「アンカー」マイケル・ムーア監督インタビュー
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★★★天皇陛下会見特例問題について★★★
遠藤健太郎氏によれば、外務省は「完全に民主党上層部主導で、担当職員にアドヴァイスの余地すら与えられなかった」「抗議してほしい」と言っているそうです。電話やEメールより当面は書簡かFAXが有効だそうです。
民主党本部 〒100-8914 東京都千代田区永田町1丁目11-1
FAX:03-3595-9961
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■12/16放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
青山さんは海外出張(エネルギー関係の学会出席)のためお休みで、“ニュースDEズバリ”コーナーのVTR出演のみ。
スタジオには和田秀樹さんが来られてました。
あと山本浩之キャスターも15日、16日とお休み。ネットでは、天皇陛下会見特例問題で小沢幹事長を批判した14日の発言(前エントリー参照)が原因で民主党に圧力かけられたのでは?などと言われたりしているようですが、そうじゃなくて忌引きです。実のお父さまが亡くなられたそうです(青山繁晴さんのブログ12/15付参照)。
司会は岡安譲キャスターが務めました。
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★★★天皇陛下会見特例問題について★★★
遠藤健太郎氏によれば、外務省は「完全に民主党上層部主導で、担当職員にアドヴァイスの余地すら与えられなかった」「抗議してほしい」と言っているそうです。電話やEメールより当面は書簡かFAXが有効だそうです。
民主党本部 〒100-8914 東京都千代田区永田町1丁目11-1
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■12/16放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
緊急対談青山×M・ムーア監督、こんな世界に誰がした・金持ち優遇社会はNO
青山さんは海外出張(エネルギー関係の学会出席)のためお休みで、“ニュースDEズバリ”コーナーのVTR出演のみ。
スタジオには和田秀樹さんが来られてました。
あと山本浩之キャスターも15日、16日とお休み。ネットでは、天皇陛下会見特例問題で小沢幹事長を批判した14日の発言(前エントリー参照)が原因で民主党に圧力かけられたのでは?などと言われたりしているようですが、そうじゃなくて忌引きです。実のお父さまが亡くなられたそうです(青山繁晴さんのブログ12/15付参照)。
司会は岡安譲キャスターが務めました。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeで拾ったビデオからキャプチャさせていただきました。
青字はナレーションです。
ちなみに青山さんは英語で喋ってて字幕、ムーア監督は吹き替えでした。
内容紹介ここから____________________________
村西利恵
「このあとは青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナー、今日は緊急企画です」
…………………………VTR開始…………………………
先日、注目の最新作を引っさげて、ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアさんが来日。
アポなし突撃取材で知られる監督に、青山繁晴がずばり突撃インタビューです。
マイケル・ムーア
「大きな問題があって、変革が必要なのに、『資本主義』は何も解決してくれない」
…………………………VTR終了…………………………
(いったんCM)
岡安譲
「レギュラーコメンテーターの青山繁晴さんは海外出張のために、今日の“ニュースDEズバリ”のコーナーはVTRでの出演です」
村西利恵
「はい。その青山さんは先日、ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアさんと対談しました。社会派映画監督との対談だけに、議論はかなり白熱したようです」
…………………………VTR開始…………………………
ドキュメンタリー映画の鬼才、マイケル・ムーア監督の最新作「キャピタリズム マネーは踊る」。
今回、監督が選んだテーマは、ずばりアメリカの資本主義。
ローンが払えず続出する自宅の差し押さえ、相次ぐ一斉解雇で国民の10人に1人が失業中という現実。
100年に一度と言われる世界同時不況の中、崩壊したアメリカ社会を映し出します。
そのマイケル・ムーア監督が先日、初来日。青山繁晴が本音に迫りました。
青山繁晴
「マイケル・ムーアさんというのは、世界にいっぱいいる映画監督の中でも、たった1人のユニークな存在だと思います。というのは、ま、ドキュメンタリー作家ですから、現実を映すのはもちろんなんですが、その現実を映画の中に入れるだけじゃなくて、ご本人も映画の中に入っていて、突撃インタビューも含めて、もうその、自分の身体全身で現実を表現する人なんですね」
【GM本社へアポなし取材!】
【ウォール街で金を返せと交渉!】
青山繁晴
「それはいいんですけど、このインタビューの当日の朝、なかなか約束の時間に出て来ないんです。で、それは彼が日本に初めて来たということで、時差で苦しんでるってこともあったけれども、実はそのホテルの部屋で、オバマ大統領のアフガン政策と向かい合って、こう、ぶつかり合うっていう生のことがあって、なかなか出て来れなかったという、実は印象的な出来事がありました。インタビューはそこから始まります」
【日本時間12月2日】
アメリカ オバマ大統領
「我々の安全保障がアフガニスタンとパキスタンで危険にさらされているから、決断した」
先日、オバマ大統領が発表したアフガニスタンへの3万人規模の追加派兵。
熱烈なオバマ支持者でもあるマイケル・ムーア監督は、このインタビューの前日、大統領に宛てた公開書簡を発表し、増派に反対の声を挙げていました。
これに、アメリカのメディアが大きな関心を寄せていたのです。
マイケル・ムーア監督は映画「キャピタリズム」の中で、自宅のローンが払えず、強制的に立ち退きを迫られる人々を数多く描いています。
去年9月、金融危機を引き金に始まった世界同時不況。
アメリカでは自宅と職を失う人々が急増しているのです。
一方、その原因を作ったウォール街のトップたち。
不良債権を国民の税金7000億ドルを使って救済したにも関わらず、巨額のボーナスを手にしていました。
「わずか1%の富裕層が底辺の95%の人より多くの富を所有し、独占的に利益を得る。それが資本主義だ」
そう断じたマイケル・ムーア監督は、資本主義にかわる新しい仕組みを求めて動き出すのです。
青山繁晴
「この、マイケルさんと話してて、僕はいちばん深く、こう意見が合ったというところはですね、この資本主義が本来、民主主義と一緒にあったやつが、だんだん、これ、今、外れてしまって、ほんとに1%の人だけが富を集中する、この時代になったからこそ、何が心配かというと、じゃあこれを私が全部解決してあげますよという独裁者、ファシズムの台頭に、また新たな台頭に結びつくんじゃないかと。そういう懸念をいちばんマイケルさんと共有したなと、僕は思いました」
青山繁晴
「このマイケル・ムーア監督とのインタビューというよりは、ほんとは議論、意見の交換でした。で、それを終えてみて、いちばん僕の今、胸にあるのは、実は日本の出番じゃないかということです。というのは、マイケルさんの言ってる資本主義っていうのは、自分のことばっかり考える、自分さえ良けりゃいいってな資本主義だって言ってるんですね。それと同時に、中国のような独裁主義もいけないと、マイケルさんと僕の意見は一致した。じゃあほんとは日本の私たちの民主主義ってのは、あるいは資本主義って何なのかというと、自分さえ良ければいいっていうんじゃなくて、人のために生きる、お互いが人のことを考えて、相手のことを考えて、みんなのことを考えて、それで自由に生きるっていうのが、日本型の資本主義のはずなんです。だから実はインタビューの中で出てくる第3の道っていうのは、僕ら日本が切り開くんじゃないかっていうことを強く思いました」
…………………………VTR終了…………………………
岡安譲
「実は和田さんも、もうこの『キャピタリズム』はご覧になったということなんですが、どんな印象をお持ちになりました?」
和田秀樹
「あの、マイケル・ムーアっていう人はやっぱり大衆っていうか、見てる側の共感を生むのが非常に上手い人ですよね。たとえば前の作品の『シッコ』なんかでも、アメリカの医療を受けられない人を扱っていたんですけども、こう、たとえばあの、9・11のテロで果敢にボランティアをしてた人たちがね、肺の病気になるのに、そういう人たちが医療を全然受けられない状態を描いた。ところがその、いわゆる悪いことをした人が刑務所で医療を受けてる、というような現実を出したので、今回も、ま、70兆円もね、公的資金を銀行に、あれをお金を入れたのに、結局、一般市民の方は家を取られてる。それで公的資金を受けた方の方は、ま、1億円ぐらいのボーナス、100万ドル以上のボーナスをみんなもらってるようなのを映し出してて、非常に共感を生むのが上手い監督だっていうふうに思いましたね」
岡安譲
「しかも見落としがちなところをすくい上げるのが、非常に上手いですよね」
和田秀樹
「上手いですね。あの、今回やっぱりウォール街をテーマにしたっていうのは、非常に良かったと思います。あの、やっぱり実はあの、資本主義がいいか悪いかは別として、結局、株主、株の値段がね、景気とつながってるって我々みんな信じてるじゃないですか」
岡安譲
「そうですね」
和田秀樹
「だから経済成長率がどうだったかだとか、GDPがどうだとかって話よりも、株価が上がれば景気が上がった、株価が下がったら景気が下がったって、みんな信じてますよね。そうすると株が上がるような、いわゆる株主だけが儲けるような資本主義ができあがってるわけですよ。つまり従業員の給料を削って、リストラして、利益が出たら株価が上がるわけです。だから今までは会社が儲かった金を、従業員にたくさん渡して、株主にあんまり渡さなかったのを、株価を上げることを考えたら、株主にたくさん渡して従業員を削るっていうふうなやり方に、どうしてもなっちゃうわけね」
村西利恵
「自然とそうなりますね」
岡安譲
「盲信してた部分ありますね。確かに私たちもね。ええ」
和田英樹
「だからやっぱり株価が全てだっていうやり方が、非常に危険なもとだと僕は見ているんですけども」
岡安譲
「というと、マイケル・ムーア監督が言っている、まあ資本主義にかわる、ま、21世紀の新しいシステムが必要なんだっていうことは、まずそういうその、今までの資本主義に対する誤解を解いていくことから始まるという」
和田秀樹
「そうですね。あの、私もね、実はこういう(本を取り出して)『富裕層は日本をダメにした!』という本も書いてるんですけども、結局のところ、あの、お金持ちにお金が集まるシステムっていうのは、実は非常にあの、経済のシステムとしては非効率なんですよ。だって金持ちっていうのは、じゃあ10億稼いだら10億使うかって、使ってくれないですね。つまりこれはケインズっていう人も言っているし、あるいはその、クルーグマンっていう人が『格差はつくられた』って本で書いてるんですけど、アメリカもこのムーアの映画でも出てるんですけど、最高税率90%だった時代がいちばん発達した時代なのね」
岡安譲
「むしろ税は多く取られても発展していた、経済自体は」
和田秀樹
「つまり金持ちからたくさん税金を取って、中流がみんなリッチになった時代が、いちばんアメリカの自動車産業だとか、家電産業だとかが、みんな栄えたんですよ。で、日本も実はものすごく累進課税が厳しかった頃に、やっぱり中流がいっぱいできて、それで日本の家電品だとか自動車が売れるようになったわけでね」
村西利恵
「その方が、すみずみまで潤ってたということですね」
和田秀樹
「そうですね。だからみんながお金を持ってる方が、よっぽどその経済は回る。ましてや今みたいに、生産性はすごく高いのに消費が足りない、消費不況の時は、やっぱりいかに富を再配分するかってのが大事なのに、まだ、たとえば民主党が政権取っても、あるいはオバマが政権取っても、むしろそういう、いわゆる累進課税を復活させましょうって話に、なかなかなってこない」
岡安譲
「なってこないですね」
和田秀樹
「だからやっぱりそういうことなんかも含めて、その、いわゆる人にやさしい資本主義っていうのが、実は人にやさしいだけじゃなしに、経済も発展させるんだっていうことを、もう一度僕は見直した方がいいんじゃないかっていうふうに思いますね」
岡安譲
「何よりやっぱりマイケル・ムーア監督もそれを言いたかったでしょうね。はい。ということで、今日は緊急企画としてマイケル・ムーア監督と青山さんの対談をお伝えしました。以上、“ニュースDEズバリ”でした」
____________________________内容紹介ここまで
正直、私はマイケル・ムーア監督にはあまり興味がありませんでした。
今回インタビューを見て……、青山さんには申し訳ないんですが、やっぱり興味がわきませんでした。
ムーア監督は言われていることはすごく美しいかもしれないけど、じゃあ何をどうすればいいのか?という案は全く言ってくれなかったので、結局、何かモヤモヤ感だけが残ってしまいました(T^T)
ただ、青山さんの鋭いツッコミにより、ムーア監督の「本音」が引き出されたことは大変良かったと思います。
以下、話は全く変わりますが、天皇陛下会見特例問題について。
青山繁晴さんの公式ブログ12/15付:最後に決めるのは誰かに、「アンカー」火曜日の電話取材に対して述べられたコメント全体の要旨(放送されなかった分含めて)が掲載されています。
また、12/16付:あたらしいこと、ふたつでは、ヤマヒロさんの月曜日の発言について青山さんの所感が記されています。また青山さんご自身の火曜日の発言について、宮崎哲弥さんからお電話があったそうです。この中身についてもどうぞリンク先をご覧下さい。
※拙ブログ関連エントリー
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんのブログです。ご本人に直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
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村西利恵
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…………………………VTR開始…………………………
先日、注目の最新作を引っさげて、ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアさんが来日。
アポなし突撃取材で知られる監督に、青山繁晴がずばり突撃インタビューです。
マイケル・ムーア
「大きな問題があって、変革が必要なのに、『資本主義』は何も解決してくれない」
…………………………VTR終了…………………………
(いったんCM)
岡安譲
「レギュラーコメンテーターの青山繁晴さんは海外出張のために、今日の“ニュースDEズバリ”のコーナーはVTRでの出演です」
村西利恵
「はい。その青山さんは先日、ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアさんと対談しました。社会派映画監督との対談だけに、議論はかなり白熱したようです」
…………………………VTR開始…………………………
ドキュメンタリー映画の鬼才、マイケル・ムーア監督の最新作「キャピタリズム マネーは踊る」。
今回、監督が選んだテーマは、ずばりアメリカの資本主義。
ローンが払えず続出する自宅の差し押さえ、相次ぐ一斉解雇で国民の10人に1人が失業中という現実。
100年に一度と言われる世界同時不況の中、崩壊したアメリカ社会を映し出します。
そのマイケル・ムーア監督が先日、初来日。青山繁晴が本音に迫りました。
青山繁晴
「マイケル・ムーアさんというのは、世界にいっぱいいる映画監督の中でも、たった1人のユニークな存在だと思います。というのは、ま、ドキュメンタリー作家ですから、現実を映すのはもちろんなんですが、その現実を映画の中に入れるだけじゃなくて、ご本人も映画の中に入っていて、突撃インタビューも含めて、もうその、自分の身体全身で現実を表現する人なんですね」
【GM本社へアポなし取材!】
【ウォール街で金を返せと交渉!】
青山繁晴
「それはいいんですけど、このインタビューの当日の朝、なかなか約束の時間に出て来ないんです。で、それは彼が日本に初めて来たということで、時差で苦しんでるってこともあったけれども、実はそのホテルの部屋で、オバマ大統領のアフガン政策と向かい合って、こう、ぶつかり合うっていう生のことがあって、なかなか出て来れなかったという、実は印象的な出来事がありました。インタビューはそこから始まります」
【マイケル・ムーア監督は予定より1時間20分遅れて現れた】
(互いにあいさつ)
青山繁晴
「That's ok.…ジェットラグ(時差ボケ)なの?」
マイケル・ムーア
「…Yes I am. Yes…」
青山繁晴
「オバマ大統領に手紙を書いていて忙しかったんだって?」
マイケル・ムーア
「Yes」
青山繁晴
「アフガニスタンのことで?」
マイケル・ムーア
「Yes.…」
青山繁晴
「In this morning?」
マイケル・ムーア
「Yes.…」
青山繁晴
「反応はどう?」
マイケル・ムーア
「アメリカでいろいろあって…。みんな戦争が拡大することを悲しんでる。僕は今まで黙ってきたけど、沈黙を破ったら、それがニュースに取り上げられてね…」
【日本時間12月2日】
アメリカ オバマ大統領
「我々の安全保障がアフガニスタンとパキスタンで危険にさらされているから、決断した」
先日、オバマ大統領が発表したアフガニスタンへの3万人規模の追加派兵。
熱烈なオバマ支持者でもあるマイケル・ムーア監督は、このインタビューの前日、大統領に宛てた公開書簡を発表し、増派に反対の声を挙げていました。
これに、アメリカのメディアが大きな関心を寄せていたのです。
青山繁晴
「現実のオバマ政権や最近の政策について、どう感じていますか?アフガニスタンへの軍事政策や経済政策も含めて」
マイケル・ムーア
「オバマ大統領は、彼のせいではないけど、負の遺産をたくさん抱えていて、ブッシュ時代の大掃除をしなくちゃいけないんだ。気の毒に思うよ。僕だったら彼の仕事をしたいとはとても思わないし、こんな辛い仕事を引き受けてくれたことに感謝している。(VTR中略)大統領は素晴らしいこともたくさんしていると思うけど、残念ながら、アフガニスタン政策では間違った決断をしてしまった。軍隊をアフガニスタンとイラクから退去させるべきだよ。駐留すべきじゃない」
青山繁晴
「全軍撤退?」
マイケル・ムーア
「全軍の撤退さ。そのとおり。彼らの国を運営することはできないし、彼らの内戦を戦うこともできない。残念だけど、彼ら自身で解決しなければならないんだ。アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンは、イギリスからの独立戦争で、フランス軍の力は借りなかったよね。(VTR中略?)オバマ大統領が選挙に勝った夜、世界中の人が喜んだ。最高の瞬間だったと思うよ。アメリカが今までとは違う行動をとるって、みんな期待したからね。だから悲しいんだよ。オバマがブッシュの政策をチェンジしないで、むしろアフガニスタンを悪くしていくことが」
青山繁晴
「わかりました。映画『キャピタリズム』の話に戻りましょう」
マイケル・ムーア監督は映画「キャピタリズム」の中で、自宅のローンが払えず、強制的に立ち退きを迫られる人々を数多く描いています。
去年9月、金融危機を引き金に始まった世界同時不況。
アメリカでは自宅と職を失う人々が急増しているのです。
一方、その原因を作ったウォール街のトップたち。
不良債権を国民の税金7000億ドルを使って救済したにも関わらず、巨額のボーナスを手にしていました。
「わずか1%の富裕層が底辺の95%の人より多くの富を所有し、独占的に利益を得る。それが資本主義だ」
そう断じたマイケル・ムーア監督は、資本主義にかわる新しい仕組みを求めて動き出すのです。
青山繁晴
「あなたの最新作の映画『キャピタリズム』は、日本人にとっても衝撃的なものだと思います。日本も資本主義の国だから」
マイケル・ムーア
「日本は大きな資本主義の国ですよね。お金儲けがうまいし、お金が大好き」
青山繁晴
「あなたの映画では、信じられないほど悲惨なアメリカの状況が次々に登場しますよね。あなたは『民主的な資本主義』を求めているように感じたのですが、お聞きしたいのは、『民主的な資本主義』と『社会主義』がどう違うのかなんです」
マイケル・ムーア
「ああ、いい質問だね。私は民主的な資本主義はありえない、矛盾していると思うよ。なぜなら、民主的な奴隷制度なんてないでしょう?民主的な子供の強制労働もない。今、資本主義というものをよーく考えないといけない。私の言う資本主義は、あなたや私が稼いだお金のこととか、たとえば誰かさんがクズ屋を開くとか、そういうのじゃないんです。そりゃビジネスだし、お金を稼いで良い暮らしをすること自体は、いいことだよ」
青山繁晴
「そう、自由だからね」
マイケル・ムーア
「そのとおり。キャピタリズム、資本主義とはあくまでも経済のシステムさ。21世紀ではほんの一握りの富裕層の財産を守るためのシステムなんだ。それで他の人々が豊かになることがとても難しい。たとえて言うと、ほんの一部の人しか頂点に立てない。ピラミッドみたいなもんだよ。下の方にいるみんなは、上に行くには頑張って努力すればできると思ってるけど、もちろんピラミッドの頂点にはそんなにたくさんの人は立てない。どんなに一生懸命に働いても、子供を大学に行かせたり、医療を受けさせられるという確証はない。アメリカではとってもお金がかかるからね」
青山繁晴
「あなたの理想的な経済システムと『社会主義』の違いは何ですか?」
マイケル・ムーア
「資本主義でもない、共産主義でもない」
青山繁晴
「第3の方法?」
マイケル・ムーア
「そう、第3の方法さ。資本主義は16世紀の考え方だし、社会主義は19世紀の考え方だよね。今は21世紀なんだよ?この21世紀に合った制度を考え出せるぐらい、頭はいいはずだ。一部の人にだけ利益を与えるのではなくて、みんなが参加できて、利益も得られる、誰も苦しまない制度を作り出さないと。そんなことはできないって?いや、こんなに豊かな国なんだから、日本とかアメリカならできる。私の国のアメリカでは、子供の6人に1人は貧困で飢えている。デトロイトのような大都市の高校生は70%がドロップアウトしているんだ。大きな問題を抱えていて、変革が必要なのに、資本主義は何も解決してくれない」
青山繁晴
「第3の制度を考えるとしたら、私には心配があります。新たな『独裁』につながる恐れがあるとは思いませんか?」
マイケル・ムーア
「いいポイントですね。なぜかというと、この状況は間違った方向に向かっていく危険性があります。20世紀にこの状況に陥ったことがありましたね。あなたもご存知のように。だから私がいちばん重要だと思うのは、あー、思いやりのある人たちが、全ての人が自由にお金を得られるように、システムを考え出すことなんです。但し、絶対に誰も置いてけぼりにならないように。そんなことはできない?」
青山繁晴
「この、マイケルさんと話してて、僕はいちばん深く、こう意見が合ったというところはですね、この資本主義が本来、民主主義と一緒にあったやつが、だんだん、これ、今、外れてしまって、ほんとに1%の人だけが富を集中する、この時代になったからこそ、何が心配かというと、じゃあこれを私が全部解決してあげますよという独裁者、ファシズムの台頭に、また新たな台頭に結びつくんじゃないかと。そういう懸念をいちばんマイケルさんと共有したなと、僕は思いました」
青山繁晴
「あなたが考えてる『新しいシステム』の具体的な形がよくわからないんだ」
マイケル・ムーア
「私は経済学者じゃないから、システムを作り出すなんてできないさ。ただの一般市民で映画監督だ。だから市民としてどう感じているか、しか言えない。でも期待しているのは、私より賢い人が、もしかしたらこの番組を見ていて、私に共感して、どうすればいいかを教えてくれるのを待っているんだ」
青山繁晴
「マイケル・ムーアさん、あなたの眼は非常に澄んでいますね。とても貴重な体験でした。あなたの瞳の奥深くまで見られて」
マイケル・ムーア
「ワオ!アメリカ人はそんなこと言わなかったけどなあ。でもあなたが言いたいことはわかるよ。ありがとう」
青山繁晴
「このマイケル・ムーア監督とのインタビューというよりは、ほんとは議論、意見の交換でした。で、それを終えてみて、いちばん僕の今、胸にあるのは、実は日本の出番じゃないかということです。というのは、マイケルさんの言ってる資本主義っていうのは、自分のことばっかり考える、自分さえ良けりゃいいってな資本主義だって言ってるんですね。それと同時に、中国のような独裁主義もいけないと、マイケルさんと僕の意見は一致した。じゃあほんとは日本の私たちの民主主義ってのは、あるいは資本主義って何なのかというと、自分さえ良ければいいっていうんじゃなくて、人のために生きる、お互いが人のことを考えて、相手のことを考えて、みんなのことを考えて、それで自由に生きるっていうのが、日本型の資本主義のはずなんです。だから実はインタビューの中で出てくる第3の道っていうのは、僕ら日本が切り開くんじゃないかっていうことを強く思いました」
…………………………VTR終了…………………………
岡安譲
「実は和田さんも、もうこの『キャピタリズム』はご覧になったということなんですが、どんな印象をお持ちになりました?」
和田秀樹
「あの、マイケル・ムーアっていう人はやっぱり大衆っていうか、見てる側の共感を生むのが非常に上手い人ですよね。たとえば前の作品の『シッコ』なんかでも、アメリカの医療を受けられない人を扱っていたんですけども、こう、たとえばあの、9・11のテロで果敢にボランティアをしてた人たちがね、肺の病気になるのに、そういう人たちが医療を全然受けられない状態を描いた。ところがその、いわゆる悪いことをした人が刑務所で医療を受けてる、というような現実を出したので、今回も、ま、70兆円もね、公的資金を銀行に、あれをお金を入れたのに、結局、一般市民の方は家を取られてる。それで公的資金を受けた方の方は、ま、1億円ぐらいのボーナス、100万ドル以上のボーナスをみんなもらってるようなのを映し出してて、非常に共感を生むのが上手い監督だっていうふうに思いましたね」
岡安譲
「しかも見落としがちなところをすくい上げるのが、非常に上手いですよね」
和田秀樹
「上手いですね。あの、今回やっぱりウォール街をテーマにしたっていうのは、非常に良かったと思います。あの、やっぱり実はあの、資本主義がいいか悪いかは別として、結局、株主、株の値段がね、景気とつながってるって我々みんな信じてるじゃないですか」
岡安譲
「そうですね」
和田秀樹
「だから経済成長率がどうだったかだとか、GDPがどうだとかって話よりも、株価が上がれば景気が上がった、株価が下がったら景気が下がったって、みんな信じてますよね。そうすると株が上がるような、いわゆる株主だけが儲けるような資本主義ができあがってるわけですよ。つまり従業員の給料を削って、リストラして、利益が出たら株価が上がるわけです。だから今までは会社が儲かった金を、従業員にたくさん渡して、株主にあんまり渡さなかったのを、株価を上げることを考えたら、株主にたくさん渡して従業員を削るっていうふうなやり方に、どうしてもなっちゃうわけね」
村西利恵
「自然とそうなりますね」
岡安譲
「盲信してた部分ありますね。確かに私たちもね。ええ」
和田英樹
「だからやっぱり株価が全てだっていうやり方が、非常に危険なもとだと僕は見ているんですけども」
岡安譲
「というと、マイケル・ムーア監督が言っている、まあ資本主義にかわる、ま、21世紀の新しいシステムが必要なんだっていうことは、まずそういうその、今までの資本主義に対する誤解を解いていくことから始まるという」
和田秀樹
「そうですね。あの、私もね、実はこういう(本を取り出して)『富裕層は日本をダメにした!』という本も書いてるんですけども、結局のところ、あの、お金持ちにお金が集まるシステムっていうのは、実は非常にあの、経済のシステムとしては非効率なんですよ。だって金持ちっていうのは、じゃあ10億稼いだら10億使うかって、使ってくれないですね。つまりこれはケインズっていう人も言っているし、あるいはその、クルーグマンっていう人が『格差はつくられた』って本で書いてるんですけど、アメリカもこのムーアの映画でも出てるんですけど、最高税率90%だった時代がいちばん発達した時代なのね」
岡安譲
「むしろ税は多く取られても発展していた、経済自体は」
和田秀樹
「つまり金持ちからたくさん税金を取って、中流がみんなリッチになった時代が、いちばんアメリカの自動車産業だとか、家電産業だとかが、みんな栄えたんですよ。で、日本も実はものすごく累進課税が厳しかった頃に、やっぱり中流がいっぱいできて、それで日本の家電品だとか自動車が売れるようになったわけでね」
村西利恵
「その方が、すみずみまで潤ってたということですね」
和田秀樹
「そうですね。だからみんながお金を持ってる方が、よっぽどその経済は回る。ましてや今みたいに、生産性はすごく高いのに消費が足りない、消費不況の時は、やっぱりいかに富を再配分するかってのが大事なのに、まだ、たとえば民主党が政権取っても、あるいはオバマが政権取っても、むしろそういう、いわゆる累進課税を復活させましょうって話に、なかなかなってこない」
岡安譲
「なってこないですね」
和田秀樹
「だからやっぱりそういうことなんかも含めて、その、いわゆる人にやさしい資本主義っていうのが、実は人にやさしいだけじゃなしに、経済も発展させるんだっていうことを、もう一度僕は見直した方がいいんじゃないかっていうふうに思いますね」
岡安譲
「何よりやっぱりマイケル・ムーア監督もそれを言いたかったでしょうね。はい。ということで、今日は緊急企画としてマイケル・ムーア監督と青山さんの対談をお伝えしました。以上、“ニュースDEズバリ”でした」
____________________________内容紹介ここまで
正直、私はマイケル・ムーア監督にはあまり興味がありませんでした。
今回インタビューを見て……、青山さんには申し訳ないんですが、やっぱり興味がわきませんでした。
ムーア監督は言われていることはすごく美しいかもしれないけど、じゃあ何をどうすればいいのか?という案は全く言ってくれなかったので、結局、何かモヤモヤ感だけが残ってしまいました(T^T)
ただ、青山さんの鋭いツッコミにより、ムーア監督の「本音」が引き出されたことは大変良かったと思います。
以下、話は全く変わりますが、天皇陛下会見特例問題について。
青山繁晴さんの公式ブログ12/15付:最後に決めるのは誰かに、「アンカー」火曜日の電話取材に対して述べられたコメント全体の要旨(放送されなかった分含めて)が掲載されています。
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