「TVタックル」靖国問題徹底討論SP
出演者(紹介順):
三宅久之、西尾幹二、佐々淳行、高野孟、平野貞夫(元参議院議員)、末松義規(参議院議員・民主党)、山本一太(参議院議員・自民党)、城内実(衆議院議員・自民党)
(城内さんは、郵政民営化法案に反対票を投じて最近注目されてる人)

 例によってメモ取れた分だけ起こします。
 録画してなくて確かめようがないので、「あの発言が抜けてるよ〜」とかいうのがあったら、教えていただけたら嬉しいです。
 「……」になってるのは聞き取れなかったりメモ追い付かなかった箇所です。

 長文ですので表示を最小限にしています。全部読むにはこのエントリー最後にある「続き▽」をクリックして下さい。

〈VTRその1〉

2001年総裁選を前にして
小泉純一郎
「私が総理になったら、8/15にいかなる批判があろうとも必ず参拝します」

が、未だ果たせていないそのわけは……
反日デモ、中国の抗議(A級戦犯)など。

1985/8/15 大騒動の靖国神社、プロ市民らが垂れ幕、シュプレヒコール。
中曽根が戦後の総理として初の公式参拝

2001/8/13 小泉前倒し参拝
前倒しした理由を聞かれて、「口は一つだけれども耳は二つあるとよく考えて、人の意見をよく聞くことも総理として大事だと」。

2002年は4/21(2度目の参拝)
2003年は1/14(3度目の参拝)
2004年は1/1(4度目の参拝)

2004/1/1
元旦になぜ参拝か?と聞かれて、「初詣という言葉があるように、日本の伝統じゃないですか」。

西村眞悟
「……行く行く言って行かない。あんた総理だから行きたかったらあっさり行けと。毎日行けと」

江口ともみが前振り&出演者紹介。

ビートたけし
「太平洋戦争というのは、こっちが悪いとかこっちが正しかったとかいう話なのか。韓国に行ったら、韓国の人たち、口には出さないけど無言の圧力がある。過去の日本の悪事があって、でも我々は耐えているという前提で進められている。だけども若いから言わないようにしとくね、という」

阿川佐和子
「たけしさん、靖国神社にお参りしたことあるんですか?」

ビートたけし
「ありますよ。いちおうは。戦争映画に出るとか、兵隊の役やる時。自分は運が良くテレビ文化の中で、皆様の犠牲の中でやらせていただいてると。その意味はよくわかるし、もっと普通に、戦争は誰が悪いわけでなく、靖国神社を考え出せば、間違っていようと敬意を払わないといけない、それだけの話にしたい。でもそうはいかないと(中国や韓国は)持ってくるでしょ?」

〈VTRその2〉

靖国神社とは?
みたままつりの映像。戦後に始まったお盆の年中行事。
靖国神社では、戦争で国のために亡くなった人たちを神として祀っているという。創建から130年、どれだけの人が祀られているのか?

大山晋吾(靖国神社の広報課長)
「(坂本竜馬、吉田松陰など祀られてる人をあげて)一座なんですよね。一つの座布団の上に全員がお座りいただいてるとご理解を。靖国には遺骨はない。仏教ではお墓にお骨を入れるが、神道では目に見えない魂、御霊をお祀りしています」

靖国神社の歴史が紹介される(省略します)。
祀られている246万柱のうち、ほとんどが太平洋戦争の戦没者。
軍人の多くは「死んだら靖国で合おう」と誓い合っていた。
靖国神社が戦争に果たした役割とは?

西村眞悟
「靖国神社があるから、日清・日露戦争に勝てた。60年前負けたけど戦えた」

福岡政行
「魂が戻ってくる所であるのは当然。そのことが国家神道や皇民化教育……などにつながると、朝鮮、中国、台湾の人はつらい思いがあるのかなと」

遊就館には、戦死者の残された遺書なども神のものとして陳列してある。
亡くなった兵士の胸元に入っていた母の写真(裏にびっしり「お母さん」という文字)。
阿南陸軍大臣の血染めの遺書、零戦や戦車の復元、手紙など10万点にものぼる。

大山晋吾
「関係資料として展示させていただいている。戦争は決して起こってはならない、起こしてはならないというのは基本。やむをえず起こった戦争の経緯を説明させていただいている」

靖国神社の神々として壁一面にならぶ戦没者の遺影。中にはA級戦犯の姿も。
東條英機はじめ14人。神として祀られている。

大山晋吾
「昭和殉難者と呼ばせてもらってる。お祀りされたら神様、皆平等、上も下もない。展示もそうなっています」

城内実
「私は帰国子女で10年ほど海外で暮らした。私の感覚から言っても、靖国神社は本来は国が管理すべき。今は宗教法人だから、国が言うのはいけない。私は総理の参拝に賛成です。8/15に行くべきです」

山本一太
「私も今の状態で、中国に言われてやめることできないし、行くべきだと思う。靖国参拝に賛成してる人も二つに分かれる。A級戦犯は犯罪人じゃない、あの戦争は間違ってない、だから他国にいちいち言われず行くべきだと。もう一つは、小泉総理も言ってるように、国策誤って戦争をやってしまった、不戦の近いのために行く。戦争が間違ってないというのと違いますから。私はそういう気持ちで行く以上、やめることはないと思う」

末松義規
「私は反対。靖国神社が何かという本質。軍属、死んだら名誉を与えるという施設。その前提でやった戦争は正義とならざるをえない。間違った戦争のために戦死したんだとは言えない。みんなが行くのはかまわないが、総理が公的に参拝されるのは控えるべき」

平野貞夫
「私は遺族。叔父が中国事変で戦死。ただ私は熱心に参拝していたが、小泉総理が一番悪い形で政治利用したので、それ以来私は参拝を遠慮している。総理も天皇陛下も国民世論を見て……中曽根さんの頃までは保守層の……。が、小泉さんは総裁選挙の権力闘争に利用した」

西尾幹二
「さっきたけしさんが、韓国行ったら若い人から圧力受けると言った。日本国民が韓国・中国からある特定の呪いというかまじないをかけられている(スタジオ笑い)。お祓いでとっぱらえばいい。罪だと思うからいけない。我が国が戦争をした、せざるをえなかったと私は言いますが、それが大きな間違いであると言い張ったり、平和の祈りというのはそうだが、というより、一旦何かあったら日本人は立ち上がるぞというために行く」

続き▽
Posted by くっくり 23:23 | TV番組内容紹介 | comments (25) | trackback (6)
6カ国協議再開について思うこと
 今日(7/10)、ケーブルテレビのアニマックスで映画「ウインダリア」をやってました。
 公開は1986年。当時見て号泣した覚えがあります。今日見たらやっぱり泣けてきました。
 この物語のテーマは「約束」。男女間での約束、国家間での約束。ある者は約束を守るために命を投げ出し、ある者は長年守ってきた約束をあっさり破り、ある者は約束をしたことすら忘れてしまう。
 「約束」って何だろう。改めて考えさせられました。

 さて本題。
 6カ国協議がこの月末にも再開されるそうですが、あまり喜ぶ気持ちになれません。どの国もやる気があるようには見えないから。

 中国は北朝鮮の生殺与奪権をしっかり握ってますから、北朝鮮が核兵器を持とうが持つまいがさほど関心はないように見えます。本当に核を持たせたくないなら援助を即ストップすればいいだけのこと。なのにそれをしないんですから。
 中国は現在、脱北者の問題に悩まされています。もし北朝鮮が崩壊したら脱北者どころでない莫大な数の難民が押し寄せてくるわけで、それだけは絶対に避けたいと思っているでしょう。
 つまり中国は北朝鮮を生かさず殺さず、現状維持させたいと考えてるわけです。

 韓国は盧武鉉政権がもうすっかり北朝鮮に取り込まれてます。盧武鉉も韓国国民も「同じ民族だから北が韓国に核を使うことはありえない」と無条件で信じちゃってるようです。それどころか「同じ民族が核を持つ」ことを誇りに思ってるようなフシも見受けられます。
 ただ、国民の大多数は北の崩壊や南北統一は望んではいません。答えは簡単で、「今の自分たちの生活水準を落としたくない」からです。統一は自分たちの代でなく子や孫の代で……と考えているようです。ということで、やはり現状維持が理想。

 ロシアは何考えてんだか、正直私にはよくわかりません。
 4月末には「ロシアは6カ国協議が決裂した場合は安保理にかけてもいいと言ってる」というニュース、また6月末には「北朝鮮が中国に代わってロシアに6カ国協議を主催するように要請してきた」というニュースなど、断片的な話は伝わってきてたんですが、まあこの国も北朝鮮が核持ったところで大して困らないんでしょう。

 アメリカも「テポドン2号」が完成したらハワイやアラスカが射程圏内に入るということで、かなり気にはしてるんでしょうけど、やはりイラクが尾を引いてますしね。これが落ち着かないと北朝鮮に本腰入れないんでしょう。またイランの問題もありますしね(北朝鮮はイランと核の研究開発で協力し合っているという報道もあります)。

 北朝鮮はアメリカとしか話す気がないし、これまでのように事態を引き延ばしてアメリカから譲歩を引き出す作戦なんでしょう。もっともアメリカはライスさんがいる限り、変な譲歩の仕方はしないと思いますが。

 こうやって改めて考えてみると、北朝鮮の核に対して本当に困ってるのって日本だけなんですよね。北朝鮮の核は他でもない、日本にのみ向けられてるんですから。
 「北朝鮮は日本を攻撃できない。そんなことしたらアメリカが即座に北朝鮮に反撃する。金正日も馬鹿ではないから自分を滅ぼすようなことはしない」という声もよく聞かれますが、アメリカが北朝鮮に絶対に反撃してくれるという保証はあるのでしょうか。日米同盟という「約束」は果たして守られるのでしょうか。
 日本が攻撃を受けた時、アメリカが自国の国益に照らしてどう判断するのか、その時になってみないとわからないのではないでしょうか。
 (だからって「日本は北朝鮮に譲歩せよ」と言う気はさらさらありません。念のため)

 6カ国協議再開にあたって、北朝鮮は日本に対してさっそく牽制してきてますね。

 「実質的な進展」に最善尽くす=「日本は寄与せず」−6カ国協議で北朝鮮
 【ソウル10日時事】朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省スポークスマンは10日、6カ国協議の再開で米国と合意したことに関して、「協議再開自体も重要だが、朝鮮半島の非核化を実現する上での方策を協議で深く論議し、実質的な進展を遂げることが根本」と述べ、「われわれはこれに最善の努力を尽くす」と強調した。朝鮮通信(東京)が伝えた。
 同スポークスマンはまた、「全朝鮮半島非核化を支持する周辺諸国も6カ国協議再開のために努力した」と述べる一方、「日本だけは協議再開に寄与したものがない」と批判した。北朝鮮は6カ国協議での日本の拉致問題提起に反発しており、協議再開を見据え、日本側をけん制したとみられる。 
(時事通信) - 7月10日17時0分更新

 日本も協議再開に寄与してますよ。日本は譲歩や支援を極力しないことで北朝鮮を追いつめ、6カ国協議に引き出す役割の一端を担ったと私は思っています。
 まあ逆に言えば、北朝鮮に批判されてるうちは日本も大丈夫でしょう。日本が北朝鮮に譲歩してないことの証左です。これがほめられるようになったら逆にヤバイですわ。
 北朝鮮は今の段階から6カ国協議が上手く行かなかった時のための言い訳を考えてるようにも見えますね。日本は拉致問題を提起しないわけにはいかないし、そうしたら北朝鮮が日本を悪者にしてくるのは必至でしょう。

 日朝平壌宣言から2年10ヶ月。北朝鮮は「約束」をどう捉えているのでしょうか。
 平壌宣言後まもなく核保有宣言をしたばかりでなく、拉致問題(=日朝間に存在する諸問題)にも不誠実な対応しかしてきていません。「拉致問題は解決済」と言い張り、挙げ句に横田めぐみさんの偽遺骨まで出してきました。「誠意を持って取り組む決意」など微塵も感じられません。

 国際社会の平和を保つために必要なのは、第一に国家間でルールや約束事を決めて(条約や宣言など)それを互いに守ることです。当たり前のことですが。
 その後の情勢の変化などで、やむを得ず約束事が反故にされることは多々ありますが、問題なのは、北朝鮮という国はルールや約束事を最初から守る気がないということです。
 
 次々に約束を反故にしてきた北朝鮮、これを「国家」として扱う方が間違いなのかもしれません。
 「北朝鮮は国家じゃない。ヤクザだ、マフィアだ」……日本以外の国はおそらくそういう前提で北朝鮮と向き合ってるんだと思います(たとえ表向きは「国家」と認める発言をしても)。
 日本もそろそろ、あそこは国家じゃなくてヤクザなんだと割り切って、対策を考え直した方がいいんではないですか?でないといくら北朝鮮と交渉の機会が持てたところで、事態は進展しないと思います。

Posted by くっくり 01:26 | 北東アジア | comments (9) | trackback (6)