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「アンカー」前原国交大臣インタビュー

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■10/21放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”

独占直撃前原大臣に青山が聞く・波紋呼ぶ発言は作戦?JAL問題の本音は?

091021-04mae.jpg 青山さんが前原誠司国交大臣に単独インタビュー。
 北方領土、外国人地方参政権についても質問してくれました。

 間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
 画像はYouTubeで拾ったビデオからキャプチャさせていただきました。

 コーナーの前に、日本郵政社長人事、ゲーツ国防長官来日(普天間移設など在日米軍再編問題)について青山さんの解説がありました。この部分は要旨のみ記載、続いてコーナー本編は完全起こしでお送りいたします。


 内容紹介ここから____________________________

亀井金融・郵政改革担当相、日本郵政新社長に元大蔵事務次官・斎藤次郎氏の起用を発表(FNN10/21)
日本郵政・西川社長辞意 鳩山首相「必然じゃないでしょうか」(FNN10/21)
来日中の米・ゲーツ国防長官、鳩山首相らと会談 米軍基地再編の合意通りの実施求める(FNN10/21)

 …………上記ニュース報道のあと青山さんの解説(あくまで要旨)…………

●日本郵政社長人事について
 驚いたと同時にここまで露骨なことやるかなと。亀井さんは自分だけで決めたと明言してるがズバリ小沢人事。細川総理が夜中に国民福祉税やると記者会見したが(青山さんも記者としてそこにいた)、記者団に問いつめられて税率7%の根拠を言えなくなった時に横に無言で座っていたのが小沢さんと斎藤さん。この時の経緯で斎藤さんは自民党にいじめられて天下りで良い所に行けなかった。小沢さんにとったら西川さんを事実上切って斎藤さんを据えるというのは、10数年続いてきた怨念の歴史を清算する人事。
 一番心配なのは、民主党政権の脱官僚依存という志がある。特に天下り追放。これには2つやり方ある。まず天下りを全面的にやめてそれを突破口にしてだんだん適材適所というところに戻していくやり方。もう1つは、天下りは良くないが適材適所も必要だから良い人は上げましょうというやり方。国民が民主党に期待しているのは前者(天下りを全面的にやめること)なのに(日銀総裁人事の時に民主党が同意しなかったのもまさにそこだとヤマヒロさん突っ込み)、亀井さんは後者のやり方。それから亀井さんは根回しなしで鳩山さんにだけは最終段階で報告したと言ってるが、その時鳩山さんはどういう判断で受け入れたのか?国民に説明が必要。

●ゲーツ国防長官来日
 (普天間移設問題、北澤防相は「あまり時間をかけるのは建設的でない」、鳩山首相は「時間をかけて最終的な方針を決める」。矛盾しているが?とヤマヒロさん)ゲーツ国防長官の来日ではっきりしたのは、昨日(10/20)会った岡田外相、今日(10/21)会った北澤防相はもう先延ばしにできない現実が分かったこと。ところが鳩山さん一人がまだまだ時間はあると言ってる。
 鳩山さんの言う「時間」とは来年1月の名護市長選、11月の沖縄県知事選。今の名護市長も沖縄県知事も移転賛成派だが、来年のどちらかの選挙で反対派が当選したらアメリカをぐっとまた押し戻せるんじゃないか、だから時間あるし時間ほしいというのが鳩山さんの主張で、少なくともゲーツさんに名護市長選のことは言った。
 が、僕がアメリカ側に取材すると、日本とか鳩山政権全体に怒ってるのでなく鳩山さんに怒ってる。アンフェアでずるいんじゃないかという言い方をされた。国際社会の常識から見たら、民意で選ばれた市長、県知事、当時の民意で作られた日本政府で案を作って、そこに米政府が合意して今の移転案ができたのに、あとの選挙で変わるかもしれないからこの約束は実行しないで待ってくれと言う鳩山さんはおかしいんじゃないかと。ゲーツさんは11月のオバマ大統領来日までに決めてくれということだけを言いに来た。郵政の人事も基地も、鳩山さんの判断力や決断力が深刻な意味で問われている。

 …………以下、“ニュースDEズバリ”全文起こし…………
 
山本浩之
「このあと続いては青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーです。今日はどんなお話を」

青山繁晴
「はい。あの、やっぱり国民の注目は今、鳩山政権がどういう改革をしてくれるかっていうことだと思うんですが、あの、今日はたまたま総理の話、続きましたけど、本当に目立ってきたのはこのひとつき以上考えたら、総理じゃなくて前原国交大臣ですね」

山本浩之
「ま、毎日のようにテレビに出てるっていうか、ニュースで取り上げられてますからね」

青山繁晴
「そうです。あの、いろいろボロクソにも叩かれているわけですけれども、この前原さんから、前原さんと、前からその、この『アンカー』で最初の単独インタビュー、つまりテレビの単独インタビューはこの『アンカー』で最初にやらして下さいってことを、やらして下さいじゃない、やりましょうねと話してたら、うん、やりましょうと。こんな忙しいから無理かと思ったら、実は応じてくれました。で、おとといインタビューしてきたんですが、そのインタビューの印象は僕にとってもやや意外でした。インタビューしてみた印象はこれです(フリップ出す)」

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山本浩之
「『スルメ発言』」

青山繁晴
「はい。これあの、無理におかしいことを言おうとしてるんじゃありません。これあの、えー、噛めば噛むほどまぁ味が出るっていう意味でね、あの、前原さんてこう、けっこう表情を変えずに意外に大胆なことズバズバ言う人だって印象があるんですが」

山本浩之
「ありますね」

青山繁晴
「今回その、大臣になってインタビューするのは初めてですけども、大臣になったら意外にもこう含みのある発言、つまりよーく聞いて、この人はこういう含みでほんとは何を言いたいのかなっていうのを判断しなきゃいけない発言をしてるんですね。そういう意味では今までの自民党の大臣と変わらないとも言えるけれども、しかしその、噛んでいくとその奥に隠されてる、出てくる味はものすごい大胆なんですよ(ヤマヒロ笑)。そういう意味でスルメ発言だと思うんで、今日はそのインタビュー、そのまままず見ていただきたいなと」

山本浩之
「そうですね。具体的な中身については、コマーシャルを挟んで解説をお願いしたいと思います」

 …………………CM前の前振りVTR開始…………………

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(あいさつの場面)
前原誠司
「ご無沙汰しております。どうもわざわざ…」
青山繁晴
「ありがとうございます。今日はほんとにありがとうございます」

(インタビュー中)
前原誠司
「全然大丈夫です、痩せませんね(笑)」

 …………………CM前の前振りVTR終了…………………

(いったんCM)

山本浩之
「さ、前原大臣への直撃インタビューです。正直に申し上げますけれども、大臣に就任なさってからですね、どうしてこんな発言するんだろうとか、ちょっと不信感を抱いた時もあったんですけど、そのあたりのまぁ真意も含めて、青山さん、直接会っていろんな話を聞いて下さいました。さっそくお願いしたいと思います」

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青山繁晴
「はい。あの、実は前原大臣とのインタビュー決まって、あの、僕は来るだろうと思ってたことがあったんです。それ何かというと、国交省の秘書官室から、質問項目をこうやって紙に書いて事前に出して下さいと」

一同
「ああー」

青山繁晴
「あの、考えたら新人記者時代から30年ぐらいね、政府当局者にインタビューしてきたんですが、絶対まとめられるんです。今回最後までそれなかったんですよ

一同
「へえー」

青山繁晴
「初めてです。それで前原さんにその、今VTRには出てきませんが、それを最初に聞いたらね、あの、いや、あの、あなたから直接携帯電話にあった依頼だから、そいで俺が受けると判断して自分から下ろしたもんだから、役所にそんなの作らせることはないと。だからまぁそういう意味では、この前原さんのところでは、民主党の掲げてる志っていうのは徹底してるなあと…」

山本浩之
「いや、そうですね、してますね、ええ」

青山繁晴
「…思いました。それで実はインタビューの時間全体は20数分だったんですけど、ものすごく密度が濃かったんです。だからほんとは全編やりたいぐらいなんですけども、やっぱりそれは時間の制約があってね、あの、昨日ヤマヒロさんや、あの、村西さんにも出てもらって打ち合わせをして大激論になって、どれを残すのか落とすのかでね(一同笑)。で、その末にもう、あの、ギリギリで残したものだけ今日あの、お届けします。はい。じゃああの、VTRを皆さん見て下さい」

 …………………………VTR開始…………………………

(あいさつの場面)

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前原誠司
「ご無沙汰しております。どうもわざわざ…」

青山繁晴
「ありがとうございます。今日はほんとにありがとうございます」

前原誠司
「いえ、お越しいただいて…」

青山繁晴
「約束守っていただいて、ほんとにありがとうございます」

前原誠司
「いえいえ…、青山さんにはいつも…(笑)」

(以下インタビューの場面)

青山繁晴
「忙しい鳩山政権の中でも一番忙しい大臣で、そん中で…」

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前原誠司
「いや、そんなことなくて、皆さん一生懸命やっておられますよ。行政刷新とか財務っていうのは私以上に忙しいと思いますよ。予算全部を見て、ひとつひとつ政治家が精査してますんで、これ聞いてると、あそこじゃなくてよかったと思いますですよ(青山笑)、ええ」

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(↑この画像のみクリックで新規拡大します)

青山繁晴
「あの、前原さんは鳩山政権できてから、まぁ要は話題の人で、うん、たとえば八ツ場ダムについても、その、いきなり中止と言われたから住民が怒ったというのが実際ありますね。その、例の空港の問題にしても、ま、少なくとも橋下知事や、ま、あとでニコニコしてたけど森田千葉県知事なども、最初にあの、大阪であり千葉であれ、話をされんのが筋じゃないかと。で、順番が違うってこといつも実際あると思います。それで僕がお聞きしたいのはね、これは前原大臣としていわば戦略としてやっておられるのか。その戦略というのはね、たとえば今までのように根回しをして、関係先に言い、やってると、どんどん壁がほんとはできていって結局やらないことになってしまうと。だから最初にバーンとその、八ツ場ダムはやっぱりマニフェスト通り中止ですよと出す、あるいは羽田はハブ化ですよっていう趣旨のことを言う、そうやって切り開くっていう戦略でやられてるのか。それともちょっと気がついたら、ちょっとこれはやっぱり順番違ったかなというね、そういう思いなのか。それはどっちですか?」

前原誠司
「まぁ基本的には自分の信念で、やっぱり、やらなきゃいけないと思ったことをぶつけると。たとえば羽田の問題について言えば、もうこれはもう昔からの持論ですよ、私の。質問主意書まで、そういったものを出していて」

青山繁晴
「はい、承知してます」

前原誠司
「羽田の24時間国際拠点空港化っていうのはやっていかなくてはいけないと思いますし、これからどんどんどんどん航空事業大きくしていくわけですから、首都圏だけで見ても、成田の増枠、羽田の増枠でも足りないぐらいにおそらくなるだろうと。またそうしなきゃいけないと。これについては私は説明をすれば、橋下さんやあるいは森田さんにも分かってもらえると思いますし、少なくとも森田さんには理解をしていただいてると思いますね」

青山繁晴
「普通で言うとその、全部を水面下で、たとえば森田知事側に話した上で会談セットするじゃないですか。それをされないっていうのは信念と戦略でやっておられるのか、それともちょっと出だしのところでつまづきがあったなぁって感じなのか、それはどっちですか?」

前原誠司
「つまづきがあったとか全く思ってません。私が閣僚になったのは9月16日で、で、概算要求の締切が10月15日、ちょうど1ヶ月。予算というのは、これは政治そのものです

青山繁晴
「はい、その通りです」

前原誠司
「政権の命です」

青山繁晴
「その通り」

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前原誠司
「で、これが自民党政権のものを踏襲してたら、政権交代の意味がないんですよ。でも1ヶ月でタマを仕込まなきゃいけないということになると、乱暴なことでもある程度やっていかなきゃいけないことは、私あると思うし、その点については、ま、逆にお叱りを受けるかもしれませんけれども、確信犯的なところはありますね

青山繁晴
「なるほど。(VTR中略?)ちょっと手法が違うのはやっぱりJALの問題だと思うんですよ」

前原誠司
「うーん」

青山繁晴
「JALはこうしろということを言われるよりも、その、タクスフォースを立ち上げて、年末までにどうにかしないと債務超過に陥ってってことになりますから、これはズバリ言うと、JALはこのまま行くと基本的には法的な整備、いったん破綻処理をして再建図るっていうことしかないんじゃないでしょうか」

前原誠司
「そうは思わないですね」

青山繁晴
「思わない?」

前原誠司
「はい。これは最終的には10月末にでも出される、えー、再建計画書を見て私がどう判断するかということがポイントになるんですが、ひとつだけ言えることは、JALっていうのは日本の便の約6割を占めてるんです。だからこれが飛ばなくなるようなことは避けないと、経済活動が大混乱になると」

青山繁晴
「たとえば国内線は全日空との2社体制でやって、国際線は切り離して全日空と一緒にして、だから今までのそのナショナル・フラッグ・キャリアの考え方を少し、それこそ改革してというのは、むしろ現実的じゃないですか?」

前原誠司
「その、タクスフォースの方々がおっしゃった言葉をそのまま言うと、『この会社は美人になりますよ』と」

青山繁晴
「うーん」

前原誠司
「金融機関は今までもお金貸してるわけですね。で、金融機関自体の株主に対する説明責任もあるし、あるいはメガ3行の中でも、たとえば、メインはみずほですよ。ま、今や実質はDBJという日本政策投資銀行でありますけれども、でも三井住友銀行が全日空のメインなんですよね。新聞報道とかマスコミ報道で見てると、十把一絡げ(じっぱひとからげ)で話がされているけれども、そんなに単純な問題ではないと。お互いの利害関係や株主なんかを見る中で、あるいは自分の経営実態、金融機関としての中で、このJALの問題どうしようかということを考えて…」

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青山繁晴
「なるほど。銀行団としてまとまりでやるんじゃなくて、銀行それぞれの、それぞれとの交渉で道は開けるという…」

前原誠司
「ま、それは交渉してもらうのはタクスフォースで、私じゃありませんから、はい(笑)」

青山繁晴
「(VTR中略?)大臣が羽田空港のハブ化を従来の信念だけじゃなくて改めておっしゃってるのは、この、国交省にね、成長戦略会議を立ち上げたいってことと僕は実はすごく深く関係してると思うんです」

前原誠司
「おっしゃる通り」

青山繁晴
「この政権には成長戦略が欠けているから、それだとたとえば雇用の問題も解決できないから、ほんとは成長戦略っていうのはたとえば官邸であったりね、経産省が中心かもしれないけど、国交省からあえて手を挙げて、成長分野を作り出していこうよと、そういう思いが一番根っこかなぁと」

前原誠司
「まぁ青山さんの厳しい、あの、切り口ですけど、この政権に成長戦略はありますよ、間違いなくそれは

青山繁晴
「それ、それはどこにあるんですか?」

前原誠司
「だってたとえば医療、介護、これは日本のこれからの最大の成長分野で、自民党はここを軽んじてきたと。これこそが成長戦略じゃないですかと。あるいは農業の自給率40%、まずは応急措置としての所得補償をやる。そして農業の自給率を高め、この分野で働く人たちを増やしていく。成長戦略じゃないですか。だからいろんなところにあるんですよ、成長戦略は」

青山繁晴
「つまり前原さんがおっしゃってるのは、ばらまきに終わらせずに、それをその各省ごとの成長戦略に結び付けてくれよと」

前原誠司
「もちろん」

青山繁晴
「で、国交省がその、いわばモデル、さきがけになることもありますよと」

前原誠司
「公共事業は減らします。まさによく言われてるように、コンクリートではなくて人の方に投資をすべきだと。もっと言えば、観光というものにあまりに日本は力を入れなくしてきた。地方空港をとにかく作るということだけを目的にしてきた。それを使おうという視点がなかった。あるいは港湾でも他の国なんかは、釜山なら釜山、上海なら上海、香港なら香港、集中させてそこで国際競争力を持たしてきた。そういう感覚が自民党政権には全くなかった。それを国土交通所管の産業というものをしっかり育て上げていく。たとえばゼネコンだって公共事業のパイ減るから、これは衰退分野かというとそうじゃないですよ。マーケットは世界に見れば、もっともっと広がるし」

青山繁晴
「アフリカを含めて」

前原誠司
「アメリカも含めて。新幹線なんかはアメリカに売り込む、ね、他の国に売り込む。世界をマーケットに考えていけば、この国土交通省が所管をしている分野っていうのは全てが成長分野。そういう感覚で、その方が楽しいじゃないですか」

青山繁晴
「うーん。(VTR中略?)でもお聞きしててやっぱり思うのは、内閣全体としてはね、あるいは党も含めて言うとね、小沢さんが実権を持ってる党も含めて言うと(前原、笑)、ね、やっぱり来年夏の参議院選挙に向けて、あの、ばらまきなんだよってみんな心の中にあって、前原大臣のように、成長分野に全部これは戦略的に結び付けるんだってところは正直弱いと思います。(VTR中略?)今あの僕にお話になったような話を閣議で他の大臣に、つまり自由な論議は閣議でやってるんですか?」

前原誠司
「これね、みんなそういう話してます、常に。我々のアピールがまだまだ足りないと思いますけど、みんなマクロ経済と、どうやって日本の経済の成長エンジンを作っていくかって、そのことばっかり議論してます

青山繁晴
「その議論の中には総理も入ってるんですか」

前原誠司
「もちろん入ってます、はい」

 …………………………VTR終了…………………………

山本浩之
「き、厳しいですね、青山さん自身が(笑)。その中に総理も入ってるんですかって…」

青山繁晴
「うん、ほんとはあのあとに、総理はパーティーばっかり行ってるように見えますけどと聞いて、前原さんはそれはあの、笑って答えずだったんですけどね(一同笑)。はい。それであの、今の発言、ま、いろんなふうにあの、視聴者の方、国民の方は聞かれたと、味わって聞かれたと思うんですけどね、いかにスルメ発言かっていうのを、つまり噛めば噛むほど大胆な味が出てくるっていうのはどうかっていうのをですね、ちょっとこれ見ていただくとですね」

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青山繁晴
「まず、ここに最初に書いてる波紋を広げる発言っていうのは、さっきヤマヒロさんもおっしゃったね、いきなりダムは中止だとか、いきなり羽田をその、ハブ化するんだというようなことを、どうしてそういう言い方をするんですかと」

村西利恵
「根回しなしにと」

青山繁晴
「はい。ということについて、確信犯と自分で言われてるんですね。で、これ普通だと、この確信犯っていうこと自体も大胆ですけどね、要するに自分は根回しなんかしないよと、これからもバーンと言うだけでやるんだよというふうに聞こえますが、これ実はそういうことを言ってんじゃないんですね。つまりこの前のところで何を言ってるかというと、自民党政権時代の予算をそのまま踏襲、つまりそのまま予算を使っちゃったら、政権交代の意味なくなっちゃうよね、その前に皆さんVTR見ていただいたらですね、要するに自分が大臣になった、すなわち鳩山政権ができてから概算要求の締切、新しい締切まで1ヶ月弱しか、1ヶ月、かける、マイナス1日しかなかったよ、つまり予算の組み替えに1ヶ月しかないんだよ、つまり普通ほっといたら、その根回しなんてやってったら結局は間に合わなくて、自民党予算を踏襲することになっちゃうんだよと。だから合理的に考えたら、この1ヶ月でやんなきゃいけないんだから、もうダムは中止とまず言って、あるいは羽田って言って、そうやって組み替えしなきゃいけない、そういう意味で確信犯だったって、ほんとはそういうこと言ってるわけですよ

一同
「なるほど」

青山繁晴
「で、だからこれからも根回し全然しないよとは、ゆめ言ってないわけですよ。この1ヶ月はそれが必要だったと実は言ってるわけですね。で、これからもその、先に言っちゃうことはしませんって、その典型が実はJALなわけです。だからJALはやり方が違うわけですね。で、しかもね、これ見ていただくとタクスフォース、つまりこの前原さんが選んだ、その、民間人を中心にしたこのタクスフォースの立てた計画通りに行ったら、JALは美人になると言ってんですね。この美人っていうのがまたね、岡安ちゃんはあの、やっぱり直感鋭いから、これ微妙な表現でしょ?」

岡安譲
「うん、僕は何のこっちゃ分かんなかったんですけど」

青山繁晴
「あ、これはね、含みを持たしててね、つまり見かけは良くなるって言ってるわけですよ。中身はまだダメ、ダメだろうとおそらく。いや、ダメって言っちゃ悪いけど、中身はまだ分かんないよ、とりあえず見かけだけはきれいにできるんだと

一同
「はぁー」

村西利恵
「深いですね」

青山繁晴
「で、どうしてそういうことしなきゃいけないかというと、それさっき言ってたでしょ、その、これだけ飛んでる飛行機を止めるわけにいかないと。だからとにかく、とにかくうわべだけでもきれいにしなきゃいけないと。で、そのうわべをきれいにするためには、つまり泥が付いてるの、泥を落とさなきゃいけない、その泥は何かというと、これあの、借金ですね。大きすぎる借金、それを銀行にあきらめてもらわなきゃいけないって話をしてるわけですよ。そしてこれもね、大胆な発言でね、それぞれの銀行の利害関係や経営実態をみたらやれると言ってんのはですね、要するにその、たとえば三井住友銀行はJALにたくさんお金を出してるけど、本当に支援してるのは、支えてるのは、全日空が支えてるわけですよ。だから全日空にとっても有利になるように話を持っていったら、三井住友は住友の判断として、ああ、じゃあこの借金はあきらめてもいいよと、ANAにとって良いんだったらというように、各個撃破していったら、実はそれぞれの利害関係があるから、案外、当面借金はあきらめてくれて、美人に見えて、実はその、そこから再建の道も開けるってこと言ってるわけですよ。で、これは実は前原さんはオモテの会見とかでこういう言い方はしてません。だからあの、いわば踏み込んで非常に含みを持たしてるから、よーく噛まないと分かんないけど、言ってることはすごく大胆な話をしてるわけです」

一同
「うーん(同意)」

青山繁晴
「で、さらにですね、こういうそのQ&Aは今の目の前の問題だったんですけど、当然前原さんにはもっと国の根元に関わること、根幹に関わることも聞きたかったし、実際に聞いてますから、このあとは、はい」

村西利恵
「青山さんがどうしても聞きたかった2つの問題について、大臣の本音に迫っています。CMのあとです」

(いったんCM)

山本浩之
「前原大臣の本音に迫る直撃インタビュー。青山さん、後半お願いします」

青山繁晴
「はい。あの、今日最初にお話ししました通り、今回のインタビューは実は予定時間は15分ぐらいだったんです。それを何とか延ばしてもらって25、6分やりましたから、やりましたけれども、時間短いですね、それでもこの件、この2つだけはどうしても聞きたいこと、ありました。はい、ちょっと出していただけますか」

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村西利恵
「それが北方領土の問題と外国人地方参政権について」

青山繁晴
「はい。あの、まず北方領土の問題なんですけども、前原さんていうのは国交大臣だけじゃなくて、たとえば北方領土の担当大臣でもあるんですね。で、この国交省の問題がこれだけ忙しい最中なのに、つい先日、先週の土曜日、えー、北方領土の所に行かれて、海上保安庁の巡視船に乗られて、その船から北方領土を見ながらですね、島を見ながら、これは旧ソ連の不法占拠だとおっしゃって、これにすぐロシアの外務省が反応して、公式な声明で、これけしからん発言だと、鳩山さんがこれから柔軟にやろうと言ってるのと矛盾するじゃないかっていうことをロシアが公式にあの、表明してる。で、それをどう今考えてられてるのか。それから外国人地方参政権の問題は、この『アンカー』ではよく取り上げましたけれども、小沢さんが来年、通常国会にもう法案を出したいということを韓国の国会議員に約束もされてると。それから、今、与党じゃないけど公明党はこの秋の臨時国会にも法案出そうとしてる。目の前で動いてる問題ですね。ですからこの2つを短い時間でしたがお聞きしました。はい、じゃあそのVTR、また見て下さい」

 …………………………VTR開始…………………………

【北方領土問題】

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青山繁晴
「先日、北方領土に行かれててですね、これは不法占拠であると、旧ソ連軍による。ま、不法占拠ってことを改めて確認したんだと。その上で、日本人として望郷の思いを強くしましたとおっしゃった」

前原誠司
「この北方領土の問題っていうのは学生時代から思い入れがありましてね。歴史も勉強しました。完全に不法占拠ですよ。ですからそれは今まで政府として言ってることですし、担当大臣だから遠慮するなんてことおかしい

青山繁晴
「その北方領土の問題について気になる点があってですね。鳩山総理も不法占拠って意識をちゃんと持って、それから、まさか二島たとえば返還論とかじゃなくて、少なくとも四島って意識をちゃんと持たれて、前原さんとスタンスが同じ、北方領土に対する対応なのか、それとも本当は食い違いがあるんじゃないかと」

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前原誠司
「うーん、不法占拠というかどうかは別にして、四島は日本の固有領土であると。ですからこの四島の帰属を明確にすると。日本のものであると、いうところは絶対に譲れない一線ですよね。僕は外交っていうのは基本的にまぁ首脳外交だと思ってますので、メドベージェフも独創的なアプローチということを言ってるわけですし、あるいは鳩山さんもどのようにやられるのか、そこは私はまさに総理の腹、これは政治生命をかけてやることですから、はい、いろんなことを考えておられると私は思いますけどね」

【外国人地方参政権】

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青山繁晴
「あの、前原さんが外国人地方参政権に賛成だということは前にもお聞きしました。それはもう繰り返しませんが、改めて閣僚になられてお聞きしたいのはね、憲法の15条にはその、公務員を選んだり辞めさせたりするのは日本国民、国民の固有の権利と定めてあり、93条によればその、地方公共団体の長とか議員は住民が選ぶと。で、その住民は平成7年の最高裁判決で日本国民だと。そうするとね、これあの、いい悪いを聞くよりもね、まずそれやるならば、憲法改正をやらなきゃいけないでしょ。憲法改正をこの政権はそっからやるんですか?」

前原誠司
「私も賛成でありますけども、外国人参政権、地方参政権というもの認める法律を出すとすると、まず憲法としてどうなのかということと、他の法律と照らし合わせて整合性がとるのかということをチェックする所が内閣法制局だと、よくご存知の通りだと思いますけど、そこに我々のまぁ法案がかかるわけですので、そこでフィルタリングを私はされると思いますよ、はい」

青山繁晴
「ていうか、そこでこれは憲法変えないとできませんとなったら、いったんは断念することもありえるということですね?」

前原誠司
「内閣法制局でそういう判断がすれば、もちろん最後は内閣としての判断ですけど、私は内閣がどういう判断であれ、下したものについては閣僚のひとりですから、それに従うということですね

 …………………………VTR終了…………………………

青山繁晴
「はい。あの、今のね、あの、2つの問題についてもほんとは随分思い切ったこと言ってるんですね。まずね、北方領土問題について言われたのはね、北方領土っていうのは首脳外交でやることだと。で、鳩山総理は政治生命をかけてやらなきゃいけない、これいわば、こう総理に突き付けてるわけですよね。あなた、この北方領土問題を自分でやらなきゃいけませんよってことをまず突き付けてて、あなたの政治生命がかかっちゃってるよと言ってるわけですよ。これ一閣僚が総理に言う言葉としては、本当は柔らかく言ってるけど、すっごい強い大胆な発言ですね。で、さらにその、前原さんが強調されたのは、まず四島がもともと日本の領土であって、その、ま、不法占拠かどうかってそういう言い方は含めるかどうかは交渉だけれども、とにかく日本のものだということをはっきりさせなきゃいけない。これ絶対譲れないと言ってたでしょ。ということは、総理にやりなさいよと言いつつですよ、総理にまず四島の帰属、つまり日本の領土だってことロシア側に認めさせないといけませんよ、タガをはめてるわけですよ。で、その上でね、そのメドベージェフの言ってるような独創的なアプローチってやつに乗っかってもまぁいいでしょうと、いろんなことあるって、あの、最初に妥協的なことやってもいいかもしれないと。ただいずれにしても鳩山総理、あなたが在任中に一番やれることはほんとはこれなんですよ、政治生命かけて下さいって迫ってるわけで、これは一閣僚の発言としてはほんとはびっくりするような、ほんとのスルメ発言だと改めて思いますね。今VTRもう一度見ててね、何回めかですけども、いや、ここまでよく言うなと僕思ったんですよ」

山本浩之
「ま、あの、短期間ではありますけれども、やはり党の代表をお務めになった、まぁ前原さんならではですね、このあたりは」

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青山繁晴
「ええ、その通りですね。それでやっぱりあの、ご本人も言われてましたが、昔からの思い入れもあるということですね」

村西利恵
「逆に鳩山総理にとっては突破できそうな問題はこれだというふうに、まぁ前原さんは…」

青山繁晴
「うーん、その通りです。はい。あなたはこれにむしろ専心しなさいっていうふうにも聞こえましたよね。あとのことは閣僚に任せてもらってもいいけどっていって…(一同笑い)、それあの、やっぱり村西さんらしい気づきのところだと思いますね。それから外国人の地方参政権についてはですね、私が憲法上の問題を指摘したら、これも意外な答えだったんですけど、前原さん、これはっきり、これ内閣法制局にいったん預けて、これってたとえば小沢さんの言ってること全然違うんですよ。小沢さんは内閣法制局はけしからんと、役人の分際でね、憲法判断なんかして、こんなのさせないって言ってきたんですから、これも柔らかく言ってるようで、小沢さんへの挑戦なんですよ、これほんとはね。で、前原さんは少なくとも自分の考えとしては、その、いわば民主党がずっと掲げてきたこれ(外国人地方参政権)であっても、法制局にかけて、そこで憲法上問題があるとなったらフィルタリングされると言ってましたが、法案の修正や何やらがありえると言ってて、で、途中で最後はさすがに現職閣僚だからちょっと話を変えて、それでも最後の結論が出ちゃったら私は閣僚の一員として従いますと言ってたわけです。但し民主党政権の現職閣僚しかも重要閣僚が、この外国人地方参政権は小沢さんの言ってるようなふうにはならない、内閣法制局にちゃんとかけて、その、いわばフィルターをかけてからでないとやりませんっていうことを具体的に言ったというのは、これは僕まさしくニュースだと思いますね。で、もうあの、時間がないと思いますが、いかがでしたか、聞かれてて。岡安さん、どうでしたか」

岡安譲
「いや、ほんとにね、スルメ発言というのがよく分かりました。あとから考えれば、ま、先ほどの美人もそうですけれども、よーく心に届いてくるなっていうか、さすが聞き手の青山さんっていうふうに思いましたけれども」

青山繁晴
「ていうかね、あの、国民の方々、これから前原さん、きっとあの、実はオモテの舞台でもね、案外こういうスルメ発言を重ねていくんじゃないかと思うんで、ま、言い方悪いかもしれませんが、楽しんで前原さんの発言をこれから聞いてほしいし、その、楽しんでっていうことはもちろんその、いわばあの、民意としての民主党政権の改革力に期待したところ、あの、前原さんにはいろんなあの、毀誉褒貶(きよほうへん)、批判もあればね、その、永田メール事件のような大失敗もありましたが、あの、これからよーくその、注目して見ていただきたいひとりではあるなぁと改めて思いました。ヤマヒロさん、いかがですか」

山本浩之
「あの、例のやっぱり確信犯的にまあ、時間的制約の中でそれをせざるをえなかったっていうのが意味はすごくよく分かったんですよね。ただやっぱりその、前原さんはもう少し語ってほしいと思うんですよね。ひとつひとつの問題について。でないと、やっぱりいきなり突き付けられると一般市民、国民ていうのはあの、ドキッとしてしまうので、もう少し語ってほしい」

青山繁晴
「その通りですね。本人が一番悔いているのはやっぱり八ツ場ダムだろうなって分かったんです。というのは、八ツ場ダムっていうのは一言ぐらいしか触れなかったんですよ、前原さんはね。だからそこはまず住民と話したいと、今『アンカー』に全部喋っちゃうと良くないって判断が働いたんだなと思いました。だからおそらくこれから住民との対話はしていくんだろうなと思いました」

山本浩之
「ぜひそうあってほしいですよね。ありがとうございました。以上“ニュースDEズバリ”でした」

 ____________________________内容紹介ここまで


 前原さんって、外交とか安全保障とか外向きのものはわりと考え方がしっかりしてると思うんですが、内向きになると何か途端におかしくなるっていうか、特定勢力に融和的ですよね。

 たとえば首相の靖国参拝には反対だし、1997年の国旗国歌法にも反対しました。一方で、夫婦別姓や外国人地方参政権には賛成してるという。
 特に外国人参政権なんていうのは、国政でなく地方といえども安全保障とは切り離せない問題だと思うんですけどね。

 うーむ、何考えてるのかよう分からん……(T^T)


※拙ブログ関連エントリー
【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし

※参考リンク
ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
 青山さんのブログです。ご本人に直接コメントが送れます。
誰にも手渡してはならない自由意志
 拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。

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★★★★★★お知らせ・その1★★★★★★

「第2回 日台交流音楽会」
日 時:10月24日(土)午後1時開場 1時30分開演
場 所:大阪府立労働センター エル・おおさか 2F「エル・シアター」
入場料:無料
詳細はこちらを。


★★★★★★お知らせ・その2★★★★★★

10・27「日本解体法案」反対請願受付国民集会&デモ
 − 中川昭一先生への追悼 −

【国民集会&請願受付場所】憲政記念館講堂
17時〜19時45分(16時30分開場)
【請願デモ】 日比谷公園大噴水前〜
10月27日(火)16時30分スタート
詳細はこちらを。


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okirakubanner.jpg「お気楽くっくり」更新済
 この歌のように中川さんも帰ってきてほしかった。

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朝青龍問題は反日問題 | 日本の狂った反日スポーツライターたち | 2009/10/29 09:41 PM
皆さま、拙ブログにお越しいただき有難うございます。 初めて拙ブログに来られた方は、 ↓の四つのエントリーを是非お読みになって下さい。 歴史を消された日本人スポーツ選手に未来はない バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンは?本当の神様?だったという感動..