皇室典範〜産経が女系天皇問題特集(その3)
 産経の皇室典範改正問題(女系天皇問題)特集、今日は3回め(最終回)。
 WEB版にないのでこちらで入力したものを紹介します(太字強調は原文のまま)。

■女系天皇容認〜有識者会議報告から〜(下)
 「排除された選択肢」
 「旧皇族の復帰」

 皇室には昭和四十年の秋篠宮さま以降、男子は誕生せず、続けて九人の女子が生まれるという確率的には「五百十二分の一」という事態が起きている。皇位継承資格を「男系の男子」に限定し、養子も認めない現皇室典範を放置すれば、いずれ皇位継承者はいなくなる。その意味で、継承者確保のための新たな施策が必要なのは当然だ。ただ、「皇室典範に関する有識者会議」の報告書は、選択肢の一つである旧皇族の皇籍復帰について「国民の理解が得られない」とあっさり切り捨てている。

■現皇室と近い関係

 「旧皇族は、すでに六十年近く一般国民として過ごしている」「現天皇陛下との共通の祖先は、約六百年前の室町時代までさかのぼる遠い血筋の方々である」
 報告書は、現在も四十歳未満の男系の男子が十数人も存在する旧皇族について、さも現在の皇室との関係が薄いかのように書いている。だが、この記述は正確ではない。

 旧十一宮家は、昭和二十二年に連合国軍総司令部(GHQ)の圧力などから皇籍離脱するまでは皇位継承権を保持。うち竹田、北白川、朝香、東久邇の四宮家には明治天皇の皇女、東久邇宮家には昭和天皇の皇女が嫁いでおり、母方の系統(女系)ではあるが血縁関係は近い。また、昭和天皇のお后だった香淳皇后は久邇宮家の出身だ。

 現在も、皇室と旧皇族は菊栄親睦会などの定期会合を続けているほか、「一緒にゴルフを楽しまれることもある」(宮内庁筋)。黒田清子さん(紀宮さま)の結婚式の斎主を務めたのも旧宮家当主の北白川道久氏だ。

 「万が一にも皇位を継ぐべきときが来るかもしれないとのご自覚の下で身をお慎みになっていただきたい
 皇籍離脱当時、宮内府次長だった加藤進氏は五十九年八月、旧皇族の方々にこう要請したエピソードを明かしている。

■男子誕生の可能性

 「長子優先とした方が、国民が将来の天皇の成長をご幼少のころから見守ることができ、分かりやすい
 有識者会議の吉川弘之座長は、皇位継承順位を男女を問わず長子(第一子優先)とした理由をこう説明する。この案に沿うと、皇太子さまの次の皇位継承者は現在の秋篠宮さまから愛子さまへと移る。

 だが、もし皇太子ご夫妻や秋篠宮ご夫妻に今後、男子が誕生したら、国民感情は揺れ動くかもしれない。皇室研究者らは「今は愛子さまに向いている国民の目が、新たなお子さまに集中する可能性がある。その意味でも、会議は拙速な結論付けは避けるべきだった」と指摘する。

 また、長子優先とする理由の一つに、早期から「帝王教育」を施す必要性を指摘する意見もあるが、「万が一ということもある。帝王学はすべての皇族が受けるべきものだ」(百地章・日大教授)との見方もある。

■40年も先の話

 「衆寡敵せずだ
 有識者会議の中で、男系継承の重要性を主張した一人の奥田碩・日本経団連会長は、会議の実態について周囲にこう漏らした。自動車生産台数が世界一に届こうというトヨタの会長にも阻止できない、女系継承容認を何がなんでも実現しようという奔流のような力が働いたようだ。

 しかし、皇位継承資格一位の皇太子さまは現在四十五歳、二位の秋篠宮さまは四十歳とまだ若い。本当に皇位継承者の不在が問題になるのは四十年も先であることを考えると、有識者会議の結論の急ぎ方はいかにも不自然に映る。

 皇室典範改正後、愛子さまが若くして皇位を継がれる場合、どのような影響が出るか。
 徳島文理大の八幡和郎教授は「よき伴侶を見つけられるためにも、独身のまま即位されて重要な公務を多くこなすことは避けた方がいい」と指摘。「有識者会議の一番の間違いは、今、継承順位を確定しようとしたことだ」と語る。

 「歴史はわれわれがつくっていく」と言い切る吉川氏は、有識者会議は国民の代表だとの立場を強調した。しかし、世論がそこまでの結論を会議に期待していたのかどうか。残った疑問はあまりにも大きい。
(阿比留瑠比)
 
 この特集は産経の誰が書いてるのかな?と少し気になってたんですが、最終回にしてようやく署名が。阿比留瑠比さんでしたか。変わったお名前なので覚えやすいですよね(^_^;
 皇室典範改正問題における阿比留さんのこれまでの署名記事を紹介しておきます。

皇室典範会議 女性・女系を容認 政府、通常国会に改正案(10/26)
皇室典範改正案 通常国会提出慎重論も≪寛仁さま「発言」波紋広がり≫(11/7)
皇室典範に関する有識者会議報告書 拙速批判は無視 10カ月で結論、人選も疑問(11/25)

 奥田碩・日本経団連会長が周囲に漏らした「衆寡敵せずだ」については、11/25付毎日新聞にこういう記述が。
 ただ、有識者会議は7月26日の論点整理までは、あくまで「中立」を保った。政府関係者は「男系男子維持派からの批判に耐え得る理論武装のためには積み重ねが重要だった」と明かす。
 こうした状況下、男系男子維持が持論とみられていたメンバーの奥田碩日本経団連会長は8月4日に、福岡県内での講演で「たぶん結論は出ない。両論併記といった形で出し、首相や国会で決めることになる」と語った。しかし、奥田氏は女性・女系容認の大勢に押されたかのように、同31日の会合前後には「(両論併記になるというのは)言葉足らずだった」と周囲に釈明した。
 9月以降の会合では、皇位継承順位の「長子優先」、皇族の範囲の「永世皇族制」などがトントン拍子で決まった。いずれもキーワードは「安定性」。皇室関係者によると、男系男子維持を主張したメンバーからは「衆寡敵せず」「多勢に無勢」との嘆きが漏れた。

 奥田会長という各界に絶大な影響力を持った人の意見ですら「大勢に無勢」。やはり最初から結論ありきで、小泉首相の意向が強く働いた会議としか思えません。

 それにしても吉川座長〔ロボット工学の専門家)には呆れるばかりです。「歴史はわれわれがつくっていく」(正確には「歴史はわれわれがつくっていく立場で検討する」)って言うけどね、歴史をロボットと同じような扱いされたらかなわんっちゅーねん。
 科学は日々進歩していくし、新しい考え方をどんどん取り入れていかねばならない分野でしょう。でも歴史や伝統はそうじゃない。科学とは対極にある分野です。

 また吉川座長は、女性天皇や女系宮家の配偶者確保については「われわれの使命の外」と言う。つまり、将来、愛子さま以下8人の内親王・女王殿下方がご結婚でどんな苦労をなさろうと知ったことではないということ。
 「歴史はわれわれがつくっていく」と豪語するなら、そこまで責任を持ってちゃんと考えなさいよ。

 とにかく有識者会議の結論を見るにつけ、「どこが有識者会議やねん」と言いたくなります。
 「いや、メンバーの中には少数ながら皇室の専門家もいますよ」という声もありますが、そんなもんアリバイ作りとしか思えません。
 こんな“無識者会議”の結論なんて、私は受け入れることはできません。
 

※拙ブログ関連エントリー
 ●10/27付『女系天皇は容認できない』(参考サイトリンク付)
 ●11/5付『メディアは「女性天皇」と「女系天皇」の違いを説明せよ』(参考サイトリンク付)
 ●11/7付『「たかじん委員会」是か非か“女性・女系”の天皇』
 ●11/10付『「ムーブ!」女帝容認論に異議噴出』
 ●11/25付『皇室典範〜有識者会議が報告書提出』
 ●11/26付『皇室典範〜社説出揃う』
 ●12/8付『皇室典範〜産経が女系天皇問題特集』
 ●12/9付『皇室典範〜産経が女系天皇問題特集(その2)』

※まとめサイト
 ●天皇家の万世一系(男系)による皇位継承という伝統を守ろう!
 ●とりかごさん12/1付『ザビ家の女系天皇反対』

※産経新聞「女系問題」テキスト
 ●拾い猫日記さん12/8付「産経がスパート!」
 最近の産経に掲載されたネットソースなしの記事をテキスト化して下さっています。一昨日付拙エントリーで一部紹介した藤原正彦教授の論文もあります。

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Posted by くっくり 13:44 | 皇室 | comments (10) | trackback (1)
コメント
いつも読ませて頂いてますm(_ _)m

今回の産経の記事で、『現皇族と旧宮家は
かなりの(約37親等もの)遠戚であるとは言え関係が深いから旧宮家に皇位を譲れる状態しておく』旨記載されています。
確かにそうなんですが、しかし、関係が深くとも、このまま何もせずにいてよいのか?と思っています。

10親等という前例が継体天皇のときにありましたが、
これを超える親等数はありなのか?と。

勿論、男系維持のため、もうあとがないという時のため、
現況では旧宮家の皇籍復帰は必要でしょう。
ですが、まだ、お世継ぎをお作りできそうな方が
皇太子殿下(45)、秋篠宮文仁親王殿下(40)、
三笠宮寛仁親王殿下(59)、桂宮宜仁親王殿下(57)
と四人もいらっしゃるのに、
本当にこのまま放ったらかしでいいのですか?
皇太子殿下や秋篠宮殿下が年をとってからでは遅いんですよ。

超緊急避難的に今すぐ側室を設けて努力すれば、
親等数の低い皇族に皇位を譲ることができ、あわよくば近縁の新宮家を創設できるのでは?
そう思っています。
側室がいらっしゃれば、親等数が余りにもかけ離れた傍系に皇位を譲るという前例を作らなくて済みます。

なぜ、側室を設けることに反対される方がいらっしゃるのでしょう。
Posted by ビーチクリック | URL | 05/12/10 20:54 | Jt1ykutw

きちんとくっくりさんのエントリを詳細には読んでいないのですが、一言。
ビーチクリックさんのコメントに一言添えるとすれば、私たち日本国民は孝明天皇・明治天皇・大正天皇についてきちんと把握して議論すべきだと思います。大正天皇は明治天皇の側室の子です。正室に男子が生まれなかったとのことですね。できれば最低、江戸時代の皇室の歴史を勉強(!)すべきです。
「有識者会議」(冗談みたいな名前ですが)はそういう生々しい問題はスルーして、最悪の結論を導いています。

もう一つは、敗戦後のアメリカによる「天皇制」維持と「日本国憲法」の「押しつけ」です。その過程は未だ明らかではないです。
私は、憲法改正と皇室典範の原則的護持と皇室防衛は一体のものだと思います。
あと、思っていることを三点。
一つは、皇室・皇統を簒奪しようとした勢力、あるいは争いはありました。私の知る限り、日本史では弓削道鏡、足利義満、織田信長です。(後はアメリカ・ソ連・支那でしょう)
次は、徳川政権に関して。徳川吉宗は御三家の紀伊家から将軍になりました。彼がやったことはいろいろありますが、御三家の他に御三卿家(一橋・田安・清水)をたてたことです。現在の議論で言えば、宮家の復活に当たるでしょうか。吉宗公を含め幕閣はそういう危機感を感じていたのでしょう。吉宗公自身が「非常」の将軍だったのですから、学ぶべきです。上田埼玉県知事もそう言っています。
最後の一つ。なぜ朝鮮人は朝鮮朝(李朝)を廃絶したのでしょうか。日本の皇室は李王家を本当に丁重に最後まで守っていました。(その辺は半藤一利さんに記されています)しかし朝鮮人は弊履を棄てるように踏み付け、王朝を棄てたのです。
日本人がその轍を踏むわけにはいきません。
結構マジに覚悟すべき時季かも。
Posted by さぬきうどん | URL | 05/12/11 03:00 | sfbMtsqI

へ〜、新御三卿家ってそういう意味があったんですか。
王朝(世襲君主制)を維持するのって大変なんですね。

某法律事務職員さんのブログでもコメントしましたが、
現憲法下では、皇室典範は一般法となっていますので、
とにもかくにも、我々は、明治憲法をベースとするにせよ、
全く新たな憲法を制定するにせよ、早々に、GHQ憲法の無効を宣言し、
皇室自律権(皇室典範等の法令が政府や議会の関与を受けない権利)を
回復させるべきだと思います。
Posted by ビーチクリック | URL | 05/12/11 03:45 | GH/oc3cw

正確には、
「王朝の世襲原理を男系(又は女系)とした場合、
王朝(世襲君主制)を維持するのって大変なんですね。」
ですね。
Posted by ビーチクリック | URL | 05/12/11 03:48 | GH/oc3cw

>ビーチクリック さま
ありがとうございます。
吉宗公はなかなかの傑物ですし、徳川の治世も今の政治よりいいくらいじゃないですか。
徳川慶喜公は水戸家から一橋家に養子(!)に入り、家茂公(十三代将軍・紀伊家)の後を襲ったのですから。
まあいろいろと毀誉褒貶はありますけど、隣国の王朝の当主の振る舞いに比べれば…。(溥儀とか高宗?)〔敬称略〕
立派ではないでしょうか。
吉宗公、GJだと思います。
Posted by さぬきうどん | URL | 05/12/11 04:00 | sfbMtsqI

すみません。
徳川慶喜公:十五代将軍
徳川家茂公:十四代将軍
でした。
訂正します。
Posted by さぬきうどん | URL | 05/12/11 04:03 | sfbMtsqI

> 「いや、メンバーの中には少数ながら皇室の専門家もいますよ」という声もありますが、そんなもんアリバイ作りとしか思えません。

先日NHKラジオに有識者会議でレクチャーをした皇室の専門家というふれこみで静岡福祉大学の高橋紘教授
という人がでていました。

レクチャー内容は下の通り
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/dai6/6siryou2.html
有識者会議が提出した内容と殆ど同じになっています。

しかも高橋教授はラジオのインタビューで、男系について「これまではそうだったかもしれないけれど、これからのことを私たちが作っていくのです。」というような主旨のことを答えていました。古川座長と同じ心意気ですね。そして、「少子化、少子化」を連発し、理由付けがそれだとはお粗末という印象でした。

この人の罪は大きいと思うのですが、なかなか名前が出てこないのはなぜなのでしょう?
もし機会がありましたら、くっくりさんにつっこみ入れて頂きたいです。
Posted by milesta | URL | 05/12/11 07:23 | AzBE1qOU

女系天皇の話は、実は8年前から宮内庁が極秘に画策していたって話が読売新聞にあったけど、誰も取り上げないな。
Posted by 愛子様の弟 | URL | 05/12/11 17:08 | FrZHKrvc

「少子化」を口実にするとはどこが「有識者会議」なのでしょうか。現在と違って、戦前、とくに明治以前は乳児死亡率が現在と比較して非常に高かったことを忘れてはいけません。皇室においてもそうだったはずです。だから皇統を守るために「側室制度」や宮家を置いていたのです。いい年こいた「有識者」のくせにアホかの一言です。
宮家に関して言えば、宮家を極端に減らしたことで、公務が集中し高円宮殿下の急死のような痛ましい悲劇を生んでしまいました。宮内庁は何を考えているのでしょうか。何度も言いますが、皇室は今生きている私たちだけのものではないし、私たちが勝手に変更すべきではないと思います。
Posted by さぬきうどん | URL | 05/12/12 19:15 | Objx1ETk

先ほどのコメント、言葉足らずでした。
明治以前も男系を維持することは非常に困難であったということです。その原因は乳幼児死亡率が高かったこと、また男児の死亡率が女児より高かったことです。
これは現在七十歳の日本人は経験的に知っているはずです。
だから皇室や側近、公家(とくに藤原氏)の方々がさまざまな「安全装置」を設けていました。武家政権の側もそれに協力してきました。皇統存続のためにあらゆる知恵を絞ること、それが天皇側近の役割のはずです。現在の宮内庁官僚は何を考えているのでしょうか。
「出生率が下がっているから」「少子化」だから男系の維持は無理云々。昔の言葉で言えば「不忠の輩」です。
Posted by さぬきうどん | URL | 05/12/12 19:49 | Objx1ETk

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だいちゃん(…失礼)の見てきた皇室と、そして。
※このエントリは「ここまで書くのは迷ったけれども。」(9日)の 関連エントリですので、コメントくださる方はこちらに。 現在、「だいちゃんぜよ」というブログをされておられる、 現・高知県知事の橋本大二郎氏のメルマガのバックナンバーにも 非常に分かりやすく詳し...
Posted by * 園丁日記 * | 05/12/10 21:58