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IWC年次総会〜日中韓露が連携してます

 今日1本め。

 1コ前のエントリー(6/16付:IWC年次総会〜今年は捕鯨支持国が過半数?)の続報です。

 1コ前をお読みいただいてない場合、話が見えにくいと思います。
 未読の皆さん、お手間でなければ1コ前からお読み下さい。
 
日本支持、過半数に達せず IWC総会
 【バステール16日共同】カリブ海のセントクリストファー・ネビスで始まった国際捕鯨委員会(IWC)総会は16日、日本の提案について2回の投票を実施、いずれも小差で否決した。
 今総会では、商業捕鯨再開を主張する日本に理解を示す捕鯨支持国が初めて過半数を占める可能性が高いとされていた。しかし、支持派と目された国が欠席するなどして賛成票が伸びず、昨年同様、反対派が2−3票上回る結果となり、今総会での過半数確保は難しい情勢となった。
 日本提案は、イルカなど小型鯨類に関する議題の議事からの削除と、秘密投票の導入の2件。小型鯨類問題は、日本が以前から「各国や地域の漁業管理機関に任せるべきで、IWCの管轄外だ」と主張していた。
(共同通信) - 6月17日11時16分更新

 今年こそ!という期待が高まっていただけに、残念でなりませんわ。
 これでまた不毛な議論の応酬に逆戻り?はぁぁ〜脱力(T^T)
 もう日本はマジでIWCを脱退するか、それが無理ならIWCの枠外で捕鯨支持国独自の会を作って、そこで建設的な議論をするようにした方がいいのでは?

 IWCセントキッツ・ネーヴィス 現地レポート・ブログに、2回の投票の詳細がレポされています。

2006年06月17日 02:45 議題の採択の中で日本の提案に投票が行われました
議題の採択の話し合いの中で、議題15.1-2「小型鯨類に関する科学委員会の報告後に行われる討議とコミッションとしての行動についての討議」を議題から削除するよう日本が提案を行いました。

投票の結果、
* YES(日本の提案に賛成)→30
* NO(日本の提案に反対)→32
* 棄権→1

で日本の提案は否決されました。
投票結果は次の通りです。
(以下略)

2006年06月17日 04:25 日本が提案した「無記名投票」について投票が行われました
小国を投票妨害から守るため、議長の選出や開催地の決定などで一部行われている無記名投票の対象を広げるよう、日本は投票ルールの修正を提案しました。

日本はコンセンサスで可決されれることを望みましたが、全会一致の賛成が得られなかったため、投票が行われました。
* YES(日本の提案に賛成)→30
* NO(日本の提案に反対)→33
* 棄権→1

日本の提案は否決されました
日本の提案趣旨
あるコミッショナーが無記名投票を要請した場合、5カ国以上の賛同があれば無記名投票を行うことができる
投票結果は次の通りです。
(以下略)

 略しちゃいましたが、どの国が日本の提案に賛成し、どの国が反対したかという投票内容が、上記各エントリーに掲載されています。
 見ていただくとわかるけど、欧米は見事なぐらいに「NO」が並んでますわ。

 ↓意外だったのはこれ(上記エントリーから抽出。2回とも同じ)。

中華人民共和国 yes
日本 yes
大韓民国 yes
ロシア連邦 yes

 2回の投票ともに日中韓露が一致団結!これはビックリ!(O.O;)(o。o;)

 となると、1コ前のエントリーで紹介した↓これは一体何だったんでしょう?

【中国】「日本の捕鯨に断固反対」98%、中国で強い反発

 「近い将来発生するであろう食糧問題に備えて、ここはひとつ商業捕鯨の再開のため、日本と協力した方が得策だ」とか中国は考えたんでしょうか?ようわからん。
 前回まで中国がどういう姿勢できたのかを調べてみないと、何とも言えませんなぁ。
 ということで、今ざっと調べてみました。

 ↓まずは、外務省サイトから去年のIWC総会のまとめから。

第57回国際捕鯨委員会(IWC)年次会合結果
平成17年6月24日
1.日程等

(1)平成17年6月20日(月曜日)〜24日(金曜日)、於:ウルサン(韓国)
(2)参加国:IWC加盟国66ヶ国のうち59ヶ国

2.我が国代表団

 森本IWC日本政府代表、中前水産庁次長、末永水産庁資源管理部審議官、岩藤俊幸外務省経済局漁業室長他約80名。また、鈴木俊一自民党捕鯨議員連盟会長他17人の国会議員(注1)が参加。

(中略)

3.主な議題の結果概要

(中略)

(5)朝鮮半島沖のミンククジラ目視調査

 韓国は、朝鮮半島沖でのミンククジラ資源目視調査につき、周辺国及びその他の科学者がIWC科学委員会と協力しつつ、調査計画の策定、データの解析等にあたり協力する旨の決議案を提案し(我が国、ロシア及び中国が共同提案国)、コンセンサスで採択。本決議の採択は、韓国にとって今次会合の大きな成果との位置付け。

 おお、去年の総会でも日中韓露が連携してますがな。
 (ついでに言うと、水産庁の小松政之さんは去年の時点ですでに代表団から外されてたことが判明(T^T))

 ↓これは去年のサーチナの記事。

中国メディア:捕鯨で日本非難、自国政府とも距離
2005/06/14(火) 10:06:41更新
 国際捕鯨委員会(IWC)第57回年次会合総会が6月20日から24日の日程で、韓国のウルサンで開催される。それに関連して、中国のマスコミはさかんに捕鯨問題を紹介する記事を報道しているが、その多くが日本の姿勢を強く非難したものとなっている。これまで中国政府はIWCの年次会合の投票では、おおむね日本と同調しており、マスコミの論調とこれまでの中国政府の投票行動に食い違いも見られる。
 中国メディアの多くは、国際的な反捕鯨派の論拠にもとづいて日本を非難していると思われる。中国青年報は「鯨は海洋において、もっとも美しい存在の一つ」「鯨の種類の多くが絶滅の危機に瀕している」「海洋汚染、船舶との衝突などの他に、彼らにとって最も大きな直接の脅威になっているのが、日本などごく少数の国が、やりたい放題に捕鯨を続けていることだ」などとしている。
 捕鯨に関して日本を非難する記事のタイトルの中には「毎年2000トンの鯨肉を飲み込む日本が、商業捕鯨を公然とアピール(中国青年報)」「冷血な日本が大口を開けて鯨を飲み込む(合肥報)」など、相当に扇動的なものも見られる。
 中国政府は、捕鯨そのものに対しては一貫して反対の立場だが、IWCの総会における投票行動では、これまでのところ日本と歩みよろうとする姿勢を示してきたといえる。第56回総会では、投票の対象となった8項目の議題に関して、すべて日本と同一票。また、55回総会では全9項目の議題の投票に関して、1項目で棄権した以外には、日本と同一票を投じている。
 したがって、中国メディアの強い日本非難と、中国政府の捕鯨に関する投票行動には、一定の距離がみられると考えてよい。(編集担当:如月隼人)

 な〜んだ。中国政府は捕鯨では基本的に日本と協調してるんですね。日本を批判してるのは、中国メディアだけだったんですね。
 私はまたてっきり中国共産党がメディアに書かせてるのかと……。
 (ただ、中国政府が「捕鯨そのものに対しては一貫して反対の立場」であるなら、なぜ日本に同調するんでしょう?謎ですね)

 そういや1コ前のエントリーで紹介した2つの中国関連記事をよーく読んでみますと、確かに「中国政府が日本批判をしている」とは書いてませんわ。
 私の早とちりってことで。すみません<(_ _)>

 でもSAPIOの記事も悪いよね。“中国は「捕鯨」を「反日カード」にしようとする節があり”って書いてたもん。
 この表現じゃ「中国」=「中国政府」って思っちゃいますよ(言い訳(^^ゞ)。

 だけど中国において、政府の政策とメディアの論調とがこんなに乖離してるという例も珍しいのでは?

 最後に、ちょっと救われた記事をご紹介。
 捕鯨問題に関して日本には厳しい姿勢を取り続けているイギリス。
 そのイギリスの雑誌が日本擁護。

英誌、日本に理解 商業捕鯨再開問題
 【ロンドン16日共同】17日付の英誌エコノミスト最新号は、国際捕鯨委員会(IWC)での商業捕鯨再開の是非をめぐる対立について、水産資源としての鯨の保護を目的とするIWCの設立趣旨に照らせば「日本が商業捕鯨一時禁止の再考を求めるのは正当なことだ」と指摘する記事を掲載した。
 捕鯨反対派の勢力が圧倒的な欧米で、メディアが捕鯨国に一定の理解を示す論調を打ち出すのは珍しい。
 同記事は、鯨の数が増加している上に「希少なシロナガスクジラ、ザトウクジラを捕獲しようとの意見は(日本を含め)どこにもない」とし、日本やノルウェーが調査捕鯨や商業捕鯨を行うミンククジラは「科学的調査によれば豊富にいる」としている。
(共同通信) - 6月17日10時15分更新

 論理的な話ができる欧米人が、少数ながらも存在しているのがわかっただけでも嬉しい。
 この流れが欧米で広がっていけばなぁ。無理だろうけど。

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Comments

くっくりさん、今日はお休みかと思ってました。

私はIWCの脱会には反対です。脱会してしまえば、捕鯨反対の国とか(金目的の宗教団体のような)環境保護団体とかが、今以上に出鱈目で根拠のない日本批判を繰り広げるでしょう。今は少なくとも、日本がIWCのルールに則って調査捕鯨をしていることは(馬鹿を除けば)奴らもわかっているでしょうが、脱会してしまえば、日本は奴らの餌食になりますよ。

確かに不毛な議論ばかりのようですが、今回くっくりさんが紹介された英国のマスコミのように、賛成・反対の両者の主張を、冷静に聞く耳を持つ人(まともな頭を持ってなければ駄目ですが)が増えれば、状況も変わってくるでしょう。実際の投票は金次第という感じですけど・・・。
なんにせよ、ここまで粘ってきたのですから、意地でも残るべきだと思います。

中国のマスコミ(というか、中共の宣伝機関)は中共政府を批判しない限り、その主張がダブルスタンダードであろうがなんだろうが、日本批判ができれば、それでいいんでしょう。
そして、中共政府も自分達に刃を向けてこない限り、マスコミの自発的な日本批判は容認する、と。
これで、中国のマスコミが「政府が日本の提案に賛成した!許されざる暴挙だ!」と、批判すれば面白いですが、華麗にスルーするんでしょうね。

ま、こんな奴らの言うことを気にる必要はありませんな(* ̄- ̄)y─┛~~ 。
桜竹梅 | 2006/06/18 03:04 AM
私もSAPIOの記事でてっきり中国は反対と思っていただけに意外でした。
日本の提案、秘密投票は是非ともやって欲しいですね。そうすればグリーンピースが幾らお金をばらまいても無意味になりますからね。
それと韓国の小型鯨の密漁、こういうのをちゃんと取り締まって欲しいです。
梅干し | 2006/06/18 11:04 AM
なぜ、中韓露が日本に賛成なのか?なんか裏がありそうで、いやです。

それにしてもIWC、国連共々腐ってますね。
そもそも鯨が減ったのは欧米の乱獲が原因なのに、自分たちが行ってきた悪行には目もくれず、身勝手ですね。
ねこぱんち | 2006/06/18 02:32 PM
皆さん、コメントありがとうございます。
いつも個別にレス差し上げられず申し訳ありません<(_ _)>

松竹梅さん:
「脱会には反対」「ここまで粘ってきたのですから、意地でも残るべき」、冷静に考えれば本当にそうです。
私もたいがいキレ性なもので、「これはもう見込みがないな」と思うと、「次行こう、次!」とすぐに考えてしまうんですよね〜。悪い癖です。実生活もそんな感じで、転職を何度も繰り返してしまいました(^^ゞ

ちなみに最新のニュースによれば、

■日本の沿岸捕鯨要求を否決 IWC正常化へ有志会合http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060618-00000069-kyodo-int
>日本はまた、交渉がほとんど進展しない「機能不全のIWCを正常化する必要がある」として、その方策を議論する「有志会合」を、来年の総会より前に開くことを提案。主に捕鯨支持国が賛同し、19日に初の準備会合を持つことになった。

とのことです。

ほんと今回の英誌のように、公正な立場から報道をしてくれるメディアが少しずつでも増えていくことを願います。そうすれば機能不全のIWCもちょっとはマシになるかも。そのためにも今後、日本の官民あげての広報がよりいっそう大切になってくるでしょうね。

しかしIWC総会のことを、いや、そもそも捕鯨問題が今どうなってるのかとか、そのへんを日本のマスコミはほとんど伝えてないですよね。これも問題だわ(T^T)
くっくり | 2006/06/19 12:40 AM

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