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日米安保条約適用外になっても北方領土返還を優先!? 青山繁晴「虎ノ門ニュース」

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【一覧】「アンカー」など青山繁晴さんテキスト起こし
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■10/31放送 DHCシアター「真相深入り!虎ノ門ニュース」

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 今日から青山さんは月曜日にお引っ越しです(^▽^)
 ※前回のご出演は10月27日(木)でした。
 他の曜日も出演者の変更があるので、お間違えなきよう。

 番組で取り上げられたニュースは以下の通り。

(1)政府「安保条約適用外検討 返還後の北方領土」
(2)平和条約交渉 期限設定は「有害」露大統領

(3)「核禁止条約」交渉開始へ 国連委決議
(★)トラ撮り!コーナー
  京都と「現代アートに挑戦する青山繁晴展」にまつわるお話。
  (2017年1月12日〜21日:京都・大雅堂)
※ギャラリーの質問コーナー「これが聞きたい!」
  ・金正恩の次のリーダーは?
  ・アベノミクスは順調?停滞?
(4)「万博構想」11月政府提出へ 大阪府
(5)スカボロー礁で中国船退去 フィリピン国防相
(6)習氏を「核心」位置付け 中国
(7)FBIがメール捜査再開 クリントン氏に痛手
(8)韓国大統領が側近8人更迭 国政介入疑惑
(9)新任務付与 来月11日にも南スーダンPKO

 太字強調した項目の発言要旨をご紹介。

※元動画はこちら(10月31日現在)。翌日ぐらいにURLが変更されるようです。変更後は、日が浅い時期であればDHCシアターの再生リストから、日が経っている場合はYouTubeの検索窓に「10/31 虎ノ門 青山繁晴」などキーワードを入力して探してみて下さい。
※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。



 内容紹介ここから____________________________
 
(1)政府「安保条約適用外検討 返還後の北方領土」

※共同通信によると、日本政府が返還後の北方領土に関し、日米安全保障条約の適用対象外とする案を検討していることが分かった。複数の日ロ関係者が29日、明らかにした。米国の軍事動向を警戒するロシアに配慮することで、北方領土交渉を進展させる狙いがある。関係者によると、ロシアはこれまでの政府間交渉で、色丹島と歯舞群島の引き渡しを定めた1956年の日ソ共同宣言の有効性を認めた上で、米軍が安保条約に基づき両島に駐留する可能性に触れ、懸念を伝えた。日本側は領土交渉におけるロシア側の条件と受け止め、残る択捉島と国後島も念頭に、条約の適用対象外とした場合の国内外への影響について研究を続けている。ただ、実際に安保条約の適用対象外を目指す場合、米国が反発する公算が大きく、対米説得が最大の課題になる。

 共同通信の特ダネ。
 事実とするとすごく重大な話。
 簡単に言うと、日本の領土の中に、日米安保条約で守る所と守らない所があると。
 ひと言で言うと、誰が考えても、むちゃらくちゃら。

 たとえば東京は日米安保条約で守る。
 そして北方領土がもし返還されて、島民の方々が戻られてそこに住まれた場合、日米安保条約は適用しない。

 じゃあどうするのか?
 日本国憲法は適用するんですよね?
 そうすると武力の行使も、威嚇も、陸海空軍の保持も、その他の戦力の保持も、国の交戦権も認めないと。
 でもアメリカ軍に守ってもらうのもやめますと。

 じゃあどうするんですか?
 答えは1つしかない。
 ロシア軍に守ってもらうことになるでしょ。
 このニュースの根っこはそこにある。
 非常に重大な事態。

 僕は共同通信にいつも厳しいこと言ってますが、これはよく取材してると思う。
 つまり僕のインテリジェンスから得てる情報で、同じじゃないが、これに近い話があるから。

 前から僕は懸念と言ってきたのは、安倍総理の「新しいアプローチ」。
 安倍さんがそうしようとしてるってことじゃないが、密室の交渉の中で、テーブルに乗っかってるのは事実。

 交渉事だから日本の手の内さらすようなことは、僕は言いません。
 が、共同通信がこうやって出してしまった。
 その裏には、記者クラブの発表に頼らない取材があったのは事実だと思うから、そこは評価します。

 記事にこう書いてある。
 「関係者によると、ロシアはこれまでの政府間交渉で、色丹島と歯舞群島の引き渡しを定めた1956年の日ソ共同宣言の有効性を認めた上で」。
 認めた上で、「米軍が安保条約に基づき両島に駐留する可能性に触れ、懸念を伝えた」と。

 素直に読むと、交渉担当者、関係者と書いてあるけど、外務省と総理官邸以外にあり得ないです。
 防衛省は関係ないです。

 交渉の中身を共同通信に漏らしたってことですよね。
 取材側から言えば、守秘の壁を越えてよくぞ取材した、となるけれども、その一方で、交渉関係者がなぜその手の内を出すのかと。

 実は、北方四島がもし返ってきた時に、日米安保条約をどうするのかというのは、別に今に始まった話じゃなくて、1956年の日ソ共同宣言が結ばれる段階からずっと、水面下では最大の問題になっている。

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 ソ連、ロシアからしたら、北方四島を返すと、日本に領土を戻すだけじゃなくて、要するにこのあたりに米軍が出てくるってことになるわけですよね。

 青森県に三沢基地はあるものの、米軍は北の方には比較的そう出てなかった。
 それが北方領土を返すと、米軍付きで来る。
 日ソ共同宣言の頃はもちろん冷戦の始まりというか、朝鮮戦争の後ですよね。

 そこに非常にナーバスになってて、ずーっと問題になってたやつを、安倍総理が、外務省とも協議をして、そこが一番大きな喉に突き刺さった骨だったから、その骨を抜こうかというのを考えている。

 僕の知る限り、外務省の中より総理官邸の中で強硬な反対意見がある。
 僕と近い人、というわけではないが、話した時に、「青山ちゃん、これだけは絶対許せない」と言う人も官邸の中にいる。

 だからこのニュースというのは、これをやりたいと、日米安保条約の適用除外という無茶をやってでも、北方領土返還を優先させたいという一部の人たちがいる。
 政権の中でもこれ意見違うので。
 そうすると、すぐ閣内不一致と言う人がいるが、そんなわけはない、独裁国家じゃないんだから。
 最後の結論だけは皆で決めるけれども、途中経過はもちろん議論噴出。

 話を戻すと、やりたいという人が共同通信に意図的に漏らしたんです、これは。
 記者の努力もあっただろうが、意図的に漏らした。
 それは陛下のご譲位のお気持ちをある日突然報道したのと似てる面がある。

 もう一度しっかり北方領土問題を皆さんに理解しておいてほしい。
 12月15日に総理がご自分の地元の山口県長門市にわざわざプーチンさんを呼んで、重大な会談開くわけですから。
 あと1カ月半しかない。

 この1カ月半は、これはほんとです、安倍総理が一番、国民の内心の意見を聞きたいんです。
 そういう時期だから、こういうリークもあるわけです。

 陛下のご譲位の気持ちを一番最初に言われたのは6年前。
 6年経って、6年分ご高齢になられたから、もう時期だと思ってリークが行われた。
 だからリークというのは色々なケースがあるが、国民にとってここが考え時だということに行われることが多い。
 だから、「リークか、何だ、けしからん」だけじゃなくて、私たちは報道の自由がある国にいるので、リークは絶対にありますから。

 前回、木曜にも言ったが、いろんな宣言や合意があったが、大事なのは2つだけ。
 1956年の日ソ共同宣言と、1993年の東京宣言。

 日ソ共同宣言は、平和条約を結べたら、歯舞・色丹の二島を返還する。
 歯舞・色丹は北方領土全体の面積の7%しかない。
 重大な欠陥。

 東京宣言は、四島の帰属の問題を解決できたら、平和条約を結ぶ。
 画期的な宣言。
 国後・択捉がちゃんと盛り込まれてる。

 ロシアは東京宣言は認めてなくて、日ソ共同宣言は認めてる。
 すると何のことはない、例の二島返還論だと。
 結局、これかいという話でもある。

 先週申し上げたのは、自民党の部会などで僕が言ったのは、プーチンさんは東京宣言を事実上認めてない。
 日ソ共同宣言も怪しい。
 なぜなら、歯舞・色丹を引き渡したあとの主権は、どっちに属するかは、日ソ共同宣言に書いてないと言っている。
 だから見方によっては、島は日本に引き渡したけれども主権はそのままロシアだと。

 そんなことあるのかと思うでしょ。
 思うだろうけど、さっき言った通り、歯舞・色丹だけ返ってきて、日米安保条約を適用しないんだったら、日本は憲法9条によって合法的に守る手段が、実はほとんどない。

 自衛隊がもちろんすごく頑張ってて、海上保安庁も警察もあって、特に国防という意味では自衛隊が頑張ってるが、実は法的に見ると、相当苦しいのは事実なんですよ。
 だから憲法きちんと改正すべきなんですけれども。

 その法的には守る手段を一切持ってない日本が、アメリカのアシストがないと裸の状態に近くなるから、自衛隊がいざという時ほんとに動けるのか、まだ動いたことがないので分からない状態ですよね。
 じゃあそこをロシア軍に助けてもらうってことになったら、要するに国家というのは国民守るのが仕事で、国民守るのは軍隊ですから。

 だから北方領土にお戻りになった国民を守るのは、何と、ま、自衛隊もあるけれど、アメリカの代わりに、自衛隊とロシアだとなったら、要するに国家主権の根っこのところは、ロシアのままだという話になるわけですよ。

 だから僕は最初に、むちゃらくちゃらって言ったわけですよ。
 国家が国家であることを放棄するのと同じだと。

 日韓合意で、英霊の栄誉と遺族の名誉と、そして僕たちの名誉と未来の日本人の名誉を汚して、日韓合意というのは、自民党の議員になろうが、認めるわけにいかないというのと、これは同じであって。
 国家であることを捨てちゃ駄目なんですよ。

 共同通信だけが書いてる記事だから、そんなにでかい声出して話すことないじゃないかという話あるかもしれないけど、さっき言った通り、意図的なリークなので、テーブルの上に乗っかってるから、国民が黙っていると、こんなことになりかねないんですよ。

 もちろん無茶苦茶困難な問題が横たわってるというのを僕は承知で言ってるんですが、もし僕がロシア人だったら、百歩、千歩、万歩譲って、ソ連、ロシアの若者が命を落としてまで勝ち取った北方領土なのに、米中とかと対抗するのと、日本の先進技術をいただくためには、やむを得ず、北方領土のうち面積7%の歯舞・色丹は返そうかとなったら、でもアメリカ軍がそこまで進出することは絶対に許してはならない、それ許すならそもそも北方領土を返す意味がないだろうと、必ず言う。

 が、それ言ってたら永遠に北方領土交渉は解決しないってことになるから、安倍総理は「新しいアプローチ」、突破口を開くためには、その問題を解決せざるを得ませんねと。

 もうちょっと幅広く言うと、たとえば、まさか日ロ安保条約っていうのを、結ぶわけにはいかない。
 これ結べって言う人がまた国会議員に現れそうで、思わず事前に僕はニコニコしちゃったんですけどね。
 別にバカにして笑ったわけじゃなくて。
 そういう無茶話が出るのが日本の国会で、しかも予算委員会だから。

 (国会で)よく眠くなりませんねと言われますが、正直、とんでもない愚劣な質疑もあるから、思わず目が覚めちゃうわけです。
 ここまで愚かな話するか、前提が違うだろ、みたいな。

 日米安保条約があるんだから、日ロ安保条約があってもいい、なんて言う人、絶対出てきますよ、国会の中に。
 そこまで行かなくても、たとえばもっと幅広く、国連にも登場願って、国際管理状態にするとか、ね、言いそうでしょ?

(居島一平:同意)

 自民党の中はあまりいないけど、ゼロではない。
 野党の人と話してると、こういう話を立派な主張のようにおっしゃる方がいるわけですよ。

(居島一平:PKOの時も出ましたもんね。自衛隊丸ごと国連の管理下にとか)

 出ましたどころじゃなく、重鎮で言ってた人もいましたから。
 今でもそう言ってる人いますよ、あきらめてない人は。

 で、そういう奇妙なことを国土の中に導入すると、拉致被害者を救出できないだけでも国家と言えないけど、日本国はガタガタになって、そして、ご譲位の件も含めて、皇室に課題が浮上していくと、もうほんとに国家の根幹が揺らぐんですよ。

 これはやっぱり百年交渉を覚悟して、国家を解体してでも目の前で解決しようとする…、と言っても、71年間奪われたままですから、島民の方々、もうご健在な方も少なくなってますから、いつも言ってるように「元島民」と言うのやめましょうね、今も島民ですから、緊急避難されてるだけなので、それを考えると百年交渉っていうのは安直に言えないけども、しかし百点の答えはないので、国家の根幹を揺るがす答えに走ってはいけないと思います。
 
 これは僕の意見です。
 それを主権者、有権者がどのように反応されるか、この1カ月半が勝負です。

 常識で言うと、12月15日の長門市の会談でそんなに進むわけがないと。
 進むわけがないと言うのも分かるけれども、実はこういう、日米安保条約を適用しないようにしましょうっていう、一番根っこに関わる重要なことだけは、安倍さんとプーチンさんの、通訳だけの会談で合意する可能性はあるんです。
 あります。
 国民が「ま、しょうがないんじゃないの」ってことになったら。

 国会で、ひょっとしたら僕は来月、何らかの形で質問に立つかもしれない。
 委員会とかまだ一切申せませんけど。
 そういうのも全部問題提起ですから。
 有権者、日本の主人公である皆さんに対する。
 ここはほんとに考えどころですよ。

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(2)平和条約交渉 期限設定は「有害」露大統領

※共同通信によると、ロシアのプーチン大統領は27日、北方領土問題解決を念頭に置いた日本との平和条約締結について、「交渉の期限を設定することは有害だ」と述べた。ロシア南部ソチでの内外有識者との会合「ワルダイ会議」で日本の有識者の質問に答えた。プーチン大統領は、ロシアは中国との領土問題を40年かけて解決し、両国は高い水準の信頼関係にあると強調。一方で日本との関係については、まだ領土問題を解決できるレベルに達していないと指摘しました。今回の発言で、プーチン大統領と安倍総理との会談の際に、期限を区切った平和条約の締結で両首脳が合意する可能性は、事実上なくなったと言えそうだ。

 これももちろん共同通信の記事なんだけど、肝心なことが抜けてるいつものパターン。
 これ本記っていう記事ですよね。
 事実1本で書いてある。

 でも最後に解説めいたものが書かれてある。
 どんな交渉でも、期限を切ったのと、いつまでもズルズルやってるのと大きな違いがあるから、その話みたいに解説してあるじゃないですか。
 これ違いますよ。
 もともと期限付き交渉になんてなったことないんですから。

 日本の有識者の質問に答えたものって書いてあるけど、日本側から、ちょっと言葉はきついけど、のん気印のワンパターン質問なんですよ。
 期限はいつまでですか、期限を切ってやるんですかというのを必ず聞く人がいる。
 それが一番本質的な質問だと思ってるわけです。
 それはほんとは僕は違うと思いますけど、その質問に答えて言ってるだけであって。

 ま、それをしたたかなプーチンさん、日本の外交当局者たちがどう言ってるかというと、「ずるシャモ」と。
 単なるしたたかどころじゃない、すごい戦闘能力を持つと同時に、狡猾、ずるいとしか言いようがない交渉術を持ってるのがプーチンさん。

 そのプーチンさんは、いわばそのありきたりな質問をパッととらえて、重大なことを言ってる。
 期限を設けられないって言ってるんじゃない、そんなの当たり前なんですよ、だって設けるって言ったことないんだから。
 そうじゃなくて、領土交渉については期限設定不可能だけど、自分は長門に行くってことは、何を言ってるかというと、これは経済協力先取りって意味。

 いただく物は先にいただいて、いただいたからと言って、じゃあ1年以内に領土交渉決着させますよなんてことは、絶対言わねえよってこと言ってるわけです。
 だから「ずるシャモ」だけど、こうやってぽろっと本音も出るわけですよ。

 だからみんなの懸念は当たってるんです。
 プーチンさんの頭の中は、資源安で弱ってるロシア経済、いま弱ってるだけじゃなくて、全自動運転、ロシアは何とかそれに乗りたいと。
 それを先にやってしまって、領土というのは常にそのための、後押ししてくれる良い話。
 領土、領土と言っておけば、経済協力が先に来ると。

 さっきは平和条約と島の話をしましたけど、ほんとは平和条約締結の前に、日本人が血と汗と涙で築き上げてきた技術力を、ただで差し上げるというね。
 ほんとはお金付きなんだけど、お金と言ったって、いまロシアに無償資金援助なんてまさか、少なくとも大規模にはできないから、民間企業に投資してほしい。

 土曜日に民間企業の投資について電話があったんですけど、なぜ民間企業が投資してくれないんだってことを、ベテランの政治家がいきなり電話してこられた。
 民間企業の立場からしたら、正直危なくて投資できない上に、交渉で日本がむしろ不利な条件を呑むんじゃないかってことを、企業はみんな心配してる。

 というのは、その政治家からの電話にもお答えしたんですけど、ロシア経済、そう悪くないんですよ、今。
 明らかに底を打った。
 原油が今、1バレル50ドルぐらいで一時期よりはマシになってることもあるけれども、エリツィンの時の、ロシア経済が破綻に瀕してるような状況とは全然違う。

 ある意味、そこが「ずるシャモ」で、プーチンさんはロシア経済が悪い振りをしてる。
 発展途上国なら別だが、普通、一国のリーダーが自分の国の経済を悪いって言わない。
 どうも悪い振りをしてて、ロシア経済悪いから日本がチャンスだってのめり込むじゃないですか。

 特にエリツィン大統領と橋本龍太郎総理の時代に、(川奈首脳会談で)エリツィンさんは非公式に四島返すって言ったことがある。
 その時に、こないだ亡くなりましたが丹波實さんっていうスーツが似合うスレンダーな外交官がいて、僕とは考え色々違ったけれども、穏やかな紳士に見えたその人が、亡くなる前にNHKのテレビカメラの前で、「あの時、エリツィンさんにしがみついて止めさせた人を、ぶっ殺してやろうと思った」と。
 日本の外交官にもああいう国士がいらっしゃるんだなと。

 エリツィン大統領が橋本龍太郎という人に、じゃあ四島返しますと言った瞬間があるぐらい、経済が悪かった。
 で、その川奈の記憶っていうのは、安倍総理も、野党時代からむちゃくちゃ勉強されたので、日ソ・日ロの交渉史というのは本当によく頭に入ってる。

 予算委員会で、僕それをけっこう感心して聞いてるんですよ。
 日ソ・日ロ問題の専門の学者並み。
 あのややこしい経緯がよく頭に入ってる。

 だから安倍さんとしてはよけいに川奈の時に、つまりロシア経済悪かった時に四島が返ってきそうだったと。
 丹波さんは、「北方四島が日本に一番近づいた時期でございました」と言われてて、それが非常に言い得て妙な表現。

 プーチンさんとしては、ロシア経済が悪い悪いと言ってたら、川奈のもうちょっとで成功しそうだった記憶が日本はあるから引っかかる、それをロシアがずっと待ってるというニュース。

 これ期限云々の話じゃなくて、解説後ろにちょこっと付けるんだったら、経済協力というプーチン大統領の本音が出ましたと書けば、みんなが、ああそういう意味なのかと分かるわけです。

 したがって、日ロの交渉というのは12月15日に向けて、安倍政権の命運を左右するだけじゃなくて、日本が国家たり得るのかというところまで含めての、大問題になってて。

 そしてアメリカから見たら、実はアメリカの軍の人から僕に電話があって、ちょっと別件もあったんですけど、彼が言ってたのは、ちょっとずるいんじゃないかと。
 何ですかと聞いたら、だって11月初旬に大統領選挙、就任は1月だから、いわゆるレームダックの時期。
 そこで日米安保条約を、一部欠けた条約にするというようにするんだったら、そんなずるい話があるのかと。
 そう言われて一瞬、僕は曲がりなりにも国士ですけど、思わず、その通りだと言ってしまった。

 あまり世論誘導するのは良くないから、これ以上言いませんけど、重大な局面に来てるというニュースで、新聞・テレビの扱い、ま、共同通信の特ダネということもあって、騒ぎになってないけど、これは大騒ぎになってもおかしくないニュース。

(居島一平:中国との領土問題は40年かけて解決したという言い方も何か引っかかりますよね)

 そうです。
 要はそこで中露関係と日ロ関係は違うよと言ってるのは、日本が差し出すとしたら経済協力しかないんだから、そんなもんまだ全然足りないよってことを言ってるわけですよ。




 ____________________________内容紹介ここまで


 共同通信が伝えた今回のニュース、確かにあまり騒ぎにはなってないようですね。
 実は私も、この番組で聞くまで全く知りませんでした。

 それはともかく…
 「国会で、ひょっとしたら僕は来月、何らかの形で質問に立つかもしれない」とな!
 「かもしれない」とのことで、実際どうなるかは分かりませんが、楽しみに待ちたいと思います。

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 青山繁晴さんが月曜に変わったのは、生放送を実現するためです。
 が、来週11月7日(月)は例外で、録画放送だそうです。
 外せない予定が、ずっと前から決まっていたらしくて。
 収録予定日時は、11月4日(金)12:45〜です。

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★青山繁晴さんの著書
 購入すると少しでも今後の活動費の助けになるかも?
(青山さんは個人の寄付も一切受け取らないそうです)

★『アメリカ・ザ・ゲンバ - America at the Scenes -』
 新書で11月9日発売。
 2003年の『世界政府アメリカの「嘘」と「正義」』に加筆。
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※参考リンク
ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
 青山さんに直接コメントを送れます。
こころが風邪をひいたら
 拙ブログで紹介しきれなかった『アンカー』青山さんの発言を起こして下さっています。
青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
 動画の紹介など情報が大変充実しています。

※拙ブログ関連エントリー
【一覧】「アンカー」など青山繁晴さんテキスト起こし




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