「アンカー」青山取材から7カ月後の福島第一原発の現状と課題
※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■11/16放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
11月12日、福島第一原発構内にマスメディア(記者クラブ)が入り、撮影を行いました。
それより約7カ月前の4月22日、青山さんも単独で取材及び撮影を行っていますが、その時と何が変わったのか?そして今とるべき対策とは何か?
最後に、別件で山岡大臣マルチ問題についての青山さんの発言要旨も。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
※右クリックで大きな画像を見ることができます(ブラウザによります。またMacの場合は画像にカーソルを合わせ押し続けるとメニューが出ます)。
※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。
※また画像を利用される方は、直リンクでなく必ずお持ち帰り下さい。当方のサーバーへの負荷軽減のためご協力のほど宜しくお願いいたします。「直リンク」の意味が分からない方はこちらをご覧下さい。
内容紹介ここから____________________________
山本浩之
「このあとは、“ニュースDEズバリ”のコーナーにまいります。今日はどんなお話をいただけますか」
青山繁晴
「ええ。あの、ま、最近心冷える話が多すぎるから、このコーナーでも、できたらなるべく、その、前を向く話をしたいんですけれどね、あの、しかしやっぱり現実を見なきゃいけないですね。その、福島原子力災害、今なお続いていて、そして皆さんご覧になったと思うんですが、先週の土曜日、11月の12日に、福島第一原発の構内に、初めて、マスメディアが、記者クラブという仕組みの中で、入りましたね。撮影がされました。で、これも、このコーナーご覧の方ならご存知だと思いますけれども、その7カ月前に、4月の22日の段階、だから災害始まってまだ、えー、40日ぐらいの時に、私が福島第一原発に入りまして、その時は、こんなあの、家庭用のホームビデオで撮った映像ですけども、撮りまして、この『アンカー』でやりました。で、実はですね、この11月12日に入ったメディアのカメラってのはもう、福島第一原発のごく一部しか、本当は、捉えることができていません。それなのに、ほとんど全てのメディアが、もう大仰に興奮して、こんなに見たんだ、写したんだっていう放送やったのは、それも僕はやや心が冷える、気分もあったんですけれども、但し、私が入ってから7カ月の間に、やっぱり変わったところもあって、前進したところもあってですね、そういうところはきちんと注目したいと思うんです。で、今日はそれを、具体的にこのあと見ていくんですが、キーワードはこれです(フリップ出す)」
山本浩之
「『日本の生きざま』」
青山繁晴
「はい。えー、今回マスメディアのカメラが捉えた、福島第一原発の現在の様子から、日本人の、志ある生きざまっていうものも、しっかり伝わってきました。えー、それが具体的にはどういう希望なのかということを、このあと映像を見ながら、皆さんと一緒に今日も考えていきたいと思います」
山本浩之
「はい。ではコマーシャルをはさんで、青山さんの解説です」
(いったんCM)
山本浩之
「では今日は福島第一原発について考えます。先に公開された報道陣のこのビデオ、そして、えー、4月に青山さんが入って、撮影されたその映像を比べながらですね、一番の、今の問題点を考えていただきたいと、いうふうに思います」
青山繁晴
「はい。これまず、あの、これ(画像左下)は私なんですけれども、だから、この、このあたりは4月22日金曜日の時の状況なんですが、この上(画像左上)にあるのが、今回マスメディアが撮った、映像の一部なんですけど。僕が入った時にはこういうのはまだないんですよね。で、これが一体何なのかってことも含めて、このあと、お話ししていきますが、まずは、映像そのものを見ていただきたいと思います」
村西利恵
「はい。青山さんが4月22日に撮影した映像と、今回報道陣が撮影した映像を、続けてご覧いただきます」
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■11/16放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
福島第一原発事故から8カ月…原子炉の状態は?過酷な環境で働く作業員の現状を青山がズバリ!
11月12日、福島第一原発構内にマスメディア(記者クラブ)が入り、撮影を行いました。
それより約7カ月前の4月22日、青山さんも単独で取材及び撮影を行っていますが、その時と何が変わったのか?そして今とるべき対策とは何か?
最後に、別件で山岡大臣マルチ問題についての青山さんの発言要旨も。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
※右クリックで大きな画像を見ることができます(ブラウザによります。またMacの場合は画像にカーソルを合わせ押し続けるとメニューが出ます)。
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内容紹介ここから____________________________
山本浩之
「このあとは、“ニュースDEズバリ”のコーナーにまいります。今日はどんなお話をいただけますか」
青山繁晴
「ええ。あの、ま、最近心冷える話が多すぎるから、このコーナーでも、できたらなるべく、その、前を向く話をしたいんですけれどね、あの、しかしやっぱり現実を見なきゃいけないですね。その、福島原子力災害、今なお続いていて、そして皆さんご覧になったと思うんですが、先週の土曜日、11月の12日に、福島第一原発の構内に、初めて、マスメディアが、記者クラブという仕組みの中で、入りましたね。撮影がされました。で、これも、このコーナーご覧の方ならご存知だと思いますけれども、その7カ月前に、4月の22日の段階、だから災害始まってまだ、えー、40日ぐらいの時に、私が福島第一原発に入りまして、その時は、こんなあの、家庭用のホームビデオで撮った映像ですけども、撮りまして、この『アンカー』でやりました。で、実はですね、この11月12日に入ったメディアのカメラってのはもう、福島第一原発のごく一部しか、本当は、捉えることができていません。それなのに、ほとんど全てのメディアが、もう大仰に興奮して、こんなに見たんだ、写したんだっていう放送やったのは、それも僕はやや心が冷える、気分もあったんですけれども、但し、私が入ってから7カ月の間に、やっぱり変わったところもあって、前進したところもあってですね、そういうところはきちんと注目したいと思うんです。で、今日はそれを、具体的にこのあと見ていくんですが、キーワードはこれです(フリップ出す)」
山本浩之
「『日本の生きざま』」
青山繁晴
「はい。えー、今回マスメディアのカメラが捉えた、福島第一原発の現在の様子から、日本人の、志ある生きざまっていうものも、しっかり伝わってきました。えー、それが具体的にはどういう希望なのかということを、このあと映像を見ながら、皆さんと一緒に今日も考えていきたいと思います」
山本浩之
「はい。ではコマーシャルをはさんで、青山さんの解説です」
(いったんCM)
山本浩之
「では今日は福島第一原発について考えます。先に公開された報道陣のこのビデオ、そして、えー、4月に青山さんが入って、撮影されたその映像を比べながらですね、一番の、今の問題点を考えていただきたいと、いうふうに思います」
青山繁晴
「はい。これまず、あの、これ(画像左下)は私なんですけれども、だから、この、このあたりは4月22日金曜日の時の状況なんですが、この上(画像左上)にあるのが、今回マスメディアが撮った、映像の一部なんですけど。僕が入った時にはこういうのはまだないんですよね。で、これが一体何なのかってことも含めて、このあと、お話ししていきますが、まずは、映像そのものを見ていただきたいと思います」
村西利恵
「はい。青山さんが4月22日に撮影した映像と、今回報道陣が撮影した映像を、続けてご覧いただきます」
…………………………VTR開始…………………………
(N=ナレーションです)
青山繁晴
「福島第一原子力発電所の正門に近づいてます」
【N:青山が、福島第一原発の構内に入ったのは、4月22日。原発構内の映像は、それまで一切報道されていませんでした】
【N:快く出迎えてくれたのは、福島第一原発の責任者、吉田昌郎所長】
【N:大勢の作業員が士気高く働く、免震重要棟の内部を見たあと、原子炉建屋へ向かいました】
東電社員
「この坂を下りると、2号機と3号機の間にちょうど、出るようになります」
青山繁晴
「このあたりは一見のどかに見えますよね」
東電社員
「ええ」
青山繁晴
「あー、見えてきました」
東電社員
「今、正面のあの、建屋が2号機です。あれは2号機の原子炉建屋です」
東電社員
「これ正面の道路が2号機と3号機の間の道路になりまして、あの、すぐ先が海になっています」
青山繁晴
「いやー、凄まじいなー、ここの現場は」
東電社員
「右手にあの、上がひしゃげた形の3号機が見えてます。今あの、機械を使ってですね、使用済み燃料プールに、あの、水を供給している作業の最中です」
青山繁晴
「はい。ちょ、ちょっと、できたら止まれます?」
東電社員
「瓦礫の線量が高いんでもうちょっと先で…」
青山繁晴
「はい、分かりました」
東電社員
「えーと、じゃあ次、こっち側がですね、左側に見えてくるのが4号機です」
青山繁晴
「これが4号機ですね。これ思った以上に、建屋の損傷激しいですね」
【N:当時、爆発で原子炉建屋が吹き飛んだ3号機には、外から注水が続けられ、壊滅的な被害を受けた海側の惨状は、凄まじいものでした】
東電社員
「クレーンとかトラックが、地面にこう突き刺さったみたいに…」
青山繁晴
「えー、これはすごいですね。つまり津波に持ち上げられて叩きつけられたようになってます。まさしく津波が…」
【【【あれから半年。現在の福島第一原発は…】】】
【11月12日 報道陣に初公開】
知野雄介記者
「福島第一原発の敷地内に入りました」
知野雄介
「汚染水処理のためのタンクが、たくさん並んでいます」
【N:報道陣を乗せたバスがまず案内されたのは、汚染水処理システムを制御する建物。日本、アメリカ、フランスの国旗が掲げられています。そこから見渡せる原子炉建屋の様子は…】
知野雄介
「ご覧のように、建屋は爆発によって、大きく壊れているのが分かります」
【N:半年前から大きく変わったのは、左端に見える1号機の原子炉建屋が、白いテントに覆われていること】
【N:しかし、それ以外の建屋の外観は、全くと言っていいほど変化がありません】
【N:さらに、海側に向かうと、目の前に現れたのは黒い仮設の防潮堤。ここは、半年前の映像では、海が見渡せていました】
知野雄介
「4号機のタービン建屋の前です。海側が津波で大きく壊れています」
【N:車などの残骸が今も残され、瓦礫の片づけがまだ終わっていないことが分かります。2号機3号機の付近では、一時的に、1時間あたり500マイクロシーベルトの放射線が検出されました。過酷を極めた8カ月を振り返り、吉田所長が報道陣に語った言葉は…】
吉田昌郎所長
「極端なことを言うと、もう、死ぬだろうと思ったことが、数度ありましたと。(VTR中略)週への住民の方に、ご安心いただける程度の、プラントは安定していると。だけど作業するのはまだまだ厳しい状況があると、いう…」
…………………………VTR終了…………………………
青山繁晴
「あの、今見ていただいた画像、僕の撮った方っていうのは、こう、こんなちっちゃい、ホームビデオのカメラ、20年以上前の古いやつで撮ったんですけれど、ちょっと、こう霞がかかったようにも見えたと思うんですけど、あれ実は線量がやっぱりすごく高い時期だったから、あの、カメラ自体の被曝避けるために、こうビニールでぐるぐる巻きになってたんですね。実はスイッチが入ってるかどうかも分からなくて、モニター開かないから写ってるかどうかもほんとは分かんなくて、こうやって適当に向けてただけなんです。ま、あの、天の助けで、よく写ってくれたと思いますけれど。実はルートも、4月の私の時と、11月の今回マスメディアとは、かなり決定的に違うんですね。で、まず、僕のルートからお話ししたいと思うんですが、ちょっと出して…」
村西利恵
「両方とも出してみますね。青の線が青山さんが行ったルート、そして赤の線が今回のルートです」
※この画像のみ高画質の物を別の所からいただいてきました。
青山繁晴
「はい。あの、えっと、僕の方はここ(地図やや左上の免震重要棟)から始まったようになってますけど、実際はもちろんここから、正門から入りました。ちなみに、あの、言っとかなきゃいけないですけど、この正門から入るにあたって、当然、吉田昌郎所長の直接の許可、そして東電本店の正式な許可も得て、だからこの正門も、そのまま通過できて、入りました。それで、僕の場合は正門から入ってきて、こっち側に行って、まずこの免震重要棟に入りまして、えー、吉田昌郎所長らと、このあとどこに行くかを、協議したんです。で、許可したのは吉田所長と東電ですから、その、いわば東電側が用意したルートがあったんですが、それはお断りをして、その、私が、ま、専門家のはしくれとして、ここは絶対見なきゃいけないという所を、提案して相談しました」
青山繁晴
「ひとつは例えば、2号機と3号機の間の、このあたりに、1シーベルト、1ミリじゃなくて、1シーベルトの、その、瓦礫があるっていうことを、実は事前情報で、これは電力会社じゃないサイドから聞いてましたから、ここで車降りて見たいと言いましたら、吉田さん、それは危なすぎるということだったんで、そしてその代わり、ここは車の中から見るだけで、4号炉の前だったら、ひょっとしたら、ここはやや線量が低いかもしれないから、車は降りられるかもしれないと。で、その場で判断して、作業員たちと相談して下さいってことでもあったんです。もし作業員がOKだったら降りられるってことだったわけですね。だからさっき見てもらった映像で、この2号機3号機行った時にですね、僕は、ちょ、ちょっと止まれますかと(笑)」
岡安譲
「はいはい、おっしゃってましたね」
青山繁晴
「その、事前の相談忘れて、やっぱり、あの、これ降りてみたいと思いましたから。で、作業員の方は非常に冷静に、いやここはダメですと。その代わり4号炉では、ちゃんと降りることができて、このあたりから僕はこう、指差してる所が(地図4号機の下、青い線の青山ルート)写ってましたですね。で、この4号炉は実はシャッターが開いてたんです。で、これも実は事前の情報で本当はありました。というのは、搬入口って大きな、あの、何て言いますか、ゲートがあるんですけど、世界中のどの原子炉建屋でも。そこに4号炉はたまたま大きなトラックがバックで入ったところに地震が来ましたから、シャッターが開いたままで、こう降りていったら中が見えたんですね。で、それは、あの、ま、非常に重要な情報だったです。実は地震そのもの、地震だけで壊れたっていう要素は実はほとんど見られなかった。吉田さんと、その、僕の見たのと、吉田さんの見解と僕の見た現場は実は同じでした。で、そのあと海側を見まして、そして作業員の方々は、僕がここで車を降りたので、こいつ本気だと思われたようで、予定より、この奥深くに入ってくれたんですね。で、そのあとこうやって戻って、で、もう一度原子炉建屋、それから特に、これあの、今、汚染水の処理システムがある所ですけど、このあたりに、その、事前準備として、パイプを通してた、そのあたりも見せてくれて、そして免震重要棟に戻って、もう一度、これから、どうしたらいいのか、何が一番リスクなのかってことを、吉田昌郎所長ともう一度協議をしたわけです。で、今回のマスメディアの入構、構内に入ったっていうのは、本当は、細野原発担当大臣が、いわばあの、記者クラブに入ってる人たちに、許可したということですから、これはっきり言うとこのルートは、完全に決められたものです(一同同意)」
青山繁晴
「で、一番決定的に違うのは、もう正門入ってないけど、こっからこっちに曲がっていく、で、それはひとつには、ま、汚染水処理設備のコントロールセンターってここにできてて(地図やや右上の水色の場所)、僕が行った時にはこれまだ全然ありませんから、それをバスの中から見せるという、ことはいちおう理由としてはあるんですよ。ね。で、その、このあたりでバス止めて、ここから、遠くから、この原子炉建屋を見ただけであって、すなわちこの原子炉建屋のこのあたりの肝心なところは、実は見せてません。で、こっから実際にはこうやってぐるっと外側を回って、これ海側ですけど、同時に、原子炉建屋から見ると、裏側なんですよ」
村西利恵
「裏側」
青山繁晴
「ええ。つまりこの海側には、この福島第一原発の特徴として、その、原子炉建屋が海側にあるんじゃなくて、タービン建屋とか補助建屋とか燃料タンクがある、その裏側を通っていったから、このあたり(青山が行った3号機4号機の表側は)実は全く見れてないわけですね。で、そのあと免震重要棟にやってきたと、いうふうに、ルートが違います。で、このルートが違ってる理由は、ひとつやっぱりこのあたりの原子炉がまだ、テロに対しての備えが、完全とは言えないから、セキュリティー上、見せてはいけないってことがあったと思います。それからもうひとつは、やっぱり、例えば僕はいちおう専門家のはしくれですから、自分のつけてる線量計が、非常に高いと、自己管理いちおうできますけど、やっぱり普通の記者の方々はそれはなかなかできないので、そういう、被曝を避ける意味からも、こういう裏側を回るルートになったんだろうと思いますが、でもこれはフェアに申して、マスメディアが報道する時に、全部を見れたような、あの、報道の仕方を僕はしてるように見えます。それはちょっと、アンフェアじゃないかなと思うんですね。で、その上でですね、もう一度見ていただくと、さっき言いました通り、僕が見た時になかったものがあってですね。これいずれもとても重要なもので、だから、僕も今回のメディアの撮られた映像というのを非常に注目をして、編集前の物も拝見いたしました。えー、その上で一番大事なものというのは、実はこの3つです」
村西利恵
「青山さんが訪れた時から変わったこと。映像から確認できたのは、汚染水処理のコントロールセンター。処理した汚染水の貯水タンク。それから、仮設の防潮堤。これらが新たに建設されていました」
青山繁晴
「はい。この、汚染水の処理システムこそ、今、福島第一原発は何とか冷やしてるわけですよね。その、汚染水を、いわばぐるぐる回して、そして、いったん冷却して、汚れた、つまり放射性物質で汚れた水を、もう一度きれいにして、ぐるぐる回せるようになったから、今、原子炉はみな、100度以下になってるわけですね。えー、そして、それでも、それ以前からある汚染水を含めて、たくさん水が出てしまうから、こうやって貯水タンクが、この、原発敷地の端っこの方に、こう林立した状態になってるわけですよね。で、これいずれも、いわば今の福島第一原発を何とか落ち着かせている、生命線ですよね。ところが、これあの、外から撮ってるだけの映像なんで、よく分からない面もあるけれども、やっぱり僕はちょっとショックを受けたのはですね、例えばこの汚染水処理システムでいうと、どうもパイプが、やっぱり仮設のものであってですね、あの、太いしっかりしたパイプの敷設にはなっていないなと、いうこと。それからこのタンク自体はしっかりしてますけど、こういうタンクとか、こういう汚染水処理システムは、みんなこの、仮設の防潮堤にいわば近いあたりにあってですね、で、この防潮堤こそ、実は4月22日に私が、福島第一原発に入れた大きな理由。というのは、吉田所長は、この防潮堤が全くないっていう現状を非常に心配してですね、その海側の映像を青山に、もうはっきりいうと撮らせたい、ね、撮ってほしいと。で、撮ったら必ず、ご自分の属してる東電本店からも圧力がかかるし、政府からも圧力かかるけど、それをはね返してくれるだろうと思って、許可を出してくれたってのが、本当のことだったんですよ。で、海側の映像を出して、もう一度新たな津波が来たらどうしますかってことをこの『アンカー』でも、他の放送局でも問題提起をいたしました。というのは皆さん、2004年の年末、7年前の年末を思い出していただくと、スマトラ島沖地震っていう、22万人を超える人々が亡くなった、犠牲になったという、ものすごい地震と津波がありましたが、あれって、3カ月後に、そのマグニチュード8以上、それからまた3年後に、マグニチュード8以上、つまり、余震と言えないほど大きなものがくり返し来てるわけですね。それが世界の今の動きですから、もう一度福島に、今は来てないけど、今日来てもおかしくないわけですから。もう一度津波が襲ったら、何もかもやられるということで、あの、海側の映像で世論を喚起して、何とかこの仮設の防潮堤できたわけですよ。で、できたやつは、今回僕は映像で初めて見たわけですが、皆さん、これ、もうよく分かると思いますが、これ本当は、土嚢よりはマシと言えるけれども、しかし、ま、大きめの石をたくさんこの金属のネットに詰め込んでこうギュッと重ねて、その、縛ってるだけなんですよね」
村西利恵
「あくまで仮設、ですね」
青山繁晴
「ええ、あくまで仮設であって、これは、このままにしといたら、この仮設の防潮堤が次に来た津波で打ち破られたら、こういうものが、全部ダメになるわけですね、こういうものが。これがダメになるとさっき言った通り、冷やせなくなるわけですから、またあの、3月や4月の悪夢に戻っていくわけですよね(一同同意)。戻っていくどころか、あっという間に戻ると。それなのにどうして、この、仮設の防潮堤だけなのか。どうして本物がつくれないのか。実はそこに吉田さん自身が、今回、触れてないようで触れてるんです。はい、そのご発言、出して下さい」
村西利恵
「今、困っていること。東京電力福島第一原発の吉田昌郎所長は、『近い先を見ると、作業員の被ばくや、どういう形で人を回していくかが、頭の痛い課題』とおっしゃいました」
青山繁晴
「これあの、ま、吉田さん非常にやっぱり言葉を選んで、さすがですね、あの、常に落ち着いて発言されますよね。で、近い先って、もう時間がないよってほんとは言ってるわけですね。そして、作業員の被曝というのは、当然限度が決められていますから、年間の被曝量が。それを超えてしまうともう作業できない、福島第一原発に入れないわけですよ。それがだんだん、その入れない人が増えていく中で、その、作業員どうやって回していくのか頭の痛い課題と言われてますが、これは本当は本音としては何をおっしゃってるかというと、これです」
村西利恵
「作業員がいなくなる」
青山繁晴
「はい。作業員が足りないっていう、そんな段階じゃないんですよ。つまり、廃炉まで含めて考えると、政府の言ってるだけでも30年以上、本当は、あの、水などを含めて全部考えるとやっぱり100年かかる。で、現状では、それ、だんだんだんだん作業員が減っていくわけですから、これ、あの、ゼロに近付いていくわけですね、本当は。じゃあ他電力から回せるかっていうと、他電力、例えば関西電力の、関係の作業員がここに入って、被曝量が増えると、その人は、この福島第一だけじゃなくて、関西電力の発電所にも入れないわけですね」
一同
「そうですね」
青山繁晴
「だから、普段もできないし、例えば関電で、非常時あった時に対応できない、それは関西電力だけじゃなくて全国の原発そうですから、要は、このままでは作業員がいなくなると同じだと。だからさっき申しました、仮設の防潮堤しかつくれないっていうのも、作業員の数が今もすでに少ないから、その防潮堤をつくったりする方に人を出せないんですよ。汚染水を処理したり、あるいはその、原発の建屋にカバーつけたりする方に、人が取られちゃって、えー、防潮堤は仮設のままだし、本当はさっき映った映像の中で、瓦礫なんかも、まだそのままたくさん残ってる。瓦礫は本当は放射性物質がたくさんくっついてるから、それが残ってるから、作業員の被曝も、あの、実はそんなに減っていかないと、なかなか減っていかないと、悪循環になってるわけですよね。で、従って、それに対して、じゃあ一体どうしたらいいのかっていうのが、当然、今日の後半なんですが、その後半のキーワードはこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『やること4点』。このあとは、日本がやるべき4つのこととは一体何なのか。詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「本当に今の福島第一原発は、重篤な患者と同じですから、少しでも対応を誤ると、あるいは遅れると大変なことになるっていうのがよく分かりました。えー、やらなければいけないこと4点、えー、続きをお願いします」
青山繁晴
「はい。さっき言いました通り、このままでは作業員がいなくなるっていうとんでもないことになりますから、当然やらなきゃいけないことの一番目はこれです」
村西利恵
「青山さんの提言その1。政府主導による、原発作業員の養成が必要」
青山繁晴
「はい。これ例えば、海外から協力を得たとしてもですよ、その、海外から来る人も被曝量一定になったら、その、国の原発に戻れないってことになりますから。いずれにしろ、これ自前で、新しく養成する以外にないんですよ。で、今、野田政権は、例えば放射線をモニタで測定できる技術者をつくりたいとか、そういうことを言ってるんですけども、それどころじゃなくて、えー、作業そのものをできる人をどんどんつくっていかなきゃいけない。で、その時にですね、実はしっかり希望があるのは、そして、あの、僕は今回、そのマスメディアの方が撮った映像を見て、やっぱり嬉しかったひとつはですね、これ今映ってる作業員の方々の士気の高さ、あの、メディアの記者たちは、ほとんど会話できなかったようですが、でも作業してる様子だけで、士気が高く、モラルも高いってことに気が付いてくれて、どこの局でもそれが放送されたように思います。で、4月22日に僕が撮ったあと、この4月27日に『アンカー』でやった時にもそれ申しましたが、一人で言ってるだけじゃダメで、やっとみんながこの作業員がどれほど、モラル高くやってるかってことを、こう感じてくれたなと思うんです。それは本当に嬉しいことで。ということは、今の方々と連携すれば、あの、しっかりした作業員を養成できるわけですから、その、TPPだ何だばっかり言ってないで、このことをきちんとやってもらいたいんですよ、野田政権は関心を持ってですね。それから2つめはこれです」
村西利恵
「提言その2。『未知』に立ち向かうモニタリング、監視体制の整備」
青山繁晴
「はい。これはまずですね、あの、野田政権、特に原発担当大臣の、原発事故担当大臣の細野さんの言ってることに、嘘があります。というのは、冷温停止に向かってると言ってますね。冷温停止に向かってません。冷温停止っていうのは、あくまでも原子炉が正常な状態で冷えて、また使えることを言うわけですよ。だから今は冷温には向かってる、冷温にはかなりなってますが、汚染水処理システムのおかげで。しかしそれは、冷温破壊なんですよ」
一同
「ああー」
青山繁晴
「何もかも壊れた状態で、温度だけ下がってる。それはここに書いてる通り、世界中のどの専門家にとっても、未知の状況なんですよ。だからこないだ、キセノンていう放射性物質が出て、えー、再臨界ではありませんでした、この『アンカー』で僕が申した通り。だから一部新聞は誤報ですけど。いずれにしろ、その、キセノンが出て、それが自然核分裂だったりするっていうのは、理屈では前から言われてたけども、実際に、それ体験した人はいないんですよ」
山本浩之
「専門家も分からない領域ですね」
青山繁晴
「専門家も、頭では、あの、知ってても、現実にそれ見たことないから」
岡安譲
「炉内をまだ見えてないってことですよね」
青山繁晴
「それもあるんですよ。その、炉の中にカメラ入れるだけで、これから3年から5年かかると言われてますから。僕はもっと早めるべきだと思ってますが。それも含めて、その、冷温破壊っていう未知の状態に立ち向かうためには、常に、その、監視体制、モニタリングをしてなきゃいけないんです。例えばキセノンのような、あの、物質が出てないかってことをずっと調べなきゃいけない。そしてこれは、東京電力だけでは無理です。そして作業員の仕事じゃない、本来。これ誰がやるかというと、今、東京大学の先生方とか、あるいは原子力安全委員会、原子力委員会も含めてですよ、ま、委員会で言うと、原子力安全委員会が主幹ですけど、もう一回言いますが、東大をはじめ、学会の方々も、安全な学内とか東京にいて、ね、評論家みたいに、その、学術的に見てるんじゃなくて、自ら、その、被曝のリスクも犯しながら、この、交替で、中でモニタリングをしてくれなきゃいけないんですよ。この事故が起きるまでは、例えば、あの、電力業界から、何億円て研究費をもらってた東京大学の研究室もあるということが、国民にも分かったんですから。その責任を果たすためにも、リスクを犯してちゃんとモニタリング体制を作って下さい。そうでないと、未知に対応できません。それから3つめ」
村西利恵
「提言その3。高レベル放射性廃棄物の最終処分場として、福島第一原発構内の地質調査をするべき」
青山繁晴
「はい、すみません、これ、漢字が多くて、難しそうに見えますが、別に難しい話じゃないんですよ。その、今、原子力発電所の、この事故の構内でもですね、低レベルのものと、高レベルのものがあって、特に高レベルの廃棄物が、どんどん出てしまったっていうのはもうどなたもご存知の通りですね。で、これも実は、現政権、そして前政権は嘘を言いました。というのは、ずっと、その福島にはこの廃棄物を置かないと言ってきたのに、菅総理が辞める直前、菅さんが辞める直前に急に申されたのは朝鮮学校の無償化もう一回やれだけじゃないんですよ、その、福島県の知事に向かって、中間貯蔵はさせて下さいねって突然言ったんですよ。そしてそれまでは、細野原発担当大臣は、福島には置かない置かないばっかり言ってたのに、野田政権になったら、あの菅さんが最後に言ったこと、すっと踏襲して、中間貯蔵は福島でお願いしますと。でも、最終的には、最終的には、よそへ持っていきますからって言いながら、よそってもちろんどことも交渉してないし、福島以外の46都道府県のどこがやるかも全然、あてがないわけですから。だから、政府はもっと正直に、これは福島第一原発の構内を活用しなきゃいけない可能性が十分ありますと。まず活用できるかどうか、地質調査をやらして下さいと言うべきです。ね。言って、そして合意が得られたらやるべきです。なぜかというと、これは、最終処分をもし構内でやるんだったら、下に粘土層がちゃんとあるかどうかが、一番カギなんですよ。その粘土層で受け止めてくれますから。これ僕はフランスへ行って、フランス原子力庁と協議した時に…」
山本浩之
「粘土層は通さないんですか」
青山繁晴
「粘土層は通しません。はい。それで、あの、フランスは、パリからそんなに遠くない所に、この最終処分場を今つくってる最中なんですよ。で、それも踏まえて考えると、この地質調査を政府が正直に言うことによって、模索すべきだと。そして、もう1個、4つめの最後はこれです」
村西利恵
「4つめの提言。全国の原発に免震重要棟を建設すべし」
青山繁晴
「はい。あの、さっきのビデオを思い出して下さい。僕のカメラが向かっていたこの建物、これが免震重要棟なんですね。そしてその中に、こうやって緊急対策本部があって、今この瞬間も、みんなこの中で、この中でも頑張ってるわけですね。ここはどういう建物かというと、免震って書いてある通り、丈夫なダンパーがかましてあって、そして、重要棟っていう意味は、この天井部分とかこの壁の部分にですね、分厚い鉛が、あの、張り詰めてあってですね。で、免震重要棟へ行ってよく分かったのは、これ立派に持ってるんですよ。逆に、もしもこれがなかったとしたら、つまり構内に司令塔がなかったとしたら、例えば吉田昌郎所長も働きができなかったんですよ。吉田さんは本当は、菅総理が、海水で冷やすのやめろと、ね、思いつきで言ってきて、海水入れたら再臨界になるって無茶な話を言って、その時に吉田さんはそれを、無視しました。ね。すごい勇気ですが、それができたのも、この免震重要棟で、こういう会議の場があったからできたんです」
村西利恵
「これがなかったらと思うと怖ろしいですね」
青山繁晴
「そうなんです。だから最悪に見えて、実は最悪を何とか免れてる面があるんですが、この免震重要棟、実はこの福島第一と、それから同じ東電の新潟の柏崎刈羽原発と、そして中部電力の浜岡しかなくて、そして実は関西電力、四国電力、その他の発電所、電力会社にはないんですよ」
山本浩之
「今起きたらどうするんだって話ですよね」
青山繁晴
「そういうことです。関電は6年以内につくるってことになってますけど。これは、その、官民協力して早く免震棟をつくらなきゃいけません(一同同意)。この吉田昌郎所長の存在というのは、今回のインタビューでも皆さん感じられたと思います、日本人の生きざまそのものであって、その、死ぬかと思ったっていうのは、命をかけてでも公のために踏ん張れという意味なんです。その誇りを今後も活かして、私たちの希望を見つけていくためには、免震重要棟の建設もすぐにかからねばなりません。今の4つの提言を、できたら視聴者の方々もよく考えていただいて、国民の意見として考えていただきたいと思います」
山本浩之
「ありがとうございました」
____________________________内容紹介ここまで
福島第一原発の事故、報道も少なくなって、国民の関心もやや薄れてきてるんじゃないでしょうか。特に関西はそうです。
今この瞬間もあそこで大勢の方々が命がけの作業を続けておられる現実を、改めて思い出させていただきました。
この日は他に、TPP交渉参加問題で日米認識のずれ、国会で山岡大臣のマルチ問題追及、NYデモ強制排除、国会版事業仕分けスパコン「京」も対象に、などのニュースで青山さんの解説がありました。
山岡大臣マルチ問題で青山さんの発言要旨。
・山岡さんは大臣になる前、マルチ商法を明らかに推進していた。そして国会でマルチは合法なんだと言ったということは今も推進してるということ。それも消費者担当大臣が。こういう人を大臣にした野田首相の責任は免れないのに、山岡大臣のマルチ勧誘のDVD見ていないと平然と言う。本人は当たり障りのない答弁したつもりだろうが、当たり障りがある。任命しておきながら問題点を見ようとしないのか。
・問責決議案はやがて通る。何が起きるか。総理が山岡大臣を切れないんだったら国会審議が止まる。
・マルチのことは前からみんな知ってたのに、なぜ山岡さんが大臣になれたか?僕の知る限り、野田さんが小沢さんに頼まれたから。
・山岡さんは拉致問題担当大臣もやっている。11月15日、平壌で22年ぶりに日本がサッカーをやった。この日は34年前に横田めぐみさんが拉致された日。拉致問題あるのに、何で北朝鮮で試合をしたのか。自分たちを助けに政府の人が誰も来ないのにサッカー選手だけが来るのか?と、拉致被害者は思うはず。
・スポーツだからという議論もあるだろうが、山岡さんは拉致担当大臣なんだから、問題提起を最低限しないといけなかったし、議論もしないといけなかった。彼はブルーリボンのバッジをつけてるが、引きはがしたい。
「国家公安委員長、拉致問題担当大臣、消費者担当大臣、テレビをご覧の皆さんは、山岡賢次という方がこの任に就いていることに納得ができますか?」というヤマヒロさんの締めの言葉も印象的でした。
以上も含め拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらを是非ご覧下さい。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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(N=ナレーションです)
青山繁晴
「福島第一原子力発電所の正門に近づいてます」
【N:青山が、福島第一原発の構内に入ったのは、4月22日。原発構内の映像は、それまで一切報道されていませんでした】
【N:快く出迎えてくれたのは、福島第一原発の責任者、吉田昌郎所長】
【N:大勢の作業員が士気高く働く、免震重要棟の内部を見たあと、原子炉建屋へ向かいました】
東電社員
「この坂を下りると、2号機と3号機の間にちょうど、出るようになります」
青山繁晴
「このあたりは一見のどかに見えますよね」
東電社員
「ええ」
青山繁晴
「あー、見えてきました」
東電社員
「今、正面のあの、建屋が2号機です。あれは2号機の原子炉建屋です」
東電社員
「これ正面の道路が2号機と3号機の間の道路になりまして、あの、すぐ先が海になっています」
青山繁晴
「いやー、凄まじいなー、ここの現場は」
東電社員
「右手にあの、上がひしゃげた形の3号機が見えてます。今あの、機械を使ってですね、使用済み燃料プールに、あの、水を供給している作業の最中です」
青山繁晴
「はい。ちょ、ちょっと、できたら止まれます?」
東電社員
「瓦礫の線量が高いんでもうちょっと先で…」
青山繁晴
「はい、分かりました」
東電社員
「えーと、じゃあ次、こっち側がですね、左側に見えてくるのが4号機です」
青山繁晴
「これが4号機ですね。これ思った以上に、建屋の損傷激しいですね」
【N:当時、爆発で原子炉建屋が吹き飛んだ3号機には、外から注水が続けられ、壊滅的な被害を受けた海側の惨状は、凄まじいものでした】
東電社員
「クレーンとかトラックが、地面にこう突き刺さったみたいに…」
青山繁晴
「えー、これはすごいですね。つまり津波に持ち上げられて叩きつけられたようになってます。まさしく津波が…」
【【【あれから半年。現在の福島第一原発は…】】】
【11月12日 報道陣に初公開】
知野雄介記者
「福島第一原発の敷地内に入りました」
知野雄介
「汚染水処理のためのタンクが、たくさん並んでいます」
【N:報道陣を乗せたバスがまず案内されたのは、汚染水処理システムを制御する建物。日本、アメリカ、フランスの国旗が掲げられています。そこから見渡せる原子炉建屋の様子は…】
知野雄介
「ご覧のように、建屋は爆発によって、大きく壊れているのが分かります」
【N:半年前から大きく変わったのは、左端に見える1号機の原子炉建屋が、白いテントに覆われていること】
【N:しかし、それ以外の建屋の外観は、全くと言っていいほど変化がありません】
【N:さらに、海側に向かうと、目の前に現れたのは黒い仮設の防潮堤。ここは、半年前の映像では、海が見渡せていました】
知野雄介
「4号機のタービン建屋の前です。海側が津波で大きく壊れています」
【N:車などの残骸が今も残され、瓦礫の片づけがまだ終わっていないことが分かります。2号機3号機の付近では、一時的に、1時間あたり500マイクロシーベルトの放射線が検出されました。過酷を極めた8カ月を振り返り、吉田所長が報道陣に語った言葉は…】
吉田昌郎所長
「極端なことを言うと、もう、死ぬだろうと思ったことが、数度ありましたと。(VTR中略)週への住民の方に、ご安心いただける程度の、プラントは安定していると。だけど作業するのはまだまだ厳しい状況があると、いう…」
…………………………VTR終了…………………………
青山繁晴
「あの、今見ていただいた画像、僕の撮った方っていうのは、こう、こんなちっちゃい、ホームビデオのカメラ、20年以上前の古いやつで撮ったんですけれど、ちょっと、こう霞がかかったようにも見えたと思うんですけど、あれ実は線量がやっぱりすごく高い時期だったから、あの、カメラ自体の被曝避けるために、こうビニールでぐるぐる巻きになってたんですね。実はスイッチが入ってるかどうかも分からなくて、モニター開かないから写ってるかどうかもほんとは分かんなくて、こうやって適当に向けてただけなんです。ま、あの、天の助けで、よく写ってくれたと思いますけれど。実はルートも、4月の私の時と、11月の今回マスメディアとは、かなり決定的に違うんですね。で、まず、僕のルートからお話ししたいと思うんですが、ちょっと出して…」
村西利恵
「両方とも出してみますね。青の線が青山さんが行ったルート、そして赤の線が今回のルートです」
※この画像のみ高画質の物を別の所からいただいてきました。
青山繁晴
「はい。あの、えっと、僕の方はここ(地図やや左上の免震重要棟)から始まったようになってますけど、実際はもちろんここから、正門から入りました。ちなみに、あの、言っとかなきゃいけないですけど、この正門から入るにあたって、当然、吉田昌郎所長の直接の許可、そして東電本店の正式な許可も得て、だからこの正門も、そのまま通過できて、入りました。それで、僕の場合は正門から入ってきて、こっち側に行って、まずこの免震重要棟に入りまして、えー、吉田昌郎所長らと、このあとどこに行くかを、協議したんです。で、許可したのは吉田所長と東電ですから、その、いわば東電側が用意したルートがあったんですが、それはお断りをして、その、私が、ま、専門家のはしくれとして、ここは絶対見なきゃいけないという所を、提案して相談しました」
青山繁晴
「ひとつは例えば、2号機と3号機の間の、このあたりに、1シーベルト、1ミリじゃなくて、1シーベルトの、その、瓦礫があるっていうことを、実は事前情報で、これは電力会社じゃないサイドから聞いてましたから、ここで車降りて見たいと言いましたら、吉田さん、それは危なすぎるということだったんで、そしてその代わり、ここは車の中から見るだけで、4号炉の前だったら、ひょっとしたら、ここはやや線量が低いかもしれないから、車は降りられるかもしれないと。で、その場で判断して、作業員たちと相談して下さいってことでもあったんです。もし作業員がOKだったら降りられるってことだったわけですね。だからさっき見てもらった映像で、この2号機3号機行った時にですね、僕は、ちょ、ちょっと止まれますかと(笑)」
岡安譲
「はいはい、おっしゃってましたね」
青山繁晴
「その、事前の相談忘れて、やっぱり、あの、これ降りてみたいと思いましたから。で、作業員の方は非常に冷静に、いやここはダメですと。その代わり4号炉では、ちゃんと降りることができて、このあたりから僕はこう、指差してる所が(地図4号機の下、青い線の青山ルート)写ってましたですね。で、この4号炉は実はシャッターが開いてたんです。で、これも実は事前の情報で本当はありました。というのは、搬入口って大きな、あの、何て言いますか、ゲートがあるんですけど、世界中のどの原子炉建屋でも。そこに4号炉はたまたま大きなトラックがバックで入ったところに地震が来ましたから、シャッターが開いたままで、こう降りていったら中が見えたんですね。で、それは、あの、ま、非常に重要な情報だったです。実は地震そのもの、地震だけで壊れたっていう要素は実はほとんど見られなかった。吉田さんと、その、僕の見たのと、吉田さんの見解と僕の見た現場は実は同じでした。で、そのあと海側を見まして、そして作業員の方々は、僕がここで車を降りたので、こいつ本気だと思われたようで、予定より、この奥深くに入ってくれたんですね。で、そのあとこうやって戻って、で、もう一度原子炉建屋、それから特に、これあの、今、汚染水の処理システムがある所ですけど、このあたりに、その、事前準備として、パイプを通してた、そのあたりも見せてくれて、そして免震重要棟に戻って、もう一度、これから、どうしたらいいのか、何が一番リスクなのかってことを、吉田昌郎所長ともう一度協議をしたわけです。で、今回のマスメディアの入構、構内に入ったっていうのは、本当は、細野原発担当大臣が、いわばあの、記者クラブに入ってる人たちに、許可したということですから、これはっきり言うとこのルートは、完全に決められたものです(一同同意)」
青山繁晴
「で、一番決定的に違うのは、もう正門入ってないけど、こっからこっちに曲がっていく、で、それはひとつには、ま、汚染水処理設備のコントロールセンターってここにできてて(地図やや右上の水色の場所)、僕が行った時にはこれまだ全然ありませんから、それをバスの中から見せるという、ことはいちおう理由としてはあるんですよ。ね。で、その、このあたりでバス止めて、ここから、遠くから、この原子炉建屋を見ただけであって、すなわちこの原子炉建屋のこのあたりの肝心なところは、実は見せてません。で、こっから実際にはこうやってぐるっと外側を回って、これ海側ですけど、同時に、原子炉建屋から見ると、裏側なんですよ」
村西利恵
「裏側」
青山繁晴
「ええ。つまりこの海側には、この福島第一原発の特徴として、その、原子炉建屋が海側にあるんじゃなくて、タービン建屋とか補助建屋とか燃料タンクがある、その裏側を通っていったから、このあたり(青山が行った3号機4号機の表側は)実は全く見れてないわけですね。で、そのあと免震重要棟にやってきたと、いうふうに、ルートが違います。で、このルートが違ってる理由は、ひとつやっぱりこのあたりの原子炉がまだ、テロに対しての備えが、完全とは言えないから、セキュリティー上、見せてはいけないってことがあったと思います。それからもうひとつは、やっぱり、例えば僕はいちおう専門家のはしくれですから、自分のつけてる線量計が、非常に高いと、自己管理いちおうできますけど、やっぱり普通の記者の方々はそれはなかなかできないので、そういう、被曝を避ける意味からも、こういう裏側を回るルートになったんだろうと思いますが、でもこれはフェアに申して、マスメディアが報道する時に、全部を見れたような、あの、報道の仕方を僕はしてるように見えます。それはちょっと、アンフェアじゃないかなと思うんですね。で、その上でですね、もう一度見ていただくと、さっき言いました通り、僕が見た時になかったものがあってですね。これいずれもとても重要なもので、だから、僕も今回のメディアの撮られた映像というのを非常に注目をして、編集前の物も拝見いたしました。えー、その上で一番大事なものというのは、実はこの3つです」
村西利恵
「青山さんが訪れた時から変わったこと。映像から確認できたのは、汚染水処理のコントロールセンター。処理した汚染水の貯水タンク。それから、仮設の防潮堤。これらが新たに建設されていました」
青山繁晴
「はい。この、汚染水の処理システムこそ、今、福島第一原発は何とか冷やしてるわけですよね。その、汚染水を、いわばぐるぐる回して、そして、いったん冷却して、汚れた、つまり放射性物質で汚れた水を、もう一度きれいにして、ぐるぐる回せるようになったから、今、原子炉はみな、100度以下になってるわけですね。えー、そして、それでも、それ以前からある汚染水を含めて、たくさん水が出てしまうから、こうやって貯水タンクが、この、原発敷地の端っこの方に、こう林立した状態になってるわけですよね。で、これいずれも、いわば今の福島第一原発を何とか落ち着かせている、生命線ですよね。ところが、これあの、外から撮ってるだけの映像なんで、よく分からない面もあるけれども、やっぱり僕はちょっとショックを受けたのはですね、例えばこの汚染水処理システムでいうと、どうもパイプが、やっぱり仮設のものであってですね、あの、太いしっかりしたパイプの敷設にはなっていないなと、いうこと。それからこのタンク自体はしっかりしてますけど、こういうタンクとか、こういう汚染水処理システムは、みんなこの、仮設の防潮堤にいわば近いあたりにあってですね、で、この防潮堤こそ、実は4月22日に私が、福島第一原発に入れた大きな理由。というのは、吉田所長は、この防潮堤が全くないっていう現状を非常に心配してですね、その海側の映像を青山に、もうはっきりいうと撮らせたい、ね、撮ってほしいと。で、撮ったら必ず、ご自分の属してる東電本店からも圧力がかかるし、政府からも圧力かかるけど、それをはね返してくれるだろうと思って、許可を出してくれたってのが、本当のことだったんですよ。で、海側の映像を出して、もう一度新たな津波が来たらどうしますかってことをこの『アンカー』でも、他の放送局でも問題提起をいたしました。というのは皆さん、2004年の年末、7年前の年末を思い出していただくと、スマトラ島沖地震っていう、22万人を超える人々が亡くなった、犠牲になったという、ものすごい地震と津波がありましたが、あれって、3カ月後に、そのマグニチュード8以上、それからまた3年後に、マグニチュード8以上、つまり、余震と言えないほど大きなものがくり返し来てるわけですね。それが世界の今の動きですから、もう一度福島に、今は来てないけど、今日来てもおかしくないわけですから。もう一度津波が襲ったら、何もかもやられるということで、あの、海側の映像で世論を喚起して、何とかこの仮設の防潮堤できたわけですよ。で、できたやつは、今回僕は映像で初めて見たわけですが、皆さん、これ、もうよく分かると思いますが、これ本当は、土嚢よりはマシと言えるけれども、しかし、ま、大きめの石をたくさんこの金属のネットに詰め込んでこうギュッと重ねて、その、縛ってるだけなんですよね」
村西利恵
「あくまで仮設、ですね」
青山繁晴
「ええ、あくまで仮設であって、これは、このままにしといたら、この仮設の防潮堤が次に来た津波で打ち破られたら、こういうものが、全部ダメになるわけですね、こういうものが。これがダメになるとさっき言った通り、冷やせなくなるわけですから、またあの、3月や4月の悪夢に戻っていくわけですよね(一同同意)。戻っていくどころか、あっという間に戻ると。それなのにどうして、この、仮設の防潮堤だけなのか。どうして本物がつくれないのか。実はそこに吉田さん自身が、今回、触れてないようで触れてるんです。はい、そのご発言、出して下さい」
村西利恵
「今、困っていること。東京電力福島第一原発の吉田昌郎所長は、『近い先を見ると、作業員の被ばくや、どういう形で人を回していくかが、頭の痛い課題』とおっしゃいました」
青山繁晴
「これあの、ま、吉田さん非常にやっぱり言葉を選んで、さすがですね、あの、常に落ち着いて発言されますよね。で、近い先って、もう時間がないよってほんとは言ってるわけですね。そして、作業員の被曝というのは、当然限度が決められていますから、年間の被曝量が。それを超えてしまうともう作業できない、福島第一原発に入れないわけですよ。それがだんだん、その入れない人が増えていく中で、その、作業員どうやって回していくのか頭の痛い課題と言われてますが、これは本当は本音としては何をおっしゃってるかというと、これです」
村西利恵
「作業員がいなくなる」
青山繁晴
「はい。作業員が足りないっていう、そんな段階じゃないんですよ。つまり、廃炉まで含めて考えると、政府の言ってるだけでも30年以上、本当は、あの、水などを含めて全部考えるとやっぱり100年かかる。で、現状では、それ、だんだんだんだん作業員が減っていくわけですから、これ、あの、ゼロに近付いていくわけですね、本当は。じゃあ他電力から回せるかっていうと、他電力、例えば関西電力の、関係の作業員がここに入って、被曝量が増えると、その人は、この福島第一だけじゃなくて、関西電力の発電所にも入れないわけですね」
一同
「そうですね」
青山繁晴
「だから、普段もできないし、例えば関電で、非常時あった時に対応できない、それは関西電力だけじゃなくて全国の原発そうですから、要は、このままでは作業員がいなくなると同じだと。だからさっき申しました、仮設の防潮堤しかつくれないっていうのも、作業員の数が今もすでに少ないから、その防潮堤をつくったりする方に人を出せないんですよ。汚染水を処理したり、あるいはその、原発の建屋にカバーつけたりする方に、人が取られちゃって、えー、防潮堤は仮設のままだし、本当はさっき映った映像の中で、瓦礫なんかも、まだそのままたくさん残ってる。瓦礫は本当は放射性物質がたくさんくっついてるから、それが残ってるから、作業員の被曝も、あの、実はそんなに減っていかないと、なかなか減っていかないと、悪循環になってるわけですよね。で、従って、それに対して、じゃあ一体どうしたらいいのかっていうのが、当然、今日の後半なんですが、その後半のキーワードはこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『やること4点』。このあとは、日本がやるべき4つのこととは一体何なのか。詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「本当に今の福島第一原発は、重篤な患者と同じですから、少しでも対応を誤ると、あるいは遅れると大変なことになるっていうのがよく分かりました。えー、やらなければいけないこと4点、えー、続きをお願いします」
青山繁晴
「はい。さっき言いました通り、このままでは作業員がいなくなるっていうとんでもないことになりますから、当然やらなきゃいけないことの一番目はこれです」
村西利恵
「青山さんの提言その1。政府主導による、原発作業員の養成が必要」
青山繁晴
「はい。これ例えば、海外から協力を得たとしてもですよ、その、海外から来る人も被曝量一定になったら、その、国の原発に戻れないってことになりますから。いずれにしろ、これ自前で、新しく養成する以外にないんですよ。で、今、野田政権は、例えば放射線をモニタで測定できる技術者をつくりたいとか、そういうことを言ってるんですけども、それどころじゃなくて、えー、作業そのものをできる人をどんどんつくっていかなきゃいけない。で、その時にですね、実はしっかり希望があるのは、そして、あの、僕は今回、そのマスメディアの方が撮った映像を見て、やっぱり嬉しかったひとつはですね、これ今映ってる作業員の方々の士気の高さ、あの、メディアの記者たちは、ほとんど会話できなかったようですが、でも作業してる様子だけで、士気が高く、モラルも高いってことに気が付いてくれて、どこの局でもそれが放送されたように思います。で、4月22日に僕が撮ったあと、この4月27日に『アンカー』でやった時にもそれ申しましたが、一人で言ってるだけじゃダメで、やっとみんながこの作業員がどれほど、モラル高くやってるかってことを、こう感じてくれたなと思うんです。それは本当に嬉しいことで。ということは、今の方々と連携すれば、あの、しっかりした作業員を養成できるわけですから、その、TPPだ何だばっかり言ってないで、このことをきちんとやってもらいたいんですよ、野田政権は関心を持ってですね。それから2つめはこれです」
村西利恵
「提言その2。『未知』に立ち向かうモニタリング、監視体制の整備」
青山繁晴
「はい。これはまずですね、あの、野田政権、特に原発担当大臣の、原発事故担当大臣の細野さんの言ってることに、嘘があります。というのは、冷温停止に向かってると言ってますね。冷温停止に向かってません。冷温停止っていうのは、あくまでも原子炉が正常な状態で冷えて、また使えることを言うわけですよ。だから今は冷温には向かってる、冷温にはかなりなってますが、汚染水処理システムのおかげで。しかしそれは、冷温破壊なんですよ」
一同
「ああー」
青山繁晴
「何もかも壊れた状態で、温度だけ下がってる。それはここに書いてる通り、世界中のどの専門家にとっても、未知の状況なんですよ。だからこないだ、キセノンていう放射性物質が出て、えー、再臨界ではありませんでした、この『アンカー』で僕が申した通り。だから一部新聞は誤報ですけど。いずれにしろ、その、キセノンが出て、それが自然核分裂だったりするっていうのは、理屈では前から言われてたけども、実際に、それ体験した人はいないんですよ」
山本浩之
「専門家も分からない領域ですね」
青山繁晴
「専門家も、頭では、あの、知ってても、現実にそれ見たことないから」
岡安譲
「炉内をまだ見えてないってことですよね」
青山繁晴
「それもあるんですよ。その、炉の中にカメラ入れるだけで、これから3年から5年かかると言われてますから。僕はもっと早めるべきだと思ってますが。それも含めて、その、冷温破壊っていう未知の状態に立ち向かうためには、常に、その、監視体制、モニタリングをしてなきゃいけないんです。例えばキセノンのような、あの、物質が出てないかってことをずっと調べなきゃいけない。そしてこれは、東京電力だけでは無理です。そして作業員の仕事じゃない、本来。これ誰がやるかというと、今、東京大学の先生方とか、あるいは原子力安全委員会、原子力委員会も含めてですよ、ま、委員会で言うと、原子力安全委員会が主幹ですけど、もう一回言いますが、東大をはじめ、学会の方々も、安全な学内とか東京にいて、ね、評論家みたいに、その、学術的に見てるんじゃなくて、自ら、その、被曝のリスクも犯しながら、この、交替で、中でモニタリングをしてくれなきゃいけないんですよ。この事故が起きるまでは、例えば、あの、電力業界から、何億円て研究費をもらってた東京大学の研究室もあるということが、国民にも分かったんですから。その責任を果たすためにも、リスクを犯してちゃんとモニタリング体制を作って下さい。そうでないと、未知に対応できません。それから3つめ」
村西利恵
「提言その3。高レベル放射性廃棄物の最終処分場として、福島第一原発構内の地質調査をするべき」
青山繁晴
「はい、すみません、これ、漢字が多くて、難しそうに見えますが、別に難しい話じゃないんですよ。その、今、原子力発電所の、この事故の構内でもですね、低レベルのものと、高レベルのものがあって、特に高レベルの廃棄物が、どんどん出てしまったっていうのはもうどなたもご存知の通りですね。で、これも実は、現政権、そして前政権は嘘を言いました。というのは、ずっと、その福島にはこの廃棄物を置かないと言ってきたのに、菅総理が辞める直前、菅さんが辞める直前に急に申されたのは朝鮮学校の無償化もう一回やれだけじゃないんですよ、その、福島県の知事に向かって、中間貯蔵はさせて下さいねって突然言ったんですよ。そしてそれまでは、細野原発担当大臣は、福島には置かない置かないばっかり言ってたのに、野田政権になったら、あの菅さんが最後に言ったこと、すっと踏襲して、中間貯蔵は福島でお願いしますと。でも、最終的には、最終的には、よそへ持っていきますからって言いながら、よそってもちろんどことも交渉してないし、福島以外の46都道府県のどこがやるかも全然、あてがないわけですから。だから、政府はもっと正直に、これは福島第一原発の構内を活用しなきゃいけない可能性が十分ありますと。まず活用できるかどうか、地質調査をやらして下さいと言うべきです。ね。言って、そして合意が得られたらやるべきです。なぜかというと、これは、最終処分をもし構内でやるんだったら、下に粘土層がちゃんとあるかどうかが、一番カギなんですよ。その粘土層で受け止めてくれますから。これ僕はフランスへ行って、フランス原子力庁と協議した時に…」
山本浩之
「粘土層は通さないんですか」
青山繁晴
「粘土層は通しません。はい。それで、あの、フランスは、パリからそんなに遠くない所に、この最終処分場を今つくってる最中なんですよ。で、それも踏まえて考えると、この地質調査を政府が正直に言うことによって、模索すべきだと。そして、もう1個、4つめの最後はこれです」
村西利恵
「4つめの提言。全国の原発に免震重要棟を建設すべし」
青山繁晴
「はい。あの、さっきのビデオを思い出して下さい。僕のカメラが向かっていたこの建物、これが免震重要棟なんですね。そしてその中に、こうやって緊急対策本部があって、今この瞬間も、みんなこの中で、この中でも頑張ってるわけですね。ここはどういう建物かというと、免震って書いてある通り、丈夫なダンパーがかましてあって、そして、重要棟っていう意味は、この天井部分とかこの壁の部分にですね、分厚い鉛が、あの、張り詰めてあってですね。で、免震重要棟へ行ってよく分かったのは、これ立派に持ってるんですよ。逆に、もしもこれがなかったとしたら、つまり構内に司令塔がなかったとしたら、例えば吉田昌郎所長も働きができなかったんですよ。吉田さんは本当は、菅総理が、海水で冷やすのやめろと、ね、思いつきで言ってきて、海水入れたら再臨界になるって無茶な話を言って、その時に吉田さんはそれを、無視しました。ね。すごい勇気ですが、それができたのも、この免震重要棟で、こういう会議の場があったからできたんです」
村西利恵
「これがなかったらと思うと怖ろしいですね」
青山繁晴
「そうなんです。だから最悪に見えて、実は最悪を何とか免れてる面があるんですが、この免震重要棟、実はこの福島第一と、それから同じ東電の新潟の柏崎刈羽原発と、そして中部電力の浜岡しかなくて、そして実は関西電力、四国電力、その他の発電所、電力会社にはないんですよ」
山本浩之
「今起きたらどうするんだって話ですよね」
青山繁晴
「そういうことです。関電は6年以内につくるってことになってますけど。これは、その、官民協力して早く免震棟をつくらなきゃいけません(一同同意)。この吉田昌郎所長の存在というのは、今回のインタビューでも皆さん感じられたと思います、日本人の生きざまそのものであって、その、死ぬかと思ったっていうのは、命をかけてでも公のために踏ん張れという意味なんです。その誇りを今後も活かして、私たちの希望を見つけていくためには、免震重要棟の建設もすぐにかからねばなりません。今の4つの提言を、できたら視聴者の方々もよく考えていただいて、国民の意見として考えていただきたいと思います」
山本浩之
「ありがとうございました」
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