皇室典範〜産経が女系天皇問題特集
 産経が今日から皇室典範改正問題(女系天皇問題)の特集を開始。
 1回めの今日はネットの声にも言及されています。
 WEB版にないのでこちらで入力したものを紹介します(太字強調は原文のまま)。

■女系天皇容認〜有識者会議報告から〜(上)
 「安易すぎる男系断念」
 「拙速な議論」
 「皇室制度専門家不在 わずか10カ月で決定」

 議論は充分尽くされたのか−。小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」の女性・女系天皇を認める報告書に対し、さまざまな方面から「女系天皇の誕生は皇統の断絶を意味する」などの批判や疑問の声が降り注いでいる。首相は「国民の理解は得られると思う」とするが、どこでボタンを掛け違えたのか。「皇室を大切にし、熱い思いを抱く人ほど反発している」(研究者)とされる報告書の問題点を三回に分け検証する。

■世論分裂の気配

 「国民の意識、世論を十分議論すべきで、最終的に国民の平均的考え方で決めるしかない
 有識者会議の吉川弘之座長は今年一月二十五日の初会合後の記者会見でこう強調していた。当時、各種世論調査で女性天皇を容認する意見が八割を超えていたことから、「女性・女系天皇容認ありき」の結論は示唆されていたといえる。

 ただ、ここにきて世論調査の結果にも、微妙な変化が出てきた。今月三日、四日に共同通信が実施した電話調査では、女性天皇を認める意見は75.3%で、約二カ月前の調査の85.3%から10ポイントも減った。また、女系天皇容認の意見は71.9%あるが、性別・世代別にみると三十代の男性では51.9%にとどまった。皇位継承をめぐる論点が一般に知られるにつれ、国民世論は分裂の気配を見せ始めているようだ。

■広がる拙速批判

 政府は今回の報告書を受け、内閣官房に皇室典範改正準備室を設置し、来年の通常国会への改正案提出を急いでいる。だが、皇室制度の専門家がいない有識者会議がわずか十カ月の議論で、有史以来続く父方の系統に天皇を持つ「男系」による皇位継承という皇室伝統の変更を決めたことに、とりわけ批判が集中。発言者は、当初の皇室研究者らから自治体首長にまで広がっている。

 「本来なら広範囲の議論を集める必要があり、短期間の議論でかたがつくわけがない。(有識者会議は)日本の二千年の歴史を終焉させるかもしれないという問題意識に欠けている
 報告書提出の二日前にあたる十一月二十二日、埼玉県の上田清司知事は記者会見でこう訴えた。
 静岡県の石川嘉延知事も「(女系天皇容認は)天皇制をやめることに導火線を引くことになる。あまりに拙速な手続きで結論を出そうとしている」と述べている。

 一方、吉川氏は「非常に丁寧に過去の議論を調査して、その延長としてこういう結論を出した。拙速というのは当たらない」と反論する。だが、旧皇族の皇籍復帰などの男系維持派の提案をきちんと議論せず、あまりに短期間で結論を導き出したことも不信感を拡大している。

 橋本龍太郎内閣で、非公式に皇位継承問題の検討が始まったときの事情を知る自民党長老は「有識者会議はあまりにも拙速だ。女性天皇はよいが、女系天皇となると別だ」と吉川氏の言い分を否定。愛子さまを念頭に男系の女性天皇をいったん認めたうえで、前例のない女系天皇については改めて検討し直す方法もあったと指摘する。

■ネットは沸騰状態

 報告書批判のすそ野が拡大しつつあるのはインターネットの世界をのぞいてみるとわかる。
 「世界最古の王朝がいま、断絶させられようとしている」「千年以上にわたる伝統を、戦後数十年間の価値観で、数十時間の密室会議で決めていいのか」「有識者会議は共和国(制)を目指しているのか」
 ネットで「皇室典範」「有識者会議」などと検索すると、報告書への批判をつづったブログ(日記風のホームページ)にたどり着く。そこでは、小泉首相や有識者会議への怒りや戸惑いで沸き立っている感さえある。

 「ネットに限っていえば、男系維持派の方が圧倒的に優位だ」
 こう話すのは、ネット界のオピニオンリーダーの一人で、衛星放送「日本文化チャンネル桜」司会者の河内屋蒼湖堂氏。「ネットで発言しようという人は、それなりに勉強をしており、一般の人とでは意識の乖離がある」ともいい、必ずしも国民の多数意見を反映していないと指摘する。
 それでも、近年、ブログの影響力は無視できない。吉川氏は「世論の動向をみながら会議を進めてきた」と強調していたが、ネットでの議論にまでは目配りしていなかったようだ。

 共同通信の世論調査のニュースは見ましたが、性別・世代別にみると三十代の男性では女系天皇容認は51.9%にとどまっていたとは知らなんだ。他の世代はどうなんでしょうか。

 「橋本龍太郎内閣で、非公式に皇位継承問題の検討が始まったときの事情を知る自民党長老」って誰でしょうね(^_^;?
 いずれにしても当時から議論はされてたんですね。ところが、その時の議論は有識者会議にはまるで反映されていないんですな。そりゃ長老も批判するわ。


 さて、この特集記事の隣には、櫻井よしこさんの月イチ連載「小泉首相に申す」が掲載されているんですが、これまた皇室典範改正問題がテーマ。
 一部引用させていただきます(太字強調は引用者)。

■小泉首相に申す〜首相も委員も「異星人」
 吉川座長は「歴史観や国家観で案を作ったのではない」と述べた。しかし、歴史観や国家観を故意に省いて議論を重ねたところで、歴史そのもの、あらゆる意味で国家と分離できない皇室を論ずることなど不可能だ。

 祖先神が天照大神とされているように、皇室の始まりは神話のなかにある。神話は天照大神は孫の瓊々杵尊(ににぎのみこと)を高千穂の峰に降臨させたと告げており、その物語を家庭や学校で大人たちが幼い子供たちに語って聞かせたのは、それほど遠い昔ではない。その瓊々杵尊の曾孫が神武天皇であり、紀元前六六〇年に大和国を平定し橿原宮で即位した時から、現在の皇室の歴史が始まったとされる。初代の神武天皇は百二十七歳の長寿だったとされているが、これも半ば以上、神話の世界のことだ。

 紀元前七世紀から今日まで、二六六五年の長い間、幾百世代もの日本人は、それらの物語をそのまま民族育成の物語として受けとめてきた。「万世一系」も「男系天皇制」も、そうしたものの基礎として受けいれてきた。歴史を通して存続してきた皇室は日本人の心の積み重ねが形となったものであり、日本人の価値観の表現、日本の精神文明の支柱のひとつなのだ。そのことの重要性を有識者会議は全く考慮していない。

 民族の物語としての歴史を無視して、有識者会議がどのような論理で男系天皇制から女系天皇制への転換を正当化したか。たとえば「現世代に五人の男系男子」が存在するとの仮定で平均的出生率1.29を前提に計算すると、将来生まれる男系男子は子の世代で3.23人、孫の世代で2.08人、曾孫の世代で1.34人となり将来の継承者の「急速な減少が見込まれる」などとしている。
 だが、いつの時代も問題はある。現在より出生率が高かったときでさえ、皇室は男系男子の後継者不足で幾度か危機に陥った。先人たちはその度に工夫を重ね、男系天皇制の基本軸を守り通した。その象徴が八人、十代にわたる女性天皇の存在である。

 現在に当てはめれば男系天皇のお血筋の敬宮愛子様の天皇即位であり、そのこと自体は何ら問題はない。だが、今議論しているのはその次の世代の問題であり、時間はまだ幾十年もあるのだ。
 その幾十年の間に、古えの人々が重ねてきた努力に倣い、なぜ知恵を出そうとしないのか。その努力なしで安易に二六六五年の文明の歴史を根本から変えるのは知的怠慢であると共に、日本文明への横暴なる挑戦である。

 さすが櫻井さん。
 特に「皇室は日本人の心の積み重ねが形となったもの」「日本の精神文明の支柱のひとつ」「安易に二六六五年の文明の歴史を根本から変えるのは知的怠慢」のくだりには激しく同意!(--)(__)


 さらに、昨日付の産経「正論」でもこの問題が。
 お茶の水女子大学教授・藤原正彦氏による有識者会議批判です。
 こちらからも一部引用させていただきます(太字強調は引用者)。

■憲法と世論で伝統を論ずる無理〜典範改正に見る軽佻すぎる思考〜
 気を鎮め、答申に目を通してみることにした。長たらしい答申を隅々まで熟読する、というのははじめてのことだった。そして、その空疎かつ凡庸な論理展開に愕然とした。
 二千年の皇統を論ずる上での原点が、なんと日本国憲法と世論だったのである。実際、答申では要所要所でこれら原点に戻り、結論へと論を進めている。この二つを原点とするなら、実はその時点で結論は一義的に定まってしまう。男女平等により長子優先である。議論は不要でさえある。

 長い伝統を論ずる場合、それがどんなものであろうが、先人に対する敬意と歴史に対する畏敬を胸に、虚心坦懐で望むことが最低の要件である。この会議はその原則を逸脱し、移ろいやすい世論と、占領軍の作った憲法という、もっとも不適切な原点を採用したのである。「有識者」の恐るべき不見識であった。

 (中略)

 伝統を考える際に、憲法を原点とするなら、憲法改正のあるたびに考え直す必要が生ずる。憲法などというものは、歴史をひもとくまでもなく、単なる時代の思潮にすぎない。流行といってもよい。世論などは一日で変わるものである。憲法や世論を持ち出したり、理屈を持ち出しては、ほとんどの伝統が存続できなくなる。伝統とは、定義からして、「時代や理屈を超越したもの」だからである。これを胆に銘じない限り、人類の宝石とも言うべき伝統は守れない。

 (中略)

 大正十一年に日本を訪れたアインシュタインはこう言った。「近代日本の発展ほど世界を驚かせたものはない。万世一系の天皇を戴いていることが今日の日本をあらしめた。…我々は神に感謝する。日本という尊い国を造っておいてくれたことを」。世辞も含まれていようが万世一系とはかくの如き世界の奇跡なのである。

 アインシュタインの発言は決して特殊なものではありません。
 以前のエントリーでも触れましたが、日本の皇室は国際社会から羨望の眼差しを集めています。天皇は現存する最古の皇帝と認識され敬われているのです(特定アジア除く)。
 万世一系が崩れれば多くの国の人たちが「何てもったいないことを!」と溜息をつくことでしょう。そして「最古の皇帝」でなくなった女系天皇はこれまでのようには敬われなくなるでしょう。
 日本人はそのことをもっと知るべきだと思います。

 また、ここでは引用しませんでしたが、櫻井さんも藤原教授も論文の締めの部分で同じような意見を述べられています。
 それは「万世一系を変える権利は有識者会議にも、首相にもない」ということです。
 藤原教授はさらに「天皇ご自身にも国民にもない。飛鳥奈良の時代から昭和に至る全国民の想いを、現在の国民が蹂躙することは許されないからである」と言い切っておられます。

 その通りだと思います。
 日本最古の伝統を守るため、後の世に繋げるため、先人が一体どれだけの苦労をしてきたか。私たちもその苦労を受け継ぐべきではないですか。それが民族の使命ではないですか。
 女系容認派は苦労を避けて安易な道になだれ込みたいだけなのではないか?とすら思えてきます。

 
 産経は最近この問題関連の記事が増えてきています。「大手新聞で女系天皇に反対してるのはウチだけだ」という自負があるんでしょうか。これからも頑張ってほしいものです。
 他紙もぜひ追随してほしいですが、期待できそうにもないですな(T^T)


※拙ブログ関連エントリー
 ●10/27付『女系天皇は容認できない』(参考サイトリンク付)
 ●11/5付『メディアは「女性天皇」と「女系天皇」の違いを説明せよ』(参考サイトリンク付)
 ●11/7付『「たかじん委員会」是か非か“女性・女系”の天皇』
 ●11/10付『「ムーブ!」女帝容認論に異議噴出』
 ●11/25付『皇室典範〜有識者会議が報告書提出』
 ●11/26付『皇室典範〜社説出揃う』

※まとめサイト
 ●天皇家の万世一系(男系)による皇位継承という伝統を守ろう!
 ●とりかごさん12/1付『ザビ家の女系天皇反対』

※「女系天皇反対」の声を届けましょう
 ●首相官邸 ご意見募集
 ●内閣官房 ご意見募集
 ●自由民主党 自民党に物申す!
 ●安倍晋三 ご意見・お問い合わせ
 
※告知
 ●橿原神宮正式参拝「皇統の未来を守るオフ」12/10(土)


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Posted by くっくり 18:54 | 皇室 | comments (4) | trackback (6)
コメント
くっくりさん情報ナイス!&ご苦労様です。

 今週の週刊現代(12月17日号)に女性天皇についての論争が書いてあります。
 竹田(旧皇族)さんと田原(ジャーナリスト)さんです。

 12月12日 竹田恒泰「語られなかった皇族たちの真実」発売(小学館 定価1365円)
Posted by 缶 | URL | 05/12/08 19:58 | DuCEE6CA

くっくりさん、産経さん、(*^ー゚)b グッジョブ!!

普段、新聞を読んでもこの問題について見かけることもありませんし、あったとしてもあまり紙面が割かれていませんから、こうやって人の目に触れるだけでも効果ありです。

>それは「万世一系を変える権利は有識者会議にも、首相にもない」ということです。藤原教授はさらに「天皇ご自身にも国民にもない。飛鳥奈良の時代から昭和に至る全国民の想いを、現在の国民が蹂躙することは許されないからである」と言い切っておられます。

個人的には国民投票をして尚、万世一系を変えるというのであれば、残念ながら仕方がないとは思います。もっとも、その前提として、

1 国民がもっと皇室というものを理解する。
2 国民が万世一系を変えるということに責任感を持つ。
3 一度、途絶えてしまったら、机上ならばともかく、現実的には二度と元通りにはできないものだということを認識し、そういうものを廃止しようとしているということを自覚する。
4 今の価値観は今の時代にしか通用しないことを認識する。(万世一系を変えたことで、後の世代から非難を浴びる可能性があることもよく考える)

 こうした前提を踏まえた上で、万世一系を変えるという決断を国民の過半数が下すのなら不承不承ながらも、やむを得ないとは思います。まあ、この前提が分かっていたら大抵の人間は女系に賛同しないのでしょうが。
Posted by nk | URL | 05/12/09 00:55 | eSxb0If.

初書き込みです
私も昨日図書館で産経新聞読んでいてひとつ気になったのですが、ネットについてのところで一般の人とでは意識の乖離がある、必ずしも国民の多数意見を反映していないと書かれていますが、一般の人は天皇制についてほとんど知らずにただ単に男女差別だから認めると言ってると思うですが、だから、ネットは少数意見だからと切り捨てるのではなく、勉強して発言してる人たちと書かれてるのならそちらの声のほうを優先すべきだと思うのでうsがどうでしょうかね?
Posted by モチイム | URL | 05/12/09 12:46 | MzfsxWFU

くっくりさんこんにちは。
私もくっくりさんの皇統問題を読んで多いに危機感を持ちました。
ネットでもさほど問題視されていなかった時期に女系天皇についての警鐘をならしたくっくりさんのブログは貴重だと思います。
私も官邸や影響力のありそうな人にメールを送ったりするしかできていませんが、最後まで希望を持って声をあげていこうと思っています。
これからも女系天皇についてどんどん取り上げてください。
応援しています。
Posted by ひなげし | URL | 05/12/09 15:24 | /2KDDSes

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