の立場を背景とした考え方ではないと言えるのか?

 前にも紹介したけど、今一度。
 ↓藤原教授の的確なツッコミをどうぞ。

・【正論】憲法と世論で伝統を論ずる無理/お茶の水女子大学教授 藤原正彦
 (拾い猫日記さん12/8付「産経がスパート!」より引用)
(前略)
 気を静め、答申に目を通してみることにした。長たらしい答申を隅々まで熟読する、というのははじめてのことだった。そして、その空疎かつ凡庸な論理展開に愕然(がくぜん)とした。
 二千年の皇統を論ずる上での原点が、なんと日本国憲法と世論だったのである。実際、答申では要所要所でこれら原点に戻り、結論へと論を進めている。この二つを原点とするなら、実はその時点で結論は一義的に定まってしまう。男女平等により長子優先である。議論は不要でさえある。
 長い伝統を論ずる場合、それがどんなものであろうが、先人に対する敬意と歴史に対する畏敬(いけい)を胸に、虚心坦懐(たんかい)で臨むことが最低の要件である。この会議はその原則を逸脱し、移ろいやすい世論と、占領軍の作った憲法という、もっとも不適切な原点を採用したのである。「有識者」の恐るべき不見識であった。
 そもそも皇族は憲法の外にいる人である。だからこそ皇族には憲法で保護された選挙権も、住居や移動の自由や職業選択の自由もなく、納税の義務もないのである。男女同権だけを適用するのは無茶な話である。

≪伝統は時代と理屈を超越≫
 伝統を考える際に、憲法を原点とするなら、憲法改正のあるたびに考え直す必要が生ずる。憲法などは、歴史をひもとくまでもなく、単なる時代の思潮にすぎない。流行といってもよい。世論などは一日で変わるものである。憲法や世論を持ち出したり、理屈を持ち出しては、ほとんどの伝統が存続できなくなる。伝統とは、定義からして、「時代や理屈を超越したもの」だからである。これを肝に銘じない限り、人類の宝石とも言うべき伝統は守れない。
(以下略)


※拙ブログ関連エントリー
 ●10/27付『女系天皇は容認できない』(参考サイトリンク付)
 ●11/5付『メディアは「女性天皇」と「女系天皇」の違いを説明せよ』(参考サイトリンク付)
 ●11/7付『「たかじん委員会」是か非か“女性・女系”の天皇』
 ●11/10付『「ムーブ!」女帝容認論に異議噴出』
 ●11/25付『皇室典範〜有識者会議が報告書提出』
 ●11/26付『皇室典範〜社説出揃う』
 ●12/8付『皇室典範〜産経が女系天皇問題特集』
 ●12/9付『皇室典範〜産経が女系天皇問題特集(その2)』
 ●12/10付『皇室典範〜産経が女系天皇問題特集(その3)』
 ●12/12付『皇室典範〜竹田恒泰さんインタビュー』

※まとめサイト
 ●天皇家の万世一系(男系)による皇位継承という伝統を守ろう!
 ●とりかごさん12/1付『ザビ家の女系天皇反対』
 ●女性天皇に賛成。女系天皇に反対!

※産経新聞「女系問題」テキスト
 ●拾い猫日記さん12/8付「産経がスパート!」

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Posted by くっくり 01:20 | 皇室 | comments (0) | trackback (2)
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思わぬ「抵抗勢力」
うっかり当選しただけの人たちかと思っていたが。 政治に被れていない分、まともな考えができるのかな。
Posted by Assault on Toxic Confidence | 05/12/17 05:27

語られなかった皇族たちの真実−竹田家の竹田恒泰氏自著で強調
日本会議国会議員懇談会では皇室典範改正問題についてこれまで5回にわたって勉強会を重ねてまいりました。出席議員は代理も含めて165名に及びます。男系維持の講師では八木秀
Posted by 草莽崛起 ーPRIDE OF JAPAN | 05/12/24 09:07