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「アンカー」脱・思い込み!日本外交・尖閣・竹島・拉致

【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■11/7放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”

大接戦!次の米大統領は誰に?▽新政権に期待する!日本の外交を青山解説

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 この日の午後に米大統領選でオバマさん再選が決まりましたが、“ニュースDEズバリ”コーナーではそれとは関係なく、日本外交と領土と拉致のお話。

 アジア欧州会議での野田首相の小さな外交勝利とは?
 竹島の領有権めぐるICJ単独提訴「温存」の背景とは?
 「41人の拉致被害者」情報の狙いとは?
 尖閣と竹島で日本政府の対応が違う理由とは?

 間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
 画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。

※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。
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 内容紹介ここから____________________________
 
山本浩之
「さあそこで、では、青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーにまいりたいと思います。えー、よろしくお願いします」

青山繁晴
「はい。あの、今の話にも出ましたけれども、まあ、どんなに遅れても来年夏までに、日本でも総選挙があります。えー、日本の場合は大統領制じゃないので、その総選挙によって、あとで国会指名があって、新しい総理大臣ができるってことになるわけですね。えー、そして、今度の総選挙について、えー、どの候補者に入れたらいいのか、あるいはどの政党を信じたらいいのか、分からない、えー、そういう意味で真面目に考える有権者であればあるほど、苦しい思いをなさってる方いらっしゃると思うんですね。多くいらっしゃると思うんです。しかしあえて申しますが、実は僕は次の総選挙はワクワクする、ワクワクする、いわば希望の総選挙だと思ってます」

山本浩之
「はい」

青山繁晴
「というのは、日本が戦争に負けてから、あるいは今の憲法ができてから、憲法そのものが総選挙の争点になったり、あるいは外交がメインの争点になったことは、実はほとんどないんですね。憲法については一度もありません。それがたとえば憲法だと、皆さんご関心の橋下徹さんや石原慎太郎さん、えー、つまり、野党第一党の安倍さんだけじゃなくて、みんなが憲法を変えることを国民に提案したいと言ってるから、その、そうじゃない方も含めて、これは当然争点になっていきます。それから尖閣・竹島、いわば韓国や中国の、ま、奇っ怪な行動のおかげで、その、強い関心も出てますから、外交も必ず、次の総選挙の争点になっていきます」

山本浩之
「なるほど」

青山繁晴
「で、そうすると、外交を、初めて私たち有権者が、もうほんとに、自分の生活にも関わることとして、あるいは、子供たち、子々孫々に直接関わることとして考えなきゃいけないという、ことでもあります。従って次の総選挙に向けて、日本外交をどうしたらいいのかを、今日は一緒に考えたいんですけれども、ご一緒に考えたいんですが、キーワードは、これです(フリップ出す)」
 
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山本浩之
『脱!思い込み』

青山繁晴
「はい。えー、思い込み、つまり、日本は戦争に負けた弱い国で資源のない国なんだっていう思い込みを、思い込みを克服しましょうってことは、この『アンカー』で、このコーナーで何度も問題提起してきましたが、その上で、この、脱っていう言葉の、気分の良さ、こっからその、脱していくっていうその、気持ちよさを、今日できたらコーナーで一緒に、えー、皆さんと味わいたいなと思ってます」

山本浩之
「はい。えー、ではコマーシャルをはさんで青山さんの解説です」

(いったんCM)

山本浩之
「さ、こんな時期だからこそ、新たな日本外交を築くチャンスなのかもしれません。そういう意味で最初のキーワードは、『脱!思い込み』でした。思い込みを脱することができるんでしょうか。さっそくお願いします」

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青山繁晴
「はい。皆さんこれまず見ていただくと、尖閣諸島と竹島のこと、そして、ま、ここに文字では書いてないけど、地図でちゃんと出てる私たちの北方領土、こういう領土にまつわる、ま、日本外交、普通に言うと弱腰と言われてきて、だからこそたとえば、竹島を侵略されたりしてるわけですね、北方領土を奪われたりしてる、尖閣諸島もひょっとしたら危うい状況になりかねないと。で、さらに、拉致問題っていう、一番重要な、問題を考えると、日本外交ってのはもうとにかくだらしないんだと、いうことばかりが話に出てきますし、この『アンカー』でも、何度も何度もそれを、厳しく指摘せざるを得なかったけれども、その上で、今日は、小さな、かすかな希望でも見つけていきましょうっていう、お話をいたしたいと思います。えー、皆さんまずこれを見て下さい」

村西利恵
「今月4日から、ラオスでアジア欧州会議が行われました」

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青山繁晴
「はい。このアジア欧州会議っていうのは、国際社会で、首脳が集まってやる会議としては比較的新しいものですね。これあの、つまり、今まで日本を含めたアジア諸国ってのはヨーロッパと付き合う時に、必ず間にアメリカが入ってたんですけど、大統領を選んだばっかりの。しかしそれを抜きにしてアジアと欧州が、直接話しましょうと、いうことで始まったんですね。1年おきにアジアでやってヨーロッパでやってってことを繰り返すと。ヨーロッパからはけっこう、今まであんまりアジアになじみのなかったちっちゃい国の首脳もおいでになって、これ実際とても意味のある、会議だと僕も思ってます。で、今回は、ラオスで行われました。ラオスの首都ビエンチャンで行われたんですけども。この写真、これ、あの、テレビとか新聞の紙面で見たなって人多いと思うんですよ。これあの、どういう風に日本で報道されてるかというと、野田総理の前を、これ中国の温家宝首相ですが、中国の首相が、この目の前を通っていったのに、目線も交わさずに、挨拶もなく、立ち話もできなかったと、いう風に報道されてるんですね。えー、今あの、ちょうど絵(映像)も出ますが。野田総理の方は立ち話ぐらいはせめてしたかったのに、温家宝首相に無視されたと。つまり、野田さん、やっぱりだらしないじゃないか、中国に無視までされちゃって、で、こんなこわばった顔になってと、いう風に、えー、これはもう、あの、テレビ・新聞いろいろ立場があるはずなのに、もう揃ってそう報道してるんですが、さっきの画像(映像)を見られて、お気づきの方いらっしゃると思うんですね、たくさん。あれ普通に考えたらですね、まずあれ、これはどういう場面かというとですね、記念撮影をここでやってたわけですよ、みんな並んで。もう一回(映像が)映りますね、こうやって記念撮影しました。で、記念撮影が終わったので、当然、みんな忙しいですから次の日程があるんで、ザーッと動くわけですね。で、温家宝首相を注目していただくと、野田さんにだけ挨拶してない、野田さんとだけ目線交わしてないんじゃなくて、ヨーロッパのどなたにも、アジアのどなたにも特に目線交わしてないし、挨拶もしてないんですよ。従ってこれは、立ち話に失敗したとか無視されたって話ではなくて、ごく当たり前のことに過ぎない。別に立ち話してもいいですけど、別にしなくても全くかまわないことであって、これで日本外交や、野田さんがまたダメだったって話が報道されること自体が、実は思い込みなんです。どういう思い込みかというと、敗戦後の日本のメディアっていうのは、これは新聞・ラジオ・テレビを問わずですね、とにかくこういう、あの、国際社会の場があったら、首脳会談やれないと、やれないだけで失敗だって思い込みなんです。首脳会談なんかやらない方がいい時も当然あるわけです

山本浩之
「うんうん」

青山繁晴
「僕は記者時代に外務省担当してた時に、実は何度か、その、あるべき首脳会談がなかったってことがありました。そのたびに、あの、デスクからですね、僕は若い記者でしたが、デスクから、なかったんだから失敗という原稿を書けって言われて、そのたびに断ってて、ま、大揉めに、あの、いつも揉めてたんですが」

山本浩之
「ああー」

青山繁晴
「だっておかしいでしょう。今のたとえば日中関係を考えるとですね、尖閣諸島という私たちの領土について、中国は明らかに無茶な、嘘の主張をしてて、そして、それを我慢比べしてるわけですね。その時に、どうして、あの、たとえばすれ違ったら必ずニコニコして、挨拶をして、立ち話ぐらいはしろってことになるんですか

山本浩之
「なるほど」

青山繁晴
「それは、あの、素知らぬ顔をしてて、むしろ当然のケースであって。ま、その、日本が、もう一度申しますが、戦争に負けた弱い国なんだから、いつでもニコニコ、誰に対してもお話しできるようでなきゃいけいない、それが総理でしょ、それが外交でしょ、というのがずーっと社会の中にやっぱり思い込みとしてあって、私たちの日本国は民主主義国家ですから、メディアは、自分でおかしなことしてる面は、僕は記者時代の反省も込めて申しますが、たくさんありますが、同時にやっぱり、国民の中の雰囲気を表してる面も、確かにあるんですよ。だからまず、この思い込みをやめましょうってことから今日、えー、皆さんと一緒に考えたいんですがその上でですね…」

山本浩之
「ただ、まあ、あの、表情だけはちょっとこわばってますよね。あの、温家宝首相ぐらい、さらっとこう、しとけばよかったかなとは思いますけども。いっぱいいっぱいの顔されてますよね」

青山繁晴
「うん。だからはっきり言うと野田さんも、これ何か声かけるべきなのかどうかっていうね」

山本浩之
「そうそうそう」

村西利恵
「それが顔に出たんでしょうね」

山本浩之
「それが出てるんですよね」

青山繁晴
「ええ。で、やっぱり、その、こういう時もたくさん外務省の人も一緒に行きますから、できたら立ち話していただきたいっていうサジェスチョンあったのかもしれない。僕いろいろ聞きましたが確認はできなかったですよ。ただ、まあ確かに表情だけ見たら、あ、その、挨拶できなかったと思われてるかもしれませんね。しかしね、その、この、野田さんとか外務官僚だけに、いわばそういう責任負わせることできないと思うんですよ。で、野田さんはたとえば尖閣諸島のことについては、国有化したのに、国有化してかえって施設が造れなくなってるっていう、困った状況確かにありますよ?それは『アンカー』で何度も指摘したとおりです。しかし、この尖閣について、尖閣諸島について、野田さんはいわば唯一、野田外交として評価できることを、高く評価できることを、この、アジア欧州会議で、実はなさいました。それは、これです」

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村西利恵
『尖閣諸島に領土問題は存在しない』という立場を貫いたこと

青山繁晴
「はい。これあの、今回のアジア欧州会議が始まる前から、野田さん実は、国内から揺さぶられてんですよね。たとえば日本経団連の米倉会長が、もう揉めてんだから、領土問題があることを認めろと、いう風に、もうあの、もろに、あの、経済界のトップとして発言されてるし、それから与党の中からも、あるいは自由民主党の中からも、領土問題にした方がいいんじゃないかって人が、現にいますよね、決して多数派ではないけれど。それから学者とか研究者でも、領土問題にするべきだっていう人がたくさんいるけれども、全く野田さんはぶれないで、存在してませんと言ってるんです。で、それが、どうして正しいかを、考えるためにもですね、今回のアジア欧州会議で起きた場面をどうぞご覧下さい」

村西利恵
「日本と中国が激しくやりあった内容のVTRです」

 …………………………VTR開始…………………………

【ASEM首脳会合・きのう(11月6日)】

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野田首相
「日本はいかなる紛争や、主義・主張の違いも、国際法に従い、平和的なアプローチにより、克服していくことを、重視しております」

 この発言に対して、中国の楊潔チ外相は…。

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楊潔チ外相
「釣魚島(魚釣島)についての中国側の主張は一貫している。反ファシズム戦争の結果は否定できず、戦後秩序を否定してはいけない」

 さらに…。

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野田首相
「尖閣諸島は我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いがなく、我が国は現に、これを有効に支配している。したがって、尖閣諸島をめぐり、解決すべき領有権の問題は、そもそも存在していない」

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楊潔チ外相
「釣魚島(魚釣島)は昔から中国の領土として、明の時代から600年間支配している。日本の行動は、戦後の国際秩序と原則への重大な挑戦だ」

 日中の激しいやりとりは、野田総理が席を外したあとも収まらず、外務省の斎木審議官と中国側との間で交わされ、この話は2国間で話し合ってほしいと議長が止めに入るまで、続きました。

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野田首相
「中国から、尖閣に触れる、不適切な発言が出ました。(中略)この2国間をめぐる問題というのはですね、このASEMの場にはふさわしくないと、いう認識から触れなかったけれども、中国の代表が残念ながら触れたのでと、いうことで、私の方から改めて、日本の立場を明確に申し上げました」

 …………………………VTR終了…………………………

青山繁晴
「これはあの、こんな言い方は僭越ですけど、野田さんよく、奮闘されたと思いますよ。で、分かりやすかったですね。つまり最初、野田さんがこうやって紙読んでたのは、もう明らかに、もうずーっと今まで続いてきた路線で、つまり敗戦後ずっと続いてきた路線で、とにかく我が国は平和的なことしかしませんと言っただけですよ。それに対して中国は挑発してきて、知らん顔してろっていう意見もたぶんあったと思いますけど、野田さんそれあえて受け止めて、先ほど記者団に向かって言われたとおり、カメラに向かって言われたとおり、不適切な発言を中国側がしたのに、そのまま黙ってるわけにはいかないから、そもそも領土問題すら存在してないんだってことを、はっきり言ったと言われたんですよ。これは、国際社会にとっても非常に分かりやすいメッセージになってると思いますね。で、その上で、もう一度、この、激論になった部分の発言を見ますとね」

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青山繁晴
「えー、野田さんの一番大事なところを見るとですね、解決すべき領有権の問題すら、そもそも存在していないんだと。ズバリそのまま貫いてる。これに対して中国側が何て返してるか。そこがポイントなんですが、まずその前にですね、これ、こちらが総理で、これ温家宝首相じゃないですね。これ難しい字ですがヨウケツチといちおう読んでますけど、ま、中国側は違いますがこれ外務大臣に過ぎないですね。で、どうしてこうなったかというと、温家宝首相は、中国の、あの記念撮影とかは一生懸命やりながら、この地域の情勢を話し合う本番になると、帰っちゃったんですね、中国に。で、中国共産党、中国政府の、いわばこれ公式な説明でも、いや、共産党大会の準備、間もなくあるから、大会が間もなくあるから準備に忙しいっていう風に、説明してますが、温家宝総理はもう辞める人です。そんな人が、準備に忙しいってことは、常識から見て考えにくい。従って、明らかに温家宝首相は、これは僕の責任で申しますが、但し、日本政府の中、あるいはアメリカの国務省にもそうだよねって人はもちろんいます、だから申すんですが、要は温家宝さんは逃げたんですよ

村西利恵
「うーん」

青山繁晴
「逃げて、楊潔チ外相に、もう棒を飲んだようなことを言わせただけ。そして、楊潔チさんがおっしゃってるのはですね、戦後の国際秩序と原則への重大な挑戦だと。日本の行動ってそうなんだとそう言ってる。これ何を言ってるかというと、要は日本は戦争に負けたんだと。日本は戦争に負けたんだから、勝った側の中国に島ぐらいとられたって、海底資源があるから、ね、その島がほしいと。中国、勝った側が言ったら、それ日本は渡すのは当然なんだと。そしてアメリカよ、ね、あるいはヨーロッパよ、君たちは日本に勝った側だろ?戦勝国として、中国の肩を持てって言ってるわけですよ。これ、日本が戦争に負けたのって1945年ですよ。今は2012年で、そして日本が戦争に負けたってことは、1952年のサンフランシスコ講和条約でとっくに終わってる話ですから、国際社会がこちら(中国)を支持できる理由がないんですよ。従って、温家宝さんが逃げてしまったことも含めて、野田さんが、これを貫いたこと、実は日本の、小さいとはいえ外交勝利であって、そしてどうしてこれを貫かねばならないかが、ここに表れてますね。つまり中国は、領土問題だけだと主張が弱い。だって中国は、1971年の12月に突然領有を主張し出したのに、600年間支配してきたと(笑)言ってるわけですから。だから歴史問題を絡めないと弱い。すなわち、領土の問題が起きてるよと、問題が起きてるんだ、っていうことを作ってから、歴史の問題にすり替えていって、歴史の問題で言うならアメリカもヨーロッパも中国の味方でしょ?日本の敵のはずだよね?ということに持っていきたいんですよ。その策略が見えてるから、いろんな議論はあっても、総理としては、問題がそもそもないんだと、いうことを貫かねばならない。これは、もう一度申しますが、野田外交の中で、残念ながら唯一ですけれども、評価すべきことで、でも、評価すべきことはきちんと評価しなきゃいけない」

村西利恵
「そうですね」

青山繁晴
「さっきの温家宝首相が、黙って前を通った、そんなくだらないことに報道を費やすなら、こちらをやるべきなんですよ。で、これは、あの、たとえば僕がいただいたメールの中に、同じメディアがメディアを批判するのはおかしいって声いただいたりするんですが、それは僕違うと思いますね。メディアこそ内部から言わなきゃいけないです。人を批判する立場であれば、まず自分たちの内部から、自分たちを、徹底的に、おかしいことはおかしいと言うべきだと思います。その上でですね、じゃあ竹島はどうなってるか。はい、これ出して下さい」

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村西利恵
「おとといの産経新聞の報道です。竹島の領有権をめぐる国際司法裁判所への単独提訴準備は、今月内にも終了しますが、外交カードとして温存する方針だという内容でした」

青山繁晴
「うん。あの、これ思い出していただくと、韓国の李明博大統領が、今年の8月に、韓国大統領として初めて、私たちの島根県隠岐郡の竹島に、不法に上陸した、っていうか侵入したわけですね。で、それを見てようやく、外務省や官邸も重い腰を上げて、国際司法裁判所、に、韓国と一緒に、提訴しましょうと。つまり裁判所でちゃんと、これ裁いてもらいましょうと提案したら、8月の末に、韓国は断ってきました。じゃあそれならば、日本が単独で提訴しようと、いうことになったのに、これ、ま、産経によると今月中にも終了というようになってますが、実際の準備ってほとんど終わってます。だって、あれから2カ月経ってるんですよ、2カ月以上。韓国が断ってきてから。竹島問題って昔からあるわけですから、準備はほんとはできてる。そして、まあこの、その準備が仮に、ようやく今月中に整うにしても、それを実は提訴しないで、温存しようってことになってるわけですよ。それはどうしてかというと、これは、これは産経新聞だけじゃなくて、その、他の報道も全部、一斉に一致してんのはですね、韓国はけっこうこれでまいってると。つまり日本が提訴しても、その、韓国はOKしなかったら裁判始まらないけれども、しかし昔と違って今、韓国は国連に加盟してるから、その、何で裁判に応じないのかって理由を説明しなきゃいけないから、韓国は弱ってるんで、弱ってるならばそれは有効なカードだから、そんなすぐに使ったりしないで、温めておきましょうって話になってんです。これ見事に報道が一致してるんですが、どうしてかというと、これは外務省の事務次官とか、局長とかが、外務省の記者クラブと、記者懇談、僕も何度も何度も出ましたが、そこでやって、話をいわば合わせて報道されるんですよ。しかしですね、話がおかしいっていうか、一番大事なことが伝えられてないのは、これもうどこの社もなぜか伝えない、ことがあって、しかも一般の国民が普通に考えたら分かることありますね。今日アメリカの大統領選挙、終わりましたが、来月は、この今年ドーッといろんな首脳が変わる年のいわば締めくくりとして、来月、12月に韓国で大統領選挙やるんですね(一同同意)。従って、すぐに就任するんじゃないけれども、来月にはもう、李明博さん、じゃなくて、新しい韓国の大統領出てくるんですね。韓国の大統領が替わったら、替わった時にいきなりこの、国際司法裁判所への提訴、できますか?子供の喧嘩じゃないんで、顔出した鼻を殴るんじゃなくて、当然新しい大統領がどうするのかを、見極めなきゃいけないってことに必ずなりますから。ということは、当面、温存じゃなくて、いつまでもずるずると先延ばしになって、やっぱりできなかったってことになりかねない。そんなことをしてると竹島は永遠に戻ってこない。韓国の支配を打ち破るには、国際司法裁判所しかありません。本当は国連改革をやって、国際司法裁判所の改革もやって、多数決で裁判やるかどうかを第三国が判断してくれるっていうことをほんとはやるべきなんですけれども、こういう、温存というのは、実は、むしろ、外務省は、韓国の大統領が替わるから、替わったあと様子見の時間できるから、これでみんな納得してくれる、報道もきっとそうだよね、その通りになっちゃってるのが現実なんですよ。しかし今日は、外務官僚だけが悪いって話をしてるんじゃありません。外務官僚がどうしてこういう、発想になるかというと、本音はこれなんです」

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村西利恵
「外務官僚の本音は、『もともと外交カードというのがほとんどない』と」

山本浩之
「(苦笑)」

青山繁晴
「はい。これはですね、あの、僕は外務省担当の記者だった時もそうですが、現在でも、たとえば外務省の中にも良心的な人ほんとにいらっしゃいます。日本のすごいところですけどね。その方たちこそね、もともと外交カードほとんどないんですと。何でかというと、日本が戦争に負けたあと、軍事力っていうものを憲法でも否定して、でも主権国家、いや、あの、主な、主要な主権国家は、必ず、軍事力が外交の裏打ちになってるんです。これは戦争するためじゃなくて、逆です。第二次世界大戦であれほど無残な、戦死者がたくさん出たから、軍事力は、1945年以降はむしろ外交のツールになってるんです。侵略の道具じゃなくて。従ってどこの国もバックに軍事力の裏打ちがあって初めて、外交してるのに、日本はそれを一切否定してるからカードがない、あるのは経済援助だけだったんですよ。ところが韓国は日本の経済援助、あるいは日本からの技術流出で、経済が良くなってますから、もうその経済援助のカード使えませんね。だから、外交カードがないから、あの、こうやって単独提訴ってカードがあったらもうそれ使いたくないっていう風になっちゃうわけですよ。そうするとこれは逆に見ると、思い込みを私たちが脱出していけば、外務官僚だって時の総理だってどんどん、新しい行動ができるってことに、つながるってことを皆さんと考えたいんですね。さて、その上でですね、今日3つめのお話は、やっぱり、拉致問題ですね。それはどうしてかというと、こういう、大変、僕も驚いた、朝早くに驚いて見た、報道がありました。それ、これです」

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村西利恵
「先月28日、産経新聞は、去年11月に脱北した元朝鮮労働党幹部が、『男性25人、女性16人の日本人拉致被害者が、現在も平壌にある招待所で監禁されている』と、証言したと、報じました」

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青山繁晴
「はい。拉致問題がずーっと動かない中で、この証言っていうのを僕も、朝びっくりして読んだんですが、これが本当なのかどうかも含めて、そして拉致事件をどうすべきかっていうこと、を含めて、考えるための、後半のキーワードは、これです(フリップ出す)」

村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『私たちにできること』。まともな外交ができる国になるために、国民一人一人は何をしなくてはいけないんでしょうか。このあと詳しく話していただきます」

(いったんCM)

山本浩之
「拉致問題で私たちができることは何なのか。脱北者の情報から、解説をお願いしたいと思います」

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青山繁晴
「はい。皆さんまずこれもう一度見ていただくと、証言ってありますが、えー、最近に東京都内で開かれた、えー、拉致事件を含めた、人権問題を扱う学会で、元朝鮮労働党の幹部だったっていう脱北者が証言したって記事なんですね。これはきちんと言っておかなきゃいけませんが、産経新聞もこの証言は正しいと報道したんじゃなくて、あくまで証言であって、裏付けはない。なおかつこの41人、25人+16人の41人の方々が、日本政府が言うところの拉致被害者かどうかは分かりませんということもきちんと書いてあります。しかしショッキングな話ですから、情報当局者、情報当局の中の一番良心的な人たちに話を聞いてみましたら、結論はすごくはっきりしてて、こうでした」

村西利恵
情報当局者によると、この41人の拉致被害者の情報は、『完全に偽情報です。41人の中に拉致被害者はいない』

青山繁晴
「うん。これあの、実は、メモでもいただいたんですけどね、ま、ちょっと珍しいことですけども。その、メモ見て僕は改めて思ったんですけど、日本の情報当局の力上がってきたなと。つまり、41人ってものを知ってるんですよね」

山本浩之
「はいはいはいはい」

青山繁晴
「で、しかも中身も調べてて、拉致被害者は実は一人もいなくて、どういう方がいらっしゃるかというと、ま、北朝鮮が天国だって言って騙されて、その、在日朝鮮人の方と結婚されてたから、北朝鮮に渡られた、いわゆる日本人妻の方、あるいは、その、よく分からない人もいることが分かった。つまり、あの、どういう経緯で行かれたか分からないけれども、日本人として北朝鮮にいらっしゃる方もいる。しかし一人も拉致被害者はいなかったと。これ実は情報当局が、確認してる。で、その上で、なぜこういうことが起きたかのかというと、これです」

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村西利恵
『北の工作として、この情報が流された』

青山繁晴
「はい。わざわざ北朝鮮の今の金正恩体制の側から、実は41人の拉致被害者が、平壌の招待所、招待所って聞こえはいいけど要するに軟禁場所ですけど、そこに監禁されてるって情報が工作として流された。ということは目的があるんですね。その目的何かというと、これなんです」

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村西利恵
『日本国民の関心の強弱を見ている』

山本浩之
「ああー」

青山繁晴
「はい。つまり、ま、書いたのは当然、産経新聞一紙、当然じゃないな、学会で発表されたんだから他も書いていいけど、報道は実際、産経一紙だったと思いますけれども。しかしショッキングな話ですから、それで日本国内がワーッとなるかどうかを見た。それと、ま、はっきり申せばシーンとしたままだったんですよね

山本浩之
「はい」

青山繁晴
「で、北朝鮮なりに、もちろん日本のことを、日本の中にいる工作員も含めてよく研究してて、つまり、かつて小泉政権の時に5人返したら、返したためによけいに北朝鮮に対して世論が厳しくなった。どうしてかというと、帰ってこない方々のことを日本国民がきちんと考えたからです。有本恵子ちゃんや横田めぐみちゃんのような方々を、考えた。従って日本は、北朝鮮と違って世論の動向がすごく大事ってことを北朝鮮、理解してるから、この、情報を流してみて、国民の関心の強弱を、実は見たんですよね。ということは、これ私たちにできることってものすごくはっきりしてて、その、拉致問題について、どれぐらい関心が強いのか。そして、拉致被害者の最後の一人まで帰ってこないと、北朝鮮に経済援助って絶対あり得ませんよという、そのメッセージを送る。これは今までと同じようなことでいて、しかし改めて今回確認しなきゃいけないことなんですね。従って総選挙でも、そのメッセージが届くような投票行動を私たちは取るべきだと思いますが、最後にですね、こういうその、今の領土のことを含めた外交について、たくさん質問をいただいてるんですが、このごろ一番多い質問は、これなんです」

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村西利恵
なぜ、竹島と尖閣で、日本政府の対応が違うのか

青山繁晴
「はい。これどういう意味かというとですね、これ竹島に、その、韓国は警備隊なるものを置いちゃってるんですね。実質、軍隊と考えていいです、僕の責任で申しますが。すると、竹島は、島根県隠岐郡の島で、外国の軍隊がもう、いるのに、海上自衛隊どころか、海上保安庁の船も全く近づきませんね。つまり、そのままになっちゃってるわけですね。ところが尖閣諸島の方は、たとえば中国の軍艦が近づいたらもちろんのこと、軍艦じゃなくても、漁業監視船とかそういうものが近づいたら海上保安庁が、もちろん、あの、実際には撃ってないけれども、武装をしてここ守ってるわけですね。で、沖縄県と島根県それぞれの領土なのに、なぜこんなに対応が違うのかって質問たくさんいただくんですよ。この質問いただくこと自体が僕はとても大切だと思うんです。というのは、実は答えは極めて明確だからです。出して下さい」

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青山繁晴
「はい。えー、1952年1月って書いたのは、竹島を突然、韓国が自分のものだと言い出した、日本海の上に線を引っ張っちゃったのはですね、1952年の1月なんですよ。これどういう年かというと、1945年に戦争負けました、7年間ずっと外国に占領されてましたが、この年の4月28日に、さっき申しましたサンフランシスコ講和条約が、発効して、効き目が出るようになって日本は、今のように独立を回復するんですね。独立回復する直前に、韓国はそこに付け込んで、この島を盗ってしまった。だから、その時は日本は、手も足も出なかったというのが、実態なんですよ。じゃあこの、1971年12月ってのは、これもさっき言いましたとおり、中国が尖閣諸島を突然自分のものだと言い出したのは、1970年代になってからです。この時は、もう日本が独立を回復してから、20年経ってるし、たとえば自衛隊ができたのは、1954年ですからね。だから、日本は対応できるようになってる。だから、中国も、あの強大な軍事力でも、おいそれとは出てこれないってことなんですよ。これを考えていただくとですね、外交問題っていうのは、裏に軍事力のことが必ず密接につながってるってことを、改めて考えていただきたい。そして、こういう、今、僕は1分以内に話しましたが、この程度のことですら、あの、教科書にも出てこない、それから、メディアにも出てこない。それを、日本国民は、嘆いているんじゃなくて、たとえば、拉致問題も外交問題じゃなくてほんとは拉致『事件』だと。捜査をして、証拠を集めて、金正恩さんに直接ぶつけるしかない。北朝鮮の外交官は、拉致問題なんか知らない。そういうこも含めて、私たちが、ネットも活用して勉強することによってそれを投票に活かしたら、これは、拉致も、領土のことも、前に進んでいきます

山本浩之
「はい。よく分かりました」

 ____________________________内容紹介ここまで


 「脱!思い込み」とは、すなわち、日本を悪者にしてきた戦後の自虐史観、反日史観から脱出しようってことだと、私は理解しています。
 じゃあなぜ青山さんは「思い込み」という言葉を使うのか。それはテレビ的には「自虐史観」といった言葉より、「思い込み」と言った方が視聴者にすんなり受け入れやすいからかな?と、これまた私なりに勝手に解釈しています(^^ゞ

 あと、これはツイッターにも書いたんですが、アジア欧州会議で斎木外務審議官が強い言葉で反論してくれてますね。
 もちろんそれはいいことなんですが、「中国政府が尖閣領有の主張を始めたのは東シナ海に石油埋蔵の可能性があると国連が指摘した後の1970年代以降」、これを言うだけでも多くの国は日本の立場を理解してくれるんじゃないかな?という気が。
 とにかく、「尖閣諸島は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土である」だけじゃなくて、具体的に反論していくのが大事だと思います。


 この日の「アンカー」では他に以下のニュースで青山さんの解説がありました。

・尼崎死体遺棄事件 角田美代子被告ら再逮捕
・米大統領選でオバマ氏再選
・大飯原発断層調査 2回目の規制委員会検討会も結論先送り
・田中文科相「大学不認可は誤解」

 拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらをご覧下さい。


※参考リンク
ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
 青山さんに直接コメントが送れます。
誰にも手渡してはならない自由意志
 拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
 動画の紹介など情報が大変充実しています。

※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし


意見広告には青山繁晴さんも「歴史事実委員会」のメンバーとして名を連ねてます↓






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※拉致被害者奪還 日本列島縦断デモ行進はじめ、各種デモ・集会のまとめ
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青山繁晴「アンカー」11月7日 解散か?総辞職か? 新政権に期待する外交 日本の未来を青山解説! You Tube | 青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ | 2012/11/08 02:03 AM
本日放送の「アンカー」を見つけました。  2012年11月7日のアンカーは・・・ 大接戦!次の米大統領は誰に? 解散か?総辞職か? 新政権に期待する外交 日本の未来を青山解説! ズバリ・キーワードは「脱!思い込み」「私たちにできること」。 直ぐに削除されますのでお早めにご覧下さい。 ・ 「スーパーニュースア...