「アンカー」北がミサイルを“撃たない”理由&安倍・ケリー会談は北より中国
★★4/16付:西村眞悟さんが靖国参拝、アルジェリア事件、拉致問題、国防について語ってくれました 素晴らしい質疑だったのにネットでいまいち話題になってないので不思議です。中山成彬さんの時と違って動画も消されてないし(^_^;★★★
※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■4/17放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
挑発を続ける北朝鮮、ミサイル発射か対話か、真の狙いを青山ズバリ
北朝鮮はミサイルを「撃たない」のではなく「撃てない」。その理由とは?
後半は安倍総理とケリー国務長官の会談の深層。やはり安倍さんはこれまでの総理とは違うというのが分かります。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
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内容紹介ここから____________________________
山本浩之
「さ、そして、このあとは、青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーに移りたいと思いますが、今回はどのようなお話でしょうか」
青山繁晴
「はい。あのー、ま、世界っていうか世の中っていうか、あの、北朝鮮のミサイル撃つ撃たないの話がずーっと続いてる最中にボストンの、衝撃的なテロも起きてですね、ま、メディアどうしてもそっちこう流れるんですが、あの、テレビをご覧になってる方々、視聴者、国民の方々は、北のことを決して忘れてないと思うんですよ。その、ボストンはボストンとして、あるいは、そのボストンのテロの一報を聞いた時に、北朝鮮かと思った人もいっぱいいると思うんですよね。えー、僕もちらっと思いましたよ実は、専門家のはしくれの僕も。まあ北朝鮮はアメリカに直接テロをやるような度胸はないですから、その可能性はほとんどないですけれども。しかし北朝鮮のミサイル撃つ撃たないの話は一体どうなったんだと思ってる人多いと思うんですよ。そして、撃ってないのは事実ですね。撃ってない、撃たない、撃たないって報道はあるけど、なぜ撃たないのかっていう根本のところに触る報道がやっぱり少ないと思うんで、今日は皆さんとそれを一緒に考えてまいりたいと思うんです。えー、今日のキーワードは、これです(フリップ出す)」
山本浩之
「『国際政治に偶然はない』」
青山繁晴
「はい。えー、実はこの北朝鮮がミサイル撃つ撃つって言って、ま、公式には言ってないけれども、撃つ構えを見せながら撃てない、撃たない。撃てない、あるいは撃たない。そこに偶然かのように、起きた大きな出来事があって、実はそれは偶然じゃなくて、一言申せば、実はアメリカの、戦略だったと。アメリカの戦略があって北朝鮮は今、ミサイルを撃たない、あるいは撃てないでいるんだということをですね、一緒に考えたいと思います」
山本浩之
「分かりました。詳しいお話は、コマーシャルを挟みまして青山さんに解説していただきたいと思います」
(いったんCM)
山本浩之
「さ、北朝鮮はミサイルを撃つのか、撃たないのか、あるいは撃てないのか。なぜなんでしょうか。えー、さっそく解説お願いしたいと思います」
青山繁晴
「はい。皆さんここに、ミサイル発射延期か? “撃たない”真相、というふうに書いてもらったんですけど、ま、撃たないっていうか今のところ撃ってないっていうことですね、正確に言うと」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「それで、本当は、金正恩第1書記をはじめとして、北朝鮮は、もう、もっと早くに、撃っておきたかったんですよ」
村西利恵
「撃ちたかった」
青山繁晴
「撃ちたかった。はい。それはどういうことかというと、これです」
村西利恵
「世界のインテリジェンスのこれまでの見方は、『4月15日の太陽節、故金日成国家主席の誕生日までには、撃つだろう』というものでした」
青山繁晴
「はい。あの、インテリジェンス、機密情報、つまり税金かけた、情報当局が調べてることですから、推測よりも、ま、事実の積み重ねが多いんですけど、ま、こと北朝鮮についてはやっぱり推測が、多くなってしまうけれども、しかしはっきりしてるのはですね、この金正恩第1書記のこのヘアスタイルから、体型から、何から、ま、韓国には、整形手術なんて説もあるけど、それは確証がないんで、やっぱり一国のトップに対して、あえて申しますが失礼だと思うんで、そういう確証のないことはともかくとして、明らかに体型とか歩き方とか、仕草とか、それからヘアースタイルとか、その、誰に似せてるかというと、この金日成国家主席、つまり、お父さんじゃなくて、お祖父さんですね(一同同意)。その、お祖父さんに似せてる、つまり、お祖父さんの後継者というイメージを、世界と、北朝鮮の国民に植え付けようとしてるのは、もう間違いがないんです。それどうしてかというと、やっぱり、若すぎるわけですよね。年齢はっきり分かんないけど、29歳から30歳ぐらいの間とみられてて、独裁者として大変若すぎる。で、どうして若すぎる独裁者が出てきたかというと、お父さんの金正日総書記が、まぁ、何となくみんなが考えたたよりは早く亡くなってしまったので、当然、息子がまだ若いうちに出てきてしまったと。で、従って、お父さんの後継者ってイメージよりも、その、お祖父さんの後継者ってイメージを作りたいので、この、お祖父さんの、故・金日成(キムイルソン)、ま、昔の言い方だと金日成(きんにっせい)国家主席の、誕生日である4月15日の太陽節までに、撃っておいて、そして、これも過ぎましたけど、明らかになってるとおり軍事パレードが、この時にしない予定がもう前から決まってたわけですから、軍事パレードってものすごい準備に、時間とお金かかるんで、その代わりミサイルを、撃っておきたかったわけですよ(一同同意)。じゃあ、撃っておきたかったのに、なぜ撃たないでたとえば今日もう17日になっちゃってるかというと、それは、先ほどちらっと申しました、アメリカが、意外な挙に出た。アメリカが、ぶつけたきたんですね。何をぶつけたかというと、これです」
村西利恵
「4月12日から15日にかけて、アメリカのケリー国務長官が、韓国、中国、日本、この3カ国を歴訪しました」
青山繁晴
「うーん、これは非常にしたたかなやり方でですね」
村西利恵
「したたか」
青山繁晴
「あの、まず、ケリーさんや、あるいは日本の岸田大臣も含めてですね、外相会談、外相会合ってのをやってたんですね。で、そっからスーッと流れて、まあ、この、朝鮮半島の危機だからまず韓国へ行って、そして、まあ、あの、キーパーソンの1人である、中国の習近平さんにも会って、そのあと、同盟関係の日本に行く、これ当たり前のように見せてですね、これ全然当たり前じゃなくて、バーンとその北朝鮮の本当の狙いのとこへぶつけてきたんですよ。それは、カレンダー見たらよく分かります。はい、出して下さい」
村西利恵
「3月から振り返ってみます」
青山繁晴
「はい。ま、事の発端はですね、この3月1日から、アメリカと韓国が、フォールイーグルって名前付けた、非常に大規模な軍事演習をこっからダーッと始めていって、何と皆さん、4月30日まで続けるんですよ。つまりまだ全然終わってないわけですね(一同同意)。で、この最中に、たとえばこの番組でやりました、B2ってあの恐ろしげな、あれ本当に恐ろしいんですが、目に見えない、レーダーに映らない戦略爆撃機を出してきて、それもあの戦略爆撃機ってのは実は2005年頃にですね、北朝鮮に侵入して、そしてその、あの、その当時は金正日総書記ですが、そこがいる所に、急降下して、ドワーって爆音まで響かせて、ギューンと上げて、要するに北朝鮮空軍を完全にコケにして、それをやったと。その爆撃機、今回もやったって見方すらあるんですね。まだ未確認ですけどね。そういう刺激的なことをやってるから、要は金正恩第1書記はそれやめてくれと、いうお願いなんですよね、ずっと挑発活動ってのは。たとえば朝鮮戦争、休戦協定破棄っていうからみんな戦争かと、思われたと思いますが違うんですよね。ずーっと休戦状態、60年間も休戦になってる戦争を、もうちゃんと終わらせましょう、終わらせて下さい、終わらせて下さったら、アメリカと北朝鮮は、平和条約結べて、今の北朝鮮の体制もそのまま認めてくれて、アメリカの援助も来ますよねってのがこの話だったわけですよね。で、アメリカは全然言うことを聞かないから、その、ミサイルを撃つぞ撃つぞって言って、そしてこういう、記念日、えー、ここから始まってるわけですね。金正恩さんが第1書記に就任してから1年目。13日には、そのあと、ま、軍のトップにも就きましたよと。で、お尻はここだったんです、さっき言ったとおり15日だった。それで、この、重ねていただくとね、いま重ねていただいてますが、ケリー国務長官の、韓・中・日歴訪ってのは、ちょうどここ(15日)で終わるように、そしてその金正恩さんの大事な、その記念日が始まったここにぶつけてきてるわけですね。ということは北朝鮮は、ケリー国務長官が、韓国や中国、そして日本とどんな話をするのか、あるいは、どんな、えー、ブリーフィング、記者会見で発言をするのかと、いうのをまず見なきゃいけないですね。そしたらそのとおり、ケリーさんは実は、どえらいことを言ったんですよ。一番ショックだったのはこれです」
村西利恵
アメリカからの重大なシグナル、その1。ケリー国務長官は今月12日、韓国で会見し、『オバマ大統領は、米韓軍事演習で、多くの訓練の中止を命じた』と話しました」
青山繁晴
「ええ、これね、ひとつのミソはまた、韓国で言ってるんですよね。で、韓国ってアメリカに発言権ないんですよ。というのはこの番組ではっきり申しましたとおり、2010年に、天安(チョナン)号って船を撃沈され、そして大延坪島(テヨンピョンド)って島を砲撃され、合わせて50人の韓国人殺されながら、全く何も反撃しなかった。それは、アメリカが許さなかったからですね。で、発言権ない、韓国の場で、会見をして、何を言ったかというと、要するに韓国がどう言ったかどう思ったか全然関係なくオバマ大統領は、これ米韓一緒にやってるはずなのに、韓国の意思はもう無視する形で、いや、多くの、項目、訓練項目を、中止するよう命じたんだと。これは僕は椅子から転がり落ちたですよ。あの、日本の報道は、妙にあっさりしてるっていうか、まあ申し訳ないけどあんまり、意味に気づかない感じの報道が多かったのは残念なんですが、これは、皆さんお気づきのとおり、これはほんとだとしたら、金正恩第1書記にとっては、もう万々歳の、もうほんとに万歳の大勝利じゃないですか」
村西利恵
「万々歳…」
青山繁晴
「ミサイル1発も撃ってないのに、これあくまで演習ですよ?戦争じゃなくて。でも演習の、多くの項目を大統領自ら、もうやめましょう、つまり米韓は後ろに引きましょうと、ね、北朝鮮を刺激するのやめましょうって言ってくれたんだから、これはほんとだったら大変ですよね。ところがこれしか言ってないんですよ、多くの訓練と。つまり何なのかは言ってないから当然、北朝鮮としてはこうなります。はい」
村西利恵
「外務省や情報当局者によると、『中止される軍事訓練の内容を見極めるために、ミサイル発射を延期している』」
青山繁晴
「はい。皆さん思い出していただくと、あの、この、フォールイーグルっていうね、えー、名前のついた米韓の演習ってのは、今月末まで続くんですね、30日。あと13日、14日間あるんですよ。その中で、具体的に北朝鮮もインテリジェンス、当然動かしますから、どれが中止になったのか、見極めないと、ミサイルどうするか決められないじゃないですか。だから15日をこうやって超えてしまったわけですよね。しかし、より大事なのはですね、もしその4月30日までにほんとにケリーさんが言ったとおり、大統領名で、演習が縮んでしまったんだったら、その結果はどうなるかというと、さっきのことを思い出していただきながら、これ見て下さい」
村西利恵
「米韓軍事演習が一部でも中止されれば、それは北朝鮮にとって『大きな勝利』で、金正恩第1書記の成果となる」
青山繁晴
「はい。これは、まあ、初めての成果と言ってもいいですよね。国民生活が決して良くなるわけじゃないけれども、米韓の軍事的な圧力を、ミサイルを1発も撃たずに、つまりカネ使わずに、口だけで跳ね返したってことになるから」
村西利恵
「跳ね返した…」
青山繁晴
「これ完全に、アメリカは北朝鮮に、わざわざ得点を与えたと同じことになりますね(一同同意)。これ日本としては黙ってるわけにいかない、実は、ことなんですね。だから先ほど、報道のことまた触れましたが、日本が黙ってちゃいけないことについてはやっぱり指摘しなきゃいけないと思うんです。さてその上で、えー、ケリーさんが出した重大な、シグナル、発言の2つめはこれです」
村西利恵
「重大なシグナルの2つめ。今月12日の韓国での会見ですが、ケリー国務長官は『北朝鮮が非核化を推進すれば、対話の用意がある』とも話しました」
青山繁晴
「はい。村西さん、この発言聞いて、どう思いますこれ? 耳にタコって感じしません?」
村西利恵
「ずっと言ってることですよね」
青山繁晴
「もう特にこの『アンカー』の視聴者は、もうこのへんの、ね、耳に大ダコできてると思うんですが、これ、これが、北朝鮮が核兵器を、造り続けられる原因でしょ?」
村西利恵
「そうです」
青山繁晴
「つまり、北朝鮮が非核化を推進って言いながら、要するに、格好だけ見せてくれたら、対話っていうのは聞こえいいけど要は、援助してあげるってことですよね(一同同意)。それを、何度も繰り返してきたんですよ。ビル・クリントンの時代からですね、クリントン大統領の時代から。たとえばこの『アンカー』でやりましたが、あの、北朝鮮は原発を持ってますけれど、日本と違ってそれ平和利用じゃなくて軍事目的、ね、で、アメリカがこう言うから、今までもこう言ってきたからその冷却塔、日本の原発にはないんですけど、世界中そのクーリングタワーっていう冷却塔があるわけですね。それを爆破してみせた」
山本浩之
「ありましたね」
青山繁晴
「この、このコーナーであれは意味がないって言いましたよね」
山本浩之
「ええ、ええ」
青山繁晴
「で、ああやって意味がないポーズしただけで、実はその、それなりの援助も来るし、制裁は緩和されるし、時間は稼げるし、だから北朝鮮は核開発を続けられる」
山本浩之
「うーん」
青山繁晴
「今さらこれ何言ってるんだと。もしもケリーさんがどうしてもこれ言うんだったら、たとえばIAEA、国際原子力機関の査察官を、北に入れて、そしてその非核化、つまり原発やめますみたいなことも全部見て、そのまま居座るようなことを条件にするならまだしも、何も言ってないわけですから。だからこれは当然、北朝鮮に甘く見られるんで、北朝鮮は昨日、反応しました。それ見て下さい。はい、出して下さい」
村西利恵
「きのう(16日)朝鮮中央通信が報じた北朝鮮外務省報道官の談話です。『北朝鮮に対する敵視政策と、核による威嚇をやめない限り、真剣な対話は、「我々が核抑止力を十分持った段階」まで開けない』(一同苦笑)」
青山繁晴
「これ、笑いません?(笑)これあの、僕がさっきのあの、シグナル1は、椅子から転がり落ちたんですが、これはもう、正直大笑いしちゃったですよ。これって、言葉は難しい、その、僕は朝鮮語話さないんで、残念ながら言語分かんないですけどね、でも、外務省に聞くと、いや、これは正確な訳ですってことでした。その、外務省の朝鮮半島の専門家に聞くと。で、それ見ますとね、『我々が核抑止力を十分持った段階』、核抑止力ってこの場合は、自分が核兵器を十分持つってことですよ。だから核開発をやめるんじゃなくて、北がもう十分、つまりミサイルの頭に載っけられるような、小型になって、しかも安定した核爆弾、造った後だったら対話しましょうねと。そして、その時は、その、たとえば、アメリカも、核を北朝鮮に向けないってこと、してくれるんですよねと。こんな、いわば甘ったるい話が出てくるっていうのは、今までの北朝鮮の、語り口より優しくなったって論評が出てるでしょ、いま日本は。挑発から少しね、対話姿勢になったって、そんな話じゃなくて、要するにアメリカの、オバマ・ケリーラインがなめられたっていうことを、この談話から、分かるわけですよ。その最中に開かれたのが、皆さんこれでした。出して下さい」
村西利恵
「そのケリー長官はおととい(15日)、安倍総理と会談しました」
青山繁晴
「はい。今の北朝鮮の反応が出る前ですけれども、しかし、あの反応が出る前から日本側は、これ実は外務省から、たとえば内調ですね、あるいは外事警察に至るまで全部わりと、今回一致して、つまりアメリカのこの姿勢は困ったもんだと、いう認識がある中で、この安倍さんと、ケリーさんの会談になったんですよ。ちなみにあの、ある評論家がテレビで、日本は馬鹿にされてると、韓国と中国と十分話しちゃったあとに日本ていうのは、日本がなめられてるとおっしゃった人がいるんですが、これ、とんでもない話で、それ違いますよ。このケリーさんは、韓国と、特に中国の情報満載で来たんですよ?」
村西利恵
「うんうん」
青山繁晴
「最後に日本とそれ話できるんですから、日本としてはそれ情報ごっそりいただけるんで、これ実は案外、やっぱり朝鮮半島情勢について中国だけじゃなくて、日本を重視してるっていうことでもあるんですね。そしてその上で実はですね、朝鮮半島情勢に限らず、世界は今回の会談に注目したんです。それなぜかというと、こうです」
村西利恵
「実はケリー氏は、アメリカ民主党きっての親中派」
青山繁晴
「はい。これはすごく有名で、えー、ケリーさんていう人は、大統領選挙に出ましたから、何となくこの長ーいお顔と、えー、すごく背が高い人、というイメージね、それとわりと地味なイメージ、で覚えてる人多いと思うですが、やっぱり大統領にはちょっと、届かない感じの人なんですが、国務長官としてはですね、あの、もうすでに相当存在感あります。今回の、この、上手くぶつけてきた、その、アジア歴訪だって、ケリーさん自身が最終的に決めたことですからね」
一同
「ああー」
青山繁晴
「そしてケリーさんはベトナム戦争に行って、その時にですね、あの、非常に辛い思いをしたこともあって、えー、要するに反戦、という思想を持ってらっしゃる方ですね。えー、戦争体験によってそれを持ってて、で、同時に、中国とも、中国はどんなに、まあ、はっきり言うと傲慢な態度に出ようとも、アメリカから見てですよ、あるいは日本から見ても、えー、たとえば尖閣の件などを見ても、傲慢すぎる態度に出ても、いやいや中国とは争わずに仲良くしましょうっていうことで、親中派として知られてるわけですよ。で、安倍政権、これ安倍さん個人の問題だけじゃなくて安倍政権として、中国に対して、厳しい姿勢で、いま臨んでるわけですから、さあそれがどういう話し合いになるのかっていうことは、実は注目されたわけです。すなわち、ケリー・安倍会談は、北朝鮮の問題だけではなくて、本当はこうだったわけですね」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『北朝鮮より中国』。世界が注目した2人の会談の中身について、このあと、詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「さ、北朝鮮の挑発が続く中、安倍総理とケリー国務長官、どんな会話を交わしたのか。続きをお願いします」
青山繁晴
「はい。これ、会談の冒頭から、ちょっと経った時の写真なんですけど、ま、ここまでマスメディアが入ることできるんですね。カメラマンも記者も入ります。で、通訳を置いて、2人でこう話し始めて、実はこのあたりに(画面向かって手前の方に)、あの、双方の、いわゆる政府高官っていう人、たとえば日本だったら官房副長官とか、アメリカだったら補佐官とかそういう人たちが、こうたくさんいる状態で、始まって、さあメディア(が外に)出ますね。メディアが出て、いきなりケリーさんが、何を始めたかというと、これを始めたんです。はい、出して下さい」
村西利恵
「総理側近によると、『会議(注:会談)の冒頭で、ケリー国務長官が安倍首相に、質問を連発した。その後、一気に雰囲気は変わった』」
青山繁晴
「はい。ま、会議じゃなくて会談ですね」
村西利恵
「あ、ごめんなさい、会談です、失礼しました」
青山繁晴
「いや、まあ、みたいなもんですが。会談の、その最初にですね、これ異例中の異例ですよ? あのー、ケリー国務長官って要するに外務大臣ですから。総理より格下です、もちろん。その格上の総理に対して、質問していくんですよ、どんどんね(笑)」
一同
「うーん」
青山繁晴
「で、その質問っていうのが、非常に基本的な質問で」
村西利恵
「基本的な質問」
青山繁晴
「はい。で、たとえばミサイルを撃つ、撃たないの北朝鮮の話についても、朝鮮半島情勢について、日本は朝鮮戦争の当時から現在に至るまで、どういう基本姿勢で来てますか、そして安倍政権の、基本姿勢は何ですか、特徴は何ですかっていうようなことをね、あえてそういう基本的な質問ばっかり聞くんですよ」
一同
「ふーん、へぇー」
青山繁晴
「で、この時何が起きたかというとですね、あの、人生もそうですが、国際政治も、実はつまんないように見えることが大事なことで、ここで安倍さんが、こうやって紙読んだら、それはある意味おしまいだったんですよ。これ、実は僕はアメリカ…、この総理側近から聞いたから、アメリカ側に電話して聞いてみたんですが、あの、向こうは笑いながらでしたけれども、That's right、そのとおりですよと。今までは、とにかく、この、会談、メディア(が外に)出たあとも、紙ばっかり読んでるから、そうじゃなくて…」
村西利恵
「そういう総理続いてましたよね」
青山繁晴
「はい。で、珍しく再登板の総理っていうから、ま、それも正直、これあの、ケリーさんのいわば趣味だって言ってましたけど、確かめたかったんだと」
山本浩之
「なるほど」
青山繁晴
「で、当然オバマさんと、実は反戦平和主義で、かなり、ほんとは友達なんですよ、ケリーさんていうのはオバマさんとですね、心の友と言ってもいい、それはあんまり伝えられてないけれど」
山本浩之
「ああー」
青山繁晴
「だもんで、あの、紙を見たらおしまいだったけど。で、けっこう日本側青ざめたんですよ。実はそれあんまり予想してなかったんで。そしたら安倍さんは、紙を見ずに、全く、あの、紙はありましたけど、目を落とすことなく、昔の、もっと昔の、つまり自分のお祖父さんの、岸さんの総理の時代も含めてですね、昔の話もとうとうと話して、全部自分の言葉で話して、それで雰囲気が変わって、じゃあほんとの話をしようかっていうふうに、なったそうです」
山本浩之
「はぁ、はぁ…」
青山繁晴
「で、その上でですね、実は、これは、褒めちぎるわけにいかない、何もかも良かったって言うわけにいかないけれども、でもやっぱり僕は公平に見て、ちょっと明るい話っていうか、今までずっとダメダメで来た日本外交にとってちょっと良い話、だと思うんですが、安倍さんは、あえて苦言を呈したんです。アメリカの北朝鮮に対する姿勢、特に、ケリーさんの今回のアジア歴訪で、おかしなことがあったんじゃないかってことを、にじませながら、こう言いました」
村西利恵
「総理は、ケリー国務長官に対して、『北朝鮮への新たな制裁に加わるべきだ』と要請しました」
青山繁晴
「内閣総理大臣ですから、あれこれ説明はしたわけじゃない。しかし、言葉は短かったけどもこの意味することは、けっこう重くてですね。これ、北朝鮮に対する制裁っていうのは、アメリカも当然加わってて、国連を舞台にして国際社会で行ってますね。その国連を、まとめて、北朝鮮に制裁を科してるのはもちろんアメリカが中心ですよ? しかし私たち日本は、たとえば私たちの国民を誘拐されてる拉致事件もあり、そして核の脅威に直接さらされる国ですから、独自の制裁をずっと行ってきましたね。安倍さんは、その独自の制裁をこれからも強化するっていうことを、にじませて、新たな、新たに強化される日本の独自の制裁に、日本だけやればいいんじゃなくて、アメリカ、あなたも加わるべきだと」
村西利恵
「はぁ、はぁ、はぁ…」
青山繁晴
「つまり、今の段階で、軍事演習を急に縮小してみせたり、あるいは、もう、いま耳タコになってる、世界中が、非核化を推進してくれるなら話しましょうってそんなことをやるんじゃなくて、制裁で行くべきだってことを、言ったんですね。これは今までの、北朝鮮をめぐっての日米のありとあらゆるレベルの会談で、ほとんどなかった、ことです。当然外務省の中には、異論があって、僕と電話で、夕べ、ボストンテロとは別個、怒鳴り合いになった人もいます」
山本浩之
「何で異論になるんですか?」
青山繁晴
「要するにその、外務省の、ま、融和派っていうか」
山本浩之
「ああー」
青山繁晴
「必ず、ま、世界中にいらっしゃいますけどね。そんな制裁強化しても、北がどんどん先鋭化するばっかりで、金正恩第1書記の真意も分からないうちから、そんなことを言う安倍総理は、軽率だと、ね」
山本浩之
「ほぅ〜」
青山繁晴
「おっしゃったんで、すみません、僕は思わず嫌味を言ってしまって、あなたはほんとに重厚ですねと」
一同
「(笑)」
青山繁晴
「はい。あの、僕あんまり嫌味好きな性格じゃないんで、あとで反省したんですけどね。そんな重厚を装うような外交はダメですよ。しかし、とりあえず、アメリカに対して物を申すってことはとても大事、なぜかというと、朝鮮半島情勢は、アジアの問題なんですよ(一同同意)。日本の問題ですから。そして、それに対して、ケリーさんはほとんど答えなかった。それはね、それは逃げたんじゃないですよ。これはフェアに申しますが、それはケリーさんがいかに冷静な人かっていうことです。これは、大統領マターですよ(一同同意)。これは、いち国務長官の答えられる話じゃない。これは安倍さんが紙を読まなかったってことも含めて、オバマ大統領に伝えるべきことだとケリーさんはその場で判断した。それはなかなかな、やっぱり人材だと思いますね。そしてそのあと、どうなったかというともうこれで会談が終わってですね、その、安倍さんもケリーさんも立って、双方のスタッフ、スタッフじゃない、政府高官たちと一緒に部屋を出ようとした時に、安倍さんの方から、実はケリーさんに近寄っていって、これを提案されました」
村西利恵
「2人きりで会談」
山本浩之
「へえー」
青山繁晴
「はい。えー、安倍さん実は、英語、多少、多少って言っちゃいけない、あの、英語、話されます。で、まあ外交っていうのは英語を話す総理であっても、基本的に通訳入れなきゃいけないですね、記録のためにも。で、2人きりでっていうのは、英語で、ケリーさんに囁いて、で、全く2人きり、ま、通訳入れますよ、たとえば日本の官房副長官とかアメリカ側のその政府高官たちも全部外に出て、2人きりでほんとに、ある程度の時間話されたんですね。で、2人きりなんで、僕も、推測でしかありません。えー、これはありのままに申しておきます。推測でしかない。えー、もっと言えば、それを安倍さんに中身を教えてって頼んだり、そんなことしませんから。従って、推測ですが、僕の推測だけじゃない。つまり、その前の会談に同席して人たち、の、大半が、アメリカ側も含めて、こうだろうと推測してるのは、これなんです」
村西利恵
「中国について、本音のぶつけ合い」
青山繁晴
「はい。つまり、えー、さっきの話を思い出して下さい。ケリーさんは名うての親中派。ね。だからケリーさんは、たとえば尖閣について、ヒラリー国務長官の時よりも、やや後退しかねない。ところが、それを安倍さんの方から、尖閣問題っていうのは、いかに日本にとって、一番基本的な問題なのか。それを解決するためには、たとえば日台、日本と台湾の漁業協定結んで、沖縄の漁民の怒りも買いながら、漁民対策もこれから行うけれども、日本にとっていかに大事な問題か。下手な妥協を日本に強いたりしないでほしいっていうことを、アメリカ側に、いわば、突きつけたであろうと。実は、安倍総理はいま日本版NSC、国家安全保障会議の創立を目指していまして、僕は、いわばそれに意見を言う、会議の一員でもありますが、会議の中身は申せませんけれども、常に安倍さんの念頭にあると思われるのが、この、尖閣の領土危機と、そして朝鮮半島の危機は、実はずっと絡まり合いながら、パラレルで続いてるんだと。つまり北朝鮮だけに目を奪われるんじゃなくて、中国の、中国は危機を利用して、その時に尖閣に、今もまた領空、えー、領海侵犯してますよね(一同同意)。その動きを念頭に置かなきゃいけない。アメリカは、軍隊はそれを見てるんだから、ちゃんと国務省もそれを見なさいってことを、伝えたと、僕は、あるいは関係者は、推測してるわけです」
青山繁晴
「で、これだけで日本外交良くなったなんて、そんな持ち上げる話は絶対できないけれども、しかしこれは本当は、立場の違いを乗り越えて、そのアメリカに対して物を言える外交の始まりに、すべきです。これで始まったとはとても、そんな甘いことは言えないけども、始まりに、みんなの力で、有権者の力ですべきだと僕は思います」
山本浩之
「はい。ありがとうございました。ではいったんコマーシャルです」
____________________________内容紹介ここまで
「会談で紙を見ながら…」で最初に思い浮かんだのは、やはりこの御仁。
2010年11月、胡錦濤国家主席と首脳会談した時の菅直人首相(当時)。
それにしても、北朝鮮について(北朝鮮ってどんな国?金正恩ってどんな人?というワイドショー的な扱いも含め)連日報道されてますが、なぜか拉致問題はほとんどスルーなんですよね。
万一、朝鮮半島有事とかになったら拉致被害者の救出はどうするの?とか、そういう話になってもおかしくないのに…。
皆さん、拉致問題も忘れないでね!ということで、貼っておきます。
拉致問題・1000万署名運動は4月17日現在9900165筆。あと99835筆。4/27の国民大集会までに達成し、安倍総理に手渡しすることをめざしています。国民大集会は午後2時〜日比谷公会堂。誰でも参加できます。総理にも出席要請中。sukuukai.jp/mailnews/item_…
— くっくりさん (@boyakuri) 2013年4月17日
この日の「アンカー」では他に以下のニュースで青山さんの解説がありました。
・ボストンマラソン連続爆発テロ続報
・安倍政権発足後初の党首討論
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらをご覧下さい。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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※拉致被害者奪還 日本列島縦断デモ行進はじめ、各種デモ・集会のまとめ
http://ameblo.jp/hosyuyamato/
NY州議員宛にメールを出して下さった方々のもとに、Mark Butler下院議員から「いただいた情報に基づいて、私は決議案に署名しない決定をなしました」という返信が届いています。米国の議員さんは韓国側の情報しか知らないor問題自体をよく知らないので、まずは知ってもらうことが大切です。効果はあります。まだの方はぜひメールを送って下さい(上院採択済・下院はまだ)。
以下も慰安婦関係のお知らせです。よろしくお願いします。
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