父と前原誠司
 今日の昼、両親がうちに来ました(何カ月かに1度来る)。
 母がどこかで買ってきてくれたお弁当を3人で食べながら、いつものように父(昭和10年生まれ)と私で歴史観を巡って議論。いや、議論っちゅーほど大したもんじゃないんですが(^_^;

 話題の中心はやはり靖国参拝問題。

 父は首相の靖国参拝には反対。理由はA級戦犯が祀られているから。この持論は昔から変わってません。
 どういうきっかけでそういう考え方になったのか、今日は少し具体的な話を聞くことができました。

 父曰く。
 「近所の旦那さんが召集されてミンダナオで戦死した。その後、その一家は火事で旦那さんの母親が死んだり、妻が自殺したりと、不幸が相次いだ。家族をめちゃくちゃにした戦争指導者=A級戦犯が祀られてある神社に首相が参拝するなんて、遺族としてはたまらんやろ」

 ……奥さんの自殺はともかく、火事やお祖母ちゃんの死は戦争とは関係ないと思うぞ(^_^;

 私曰く。
 「そもそもA級戦犯というのは占領軍が報復裁判で作り上げたものであって、日本人が裁いたわけとちゃうねんから。日本人が裁いて『東條は罪人』と認定されたんやったらまだしも、そうとちゃうねんから。
 お父さんは特に東條英機が憎いみたいやけど、実は彼は開戦には否定的でギリギリまで戦争回避の努力をしたらしいよ。
 とにかく彼に関しては最近新しい資料も出てきてるし、占領下にお父さんがアメリカから叩き込まれたイメージとはだいぶ違ってると思うよ」

 父も最後には、「まぁ東條も天皇を守るために悪人役を引き受けたという面はあったかもしれんけどな」と少し温情(?)を示してましたが……。
 父は戦時下でいろいろと見たであろう世代ですから(戦地は見てないし空襲経験もないけど)、戦後生まれの私には想像もつかない悲しい体験とか苦しい体験とかがあったんだろうと思います。その「感情」はやっぱ尊重してあげるべきなんだろう、と。

 ちなみに父には、「アジアの人たちに被害を与えたからダメ」という気持ちはほとんどなくて、もっぱら「日本人に被害を与えたからダメ」らしい。
 そのへんの反日サヨクとは違うってことで。

 父は靖国神社に一度だけ行ったことがあるそうです。遊就館も見たそうです。
 父は遊就館のスタンスに大いに異を唱えながらも、それよりももっとアカンと感じたのは、「あんなチャチな武器で戦ってたなんて」ってことだそう。
 「武器も遅れてるし、物量的にも大きく劣ってることは当時の指導者にはわかってたはず。そんなアメリカを相手に戦争を始めたのが間違い。出さんでええ犠牲者をたくさん出した。だから許されへん」と。

 気持ちはわかるけど、でもやっぱり私はこう思う。
 当時は朝日新聞などマスコミの煽りもあって国民のほとんどがイケイケだった。
 欧米に外交的に追いつめられて、「ここはいっちょやったらなあかん。黙って引き下がるわけにはいかん」と大和魂も燃えたんじゃないかと。
 さらには有色人種の代表としての気概みたいなもの(当時有色人種の国で白人と戦えるのは日本以外にはなかった)もあっただろうこと。
 歴史関係の本など見てますと、やはり当時は全国的にそういう空気が蔓延してたんじゃないかと思えてなりません。
 不利な条件はいくつもあるとわかっていながらも、『指導者』だけでなく国民も一丸となって、「いっちょやったろかーい!」のノリで開戦に向かって行った、そんな気がするんです。
 
 さて、お昼ご飯を食べた後、私は仕事。
 父はうちでとってる産経新聞を熟読(父は普段朝日新聞購読。新聞代を安くあげるために定期的に毎日新聞に変更)。
 母はひたすらトイレやお風呂なんかの掃除をしてました。私は「そんなんええからほっといて」と止めるんですが、「ええからアンタは仕事しとき!」と、いつも勝手に掃除する母。
 それはいいけど、いつも小物を勝手に配置換えしちゃうんですよ。後で「何がどこにあるのかわからん!お母さん、あれどこに置いたの?!」と電話で訊くことがちょくちょくある(^_^;

 しかも母ってば、今日はトイレに飾ってあった小瓶(中が液体でウインドサーフィンがゆらゆら揺れてる)を割ってしまった。
 これ確か、昔の彼氏にお土産でもらったヤツなんだよね……割られるまでそんなことすっかり忘れて飾ってあった……ま、どうでもいいか……はぁ。

 とかやってたら、父がおもむろに私の仕事部屋に来て、「前原……(ぼそぼそ)アカンなぁ」と。

 私「え?前原さんアカンの?じゃあ誰がええの?菅直人?」
 父「いや、産経がアカンのや。前原の悪口書いてる」
 私「あー、今日の社説か。そらしゃーないんちゃうの?いきなり党内の顔色窺ってるようじゃ……って、ええっ?前原さんって改憲派やで?お父さん護憲派やったんちゃうの?」
 父「いや、憲法は改正してもええ」
 私「前原さん、憲法9条も改正するって言ってるよ?」
 父「ええがな」
 私「……お、お父さん、いつ転向したん?バリバリの護憲派やったのに!(^_^;」

 時代の変遷とともに、父の考え方も少しずつ変わってきたみたい。ええこっちゃ。

 その前原さん、今日は党首討論デビューでしたね。
 中継をちょこちょこっと見ました。
 
 前半はなかなか良いことも言ってたんですけどね。
 「戦後60年も経ってるのにまだ米軍施設がある。日本が主体的に管理して米軍に貸すならいいが、そうではない。沖縄の米軍ヘリ墜落事故でも日本は警察が入れなかった。日本が踏み込めないのはおかしい」てな感じで。
 「アメリカに頼らず自前で情報機関を作れ」とも言ってたし。
 ガス田問題でも、「中国が日本側からガスを吸い上げようとしてるのに、見て見ぬふりか?それとも帝国石油に試掘させるのか?」てなふうに小泉くんを問いつめてたりもした。

 ところがこれが日中問題や靖国問題になると、やっぱガクーンと急降下(T^T)

 「靖国参拝」で論戦 小泉首相と前原代表の党首討論
■党首討論での靖国参拝をめぐるやりとり

 〈民主・前原代表〉 靖国参拝を強行されたことで日中間の戦略的な包括的な対話の道筋が閉ざされた。町村外相が(中国に)行くと言って断られている。盧武鉉(韓国大統領)さんも来ないと言っている。しっかりとした関係構築ができるのか。

 〈小泉首相〉 できると思っている。中国、韓国との問題は靖国参拝だけではない。靖国参拝をやめればいいのかという議論にはくみしていない。中国にしても韓国にしても理解していただくように努力していかないといけない。

 「思想および良心の自由は、これを侵してはならない」と憲法19条に規定されている。総理大臣である小泉純一郎が一国民として参拝する、しかも平和を祈念する。平和と繁栄は現在生きている人だけで成り立っているのではない。過去の戦場で倒れた方々の尊い犠牲の上にあることを片時も忘れてはならないと参拝している。それがどうしていけないのか。私は理解できない。

 〈前原代表〉 誰がいけないと言ったか。私はA級戦犯が合祀(ごうし)されている間は行かない。靖国神社が45年まで国家神道の姿として存在していた。(両手を胸の前で合わせて)これはないですよ。これはお墓参りだ。神社に行くときは頭(こうべ)をたれるものだ。しかも、ポケットからさい銭出してチャリン、こんな不謹慎な話はない。私人としての参り方を演出したかったのかもしれないが、むしろ亡くなった方に失礼だ。

 憲法には思想信条の自由だけでなく、政教分離も書いてある。大阪高裁では憲法判決も出ている。中国の多くの問題をトータルに考えず、この4年半は外交不在の小泉政権だ。

 行きもせん人間が、他人の参拝の仕方にいちいち文句言う筋合いはないと思う(-.-#)

 「憲法判決」、これホントに言ってたけど、いいんですか?
 時間切れ直前だったので焦って言い間違えただけで、「違憲判決」と言いたかったんかしら?だとしたら何度も言うけどこれは間違いで、正しくは「違憲判断」ですよ。

 前原さんの論理で( ゚Д゚) ハァ?なのは、「A級戦犯が祀られているからダメ」論を展開しておいて、最後に「憲法判断」を持ち出したこと。
 だって「A級戦犯が合祀されている間は行かない」ってことは、「A級戦犯が分祀されたら行く」ってことでしょ(分祀なんてありえないけど)。だったら憲法判断だの政教分離違反だのは一切関係ないってことにならんか?

 あと、↓この記事なんか見ますとね、

 「首相は参拝すべきでない」 民主党の前原代表が東京で講演

 前原氏はA級戦犯に関して「内外で被害者を出した戦争の責任を負うけじめが必要。死後は神仏になるという考えもあるが、政治は結果責任であり、現役政治家の甘えにつながる。人生を終えても責任を取り続けるからこそ、国民の負託を受けている」と、政治家としての姿勢を訴えた。

 日本では死んだらみな仏のはずだが。
 もちろん、めちゃくちゃ無能だった政治家が死後「あいつは最悪の政治家だった」とか悪口言われたりするのは仕方ないと思う。
 でも「死後も責任を取り続けるべき」ってのは言い過ぎじゃないですか?
 少なくとも日本人の発想ではないですな。中国人の発想ですわ。

 とにかく前原さんって、頭でっかちで土台がグラグラ〜という印象です。
 国民の期待も高いですし、何よりうちの父も高く買ってますんで、どうか頑張って下さいまし。

 あ、書くの忘れてた。
 父は「日清・日露戦争から日本人は総括せなあかんな」とも言ってました。
 父的にはこれらの戦争は「列強が来てたので戦わざるを得なかった」んだそうです。大東亜戦争だけが×なんですなぁ。
 これってつまり「勝つ戦争ならOK」ってこと?お父さん?(^_^;

※参考リンク:
 母子草の押し花及び東條かつ子夫人の書付等〜東條英機陸軍大将について

※拙ブログ関連エントリー:
 9/17付「前原誠司の発言まとめ」

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Posted by くっくり 01:57 | 歴史認識 | comments (32) | trackback (2)