しつこいようですが皆さん拉致問題を忘れないで下さいね
【横田めぐみさんは13歳を迎えた翌月に拉致されました(画像は電脳補完録様より)】
金正日総書記の告別式が28日、平壌で行われました。
これに合わせて同日、拉致被害者家族会や支援団体による「金正日による犠牲者に思いを寄せる12・28東京集会」が開かれました(毎日新聞12/28)。
金正日死亡で良かったと思ったことのひとつ、それは拉致問題が久しぶりにクローズアップされたことです。
拉致問題は、時々不確かな情報が断片的に出てくることを除けばもう何年も動きがなく、従ってメディアで取り上げられることもあまりなく、風化が進みつつあったと思います。
私も最近、本棚から拉致問題関連の本を引っ張り出してきて、また読み進めています。
その中の1冊、2005年発行のドキュメンタリーコミック「めぐみ」(原作・監修:横田滋さん早紀江さんご夫妻)後編から、早紀江さんによるあとがきを引用いたします。
全文起こしここから____________________________
私は、めぐみを、心をこめて育てました。拉致というのは、そのように大切に育てた一人の人間の人格も人生も、すべてを壊してしまう、ものすごく残酷なことです。
いつもの道を楽しく歩いていた次の瞬間、突然袋に入れられ、工作船の船底に放り込まれて、どこだか分からないまま遠くへ連れて行かれ、そこに何十年も監禁され続けるのです。想像するだけで胸が張り裂けそうになります。
一方、残された家族は、一人の人間が煙のように跡形もなく消えてしまった現実に、ずっと苦しみ続けるのです。悲しみのあまり、本当に死んでしまいたいと思ったことが何度あったことでしょう。
北朝鮮は拉致したことを認めた今も、私たちがいくら娘を返せと訴えても、一方的に「死んだ」と通告したまま、誠実さのかけらもない態度を取り続けています。
めぐみは今日、この瞬間にも、北朝鮮のどこかで「助けて」「お母さん、助けに来て」と叫んでいるに違いありません。13歳のときに拉致されて以来、もう30年近い歳月が流れているのです。こんな残酷なことをする国に対して、誰でも心の底から憤りを感じずにはいられないでしょう。
親であれば、一刻も早く助けたい、命懸けで救い出したいと考えるのは当然のことです。
これは、めぐみだけの問題ではありません。北朝鮮によって「死亡」「入国せず」とされたまま、めぐみ同様、いまだに帰れない多くの人たちがいます。さらに、現在は「特定失踪者」と呼ばれている、拉致被害者だと考えられる数多くの行方不明の方々が日本の各地にいます。
そして、また、拉致の問題は、けっして、私たち被害者家族だけの問題ではありません。誰もが被害者になる可能性があったのです。それだけではありません。北朝鮮の工作員が日本に侵入し、何の罪もない日本人を拉致していくというのは、日本の国そのものに対する犯罪です。国が何より守るべき国民の命と人権が、脅かされ踏みにじられたということです。国として猛烈に怒って、「わが国の国民を今すぐ返せ。無条件で返せ。連れて行った人間を絶対に傷つけるな。返さなかったら絶対許さないぞ」と、真正面からはっきり要求するのが当然すぎるぐらい当然な事です。自分の国の国民を全員必ず取り戻すんだという強い決意を持って、ことに当たるのが、人間としても国の姿としても普通なのではないでしょうか。
ところが、なぜか、事態はなかなか前へ進んでいきません。それが、私には悔しくて、不思議でなりません。
私たちがこんなにお願いしているのに、なぜ、国はもっと毅然とした態度で北朝鮮に向き合ってくださらないのでしょうか。国と国との正式な協議で、「ニセの遺骨」が渡されたら、渡された側の国の代表は「馬鹿にするな」と、ものすごい形相で怒るのが当然なのではないでしょうか。こんなひどいことをされてちゃんと怒らない日本を見て、外国はいったいどう思うでしょう。きっと、あの国になら何をしても平気なんだと考えるに違いありません。その意味でも、これは国民全体の大事な問題なのです。
拉致問題の解決のために、私たちは政府レベルでの救出をお願いするしかありません。その政府を動かし後押しするのは、世論の力です。今では、日本の国民の本当に多くの方々が、私たち家族と同じように闘ってくださっています。どうか、いつまでも拉致問題を忘れてしまうことなく、私たちに力を貸してください。
私たち夫婦も含め、被害者の親の世代は、高齢に達している方が少なくありません。愛する子供に会えないまま亡くなった方も2人や3人ではありません。みんな歯を食いしばって子供の帰りを待っているのです。私は自分の体力が続くかぎり、どんな遠くの、どんな小さな集まりにも駆けつけて、拉致問題を訴え続けるつもりです。
めぐみについては、北朝鮮から、ときに真偽不明なさまざまな情報が飛びだしてきます。でも、私はそういった揺さぶりや細かい波風には、いちいち動じない覚悟を決めています。めぐみを迎える我が家をちゃんとしておいてあげるためにも、自分の心身が打ちのめされてしまわないよう、一生懸命、自分自身を支え続けているのです。
めぐみは絶対生きていると信じて、これからも闘ってまいります。全ての拉致被害者が帰ってこられる状況を勝ち取るために、一生懸命、闘っていくつもりです。
どうか、皆さん、私たちに力を貸してください。
私たちと一緒に声を上げてください。
____________________________全文起こしここまで
めぐみさんは1964年10月5日生まれです。
私は1964年の夏生まれですから、めぐみさんと同い年です。
そのこともあり、私は拉致問題、特にめぐみさんの事件を人一倍関心を持って見つめてきました。
横田滋さん、早紀江さんもまた私の両親と同世代です。
そして、こんなことを言うのは失礼かもしれませんが、実は横田さんご夫妻は私の両親に感じがすごく似ているのです。
私の父はいつもニコニコしていて、おっとりとしていて、かなりの口下手です。私が10個喋る間に父は3個ぐらいしか喋れません(私も人様によくおっとりしていると言われますが、父はそれ以上です)。
一方の母はすごくしっかりしていて、またハキハキとよく喋ります。父より5歳下ですが、いつも「お父さん大丈夫?しっかりして!」と引っ張っています。が、そんな母も外ではいつも父を立て、出過ぎるようなことは決してしません。
そういったわけで、横田さんご夫妻の立ち居振る舞いを見ていると、自然と自分の両親と重なるのです(もちろん、お二方ともうちの両親なんかより人間的に何倍も素晴らしい方々です)。
拉致さえなければ、横田さんご夫妻も(そして他の拉致被害者の親御さん方も)、私の両親のようにもうとっくに悠々自適でのんびり暮らされていたはずなのです。
めぐみさんの救出のため(のみならず全ての拉致被害者の救出のため)、日々全国を回られている姿を見るにつけ、本当に心が痛みます。
【画像:2011年11月15日、めぐみさん拉致から34年の日に記者会見する横田さんご夫妻(共同通信)】
金正日死去の報を受け、横田さんご夫妻が何度かテレビ出演されていましたが、あの時、滋さんが金正日について「生きている時は憎いと思ったが、死んでしまうと憎しみは感じなくなった」という趣旨のことを言われていました。
罪を憎んで人を憎まずですね。でも滋さん、お人好しすぎますよ。
……と最初は思いました。
しかし、よく考えるうち、何十年も娘を取り戻す闘いを続けてこられた滋さんにとって、もう憎しみも哀しみも何もかも超越したところに心境が至っているのかもしれないと思い、改めて胸が締め付けられました。
実は私は2002年12月、横田さんご夫妻宛に、人を介してお手紙をお出ししたことがあります。
「ぼやきくっくり」の常連さんで私と親交のあった方がご夫妻の講演会に参加されたので、お手紙を託したのでした。
手紙には、めぐみさんの帰国を心より願っていること、また、一助になればと自身のWEBサイトで拉致問題を取り上げるなどしていることを綴りました。
当時は拉致問題が大変注目されていた時期で、相当お忙しかったはずですが、ほどなくお返事をくださいました。
封筒にはブルーリボンのシールが貼られてありました。
中を見ますと、めぐみさんの事件の経緯などを説明した滋さんの手書きコピーの手紙が2枚あり、その手紙の最後に、滋さんの直筆コメントが数行添えられていました。
内容は、「拉致はずいぶん前に発生しましたが、世間に知られたのは最近です。WEBサイトでご支援を賜り感謝しています」というものでした。
いただいたお手紙の文字、文体、全てから滋さんの真面目で穏和な性格がにじみ出ていました。
このエントリーの最初に、拉致問題は最近メディアで取り上げられることもあまりなく、風化が進みつつあったと書きましたが、私自身も反省しなければなりません。
ここ数年、私もあまりブログで取り上げることがありませんでした。
せめて何か、という思いで、エントリーの最後にほぼ毎回、日本政府が2008年から配信を始めたアニメ「めぐみ」の紹介リンクを貼り付けてきました。
これです。
ここ数年、たまにブログで拉致問題を取り上げても、正直言って反応は鈍いものでした。
コメントがほとんど付かなかったり、あるいは「今はもっと他に大事な問題がある。そっちを取り上げてほしい」という趣旨のコメントをいただきショックを受けたこともありました。
でも、そういうコメントをされた方の気持ちも分かります。
今の日本は内政、外交とも問題山積ですから。
自民党政権時代から持ち越された問題も多いですが、政権交代後、改善されたものはほとんどありません。
逆に、悪い方向に行っているものの方が多いんじゃないでしょうか。特に外交や安全保障の面で。
北朝鮮が金正恩体制に移行することは、拉致問題にとって進展の大きなチャンスです。
青山繁晴さんが12月21日放送「アンカー」で指摘したように、あちらの“服喪期間”を考えれば半年や1年という短期間で考えてはいけないのでしょうが、ただ、進展へ向けての下準備は当然ながら進めておくべきです。
具体的には、「最後に一人まで取り返す」という国家意思を明確に示すことや、法整備や、関係各国への働きかけなどでしょうか。
が、今の野田政権には、それをやるだけの余裕も覚悟も全く見られません。
また、来年はアジア全体が大きく動くのではないかと言われています。
思わぬ形で一足先に指導者が替わった北朝鮮を含め、台湾、ロシア、中国、韓国、そしてアメリカなど、日本と関わりの深い多くの国々で指導者が交替するからです。
日本でも来年は総選挙があるかもしれません。
野田政権の進める消費税率引き上げに反発し、民主党の9人の国会議員が28日、離党届を提出したそうですが、総選挙を見越した理念なき保身の動きであることは間違いありません。
本当に国のため、国民のため、命を賭して働いてくれる政治家は誰なのか?
拉致問題も含め、現在日本が未解決のまま抱えている様々な問題や課題、これらを解決させる、あるいは少しでも前に進めるために、私たち国民は良い選択をしなければなりません。
【今年はあと1本記事をUPする予定です】
※横田早紀江さんの手記が産経新聞28日付朝刊に掲載されていました。
ネット版はこちらです。是非ご覧下さい。
※拙ブログ関連カテゴリー>拉致問題
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【追記12/29 4:07】
ブログ「花うさぎの『世界は腹黒い』」の花うさぎさんが亡くなられました。
私くっくりは花うさぎさんとは面識はないのですが、ネット上ではコメントやTBなどをお互いやりとりさせていただくなど、大変お世話になりました。
「引きこもり」型ブロガーの私とは違い、デモや集会にも積極的に参加されるなど、日本をより良くするための具体的な活動をされた大変貴重な方でした。本当に残念でなりません。
花うさぎさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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「島根県の竹島英文ページを検索に引っ掛かり易くする作戦」もよろしく。
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私も最近、本棚から拉致問題関連の本を引っ張り出してきて、また読み進めています。
その中の1冊、2005年発行のドキュメンタリーコミック「めぐみ」(原作・監修:横田滋さん早紀江さんご夫妻)後編から、早紀江さんによるあとがきを引用いたします。
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私は、めぐみを、心をこめて育てました。拉致というのは、そのように大切に育てた一人の人間の人格も人生も、すべてを壊してしまう、ものすごく残酷なことです。
いつもの道を楽しく歩いていた次の瞬間、突然袋に入れられ、工作船の船底に放り込まれて、どこだか分からないまま遠くへ連れて行かれ、そこに何十年も監禁され続けるのです。想像するだけで胸が張り裂けそうになります。
一方、残された家族は、一人の人間が煙のように跡形もなく消えてしまった現実に、ずっと苦しみ続けるのです。悲しみのあまり、本当に死んでしまいたいと思ったことが何度あったことでしょう。
北朝鮮は拉致したことを認めた今も、私たちがいくら娘を返せと訴えても、一方的に「死んだ」と通告したまま、誠実さのかけらもない態度を取り続けています。
めぐみは今日、この瞬間にも、北朝鮮のどこかで「助けて」「お母さん、助けに来て」と叫んでいるに違いありません。13歳のときに拉致されて以来、もう30年近い歳月が流れているのです。こんな残酷なことをする国に対して、誰でも心の底から憤りを感じずにはいられないでしょう。
親であれば、一刻も早く助けたい、命懸けで救い出したいと考えるのは当然のことです。
これは、めぐみだけの問題ではありません。北朝鮮によって「死亡」「入国せず」とされたまま、めぐみ同様、いまだに帰れない多くの人たちがいます。さらに、現在は「特定失踪者」と呼ばれている、拉致被害者だと考えられる数多くの行方不明の方々が日本の各地にいます。
そして、また、拉致の問題は、けっして、私たち被害者家族だけの問題ではありません。誰もが被害者になる可能性があったのです。それだけではありません。北朝鮮の工作員が日本に侵入し、何の罪もない日本人を拉致していくというのは、日本の国そのものに対する犯罪です。国が何より守るべき国民の命と人権が、脅かされ踏みにじられたということです。国として猛烈に怒って、「わが国の国民を今すぐ返せ。無条件で返せ。連れて行った人間を絶対に傷つけるな。返さなかったら絶対許さないぞ」と、真正面からはっきり要求するのが当然すぎるぐらい当然な事です。自分の国の国民を全員必ず取り戻すんだという強い決意を持って、ことに当たるのが、人間としても国の姿としても普通なのではないでしょうか。
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私たちがこんなにお願いしているのに、なぜ、国はもっと毅然とした態度で北朝鮮に向き合ってくださらないのでしょうか。国と国との正式な協議で、「ニセの遺骨」が渡されたら、渡された側の国の代表は「馬鹿にするな」と、ものすごい形相で怒るのが当然なのではないでしょうか。こんなひどいことをされてちゃんと怒らない日本を見て、外国はいったいどう思うでしょう。きっと、あの国になら何をしても平気なんだと考えるに違いありません。その意味でも、これは国民全体の大事な問題なのです。
拉致問題の解決のために、私たちは政府レベルでの救出をお願いするしかありません。その政府を動かし後押しするのは、世論の力です。今では、日本の国民の本当に多くの方々が、私たち家族と同じように闘ってくださっています。どうか、いつまでも拉致問題を忘れてしまうことなく、私たちに力を貸してください。
私たち夫婦も含め、被害者の親の世代は、高齢に達している方が少なくありません。愛する子供に会えないまま亡くなった方も2人や3人ではありません。みんな歯を食いしばって子供の帰りを待っているのです。私は自分の体力が続くかぎり、どんな遠くの、どんな小さな集まりにも駆けつけて、拉致問題を訴え続けるつもりです。
めぐみについては、北朝鮮から、ときに真偽不明なさまざまな情報が飛びだしてきます。でも、私はそういった揺さぶりや細かい波風には、いちいち動じない覚悟を決めています。めぐみを迎える我が家をちゃんとしておいてあげるためにも、自分の心身が打ちのめされてしまわないよう、一生懸命、自分自身を支え続けているのです。
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めぐみさんは1964年10月5日生まれです。
私は1964年の夏生まれですから、めぐみさんと同い年です。
そのこともあり、私は拉致問題、特にめぐみさんの事件を人一倍関心を持って見つめてきました。
横田滋さん、早紀江さんもまた私の両親と同世代です。
そして、こんなことを言うのは失礼かもしれませんが、実は横田さんご夫妻は私の両親に感じがすごく似ているのです。
私の父はいつもニコニコしていて、おっとりとしていて、かなりの口下手です。私が10個喋る間に父は3個ぐらいしか喋れません(私も人様によくおっとりしていると言われますが、父はそれ以上です)。
一方の母はすごくしっかりしていて、またハキハキとよく喋ります。父より5歳下ですが、いつも「お父さん大丈夫?しっかりして!」と引っ張っています。が、そんな母も外ではいつも父を立て、出過ぎるようなことは決してしません。
そういったわけで、横田さんご夫妻の立ち居振る舞いを見ていると、自然と自分の両親と重なるのです(もちろん、お二方ともうちの両親なんかより人間的に何倍も素晴らしい方々です)。
拉致さえなければ、横田さんご夫妻も(そして他の拉致被害者の親御さん方も)、私の両親のようにもうとっくに悠々自適でのんびり暮らされていたはずなのです。
めぐみさんの救出のため(のみならず全ての拉致被害者の救出のため)、日々全国を回られている姿を見るにつけ、本当に心が痛みます。
【画像:2011年11月15日、めぐみさん拉致から34年の日に記者会見する横田さんご夫妻(共同通信)】
金正日死去の報を受け、横田さんご夫妻が何度かテレビ出演されていましたが、あの時、滋さんが金正日について「生きている時は憎いと思ったが、死んでしまうと憎しみは感じなくなった」という趣旨のことを言われていました。
罪を憎んで人を憎まずですね。でも滋さん、お人好しすぎますよ。
……と最初は思いました。
しかし、よく考えるうち、何十年も娘を取り戻す闘いを続けてこられた滋さんにとって、もう憎しみも哀しみも何もかも超越したところに心境が至っているのかもしれないと思い、改めて胸が締め付けられました。
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が、今の野田政権には、それをやるだけの余裕も覚悟も全く見られません。
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思わぬ形で一足先に指導者が替わった北朝鮮を含め、台湾、ロシア、中国、韓国、そしてアメリカなど、日本と関わりの深い多くの国々で指導者が交替するからです。
日本でも来年は総選挙があるかもしれません。
野田政権の進める消費税率引き上げに反発し、民主党の9人の国会議員が28日、離党届を提出したそうですが、総選挙を見越した理念なき保身の動きであることは間違いありません。
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Comments
ものすごい熱気で会場に入れない人もたくさんいました。
あの熱気を取り戻すところからまた始めたいですね。
でも・・・。
何の力も無い僕としては、関心を持ち続けるしか出来ないのが残念です。
いつも有り難うございます。
ぜんぜんしつこくないですよ。
人間忘れやすい生き物です。
しかも、普段忙しい人たちはなおさらです。
でも、もしも自分の家族が拉致されたらと思うと、絶対忘れたらダメな事です。
時折、こうやって改めて思いを馳せさせてくるのはむしろ有り難いです。
今回の北の政変で少しでもよい方向に動いてくれるのをお祈りいたします。
また、それに相対する民主党政権にはきちんとした、そして毅然とした対応を望みます。
さて、拙ブログでは女子差別撤廃条約や児童の権利条約の問題を取り上げていますが、国連の人権条約の中には強制失踪条約という条約があります。これは拉致問題を解決するのに有効な条約だと思いますが、残念ながら批准国が20に満たないために未だに発効していません。日本政府は、この条約が発効するために他国に批准するように働きかけるべきではと思います。
強制失踪条約(外務省HP)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/shissou/index.html
案外早くショウオンは崩壊するかもしれない。
野田政権はその時どうするか対策は練っているのか。
拉致問題は決して風化させてよい問題ではありません。こうして取り上げてくださったくっくりさんに感謝します。
今こそ、これまでよりも深く考えなければならない拉致問題を、この激動の年の暮れに改めて取り上げてくださったことに感謝いたします。
先週のアンカーで青山さんが「甘い!」とのキーワードを出された時には、我が意を得た思いでございました。彼の独裁者の死に、これで拉致問題も大きく進展するに違いないと楽観論を撒き散らす連中に、反吐が出そうになっておりましたもので……久々にテレビを見たのに、やはり得るものはないなと改めてその劣化腐敗ぶりを確認しましたよ。
進展するでしょうじゃないよ。
今度こそ解決する!絶対に被害者を取り戻す!全員取り返す!そのために政府は動け!国民は今こそ声を上げよう!自衛隊の派遣すらも辞さない覚悟を示そう!
……とでも明言するのであればともかく、現実を見ていない楽観論は、被害者家族に対する侮辱です。ずっと戦い続けておられるご家族の方々ほどの覚悟もなければ、解決を望む切実な想いもない連中には、むしろ口を閉じておけ、と言いたい。
これまでにも、地道にこまめに機会を捉えて、友人知人との会話の中に拉致問題を入れておりました。まああまり唐突に&しつこくやると変な目で見られるので加減が難しいんですが(^^;)、実は今年は菅が拉致加害者に金を渡していた件があったので比較的やり易かったです。皮肉なものですが。今後は北の体制移行を利用して、より一層の世論喚起に努めていこうと思います。
私たちの世代は自らが親となっておりますので、もしも我が子が……と考えると、他人事ではないですからね。一人でも多くの人が、被害者救出に声を上げてくれるよう、自分にできることをできる範囲でやっていこうと思います。
忘れたことはありません。
選挙の時に西村真悟さん以外、触れないのが不思議です。いの一番に言うべきことだと思いますが…
誤解があってはいけないけれど、拉致問題に関心がない人って、「勝ち負け」だけで生きている人のような感じがしませんか?
そんな考えに固執するのは馬鹿らしい、みたいな。自分の子供だけ伸ばせばいい、みたいな。
どうせ、家でも、学校でも、このことをちゃんと教えていないだろうって、思います。
革命は世代を越えて引き継がれていくのに、国家犯罪は忘却されていく。
同じ国民の勝ち組とその予備軍の意識の下に。
私も無力感を感じています。
ひとつひとつの選挙に希望をつないでいくしかないのですが…、
政治家さんにメールを書くぐらいのことしかできないのですが…。
壇上の中央に向かって歩く彼女の姿を見た瞬間に、もう涙があふれて、あふれて……
私には娘はおりませんが、同じ母として、人の子の親として、苦しみを刻みこんできたつもりです。
報道のインタビューで、亡くなった金正日の人柄を、笑顔で語る芸能人や著名人を見ると、同じ日本人なのかと、腹立たしくなります。そうじゃないだろう!?
今こそ、心を入れ替えて罪もない人たちを返せと、なぜ怒りのコメントができないのか?
後継者と言われている若者に、真実を告げる人は、この広い世界に居ないのでしょうか。
無念でなりません。
正直腹が立って仕方ありません。
日本にとって報道すべきなのは拉致と核の問題だけでしょうに。
北がこれからどうなるか、ではなく日本がこれからどうするかを議論すべきでしょう?
この時期は、救急車が忙しなく街中を走っていますからね。
拝読するに、護国の鬼にならんとする頃合でしょう。ご冥福をお祈りします。
どうも正恩をTV越しでみていると、ボンクラにみえるんですけど、大丈夫なんですかね。佇まいといい素振りといい、聡明そうにみえないんですけど。ただの野田さんのそっくりさんにみえます。
以前、加藤紘一さんの不敬な例えが非難されていましたが、金一味を象徴ないし傀儡とした集団指導体制になるのでしょうか。拉致問題をみるに、金一味も邪魔ですが、軍部が邪魔です。中国もそうですし、軍部が台頭すると対外には強硬・冒険主義に走り易いですし。
偽の遺骨といい、嘘の安否情報といい、北の開き直りですね。
あの当時、日本国内は憤怒に沸き立っており、あのまま北が拉致問題に前向きになっても、北にとっては一方的に不利なだけでメリットがないですし。
対話と圧力はこれからも続けるべきですが、軸足は要求になるか交渉になるかどちらなんですかね。
小泉路線や安倍路線が議題に上る事が多いですが、それ以前に三十年以上にわたって、拉致問題を隠蔽したり、解決を求める声を弾圧していた勢力は看過出来ません。
そればかりか、北の先軍政治延命に手を貸したり、日本から技術・物資・人を拉致・くすねる事にも手を貸し結果、東アジアの不安定に協力した裏切り者やそのルートの摘発にも力を注ぐべく、防諜法は必要になるでしょう。
そういえば、今週はアンカーないんですね。イランが騒がしいですから、アメリカが気にしているであろう北とイランの核の関連性かなと思っていましたけど、残念です。
それと、ミスターXは張成沢という真偽不明の噂があるようですが、どうなんですかね。
●ようつべ 〜 The Toughest Job in North Korea (Best Version)(10.12.13)
http://www.youtube.com/watch?v=gKH1PymutJQ
オランダの保険会社のCMです。将軍様のネタ動画が出回っているのを観ていたら思い出しました。無関心よりは遥かにマシですよ。
ついでに、正男も思い出しましたけど、平壌に向かうとか言っていましたね、生きていますかね。
それと、フジテレビがやらかして、けしからんですな。
北朝鮮より民主党が早く体制崩壊しそうですな。
民主党崩壊なのか小沢派崩壊なのかよく分からないです。松木さんは以前から新党つくると言っていたので、だから早く手許に置いておけば良かったんですよ。
頭首になり、市場開放やある種の自由化を
進めることでしょうや。その過程で中国と
拉致について裏で密約をでき、見返りに平和条約締結。日本が金を払い、市場開放の
手助けをできればね。全員奪還ですね。目標は。
全然しつこくないですよ。むしろマスコミがすっかり取り上げなくなったので一般の人はうっかり忘れてしまいがちになっている程です。あの拉致被害者帰国の際に湧き起こった怒りは何だったのでしょう?結局また眠り続けているではないですか。
こうして問題を思い起こさせてくださることに感謝です。
応援クリック。
>>日本が金を払い、市場開放の
手助けをできればね。全員奪還ですね。目標は。
何故に、日本が金を出さないと行けないんですか?
もちろん、国益の為に、仮に市場が開放されたら、リターンの見込める投資はするべきですが、
日本が北朝鮮の混乱解決の為に金を出す必要はもう無いでしょ。
韓国がそのお金を預かっているはずですから。
他国の人名を弄び、自己が苦しくなったら金を出してくれなんて真っ当な矜持がある国なら言わないでしょ
最貧国から抜けるきっかけがつくられたの
ですから、同じようなことを北や周囲が期待
すると思われます。前回の小泉の時は、少しの人しか返さないで幕引きとする動きだったので、そういうやりかたが駄目と思います。
一部の売国メディアが「北風と太陽」の逸話にかこつけて北朝鮮への援助を提唱するおかしな論者の意見を掲載しているようです。
北朝鮮への援助といえば、間違いなく管前総理が深く関与している、民主党ぐるみの北朝鮮拉致実行犯関連団体への資金援助疑惑の件をまず解明する事が先決だと思います。