「アンカー」野田首相が研究中の通年国会戦略…したたかな3つの狙い
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※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■2/15放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
混迷する野田政権の国会運営〜解散総選挙はいつ行われるのか?青山ズバリ
野田政権は行き詰まる、今年はもう解散総選挙は避けられない、というのがこれまでの一般的な見方ですが、したたかな野田さんにはそれを先延ばしにする秘策があるようです!?
なお、山本浩之キャスターは今週から4週間、被災地の取材に行かれています。そのためスタジオのメインキャスターは岡安譲さんが務めています。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。
※また画像を利用される方は、直リンクでなく必ずお持ち帰り下さい。当方のサーバーへの負荷軽減のためご協力のほど宜しくお願いいたします。「直リンク」の意味が分からない方はこちらをご覧下さい。
内容紹介ここから____________________________
※空転を続けていた衆院予算委審議再開、野田首相が高校の授業料無償化の検証をめぐる民主党の対応を陳謝も審議は紛糾…のニュース報道のあと
岡安譲
「このあとの青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーも、この政治に関係したお話と、いうことなんですが青山さん」
青山繁晴
「まあ今の、今のニュースの国会審議の話はね、あれ国会審議の名に値しないでしょ(一同同意)。で、高校の授業料をただにするのかどうかってのは重大な問題で。で、皆さんご承知の通り、そこに北朝鮮の影響下にある学校まで、含めるのかどうかも含めて、すごく重大な問題なのに、その本質論が議論されないで、まああんな余計な話ばっかりしてるわけですよね」
岡安譲
「茶番ですよね、あれは」
青山繁晴
「ええ。まあ岡田さんも、自分がサインしておきながら、やったかどうか知りませんっていうことを平気で言える国会の審議って一体何なんでしょうね。で、そうやって、その国会のニュースが流れるから、こうみんなはもう何かこう政治なんて関心持ってしょうがないのかなと思ってしまいがちなんですけど、一方で、まあここ地元から端を発したその橋下新党の動き、が、大きな話題を呼んでることは事実だと思うんですよね。で、しかしその橋下新党にしてもですね、その、大阪をどうするかって話から一気に国政の話に行ってしまって」
岡安譲
「そうですね、現実味を帯びてきましたね」
青山繁晴
「ええ。それで、その国会議員を送りたいっていう話を、今わーっとこうなってるわけですけど、それ、これも、要するに今年、衆議院解散総選挙がありそうだからその話になってるわけですよね。で、新党の話をわーわーしてるようでいて、本当は焦点はどこに移ってるかというと、野田総理、野田さんのこの手に焦点移ってるんですよ。つまり、この、国会議員が何百人いようともですね、国民が1億3000万人いようとも、衆議院を解散する権限ってのは、野田さんのこの10本の指だけなんですよね」
岡安譲
「解散権を持ってるのは総理大臣」
青山繁晴
「野田さんだけなんですよ。で、従って野田さんがどうするのかっていうのが、本当は、隠れた焦点というか本物の焦点になってるんですが、だから実はその、野田さんの一番側近の人に、昨日の朝、すごく早い朝から長時間会って、議論をいたしました。聞いたっていうよりは、まあ、議論をぶつけました。そうすると、僕にとってもびっくりすることがあったんですが、今日のキーワードはこれです(フリップ出す)」
岡安譲
「『野田総理にまさかの企みあり!』」
青山繁晴
「うーん。これはもう、企みと言わざるを得ない。いやー、僕、政治記者長かったわけですけれども、元政治記者としても、えっ!そんなことあるのっていうね、そんなこと考えてるのってびっくりする話で、しかも僕は真っ向反対です。反対ですが、これ野田さんが本当に決意してやるんであれば、重大な政治の変化になります。そのことを、えー、今日も具体的に皆さんと一緒に考えたいと思います」
岡安譲
「はい。もう早く伺いましょう(青山笑)。お知らせを挟んで青山さんの解説です」
(いったんCM)
岡安譲
「まぁあの、世論調査の支持率も下がってきて、野田内閣はすでに行き詰まった感もあるんですが、ただしかし、青山さんに言わせると、まさかの秘策があるというんですね。一体どういうことなんでしょうか。それでは青山さん、よろしくお願いします」
青山繁晴
「はい。今、岡安さんが…ていうか、急にあの、メインになったから『さん』付けで言うこともないですね(笑)、岡安ちゃんが…」
岡安譲
「いいですよ、岡安ちゃんで(笑)。よろしくお願いします」
青山繁晴
「岡安ちゃんが言った通り、まあ行き詰まったんじゃないかという雰囲気ですよね、野田政権、早くも。というのは、まあ野田さん、この『アンカー』で何度も言いました通り、今は消費増税しか関心がない総理になってしまってるけれども、その消費増税について野党との話し合い、協議が全然進まない。で、そのままだと、参議院では、野党が多いんですから、その消費増税法案、仮に国会に出しても、まだ出てませんが、出しても通るはずがない。で、その中でどんどんどんどん、支持率だけ下がっていくという状況だから、まあ行き詰まったように一見は見えるわけですよね。で、行き詰まってるから、やっぱり最後はもう今年中に解散総選挙、衆議院の任期は、衆議院議員の任期は来年まであるけれども、今年中に選挙になっちゃうんじゃないかということになってるわけですよ(一同同意)。それを改めて、まあ、あの、最初にちょっと有権者の意識を数字で見てみると、こうなりますね」
村西利恵
「週末に産経新聞とFNNが合同で行った世論調査によると、野田内閣の支持率は26.4%と、およそ1カ月前から9.6ポイントも大幅に下落しました。一方で、橋下大阪市長の国政進出に期待すると、いう声がとても高くて64.5%」
青山繁晴
「はい。で、まあ僕は実はこの世論調査で、あんまり政治が左右されるっていうのは、賛成できないっていうよりは反対です。というのは、僕、共同通信にいた時の経験からしても、世論調査っていうのは、フェアにやろうとする努力はありますけれども、しかし質問に仕方ひとつで変わってしまう、答えが」
岡安譲
「ええ(同意)」
青山繁晴
「で、はっきり言うとアンフェアな質問で行われる世論調査も、メディアによって存在します。で、だから、その、左右されてはいけないと思うけども、まあ内閣支持率でいうとですよ、野田内閣を支持しますか支持しませんかっていう、いわば単純な問いが基本だし」
村西利恵
「分かりやすいですね」
青山繁晴
「それから世論調査の中で一番やっぱり古くからやってるものだから、ま、ある程度の参考になると思うんですよね。で、そうすると、この数字ってのはやっぱりすごく低いですよね」
岡安譲
「うーん、野田さん右往左往したくないって言ってましたけど、でも低いですよね」
青山繁晴
「ええ。これは、やっぱり右往左往することではないけれども、その、総理として参考にすべき数字の低さだと思いますね。で、一方で、こちらの橋下徹さん、大阪市長の橋下さんが、今度総選挙あったら大量に、国政に立候補者を立てるんだと、維新の会から立候補者を立てると、おっしゃってることについて、えー、6割5分近い方がこれを期待してるということなんですが、これは僕は、案外高くないと思いますよ」
一同
「ああー、そうですか…(驚き)」
青山繁晴
「低いとは言えないけれど。つまりさっきのあの国会審議を見ていただいたり、それからその前の、例えば原子力安全委員会の委員長とか、そういう人たちを見ても、とにかくその、政官合わせて、もう政治に絶望感やっぱり、それ、あったりまえですよ、日本国民が、賢けりゃ賢いほど絶望感○○るから、この橋下さんのような派手な動きが出たらですよ、いやもう国政さっさとやってくれと、なるのが普通で、これ80%を超えてるのがむしろ普通じゃないでしょうか。ところが、いや、ちょっと待て、やっぱり大阪を変えるって言って出たのに、いきなり国政かいと、いうことも含めて、あの、6割5分っていうのは僕は非常に冷静な数字だと思うんですよね。で、こういう状況を踏まえて、じゃあその解散総選挙について、野田さんは今現在どうしようとしてるのかというのを、さっき申した通り、昨日の朝、長時間、側近と話をいたしました。それを、皆さんにありのままに見ていただくんですが、まずこうです」
村西利恵
「野田総理の側近によると、2014年4月に8%、2015年10月には10%という消費税増税に向けて、『野田総理は、2月解散も考えていたが、断念した』」
青山繁晴
「はい。これあの、『アンカー』でやりましたよね、このコーナーでね。つまり、常識的に言うと、前から内閣支持率は、高くはなかった。そして消費増税に対して、国民の中に一定の理解はある。いずれはそうだけど、このデフレ下でやっていいのか。2014年や15年に、デフレがほんとに終わってるのかと。それを考えると、なかなか解散は普通はできないってことなんですが、逆手で、つまり維新の会を含めた、その新党が、まだ全然準備できてません。今月、今月ですねつまりね、今月衆議院解散されて、維新の会は維新塾も、その、まだ、たくさん来たよねって言ってる段階だから、準備できない。それから自由民主党も、実は全国で候補者がしっかりもう全部、決まったわけでもない。で、それを考えると逆手でですね、その、いきなり、その、抜き打ち解散をやるっていうことを本当に考えていたわけです」
一同
「うーん」
青山繁晴
「で、この側近の人っていうのは僕は、えー、なぜ評価してるかというと、ま、常にフェアなんですよね。で、こう、私を使って、その、上手く転がしてやろうとか、状況を上手く利用しようとかいうところがほとんどなくて、これあの、野田さんの側近とこう書かざるを得ないけれど、その、現職の総理から、意見を聞かれたら、自分の意見をまともに言うという意味で側近なんですよね」
岡安譲
「なるほど」
青山繁晴
「つまり、あの、権力に近付きたいからやってる人ではない。で、その意味の彼が、2月解散を考えていたと証言したのは重大なんですが、断念したと。で、この時は僕は、まさかと思ったわけじゃないですよ?ああやっぱり、そうなんだろうなぁと実は思ったんですよ。この、『アンカー』で言った通り確かに検討してた、これ確認できたけれども、結局できなかったのは、まあ、当然だろうな、なぜかというとこうだからです」
村西利恵
「政界全体の空気は、6月頃には解散総選挙へ」
青山繁晴
「はい。えー、これってあの、今の国会は、法の定めによって6月21日までなんですけれども、その、国会が終わろうとするあたりには、与野党の間で、まあ、話し合いが成立する、今、消費増税を、めぐって、話し合いは全然進んでないけれども、まだ2月ですからね、6月頃にはその話がまとまって、まあ消費増税やむを得ない、そのかわり解散には応じると、いうことも含めて、結局会期末頃だろうだと。で、自民党の準備も、それだからまだ候補者が全員揃ってなかったりするし、それから橋下徹さん、政治的なカンのすごくいい橋下さんも、大体これを念頭に置いてるから、今、塾を立ち上げて、今あの、たくさん受け入れて、その中からこう選んでいって、勝てそうな候補にしていくってその時間があるよねと、みんなそう思ってるから、2月は、その、とてもできない。支持率がすごい高い小泉さんの全盛期のような総理だったら別だけど、あんな低い支持率で、みんながこう思ってんのに強硬はできないと、いう意味だから、ここまではいわば、その、当たり前の話なんですよね。ところが、僕が、で、だから、これは分かりましたと。で、どうするんですかと言った時に、もう、さらっと、彼はもともと淡白な人ですけど、さらっと言われて僕は、えっ!というふうに、思わずほんとにこういう声出たんですよ。えっ!と声が出たのは、これです」
村西利恵
「総理側近によると、『野田総理は、今国会をおよそ7カ月も延長し』(岡安「えっ!」)『事実上の通常国会にすることを研究中だ』」
青山繁晴
「はい。今、岡安ちゃんが、えっ!っていう…(笑)」
岡安譲
「7カ月延長ですか!?」
青山繁晴
「ええ。素晴らしい反応してくれたんですが。僕の、あの、した反応とほとんど同じですよね(笑)」
岡安譲
「ははは(笑)。いや、みんなたぶんそう思われると思うんですよ」
青山繁晴
「うん。それ、これは、要するに早ければ2月にも解散しようとか、2月に解散できなくても4カ月後の会期末には解散するべーって話になってるのが、いやいや、7カ月延長するってことを今、研究中なんだよと、彼はさらっと言ったから、えっ!?7カ月?…ね。今から7カ月じゃないですよ。この今国会が6月21日に会期が終わる、法の定めによって一回だけ会期延長できますが、それ7カ月やるってことは国会が閉じないってことじゃないですかと聞いたら(一同ざわ)、あ、そうだよと言ったんです。それどういうことかというと、これです」
村西利恵
「時系列にしてみると、こうなります」
青山繁晴
「はい。これですね、これ今年の会期末。だから今、僕たちはまだ…」
村西利恵
「そうですね、こっちの端…」
青山繁晴
「この辺(プロジェクターはみ出して左側)にいるわけです。で、今年振り返っていただくと、1月24日にこの国会始まりましたよね。これ通常国会って言って、必ず開かなきゃいけないんですよね。で、それ今2月ぐらいで、それが6月21日に会期末来るんですが、さっき申しました通り、一回限り、会期延長できます。一回しかできないんだけどその一回を最大限に活かして、7カ月延長しちゃうと。するとどこまで行くかというと、来年の1月下旬、2013年の1月下旬まで行っちゃって、今言いました通り、その、1月下旬には今年と同じように通常国会開かなきゃいけないんですよね、で、衆議院の事務当局によると、その、1日だけ、挟んでくれたらいいんですと。ね」
一同
「へえー、はあー(驚き)」
青山繁晴
「1日だけ挟んでくれたら…」
村西利恵
「閉じていれば、もう次の日には始めていいと…」
青山繁晴
「そう。だから、実際は通年国会ですね、これ事実上」
村西利恵
「そういうことですね」
青山繁晴
「だけども1日だけ挟んでくれたら、その、実質上の通年国会はできますということなんですよね。で、それをやるとどうなるかというと、やっぱり6月の下旬に会期末、これ来年のですよ、会期末来ますよね。そうすると皆さんこっち(2013年8月29日)見ていただくと、思い出して下さい、2009年の8月30日に総選挙やった。衆議院議員ていうのは任期4年ですから。来年の8月29日に任期満了来ますね。すると、ここまで、もう一回会期延長する。これ一回会期延長できますからね。それやると、要は、今続いてる国会は、その任期満了まで、解散せずに、ずるずるずるずるずるっとずーっと続いていくことになって、しかもここまで続いても、消費増税は実際にやるのは2014年4月だから、まあ間に合うっていえば、間に合うわけですよね」
一同
「はあー…」
青山繁晴
「で、これをやるにはですよ、しかし、国会が同意しなきゃいけないんですよね(一同同意)。野田さんこれ勝手に考えてても。解散は国会の同意いりませんよ。総理が解散と言ったら誰も反対できない。もう全員クビ、って、衆議院議員は全員クビになるんですけど。でも、延長については、衆議院だけじゃなくて、参議院も同意しなきゃいけないんですよ。つまり衆参両方が一致して、議決しないと、この延長幅っていうのは決められないんですよね」
村西利恵
「じゃあねじれてるから駄目じゃないですか」
岡安譲
「そう、野党がねぇ。黙ってないでしょ」
青山繁晴
「ええ。そうすると、まず、ねじれてるからっておっしゃった通りで、えー、参議院では野党の方が多いんだから、少なくとも公明党の賛成などを取り付けないとできないことになるんですよ。ところがですね、これ、ま、カラクリと言うべきなのか、えー、抜け技があってですね、そうやって、その、衆参で、まず話し合って、一緒にやれないよね、意見一致しないよねとなったら、何があるかというと、実は法の定めによって、これがあるんです(フリップ出す)」
村西利恵
「『衆議院の優越』。あ、会期延長にもこれが…」
青山繁晴
「これあるんです」
村西利恵
「あるんですか」
青山繁晴
「で、普段は、これあんまり語られないわけですよね。あの、つまり衆議院の優越っていうのは予算案本体と、条約だけだよねと言ってますが、実はもう一個あるんですよ。しかしもう一個あるけど、僕は元政治記者だった時に、この会期延長の衆議院の優越ってことを取材したこと一回もないんですよ。というのは、そんなの使うはずがない。というのは、こういう通年国会やりましょうなんて話はですね、今までやったことがないんですよ。理論上は可能でも、実は、あの、理論上は可能っていう話は何度か政治記者の時に聞きましたが、実際にやったことがない」
岡安譲
「これ青山さん、ごめんなさい、延長幅には別に制限はないんですか?何カ月までと…」
青山繁晴
「ええ、制限ありません、はい。回数だけです。で、制限ないと言っても、この、通常国会を一回開かなきゃいけないから、その、いわば自然な、その、幅はあるわけです。例えば100年というわけにはいかないですよね。次の国会が逆に始まっちゃうから。でも、このカラクリを使うことを研究、その、ほんとにやろうとしてるのは史上初めてだと思いますが、ま、念のためですね、あの、昭和22年23年にかけて、つまり日本が戦争に負けたあと、初めて、敗戦後の国会を開いた時には長い国会ありましたが、それを別にすると全く初めてのことなんですよね。で、この、初めてのことをやるにあたって、実は、えー、もちろん狙いがあるわけですよね。で、その狙いをこの側近から聞いてるうちに、僕も、いやー、ま、どうせあなたの入れ知恵なんだろうけど、これ、これはね、その側近だけじゃないんですよ。例えばですよ、すみません、この一瞬だけ推測です。基本的に報道番組だし僕は普段から推測申しませんが、でも例えばこのアドバイスできる、誰かなあと考えたら、これは本人に確認できてませんが、例えば中曽根康弘さん」
岡安譲
「ほう、元総理」
青山繁晴
「これはですね、僕は中曽根さんの総理番やってた時に、中曽根さんはこの通年国会っていう手を、使いたいなあって何度もあったんですよ。それは取材してます」
一同
「へえー」
青山繁晴
「で、中曽根さんは今、必ずしも自民党の立場に立ってなくて、つまり政治が変わるべきだってことをね、ま、人生最後の務めとしておっしゃってるでしょ。だからこの側近だけじゃなくて例えば中曽根さんの存在があるのかもしれません。この点だけは推測ですが。しかしもう一度申しますが、その狙いを、聞くと、ははぁーって話なんですが、まずこれです」
村西利恵
「事実上通常国会にしてしまおうというこの戦略の狙いは3つ。1つめは、新党ブームを塩漬けにする」
青山繁晴
「これもう一目瞭然でしょう。ね。まず橋下徹さんね、要するに6月までに選挙あると思ってるから、みんなから拙速だとか、お前、大阪市長になったばっかりで何で国政の話するんだよと言われながら、とにかく、その、国会で大阪都構想を認める法改正をしてくれないと、それも駄目になっちゃうからってことで、はっきり言うと、焦ってやってるわけじゃないですか。だから、わーっと気分は高揚してるけど、国民は冷静だから、それは話が早すぎると思ってるわけですよ。それがですよ、いや、その解散総選挙がずーっとないんだって、こうやってずるっとこうなっちゃうわけでしょ(一同同意)。ずるっとこうなるだけで済まなくて、実は橋下さんには最近批判もだんだん強まっているから、まあ野田総理の目論見としてはですよ、ね、この人ほんとに僕はしたたかな、もっとはっきり言うとずるい人だと、さすが自分を当初どじょうだと言ってた、何か最近はどじょう食べたくないから、官邸にどじょうばっかり贈られるから、私は違うもんだと言ってるらしいですけれども(一同笑)、しかしね、やっぱりね、これあの、どじょうがずるいとは僕全然思わないけど、泥の中に入ってごちゃごちゃやるっていうのが好きな人なんだなとよく分かるんですが、見かけと違ってですよ。橋下さんとしては、だんだんだんだん、その、時間が経つうちに、化けの皮が剥がれるんじゃないかと野田さんは思ってるわけですよ。そして、石原さんどうかというと、石原さんについては、これなんです。はい、出して下さい」
村西利恵
「情報当局者たちによりますと、『石原新党はできません。石原さんと平沼さんが全く動いていない』(一同ざわ)」
青山繁晴
「これも、ま、きつい話ですが、この情報当局っていうのは、まあ、日本には内政を調べてる情報当局、その、政府機関ですが、しかし時の内閣も含めて調べてる情報当局、いくつもあるわけです。それ世界各国そうですが。これ、『ら』と書いたのは、あの、複数の情報当局って意味です。情報当局以外の人からは聞いてません。で、全員ができないよと。できませんと言われて僕はけっこうびっくりしたんですが、石原さんも平沼さん、僕、平沼さんは救国一致内閣できるんだったら、その、総理の資格ある方じゃないかとこの『アンカー』で申しましたけどね。まず石原さん動いてないのはもうみんなが思ってる通りですよ。それはっきり言って石原さんは口だけで自分が動くことは本来しないんですよ。しかし、平沼さんが動かないのは理由があってですね、その、動いてんのが亀井さんだからですよね。亀井さんと平沼さん実は考え方かなり違う。で、亀井さんとその、橋下徹さんはもっと違う。亀井さんは郵政民営化の問題も含めて要は前の方が良かったじゃないかってことおっしゃってるわけでしょ」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「橋下さんはとにかく根こそぎ全部変えちまうと言ってるんだから、結局、橋下新党との連携はできないから、この、動いてないことも合わせて考えると、ま、亀井さんを切り捨てれば話は変わるかもしれないけど、現状ではできないよってことなんですよね。つまり、全部合わせると実は通年国会ってのは新党潰しでもあるってことですね」
岡安譲
「なるほどー」
青山繁晴
「じゃあ2つめはどうかっていうと、はい」
村西利恵
「狙い、2つめ。それは、小沢元代表を取り込む」
青山繁晴
「これも重大ですよね。野田政権が行き詰まってる雰囲気になってるのは1つは野田さんが、消費増税…いや、ごめんなさい、野田さんがじゃありません、小沢さんが、消費増税絶対反対で、いざとなったら、その野田総理に解散なんかやらせないと言ってるから、困ってる話になってるでしょ。ところがですよ、解散総選挙やらなかったら、小沢さんそれでOKなんですよ。何でかというと、小沢さん、力、最近、パワーが弱くなってきましたね。それは、政治とカネ問題で裁判になってるだけじゃありません。そうじゃなくて、もっと根幹は、次の総選挙があったら、必ず、2009年に大量当選した、小沢ガールズと小沢チルドレンが、たくさん落ちて、要するに小沢派っていうものがもう数がなくなっちゃうと。数なくなったら、小沢さんじゃないんですよ。そうすると、実は解散さえやってくれなかったらこの2人は手を組める。小沢さん消費増税反対と言ってますが、細川政権の時に、ね、国民福祉税の名のもと、いきなり消費増税やろうとして細川政権潰したのは小沢さんですよ。だから消費増税そのものじゃなくて、俺の、子飼いの議員を落選させるなっていうことだけですから、それが一致したら実は手を組めるわけです」
一同
「はあー、へぇー…」
青山繁晴
「この1番2番とも非常にしたたかなんですが、いやいや、その、3番め、3つめのその狙いというのは、もっとしたたかです。それは後半お話ししますが、キーワードはこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『ずるずるやられると私たちは…』。この通年国会戦略、3つめの狙いとは一体何なんでしょうか。CMのあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
岡安譲
「野田さんのしたたかな狙い。3つめは何なんでしょうか、青山さん」
青山繁晴
「はい。もういきなり行きましょう。それはこれです。出して下さい」
村西利恵
「3つめ。国民を取り込む」
青山繁晴
「何と、取り込まれちゃうかもしれないのが、私たち有権者・国民だと。というのはですね、今までは、橋下徹さんとか石原慎太郎さんとか、あるいは小沢一郎さんって要するにこういう政治・政局の話したらもうおなじみのメンバーで、ま、橋下さんはやや新しいプレイヤーだけど、でもそういう人でぐるぐる回してる、コップというか洗面器の中の嵐みたいな、その話だったでしょ。ところが、この野田さんの狙いは、そういう今までのパターンだけじゃなくて、私たち有権者を、全部取り込んじゃおうっていうのが、本当の狙いなんですよ。で、それはどうしてかというと、今日は世論調査少し触れてますが、もうひとつの見て下さい」
村西利恵
「先ほどと同じ週末に行った世論調査で、野党は消費税に関する与野党協議に応じるべきだという声が、81.4%ありました」
青山繁晴
「ええ。これは与野党協議の、あの、本当の意味とはちょっと違うんですけど、要するに国民としては、何ともう立場の違い超えて8割以上の人がですよ、その、ちゃんと、消費増税って重大なことだから話し合いやってくれって言ってるわけですよ」
村西利恵
「建設的に、そうでしたね」
青山繁晴
「その解散総選挙で当然民意問うてほしいって気持ちみんなにあるけど、その前にやっぱりちゃんと話してくれって言ってるわけですよ。そうすると、その、ずるずる国会だけど、その、長い国会で、消費増税を揉んで揉んで話すっていうのは、実はある程度の支持が得られるんじゃないかと野田さんは計算してて、だから、狙いを、えー、含めて、もう一回出してもらうとこうです。はい」
村西利恵
「野田総理が利用しようとしているもの3つが、こちらです。国民の冷静な意識。それから野党の『解散総選挙を』という要求。それから、欧州危機の深まり」
青山繁晴
「はい。で、これは、まあ、あの、狙いっていうことを、別な、その目で見たらってことですが、野田さんが利用しようとしてるものがありますよと。それは、国民の冷静な意識。つまり、揉めてるだけが国会じゃないでしょうと。消費増税、どっかで必要なんだろうから、きちんと話してくれっていうのをむしろ非常に巧みに利用しようとしてると。国民全部を取り込もうとしてる。それから、野党、特に自由民主党が、特に谷垣さんが解散総選挙って要求をもうずっとおっしゃってるけれども、それをいわば利用しちゃって、その、解散総選挙っていう要求が宙に浮いてしまって、それよりもちゃんと話しようってことにすると、とりあえず自民党に何が起きるかというと、解散総選挙が6月までになかったら、9月に自民党の総裁選挙で、谷垣さんお終いですよね。で、そのあと、石破さんとか、石原伸晃さんがおそらく手を挙げるけれども、たぶん今の、さっきの情報当局者の証言だと、石破さんの線は薄くて、自民党内の支持が弱いから、伸晃さんになるだろうと。ところが伸晃さんはお父さんの扱いにすら困ってる状況だから、はっきり言うと野田さんは、もう大したことないと。ね。そうすると、その、こうやって解散総選挙って言われたから、言われてるから、困るんじゃなくて、むしろ、いやいや、それ、ちゃんと話しましょうって利用できるって考えてる。さらにこの欧州危機で言うと、いったんギリシャと他のヨーロッパ諸国、話し合いできたはずが、また揉めてますよね。つまり今年やっぱり、ヨーロッパで財政赤字っていう問題でどんどん危機が深くなって、国債の信用度がなくなっていく。やっぱり日本は消費税を上げて、財政赤字をちょっとでもマシにした方がいいんじゃないかっていうふうに、時間が経てば経つほど、ずるずる国会延ばせば延ばすほど、実は野田さんの言ってることには理由があるんじゃないかっていう話に、なっていくだろうと。つまり、全部利用しようとしてるわけですよね。しかし、今日僕はコーナーの入口で申した通り、真っ向反対です。というのは、この与野党協議っていう言葉に騙されちゃ駄目ですよ」
一同
「うーん」
青山繁晴
「で、誰が騙してるかというと野田さんだけじゃなくて、僕の古巣の共同通信も含めて、(メディアは)もう自分たちも思い込んでいて、結果として国民騙してると思いますよ。というのはね、今、上手く行ってない与野党協議の正体っていうのは、何と、消費増税をどうするか、社会保障と合わせてどうするか、いわゆる一体改革ってやつを、政府の方針決めますね。それ閣議決定しますね。閣議決定する前に、野党と話して、談合しようと。ね。そして野党も乗っかったやつを閣議決定して、それを今度消費増税法案にして、そうやって野党のことを、かわりに…」
村西利恵
「ノーと言わせないとか」
青山繁晴
「ノーと言わせないこともあるし、そして野党からしたら、そうやって乗っかってあげるから、解散総選挙をやってくれよねって、総理しかできないけどそれやってよねと。つまり、談合を、やるやらないの話を連日報道してるわけですよ」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「しかしどうですか?あの、視聴者の皆さん、僕らも含めて、僕自身も含めて、私たち有権者の意識は、そうじゃなくてですよ、その、当然その、一体改革、この一体改革って言葉嫌いなんですが、嘘だから。ほんとは消費税上げたからといって社会保障が上手く行くわけじゃないから嘘だけれども、とりあえず政府がそう言うんだったら、それを政府の責任で閣議決定して、法案にして、国会に出して、そしたら野党は事前に協議するんじゃなくて、その法案に対して対案を出して、そしてぶつかり合ってですよ、法案が成立する前に、衆議院を解散して私たちに意見を聞く。どっちですかと分かりやすく、どっちですかと示してもらって、選挙に私たちが行くっていうのが本来の姿でしょ?だから、実は僕はこういうやり方に真っ向反対なんですよ。野田さんが、あるいは、その、政治家全体がやるべきなのは、今言ったようなやり方で国民に消費増税を問う。ということは、やっぱり、今年解散総選挙をやるべきだと私は考えてます。はい」
岡安譲
「ありがとうございました。えー、青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーでした」
____________________________内容紹介ここまで
新聞の「解散総選挙はいつ行われるのか?青山ズバリ」って見出しを見た時、実は私は青山さんは、3年前の総選挙の日付をズバリ言い当てた時のように(09/2/25放送分参照)、また具体的な日にちとかを言ってくれるのかな?と少し期待をしたんです。
ところがどっこい、野田さんは解散どころか、国会をずるずる延長して解散の時期を引き延ばすことを研究してるとな!?
岡安さんだけじゃなく、私も「えっ?!」って思わず声が出ました(^_^;
そういう反則技みたいなこと、鳩山さんや菅さんならやりかねないでしょうが、彼らよりはまだ常識がありそうな(と私には見える)野田さんにやれるもんでしょうか?
周りが全力でバックアップしてメディアも応援すれば、不可能ではないかもしれませんが…。
しかし、自民党も情けないですなぁ。
石破さんはああ見えて思想的にはかなりサヨサヨだし、伸晃さんに至っては失礼ながらもう論外でしょ。何でこんな人たちしか名前挙がってこないの?
安倍さんは?麻生さんは?(T^T)
この日は他に以下のニュース(レポート)で青山さんの解説がありました。
・福島第1原発事故調査委員会の第4回委員会 事故直後の官邸の様子と斑目委員長の謝罪
・山本浩之キャスターの原発被災地リポート 森林の除染と児玉龍彦教授の話
・米オバマ大統領が中国の習近平氏と会談
これら拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらを是非ご覧下さい。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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「茶番ですよね、あれは」
青山繁晴
「ええ。まあ岡田さんも、自分がサインしておきながら、やったかどうか知りませんっていうことを平気で言える国会の審議って一体何なんでしょうね。で、そうやって、その国会のニュースが流れるから、こうみんなはもう何かこう政治なんて関心持ってしょうがないのかなと思ってしまいがちなんですけど、一方で、まあここ地元から端を発したその橋下新党の動き、が、大きな話題を呼んでることは事実だと思うんですよね。で、しかしその橋下新党にしてもですね、その、大阪をどうするかって話から一気に国政の話に行ってしまって」
岡安譲
「そうですね、現実味を帯びてきましたね」
青山繁晴
「ええ。それで、その国会議員を送りたいっていう話を、今わーっとこうなってるわけですけど、それ、これも、要するに今年、衆議院解散総選挙がありそうだからその話になってるわけですよね。で、新党の話をわーわーしてるようでいて、本当は焦点はどこに移ってるかというと、野田総理、野田さんのこの手に焦点移ってるんですよ。つまり、この、国会議員が何百人いようともですね、国民が1億3000万人いようとも、衆議院を解散する権限ってのは、野田さんのこの10本の指だけなんですよね」
岡安譲
「解散権を持ってるのは総理大臣」
青山繁晴
「野田さんだけなんですよ。で、従って野田さんがどうするのかっていうのが、本当は、隠れた焦点というか本物の焦点になってるんですが、だから実はその、野田さんの一番側近の人に、昨日の朝、すごく早い朝から長時間会って、議論をいたしました。聞いたっていうよりは、まあ、議論をぶつけました。そうすると、僕にとってもびっくりすることがあったんですが、今日のキーワードはこれです(フリップ出す)」
岡安譲
「『野田総理にまさかの企みあり!』」
青山繁晴
「うーん。これはもう、企みと言わざるを得ない。いやー、僕、政治記者長かったわけですけれども、元政治記者としても、えっ!そんなことあるのっていうね、そんなこと考えてるのってびっくりする話で、しかも僕は真っ向反対です。反対ですが、これ野田さんが本当に決意してやるんであれば、重大な政治の変化になります。そのことを、えー、今日も具体的に皆さんと一緒に考えたいと思います」
岡安譲
「はい。もう早く伺いましょう(青山笑)。お知らせを挟んで青山さんの解説です」
(いったんCM)
岡安譲
「まぁあの、世論調査の支持率も下がってきて、野田内閣はすでに行き詰まった感もあるんですが、ただしかし、青山さんに言わせると、まさかの秘策があるというんですね。一体どういうことなんでしょうか。それでは青山さん、よろしくお願いします」
青山繁晴
「はい。今、岡安さんが…ていうか、急にあの、メインになったから『さん』付けで言うこともないですね(笑)、岡安ちゃんが…」
岡安譲
「いいですよ、岡安ちゃんで(笑)。よろしくお願いします」
青山繁晴
「岡安ちゃんが言った通り、まあ行き詰まったんじゃないかという雰囲気ですよね、野田政権、早くも。というのは、まあ野田さん、この『アンカー』で何度も言いました通り、今は消費増税しか関心がない総理になってしまってるけれども、その消費増税について野党との話し合い、協議が全然進まない。で、そのままだと、参議院では、野党が多いんですから、その消費増税法案、仮に国会に出しても、まだ出てませんが、出しても通るはずがない。で、その中でどんどんどんどん、支持率だけ下がっていくという状況だから、まあ行き詰まったように一見は見えるわけですよね。で、行き詰まってるから、やっぱり最後はもう今年中に解散総選挙、衆議院の任期は、衆議院議員の任期は来年まであるけれども、今年中に選挙になっちゃうんじゃないかということになってるわけですよ(一同同意)。それを改めて、まあ、あの、最初にちょっと有権者の意識を数字で見てみると、こうなりますね」
村西利恵
「週末に産経新聞とFNNが合同で行った世論調査によると、野田内閣の支持率は26.4%と、およそ1カ月前から9.6ポイントも大幅に下落しました。一方で、橋下大阪市長の国政進出に期待すると、いう声がとても高くて64.5%」
青山繁晴
「はい。で、まあ僕は実はこの世論調査で、あんまり政治が左右されるっていうのは、賛成できないっていうよりは反対です。というのは、僕、共同通信にいた時の経験からしても、世論調査っていうのは、フェアにやろうとする努力はありますけれども、しかし質問に仕方ひとつで変わってしまう、答えが」
岡安譲
「ええ(同意)」
青山繁晴
「で、はっきり言うとアンフェアな質問で行われる世論調査も、メディアによって存在します。で、だから、その、左右されてはいけないと思うけども、まあ内閣支持率でいうとですよ、野田内閣を支持しますか支持しませんかっていう、いわば単純な問いが基本だし」
村西利恵
「分かりやすいですね」
青山繁晴
「それから世論調査の中で一番やっぱり古くからやってるものだから、ま、ある程度の参考になると思うんですよね。で、そうすると、この数字ってのはやっぱりすごく低いですよね」
岡安譲
「うーん、野田さん右往左往したくないって言ってましたけど、でも低いですよね」
青山繁晴
「ええ。これは、やっぱり右往左往することではないけれども、その、総理として参考にすべき数字の低さだと思いますね。で、一方で、こちらの橋下徹さん、大阪市長の橋下さんが、今度総選挙あったら大量に、国政に立候補者を立てるんだと、維新の会から立候補者を立てると、おっしゃってることについて、えー、6割5分近い方がこれを期待してるということなんですが、これは僕は、案外高くないと思いますよ」
一同
「ああー、そうですか…(驚き)」
青山繁晴
「低いとは言えないけれど。つまりさっきのあの国会審議を見ていただいたり、それからその前の、例えば原子力安全委員会の委員長とか、そういう人たちを見ても、とにかくその、政官合わせて、もう政治に絶望感やっぱり、それ、あったりまえですよ、日本国民が、賢けりゃ賢いほど絶望感○○るから、この橋下さんのような派手な動きが出たらですよ、いやもう国政さっさとやってくれと、なるのが普通で、これ80%を超えてるのがむしろ普通じゃないでしょうか。ところが、いや、ちょっと待て、やっぱり大阪を変えるって言って出たのに、いきなり国政かいと、いうことも含めて、あの、6割5分っていうのは僕は非常に冷静な数字だと思うんですよね。で、こういう状況を踏まえて、じゃあその解散総選挙について、野田さんは今現在どうしようとしてるのかというのを、さっき申した通り、昨日の朝、長時間、側近と話をいたしました。それを、皆さんにありのままに見ていただくんですが、まずこうです」
村西利恵
「野田総理の側近によると、2014年4月に8%、2015年10月には10%という消費税増税に向けて、『野田総理は、2月解散も考えていたが、断念した』」
青山繁晴
「はい。これあの、『アンカー』でやりましたよね、このコーナーでね。つまり、常識的に言うと、前から内閣支持率は、高くはなかった。そして消費増税に対して、国民の中に一定の理解はある。いずれはそうだけど、このデフレ下でやっていいのか。2014年や15年に、デフレがほんとに終わってるのかと。それを考えると、なかなか解散は普通はできないってことなんですが、逆手で、つまり維新の会を含めた、その新党が、まだ全然準備できてません。今月、今月ですねつまりね、今月衆議院解散されて、維新の会は維新塾も、その、まだ、たくさん来たよねって言ってる段階だから、準備できない。それから自由民主党も、実は全国で候補者がしっかりもう全部、決まったわけでもない。で、それを考えると逆手でですね、その、いきなり、その、抜き打ち解散をやるっていうことを本当に考えていたわけです」
一同
「うーん」
青山繁晴
「で、この側近の人っていうのは僕は、えー、なぜ評価してるかというと、ま、常にフェアなんですよね。で、こう、私を使って、その、上手く転がしてやろうとか、状況を上手く利用しようとかいうところがほとんどなくて、これあの、野田さんの側近とこう書かざるを得ないけれど、その、現職の総理から、意見を聞かれたら、自分の意見をまともに言うという意味で側近なんですよね」
岡安譲
「なるほど」
青山繁晴
「つまり、あの、権力に近付きたいからやってる人ではない。で、その意味の彼が、2月解散を考えていたと証言したのは重大なんですが、断念したと。で、この時は僕は、まさかと思ったわけじゃないですよ?ああやっぱり、そうなんだろうなぁと実は思ったんですよ。この、『アンカー』で言った通り確かに検討してた、これ確認できたけれども、結局できなかったのは、まあ、当然だろうな、なぜかというとこうだからです」
村西利恵
「政界全体の空気は、6月頃には解散総選挙へ」
青山繁晴
「はい。えー、これってあの、今の国会は、法の定めによって6月21日までなんですけれども、その、国会が終わろうとするあたりには、与野党の間で、まあ、話し合いが成立する、今、消費増税を、めぐって、話し合いは全然進んでないけれども、まだ2月ですからね、6月頃にはその話がまとまって、まあ消費増税やむを得ない、そのかわり解散には応じると、いうことも含めて、結局会期末頃だろうだと。で、自民党の準備も、それだからまだ候補者が全員揃ってなかったりするし、それから橋下徹さん、政治的なカンのすごくいい橋下さんも、大体これを念頭に置いてるから、今、塾を立ち上げて、今あの、たくさん受け入れて、その中からこう選んでいって、勝てそうな候補にしていくってその時間があるよねと、みんなそう思ってるから、2月は、その、とてもできない。支持率がすごい高い小泉さんの全盛期のような総理だったら別だけど、あんな低い支持率で、みんながこう思ってんのに強硬はできないと、いう意味だから、ここまではいわば、その、当たり前の話なんですよね。ところが、僕が、で、だから、これは分かりましたと。で、どうするんですかと言った時に、もう、さらっと、彼はもともと淡白な人ですけど、さらっと言われて僕は、えっ!というふうに、思わずほんとにこういう声出たんですよ。えっ!と声が出たのは、これです」
村西利恵
「総理側近によると、『野田総理は、今国会をおよそ7カ月も延長し』(岡安「えっ!」)『事実上の通常国会にすることを研究中だ』」
青山繁晴
「はい。今、岡安ちゃんが、えっ!っていう…(笑)」
岡安譲
「7カ月延長ですか!?」
青山繁晴
「ええ。素晴らしい反応してくれたんですが。僕の、あの、した反応とほとんど同じですよね(笑)」
岡安譲
「ははは(笑)。いや、みんなたぶんそう思われると思うんですよ」
青山繁晴
「うん。それ、これは、要するに早ければ2月にも解散しようとか、2月に解散できなくても4カ月後の会期末には解散するべーって話になってるのが、いやいや、7カ月延長するってことを今、研究中なんだよと、彼はさらっと言ったから、えっ!?7カ月?…ね。今から7カ月じゃないですよ。この今国会が6月21日に会期が終わる、法の定めによって一回だけ会期延長できますが、それ7カ月やるってことは国会が閉じないってことじゃないですかと聞いたら(一同ざわ)、あ、そうだよと言ったんです。それどういうことかというと、これです」
村西利恵
「時系列にしてみると、こうなります」
青山繁晴
「はい。これですね、これ今年の会期末。だから今、僕たちはまだ…」
村西利恵
「そうですね、こっちの端…」
青山繁晴
「この辺(プロジェクターはみ出して左側)にいるわけです。で、今年振り返っていただくと、1月24日にこの国会始まりましたよね。これ通常国会って言って、必ず開かなきゃいけないんですよね。で、それ今2月ぐらいで、それが6月21日に会期末来るんですが、さっき申しました通り、一回限り、会期延長できます。一回しかできないんだけどその一回を最大限に活かして、7カ月延長しちゃうと。するとどこまで行くかというと、来年の1月下旬、2013年の1月下旬まで行っちゃって、今言いました通り、その、1月下旬には今年と同じように通常国会開かなきゃいけないんですよね、で、衆議院の事務当局によると、その、1日だけ、挟んでくれたらいいんですと。ね」
一同
「へえー、はあー(驚き)」
青山繁晴
「1日だけ挟んでくれたら…」
村西利恵
「閉じていれば、もう次の日には始めていいと…」
青山繁晴
「そう。だから、実際は通年国会ですね、これ事実上」
村西利恵
「そういうことですね」
青山繁晴
「だけども1日だけ挟んでくれたら、その、実質上の通年国会はできますということなんですよね。で、それをやるとどうなるかというと、やっぱり6月の下旬に会期末、これ来年のですよ、会期末来ますよね。そうすると皆さんこっち(2013年8月29日)見ていただくと、思い出して下さい、2009年の8月30日に総選挙やった。衆議院議員ていうのは任期4年ですから。来年の8月29日に任期満了来ますね。すると、ここまで、もう一回会期延長する。これ一回会期延長できますからね。それやると、要は、今続いてる国会は、その任期満了まで、解散せずに、ずるずるずるずるずるっとずーっと続いていくことになって、しかもここまで続いても、消費増税は実際にやるのは2014年4月だから、まあ間に合うっていえば、間に合うわけですよね」
一同
「はあー…」
青山繁晴
「で、これをやるにはですよ、しかし、国会が同意しなきゃいけないんですよね(一同同意)。野田さんこれ勝手に考えてても。解散は国会の同意いりませんよ。総理が解散と言ったら誰も反対できない。もう全員クビ、って、衆議院議員は全員クビになるんですけど。でも、延長については、衆議院だけじゃなくて、参議院も同意しなきゃいけないんですよ。つまり衆参両方が一致して、議決しないと、この延長幅っていうのは決められないんですよね」
村西利恵
「じゃあねじれてるから駄目じゃないですか」
岡安譲
「そう、野党がねぇ。黙ってないでしょ」
青山繁晴
「ええ。そうすると、まず、ねじれてるからっておっしゃった通りで、えー、参議院では野党の方が多いんだから、少なくとも公明党の賛成などを取り付けないとできないことになるんですよ。ところがですね、これ、ま、カラクリと言うべきなのか、えー、抜け技があってですね、そうやって、その、衆参で、まず話し合って、一緒にやれないよね、意見一致しないよねとなったら、何があるかというと、実は法の定めによって、これがあるんです(フリップ出す)」
村西利恵
「『衆議院の優越』。あ、会期延長にもこれが…」
青山繁晴
「これあるんです」
村西利恵
「あるんですか」
青山繁晴
「で、普段は、これあんまり語られないわけですよね。あの、つまり衆議院の優越っていうのは予算案本体と、条約だけだよねと言ってますが、実はもう一個あるんですよ。しかしもう一個あるけど、僕は元政治記者だった時に、この会期延長の衆議院の優越ってことを取材したこと一回もないんですよ。というのは、そんなの使うはずがない。というのは、こういう通年国会やりましょうなんて話はですね、今までやったことがないんですよ。理論上は可能でも、実は、あの、理論上は可能っていう話は何度か政治記者の時に聞きましたが、実際にやったことがない」
岡安譲
「これ青山さん、ごめんなさい、延長幅には別に制限はないんですか?何カ月までと…」
青山繁晴
「ええ、制限ありません、はい。回数だけです。で、制限ないと言っても、この、通常国会を一回開かなきゃいけないから、その、いわば自然な、その、幅はあるわけです。例えば100年というわけにはいかないですよね。次の国会が逆に始まっちゃうから。でも、このカラクリを使うことを研究、その、ほんとにやろうとしてるのは史上初めてだと思いますが、ま、念のためですね、あの、昭和22年23年にかけて、つまり日本が戦争に負けたあと、初めて、敗戦後の国会を開いた時には長い国会ありましたが、それを別にすると全く初めてのことなんですよね。で、この、初めてのことをやるにあたって、実は、えー、もちろん狙いがあるわけですよね。で、その狙いをこの側近から聞いてるうちに、僕も、いやー、ま、どうせあなたの入れ知恵なんだろうけど、これ、これはね、その側近だけじゃないんですよ。例えばですよ、すみません、この一瞬だけ推測です。基本的に報道番組だし僕は普段から推測申しませんが、でも例えばこのアドバイスできる、誰かなあと考えたら、これは本人に確認できてませんが、例えば中曽根康弘さん」
岡安譲
「ほう、元総理」
青山繁晴
「これはですね、僕は中曽根さんの総理番やってた時に、中曽根さんはこの通年国会っていう手を、使いたいなあって何度もあったんですよ。それは取材してます」
一同
「へえー」
青山繁晴
「で、中曽根さんは今、必ずしも自民党の立場に立ってなくて、つまり政治が変わるべきだってことをね、ま、人生最後の務めとしておっしゃってるでしょ。だからこの側近だけじゃなくて例えば中曽根さんの存在があるのかもしれません。この点だけは推測ですが。しかしもう一度申しますが、その狙いを、聞くと、ははぁーって話なんですが、まずこれです」
村西利恵
「事実上通常国会にしてしまおうというこの戦略の狙いは3つ。1つめは、新党ブームを塩漬けにする」
青山繁晴
「これもう一目瞭然でしょう。ね。まず橋下徹さんね、要するに6月までに選挙あると思ってるから、みんなから拙速だとか、お前、大阪市長になったばっかりで何で国政の話するんだよと言われながら、とにかく、その、国会で大阪都構想を認める法改正をしてくれないと、それも駄目になっちゃうからってことで、はっきり言うと、焦ってやってるわけじゃないですか。だから、わーっと気分は高揚してるけど、国民は冷静だから、それは話が早すぎると思ってるわけですよ。それがですよ、いや、その解散総選挙がずーっとないんだって、こうやってずるっとこうなっちゃうわけでしょ(一同同意)。ずるっとこうなるだけで済まなくて、実は橋下さんには最近批判もだんだん強まっているから、まあ野田総理の目論見としてはですよ、ね、この人ほんとに僕はしたたかな、もっとはっきり言うとずるい人だと、さすが自分を当初どじょうだと言ってた、何か最近はどじょう食べたくないから、官邸にどじょうばっかり贈られるから、私は違うもんだと言ってるらしいですけれども(一同笑)、しかしね、やっぱりね、これあの、どじょうがずるいとは僕全然思わないけど、泥の中に入ってごちゃごちゃやるっていうのが好きな人なんだなとよく分かるんですが、見かけと違ってですよ。橋下さんとしては、だんだんだんだん、その、時間が経つうちに、化けの皮が剥がれるんじゃないかと野田さんは思ってるわけですよ。そして、石原さんどうかというと、石原さんについては、これなんです。はい、出して下さい」
村西利恵
「情報当局者たちによりますと、『石原新党はできません。石原さんと平沼さんが全く動いていない』(一同ざわ)」
青山繁晴
「これも、ま、きつい話ですが、この情報当局っていうのは、まあ、日本には内政を調べてる情報当局、その、政府機関ですが、しかし時の内閣も含めて調べてる情報当局、いくつもあるわけです。それ世界各国そうですが。これ、『ら』と書いたのは、あの、複数の情報当局って意味です。情報当局以外の人からは聞いてません。で、全員ができないよと。できませんと言われて僕はけっこうびっくりしたんですが、石原さんも平沼さん、僕、平沼さんは救国一致内閣できるんだったら、その、総理の資格ある方じゃないかとこの『アンカー』で申しましたけどね。まず石原さん動いてないのはもうみんなが思ってる通りですよ。それはっきり言って石原さんは口だけで自分が動くことは本来しないんですよ。しかし、平沼さんが動かないのは理由があってですね、その、動いてんのが亀井さんだからですよね。亀井さんと平沼さん実は考え方かなり違う。で、亀井さんとその、橋下徹さんはもっと違う。亀井さんは郵政民営化の問題も含めて要は前の方が良かったじゃないかってことおっしゃってるわけでしょ」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「橋下さんはとにかく根こそぎ全部変えちまうと言ってるんだから、結局、橋下新党との連携はできないから、この、動いてないことも合わせて考えると、ま、亀井さんを切り捨てれば話は変わるかもしれないけど、現状ではできないよってことなんですよね。つまり、全部合わせると実は通年国会ってのは新党潰しでもあるってことですね」
岡安譲
「なるほどー」
青山繁晴
「じゃあ2つめはどうかっていうと、はい」
村西利恵
「狙い、2つめ。それは、小沢元代表を取り込む」
青山繁晴
「これも重大ですよね。野田政権が行き詰まってる雰囲気になってるのは1つは野田さんが、消費増税…いや、ごめんなさい、野田さんがじゃありません、小沢さんが、消費増税絶対反対で、いざとなったら、その野田総理に解散なんかやらせないと言ってるから、困ってる話になってるでしょ。ところがですよ、解散総選挙やらなかったら、小沢さんそれでOKなんですよ。何でかというと、小沢さん、力、最近、パワーが弱くなってきましたね。それは、政治とカネ問題で裁判になってるだけじゃありません。そうじゃなくて、もっと根幹は、次の総選挙があったら、必ず、2009年に大量当選した、小沢ガールズと小沢チルドレンが、たくさん落ちて、要するに小沢派っていうものがもう数がなくなっちゃうと。数なくなったら、小沢さんじゃないんですよ。そうすると、実は解散さえやってくれなかったらこの2人は手を組める。小沢さん消費増税反対と言ってますが、細川政権の時に、ね、国民福祉税の名のもと、いきなり消費増税やろうとして細川政権潰したのは小沢さんですよ。だから消費増税そのものじゃなくて、俺の、子飼いの議員を落選させるなっていうことだけですから、それが一致したら実は手を組めるわけです」
一同
「はあー、へぇー…」
青山繁晴
「この1番2番とも非常にしたたかなんですが、いやいや、その、3番め、3つめのその狙いというのは、もっとしたたかです。それは後半お話ししますが、キーワードはこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『ずるずるやられると私たちは…』。この通年国会戦略、3つめの狙いとは一体何なんでしょうか。CMのあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
岡安譲
「野田さんのしたたかな狙い。3つめは何なんでしょうか、青山さん」
青山繁晴
「はい。もういきなり行きましょう。それはこれです。出して下さい」
村西利恵
「3つめ。国民を取り込む」
青山繁晴
「何と、取り込まれちゃうかもしれないのが、私たち有権者・国民だと。というのはですね、今までは、橋下徹さんとか石原慎太郎さんとか、あるいは小沢一郎さんって要するにこういう政治・政局の話したらもうおなじみのメンバーで、ま、橋下さんはやや新しいプレイヤーだけど、でもそういう人でぐるぐる回してる、コップというか洗面器の中の嵐みたいな、その話だったでしょ。ところが、この野田さんの狙いは、そういう今までのパターンだけじゃなくて、私たち有権者を、全部取り込んじゃおうっていうのが、本当の狙いなんですよ。で、それはどうしてかというと、今日は世論調査少し触れてますが、もうひとつの見て下さい」
村西利恵
「先ほどと同じ週末に行った世論調査で、野党は消費税に関する与野党協議に応じるべきだという声が、81.4%ありました」
青山繁晴
「ええ。これは与野党協議の、あの、本当の意味とはちょっと違うんですけど、要するに国民としては、何ともう立場の違い超えて8割以上の人がですよ、その、ちゃんと、消費増税って重大なことだから話し合いやってくれって言ってるわけですよ」
村西利恵
「建設的に、そうでしたね」
青山繁晴
「その解散総選挙で当然民意問うてほしいって気持ちみんなにあるけど、その前にやっぱりちゃんと話してくれって言ってるわけですよ。そうすると、その、ずるずる国会だけど、その、長い国会で、消費増税を揉んで揉んで話すっていうのは、実はある程度の支持が得られるんじゃないかと野田さんは計算してて、だから、狙いを、えー、含めて、もう一回出してもらうとこうです。はい」
村西利恵
「野田総理が利用しようとしているもの3つが、こちらです。国民の冷静な意識。それから野党の『解散総選挙を』という要求。それから、欧州危機の深まり」
青山繁晴
「はい。で、これは、まあ、あの、狙いっていうことを、別な、その目で見たらってことですが、野田さんが利用しようとしてるものがありますよと。それは、国民の冷静な意識。つまり、揉めてるだけが国会じゃないでしょうと。消費増税、どっかで必要なんだろうから、きちんと話してくれっていうのをむしろ非常に巧みに利用しようとしてると。国民全部を取り込もうとしてる。それから、野党、特に自由民主党が、特に谷垣さんが解散総選挙って要求をもうずっとおっしゃってるけれども、それをいわば利用しちゃって、その、解散総選挙っていう要求が宙に浮いてしまって、それよりもちゃんと話しようってことにすると、とりあえず自民党に何が起きるかというと、解散総選挙が6月までになかったら、9月に自民党の総裁選挙で、谷垣さんお終いですよね。で、そのあと、石破さんとか、石原伸晃さんがおそらく手を挙げるけれども、たぶん今の、さっきの情報当局者の証言だと、石破さんの線は薄くて、自民党内の支持が弱いから、伸晃さんになるだろうと。ところが伸晃さんはお父さんの扱いにすら困ってる状況だから、はっきり言うと野田さんは、もう大したことないと。ね。そうすると、その、こうやって解散総選挙って言われたから、言われてるから、困るんじゃなくて、むしろ、いやいや、それ、ちゃんと話しましょうって利用できるって考えてる。さらにこの欧州危機で言うと、いったんギリシャと他のヨーロッパ諸国、話し合いできたはずが、また揉めてますよね。つまり今年やっぱり、ヨーロッパで財政赤字っていう問題でどんどん危機が深くなって、国債の信用度がなくなっていく。やっぱり日本は消費税を上げて、財政赤字をちょっとでもマシにした方がいいんじゃないかっていうふうに、時間が経てば経つほど、ずるずる国会延ばせば延ばすほど、実は野田さんの言ってることには理由があるんじゃないかっていう話に、なっていくだろうと。つまり、全部利用しようとしてるわけですよね。しかし、今日僕はコーナーの入口で申した通り、真っ向反対です。というのは、この与野党協議っていう言葉に騙されちゃ駄目ですよ」
一同
「うーん」
青山繁晴
「で、誰が騙してるかというと野田さんだけじゃなくて、僕の古巣の共同通信も含めて、(メディアは)もう自分たちも思い込んでいて、結果として国民騙してると思いますよ。というのはね、今、上手く行ってない与野党協議の正体っていうのは、何と、消費増税をどうするか、社会保障と合わせてどうするか、いわゆる一体改革ってやつを、政府の方針決めますね。それ閣議決定しますね。閣議決定する前に、野党と話して、談合しようと。ね。そして野党も乗っかったやつを閣議決定して、それを今度消費増税法案にして、そうやって野党のことを、かわりに…」
村西利恵
「ノーと言わせないとか」
青山繁晴
「ノーと言わせないこともあるし、そして野党からしたら、そうやって乗っかってあげるから、解散総選挙をやってくれよねって、総理しかできないけどそれやってよねと。つまり、談合を、やるやらないの話を連日報道してるわけですよ」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「しかしどうですか?あの、視聴者の皆さん、僕らも含めて、僕自身も含めて、私たち有権者の意識は、そうじゃなくてですよ、その、当然その、一体改革、この一体改革って言葉嫌いなんですが、嘘だから。ほんとは消費税上げたからといって社会保障が上手く行くわけじゃないから嘘だけれども、とりあえず政府がそう言うんだったら、それを政府の責任で閣議決定して、法案にして、国会に出して、そしたら野党は事前に協議するんじゃなくて、その法案に対して対案を出して、そしてぶつかり合ってですよ、法案が成立する前に、衆議院を解散して私たちに意見を聞く。どっちですかと分かりやすく、どっちですかと示してもらって、選挙に私たちが行くっていうのが本来の姿でしょ?だから、実は僕はこういうやり方に真っ向反対なんですよ。野田さんが、あるいは、その、政治家全体がやるべきなのは、今言ったようなやり方で国民に消費増税を問う。ということは、やっぱり、今年解散総選挙をやるべきだと私は考えてます。はい」
岡安譲
「ありがとうございました。えー、青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーでした」
____________________________内容紹介ここまで
新聞の「解散総選挙はいつ行われるのか?青山ズバリ」って見出しを見た時、実は私は青山さんは、3年前の総選挙の日付をズバリ言い当てた時のように(09/2/25放送分参照)、また具体的な日にちとかを言ってくれるのかな?と少し期待をしたんです。
ところがどっこい、野田さんは解散どころか、国会をずるずる延長して解散の時期を引き延ばすことを研究してるとな!?
岡安さんだけじゃなく、私も「えっ?!」って思わず声が出ました(^_^;
そういう反則技みたいなこと、鳩山さんや菅さんならやりかねないでしょうが、彼らよりはまだ常識がありそうな(と私には見える)野田さんにやれるもんでしょうか?
周りが全力でバックアップしてメディアも応援すれば、不可能ではないかもしれませんが…。
しかし、自民党も情けないですなぁ。
石破さんはああ見えて思想的にはかなりサヨサヨだし、伸晃さんに至っては失礼ながらもう論外でしょ。何でこんな人たちしか名前挙がってこないの?
安倍さんは?麻生さんは?(T^T)
この日は他に以下のニュース(レポート)で青山さんの解説がありました。
・福島第1原発事故調査委員会の第4回委員会 事故直後の官邸の様子と斑目委員長の謝罪
・山本浩之キャスターの原発被災地リポート 森林の除染と児玉龍彦教授の話
・米オバマ大統領が中国の習近平氏と会談
これら拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらを是非ご覧下さい。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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takeshima dokdo dokto tokdo tokto
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