「アンカー」はずれ者日本&菅談話と在サハリン韓国人支援のおかしさ
■8/11放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
前半は南シナ海でにらみ合う米中と、はずれ者になりつつある日本。
後半は菅談話。談話に盛り込まれた在サハリン韓国人支援がおかしな話であることにも言及してくれました。
今日は山本浩之キャスターが夏休みにつき、岡安譲キャスターがメインキャスターを担当されています。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はテレビ画面からデジカメで撮影しました。粗いですがご容赦下さい。
※お盆前だからでしょうか、普段は常に2〜3人の方がUPして下さっているYouTubeに今週は全く動画が存在しませんでした(もしかしたらUPして下さってるのかもしれませんが見つけられない(T^T))。
内容紹介ここから____________________________
岡安譲
「さ、続いてですが、青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーにまいりたいと思うんですが、さて今日はどんなお話を」
青山繁晴
「はい。あの、今年は敗戦から65年目っていうことで、今日は8月11日ですけども、ま、敗戦記念日に向けてですね、あの、戦争を振り返る、こうテレビ番組もたくさんやってるわけですけれどね。一方で実はその、私たちの今生きてる世界、この2010年の夏、の、日本を巻き込むっていうか、日本に深い関係のある重大な安全保障上の危機的状況が進行している。で、メディアでもあんまりそれ伝えられてない。ところが、その上で今日のキーワードは、あえてこう言わざるをえない(フリップ出す)」
岡安譲
「『はずれ者?』」
青山繁晴
「うん。これあの、書くまでだいぶ悩んだんですけどね、これあの、誰がはずれ者なのかというと、私たち日本が、その、日本を取り巻くアジアの中で、安全保障の危機が進行してるのに、日本はどう考えてるのか、日本はどうしたいのかってことを、そもそも聞かれない」
岡安譲
「え?聞かれない?」
青山繁晴
「問題にされてない。で、同時に日本側もそれをアジア、世界にアピールしてない。結果的にはずれ者になりつつあるんじゃないかっていうことを、これも今日、具体的に皆さんと一緒に考えてまいりたいと思います」
岡安譲
「はい。コマーシャルのあと、詳しく青山さんに解説していただきます」
(いったんCM)
岡安譲
「コマーシャル前の青山さんのキーワードは『はずれ者?』でした。えー、日本は安全保障の面で、危機的な状況にあるということなんですが、一体どういうことなんでしょうか。詳しくお願いします」
青山繁晴
「はい。あの、日本に関係ある安全保障の危機っていうと、どなたも朝鮮半島の現状に気持ち行くと思うんですね」
村西利恵
「すぐ思い出しますが」
青山繁晴
「えー、北朝鮮が韓国の哨戒艦を撃沈したりっていう、大きな事態が起きてるんですけれども。しかし、えー、日本の経済活動って世界中広まってますから、決して朝鮮半島の問題だけが日本の死活問題じゃないんですね。で、皆さん、そう言われるとお気づきの方もいらっしゃると思いますけど、2週間前、『アンカー』でもまさしく、こう生でやりましたけどね。こういうことありましたですね。はい」
北朝鮮が米韓軍事演習に猛反発・中国海軍の増強!緊迫アジア情勢…青山解説
前半は南シナ海でにらみ合う米中と、はずれ者になりつつある日本。
後半は菅談話。談話に盛り込まれた在サハリン韓国人支援がおかしな話であることにも言及してくれました。
今日は山本浩之キャスターが夏休みにつき、岡安譲キャスターがメインキャスターを担当されています。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はテレビ画面からデジカメで撮影しました。粗いですがご容赦下さい。
※お盆前だからでしょうか、普段は常に2〜3人の方がUPして下さっているYouTubeに今週は全く動画が存在しませんでした(もしかしたらUPして下さってるのかもしれませんが見つけられない(T^T))。
内容紹介ここから____________________________
岡安譲
「さ、続いてですが、青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーにまいりたいと思うんですが、さて今日はどんなお話を」
青山繁晴
「はい。あの、今年は敗戦から65年目っていうことで、今日は8月11日ですけども、ま、敗戦記念日に向けてですね、あの、戦争を振り返る、こうテレビ番組もたくさんやってるわけですけれどね。一方で実はその、私たちの今生きてる世界、この2010年の夏、の、日本を巻き込むっていうか、日本に深い関係のある重大な安全保障上の危機的状況が進行している。で、メディアでもあんまりそれ伝えられてない。ところが、その上で今日のキーワードは、あえてこう言わざるをえない(フリップ出す)」
岡安譲
「『はずれ者?』」
青山繁晴
「うん。これあの、書くまでだいぶ悩んだんですけどね、これあの、誰がはずれ者なのかというと、私たち日本が、その、日本を取り巻くアジアの中で、安全保障の危機が進行してるのに、日本はどう考えてるのか、日本はどうしたいのかってことを、そもそも聞かれない」
岡安譲
「え?聞かれない?」
青山繁晴
「問題にされてない。で、同時に日本側もそれをアジア、世界にアピールしてない。結果的にはずれ者になりつつあるんじゃないかっていうことを、これも今日、具体的に皆さんと一緒に考えてまいりたいと思います」
岡安譲
「はい。コマーシャルのあと、詳しく青山さんに解説していただきます」
(いったんCM)
岡安譲
「コマーシャル前の青山さんのキーワードは『はずれ者?』でした。えー、日本は安全保障の面で、危機的な状況にあるということなんですが、一体どういうことなんでしょうか。詳しくお願いします」
青山繁晴
「はい。あの、日本に関係ある安全保障の危機っていうと、どなたも朝鮮半島の現状に気持ち行くと思うんですね」
村西利恵
「すぐ思い出しますが」
青山繁晴
「えー、北朝鮮が韓国の哨戒艦を撃沈したりっていう、大きな事態が起きてるんですけれども。しかし、えー、日本の経済活動って世界中広まってますから、決して朝鮮半島の問題だけが日本の死活問題じゃないんですね。で、皆さん、そう言われるとお気づきの方もいらっしゃると思いますけど、2週間前、『アンカー』でもまさしく、こう生でやりましたけどね。こういうことありましたですね。はい」
村西利恵
「7月28日に速報でお伝えした内容を、VTRでご覧いただきます」
村西利恵
「その後、UAE、アラブ首長国連邦の国営通信は、6日、沿岸警備隊の調査チームが、爆発物を積んだ船舶によるテロ攻撃と結論づけたと報じました。この問題を巡っては、アルカイダ系のイスラム過激派組織が犯行声明を出しています」
青山繁晴
「はい。で、あの、もう一回念のため地図見ていただきますと、これがペルシャ湾ですね。で、ペルシャ湾って、ここクウェートです。そしてサウジがあって、この辺はカタールですね。で、ですから、えー、たとえばクウェートやサウジ原産の油とか、あるいはカタールの天然ガスを、日本に持ってくる時に、必ずこの狭いホルムズ海峡を通らなきゃいけないと…」
村西利恵
「どうしても通らないといけない場所ですよね」
青山繁晴
「はい。で、だいたい、ま、原油でいうと、日本に入ってくる8割以上がこのホルムズ海峡を必ず通るってことですから、ここが危なくて通れなくなると、もうこれは直ちに私たちの生活を直撃するわけですね。だから当然これはさっき申した通り、朝鮮半島、アジアからすごく遠くても、日本の死活問題であり、で、しかもこれ、ここに書いてます通り、商船三井のタンカーです。ま、あの、船籍、船の国籍としてはマーシャル諸島ってことになってるんですけど、実際は商船三井の物ですから、日本がどういう情報を取るかってのは大事ですよね。ところが皆さん、報道ぶりで、何だかよく分からないまま、来てますね…」
岡安譲
「○○○○もあまりない状態で来ていますよね」
青山繁晴
「はい。で、その上で、防衛省の内部で話を聞いてみますと、かなりはっきりした、こう、まあ推測をしてまして、それがこれです」
村西利恵
「防衛省の幹部によると、『吸着機雷(リムペット・マイン)による攻撃の可能性が高い』」
青山繁晴
「はい。この吸着機雷、リムペット・マインって、あの、ま、一般にはもちろんあまり馴染みないでしょうけど」
村西利恵
「初めて聞きました、はい」
青山繁晴
「あの、これあの、ここに書いてる通り、吸い付き機雷とかですね、くっつき機雷っていう、あの、言葉を、言い方をする人もいるぐらいでね。要するにその、機雷ですから、その、海で使うわけですけれども。地雷はその土地、地面、機雷は海の、あるいは水の所で使うんですけど、これ吸着と言ってる通り、ま、主には、普通は磁石ですけど、ペタッとくっつくわけですよ。で、船って、あの、どんな船でも基本的に鉄ですからね、あの、大きな船は鉄ですから、そこにピタッとくっついて、つまり、たとえばタンカーですと、小型ボートで夜、全然気づかれないで近づいて行って、これ気づくの無理です、気づかれないように行って、そしてこれペタッとくっつけてですね、そっから逃げて行くわけですよ。で、タイマーかけておいて、時限装置でこれが爆破すると。これまあ、けっこうかなり今まで使われたことがあって、これテロリストだけじゃなくて、実はフランスの特殊部隊が使ったこともあるぐらいなんですね」
村西利恵
「はあー、そうなんですか」
青山繁晴
「はい。で、あの、但しこれ、えー、爆発力はそう高くないと言われてまして、だから今回みたいに16万トンっていう巨大タンカーでしたから、あのようにへこみができたぐらいで船は沈まなかった、それから怪我人も軽傷1人で済んだわけなんですけれども、これが日常的に使われるとなると、これは大変なことで、今たとえば、特に夜間はですね、この小型ボートが近づいてくるなんて、ほとんど見つけられませんから、これあの、日本にとってはほんとに重大な問題なんですよね」
岡安譲
「毎日航行はしているわけですからね、そのホルムズ海峡は」
青山繁晴
「はい。今現在も、たった今もしてます。24時間してるわけですね。で、そうするとこの話、どうしてメディアには全然出てこないのかなと皆さん思われるでしょ?で、その理由のひとつが、実は非常にショッキングなことなんですが、実はこれなんです」
村西利恵
「防衛省幹部によると、『海上自衛隊にアメリカ海軍からの情報が入らない』」
岡安譲
「えっ」
青山繁晴
「はい。ということは、今、この防衛省幹部はさっきの人と違うんです。違う人ですね。違う人ですけれども、防衛省や自衛隊全体を通じて言うと、さっきのリムペット・マイン、吸着機雷を使ったんじゃないかっていうのも、はっきり言うと推測なんですね。で、但しその、勝手に頭ででっち上げたんじゃなくて、たとえば防衛省、自衛隊には情報入らないけど、警察庁の情報部門で」
岡安譲
「警察庁?」
青山繁晴
「はい。警察庁の情報部門で、他の国の情報機関と連携して何とか取ってきて、それを警察庁から防衛省に即情報は入れてくれなくて、間に人を挟んでですね、やっとその情報が届いて、そうするとこれは吸着機雷かなあっていう話ぐらいで終わってるわけですね、今のところね。で、この、なぜ海上自衛隊にアメリカ海軍からの情報が入らないかっていうのは、さっきの地図をもう一度見ていただくと、すぐにお分かりいただけるんですね」
青山繁晴
「はい。これ地図見ていただくと、皆さん、このインド洋っていう、この、ここで思い出すと思うんですが、今日夏休みでお休みのヤマヒロさんがですね、かつてこのインド洋に行って、その海上自衛隊の船に乗って、現場を見られましたね。何の現場かというと、給油活動。このアフガンでテロリストが活動しにくいようにする作戦のために、多国籍軍に協力して海上自衛隊が給油するってことやってきたんですね。で、その時代はですね、ここにこのペルシャ湾にはアメリカ海軍のたとえば第五艦隊がいるんですね。その第五艦隊からもう事細かくこの辺の情勢は、この、ここにいた海上自衛隊の艦船を通じたり、あるいは、東京でもワシントンでも情報交換は実はされてた、あるいはこの辺にある基地の中で情報交換もされてたんですが、えー、政権交代の後、インド洋から海上自衛隊は撤収しましたね。で、今のこのアデン湾のところに海賊対策ではいるんですけど、それは全然この、あの、海賊対策の話と、この、ここ(アフガン)のテロ対策とは違う話ですから、第五艦隊はもう、日本に情報与えないってことになってるわけです」
村西利恵・岡安譲
「与えない…」
青山繁晴
「はい。で、これはね、要するにアメリカ勝手なことするなと僕は思ってるんですけど、思ってるだけじゃなくて、アメリカ側に言ってるんですが、これまあ、あの、軍隊同士、自衛隊が軍隊かどうか別にしてね、国際社会では軍隊として扱われますから、軍隊同士の情報交換ってのは必ず、その、情報を何に使うのか、情報がなぜ必要なのかってはっきりしないと渡さないって、それ原則は確かにあるんですよ。それで、この件で僕はアメリカ側とかなり議論をしましたけれども、そうすると、いや、インド洋にいないんだから、その第五艦隊が情報与える必要ないと、海上自衛隊にとっては必要ないんじゃないかって言われるんですよ」
村西利恵
「日本には関係ないだろうってことですか?」
青山繁晴
「ええ。もうちょっと待って下さいですよね。これ商船三井、日本の船で、そしてあの、油や天然ガスが日本に行ってること、アメリカも分かってるわけですから。だから、その単にインド洋から撤収したからこれはしょうがないねって話じゃなくて、アメリカ、何でそんな急に冷たくなったのってことやっぱり言えるんですよね。で、情報取れない、まあ防衛省にももちろん責任はありますけれども、いずれにしろ、アメリカの態度がずいぶん変わってきたっていうのは言えるんですね。で、そのアメリカの態度が変わってきたもっとある意味、もっとって言っていいのかな、同じように深刻な話が実はありまして、それは実は私たちのアジアでの話なんです。はい、またちょっと地図を出してくれますか」
村西利恵
「今この南シナ海では、アメリカと中国がにらみ合ってるという状況です」
青山繁晴
「はい。これあの、どっとたくさん地図が今出たんですが、皆さんまず注目してほしいのはですね、あの、このあたり東シナ海ですね。で、東シナ海にご承知の通り、私たちの領土の尖閣諸島があってですよ、私たちの領土なのに、中国がそこに手を伸ばしてきて、で、少なくとも、国際社会でフェアに言われてるこの中間線じゃなくて、中国は、いや、大陸棚がここまで延びてて、これ沖縄ですけど、沖縄のすぐ西まで全部中国の海なんだと言ってて、ここ揉めてるわけですよね。で、揉めてる東シナ海は日本のいわばお腹、柔かいお腹のようなものであって、その足下がこの南シナ海なんですね。で、この南シナ海でもこの尖閣諸島と似た状況があってですよ。これ、ひとつはパラセル諸島って言いまして、ベトナムのずいぶん沖合い、ま、中国からもすぐ近いですけど、これ中国は西沙諸島って言ってますけれどね。それからもうひとつ、もうひとつ、ちょっと南のスプラトリー諸島、これは南沙諸島とも言ってますけれど、この島々を巡って、ここに書いてある国々が、ま、ほとんど全部争ってるわけです。この西沙諸島で言うと中国・ベトナム・台湾が争ってて、それからスプラトリーで言うと中国・ベトナム・台湾に加えて、フィリピンやマレーシア・ブルネイまで、これ領有を主張して争ってるんですが。皆さんこれ、東シナ海のところにアメリカはあんまり口出ししないっていうか、してくれないっていうか、ね。かつては、もうモンデールさんって辞めた大使ですけど、関係ないって言った人もいるわけですよ、アメリカは」
岡安譲
「そうですね」
青山繁晴
「ところが今、ここにはどうしてるかって言うとですよ、こいつが出かけて行ってるんです。はい、ちょっと出してくれますか」
村西利恵
「それがアメリカ海軍の原子力空母、ジョージ・ワシントン」
青山繁晴
「はい。これジョージ・ワシントン、実際に見ると、まああえて言うとド迫力の、凄まじい、もうこれだけでいくつかの国を潰すことができるっていう代物ですね。で、これまた、あの、飛行機がこれ飛んでいった状況で写ってるけど、これ実際にはこれもうたくさんこう載っかってたりね」
青山繁晴
「そのジョージ・ワシントンは、実は普段ここ(地図の右上端の日本を指して)にいるんですよ、これ。ここ。つまり私たちの横須賀、そこが母港になってるわけですね、アメリカ第七艦隊の空母ですから。で、この第七艦隊の空母がこっから出かけて行って、そこに行ってるかというと、このダナン。ベトナムの真ん中へん。ベトナム戦争時代の激戦地ですね。このダナンの沖合いに、ここに現れたわけですよ。そうすると中国から見るとですよ、もう喉元にこのジョージ・ワシントンが現れたわけで、皆さんさっきの北朝鮮の話でね、このジョージ・ワシントンがここ(黄海)で訓練する、しないで、何かそれは日本でよく報道されてたじゃないですか。で、その時、中国が嫌がるからっていうんでここには来なくて、日本海でやったでしょう?ところがですよ、そのあと、ここ(ダナンの沖合い)にいるわけですよ、ジョージ・ワシントンが」
村西利恵
「穏やかではないですね、うん」
青山繁晴
「はい。で、しかもここに来たのは8月8日ですよ。3日前。たった今、進行中の事態なわけですね。で、これ軍が勝手にやったんじゃなくて、その、実はこの背景には、オバマ政権のこういう決断があります。はい、出して下さい」
村西利恵
「アメリカのクリントン国務長官は先月23日、ASEAN地域フォーラムに出席し、『南シナ海の航行の自由はアメリカの国家利益』だと話しました」
青山繁晴
「ええ。これ、そもそもこの、ASEAN地域フォーラム、その、ASEAN、東南アジア諸国連合ですね、えー、ベトナムも含んだ東南アジア諸国と、諸国が話し合いしてて、そこに中国やアメリカもオブザーバーとしてやって来るわけですけど、その、その会議の席に、クリントン国務長官がわざわざ現れてですね、この発言は僕もその、先月23日に伝わった時には、ちょっとびっくりしました」
村西利恵
「今までこんなことおっしゃってましたっけ?」
青山繁晴
「いや、こんなにはっきり言ったことはないですね。で、これあの、原文でもですね、The United States has national Interst.、まさしく、南シナ海の問題はアメリカの国益だと言ってるわけですよ。はるか遠くの、ね。何かベトナム戦争を思い出すような話ですよね。ベトナムはあの、アメリカの国益だと当時言ってたわけですから。ところが今回はそうじゃなくて、その、昔、60年代、70年代までベトナム戦争で戦ったアメリカとベトナムが手を組んで、中国に向かい合うってことなんですよ。で、ちょっとすみません、あの、さっきの地図、戻れますかね。これに対して中国はこれ黙って見てるんじゃなくて、その、大変なことになってですよ」
青山繁晴
「このあたり広東省なんですけれども、このあたり広東省なんですけどね、このあたりに何と核ミサイルの基地を建設してるっていう情報があるわけです、核ミサイルですよ」
村西利恵
「へえー」
青山繁晴
「だからいざとなったらこの辺に撃ち込めるぞっていうね、その、スタンスを見せると同時に、中国海軍が南下して、この辺で激しく動いてるわけですね。で、そうすると皆さんは、その、僕たちやっぱり考えなきゃいけないのは、この、僕たちの足下でこんな危機的状況がなってるのに、日本政府がこれについて何か発言したこと全くない。そしてメディアでも、ま、はっきり言うとほとんど報じられない。それだけじゃなくて、その、僕らが考えなきゃいけないのは、ちょっとアメリカ待って下さいよと。この、東シナ海の尖閣諸島の問題では知らん顔してですよ、ここではこんなにはっきりしてんのかと、いうことになるわけですね。で、これに対するひとつの答がね、実はこれなんです。ちょっと出してくれますか」
村西利恵
「はい。アメリカのルース駐日大使は、『日本は何をやろうとしているのか分からない』と話していると」
青山繁晴
「はい。で、たとえば、あー、あの、これルースさんと僕はこないだ、あの、ブルー・リッジっていう船の上でね、話した非公式の話ですから全部お話しするわけにいかないですけれども、たとえばさっきの尖閣諸島の問題でも、日中中間線であくまで断固として日本はやるのかどうか、よく分からないと。普天間も移したいのか移したくないのか、よく分からない」
岡安譲
「そうですねー」
青山繁晴
「インド洋も続けたかったのか、いや、国家の意思としてはっきりやめたのか、よく分かりませんと。何だかよく分からないから、青山さんがムキになったって、アメリカも手の打ちようがないじゃないかっていうのが、正確な言葉ではありませんが、ルースさんがこないだ僕に伝えたことのひとつなんです。そうすると皆さん、さっきのベトナムの話っていうのはですね、実はベトナムは非常に意思がはっきりしてて、さっきの地図、戻らなくていいですが、頭をもう一回、思い浮かべていただくと、あの中国からですね、さっき皆さん見ていただいた東南アジア諸国に最近どんどん武器を売ってるんですよ。で、たとえば、かつては、その、反中国の砦だったインドネシアにも、それから中国の膨張に警戒的だったマレーシアも、もう今年を境にどんどん中国の武器を買っていってるんです。その中でベトナムだけが、断固、中国製の武器は安くても買わないんですよ。だからそれを通じてベトナムが口先だけじゃなくて、中国とはフェアに向かい合うって言ってるから、アメリカとしてはこれやりやすくなって、さっき言った通り、その、ジョージ・ワシントンが動いたりってことになるわけですよ。だから日米同盟って言うけれども、日米同盟が何だかもうよく分かんないことになってて、その、むしろアメリカとベトナムの同盟、かつての戦争を乗り越えた、そういうのが進んでるってことに僕らやっぱり注目しなきゃいけないです。但しですよ、この話は、何かアメリカが構ってくれないから、アメリカが面倒見てくれないから日本ははずれ者になるのかっていう話ではありません。そうじゃなくて、あくまで日本が主体となって、たとえば日米同盟だったら私たちの国益に、どのように活かすのかが大事で。ということは、私たちがこれからどうすべきか考える上で、たとえばルースさんと話すだけじゃなくて、アメリカ側と話すだけじゃなくて、日本のキーパーソンと話さなきゃいけないと思いましたので、えー、実は僕は一昨日、ですね、あ、すみません、昨日ですね、えー、昨日の朝から昼にかけて、この人に会いに行きました」
村西利恵
「それが山岸章氏。『連合』の初代会長を務めた方です」
青山繁晴
「はい。山岸章さん。えー、全国民が知ってる人じゃないかもしれませんけども。一番大事なのはこの人は、民主党の最大のスポンサーの連合の初代会長であると同時に、はっきり言うと、作った人です。連合をまとめ上げた人で。で、この人は、山岸さんは、非自民政権、自民党の一党支配を打ち破るってことにもう執念を燃やした人で。だから小沢一郎さんと一時期手を組んで細川政権を作った」
岡安譲
「連立内閣を…」
青山繁晴
「で、そのあと細川政権が崩壊して、羽田政権も潰れたら、小沢さんに対して怒って、連合会長もう辞めてしまった、潔く辞めてしまった人なんですが、未だに、強い影響力を連合と民主党に対して持ってるんですね。で、この人に会いに行きました。えー、この写真では分からないけれども、昨日ご本人にも言ったんですよ、この目がね、きれいなんですよ。労働界っていうのは政界以上に厳しい権力闘争の場所なんですが、そこで生きてきた人なのに、目がなぜかきれいでね。えー、昨日それを言ったら、山岸さん、あの、照れに照れてましたけれども、その、目のきれいな山岸さんが僕に言われたことを後半にお話しするんですが、そのキーワードは、これも、あえてこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは『味方も絶望』。山岸氏との対談ではどんな話が飛びだしたんでしょうか。CMのあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
岡安譲
「青山さんは、連合の初代会長の山岸さんにお会いしたということなんですが、CM前のキーワードは、『味方も絶望』でした。一体どういうことなんでしょうか。詳しくお願いします」
青山繁晴
「はい。この山岸さんが、連合を作られた時の組合員てのは800万人いたんですね」
村西利恵
「すごい数ですよね」
青山繁晴
「はい。で、今現在は600万人台にまで減って、まだこれからも減るんじゃないかと言われててですね。だから山岸さんとしては言いたいことがたくさんあるそうですが、でもこの山岸さん、さっき目がきれいと申したのも、あの、適当に言ったんじゃなくて、すっごく男っぽい潔い人なんで、その、二度と口出ししたくないっていう信念がありましてね。だから実はいろんなテレビの取材は全部お断りされてるんですよ。で、今回受けていただいたのは、実は、あー、えー、私の動画を流してるインターネットテレビの取材として、その、お会いしました。だから、今回も動画はこの番組でも流すことはできません。そのお話のエッセンスだけはですね、今日皆さんに申したいと思うんですが。えー、さっきキーワードで出しました通り、民主党政権、非自民政権にとっては山岸さんは強い強い、一番大切な味方なわけですけど、その味方の人が非常に厳しいことをおっしゃったんですね。で、そのうちのひとつがこれです」
村西利恵
「日韓併合100年の『首相談話』について、『村山談話の上塗りで、なぜ首相談話を出すのか理解できない』と」
青山繁晴
「はい。これ、まさしく、昨日の閣議で決定された首相談話なわけですね。この『アンカー』でもやったと思いますけれども。えー、日韓併合の条約が発効してから100年になる。それについて、菅さんが改めて、お詫びという意味の談話を出されたわけですけど。これをこの山岸さんは、あれは村山談話の上塗りで、何で出さなきゃいけないか理解できん!と、非常に激しい口調でおっしゃいました。で、村山談話ってのは皆さんご承知だと思うんですけれども、自民党が社会党と一緒になって、社会党の村山さんと一緒になって政権を作ってですね、95年に、その、当時の村山総理が、えー、これは韓国にだけ向けたんじゃなくて、アジア全体に対してですね、あの、先の大戦について、ま、お詫びをされるということを談話として出されたんですね。で、実はその村山談話自体も、この、意外かもしれませんが、山岸さんは批判的で、あれは、むしろ自民党が社会党の左派に媚びて出したような談話であって、それ以上は批判されませんよ、たとえば謝罪そのものについて山岸さんは批判はされませんけれども、そういう誰かが誰かに媚びて出すようなものは良くないと、国家の意思としてそれは良くないんじゃないかってことを、実はこれは前からおっしゃっていて、で、その上塗りをするような今回の菅さんの談話っていうのは、実は山岸さんから見たらこう見えるってことなんです。はい、出して下さい」
村西利恵
「『菅総理はその場しのぎで迎合しているだけ』」
青山繁晴
「はい。で、この迎合ということはですね、この山岸さんは、この日韓の談話だけじゃなくて、たとえば消費税については、その、財務省に迎合してたり、あるいはこの、その日韓の談話も韓国の国民の声に迎合する、だけじゃなくて、たとえば今の内閣で実力を持っていると言われる仙谷官房長官に迎合したんじゃないかと。そのために、たとえば玄葉政調会長のように反対意見のある人の意見をよく聞かずに、声が大きい、強いものに対してどんどん迎合していくと。それもう全部その場しのぎで、何が理念で哲学なのかってことがよく分からないってことを、非常に厳しい言い方でおっしゃって。そして僕が、じゃあ9月に民主党代表選挙ありますが、誰がやったらいいんですかと言ったら、青山くん、これは残念ながら、もう誰も思い浮かばないと。その、また菅首相が替わるのは良くないってことを思うだけであって、菅がいいとも、他の誰がいいとも思えない、日本は深い深い霧の中にあると言われまして、僕は、山岸さん、あなたの口からそんな絶望的な言葉聞くとは思わなかったと言ったんですが、山岸さんは、いや、これが現実だとおっしゃったんですね。そしてその上で、この菅さんの談話が国際社会からどう見られるかっていうことを、皆さんちょっと見ると、こうです」
村西利恵
「『首相談話』は国際社会からどう見られるかというと、国家間で条約を結んでも追加があり得るという印象を与える。それから、声の大きな相手に合わせるんだと思われてしまうと」
青山繁晴
「はい。これは山岸さんのお話じゃなくて、僕がいくつかの国の政府当局者に電話で聞いてきたことを総合して申すんですが、まず日韓基本条約があって、そこでたとえばその、補償問題その他もケリがついてるのに、なぜあとでいろいろ追加しなきゃいけないのかと。ということは日本は国家で条約結んでもですね、それが何となく曖昧になっていく国なのかって、こういう懸念をかなり聞かされました。それともうひとつ、こっちの方が大きいんですが、相手が声が大きかったら、それに全部合わせるんですかと。というのはですね、今回の談話は大きな問題1個あってですね。その、韓国民、韓国の意思に反して日韓併合条約が結ばれたって趣旨が今回の談話に入ってるんですが、これはずーっと日本政府は、あの条約は結ばれた当時は正当な条約だったと、その後無効かどうかは別にして、あの当時は正当な条約ですという立場を守ってきたんですよ。それがするっとね、いやあの、韓国の意思に反してたんだってなるから、いや、じゃあ要するに条約とか、その、今までの政府解釈が大事なんじゃなくて、その時の声の大きな相手に合わせるのかって疑問を持ってるわけですね。で、それを考えると、さっきのたとえばあの、ベトナムのことで言えば、ベトナムは本当はリスクはあるわけでしょ。つまり、たくさんその、アジア諸国は中国の武器を買って、中国に擦り寄ろうとしてるのに、ベトナムだけそれに反対するってことはですよ」
岡安譲
「確かに大きいリスクですね、うん」
青山繁晴
「その、ASEANが分かれるかもしれないと。分かれちゃうかもしれない、そのリスクをあえて犯して、国家の意思を示してるわけじゃないですか。それがなくて、その、迎合する国なのか。そうするとアメリカから見ても、ちょっと付き合いできないなあということになるんですよ。そして最後に、この菅さんの談話は、新聞にもずいぶん出てますけれども、テレビでもずいぶんやりましたが、ひとつ肝心なところがわりと抜けてると思うんですね。あんまり報道されてない。それは最後に、これです」
村西利恵
「談話の抜粋です。『これまで行ってきたいわゆる在サハリン韓国人支援、朝鮮半島出身者の遺骨返還支援といった人道的な協力を、今後とも誠実に実施していく』」
青山繁晴
「はい。これ、まずサハリンじゃなくて、これロシア語ですから、これもういい加減にしてほしいと思うんですが、これ自民党政権時代からずっとそうですよ、民主党だけの問題じゃなくて。これサハリンじゃなくて樺太ですよ。正確に言うと、私たちの領土であるところの南樺太に、かつて日韓併合時代に韓国の方々が渡って、それがまだ韓国に戻れないでいらっしゃる方もいたと、いうのを、もうほんと数は少ないんですけれども、その問題を、その、日本が協力して何とかしましょうと。で、それ人道的って言葉入ってるから、何となくすっと入ってくるでしょうが、これ本当はかなりおかしな話なんですね。で、これ予め申しておきますが、これ菅さんだけがおかしいんじゃなくて、これ、この支援ていうのは自民党政権時代からやってるんですよ」
岡安譲
「そうですね」
青山繁晴
「たとえば安倍政権の時も予算増やして3億円出したりしてるわけですよね。だから今日はその、菅さんが迎合してると山岸さん言ってるけども、それだけじゃなくて、日本の政治は自民党時代からずっと声の大きな相手に迎合してきた政治じゃないのかっていうのが大事なところなんですね。で、このサハリンのこと最後に申せばですよ、サハリン、サハリンじゃなくて南樺太の韓国の方が韓国に帰れないのは、これ日本のせいじゃないんですよ。これはどうしてかというと、南樺太は今ロシアが、ソ連がまあ、今ロシアですが、ロシアが占領してるじゃないですか。で、ソ連の時代から、韓国よりも北朝鮮と仲いいから、北朝鮮なら帰っていいけど、韓国なら帰っちゃダメって言うから、実は帰れなかったんであって、これは日本の責任じゃないんですよ。だから何か声が大きな相手に合わせて、自分の責任じゃないことまで私たちの税金を使うって、この政治でいいのかっていうことをですね、その、今回の首相談話を機にですね、私たちの政治の在り方として、この65年目の夏だからこそ僕らは、僕らの問題として、僕らも迎合する日々を送ってるんじゃないかということをですね、誰かに迎合してんじゃないかっていうことを、考えるべきじゃないかと思うんです」
岡安譲
「確かにその、ま、我々の反省も込めて言うんですけれどもね、その、えー、韓国人支援、サハリンの、ま、どういうふうに使われているのか実態を我々、報道することがあまりないですよね」
青山繁晴
「そうです。あの、時間ないんですけど、30秒で言いますとね、僕、実際にこの南樺太行って、この韓国の方とお会いしたんですよ。その方がおっしゃったのは、お父さんお母さんが自分の意思で、志を持ってこの樺太に来ましたと。そして自分はそっから生まれましたと。そしてここは、朝鮮人と日本人が手を携えて開発した南樺太です。それをロシア、ソ連に取られて、サハリンと呼ばれて、なぜ平気なのかっていうことを、その韓国の人がおっしゃったんですよ。だから菅さんは談話出すんだったら、実際に南樺太、行かれて、そういう方と会われてから、自分の考えを決めて、誰かに迎合するんじゃなくて、誰かに言われるんじゃなくて、談話を出してほしいと、出し直してほしいと僕は思います」
岡安譲
「まあ談話に関しては、閣内でもさまざまな慎重論もありますし、国民の皆さんもいろいろなお考えがあると思いますが、あの、菅首相が言うようにですね、これが未来志向にどうつながっていくのか、私たちは厳しく見守っていかなくてはいけないと思います。ありがとうございました。“ニュースDEズバリ”でした」
____________________________内容紹介ここまで
菅談話を取り上げて下さって嬉しかったです。
特に、在サハリン韓国人支援について突っ込んで下さったのが良かった。
この件については、マスコミもあまり解説してないですからね。テレビなんかはなおさらです。少なくとも私はテレビで今回初めて見ました。
最近何度も紹介してるのでしつこいと言われるかもしれませんが(^^ゞ、この問題についてまだご存知ない方は、ぜひ07/6/5付:サハリン残留韓国人 日本の“理由なき支援”をご覧下さい。
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※拙ブログ関連エントリー
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
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「7月28日に速報でお伝えした内容を、VTRでご覧いただきます」
【7月28日放送】
山本浩之
「ここでですね、気になるニュースが入ってきました。えー、ホルムズ海峡を横断中の商船三井が運航する大型石油タンカーが爆発し、船体の一部が破損しました。外部からの攻撃とみられるということです」
青山繁晴
「この『アンカー』でも何度も申しました。あの、ホルムズ海峡での事態っていうのがだんだん現実に、だんだんっていうか、急激に現実味を帯びてきたなってことは考えざるを得ない」
村西利恵
「その後、UAE、アラブ首長国連邦の国営通信は、6日、沿岸警備隊の調査チームが、爆発物を積んだ船舶によるテロ攻撃と結論づけたと報じました。この問題を巡っては、アルカイダ系のイスラム過激派組織が犯行声明を出しています」
青山繁晴
「はい。で、あの、もう一回念のため地図見ていただきますと、これがペルシャ湾ですね。で、ペルシャ湾って、ここクウェートです。そしてサウジがあって、この辺はカタールですね。で、ですから、えー、たとえばクウェートやサウジ原産の油とか、あるいはカタールの天然ガスを、日本に持ってくる時に、必ずこの狭いホルムズ海峡を通らなきゃいけないと…」
村西利恵
「どうしても通らないといけない場所ですよね」
青山繁晴
「はい。で、だいたい、ま、原油でいうと、日本に入ってくる8割以上がこのホルムズ海峡を必ず通るってことですから、ここが危なくて通れなくなると、もうこれは直ちに私たちの生活を直撃するわけですね。だから当然これはさっき申した通り、朝鮮半島、アジアからすごく遠くても、日本の死活問題であり、で、しかもこれ、ここに書いてます通り、商船三井のタンカーです。ま、あの、船籍、船の国籍としてはマーシャル諸島ってことになってるんですけど、実際は商船三井の物ですから、日本がどういう情報を取るかってのは大事ですよね。ところが皆さん、報道ぶりで、何だかよく分からないまま、来てますね…」
岡安譲
「○○○○もあまりない状態で来ていますよね」
青山繁晴
「はい。で、その上で、防衛省の内部で話を聞いてみますと、かなりはっきりした、こう、まあ推測をしてまして、それがこれです」
村西利恵
「防衛省の幹部によると、『吸着機雷(リムペット・マイン)による攻撃の可能性が高い』」
青山繁晴
「はい。この吸着機雷、リムペット・マインって、あの、ま、一般にはもちろんあまり馴染みないでしょうけど」
村西利恵
「初めて聞きました、はい」
青山繁晴
「あの、これあの、ここに書いてる通り、吸い付き機雷とかですね、くっつき機雷っていう、あの、言葉を、言い方をする人もいるぐらいでね。要するにその、機雷ですから、その、海で使うわけですけれども。地雷はその土地、地面、機雷は海の、あるいは水の所で使うんですけど、これ吸着と言ってる通り、ま、主には、普通は磁石ですけど、ペタッとくっつくわけですよ。で、船って、あの、どんな船でも基本的に鉄ですからね、あの、大きな船は鉄ですから、そこにピタッとくっついて、つまり、たとえばタンカーですと、小型ボートで夜、全然気づかれないで近づいて行って、これ気づくの無理です、気づかれないように行って、そしてこれペタッとくっつけてですね、そっから逃げて行くわけですよ。で、タイマーかけておいて、時限装置でこれが爆破すると。これまあ、けっこうかなり今まで使われたことがあって、これテロリストだけじゃなくて、実はフランスの特殊部隊が使ったこともあるぐらいなんですね」
村西利恵
「はあー、そうなんですか」
青山繁晴
「はい。で、あの、但しこれ、えー、爆発力はそう高くないと言われてまして、だから今回みたいに16万トンっていう巨大タンカーでしたから、あのようにへこみができたぐらいで船は沈まなかった、それから怪我人も軽傷1人で済んだわけなんですけれども、これが日常的に使われるとなると、これは大変なことで、今たとえば、特に夜間はですね、この小型ボートが近づいてくるなんて、ほとんど見つけられませんから、これあの、日本にとってはほんとに重大な問題なんですよね」
岡安譲
「毎日航行はしているわけですからね、そのホルムズ海峡は」
青山繁晴
「はい。今現在も、たった今もしてます。24時間してるわけですね。で、そうするとこの話、どうしてメディアには全然出てこないのかなと皆さん思われるでしょ?で、その理由のひとつが、実は非常にショッキングなことなんですが、実はこれなんです」
村西利恵
「防衛省幹部によると、『海上自衛隊にアメリカ海軍からの情報が入らない』」
岡安譲
「えっ」
青山繁晴
「はい。ということは、今、この防衛省幹部はさっきの人と違うんです。違う人ですね。違う人ですけれども、防衛省や自衛隊全体を通じて言うと、さっきのリムペット・マイン、吸着機雷を使ったんじゃないかっていうのも、はっきり言うと推測なんですね。で、但しその、勝手に頭ででっち上げたんじゃなくて、たとえば防衛省、自衛隊には情報入らないけど、警察庁の情報部門で」
岡安譲
「警察庁?」
青山繁晴
「はい。警察庁の情報部門で、他の国の情報機関と連携して何とか取ってきて、それを警察庁から防衛省に即情報は入れてくれなくて、間に人を挟んでですね、やっとその情報が届いて、そうするとこれは吸着機雷かなあっていう話ぐらいで終わってるわけですね、今のところね。で、この、なぜ海上自衛隊にアメリカ海軍からの情報が入らないかっていうのは、さっきの地図をもう一度見ていただくと、すぐにお分かりいただけるんですね」
青山繁晴
「はい。これ地図見ていただくと、皆さん、このインド洋っていう、この、ここで思い出すと思うんですが、今日夏休みでお休みのヤマヒロさんがですね、かつてこのインド洋に行って、その海上自衛隊の船に乗って、現場を見られましたね。何の現場かというと、給油活動。このアフガンでテロリストが活動しにくいようにする作戦のために、多国籍軍に協力して海上自衛隊が給油するってことやってきたんですね。で、その時代はですね、ここにこのペルシャ湾にはアメリカ海軍のたとえば第五艦隊がいるんですね。その第五艦隊からもう事細かくこの辺の情勢は、この、ここにいた海上自衛隊の艦船を通じたり、あるいは、東京でもワシントンでも情報交換は実はされてた、あるいはこの辺にある基地の中で情報交換もされてたんですが、えー、政権交代の後、インド洋から海上自衛隊は撤収しましたね。で、今のこのアデン湾のところに海賊対策ではいるんですけど、それは全然この、あの、海賊対策の話と、この、ここ(アフガン)のテロ対策とは違う話ですから、第五艦隊はもう、日本に情報与えないってことになってるわけです」
村西利恵・岡安譲
「与えない…」
青山繁晴
「はい。で、これはね、要するにアメリカ勝手なことするなと僕は思ってるんですけど、思ってるだけじゃなくて、アメリカ側に言ってるんですが、これまあ、あの、軍隊同士、自衛隊が軍隊かどうか別にしてね、国際社会では軍隊として扱われますから、軍隊同士の情報交換ってのは必ず、その、情報を何に使うのか、情報がなぜ必要なのかってはっきりしないと渡さないって、それ原則は確かにあるんですよ。それで、この件で僕はアメリカ側とかなり議論をしましたけれども、そうすると、いや、インド洋にいないんだから、その第五艦隊が情報与える必要ないと、海上自衛隊にとっては必要ないんじゃないかって言われるんですよ」
村西利恵
「日本には関係ないだろうってことですか?」
青山繁晴
「ええ。もうちょっと待って下さいですよね。これ商船三井、日本の船で、そしてあの、油や天然ガスが日本に行ってること、アメリカも分かってるわけですから。だから、その単にインド洋から撤収したからこれはしょうがないねって話じゃなくて、アメリカ、何でそんな急に冷たくなったのってことやっぱり言えるんですよね。で、情報取れない、まあ防衛省にももちろん責任はありますけれども、いずれにしろ、アメリカの態度がずいぶん変わってきたっていうのは言えるんですね。で、そのアメリカの態度が変わってきたもっとある意味、もっとって言っていいのかな、同じように深刻な話が実はありまして、それは実は私たちのアジアでの話なんです。はい、またちょっと地図を出してくれますか」
村西利恵
「今この南シナ海では、アメリカと中国がにらみ合ってるという状況です」
青山繁晴
「はい。これあの、どっとたくさん地図が今出たんですが、皆さんまず注目してほしいのはですね、あの、このあたり東シナ海ですね。で、東シナ海にご承知の通り、私たちの領土の尖閣諸島があってですよ、私たちの領土なのに、中国がそこに手を伸ばしてきて、で、少なくとも、国際社会でフェアに言われてるこの中間線じゃなくて、中国は、いや、大陸棚がここまで延びてて、これ沖縄ですけど、沖縄のすぐ西まで全部中国の海なんだと言ってて、ここ揉めてるわけですよね。で、揉めてる東シナ海は日本のいわばお腹、柔かいお腹のようなものであって、その足下がこの南シナ海なんですね。で、この南シナ海でもこの尖閣諸島と似た状況があってですよ。これ、ひとつはパラセル諸島って言いまして、ベトナムのずいぶん沖合い、ま、中国からもすぐ近いですけど、これ中国は西沙諸島って言ってますけれどね。それからもうひとつ、もうひとつ、ちょっと南のスプラトリー諸島、これは南沙諸島とも言ってますけれど、この島々を巡って、ここに書いてある国々が、ま、ほとんど全部争ってるわけです。この西沙諸島で言うと中国・ベトナム・台湾が争ってて、それからスプラトリーで言うと中国・ベトナム・台湾に加えて、フィリピンやマレーシア・ブルネイまで、これ領有を主張して争ってるんですが。皆さんこれ、東シナ海のところにアメリカはあんまり口出ししないっていうか、してくれないっていうか、ね。かつては、もうモンデールさんって辞めた大使ですけど、関係ないって言った人もいるわけですよ、アメリカは」
岡安譲
「そうですね」
青山繁晴
「ところが今、ここにはどうしてるかって言うとですよ、こいつが出かけて行ってるんです。はい、ちょっと出してくれますか」
村西利恵
「それがアメリカ海軍の原子力空母、ジョージ・ワシントン」
青山繁晴
「はい。これジョージ・ワシントン、実際に見ると、まああえて言うとド迫力の、凄まじい、もうこれだけでいくつかの国を潰すことができるっていう代物ですね。で、これまた、あの、飛行機がこれ飛んでいった状況で写ってるけど、これ実際にはこれもうたくさんこう載っかってたりね」
青山繁晴
「そのジョージ・ワシントンは、実は普段ここ(地図の右上端の日本を指して)にいるんですよ、これ。ここ。つまり私たちの横須賀、そこが母港になってるわけですね、アメリカ第七艦隊の空母ですから。で、この第七艦隊の空母がこっから出かけて行って、そこに行ってるかというと、このダナン。ベトナムの真ん中へん。ベトナム戦争時代の激戦地ですね。このダナンの沖合いに、ここに現れたわけですよ。そうすると中国から見るとですよ、もう喉元にこのジョージ・ワシントンが現れたわけで、皆さんさっきの北朝鮮の話でね、このジョージ・ワシントンがここ(黄海)で訓練する、しないで、何かそれは日本でよく報道されてたじゃないですか。で、その時、中国が嫌がるからっていうんでここには来なくて、日本海でやったでしょう?ところがですよ、そのあと、ここ(ダナンの沖合い)にいるわけですよ、ジョージ・ワシントンが」
村西利恵
「穏やかではないですね、うん」
青山繁晴
「はい。で、しかもここに来たのは8月8日ですよ。3日前。たった今、進行中の事態なわけですね。で、これ軍が勝手にやったんじゃなくて、その、実はこの背景には、オバマ政権のこういう決断があります。はい、出して下さい」
村西利恵
「アメリカのクリントン国務長官は先月23日、ASEAN地域フォーラムに出席し、『南シナ海の航行の自由はアメリカの国家利益』だと話しました」
青山繁晴
「ええ。これ、そもそもこの、ASEAN地域フォーラム、その、ASEAN、東南アジア諸国連合ですね、えー、ベトナムも含んだ東南アジア諸国と、諸国が話し合いしてて、そこに中国やアメリカもオブザーバーとしてやって来るわけですけど、その、その会議の席に、クリントン国務長官がわざわざ現れてですね、この発言は僕もその、先月23日に伝わった時には、ちょっとびっくりしました」
村西利恵
「今までこんなことおっしゃってましたっけ?」
青山繁晴
「いや、こんなにはっきり言ったことはないですね。で、これあの、原文でもですね、The United States has national Interst.、まさしく、南シナ海の問題はアメリカの国益だと言ってるわけですよ。はるか遠くの、ね。何かベトナム戦争を思い出すような話ですよね。ベトナムはあの、アメリカの国益だと当時言ってたわけですから。ところが今回はそうじゃなくて、その、昔、60年代、70年代までベトナム戦争で戦ったアメリカとベトナムが手を組んで、中国に向かい合うってことなんですよ。で、ちょっとすみません、あの、さっきの地図、戻れますかね。これに対して中国はこれ黙って見てるんじゃなくて、その、大変なことになってですよ」
青山繁晴
「このあたり広東省なんですけれども、このあたり広東省なんですけどね、このあたりに何と核ミサイルの基地を建設してるっていう情報があるわけです、核ミサイルですよ」
村西利恵
「へえー」
青山繁晴
「だからいざとなったらこの辺に撃ち込めるぞっていうね、その、スタンスを見せると同時に、中国海軍が南下して、この辺で激しく動いてるわけですね。で、そうすると皆さんは、その、僕たちやっぱり考えなきゃいけないのは、この、僕たちの足下でこんな危機的状況がなってるのに、日本政府がこれについて何か発言したこと全くない。そしてメディアでも、ま、はっきり言うとほとんど報じられない。それだけじゃなくて、その、僕らが考えなきゃいけないのは、ちょっとアメリカ待って下さいよと。この、東シナ海の尖閣諸島の問題では知らん顔してですよ、ここではこんなにはっきりしてんのかと、いうことになるわけですね。で、これに対するひとつの答がね、実はこれなんです。ちょっと出してくれますか」
村西利恵
「はい。アメリカのルース駐日大使は、『日本は何をやろうとしているのか分からない』と話していると」
青山繁晴
「はい。で、たとえば、あー、あの、これルースさんと僕はこないだ、あの、ブルー・リッジっていう船の上でね、話した非公式の話ですから全部お話しするわけにいかないですけれども、たとえばさっきの尖閣諸島の問題でも、日中中間線であくまで断固として日本はやるのかどうか、よく分からないと。普天間も移したいのか移したくないのか、よく分からない」
岡安譲
「そうですねー」
青山繁晴
「インド洋も続けたかったのか、いや、国家の意思としてはっきりやめたのか、よく分かりませんと。何だかよく分からないから、青山さんがムキになったって、アメリカも手の打ちようがないじゃないかっていうのが、正確な言葉ではありませんが、ルースさんがこないだ僕に伝えたことのひとつなんです。そうすると皆さん、さっきのベトナムの話っていうのはですね、実はベトナムは非常に意思がはっきりしてて、さっきの地図、戻らなくていいですが、頭をもう一回、思い浮かべていただくと、あの中国からですね、さっき皆さん見ていただいた東南アジア諸国に最近どんどん武器を売ってるんですよ。で、たとえば、かつては、その、反中国の砦だったインドネシアにも、それから中国の膨張に警戒的だったマレーシアも、もう今年を境にどんどん中国の武器を買っていってるんです。その中でベトナムだけが、断固、中国製の武器は安くても買わないんですよ。だからそれを通じてベトナムが口先だけじゃなくて、中国とはフェアに向かい合うって言ってるから、アメリカとしてはこれやりやすくなって、さっき言った通り、その、ジョージ・ワシントンが動いたりってことになるわけですよ。だから日米同盟って言うけれども、日米同盟が何だかもうよく分かんないことになってて、その、むしろアメリカとベトナムの同盟、かつての戦争を乗り越えた、そういうのが進んでるってことに僕らやっぱり注目しなきゃいけないです。但しですよ、この話は、何かアメリカが構ってくれないから、アメリカが面倒見てくれないから日本ははずれ者になるのかっていう話ではありません。そうじゃなくて、あくまで日本が主体となって、たとえば日米同盟だったら私たちの国益に、どのように活かすのかが大事で。ということは、私たちがこれからどうすべきか考える上で、たとえばルースさんと話すだけじゃなくて、アメリカ側と話すだけじゃなくて、日本のキーパーソンと話さなきゃいけないと思いましたので、えー、実は僕は一昨日、ですね、あ、すみません、昨日ですね、えー、昨日の朝から昼にかけて、この人に会いに行きました」
村西利恵
「それが山岸章氏。『連合』の初代会長を務めた方です」
青山繁晴
「はい。山岸章さん。えー、全国民が知ってる人じゃないかもしれませんけども。一番大事なのはこの人は、民主党の最大のスポンサーの連合の初代会長であると同時に、はっきり言うと、作った人です。連合をまとめ上げた人で。で、この人は、山岸さんは、非自民政権、自民党の一党支配を打ち破るってことにもう執念を燃やした人で。だから小沢一郎さんと一時期手を組んで細川政権を作った」
岡安譲
「連立内閣を…」
青山繁晴
「で、そのあと細川政権が崩壊して、羽田政権も潰れたら、小沢さんに対して怒って、連合会長もう辞めてしまった、潔く辞めてしまった人なんですが、未だに、強い影響力を連合と民主党に対して持ってるんですね。で、この人に会いに行きました。えー、この写真では分からないけれども、昨日ご本人にも言ったんですよ、この目がね、きれいなんですよ。労働界っていうのは政界以上に厳しい権力闘争の場所なんですが、そこで生きてきた人なのに、目がなぜかきれいでね。えー、昨日それを言ったら、山岸さん、あの、照れに照れてましたけれども、その、目のきれいな山岸さんが僕に言われたことを後半にお話しするんですが、そのキーワードは、これも、あえてこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは『味方も絶望』。山岸氏との対談ではどんな話が飛びだしたんでしょうか。CMのあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
岡安譲
「青山さんは、連合の初代会長の山岸さんにお会いしたということなんですが、CM前のキーワードは、『味方も絶望』でした。一体どういうことなんでしょうか。詳しくお願いします」
青山繁晴
「はい。この山岸さんが、連合を作られた時の組合員てのは800万人いたんですね」
村西利恵
「すごい数ですよね」
青山繁晴
「はい。で、今現在は600万人台にまで減って、まだこれからも減るんじゃないかと言われててですね。だから山岸さんとしては言いたいことがたくさんあるそうですが、でもこの山岸さん、さっき目がきれいと申したのも、あの、適当に言ったんじゃなくて、すっごく男っぽい潔い人なんで、その、二度と口出ししたくないっていう信念がありましてね。だから実はいろんなテレビの取材は全部お断りされてるんですよ。で、今回受けていただいたのは、実は、あー、えー、私の動画を流してるインターネットテレビの取材として、その、お会いしました。だから、今回も動画はこの番組でも流すことはできません。そのお話のエッセンスだけはですね、今日皆さんに申したいと思うんですが。えー、さっきキーワードで出しました通り、民主党政権、非自民政権にとっては山岸さんは強い強い、一番大切な味方なわけですけど、その味方の人が非常に厳しいことをおっしゃったんですね。で、そのうちのひとつがこれです」
村西利恵
「日韓併合100年の『首相談話』について、『村山談話の上塗りで、なぜ首相談話を出すのか理解できない』と」
青山繁晴
「はい。これ、まさしく、昨日の閣議で決定された首相談話なわけですね。この『アンカー』でもやったと思いますけれども。えー、日韓併合の条約が発効してから100年になる。それについて、菅さんが改めて、お詫びという意味の談話を出されたわけですけど。これをこの山岸さんは、あれは村山談話の上塗りで、何で出さなきゃいけないか理解できん!と、非常に激しい口調でおっしゃいました。で、村山談話ってのは皆さんご承知だと思うんですけれども、自民党が社会党と一緒になって、社会党の村山さんと一緒になって政権を作ってですね、95年に、その、当時の村山総理が、えー、これは韓国にだけ向けたんじゃなくて、アジア全体に対してですね、あの、先の大戦について、ま、お詫びをされるということを談話として出されたんですね。で、実はその村山談話自体も、この、意外かもしれませんが、山岸さんは批判的で、あれは、むしろ自民党が社会党の左派に媚びて出したような談話であって、それ以上は批判されませんよ、たとえば謝罪そのものについて山岸さんは批判はされませんけれども、そういう誰かが誰かに媚びて出すようなものは良くないと、国家の意思としてそれは良くないんじゃないかってことを、実はこれは前からおっしゃっていて、で、その上塗りをするような今回の菅さんの談話っていうのは、実は山岸さんから見たらこう見えるってことなんです。はい、出して下さい」
村西利恵
「『菅総理はその場しのぎで迎合しているだけ』」
青山繁晴
「はい。で、この迎合ということはですね、この山岸さんは、この日韓の談話だけじゃなくて、たとえば消費税については、その、財務省に迎合してたり、あるいはこの、その日韓の談話も韓国の国民の声に迎合する、だけじゃなくて、たとえば今の内閣で実力を持っていると言われる仙谷官房長官に迎合したんじゃないかと。そのために、たとえば玄葉政調会長のように反対意見のある人の意見をよく聞かずに、声が大きい、強いものに対してどんどん迎合していくと。それもう全部その場しのぎで、何が理念で哲学なのかってことがよく分からないってことを、非常に厳しい言い方でおっしゃって。そして僕が、じゃあ9月に民主党代表選挙ありますが、誰がやったらいいんですかと言ったら、青山くん、これは残念ながら、もう誰も思い浮かばないと。その、また菅首相が替わるのは良くないってことを思うだけであって、菅がいいとも、他の誰がいいとも思えない、日本は深い深い霧の中にあると言われまして、僕は、山岸さん、あなたの口からそんな絶望的な言葉聞くとは思わなかったと言ったんですが、山岸さんは、いや、これが現実だとおっしゃったんですね。そしてその上で、この菅さんの談話が国際社会からどう見られるかっていうことを、皆さんちょっと見ると、こうです」
村西利恵
「『首相談話』は国際社会からどう見られるかというと、国家間で条約を結んでも追加があり得るという印象を与える。それから、声の大きな相手に合わせるんだと思われてしまうと」
青山繁晴
「はい。これは山岸さんのお話じゃなくて、僕がいくつかの国の政府当局者に電話で聞いてきたことを総合して申すんですが、まず日韓基本条約があって、そこでたとえばその、補償問題その他もケリがついてるのに、なぜあとでいろいろ追加しなきゃいけないのかと。ということは日本は国家で条約結んでもですね、それが何となく曖昧になっていく国なのかって、こういう懸念をかなり聞かされました。それともうひとつ、こっちの方が大きいんですが、相手が声が大きかったら、それに全部合わせるんですかと。というのはですね、今回の談話は大きな問題1個あってですね。その、韓国民、韓国の意思に反して日韓併合条約が結ばれたって趣旨が今回の談話に入ってるんですが、これはずーっと日本政府は、あの条約は結ばれた当時は正当な条約だったと、その後無効かどうかは別にして、あの当時は正当な条約ですという立場を守ってきたんですよ。それがするっとね、いやあの、韓国の意思に反してたんだってなるから、いや、じゃあ要するに条約とか、その、今までの政府解釈が大事なんじゃなくて、その時の声の大きな相手に合わせるのかって疑問を持ってるわけですね。で、それを考えると、さっきのたとえばあの、ベトナムのことで言えば、ベトナムは本当はリスクはあるわけでしょ。つまり、たくさんその、アジア諸国は中国の武器を買って、中国に擦り寄ろうとしてるのに、ベトナムだけそれに反対するってことはですよ」
岡安譲
「確かに大きいリスクですね、うん」
青山繁晴
「その、ASEANが分かれるかもしれないと。分かれちゃうかもしれない、そのリスクをあえて犯して、国家の意思を示してるわけじゃないですか。それがなくて、その、迎合する国なのか。そうするとアメリカから見ても、ちょっと付き合いできないなあということになるんですよ。そして最後に、この菅さんの談話は、新聞にもずいぶん出てますけれども、テレビでもずいぶんやりましたが、ひとつ肝心なところがわりと抜けてると思うんですね。あんまり報道されてない。それは最後に、これです」
村西利恵
「談話の抜粋です。『これまで行ってきたいわゆる在サハリン韓国人支援、朝鮮半島出身者の遺骨返還支援といった人道的な協力を、今後とも誠実に実施していく』」
青山繁晴
「はい。これ、まずサハリンじゃなくて、これロシア語ですから、これもういい加減にしてほしいと思うんですが、これ自民党政権時代からずっとそうですよ、民主党だけの問題じゃなくて。これサハリンじゃなくて樺太ですよ。正確に言うと、私たちの領土であるところの南樺太に、かつて日韓併合時代に韓国の方々が渡って、それがまだ韓国に戻れないでいらっしゃる方もいたと、いうのを、もうほんと数は少ないんですけれども、その問題を、その、日本が協力して何とかしましょうと。で、それ人道的って言葉入ってるから、何となくすっと入ってくるでしょうが、これ本当はかなりおかしな話なんですね。で、これ予め申しておきますが、これ菅さんだけがおかしいんじゃなくて、これ、この支援ていうのは自民党政権時代からやってるんですよ」
岡安譲
「そうですね」
青山繁晴
「たとえば安倍政権の時も予算増やして3億円出したりしてるわけですよね。だから今日はその、菅さんが迎合してると山岸さん言ってるけども、それだけじゃなくて、日本の政治は自民党時代からずっと声の大きな相手に迎合してきた政治じゃないのかっていうのが大事なところなんですね。で、このサハリンのこと最後に申せばですよ、サハリン、サハリンじゃなくて南樺太の韓国の方が韓国に帰れないのは、これ日本のせいじゃないんですよ。これはどうしてかというと、南樺太は今ロシアが、ソ連がまあ、今ロシアですが、ロシアが占領してるじゃないですか。で、ソ連の時代から、韓国よりも北朝鮮と仲いいから、北朝鮮なら帰っていいけど、韓国なら帰っちゃダメって言うから、実は帰れなかったんであって、これは日本の責任じゃないんですよ。だから何か声が大きな相手に合わせて、自分の責任じゃないことまで私たちの税金を使うって、この政治でいいのかっていうことをですね、その、今回の首相談話を機にですね、私たちの政治の在り方として、この65年目の夏だからこそ僕らは、僕らの問題として、僕らも迎合する日々を送ってるんじゃないかということをですね、誰かに迎合してんじゃないかっていうことを、考えるべきじゃないかと思うんです」
岡安譲
「確かにその、ま、我々の反省も込めて言うんですけれどもね、その、えー、韓国人支援、サハリンの、ま、どういうふうに使われているのか実態を我々、報道することがあまりないですよね」
青山繁晴
「そうです。あの、時間ないんですけど、30秒で言いますとね、僕、実際にこの南樺太行って、この韓国の方とお会いしたんですよ。その方がおっしゃったのは、お父さんお母さんが自分の意思で、志を持ってこの樺太に来ましたと。そして自分はそっから生まれましたと。そしてここは、朝鮮人と日本人が手を携えて開発した南樺太です。それをロシア、ソ連に取られて、サハリンと呼ばれて、なぜ平気なのかっていうことを、その韓国の人がおっしゃったんですよ。だから菅さんは談話出すんだったら、実際に南樺太、行かれて、そういう方と会われてから、自分の考えを決めて、誰かに迎合するんじゃなくて、誰かに言われるんじゃなくて、談話を出してほしいと、出し直してほしいと僕は思います」
岡安譲
「まあ談話に関しては、閣内でもさまざまな慎重論もありますし、国民の皆さんもいろいろなお考えがあると思いますが、あの、菅首相が言うようにですね、これが未来志向にどうつながっていくのか、私たちは厳しく見守っていかなくてはいけないと思います。ありがとうございました。“ニュースDEズバリ”でした」
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この件については、マスコミもあまり解説してないですからね。テレビなんかはなおさらです。少なくとも私はテレビで今回初めて見ました。
最近何度も紹介してるのでしつこいと言われるかもしれませんが(^^ゞ、この問題についてまだご存知ない方は、ぜひ07/6/5付:サハリン残留韓国人 日本の“理由なき支援”をご覧下さい。
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