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「アンカー」鳩山政権の経済対策は四方八方美人で国債大増発?

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■9/30放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”

鳩山政権直撃する“経済危機”対応策は?青山ズバリ

090930-12honsin.jpg 気になる鳩山政権の経済政策について。

 間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
 画像はYouTubeで拾ったビデオからキャプチャさせていただきました。


 内容紹介ここから____________________________

 (亀井金融担当相が主張している中小企業のモラトリアム法案に関して閣内がゴタゴタしている問題について取り上げたあと)

山本浩之
「このあとの“ニュースDEズバリ”のコーナーでも、今日は引き続き経済問題について、えー、お話をいただけると」

青山繁晴
「はい。あの、まさしく今のお話ともつながってる話なんですけれども、ま、鳩山政権、最初、国連総会での派手な演説、25%削減て派手な演説から始まってですよ、で、ま、総理はご機嫌で日本に帰ってこられて、で、今、予算の組み替えっていう、いわば一番苦しい作業がこれで始まったわけですよね。で、従ってその、国民の関心も、それでまあ外交でいろいろ華があったりしてけっこうかもしれないけれども、経済はどうなるんだと」

山本浩之
「そうですね」

青山繁晴
「景気どうなるんだと。特に年末に向けてどうなるかというのがご心配だと思うんですよ。で、そこに亀井発言とか、あるいは藤井財務大臣まで円高についてちょっと不思議な発言したり、一体どうなってんだと。で、それを今日、最初のキーワード、もうあえてこう言わざるをえないなと思うんです(フリップ出す)」

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山本浩之
「『四方八方美人』(笑)」

青山繁晴
「はい。これ、だから普通はあの…」

山本浩之
「八方美人っていうのはよく聞きますけど」

青山繁晴
「八方美人って日本語あるんですけど、それどころじゃない、四方八方に対して、いや、もう究極のばらまきみたいなことが今起きつつあって、しかしそれにいわば閣内でね、抵抗してる人もいるんです」

山本浩之
「ああー、そうですか」

青山繁晴
「激しく抵抗してる人もいて、それが今の何かぐちゃぐちゃになってるような状況の本当の姿なんで、本当は閣内で何が起きてるのか、だから経済はどっちに行くのか、そのことを今日はご一緒に考えたいと思います」

山本浩之
「はい。えー、ではコマーシャルをはさんで青山さんの解説です」

(いったんCM)

 …………………………VTR開始…………………………

 ようやく本格的に動き始めた民主党政権。
 しかし今週早々、国内の金融市場は大荒れとなった。

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 おととい円相場は一時1ドル88円台前半まで急騰。

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 その余波で株価が急落し、日経平均株価は一時1万円を割り込んだ。

 その原因のひとつとも言えるのは、財務大臣の発言だった。
 
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藤井裕久財務相(大臣就任前・今月16日)
「輸出、輸出、円高反対っていう考えはですね、極めて一方的な考えだと私は思うんです。(VTR中略)円高の良さっていうのは非常にあるんですよ

 藤井財務大臣の発言が、新政権は円高容認と受け取られ、為替と株価に影響。

 一方、金融担当大臣のこの人は——

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亀井静香金融担当相(今月27日)
「友愛をこういう形で、ええ、返済猶予というような形の中でも、具体的に実現をしていくと」

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 中小企業などの借金返済を猶予する「モラトリアム」の導入を力説。
 閣内からは不協和音が聞こえてくる。

 民主党政権で日本の経済はどうなってゆくのか。
 そして私たちの暮らしは——
 今日も青山繁晴が解説します。
 
 …………………………VTR終了…………………………

山本浩之
「八方美人というのはよく聞く言葉ですけれど、それを超して、ひとつめの青山さんのキーワードが『四方八方美人』っていうんですから、もうつまり至る所、いい顔をしてばらまきという、ただこれ笑ってばかりいられないんですよね。日本経済、私たちの暮らしに大きく関わってくる問題ですから。さっそくお願いしたいと思います」

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青山繁晴
「はい。あの、今、ヤマヒロさんがね、あの、笑ってばかりはいられないとおっしゃった通りで、あの、僕は実は考えれば考えるほど、あの、顔がこわばってしまうぐらいね、あの、非常に深刻なことが始まろうとしてると考えてます。で、今日は一番最初、まず結論から見て下さい。はい、出して下さい」

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村西利恵
「少なくともいったん景気は悪くなる」

青山繁晴
「はい。これはですね、まあ鳩山総理がうつむいてる写真はね、スタッフが選んだんでしょうが、これほんとは鳩山さんはこう思ってないんですよ。で、そこが実は大きな問題のひとつなんですが、これ、いったん景気は悪くなるっていうのは、現状を考えていただくとね、すでにその、何度も言いました通り、日本経済に今までないことが起きてて、今までは失業率だけは低かったのに、失業率が上がってて、若い人と、特に若い人と、それから特に家庭の大黒柱、つまり男性の就業者が失業に苦しんでいるという状況にあってですね、これ実はその、前政権、麻生政権の時代からね、特に選挙の時にもう景気は底を打ったんだと、大丈夫だといわれて、言われてる側の国民で、そうだ、自分たちの生活派少し良くなってきたとか、あるいは自分の勤めてる会社良くなってきたとか、あるいは給料がちょっと上がってきたとか、あー、それから周りで仕事のない人が減って、みんな仕事がちゃんとあるようになったとか、思ってる人ほとんどいないでしょ」

山本浩之
「いないですね」

青山繁晴
「少なくとも僕の友人知人含めても、たとえば高校の同級生、高校・大学の同級生考えても、
そんな人ひとりもいないわけですよ。現状がそうなのに、さらに少なくともいったん景気は悪くなると」

村西利恵
「今よりも」

青山繁晴
「はい。ドンとつまりその、二番底って経済で言うけども、深刻な二番底、下手すると三番底がドンドンとあるであろうということを言わざるをえないんですね。で、とりあえず、今、こういうショックが起きたって言われてることがあります。はい、ちょっと出してくれますか」

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村西利恵
「それが鳩山政権を襲った『9・28経済ショック』。おととい月曜日のことですが、東京外国為替市場で一時1ドル88円台の前半をつけ、急激な円高となりました。その影響もあって、日経平均株価が一時1万円を割り込んでいます」

青山繁晴
「はい。これね、いわば鳩山政権のその、こう出だしの、頭をパーンとはたいたみたいなもんなんですよ。というのは、いよいよ予算編成始まったんですよね。それが今までにない画期的な予算編成で、補正予算も本予算も今までの考え方全部組み直してですよ、無駄を省いて、新しい希望の持てる予算を作りましょうと、始まった途端に円高株安が起きたわけですね。で、もちろんこれだけにこだわるのは良くないです。今いちおう1ドル90円にいちおう戻ってるし、それから1万円もぎりぎりだけど、大台にまた戻した。その、為替も株も行ったり来たりするもんですから、それにこだわりすぎるのは良くないけれども、しかしこれはその9・28ショックとその、経済の世界で言われてる通り、頭をはたいたと。つまりこれからの日本経済はその、先の見通しが立たない。株は常に先を見ますから。先の見通しが立たないよ、その大きな原因は円が高くなって、日本経済は大打撃を受けるからだと、これはっきりしてるわけですね」

山本浩之
「ええ、ええ」

青山繁晴
「で、特に今の話で分かっていただけるのは、これ株価の大台割れっていわば結果であってですね、根本はこっち(円高)の方なんですよ。この状況で、日本経済が悪い中でですよ、日本経済悪いんだから、その通り円はいわば安く見られて当然なのに、実態が悪いのに、円だけ高くなっちゃうと、ね。これがいわば今の一番大きな問題なんですが、それについてプロ中のプロのはずの藤井財務大臣が、こういうふうにおっしゃってるわけですよね。はい」

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村西利恵
「この月曜日に藤井大臣は今の状況を、『円高傾向は異常ではない。人為的な為替政策はおかしい』と発言しています」

青山繁晴
「はい。これはあの、今のVTRでもそうだったと思いますけど、報道ぶりではですね、一般的な報道では、この藤井財務大臣が円高を容認してると。まあ円高でも仕方ないでしょうというような報道されてますが、いや、違います。そんなどころの発言ではないです。それはこうですね」

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村西利恵
円高を『誘導』する発言であると」

青山繁晴
「はい。はっきり為替を1ドル100円レベルから、いや、90円を割っていってその、80円台、ひょっとしたら70円台まで視野に入ってんじゃないかと思うぐらい、これはいわば異様な発言なんですね。あの、現職の財務大臣が、たとえばアメリカに行った時にこんな発言するっていうのは、今まで聞いたことがないです。だから藤井さんもちろんほんとに熟慮してやってますからね、これが単に円高でもしょうがないですねって話じゃなくて、藤井さんはっきりした意図と目的があって、円高に誘導してるんですよ。で、これはこの日本経済が弱まってる時に何でそんなことをするんだという議論、当然出るでしょうが、藤井さんの本心は僕はこうであろうと考えてます。はい」

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村西利恵
「それは、経済の体質を根本から変えるということ。輸出頼みをやめて、国内需要を拡大していくんだと」

青山繁晴
「はい。これはですね、あの、賛否両論当然あると思うんですよ。但し客観的に見ると、この藤井さんて人はその、内閣にあっていわばひとりだけ目が覚めてて、大臣の中では。四方八方美人でやったらこの国はだめになると、おそらく思ってると思います。で、四方八方美人ってたとえば経済の世界で言うとですよ、日本はやっぱり輸出産業がまだまだ中心だから、円安だと楽なんですね、輸出が。というのは、これは皆さんもうご承知ですけど、念のために申しますとね、その、たとえば国内でこれ(手持ちの赤ペンを示して)を100円で作りますと。で、これが1ドル100円だったらアメリカに、たとえばアメリカに輸出した時はこれ1ドルで売れると。で、ところが円が高くなって、1ドルが80円になるとですよ、これ輸出した時に今までは1ドルで売れた物が1.2ドル、1ドル20セントになるわけです。値段が高くなっちゃうから、要するにアメリカで売れる量が減る、つまり輸出の量が減る、従って輸出産業は苦しむっていうことになるわけですよね。だから今までどちらかというと円安でいいねって感じで来たんですが、これは実は僕も長年の持論なんですけど、円安っていうのはいわば覚醒剤、麻薬のようなものなんですよ」

一同
「ああー」

青山繁晴
「ええ、その、痺れてあの、感じは良くなるけれども、ほんとは身体を蝕んでいくものであって、つまりアメリカ頼み中国頼みの日本経済になってしまったのは、要するに円安で楽をしてきたからなんですよ」

山本浩之
「ええ、ええ」

青山繁晴
藤井さんは政権交代した以上は、それを根本から変えたいと思ってるわけです。輸出頼みをやめて国内の需要を作るには、これはもうはっきり言うと、円を高くしていくしかないんだと。その、円を高くしていったら、そのかわり日本はたとえば原材料を海外から買う時に、それは安くなって良い物が安く買えるわけですから、円が高かったら円の力が強いから、世界中から良い物が安く買ってこれて、それを国内でいい物作って、国内でたとえばいいお家を建てたら、それで国民の暮らしも良くなるという考え方なんですよね。ところがこれに対してですよ、いや、そんなことを今やられたら、来年夏に参議院選挙もあるんだから、もうそれやるなら10年後ぐらいにして、10年後は極端かもしれないけど、少なくとも来年夏の参議院選挙が終わってからにしてくれ、とりあえず今はこんなかっこいいことやるんじゃなくて、これをやってくれって言ってるのがこの人なんです。はい、出して下さい」

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村西利恵
「それが亀井大臣。中小企業の借入金返済を猶予する『モラトリアム』を実施すべきと主張しています」

青山繁晴
「はい。だからね、実は亀井さん、ああいう物の言い方だし、何となく思いつきで何でも言ってるように見えるでしょ。いや、今回、僕は違うと思います。亀井さんはこの藤井さんの動きにもちゃんと気がついていて、いや、そんなその、根っこを変えるような、そりゃ志は高いかもしれんが、そんな余計なことしてくれるな、そうじゃなくて逆のことをやるんだと、とにかく来年夏の参議院選挙を考えたら、今とにかくもう救うんだと、ばらまきでも何でもいい、四方八方美人をやるんだというのが亀井さんの考え方であって、だから本当はその、あの、バラバラに言ってんじゃなくて、お互いぶつかり合って言ってるわけです。だからこれに対して藤井さんは反論してるわけですね。はい、ちょっと出していただけますか」

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村西利恵
「藤井大臣は、そんな状況ではないと」

青山繁晴
「はい。あの、これ詳しく言うと、それは1929年の大恐慌の時にやった話でしょうと。こういうの(モラトリアム)はね。今それ全然違うでしょと。そうじゃなくて日本経済の、その、いわば、言葉悪いけど覚醒剤、麻薬に頼ってきたようなやつをやめましょうと、そういう時期だよと言ってるから、非常に本質的な実は議論なわけですよ」

山本浩之
「だからそこ、牽制し合ってるけど、でもその、閣内じゃないですか、ひとつの」

青山繁晴
「はい。だからこれは要するに、鳩山内閣ってものはどっちに向かうのかっていう根本に関わってくるわけですね。で、これがそういう根本に関わってる争いだってことを理解してる人がもう一人いて、それはこの人です」

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山本浩之
「ああ、小沢さん

青山繁晴
「小沢さんですね。で、小沢さんはいわばこの、今、亀井さんとそうやって組めるわけです。小沢さんも来年夏の参議院選挙で勝って、民主党政権は本物になるんだということを考えてるから、こっち(亀井)に属するわけですね。で、藤井さんと小沢さん最近仲悪いですけれども、それは西松事件に関してだったけども、今はそれも超えて、実はこういう政権のあり方、根幹のところに及んでるということなんですね。で、もうひとつ大きな問題は、今日最初に言いましたが、鳩山さんが今うつむいて、景気が悪くなると思ってんならまだいいんですが、ほんとは本人ははっきり言うと浮かれた状態にあって、こういうことに鳩山さんは明らかに気がついてないです

一同
「えーー」

青山繁晴
「気がついてない。気がついてないのが非常に大きな問題であると同時に、実は鳩山さんが気がつくべきことは、もうひとつあるんです。深い深いもうひとつの話があって、それはこれです」

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村西利恵
『民主党の政策を実現するには、国債の大増発しかない』、これ、ハーバード大学のオーバーホルト主席研究員らが、ま、今月28日にまあ、雑誌に掲載された論文です」

青山繁晴
「はい。このね、ハーバード大学のこの人とか、それから『バロンズ』って雑誌、これはまあ、あくまで例として出しただけですからあんまりこだわっていただく必要はありません。まあこれが一番新しいことは新しいから。で、『バロンズ』って投資家の間ではよく知られた雑誌です。歴史もありますしね。で、そういうのがいろいろ書いてあるんですよ。いろいろ書いてあって、この『バロンズ』でこういうハーバード大学の人なんかが言ってるのは、日本はやがて国家が破綻すると言ってるわけですよ。要するに国の借金がふくらみすぎて返せなくなって、国家の破産が起きる、えー、そう言ってるんですが、これデフォルトっていう言葉で言いますけどね、これは前からずっと言ってるわけですよ。で、それ事態は僕は別にあの、その、支持するわけじゃない、支持するわけじゃないけど、その、たとえばこの論文の中でね、この記事の中で、民主党のいろんなばらまき、四方八方美人の政策をやるにはとにかく金がかかると。たとえばその、八ッ場ダムの問題でも前原さんが苦しんで、ダムの問題だけじゃなくて、公共事業やめたら補償するというね、お金を出してあげるっていう法律を作るともう明言したじゃないですか。それも含めて、子ども手当だけじゃなくて、とにかく金がかかる話ばっかりなんですよ。その金をどうやって作るか。今のところ鳩山さん胸を張って、いや、予算の組み替えでその財源を作るって未だにおっしゃってるでしょ

村西利恵
「そうですね」

青山繁晴
「しかしですね、もう作業してる藤井財務大臣とか、あるいは野田副大臣は、もうこれだけじゃとても無理って本人たちももう分かってるわけですよ。その、ま、はっきり分かりませんけど、どんなにひねり出しても最大3兆ぐらいじゃないかっていうのが、いわば水面下で聞こえてくる話であって、この四方八方美人の政策が3兆円でできるわけがない。じゃあ本来なら消費税をアップしてでもそれをやるかっていうと、もうこれも鳩山総理は、総理、やらないと明言してるわけですから、だから何が財源になるかというともうひとつしかないわけで、それが国債の大増発なんですね。で、これたとえばですね、あの、民主党の経済ブレーンの方、たとえば榊原英資さんてね、ミスター円と言われた元財務官の方いますが、この方が一生懸命、今、発言されてるのは、国債なんか増発しても大丈夫なんだと。その、それは日本人が買ってるだけで、日本の財産増やしてんだから大丈夫、大丈夫って言ってんですよ。それは本当は真意はですね、逆に国債の増発しかないって言ってるわけです。民主党のブレーン自体が。それしかないから、やっても大丈夫だよと言ってるだけなんですよ。ところが国債を大増発すると、その、さっき言ったその、国家の破綻まで行かなくても起きてることはあるわけです。それ何かというと、これです」

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村西利恵
長期金利が上昇し、企業が苦しむことになる」

青山繁晴
「はい。これね、ちょと長期金利って言葉はあの、難しそうですけど、全然難しくないです。たとえば国債ってね、たとえばあの、僕が国債買うじゃないですか。あの、国の借金としてですね。これ10年物、ね、たとえば10年間持ってて、その、10年後には必ず国が買い戻してくれて、その時には利子が乗っかってるってことですよね。で、これがやがて国がちゃんと買い戻してくれる、償還されると信用があったらですよ、金利が低くても確実に10年後にはその利子が入るから、金利が低くても買うじゃないですか。ところがひょっとしたら、こんなに国債どんどん増発していったらですよ、国の借金がどんどん膨らんでいったら、ひょっとしたらまともに返ってこないかもしれない、いわば年金と似たような話になって、そうすると金利がドーンと高くないとみんな買わなくなるじゃないですか。日本国が国債を出してですよ、買う人が減ったらそれはえらいことだから」

村西利恵
「信用がないということですね」

青山繁晴
「金利を高くせざるをえない、長期ってそういう意味なんですよ。難しくないですね。そうなるとどうなるかというと、企業がたとえばこう仕事したり、設備投資したいからお金借りたり、その金利も上がってるんですよ。だから企業が苦しむっていうのは、要は企業はお金借りられなくなる、その、優良な企業でも苦しむことになる、そうするとさっき冒頭に言いました通り、必ずいったん景気は、あるいは経済はドーンと落ち込まざるをえないってことなんですよ。だから少なくとも今の四方八方美人政策を続けるんであれば、これはいかなる政策とっても避けられません。お金を作るために国債を増発するから、これは避けられないってことになるわけですね。で、さらにこの私たち民意の選択で生まれた民主党政権には、より深い、非常に根深いこれがあります。はい(フリップ出す)」

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村西利恵
「ここでズバリキーワードは『非の打ちどころのない矛盾』。矛盾なのに非の打ちどころがないっていうのは不思議な言葉ですが、民主党の政策の中で今後必ず生じる大きな矛盾について、このあと解説していただきます」

(いったんCM)

山本浩之
「えー、2つめのキーワードがですね、『非の打ちどころのない矛盾』なんですよね。民主党の政策のこの矛盾点について、引き続きお願いします」

青山繁晴
「はい、その非の打ちどころのない矛盾というものがどういうものか。一番最近皆さんがお分かりの例をまずもう一度見てみましょう。はい」

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村西利恵
「それが国連気候変動サミットでの鳩山総理の発言、『日本は温室効果ガスを2020年までに1990年と比べて25%削減する。途上国へのさらなる経済的、技術的支援を行う用意がある』」

青山繁晴
「まさしくここだけ見たら非の打ちどころがないわけですよ」

村西利恵
「確かに」

青山繁晴
「日本は世界に先駆けて温室効果ガスを25%減らしますと」

村西利恵
「高い目標を掲げて」

青山繁晴
「要するに自分たちが苦しまなくてすむ他の国々は拍手喝采してですよ、その、そういう意味では外交では別に非の打ちどころはないように見えるけれども、ここに巨大な矛盾があるわけですよね。要するにこれはもう先週お話ししましたけど、経済的あるいは技術的支援を行う用意があると言ってるけど、用意がないじゃないですか。で、どう用意がないかというと、この経済的支援と言うけど、それは財源がないんですよ、ええ。で、要するに新しい税金を導入しようかって話だけあってですよ。で、しかもさらに技術的支援の用意というのも、その、日本がせっかく民間が苦労して築いてきた環境技術をビジネスにする用意はできてなくて、それをただ支援すると言ってるだけ。だから非の打ちどころのない矛盾を抱えてるっていうのは、これも大きな例なんですよね。そしてこれね、鳩山さんの個性もありますよ。あの、良く言えば明るく楽天的なんだけど、悪く言うと要するにこう、シンボルになるようなことを口から言ってくれるのはいいけども、その下でどういう備えがあるのかがないんですよ。だからやっぱりあの、かつての非自民政権の細川さんと似てるとこあるなと。やっぱりお殿様っていう感じが似てるなあという気もするんですが、その、鳩山さんの個性はあるけれども、いや、もっと深いところにこの政権がそもそも抱えてるところの、非の打ちどころのない矛盾があるんですよ。それ何かというと、これです」

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村西利恵
「それがこの2つの政策。『生活が第一』そして『公共事業見直しでムダを排除』」

青山繁晴
「はい。これね、両方とも、これ鳩山さんが言い出したことじゃないですよね。たとえば生活第一ってスローガンはあの、2007年の参議院選挙、民主党が今回政権獲得に至る、その最初のスタートになった大勝利、その時やったのは小沢さんですよ。小沢さんはもうとにかく生活第一なんだと。たとえば、だから農家に個別補償をしたりね、そうやってその、ばらまきと言われようがとにかく国民生活を良くするのが第一だとおっしゃったわけですよ。で、それと同時に公共事業、その、自由民主党一党支配によって、とんでもない公共事業がいっぱいあったのは事実ですよ。この番組でも言いました通りね、あの、こういう渓谷、もう一度手を見て下さい(両手で渓谷の形を作る)」

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青山繁晴
「こういう峡谷なんだから、ここにちっこいダムを造ればいいのが、わざわざその、お金もっと使いたいから、お金って僕たちの税金を使いたいから、上にですね、その、ほんとは科学的にあんまり根拠の薄い、あの、新しい案なのに、上にでっかいダムを造っちゃったって、その現場に僕は連れていかれて、その設計者にその話を聞いて、この国の闇に呆れた、呆れたっていうかもうほんとにさっきの話じゃないですけど、打撃を受けたって記憶あるんですよ。だから公共事業の見直しっていうのは、自由民主党の一党支配を打ち破って新しい政権交代を作った以上、これ必ずやらなきゃいけないんですよ。ところがですよ、これ地方の生活の現場に行ったらですね、これはもうほんとにここにバーサス(VS)と書いてるように、こうガチッとぶつかってるわけですよ。つまり地方行くと、公共事業以外にどんな仕事があるんですか。たとえば公共事業じゃなくてね、民間の力を活かしたサービス産業って言うけれども、人がいなくなった地方でどうやってサービス産業を作るんですか。シャッター商店街になってる中で、その、公共事業がなくなってしまって、どんな新しい仕事があるのか。だから生活第一と公共事業見直しってぶつかってる。これを解決するためには、公共事業に頼らない新しい仕事、たとえばさっきの環境技術を活かしてですよ、地方でもその仕事ができるという、そういう準備がなきゃいけないのに、それができてないまま、これ両方行ってるから、これ全くぶつかるわけですよね」

一同
「ああー」

青山繁晴
「で、これは今日は経済の話ですけども、その通りであって、この公共事業を見直しって、つまりそれをやめていって、それムダの排除ってことになってるけども、ほんとは仕事がなくなるんですから、失業者が増えるわけだから、今の日本で始まってるデフレスパイラルをさらに後押しするってことになるわけですよ」

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山本浩之
「今の説明聞いてて、あの民主党のマニフェストっていうのがすごく、書いてることはすごく、ああ、いいのかなって思いつつも、ストンと落ちないのは、子ども手当もらったって、高速道路がただになったって、ほんとに自分たちの生活は良くなるのかなって、みんなやっぱり思ってるわけですよね」

青山繁晴
「その通りです。いや、子ども手当が生きるためにはですよ、手当をもらってそれが生かされるためには、結婚できなきゃいけないんです」

村西利恵
「そうですね」

青山繁晴
「若い人が結婚できるためには、仕事がちゃんとなきゃいけないんですよ。未来の展望開けてなきゃいけない。それなのに子ども手当だけ言われて、どうするんですか。あるいは高速道路無料化がみんなのためになるならば、一家の大黒柱がちゃんと仕事があってですよ、これからも仕事があって、もうお家も建ってて、だから余裕があるからレジャーに行く、その時に高速道路無料だったら楽しいねって話なんですよ」

山本浩之
「そうですよね。一方でアメをこう、はいって差し出されながら、たとえ悪いですけど、何か首を絞められにかかってるような、そんな気がしてしまうんですよね」

青山繁晴
「はい。で、これはですね、あの、民主党が掲げてるこういうことっていうのは、さっきね、四方八方美人って言葉、何度も言いましたが、それを僕は非難だけして言ってるんじゃなくて、いずれももう降ろせないんですよ」

山本浩之
「ええ、ええ、ええ」

青山繁晴
「もうあの、今日の話出たことは、民主党はいずれもこれやめるわけにいかない。さっきのモラトリアムも含めて、一部手直しはしても、とにかくもうやらざるをえなくなってるわけですよ。で、あの、先週、やり直すならいまのうちって申しましたが、それはたとえばですよ、あの、大半の国民が急いでない、いや、あるいは反対の非常に多い外国人地方参政権とかそんなことを急ぐんじゃなくて、ちゃんと優先順位をはっきりさせましょうと。国民の声を聞いて、国益と、国民の利益になるために、なるように、優先順位を変えましょうと言いましたよね。今回この経済についてお話ししたことについてはですね、その、とにかくやらなきゃいけないことばっかりなんですよ。で、とりあえずね、何ができるか、何ができるか、僕、一生懸命考えたんですが、とりあえず言えるのはね、これぐらいなんですよ。はい」

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村西利恵
「せめて『人事』」

青山繁晴
「はい。これね、え、人事かと思われるかもしれませんが、人事はやっぱり権力なんですよ。国家権力も実は人事なんですよ。権力とは人事なり、それ永遠の、いわば一番大事なルールであると同時に、具体的に言うとですよ、今のようにほんとは四方八方美人でいられるわけがない。ね。だから八方美人は良くないって言葉になってるわけですから。いられるわけがない、誰かがいわば血を流しながら調整するしかない、今回の政権はこの人(菅直人の顔を示して)しかいないじゃないですか」

一同
「菅さん…」

青山繁晴
「国家戦略室、国家戦略局を作ってそれをやるしかないんでしょ」

村西利恵
「大きなビジョンを持ってね」

青山繁晴
「ところがですよ、菅さんははっきり言うと不適任ですよ。というのは、まず経済に詳しくない上にね、もともと市民運動家ですよ。さっき藤井さんが言ったようなね、あの、藤井さんが今やってるようなね、円高にして、要するにそれで、円高で生き残れない企業はやむをえない、潰れてもらうんだと、はっきり言うと。そうやって整理しなきゃいけないってことを、菅さんが頭のどこかにあるわけがないじゃない、もともと

一同
「うん、ああ…(同意)」

青山繁晴
そういう発想がないわけですから。両方の発想があって調整しなきゃいけないのに、この人、菅さんには申し訳ないけども、不適任。だからたとえば平野官房長官は、あんなおとなしい人のはずなのに、この国家戦略室を局に格上げする法律は出したくないってもう言ってるわけですよ」

一同
「ああー」

青山繁晴
「そうするとですよ、ほんとはこの藤井さんをここに持ってくるべきですよ。国家戦略担当大臣は藤井さんにして、たとえば財務大臣は若手の大塚耕平さん、日銀出身のね、あの、でもいいじゃないですか。そのようにね、せめて人事の一部組み替えをして、国家戦略局というものが実際に立ち上がって仕事ができるようにする。それから僕はやり直すしかないと思ってます。経済についてはですね」

山本浩之
「はあー。なかなか難しいですよね、でも。それを今、組み替えるってことはね」

青山繁晴
「あのね、ほんとは僕は今、菅さんに厳しいことを言いましたけど、菅さんの人柄に期待したいんですよ。というのはね、菅さん、自分の仕事、今、全然できてないでしょう

一同
「うん」

青山繁晴
「複数年度予算にするって言ったこと自体、もうバーンと駄目だって言われたじゃないですか。だから私は残念ながら不適任ですと。ね。私はまた違う仕事しますと。自分のことを思うんじゃなく国のことを思うんだったら、菅さん自ら、僕はそれ手を挙げるべきだと思う、私は替わりますと。それしかないと思うんです」

山本浩之
「はい。ありがとうございました。以上“ニュースDEズバリ”でした」

 ____________________________内容紹介ここまで


 モラトリアム法案、どうなるんですかね。
 コーナー前にこのニュースが取り上げられた際、青山さんはだいたいこういうお話をされてました。

 「具体的に民主党内の動きを見ていると、10月の第2週にもう法案の形にしてくると思う。10月下旬に臨時国会があるので、そこに出してくると思う。法案の中身、落としどころは出来上がりつつあって、金利も元本もとはできないが、金利さえ払ってくれれば、元本はたとえば3年間猶予というのは可能になる。金融機関の義務付けについては曖昧決着にするのか、『お願いです』にするのか、そこの調整が残っているが、いずれにせよ一定の『モラトリアム』はスタートする。鳩山さんが選挙の時のばらまきの一種として公言してしまってるから」

 素人目には党内でずいぶん対立してるように見えるんですが、そんな短期間にまとまるんでしょうか。うーむ。

 他にもいろいろ言ってらしたんですが、省略します<(_ _)>。気になる方はYouTubeの動画を急いで(削除される前に)チェックなさって下さい。「青山 ズバリ」で挙がってきます。

 あと今週もちらっと触れられた「外国人地方参政権」とか、それから「夫婦別姓」とか、法務大臣の千葉さんあたり、もうやる気満々ですよね。今からすごく心配です。

 来年の通常国会に提出ってことで時間はまだあるんですが、しかし青山さんも以前言っていたように小沢さんは仕掛けが早い人です。反対派が動き出した時にはもう時すでに遅しってことは十分ありえます。

 先週も貼り付けましたが、拙エントリー9/21付:青山繁晴さんの講演に行ってきましたから青山さんの言葉を再度引用しておきます。

危険度で言えば、人権擁護法よりもまずは外国人地方参政権。それは日本の安全保障上の問題から。
総選挙前に民団は「民主党と公明党を支持する」と公表していた。メディアはこういうことちゃんと伝えないといけない。
●まず国民が声を挙げること。送られてくるメールは政治家、政党、役所も実は非常に気にしてる。
小選挙区の代議士にも言うこと。『外国人地方参政権を通したら次は投票しない』と言ったらビビって、それ、やれなくなる。

 というわけで、皆さん、引き続き関係各所に抗議・要請のメールを。
 議員さんに関しては、賛成派を説得しようとするよりも、むしろ反対派に一致団結していただくようお願いした方が効果的ではないかと思います。


※参考リンク
外国人参政権に反対する会・全国協議会 公式サイト

※拙ブログ関連エントリー
【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし

※参考リンク
ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
 青山さんのブログです。ご本人に直接コメントが送れます。
誰にも手渡してはならない自由意志
 拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。

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