「アンカー」野田新首相は自分を貫けるか?朝鮮学校無償化撤回が試金石
【生きているのになぜ助けられない!9/4緊急国民集会ご案内】
9月4日(日)午後2時〜4時半 司会:櫻井よしこ
参加費:無料(先着順 事前申込み不要)
ところ:星陵会館 東京都千代田区永田町2-16-2(地図こちら)
※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■8/31放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
野田首相選出でどうなる?日本山積する菅政権の負の遺産を青山がズバリ!
代表選の演説から見えた野田新首相のしたたかさ。
「輿石幹事長」は意外な人事ではなく、それ以外の選択肢はなかった。
「『A級戦犯』は戦争犯罪人ではない。法的に名誉は回復されている」という認識を示してきた野田さんは自分の信念を貫けるか。
その試金石となるのが、菅さんが残していった「朝鮮学校授業料無償化手続き再開」の撤回。
前日のエントリーで「何で輿石さんが幹事長やねん!」「何で菅さん最後の最後に朝鮮学校無償化手続き再開やねん!」と憤った私ですが、この2つの件を青山さんに取り上げていただいて嬉しかったです。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。
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内容紹介ここから____________________________
(党役員人事決定のニュース報道&スタジオで新内閣の閣僚人事予想などのあと)
山本浩之
「さあ、えー、この野田次期総理について、このあと、青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーで、詳しく解説をしていただきます」
青山繁晴
「はい。えー、今回の、新しい総理大臣選びっていうのは、視聴者・国民の皆さんは、あの、2回びっくりされたと思うんですよ。えー、僕もそうです、実は。あの、1つ目のびっくりっていうのは、その、野田さんていう、いわば地味な人が大逆転勝利を飾って、若い54歳で総理になるってこと自体びっくり。そして、じゃあフレッシュな内閣ができるのかと、僕も含めて、皆さんもきっと期待されたと思うんですが、いきなり幹事長が、75歳の日教組の大御所の方がなると。これで2度びっくりなんですよね。で、そのびっくりというのを、ま、僕もびっくりしたと申しましたが、実はそのあとじっくり情報収集していくと、実はこれはびっくりではないんです」
山本浩之
「ほぅー」
青山繁晴
「驚くことじゃなくて、その背景に何があるかというと、今日のキーワードはこれです(フリップ出す)」
山本浩之
「『実はズルい』」
青山繁晴
「はい。これズバリ、すみません、申し訳ない、あの、発足まだしてないのに、あの、なるべく明るいこと言いたいんですけどね。ズルいっていうのは別に、政治の世界では決して、えー、悪口ではないですけど。野田さん実直一本で売ってますが、いやいやいや、今回の経緯をじっくり調べると、とんでもない、実はすごくズルい、したたかなところがありますっていう話をしますが、それは単に、その、人格の問題を申すんじゃなくて、今後の私たちの祖国がどこへ向かうのかと、政権がどこへ向かうのかってこととつながりますから、今日はそれを検証したいと、皆さんと一緒に考えたいと思います」
山本浩之
「はい。えー、ではコマーシャルを挟んで青山さんの解説です」
(いったんCM)
山本浩之
「ま、先週前原さんが立候補を表明した段階では野田さんは劣勢だっていうふうにまで言われていたんですよね。フタを開けてみたら、その野田さんが次期総理となりました。さあ、この裏には、どんな巧みな戦略があったのか。さっそく解説をお願いしたいと思います」
青山繁晴
「はい。これ皆さん、大逆転劇の真相と、あの、でっかい字で書いてるんですが、ということは、今までの報道は間違ってるっていう意味なんです」
岡安譲
「へぇー」
青山繁晴
「すみません(笑)、あえて申しますが。で、それはですね、あの、今までの報道では、この大逆転劇っていうのは、組織の、多数派工作によるものだと、いうのがテレビでも新聞でもこう、語られてますね。この、組織の多数派工作っていうのは、僕も記者時代にさんざん書いたんですよ。もうそれも手垢にまみれてて、もうこうやって政界で何かあると組織が裏で動いて、多数派工作をやって、最初から結果決まってたんだよと、その場で何か動いたんじゃないよと、いう、はっきり言うとガーンという思い込みで、今回も報道されたように僕は思います。実際は、あの、皆さんおととい(8/29)の、まだ生々しい、代表選のそのギリギリの当日に、その場で、大逆転が実は起きたと、いうことからお話ししたいんですが、そのためにはまず、2回投票があった代表選挙の得票数をちょっと見てみましょう」
村西利恵
「おととい行われた民主党代表選、左が1回目、右が決選投票の得票数です」
青山繁晴
「はい。これ実はですね、えー、まず本当のポイントは1回目にあったんですよね。とにかく、その、1回目で2位までに残れなかったら、もうそこでおしまい。えー、最有力と言われた、一時期言われた前原さんも、もうここでおしまいになったわけですよね。で、野田さんが2位に入ったっていうことが大ポイントなので。で、この野田さん、102票取りましたから、その、1回目で勝ち残ったわけですね。決選投票に進めましたが。ところがですよ、この野田さん、えー、この1回目の投票の直前に、支持議員の総決起集会っていうのを国会内でやったらですね、50人しか来なかったんですよ」
村西利恵
「50人。つまり半分てことですね」
青山繁晴
「ええ。だから、このあたり(4位5位)にいるはずだったわけですよね。で、それが倍になってるわけです。えー、もう一回言いますが、直前に集めた議員の倍の票がなぜ入ったかというのは、実は、カギを握っている今までになかった票があったんです。こんな票は初めてですが、出して下さい」
村西利恵
「カギを握っていたのは、50から60の浮動票」
青山繁晴
「はい。で、あの時民主党議員で、投票権持っていたのは、つまり小沢さんのように、その、例えば処分受けてらっしゃる方を除いて395票だったんですけど、そのうちの50から60っていうのは非常に大きいですよ、ウエイトとしてですね。で、こんな浮動票が、まるで普通のその、外でやる選挙みたいに浮動票があるっていうのは、今までの自民党の総裁選挙にも、民主党の代表選挙でも、一度もなかったと思いますが、今回これがあった、ま、その一つの大きな理由はですね、小沢さんの力が衰えたっていうことが、その、背景にあると思うんですね。で、従って、この浮動票を誰が取るかが実は隠れた焦点になっていたわけですが、これ、さっき申しましたが、直前に集まってきた議員は野田さんにとって50人しかいなかったんですから。ということは、勝負を賭けるとしたらですよ、この1回目の投票の前に、各投票、いやいや、ごめんなさい、各候補全員が、演説をしたんですよね。その演説しか、もう勝負する場所はなかったんですよ。じゃあその演説をどういうふうにやったかっていうのを、ちょっとまずVTRを見て下さい」
村西利恵
「代表選の、野田さんの演説です」
…………………………VTR開始…………………………
野田佳彦
「私の父は、富山県の農家の6人兄弟の末っ子です。私の母は、千葉県の船橋の農家の11人兄弟の末っ子です。農家の末っ子同士の子供に生まれた子供が、長男が私です。選挙区は都市部ですが、なぜかシティーボーイに見えない理由は、そこにあるかもしれません(会場笑)。貧乏だったので、披露宴は挙げていません。父のトランクの上に、お茶碗を載せて、そして食事をしたという、そういう新婚生活から始めたそうです」
…………………………VTR終了…………………………
青山繁晴
「これ皆さん、日本国の内閣総理大臣を狙うための、演説なんですよ、で、これはあの、僕も驚きました。というのは、その、一番最初にやったのは前原さんだったと思いますけどね、演説。前原さんも含めて、要するにあの、当然総理大臣になるための演説だからもう紙も読みながらですよ、もう固い表情で固い政策の話に当然終始したわけですよ。ところが、いきなり野田さんは、お父様お母様の話で、それもいずれも、その末っ子だったって話をされて、えっ?こんな自分の身の回りのことから話すのかっていうのでみんな驚いたし、それからついでに言うと、前原さんもその時一瞬だけね、あの、ライバルの野田さんに対して友だちの顔に戻って、おい、お前大丈夫かって顔になりましたよ、前原さんも」
村西利恵
「へぇー」
青山繁晴
「で、この野田演説なんですが、さっきご覧に、皆さんご覧になったように、あの、紙は読んでないんですけど、これは、あの、今、僕も紙読んでないですが、僕、暗記してるわけじゃないけど、野田さんは間違いなくこれ、徹底練習して、一字一句暗記してました」
岡安譲
「ほぅー」
青山繁晴
「そして、この中身見ていただくとですよ、まずお父さんは6人兄弟の末っ子だと。そしてお母さんは11人兄弟の末っ子だと。農家の末っ子同士の間に生まれた長男が私ですと。ね。お父さんお母さんの話から入ったけど、自分の話に来てるわけですよね。で、自分、野田佳彦さんは、だから、シティーボーイに見えないと。で、このシティーボーイって言い方自体が、こういう演説では極めて異例で、だからみんな、おやっと思う、そこで意表つかれて、引きつけられてるわけですよ。だって他の演説退屈じゃないですか、はっきり言うと」
村西利恵
「笑いも起こってましたしね」
青山繁晴
「ええ、そうです。どっかで聞いたような話ばっかりだけど、これは、シティーボーイなんて言うから、えっ?と。で、何でそんな話するのかなと思って、そしてシティーボーイに見えないのはお父さんお母さんじゃなくて、ご自分のことだから、ずーっとご自分のことのように見せた上で、貧乏だったので披露宴は挙げてませんって言ったんですよ。いや、聞いてる僕もですね、実は他の議員も、これ野田さんて、えっ?あの、とても可愛らしい奥さんいらっしゃるんですけど、すばらしい奥さんが。えっ、披露宴挙げてなかったのかと思ったんですよ」
村西利恵
「思いました」
青山繁晴
「思ったでしょ?ところがですよ、父のトランクの上にお茶碗を載せて。え?これどういうことかと。これ、だから、実はここ、突然、そのご両親の話にまた戻ってるわけですよね。ご両親は、その、最初、新婚早々の時は、その、披露宴もできなかったってことを言ってる。しかしですよ、全体として、えっ野田さんってそんな苦労をして、いわば、極貧の生活から身を起こしたのかー、本当は堅苦しい、例えば財務官僚の犬とか言われてるけど、そうじゃなくて人の痛み分かる人情派なのかと思わせてますが、そんなことないんですよ。だって野田さんのお父さんて、自衛隊の最強のエリート軍団の第一空挺団の隊員ですよ。そして、空挺団てのはパラシュートで降りますから、あの、危険手当が出ますから、普通の自衛官の給料の3割3分増しなんですよ。ね。で、自衛官もともときちんと生活できますけれど、あの、一般の公務員よりもやや給料は高めです、それは当然のことです、いざとなったら命を懸けなきゃいけませんからね。それに空挺団の、団員ですから、33%も多いわけですよ。従って、そりゃ別にお金持ちじゃない、その、そう豊かではないかもしれないけれども、しかし決して貧しい生活ではないのに、こういう、イメージを、その、ああ、そういう人情家なのか、この人だったら信用してもいいのかなー、特に鳩山さんのお坊ちゃんなんかとは例えば違うよねーって雰囲気を、作り始めた」
村西利恵
「はぁー」
青山繁晴
「これね、僕はあの、キーワードあえて『ズルい』ってやったのは、これ、わざと混乱させてるでしょ?で、何だかよく分からないけど貧しい家の出身なのかと思わせるって戦略なんですよ。事実のまんま、父親母親、昔、貧しかったけど、そのあと空挺団でって話したら、何だそれって話になるじゃないですか。で、それは実は野田さんには、そこまでやる、そこまで演技をする理由があった。深い読みがあった。その読みっていうのは何だったかというと、これです」
村西利恵
「野田さんの読みは、消去法で浮動票が自分にくるかも」
青山繁晴
「はい。これはね、ここ(消去法)が大事なんですよ」
村西利恵
「消去法」
青山繁晴
「はい。これなかったら大したことないんですよ。浮動票が自分にくる、政治家って自意識過剰な人が多いから、普通そう思うんですけど、そうじゃなくて、消去法があれば、俺んとこに来るべっていうふうに、野田さんは見抜いた。じゃあ消去法ってのは何のことかというとこれです」
村西利恵
「海江田さんは3党合意の見直しを示唆していましたし、前原さんは外国人からの献金問題を抱えていました」
青山繁晴
「はい。これまず、海江田さんは小沢さんの支援を受けて、もう本人は総理になる気でいらっしゃいましたしね。えー、だからもうとにかく小沢さん、小沢さん、小沢さんにすり寄らなきゃいけないから。3党合意って何なのかというと、民主党が、自民党・公明党と合わして、マニフェストを見直しますと、いうことを合意したんですよ。ま、検討って言葉になってるけども、事実上の見直しですよね。これ小沢さんは大憤激したわけですよ、この野郎と。俺が苦労して作ったマニフェストで、お陰で民主党は2009年総選挙で勝てて、権力の座にありついたのに、何だその見直しは、っていうので。これを見直す、その見直しを見直すってことを海江田さん言っちゃって、これ致命傷で、これ聞いた、さっきの浮動票の議員をはじめ、民主党の議員は、あの、僕にもけっこう電話・メール来ましたけど、みんな、呆れたわけですよ」
村西利恵
「また揉めるのにと」
青山繁晴
「揉めます。だから海江田さんが総理大臣になったら、これはもう自公とぶつかってですよ、いかなる法案も参議院で止まっちゃって通らない。ということはもう何もかもできなくなって、結局その、追い込まれるだろうと。それから、前原さんで言うとですよ、前原さんが総理大臣になったら、これ前原さんは外国人からの献金問題を発表されたけども、あまりにも遅かった。そして、その遅かっただけじゃなくて、発表を聞いたらですよ、僕も驚きましたが、今まで言われてた、その京都の焼肉店の女性、在日韓国人の女性の方からの献金に加えて、違法な外国人からの献金が他にもあった。しかし自分は知らなかったってことをおっしゃった。それを聞いた議員はですよ、もし前原総理になったら、それが国会で追及される前に、抜き打ちで、衆議院解散総選挙やるしかないと思ったわけですよ。従ってちょっとここ開けてもらうとですよ」
青山繁晴
「さっきの海江田さんも含めて、海江田さんは国会が混乱して解散総選挙、そして前原さんは国会でまともな審議する前に解散打つしかない。つまり、人気高いわけですから。あの、世論調査の結果はですね。そうすると、民主党議員、実は、投票権持ってる人で395人、ね、えー、その、投票権ない人も加えると、要するに400人の衆議院議員がいらっしゃるけども、選挙に弱い人多いわけですよ。その多数の人は、これ(解散総選挙)だけは嫌なんですよ。これだけは嫌だから、従って消去法で言うと、選挙をやらないと言えば、野田さんの方に乗っかってくるだろうということを、野田さんは見抜いたわけですね。えー、その部分、これも演説でちゃんとやってる、手を打ってるんですね。それちょっとビデオで見ていただけますか」
…………………………VTR開始…………………………
野田佳彦
「私は大好きな言葉、相田みつをさんの言葉に、『ドジョウが金魚のまねをしてもしょうがねえじゃん』っていう言葉があるんです。ルックスはこの通りです。私が仮に総理になっても、支持率はすぐ上がらないと思います。だから、解散はしません(会場笑)。ドジョウはドジョウの持ち味があります。ドジョウの政治をとことん、やり抜いていきたいと思います」
…………………………VTR終了…………………………
青山繁晴
「はい。これあの、この時の野田さんの演説の、後半部分、なんですよね。で、野田さん最初のその、そういう人情話でずっと入っていって、静かな語り口で、それが急に声を張り上げて甲高い声で政策の話をして、で、またふっと声を落として、さっきのドジョウ・金魚の話になったんですが、その部分、あの、他の報道ではその、ドジョウだ金魚だ、ドジョウの話ばっかりになってますが、いやいや本当のポイントはドジョウじゃない、ここに抜き出したこの部分にあるんですよ」
青山繁晴
「えー、ルックスはこうだから、すぐに人気が人気が出るわけじゃないので、解散はしない。で、ルックスって言葉もですよ、これその、総理大臣になるための演説としてはこんな軽い言葉は本来は、使ってほしくないような言葉ですよね、外来語だし。それをあえて使って、そして会場はみんなハハーッとこう笑い声が漏れてましたが、笑いながらみんなすごくホッとしたわけですよ」
一同
「なるほど」
青山繁晴
「それまで人情家ってイメージ作ってんだから、実直なこの人情家だから嘘はつかないんだろうと。そして、こうやって、こう柔らかい言い方しながら、実はタブーを犯してるんですね。というのは日本国は憲法の定めによって、衆議院解散って重大なことができるのは内閣総理大臣たった一人。だから、これは実はモラルとして、総理大臣がいかなる考え方があっても自らその手を縛ることはしてはいけませんと、憲法自体、憲法の定め自体がおかしくなってしまうと、いうのに、あえて破ると。ね。それは何のためかというと、このためですね」
村西利恵
「この実直な人の言うことなら信用できると思わせて、浮動票をかき集めた」
青山繁晴
「はい。これ、もう一回言いますが、ズルくないですか?(一同ざわ)いや、大したものとも言えますよ?大したものとも言えるし、これ一人で考えたとは僕は思えないな、最後、決心したのはこの野田さんでしょうが、非常に巧みに演説ってものを使いましたね。そしてもう一回言いますが、政策の違い、増税がどうだと、増税を覚悟して野田さんに入れたというよりは、増税って言っても大丈夫、何でかというと、解散総選挙をしないんだから。だからむしろ、これはっきり申しますが、民主党の方々は自らの保身のために、消去法で野田さんを選んだってことが言えると思います。そして野田さんおそらく、演説してる最中から、すごく手応え感じたと思うんですが、その演説の中で、実は総理大臣になったあとのこと、つまり今やってる人事をにらんだことを、すでに演説の中で言ってます。はい、それは、ちょっとビデオを出す時間がないので、字で見て下さい」
村西利恵
「演説の抜粋です。『中産階級からこぼれた人はなかなか上がってこれない、そこに光をあてようというのが民主党の“国民の生活が第一”という理念だったと思います。その方向性は間違いありません』」
青山繁晴
「皆さん、これ、これ聞いてね、あれあれ?って思わないですか?これ、国民の生活が第一っていうのは、2009年の総選挙の時に、小沢さんが、国民の生活第一って打ち出したやつで、国民の生活第一だから、バラマキと言われようが、子ども手当、そして高校の授業無償化、そして例えば高速道路の無料化も本当はあるし、それから農家の戸別補償もあると。今はすごく評判の悪くなった政策、それを含めたマニフェストを見直すということで、野田さんは自民・公明には3党合意守るって言ってるでしょ。ところが皆さん演説の中でですよ、第1回投票の前の演説の中では、実は方向性間違ってないって言ってるわけですよ。これ全く食い違う話ですが、これ誰に向かって言ってるかというと、もちろん、小沢さんに向かって言ってるんですよね。自分が総理になったら、ちゃんと人事をしますよと。その結果出てきたのは、だからこれなんです」
村西利恵
「それが輿石さん。新幹事長」
青山繁晴
「はい。だからびっくりじゃないんですよ。これは、野田さんが今回どうやって総理大臣に俺はなろうかと考えた時に、そして総理大臣になった暁に、やる人事を考えたら、もうこれしかないってことを、事前に決めてたということですね。そして当然このあとはですよ、そうやって権力の座に就く野田佳彦という人が、いわばその、実直というイメージを、こう膨張させて演技しながら、それで国政が運営できていけるのかと、今後の政治の在り方、政権の在り方が問われるわけですけども、その、後半にそのお話をいたしますが、キーワードは、真っ直ぐ、真ん中からこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『自分を貫けるか』。このあとは、次期総理が行った党役員人事の狙いと、これから直面する問題について、詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「ま、政治家は時にはしたたかな演技も必要だろうと思いますし、あの、今はまだ野田さんに対する期待感の方が私は大きいんですけれども、実際、この状況で、どうやって政権を運営していくのか。続きをお願いしたいと思います」
青山繁晴
「はい。あの、今ヤマヒロさんが言われた通り、ズルいって言葉は決して、その、政治の世界では、けなす言葉じゃないと思いますけども、そこの根っこに志がどうあるかっていうことが非常に重要ですね。だからさっき後半へのキーワードとして、『自分を貫けるか』っていうのは、野田さんっていうのは、実はもともとはっきりした、信念のある人です。それを貫けるかっていうことなんですが、そのためにもまずやっぱり、もう決まった、決まったばかりの党役員人事を、もう一度検証する必要があると思いますね。ちょっと顔、お顔を出していただけますか」
村西利恵
「……の顔ぶれです。輿石幹事長、前原政調会長、平野国対委員長」
青山繁晴
「はい。で、やっぱり焦点はこの幹事長なんですけれども。この、さっきもちらっと言ったかもしれませんが、輿石さんを幹事長にするっていうのは、もう早くから決めてたことだとは僕は確信してます。というのは、それしかないんですよ。というのは、まああの、新聞とかテレビでは事前に、例えばさっきも名前出た川端達夫さんのように、その、中間的な人、を、幹事長に持ってくるって案もあるってありましたが、そんなもんあるわけないんですよ。今の民主党がどれほどひどい分裂状態になってるかっていうのを、野田さんは閣内にいて痛感してますから。だから、そんなその中間的な人でまとめられるような状態じゃないですよ、小沢さんと反小沢のぶつかり合いっていうのはですよ。そして逆に反小沢さんの、その前原さんを持ってきたらですよ、これ6月2日、皆さんまた思い出して下さいね、まだそんな前じゃないんですよ、例の内閣不信任案が葬られた時、菅内閣のですね、あの時小沢さんは、えー、100人近いって説もありますが、90人以上の議員の方々に、一部には、キャッシュも渡して、とにかく、もう新党を作るんだと。だから、与党なのに、与党政権の菅内閣の不信任案を突き付けるんだってことをやってたわけですよ。ということは、小沢さん新党作ることをいったん決心してしまったんですね。だから前原さんを幹事長に持ってきたら、野田政権は、小沢新党ができるって恐怖感に怯えなきゃいけない。ということは、中間派も反小沢もないんですよ。そうすると小沢さんの側から幹事長持ってくるしかない。そうすると、せめてその時に、小沢さんに対しても物が言える人、自分がその新幹事長をうまく取り込んでいけば、いざとなったら小沢んさんにも何か文句を言ってくれる人、そしたらこの人(輿石)しかいないじゃないですか」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「だから、もうあの、輿石さんしかなかったんですよ。で、その上でですね、あの、最初断られてもこだわったのは、もちろんそういう理由もあるけど、実はもう一つ、このへん僕は野田さんは、この点ではなかなかしたたかだと思うのは、もう一つ、実は輿石幹事長の起用について、表に出てない狙いがあります。それはこれです」
村西利恵
「民主党幹部によると、輿石幹事長の起用で、『野田さんが狙っているのは大連立ではなく、公明党との連携。そのために小沢さんの力が必要だった』」
青山繁晴
「はい。これ僕はまず、その民主党の中で、小沢さんと遠い方々に電話とメールで聞いていって、で、最終的には小沢さんに極めて近い方に確認をしたんですけれども。つまり、野田さんは、大連立、大連立ってこうやって言ってるでしょ。あれが見せかけだってわけですよ。大連立っていうのは本当は公明党は付け足しで、なぜ『大』かというと、自由民主党と連立するからでしょう?ね。自民党との大連立がほんとの目的だったら、輿石さんを幹事長にするはずがない。どうしてかというと、輿石さんは全く小沢さんそのものじゃないですか。表裏一体ですよね。すると自民党は小沢さんに対する警戒感は、そりゃものすごく強いわけですよ。それこそもう、あの、抜きがたいアレルギーがあるわけで」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「ということは、幹事長を小沢さんの仲間の輿石さんを持っていったら、自民党とは上手く行かないと、協議が上手く行かないってことを実は見越してるわけじゃないですか。ところが、参議院を通じて、公明党とはですよ、小沢さんも輿石さん自身も実は、パイプがあるわけです。で、小沢さんは輿石さんどころか、もっと古くからのパイプ持ってるから、公明党にターゲット絞るんだったら、輿石幹事長でいいわけですよ」
山本浩之
「そうかー」
青山繁晴
「そして、公明党と組めば、別に自民党と、うるさい自民党と無理な大連立をする必要がない。公明党と組めば、ねじれ国会はそれで解消するわけですから」
村西利恵
「乗り切れますよね」
青山繁晴
「あっという間に長期政権の礎ができるわけですよ。だから、単にズルいんじゃなくて、なかなかしたたかだけれども、それを見てですね、最後にバーンと、その、野田新総理に向けて、とんでもない、いわば挑戦状を叩きつけた人がいるんですよ。あんまりこのお顔もう皆さん見たくないかもしれないけども、これです」
村西利恵
「菅総理が、おととい(8/29)、朝鮮学校への高校授業料無償化適用手続きの再開を指示しました」
青山繁晴
「はい。皆さん、ここにちっちゃく『おととい』って書いてあるけど、これご存知の通り、おとといって代表選の日ですよ(笑)」
一同
「はい、そうです」
青山繁晴
「その代表選の最中に、しかも、その日に事実上新総理決まるんだから、菅さんあなたはもう役割は終わったと。で、その人がですよ、その、さんざん、その、賛成・反対も含めてもう揉めてきた、その、朝鮮学校にも、高校授業料をタダにすると、つまり私たちが負担すると、いうこと、止まってたんですね。それどうしてかというと、北朝鮮が、延坪島っていう島に砲撃をかけたり、あるいは天安号って韓国の船を沈めたりしたわけですが、それだけじゃなくてですよ、それだけじゃなくて、大事なことは、この朝鮮学校において、教科書の中に、拉致事件を否定するような記述や、あるいは日本政府が拉致事件を利用して、でっち上げて利用して、その、差別に結びつけてるんだっていう、事実に反することが書いてあるから、この無償化ってのはおかしいって話になったのに、それを、文部科学大臣の高木さんを呼びつけて、僕、高木さんもそこで辞表叩きつければいいのに情けないと思いますが、やれと言って、再開させたんですよ。この背景に、実はあるのは、さっき言った野田さんの昔からの信念があるから、菅さんとしては黙って見てられなかったんです。それ、その信念、出して下さい」
村西利恵
「野田さんはまだ民主党が野党だった2005年10月に、当時の小泉総理の靖国神社参拝について、質問主意書を提出しています」
青山繁晴
「はい。これ強烈でしょ?というのは、小泉さんは、その、A級戦犯が合祀されてても、私は靖国神社に行くんだって参拝されてたわけですが、その論理じゃおかしいと。その、民主党ですよ?民主党の野田さんが、この、いわば激しいクレームをつけたわけですよ。で、それどうしてかというと、実は、戦犯とされた方々ってのは法的に回復されてると。これ実はですね、ほんとにサンフランシスコ講和条約の11条の中にあるし、それからそれに基づいて日本国家は4回も、国会決議をやって、もう戦争犯罪人じゃないってことを確定してるんですよ」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「これは全くまともな話で、右も左も関係ありませんが、これは、今、中国・韓国が激しく反応してるように、例えば菅さんから見たら、こういうのはあり得ないことに見えるわけですよ。従って、もうその代表選の当日にあれをぶつけてきたっていうのはですよ、その、僕はかなりやっぱり、菅さんもやっぱり総理大臣だけあってですね、情報収集してたと思う、海江田はたぶん勝てない、野田が勝つんじゃないかと。野田が勝ったら、あの、これを、お前やめろっていうことをですね、これ突き付けたのと同じだと思うんですよね。ということは、野田さんが自分を貫けるかっていうのは、もう端的に、あの朝鮮学校の、高校授業料無償化を、手続き再開されたものを、この人が止められるかどうかですよ」
一同
「うーん」
青山繁晴
「もう試金石はっきりしてます。そこで、止められたらですよ、それはもう一度言いますが、賛成・反対も含めて、これほど議論があの、湧き上がってることを、そして民主党の中にも非常に強い反対論があって、例えば、あの、中野寛成さんっていう今の、閣僚はですね、絶対反対ってこともおっしゃってるわけですよ。そのことを、まさか、前の総理がやったから続けるってことしないでしょうね、野田さん。それは、止めて初めて、もう一度、ちゃんと議論をするってことをやれて初めて、野田政権が本当の政治をできるかどうか、そこが分かれ道だと思います。分かれ道はもうこの目の前にあるっていうことです」
山本浩之
「はい。ありがとうございました。以上“ニュースDEズバリ”でした」
____________________________内容紹介ここまで
代表選で見せた野田さんの「ズルさ」、こういうのを外交でも展開していただきたいと強く感じました。
そして野田内閣の初仕事としては、ぜひとも「朝鮮学校授業料無償化手続き再開」の撤回をお願いしたいものです。
ちなみにこの手続き再開については8/30(火)の「アンカー」でも報道されたのですが、その時ヤマヒロさん、ものすごく怒ってました。今日は残念ながら意見を言う時間がなかったみたいですが。
この日は他に、新内閣の閣僚人事は?、リビアのカダフィ大佐はどうなる?、原発事故で東電が補償基準を発表、などのニュースで青山さんの解説がありました。
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらを是非ご覧下さい。
※拙ブログ関連エントリー
・6/11付:野田佳彦さんの歴史認識はかなりまとも。但し総理大臣となると…
今回「アンカー」で話に出た2005年の質問主意書についても。
・8/31付:朝鮮学校無償化手続き再開!?最後の最後に何てことを!(抗議先付き)
平沼赳夫メール通信の紹介も。抗議メールの文面の参考になります。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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「ま、先週前原さんが立候補を表明した段階では野田さんは劣勢だっていうふうにまで言われていたんですよね。フタを開けてみたら、その野田さんが次期総理となりました。さあ、この裏には、どんな巧みな戦略があったのか。さっそく解説をお願いしたいと思います」
青山繁晴
「はい。これ皆さん、大逆転劇の真相と、あの、でっかい字で書いてるんですが、ということは、今までの報道は間違ってるっていう意味なんです」
岡安譲
「へぇー」
青山繁晴
「すみません(笑)、あえて申しますが。で、それはですね、あの、今までの報道では、この大逆転劇っていうのは、組織の、多数派工作によるものだと、いうのがテレビでも新聞でもこう、語られてますね。この、組織の多数派工作っていうのは、僕も記者時代にさんざん書いたんですよ。もうそれも手垢にまみれてて、もうこうやって政界で何かあると組織が裏で動いて、多数派工作をやって、最初から結果決まってたんだよと、その場で何か動いたんじゃないよと、いう、はっきり言うとガーンという思い込みで、今回も報道されたように僕は思います。実際は、あの、皆さんおととい(8/29)の、まだ生々しい、代表選のそのギリギリの当日に、その場で、大逆転が実は起きたと、いうことからお話ししたいんですが、そのためにはまず、2回投票があった代表選挙の得票数をちょっと見てみましょう」
村西利恵
「おととい行われた民主党代表選、左が1回目、右が決選投票の得票数です」
青山繁晴
「はい。これ実はですね、えー、まず本当のポイントは1回目にあったんですよね。とにかく、その、1回目で2位までに残れなかったら、もうそこでおしまい。えー、最有力と言われた、一時期言われた前原さんも、もうここでおしまいになったわけですよね。で、野田さんが2位に入ったっていうことが大ポイントなので。で、この野田さん、102票取りましたから、その、1回目で勝ち残ったわけですね。決選投票に進めましたが。ところがですよ、この野田さん、えー、この1回目の投票の直前に、支持議員の総決起集会っていうのを国会内でやったらですね、50人しか来なかったんですよ」
村西利恵
「50人。つまり半分てことですね」
青山繁晴
「ええ。だから、このあたり(4位5位)にいるはずだったわけですよね。で、それが倍になってるわけです。えー、もう一回言いますが、直前に集めた議員の倍の票がなぜ入ったかというのは、実は、カギを握っている今までになかった票があったんです。こんな票は初めてですが、出して下さい」
村西利恵
「カギを握っていたのは、50から60の浮動票」
青山繁晴
「はい。で、あの時民主党議員で、投票権持っていたのは、つまり小沢さんのように、その、例えば処分受けてらっしゃる方を除いて395票だったんですけど、そのうちの50から60っていうのは非常に大きいですよ、ウエイトとしてですね。で、こんな浮動票が、まるで普通のその、外でやる選挙みたいに浮動票があるっていうのは、今までの自民党の総裁選挙にも、民主党の代表選挙でも、一度もなかったと思いますが、今回これがあった、ま、その一つの大きな理由はですね、小沢さんの力が衰えたっていうことが、その、背景にあると思うんですね。で、従って、この浮動票を誰が取るかが実は隠れた焦点になっていたわけですが、これ、さっき申しましたが、直前に集まってきた議員は野田さんにとって50人しかいなかったんですから。ということは、勝負を賭けるとしたらですよ、この1回目の投票の前に、各投票、いやいや、ごめんなさい、各候補全員が、演説をしたんですよね。その演説しか、もう勝負する場所はなかったんですよ。じゃあその演説をどういうふうにやったかっていうのを、ちょっとまずVTRを見て下さい」
村西利恵
「代表選の、野田さんの演説です」
…………………………VTR開始…………………………
野田佳彦
「私の父は、富山県の農家の6人兄弟の末っ子です。私の母は、千葉県の船橋の農家の11人兄弟の末っ子です。農家の末っ子同士の子供に生まれた子供が、長男が私です。選挙区は都市部ですが、なぜかシティーボーイに見えない理由は、そこにあるかもしれません(会場笑)。貧乏だったので、披露宴は挙げていません。父のトランクの上に、お茶碗を載せて、そして食事をしたという、そういう新婚生活から始めたそうです」
…………………………VTR終了…………………………
青山繁晴
「これ皆さん、日本国の内閣総理大臣を狙うための、演説なんですよ、で、これはあの、僕も驚きました。というのは、その、一番最初にやったのは前原さんだったと思いますけどね、演説。前原さんも含めて、要するにあの、当然総理大臣になるための演説だからもう紙も読みながらですよ、もう固い表情で固い政策の話に当然終始したわけですよ。ところが、いきなり野田さんは、お父様お母様の話で、それもいずれも、その末っ子だったって話をされて、えっ?こんな自分の身の回りのことから話すのかっていうのでみんな驚いたし、それからついでに言うと、前原さんもその時一瞬だけね、あの、ライバルの野田さんに対して友だちの顔に戻って、おい、お前大丈夫かって顔になりましたよ、前原さんも」
村西利恵
「へぇー」
青山繁晴
「で、この野田演説なんですが、さっきご覧に、皆さんご覧になったように、あの、紙は読んでないんですけど、これは、あの、今、僕も紙読んでないですが、僕、暗記してるわけじゃないけど、野田さんは間違いなくこれ、徹底練習して、一字一句暗記してました」
岡安譲
「ほぅー」
青山繁晴
「そして、この中身見ていただくとですよ、まずお父さんは6人兄弟の末っ子だと。そしてお母さんは11人兄弟の末っ子だと。農家の末っ子同士の間に生まれた長男が私ですと。ね。お父さんお母さんの話から入ったけど、自分の話に来てるわけですよね。で、自分、野田佳彦さんは、だから、シティーボーイに見えないと。で、このシティーボーイって言い方自体が、こういう演説では極めて異例で、だからみんな、おやっと思う、そこで意表つかれて、引きつけられてるわけですよ。だって他の演説退屈じゃないですか、はっきり言うと」
村西利恵
「笑いも起こってましたしね」
青山繁晴
「ええ、そうです。どっかで聞いたような話ばっかりだけど、これは、シティーボーイなんて言うから、えっ?と。で、何でそんな話するのかなと思って、そしてシティーボーイに見えないのはお父さんお母さんじゃなくて、ご自分のことだから、ずーっとご自分のことのように見せた上で、貧乏だったので披露宴は挙げてませんって言ったんですよ。いや、聞いてる僕もですね、実は他の議員も、これ野田さんて、えっ?あの、とても可愛らしい奥さんいらっしゃるんですけど、すばらしい奥さんが。えっ、披露宴挙げてなかったのかと思ったんですよ」
村西利恵
「思いました」
青山繁晴
「思ったでしょ?ところがですよ、父のトランクの上にお茶碗を載せて。え?これどういうことかと。これ、だから、実はここ、突然、そのご両親の話にまた戻ってるわけですよね。ご両親は、その、最初、新婚早々の時は、その、披露宴もできなかったってことを言ってる。しかしですよ、全体として、えっ野田さんってそんな苦労をして、いわば、極貧の生活から身を起こしたのかー、本当は堅苦しい、例えば財務官僚の犬とか言われてるけど、そうじゃなくて人の痛み分かる人情派なのかと思わせてますが、そんなことないんですよ。だって野田さんのお父さんて、自衛隊の最強のエリート軍団の第一空挺団の隊員ですよ。そして、空挺団てのはパラシュートで降りますから、あの、危険手当が出ますから、普通の自衛官の給料の3割3分増しなんですよ。ね。で、自衛官もともときちんと生活できますけれど、あの、一般の公務員よりもやや給料は高めです、それは当然のことです、いざとなったら命を懸けなきゃいけませんからね。それに空挺団の、団員ですから、33%も多いわけですよ。従って、そりゃ別にお金持ちじゃない、その、そう豊かではないかもしれないけれども、しかし決して貧しい生活ではないのに、こういう、イメージを、その、ああ、そういう人情家なのか、この人だったら信用してもいいのかなー、特に鳩山さんのお坊ちゃんなんかとは例えば違うよねーって雰囲気を、作り始めた」
村西利恵
「はぁー」
青山繁晴
「これね、僕はあの、キーワードあえて『ズルい』ってやったのは、これ、わざと混乱させてるでしょ?で、何だかよく分からないけど貧しい家の出身なのかと思わせるって戦略なんですよ。事実のまんま、父親母親、昔、貧しかったけど、そのあと空挺団でって話したら、何だそれって話になるじゃないですか。で、それは実は野田さんには、そこまでやる、そこまで演技をする理由があった。深い読みがあった。その読みっていうのは何だったかというと、これです」
村西利恵
「野田さんの読みは、消去法で浮動票が自分にくるかも」
青山繁晴
「はい。これはね、ここ(消去法)が大事なんですよ」
村西利恵
「消去法」
青山繁晴
「はい。これなかったら大したことないんですよ。浮動票が自分にくる、政治家って自意識過剰な人が多いから、普通そう思うんですけど、そうじゃなくて、消去法があれば、俺んとこに来るべっていうふうに、野田さんは見抜いた。じゃあ消去法ってのは何のことかというとこれです」
村西利恵
「海江田さんは3党合意の見直しを示唆していましたし、前原さんは外国人からの献金問題を抱えていました」
青山繁晴
「はい。これまず、海江田さんは小沢さんの支援を受けて、もう本人は総理になる気でいらっしゃいましたしね。えー、だからもうとにかく小沢さん、小沢さん、小沢さんにすり寄らなきゃいけないから。3党合意って何なのかというと、民主党が、自民党・公明党と合わして、マニフェストを見直しますと、いうことを合意したんですよ。ま、検討って言葉になってるけども、事実上の見直しですよね。これ小沢さんは大憤激したわけですよ、この野郎と。俺が苦労して作ったマニフェストで、お陰で民主党は2009年総選挙で勝てて、権力の座にありついたのに、何だその見直しは、っていうので。これを見直す、その見直しを見直すってことを海江田さん言っちゃって、これ致命傷で、これ聞いた、さっきの浮動票の議員をはじめ、民主党の議員は、あの、僕にもけっこう電話・メール来ましたけど、みんな、呆れたわけですよ」
村西利恵
「また揉めるのにと」
青山繁晴
「揉めます。だから海江田さんが総理大臣になったら、これはもう自公とぶつかってですよ、いかなる法案も参議院で止まっちゃって通らない。ということはもう何もかもできなくなって、結局その、追い込まれるだろうと。それから、前原さんで言うとですよ、前原さんが総理大臣になったら、これ前原さんは外国人からの献金問題を発表されたけども、あまりにも遅かった。そして、その遅かっただけじゃなくて、発表を聞いたらですよ、僕も驚きましたが、今まで言われてた、その京都の焼肉店の女性、在日韓国人の女性の方からの献金に加えて、違法な外国人からの献金が他にもあった。しかし自分は知らなかったってことをおっしゃった。それを聞いた議員はですよ、もし前原総理になったら、それが国会で追及される前に、抜き打ちで、衆議院解散総選挙やるしかないと思ったわけですよ。従ってちょっとここ開けてもらうとですよ」
青山繁晴
「さっきの海江田さんも含めて、海江田さんは国会が混乱して解散総選挙、そして前原さんは国会でまともな審議する前に解散打つしかない。つまり、人気高いわけですから。あの、世論調査の結果はですね。そうすると、民主党議員、実は、投票権持ってる人で395人、ね、えー、その、投票権ない人も加えると、要するに400人の衆議院議員がいらっしゃるけども、選挙に弱い人多いわけですよ。その多数の人は、これ(解散総選挙)だけは嫌なんですよ。これだけは嫌だから、従って消去法で言うと、選挙をやらないと言えば、野田さんの方に乗っかってくるだろうということを、野田さんは見抜いたわけですね。えー、その部分、これも演説でちゃんとやってる、手を打ってるんですね。それちょっとビデオで見ていただけますか」
…………………………VTR開始…………………………
野田佳彦
「私は大好きな言葉、相田みつをさんの言葉に、『ドジョウが金魚のまねをしてもしょうがねえじゃん』っていう言葉があるんです。ルックスはこの通りです。私が仮に総理になっても、支持率はすぐ上がらないと思います。だから、解散はしません(会場笑)。ドジョウはドジョウの持ち味があります。ドジョウの政治をとことん、やり抜いていきたいと思います」
…………………………VTR終了…………………………
青山繁晴
「はい。これあの、この時の野田さんの演説の、後半部分、なんですよね。で、野田さん最初のその、そういう人情話でずっと入っていって、静かな語り口で、それが急に声を張り上げて甲高い声で政策の話をして、で、またふっと声を落として、さっきのドジョウ・金魚の話になったんですが、その部分、あの、他の報道ではその、ドジョウだ金魚だ、ドジョウの話ばっかりになってますが、いやいや本当のポイントはドジョウじゃない、ここに抜き出したこの部分にあるんですよ」
青山繁晴
「えー、ルックスはこうだから、すぐに人気が人気が出るわけじゃないので、解散はしない。で、ルックスって言葉もですよ、これその、総理大臣になるための演説としてはこんな軽い言葉は本来は、使ってほしくないような言葉ですよね、外来語だし。それをあえて使って、そして会場はみんなハハーッとこう笑い声が漏れてましたが、笑いながらみんなすごくホッとしたわけですよ」
一同
「なるほど」
青山繁晴
「それまで人情家ってイメージ作ってんだから、実直なこの人情家だから嘘はつかないんだろうと。そして、こうやって、こう柔らかい言い方しながら、実はタブーを犯してるんですね。というのは日本国は憲法の定めによって、衆議院解散って重大なことができるのは内閣総理大臣たった一人。だから、これは実はモラルとして、総理大臣がいかなる考え方があっても自らその手を縛ることはしてはいけませんと、憲法自体、憲法の定め自体がおかしくなってしまうと、いうのに、あえて破ると。ね。それは何のためかというと、このためですね」
村西利恵
「この実直な人の言うことなら信用できると思わせて、浮動票をかき集めた」
青山繁晴
「はい。これ、もう一回言いますが、ズルくないですか?(一同ざわ)いや、大したものとも言えますよ?大したものとも言えるし、これ一人で考えたとは僕は思えないな、最後、決心したのはこの野田さんでしょうが、非常に巧みに演説ってものを使いましたね。そしてもう一回言いますが、政策の違い、増税がどうだと、増税を覚悟して野田さんに入れたというよりは、増税って言っても大丈夫、何でかというと、解散総選挙をしないんだから。だからむしろ、これはっきり申しますが、民主党の方々は自らの保身のために、消去法で野田さんを選んだってことが言えると思います。そして野田さんおそらく、演説してる最中から、すごく手応え感じたと思うんですが、その演説の中で、実は総理大臣になったあとのこと、つまり今やってる人事をにらんだことを、すでに演説の中で言ってます。はい、それは、ちょっとビデオを出す時間がないので、字で見て下さい」
村西利恵
「演説の抜粋です。『中産階級からこぼれた人はなかなか上がってこれない、そこに光をあてようというのが民主党の“国民の生活が第一”という理念だったと思います。その方向性は間違いありません』」
青山繁晴
「皆さん、これ、これ聞いてね、あれあれ?って思わないですか?これ、国民の生活が第一っていうのは、2009年の総選挙の時に、小沢さんが、国民の生活第一って打ち出したやつで、国民の生活第一だから、バラマキと言われようが、子ども手当、そして高校の授業無償化、そして例えば高速道路の無料化も本当はあるし、それから農家の戸別補償もあると。今はすごく評判の悪くなった政策、それを含めたマニフェストを見直すということで、野田さんは自民・公明には3党合意守るって言ってるでしょ。ところが皆さん演説の中でですよ、第1回投票の前の演説の中では、実は方向性間違ってないって言ってるわけですよ。これ全く食い違う話ですが、これ誰に向かって言ってるかというと、もちろん、小沢さんに向かって言ってるんですよね。自分が総理になったら、ちゃんと人事をしますよと。その結果出てきたのは、だからこれなんです」
村西利恵
「それが輿石さん。新幹事長」
青山繁晴
「はい。だからびっくりじゃないんですよ。これは、野田さんが今回どうやって総理大臣に俺はなろうかと考えた時に、そして総理大臣になった暁に、やる人事を考えたら、もうこれしかないってことを、事前に決めてたということですね。そして当然このあとはですよ、そうやって権力の座に就く野田佳彦という人が、いわばその、実直というイメージを、こう膨張させて演技しながら、それで国政が運営できていけるのかと、今後の政治の在り方、政権の在り方が問われるわけですけども、その、後半にそのお話をいたしますが、キーワードは、真っ直ぐ、真ん中からこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『自分を貫けるか』。このあとは、次期総理が行った党役員人事の狙いと、これから直面する問題について、詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「ま、政治家は時にはしたたかな演技も必要だろうと思いますし、あの、今はまだ野田さんに対する期待感の方が私は大きいんですけれども、実際、この状況で、どうやって政権を運営していくのか。続きをお願いしたいと思います」
青山繁晴
「はい。あの、今ヤマヒロさんが言われた通り、ズルいって言葉は決して、その、政治の世界では、けなす言葉じゃないと思いますけども、そこの根っこに志がどうあるかっていうことが非常に重要ですね。だからさっき後半へのキーワードとして、『自分を貫けるか』っていうのは、野田さんっていうのは、実はもともとはっきりした、信念のある人です。それを貫けるかっていうことなんですが、そのためにもまずやっぱり、もう決まった、決まったばかりの党役員人事を、もう一度検証する必要があると思いますね。ちょっと顔、お顔を出していただけますか」
村西利恵
「……の顔ぶれです。輿石幹事長、前原政調会長、平野国対委員長」
青山繁晴
「はい。で、やっぱり焦点はこの幹事長なんですけれども。この、さっきもちらっと言ったかもしれませんが、輿石さんを幹事長にするっていうのは、もう早くから決めてたことだとは僕は確信してます。というのは、それしかないんですよ。というのは、まああの、新聞とかテレビでは事前に、例えばさっきも名前出た川端達夫さんのように、その、中間的な人、を、幹事長に持ってくるって案もあるってありましたが、そんなもんあるわけないんですよ。今の民主党がどれほどひどい分裂状態になってるかっていうのを、野田さんは閣内にいて痛感してますから。だから、そんなその中間的な人でまとめられるような状態じゃないですよ、小沢さんと反小沢のぶつかり合いっていうのはですよ。そして逆に反小沢さんの、その前原さんを持ってきたらですよ、これ6月2日、皆さんまた思い出して下さいね、まだそんな前じゃないんですよ、例の内閣不信任案が葬られた時、菅内閣のですね、あの時小沢さんは、えー、100人近いって説もありますが、90人以上の議員の方々に、一部には、キャッシュも渡して、とにかく、もう新党を作るんだと。だから、与党なのに、与党政権の菅内閣の不信任案を突き付けるんだってことをやってたわけですよ。ということは、小沢さん新党作ることをいったん決心してしまったんですね。だから前原さんを幹事長に持ってきたら、野田政権は、小沢新党ができるって恐怖感に怯えなきゃいけない。ということは、中間派も反小沢もないんですよ。そうすると小沢さんの側から幹事長持ってくるしかない。そうすると、せめてその時に、小沢さんに対しても物が言える人、自分がその新幹事長をうまく取り込んでいけば、いざとなったら小沢んさんにも何か文句を言ってくれる人、そしたらこの人(輿石)しかいないじゃないですか」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「だから、もうあの、輿石さんしかなかったんですよ。で、その上でですね、あの、最初断られてもこだわったのは、もちろんそういう理由もあるけど、実はもう一つ、このへん僕は野田さんは、この点ではなかなかしたたかだと思うのは、もう一つ、実は輿石幹事長の起用について、表に出てない狙いがあります。それはこれです」
村西利恵
「民主党幹部によると、輿石幹事長の起用で、『野田さんが狙っているのは大連立ではなく、公明党との連携。そのために小沢さんの力が必要だった』」
青山繁晴
「はい。これ僕はまず、その民主党の中で、小沢さんと遠い方々に電話とメールで聞いていって、で、最終的には小沢さんに極めて近い方に確認をしたんですけれども。つまり、野田さんは、大連立、大連立ってこうやって言ってるでしょ。あれが見せかけだってわけですよ。大連立っていうのは本当は公明党は付け足しで、なぜ『大』かというと、自由民主党と連立するからでしょう?ね。自民党との大連立がほんとの目的だったら、輿石さんを幹事長にするはずがない。どうしてかというと、輿石さんは全く小沢さんそのものじゃないですか。表裏一体ですよね。すると自民党は小沢さんに対する警戒感は、そりゃものすごく強いわけですよ。それこそもう、あの、抜きがたいアレルギーがあるわけで」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「ということは、幹事長を小沢さんの仲間の輿石さんを持っていったら、自民党とは上手く行かないと、協議が上手く行かないってことを実は見越してるわけじゃないですか。ところが、参議院を通じて、公明党とはですよ、小沢さんも輿石さん自身も実は、パイプがあるわけです。で、小沢さんは輿石さんどころか、もっと古くからのパイプ持ってるから、公明党にターゲット絞るんだったら、輿石幹事長でいいわけですよ」
山本浩之
「そうかー」
青山繁晴
「そして、公明党と組めば、別に自民党と、うるさい自民党と無理な大連立をする必要がない。公明党と組めば、ねじれ国会はそれで解消するわけですから」
村西利恵
「乗り切れますよね」
青山繁晴
「あっという間に長期政権の礎ができるわけですよ。だから、単にズルいんじゃなくて、なかなかしたたかだけれども、それを見てですね、最後にバーンと、その、野田新総理に向けて、とんでもない、いわば挑戦状を叩きつけた人がいるんですよ。あんまりこのお顔もう皆さん見たくないかもしれないけども、これです」
村西利恵
「菅総理が、おととい(8/29)、朝鮮学校への高校授業料無償化適用手続きの再開を指示しました」
青山繁晴
「はい。皆さん、ここにちっちゃく『おととい』って書いてあるけど、これご存知の通り、おとといって代表選の日ですよ(笑)」
一同
「はい、そうです」
青山繁晴
「その代表選の最中に、しかも、その日に事実上新総理決まるんだから、菅さんあなたはもう役割は終わったと。で、その人がですよ、その、さんざん、その、賛成・反対も含めてもう揉めてきた、その、朝鮮学校にも、高校授業料をタダにすると、つまり私たちが負担すると、いうこと、止まってたんですね。それどうしてかというと、北朝鮮が、延坪島っていう島に砲撃をかけたり、あるいは天安号って韓国の船を沈めたりしたわけですが、それだけじゃなくてですよ、それだけじゃなくて、大事なことは、この朝鮮学校において、教科書の中に、拉致事件を否定するような記述や、あるいは日本政府が拉致事件を利用して、でっち上げて利用して、その、差別に結びつけてるんだっていう、事実に反することが書いてあるから、この無償化ってのはおかしいって話になったのに、それを、文部科学大臣の高木さんを呼びつけて、僕、高木さんもそこで辞表叩きつければいいのに情けないと思いますが、やれと言って、再開させたんですよ。この背景に、実はあるのは、さっき言った野田さんの昔からの信念があるから、菅さんとしては黙って見てられなかったんです。それ、その信念、出して下さい」
村西利恵
「野田さんはまだ民主党が野党だった2005年10月に、当時の小泉総理の靖国神社参拝について、質問主意書を提出しています」
青山繁晴
「はい。これ強烈でしょ?というのは、小泉さんは、その、A級戦犯が合祀されてても、私は靖国神社に行くんだって参拝されてたわけですが、その論理じゃおかしいと。その、民主党ですよ?民主党の野田さんが、この、いわば激しいクレームをつけたわけですよ。で、それどうしてかというと、実は、戦犯とされた方々ってのは法的に回復されてると。これ実はですね、ほんとにサンフランシスコ講和条約の11条の中にあるし、それからそれに基づいて日本国家は4回も、国会決議をやって、もう戦争犯罪人じゃないってことを確定してるんですよ」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「これは全くまともな話で、右も左も関係ありませんが、これは、今、中国・韓国が激しく反応してるように、例えば菅さんから見たら、こういうのはあり得ないことに見えるわけですよ。従って、もうその代表選の当日にあれをぶつけてきたっていうのはですよ、その、僕はかなりやっぱり、菅さんもやっぱり総理大臣だけあってですね、情報収集してたと思う、海江田はたぶん勝てない、野田が勝つんじゃないかと。野田が勝ったら、あの、これを、お前やめろっていうことをですね、これ突き付けたのと同じだと思うんですよね。ということは、野田さんが自分を貫けるかっていうのは、もう端的に、あの朝鮮学校の、高校授業料無償化を、手続き再開されたものを、この人が止められるかどうかですよ」
一同
「うーん」
青山繁晴
「もう試金石はっきりしてます。そこで、止められたらですよ、それはもう一度言いますが、賛成・反対も含めて、これほど議論があの、湧き上がってることを、そして民主党の中にも非常に強い反対論があって、例えば、あの、中野寛成さんっていう今の、閣僚はですね、絶対反対ってこともおっしゃってるわけですよ。そのことを、まさか、前の総理がやったから続けるってことしないでしょうね、野田さん。それは、止めて初めて、もう一度、ちゃんと議論をするってことをやれて初めて、野田政権が本当の政治をできるかどうか、そこが分かれ道だと思います。分かれ道はもうこの目の前にあるっていうことです」
山本浩之
「はい。ありがとうございました。以上“ニュースDEズバリ”でした」
____________________________内容紹介ここまで
代表選で見せた野田さんの「ズルさ」、こういうのを外交でも展開していただきたいと強く感じました。
そして野田内閣の初仕事としては、ぜひとも「朝鮮学校授業料無償化手続き再開」の撤回をお願いしたいものです。
ちなみにこの手続き再開については8/30(火)の「アンカー」でも報道されたのですが、その時ヤマヒロさん、ものすごく怒ってました。今日は残念ながら意見を言う時間がなかったみたいですが。
この日は他に、新内閣の閣僚人事は?、リビアのカダフィ大佐はどうなる?、原発事故で東電が補償基準を発表、などのニュースで青山さんの解説がありました。
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらを是非ご覧下さい。
※拙ブログ関連エントリー
・6/11付:野田佳彦さんの歴史認識はかなりまとも。但し総理大臣となると…
今回「アンカー」で話に出た2005年の質問主意書についても。
・8/31付:朝鮮学校無償化手続き再開!?最後の最後に何てことを!(抗議先付き)
平沼赳夫メール通信の紹介も。抗議メールの文面の参考になります。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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ところ:星陵会館 東京都千代田区永田町2-16-2(地図こちら)
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