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民団総連和解で関西各局は

 今日1本めのエントリー。

 表題の他に、拉致問題、朝日社説など。

 民団・総連和解で、在日韓国人・朝鮮人の多い関西各局の情報番組は、きっと「よかったね」的な伝え方しかしないんだろうなと思ってたら、意外とそうでもなかった。

 但し、『ムーブ!』はダメでした。曜日が悪かった。水曜日は二木啓孝、石坂啓、ジェフ・バーグランドという面々なので。
 月・火・木ならよかったのに……。
 (月曜=勝谷誠彦、宮崎哲弥。火曜=勝谷誠彦、福岡政行。木曜=宮崎哲弥、橋下徹、大谷昭宏)

 以下、『ムーブ!』『ちちんぷいぷい』『アンカー』から内容をちょこっと紹介。
 (例によって各氏の発言は要旨であり、一字一句そのままではありません)
 
■ABC朝日放送『ムーブ!』

 石坂啓は「南の人も北の人も統一が悲願だから喜ばしいこと。あと、私は北朝鮮に行った時に(ピースボート。本人はそれ言わなかったが)、ビザでごたごたしたから、そういった意味でも統一されたら助かる」てなことを。
 ジェフ・バーグランドは東西ドイツに喩えて、「明るい未来が待ってると思いたい」とか何とか。
 但し、総連が「民団が脱北者支援をやめること」を和解の条件にあげた、このことは司会の堀江が伝えてました(ソースは毎日新聞夕刊だったような)。


■MBS毎日放送『ちちんぷいぷい』

 総連の金奉亨(キムビョンホン)のインタビューVTR。
 「諸手をあげて大歓迎。ちょっと遅かった。総連と民団は仲が悪いんでなく、本国の分断の中での対決の縮図。2000.6.15南北会談で大きく流れが変わった。もう在日3〜5世が中心。若い世代は南北関係ない。一世の時代の対立を乗り越えてやっていくのが流れ。生活単位の中で相乗効果がある。例えば民族結婚。思想違うから結婚させないというのがあったが。その他、就職の問題など生活レベルで一段階上がるだろう。素晴らしい会談であり共同声明。日朝友好、日朝国交正常化につながることを期待します。カムサハムニダ(ありがとうございました)」

 何でこんな奴の一方的な言い分を流すの!?と憤ったんですが、スタジオトークはまともでした。

石田英司デスク
「日本で暮らしていくために手を結ぶのはいいが、外交とはまた別

内田忠男(元テレ朝)
「日本人としては合体して仲良くなるのはけっこうなことで、茶々を入れることはない。ただ、現実問題を考えると、盧武鉉政権は金大中以上に反日的な色合いが強く、反米的な色合いも強い。このへんが、たとえば拉致問題解決にどういう影響を及ぼすのか心配

石田英司
「暮らしてる人のための団体で、純粋に行くならば心配ないが…」

 日本にとって何か変わる?かを、朴一・大阪市立大学教授(またお前か!(-.-#))に聞いてきました、ってことでパネルで紹介。

(1)なぜ急に和解?
 2000年の南北首脳会談後から在日社会では交流は活発だった。北朝鮮が拉致問題で風当たり強くなって、南北団結しないと生き残れない。人権や高齢者の無年金問題など共同歩調を取るべき課題は山積みです。

(2)和解で日本への影響は?
 北朝鮮は拉致を解決済みとしてるが、拉致に対し共同で声をあげることができるのではないでしょうか?

(3)北朝鮮、韓国、それぞれ本国への影響?
 「日本の中のワンコリア」という流れは本国での祖国統一へ動きだす第一歩になるでしょう。

 続いて、日本政府の反応(安倍官房長官の発言)もパネルで紹介。
 「拉致問題解決のため北朝鮮に対して対話と圧力の姿勢で臨むことに変化はない」

石田英司
「安倍さんが言ってるのはあくまで北朝鮮の体制に対してですから」

 一方、拉致問題でも大きな動きが……ということで、横田滋さんが訪韓、金英男氏の家族と初めて面会のVTR。

 再びスタジオ。パネルを中心にトーク。
 横田滋さんは日韓の連携を訴えているが、韓国政府は横田さんらの訪韓を無視。
 政府高官は「会う必要はない」「訪韓の意味もよくわからない」と発言している。なぜか?

 毎日新聞・与良記者の見解。
 「韓国のメディアが取り上げたのは大きな成果だが、盧武鉉政権は南北交流で政権浮揚を狙っているため」

石田英司
「盧武鉉大統領は人気がない。韓国の大統領は1期だけだが、ポストに自分の後を任せたいから人気は保ちたい。軸足がぶれたらあかんと思ってる」

内田忠男
「韓国の大統領は任期の半ばを過ぎると人気が落ちる。歴代大統領みんなそう。盧武鉉は自分の主体性、ナショナリズムを刺激しながら浮揚を図っているんだと思うが、日本にとっては嬉しいことではない


■関西テレビ『アンカー』

山本浩之(司会アナ)
「このタイミングで和解をした背景は?」

青山繁晴
「在日にとって歓迎すべき出来事だろうが、日本に住んでる者として注意しないといけないのは、北朝鮮は独裁国家で、韓国その他に逃げてる脱北者を、今回の和解によって韓国が受け入れないとなった。アメリカが脱北者を受け入れ始めてるのに、逆行してる。もう一つ、官房長官が『残念ながら総連は公安調査庁が関心持ってる』と。総連から北朝鮮に資金が渡ってる。それで固定資産に課税する流れになった。が、総連が民団といっしょになると、日本によるフェアな調べがやりにくくなる。日本国民が心配してることだから、民団もそこはフェアにやっていただきたい」

 拉致問題で韓国との付き合い方は……?ってことで、VTR。
 横田さん訪韓で、韓国統一相が「会う必要はない」。
 アメリカとうって変わって韓国側の消極的な態度。さらには、「制度的・物質的な支援を北朝鮮に行う」と。

山本浩之
「VTRで横田さんの訪韓の姿出てましたが、せっかく行ってるんだから、統一相、会ってくれたらいいのに」

室井佑月
「韓国のテレビもやってくれない。南北で断絶された家族の方が人数が多いからって」

山本浩之
「日本に対して厳しい。なぜなのか?」

青山繁晴
「韓国は自国の拉致被害者にも冷たい。韓国人は情が濃いから、拉致被害者を忘れてるわけじゃない。冷たいというより、北朝鮮にトコトン甘くしてるってこと。どうしてこういうことが起きるのか。僕ら日本国民だから日本の視点で見るが、今日は韓国、中国の視点で。それでわかることいっぱいある」

 南北を反対にした北東アジアの地図がパネルに出る。

青山繁晴
「これは中韓北から見た地図。普段の地図だと、日本から見ると朝鮮半島は中国に行く渡り廊下に見えてる。が、相手側、韓国・北朝鮮から見ると、アメリカに行くのに日本が邪魔。これは僕の推測で言ってるんじゃなくて、韓国人と会って話してると、邪魔してると言われる。中国、北京や上海に行っても言われる。それが一つ。もう一つは、韓国は北朝鮮に近づいていくのか。僕らは戦争が終わった社会に生きてきた。韓国は日本の仲間だと思ってるが、本当は中国大陸の一部。厳しいこと言うと、4〜5000年間、中国の属国だった、高句麗、新羅も……と言う人もいる。僕はそれは言い過ぎだと思うけれども、中国の影響下にあって中国の仲間で来た。日本は聖徳太子以降自立してきたが、朝鮮は中国といっしょに暮らしてきた。せいぜい自由だったのはこの5〜60年。中国の下に戻らなければいけない。日米と仲良かった方がおかしくて、それは歴史から見たら一瞬のこと」

※青山のズバリキーワード(フリップ)
 「常識」を変えよう!

青山繁晴
「相手の立場に立ってきて、僕らが勝手に持っていた常識を変えよう。ということで、ポイントはたくさんあるが、今日は2つやります」

(常識1)「韓国は南北統一を望んでいる」

青山繁晴
「例えば五輪では、統一朝鮮の旗を持って感動的な入場行進。民団総連の和解。統一に向かってるのが常識になってるように見えるが、『このまま分断で』というのが韓国の声。思い出していただきたいが、二つに分かれた国家はドイツと朝鮮。韓国は必死に生存の道を探してますから、ドイツのことをよく勉強してる。ドイツが統一された1989年から17年経ってる。勉強したら、あの頃の東ドイツは共産主義の中で一番優等生。五輪で金メダルたくさん獲る、国産車もある。が、北朝鮮は飢え死にしてる状態。劣等生。優等生といっしょになった西ドイツですら、マルクは東ドイツ吸収したら使えない状態にまでなって、ユーロになった。『世界平和の理想に燃えて』というのはうわべの理由で、西ドイツのお金がだめになったからユーロになった」

室井佑月
「あの体制が崩れると、韓国に難民が入ってきて困るから?」

青山繁晴
「難民が1つ。それは3〜5年で何とかなるが、通貨は100年単位でないとやってけない。それに北朝鮮には金日成の銅像があるが、どうするか?壊したら、赤ちゃんの時から神様として教わってきた北朝鮮人は大混乱。が、残してたら韓国の目指してきた民主主義はどうなるのか?経済、安全保障、社会の面から見ても、このままが一番いいというのが現実の判断」

室井佑月
「でもドイツも長い目で見ればよかったんでしょ?」

青山繁晴
「東ドイツは未だに差別されていてゴタゴタなってるから。メルケルさん(東ドイツ出身)を首相にしたのもそのことがあるから。韓国は劣等生の北朝鮮を飲み込むんなら、50年先にしてくれ、もっと韓国経済強くなってからにしてくれ、と。『盧武鉉は北朝鮮と仲良くしてる』と専門家も言うが、『盧武鉉が変わったら韓国は北朝鮮から離れる』というのは違う。太陽政策というのは、旅人の服を脱がせる目的。脱がせる=統一だったが、実は韓国はそれを望んでない、北朝鮮にはそのまま服を着ててほしい。ずーっと将来の希望としての統一。韓国の立場になって考えてそこを理解しないといけない」

(常識2)「隣国は仲良し」

青山繁晴
「一衣帯水という言葉があるが、『隣だから仲良くするの当然。日中、日韓で諍いがあるのは異常だ』と専門家も政治家も言うが、世界を見てみると、仲が良い隣国はない。一つだけ例を言うと、日本人はアメリカとカナダは仲がいいと思ってるでしょ?ところがカナダで大ヒットしてる映画、カナダ軍に変わった人が現れて、米軍を占拠したという内容の映画。僕、ちょうどその映画をカナダで見た。カナダ人が『胸のつかえがすっきり下りた』と言ってた。これが世界の現実。もともと仲良しだから今が異常だ、という嘘をつくんじゃなくて、現実を踏まえて、相手の言うことを受け入れるのがいいんだとか、相手に文句ばかり言うのがいいんだ、じゃなく、現実的な解決策を。
大事なヒントはアジア以外にあった。ヨハネ・パウロ二世。ちょうど1年前に亡くなったローマ法王。日本人は、この方は当然、世界平和を言った人だろうと思ってるだろうが、本当はこの方は、『私は愛国者だ、愛国主義だ』と。ヨハネ・パウロ二世はポーランド出身。イタリア人以外で法王になったのは珍しい。400何十年ぶり。日中、日韓がぶつかってるの、愛国主義が原因と言われてる。日本から見たら、反日教育。が、向こうは愛国教育だと言っている。いま日本でも教育基本法改正をやってる。愛国心だ何だという話をしてるが、日本含めてアジアでいう愛国心は、他の国を……(聞き漏らし)というイメージありますね。それでみんな心配してる。
が、ヨハネ・パウロ二世はというと、僕がポーランドの村に行ったりワルシャワに行って、そこの人々に聞いたら、ヨハネ・パウロ二世が帰ってきた時にワレサ議長、この人は政権に刃向かう人だったが、こう言った。『私は愛国者だから、ワレサに言います。ポーランドの社会主義をあなたは倒しなさい。共産党を恐れるな。この国を変えて、世界平和に結びつけるのがあなたの仕事』。ワレサはそれまで迷ってたが、迷うのやめて、ポーランドの社会主義を倒して、それで東欧の社会主義が次々倒れてって、ソ連崩壊、東西冷戦は終わった。
ヨハネ・パウロ二世の言った愛国心は、自分の国のことだけ考えるんでなく、自分の国を愛する気持ちを通じて、他の国が集まった世界のために、愛国心だと言った。
そのことを日本は中国、韓国に……(聞き漏らし)。戦前の『自分の国』という愛国心でなく、これは国の話だけでなく僕らの心の問題で、自分を愛する気持ちは他人を愛する気持ちにつながるはず。中国・韓国のことを考える時に、そのことを考えて下さい」

 ……こんな感じでコーナーは終了したんですが、結局青山さんは何が言いたかったのか?最後ちょっとまとまってなくてわかりにくかった(T^T)

 たぶん、教育基本法改正の議論の中で、「愛国心」が戦前の軍国主義と結びつけられてる風潮を憂い、「いや、愛国心とは本来そういうものじゃないんだよ。中国・韓国の愛国心は偏狭だけど、日本はあんな愛国心は目指してないんだよ。日本が目指すのは、喩えるならヨハネ・パウロ二世のような愛国心。だから皆さん、もっと広い視野で愛国心という言葉の意味を考えて下さいね」……的なことを青山さんは主張したかったんだろう、と私は解釈しています。

参考リンク:
 ぬるぽガッ!チャンネル桜さん>ローマ法王(ヨハネパウロ2世)が所謂戦犯とされ処刑された英霊を慰霊していたという事実


 番組内容紹介はここまで。以下、ニュースをざっと。


民団総連和解:共同声明(全文)
(5)民団と朝鮮総連は同胞社会の高齢化、少子化対策をはじめ諸般の福祉活動と権益の擁護、拡大のために互いに協調していくことにした。

 勘弁してよ〜(T^T)


総連の民団乗っ取り!? 半世紀ぶり歴史的和解
 「和解でもなんでもなく、総連による民団の乗っ取りが成功したということ。トップ会談は、そのセレモニーのようなものですよ」
 北朝鮮問題に詳しいジャーナリストの恵谷治氏は意外な見解を示す。
 「拉致問題で金正日(ジョンイル)総書記が小泉純一郎首相に謝罪して以降、総連の会員離れが進み、民団に入るケースが増えた。民団へのくら替え組には、北朝鮮に嫌気がさした会員が多かったが、そのなかには、そのフリをした偽の会員も多数含まれていた」と衝撃的な内容を明かす。
 偽会員たちは民団内で思想の共有を進め、支部長などポジションを確保しながら勢力を拡大。「死んだふりをしながら、民団の総連化を進め、平壌の思惑通りに民団を動かせるまでにした。歴史的というのは表向きのことで、内情はまったく違う」と恵谷氏は切って捨てる。
 トップ会談をこの時期にしたのも、「あえて横田さんら拉致被害者の家族会(と支援組織『救う会』)の訪韓に当ててきた。和解すれば扱いはトップ級。横田さんらのニュースバリューを弱めるのがみえみえ」と話す。
 一方、コリア・レポート編集長の辺真一氏は、「民団との和解は、朝鮮総連にとって願ってもみないスキーム」と指摘し、北側の出方を一段と警戒する。
 「拉致問題で、日本が総連を追いつめたりすると、これからは民団が出てくる。その民団のバックには韓国政府いることになる。いままで北朝鮮がどんな脅しをかけようとも日本は動じなかったが、これからは何かとそうもいかない。日韓対北朝鮮という対立構造にクサビが打たれてしまった」
 北朝鮮への入国が制限されていた民団側の商工関係者に、入国が解除される可能性もある。辺氏はこうも指摘する。
 「人的移動により北朝鮮にお金が落ちるだけではなく、北朝鮮内でビジネスを興すなど、資本投下も加速する可能性もある。北を潤しかねない」
ZAKZAK 2006/05/17

 勘弁してよ〜(T^T)


拉致問題は米の歓心買うため=北朝鮮がまた日本批判
 【ソウル17日時事】北朝鮮の朝鮮中央通信は17日の論評で、日本が対北朝鮮敵視政策を行っている米国の歓心を買うために拉致問題を提起していると批判、この問題は既に解決された問題だと改めて強調した上で、「罪をすすぐこともできない日本が拉致問題でいくら騒いでも、それは売春婦が貞操のご託を並べるのと同じだ」と主張した。韓国の通信社・聯合ニュースが伝えた。 
(時事通信) - 5月17日21時1分更新

 何と下品な物言いでしょうか。
 民団の皆さん、あんたら今後、こんなこと言う連中と全く同列に見られることになるんだけど、本当に和解なんかして良かったの?


横田滋さん「反日でなければ喜ばしい」 民団・総連和解(朝日新聞)
2006年05月17日12時01分
 在日本大韓民国民団と在日本朝鮮人総連合会の和解について、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の横田滋代表(73)は17日、訪問先のソウルで「民団には何度か講演にも行き、拉致問題に理解があるが、総連とは連絡がない。反日ではなく共生の考えでまとまるなら喜ばしいと思う」と語った。

民団総連和解:「時代の流れ」横田滋さん(毎日新聞)
 【ソウル工藤哲】訪韓中の横田滋さん(73)は民団と総連の和解について「時代の流れで、いい方向に動いていると思う」と語った。
 滋さんは「民団とは、拉致に関する話し合いもしたが、総連とはまったく接触したことはない」としたうえで「(総連は)今まで大使館ではないのに大使館のような役割をし、反日教育ばかりしてきたが、状況が平常に戻り、民団と共生という形になれるならいい方向だと思う」と歓迎した。
毎日新聞 2006年5月17日 11時56分(最終更新時間 5月17日 12時29分)

 滋さんって穏和な顔して意外とズバズバ物言ってくれるんですよね(≧∇≦)
 ただ、朝日と毎日、横田滋さんの発言内容が微妙に違ってるのは何故?

 あと、民団が拉致問題に理解があるってのはちょっと信じがたいんですが。総連批判のために拉致問題を利用してきたただけでは?って気が。
 だとすると、和解して総連批判が必要なくなった今、民団が日本の拉致被害者に理解を示す必要もなくなった……ってこと?


横田滋さんらが韓国ハンナラ党党首と面会
 【ソウル=中村将】訪韓中の拉致被害者、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の父、滋さん(73)ら家族会のメンバーらは17日午前、韓国野党ハンナラ党党首の朴槿恵代表と面会した。
 盧武鉉政権は対北融和政策を進めるため、拉致問題に関心が低いとされる。しかし家族会が野党党首と面会し、拉致問題解決のための協力を要請したことで、世論の反応が注目される。
 今回の家族会の訪韓をめぐっては、韓国統一省の高官が「会う必要はない」と発言したが、朴代表は当初から面会の意向を示していた。朴代表は「北朝鮮との交流、協調も大事だが、まず拉致被害者、国軍捕虜、離散家族問題に取り組むべきだ。拉致は国際法上の問題」と発言し、盧武鉉政権を牽制(けんせい)している。
 朴代表は「北朝鮮の拉致は非人道的で全世界が注目している。韓国政府が問題解決に乗り出すことを求める。ハンナラ党は被害者救出に全力を尽くし、協力する」と述べた。これに対し、滋さんは「被害者の1日も早い帰国のために是非ご尽力下さいますようお願いします」と改めて要望した。 
 面会には、めぐみさんの夫、金英男さん=同(16)=の母、崔桂月さん(78)らも同席。崔さんは「早く息子に会いたい。それ以外の望みはない」と涙ながらに訴えた。
(05/17 11:56)

 ハンナラ党はぶっちゃけ、盧武鉉政権批判のために横田さんと会ったわけで。
 野党ですから、会ったからって今すぐ韓国がどうこうとは行きませんしね。まぁハンナラ党が政権を取った時に向けての足固めにはなるでしょうが……。


「韓国の関心高まった」 横田滋さんらが帰国
 北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失跡当時(13)=の父で、拉致被害者家族会代表横田滋さん(73)らが17日夕、3日間の韓国訪問を終えて帰国し、滋さんは羽田空港での記者会見で「韓国の拉致問題への関心は高まった。予想以上の成果を挙げたと思う」と感想を述べた。
 羽田の到着ロビーでは、日本に残った妻早紀江さん(70)が出迎え「テレビで見てましたよ」と滋さんに声を掛け、笑顔で握手した。
 記者会見で、過去2回の訪韓と比べて取材陣の多さに驚いたという滋さんは「この関心が一過性に終わらないようにする必要がある」と話し、同行しためぐみさんの弟哲也さん(37)も「一歩ずつ動いている。この回転が続くかは韓国次第だ」と継続的な取り組みの必要性を強調した。
(共同通信) - 5月17日20時37分更新

 お疲れ様でした<(_ _)>
 確かに訪韓の成果はあったと思います。あとは、韓国世論がどこまで高まり続けるか、ですね。

 昨日(5/16)の横田家と金家の面会を韓国はどの程度伝えたか?と言うと、新聞は大きく伝えたようですが、テレビは小さく扱う程度だったようです(ある局は、ニュースの後半で1分ほど触れる程度だったそう)。

 但し、『ザ・ワイド』によれば、KBS(韓国の公共放送)の今朝のニュースでは、11項目中4番目の扱いで、レポーターのレポートも加えて5分間ほど扱われたそう。
 あと、韓国の制作会社が拉致問題の映画を作るらしい。日韓合同で。10月から撮影、2月公開を目指すそう。

 これも『ザ・ワイド』でやってたんですが、ソウル市民に、韓国政府が横田さんに会わないことについて街頭インタビュー。
 4人中3人が「政府は横田さんに会うべき」という回答。
 そのうち1人は若い男性で、「(もし自分が横田さんなら悔しくて)血の涙を流す」とまで。

 が、1人きっついのがいて、30代後半ぐらいの男性でしたが、「日本の文化は受け入れるが、日本人は嫌いなので無条件に敵対視する」ですって。
 人が拉致されとるんやで!好き嫌いの問題じゃないでしょ!(-.-#)
 だいたい、日本人が嫌いってんなら日本の文化も受け入れるなよ!
 「日本の文化を受け入れる」って言うけど、大半はパクリじゃないの?

 パクリと言えば、先週、宮根誠司の『激テレ★金曜日』(よみうりテレビ)で、韓国パクリドラマ特集をやってたんだけど、まあひどいもんでした。
 例えば「101回目のプロポーズ」なんて、もうもろにパクられてて、武田鉄矢役の男優がトラックの前に飛び出して、トラックが寸前で止まって、ヒロインに向かって絶叫。
 「僕は死にません!!あなたが好きだから!僕は死にません!!」
 ……ちょっとはオリジナリティ出せよ!(-.-#)

 でもこの時のスタジオの反応はGJでした。
 宮根は「轢かれたらよかったのにね」。北野誠は「トラックの運転手にもう少し勇気があれば!」。
 そこまで言ってええん?とこっちが焦ったぐらい(^_^;

 話が大きくずれてしまった。すんません。
 まあとにかく、そのきっついソウル市民のインタビューを聞いて、こういう人は韓国ではたくさんいるんだろうなという気がしました。
 まったく、「日本人というだけで無条件に敵対視」する国や国民と、どうやって友好関係を築けと言うのでしょうか。


【拉致】韓日政府の対応、温度差浮き彫りに(朝鮮日報5/17)
 金英男さんの生死確認すら怠ってきた韓国政府の態度とは非常に対照的だ。拉致被害者の人権問題が米国ワシントンに飛び火した際にもそれは変わらなかった。先月27日に米下院・国際関係委員会の合同聴聞会で拉致問題について証言するため訪米した横田めぐみさんの母、横田早紀江さん(70)にも日本大使館の関係者が同行した。まず駐米公使が空港まで出迎えし、早紀江さんの通訳も準備した。議会公聴会での証言には日本の副大使が付き添い、下院国際外交委員会のヘンリー・ハイド委員長に会見する際にも、副大使が同席した。
 ヘンリー・ハイド委員長との会見の際、早紀江さんの横には金韓美(キム・ハンミ)ちゃん家族ら脱北者も同席したが、韓国大使館関係者の姿はなかった。公聴会では韓国側から1等書記官だけが参加した。早紀江さんが28日にブッシュ大統領と懇談した際には、日本大使が同席した。早紀江さんのホワイトハウス訪問の実現には調整役としての日本大使館の関与が大きかった。

 靖国問題で日本でもすっかり有名になった(?)ハイド氏の名前があったので、つい反応してしまいました(^_^;

※拙ブログ関連エントリー
 5/14付:朝日新聞の露骨さとハイド議員について


5/17付朝日社説:拉致家族 共感の輪を広げたい
 「めぐみちゃん。お父さんです。しばらく会わないうちに白髪が増えました」
 ソウルを訪れた横田滋さん(73)は北朝鮮向けのラジオ局でマイクに向かい、娘の名を呼んで語りかけた。きのうは金英男さんの母の崔桂月さん(78)と初めて会った。
 中1だっためぐみさんが北朝鮮の工作員に拉致されて29年近い。翌年には、韓国の海岸から高校生だった英男さんも北朝鮮に連れて行かれた。
 そんな境遇のふたりが共に暮らしていた可能性が大きい。めぐみさんの娘らのDNA鑑定でわかった。横田さんの訪韓はこの結果を受けたものだ。
 白髪になった横田さん。顔に深いしわが刻まれた崔さん。連れ去られた子をともに思い、いたわり合う。そんな姿を見て、拉致という犯罪の非道さを改めて思わざるをえない。
 韓国では「拉北者」という。戻ってきた人も少なくないが、まだ485人が残っている。英男さんのような典型的な拉致もあれば、北に乗っ取られた大韓航空機の乗員・乗客もいる。多くは出漁中に拿捕(だほ)・抑留された漁民たちだ。
 この問題に対する韓国内の関心は低かった。分断によって生き別れた「離散家族」が南北の人口7千万のうち1千万人にのぼると言われる現実があるからだ。
 韓国民にとってはそれ自体が身近な悲劇であり、拉致の深刻さは相対化されがちなのだ。拉致に焦点を当てる日本に対し、「日本だって、植民地時代に多くの朝鮮人を連れ去ったではないか」という目で見る韓国人も少なくない。
 ただ、めぐみさんと英男さんの件で、取り巻く状況は少しずつ変わってきた。横田さんと崔さんの対面を韓国メディアは大きく報じている。拉北者問題に消極的な政府を責める論調も増えてきた。
 そうした批判を意識してか、韓国政府は先月下旬、北朝鮮との閣僚級会談で問題を取り上げた。
 国際社会も視線は厳しくなった。アナン国連事務総長は訪問先のソウルで拉致を非難した。国連総会は北朝鮮の人権状況を批判する決議を初めて採択している。ブッシュ米大統領はめぐみさんの母、早紀江さんらと面会して北朝鮮への強硬な姿勢を見せたばかりだ。
 しかし、北朝鮮への態度には隔たりも大きい。横田さんたちは制裁で圧力をかけるべきだと言い、韓国政府は融和的に臨んで解決していこうとの立場だ。
 どちらか一方の方法だけで展望が開けるとは思えない。やはり、対話と圧力を組み合わせて解決を迫るのが現実的なアプローチではないか。
 拉致問題だけを動かそうとしても難しい。北朝鮮の核問題や日米との国交正常化などを含めた包括的な戦略が必要だ。
 それには日米韓の連携が欠かせない。そういう大事な時なのに、日本と韓国の政治関係は凍りついている。こんな関係にしてしまった両国の政治家の責任は極めて重い。

 最初の方は普通なんだけど、だんだん妙な雰囲気に……。
 ↓特にこの箇所。
「日本だって、植民地時代に多くの朝鮮人を連れ去ったではないか」という目で見る韓国人も少なくない。

 このように必ず「日本も悪い」という刷り込みをしてくるのよね。

 でも、朝日もさすがに「強制連行」という言葉はもう使わなくなりましたね。
 当時、法にのっとった「徴用」はあったけど、嫌がる朝鮮人を強引に連れ去った「強制連行」なんてなかったことは、日本ではもうすっかり定説になりましたから。

 ただ、「〜という目で見る韓国人も少なくない」などと自分の主張を他人(韓国人)に代弁させ、「俺は言ってないよ、アイツが言ったんだよ」と逃げ道を確保するという手法は健在ですね。
 どうせこういう手法を使うんであれば、韓国人は今でも「強制連行」(あるいは「強制徴用」)って言葉を使ってるんだから、朝日もその言葉を流用すればいいのに、そうしなかったのは何故?

 「対話と圧力を組み合わせて解決を迫るのが現実的なアプローチではないか」って、珍しいこと言ってますね。朝日が「圧力」という言葉を出してくるとは。
 でも朝日の言う「対話と圧力」って、どうせ「対話99%、圧力1%」でしょ(-.-#)

 あと、一番最後の箇所。
 「そういう大事な時なのに、日本と韓国の政治関係は凍りついている」の次には当然、「小泉首相の靖国神社参拝が原因だ」が来ると思ったんだけど、……来てませんね。
 それどころか、「こんな関係にしてしまった両国の政治家の責任は極めて重い」?!どうしちゃったの?朝日的には、悪いのは日本の政治家だけだったはずでは?
 ……とにかく中途半端で気持ち悪い社説やな〜(T^T)


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Comments

>青山さんは主張したかったんだろう、と私は解釈しています。

読んだ印象では 私も同じ理解です。

>……とにかく中途半端で気持ち悪い社説やな〜(T^T)

印籠が出てこない水戸黄門のような、ちょっとしまらない感じでしょうかf(^-^;
hiro | 2006/05/18 12:31 AM
「民団・総連和解」問題に関して:
以下の記事をご参照ください。

『MSN毎日インタラクティブ』:
・『民団・総連:和解へ「日本人も見守って」在日社会は歓迎―冷静な受け止めも』
 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060517ddm041040057000c.html
・『民団・総連和解:「歴史的な日」に感慨/脱北者に戸惑い(その1)』
 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060517dde041040025000c.html
・『民団・総連和解:「歴史的な日」に感慨/脱北者に戸惑い(その2止)』
 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060517dde041040033000c.html
『Literary Homepage HORAGAI』(加藤弘一さんのHP):May17のエントリ
 http://www.horagai.com/index.html

民団は、帰国者・脱北者、韓国墓参団の朝鮮人(総聯系の高齢者)を切り捨てて、自らの在日利権・特権を守り、朝鮮総聯(北朝鮮)を守ろうとしたのでしょう。
この間、北朝鮮籍から韓国籍に国籍変更する在日朝鮮人が累増していましたから。彼らは、別に拉致や総聯の悪行を心底反省して国籍変更したわけではありません。当然、彼らが民団に加盟するということもあったのかも知れません。推測ですが。
本当に当事者の正直な発言がほしいですね。
失礼ですが李仁夏さんが出てきてコメントする事態ではないんです。また、彼らにインタビューしてよしとする日本のマスコミの時代感覚の決定的なずれに絶望します。1970〜80年代じゃないんです。
厳しい言い方ですが、李さんの世代にも発言権はありますが、わざわざ今聞くべき必然性・必要性はないと思います。総聯の「暴虐」を放任してきたんですからね。他の同世代の在日知識人も同様です。(少し言いすぎだとは思いますが)
さぬきうどん | 2006/05/18 02:08 AM
mumurさんとこにまたとんでもない記事が載ってますね

韓国の国会議員が横田めぐみパパに書簡を送りつける 「お前らだって強制連行したことを忘れるな!!」「従軍慰安婦に会ってみろ」
http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/50500162.html

常識がないのは前々から分かってましたが、ちょっと度を過ぎているというか…それにしても北の対南工作はかなり深刻なレベルで奏功しているようですね。国民のサイレントマジョリティレベルではともかく、政権の中枢部とテレビマスコミを見る限りでは完全に北に取り込まれてるどころか共産国家一歩手前という感じです。

101回目のプロポーズといえば…チェ・ジウって確かに綺麗だと思いますが(整形なのかどうかは知りませんが)、第一印象は「浅野温子の若い頃そっくりだな」だったんですが、そのまんまパクリドラマ出てたんですね……
まんちゅりあ | 2006/05/18 07:54 AM
>戦前の『自分の国』という愛国心でなく、

何か引っかかりました。
戦前、利己的に自分の国の利益だけを考えてたのならアジア各国にインフラの充実や教育なんか行わなかったと思うし・・・ってまぁ、そこは問題としてるわけじゃないんでしょうが、些細な言葉にも反応してしまう今日この頃。
P | 2006/05/18 12:36 PM
ちょっとすいません。
その「101回目のプロポーズ」はチェ・ジウが出てるやつですか。もしそうでしたらそれはフジテレビが関わって製作した日中韓合作の正式なリメイクですので、パクリではありません。でもよみうりテレビもそれくらいのことは調べてるでしょうから、オリジナルが流行った当時に韓国で作られたパクリドラマなのでしょうね。
総連と民団の和解は何か気持ち悪いですね。やっぱり「一緒に反日しましょ」になるのでしょうか。でも北朝鮮と同一視されたくないまともな在日韓国人はこれを機に帰化する傾向が出てくるかもですね。それがいいかどうかは微妙ですが。
こちらのブログは断然支持しているのですが、なぜかコメントがなかなか反映されなくて残念です。どうしてなのか、わからないです。このコメントも入るかどうか…
hana | 2006/05/18 07:37 PM
>愛国心

青山さんの話はとても重要だと思います。
愛国心は大雑把に言って二通りの捉え方があるんです。
一つは、中国や韓国(未開社会)のような愛国心。
もう一つは、欧米(近代社会)のような愛国心。

中国・韓国の愛国心は、崇高なる国家共同体との一体化を意味します。
他方、欧米の愛国心は、国民の利益あるいは社会の維持のために国家をコントロールする意欲を意味します。
同じ愛国心でも、似て非なるものです。

中韓のような愛国心では、排外主義あるいは国粋主義に移行してしまいがち。
子々孫々のことを考えた冷静な国益計算なんてできません。
私たちは、欧米のような愛国心を持たなくてはならないと思います。
asatte_no_houkou | 2006/05/19 01:20 AM

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