<< 産経/竹島特集「波頭を越えて」第3部 | main | 「アンカー」壊し屋小沢一郎&金正日発言の真意 >>

Nスペ「激流中国『チベット』」

【修正10/9 15:55】画像を挿入しました。

071007-01title.jpeg■10/7放送「NHKスペシャル」【激流中国 「チベット」】

・Yahoo!テレビ欄より
NHKスペシャル 激流中国 「チベット」
鉄道開通で聖地に富が▽骨董品ブーム▽揺れる民族の心
10月7日(日) 21:00〜21:50 NHK総合

青海チベット鉄道の開通で刻々と変容している中国・チベット自治区の今を伝える。北京とラサを結ぶ青海チベット鉄道の開通から1年。これまで"秘境"といわれたチベット自治区は一気に身近になり、開通からわずか半年余りで観光客数や収入が前年比40%も増加した。ラサではホテルの建設ラッシュなど鉄道ブームに沸いている。だが外部から資金や文化が大量流入する一方で、都会にあこがれる若者が続出。チベット文化をどう守っていくのかという新たな課題が浮上している。夏の観光シーズンに開業したばかりの豪華ホテルを定点取材。都会の文化や資本の論理に戸惑いながら働く地方出身の若者たちの姿を追う。

 「NHKがチベットを?どうせ中共マンセーな作りなんでしょ?」と思って、もともと見る気はなかったんです。
 が、産経新聞(大阪版)のテレビ欄で大きく紹介されてるのを見て、産経が推薦(?)してるんだったら意外と良いのかもしれないと思って、見てみたところ……。
 おお!これは!?(O.O;)(o。o;)

 全編テキストに起こしてみました。
 画像は“元祖たか”さんがUPして下さった映像から、キャプチャさせていただきました。
 各画像をクリックすると、新規画面で拡大します。


 内容紹介ここから____________________________
 
 中国、チベット自治区。
 ある農村の寺院です。

「この靴は?」
「ダライラマ5世のものです」
「この寺で最も古いものですね」

 チベットの骨董品を買いつけようと、ある有名ホテルのオーナー(張暁宏社長。後ほど紹介あり)が寺を訪れました。

071007-02chou.jpegオーナー
「この古道具を買いたい。値切りはしないよ。500元(約7500円)でどうだろう」

若い僧侶
「お寺のものは人々から頂いたものですしね…」

 続いて彼らは近く農家へ向かいました。

オーナー
「これは釈迦だな。……この像はなんだ?」

農夫
「チベット仏教の神の鳥です」

オーナー
「すべて買い取りましょう」

 仏壇にまつられていたものは全てホテルの展示品となります。
 仏像を売ったのは一族の若者でした。

老婆
「ずっと昔からあった。仏さま……」(仏壇を磨きながら)

 農家の年収の数年分にあたる10万円が支払われました。

オーナー
「まあまあだね。古いが、たいした価値はない」

取材班
「先ほどのお寺は売りませんでしたね?」

オーナーの部下
「取材されてるからね」

オーナー
「まぁいろいろありますよ。じゃあひきあげようか」


 タイトル【激流中国】

 悲願の北京オリンピックを来年に控え、経済優先から真の大国に向けて転換を図る中国。
 今、さまざまな矛盾が激流となって押し寄せています。

 鉄道の開通により、未曾有の観光ブームに湧くチベット。
 仏教の聖地に渦巻く民族の人間模様を、一つのホテルを舞台に見つめます。

 タイトル【チベット 聖地に富を求めて】


071007-03tetudou.jpeg 中国、チベット自治区を走る青海チベット鉄道。
 去年7月に開通しました。

 チベットの標高は平均4000メートル以上。
 長く秘境とされてきたこの地に中国政府は4500億円を投じ、鉄道を建設しました。

071007-04rasa.jpeg 終着点はチベット自治区の中心都市ラサです。
 鉄道開通により観光客は急増、今年1年で300万人がチベット自治区に押し寄せます。

 最大の観光資源はチベット独自の仏教文化です。
 
ガイド
「あちらがジョカン寺です。7世紀に建立されました」

 チベット仏教の信者が一心に祈る寺院も、今や観光の一大拠点です。
 観光の経済効果は今年500億円を超えると見込まれています。

 商業施設の建設も相次ぎ、ホテルは去年1年で80あまりが誕生しました。


071007-05hotel.jpeg 客の争奪戦が激しさを増すラサで今、一、二の人気を競うのがこのホテルです。
 去年、鉄道の開通と同時にオープン。
 以来、訪れる客は増え続けています。

 宿泊客のほとんどが欧米や日本からの観光客です。

071007-06chou.jpeg ホテルの一切を仕切る、張暁宏社長(44)。

 四川省で200のスーパーマーケットを手がける実業家です。
 チベット進出にあたり、経営戦略を練りました。

張暁宏社長
「フロントには多くの仏像を陳列しました。お客様がこれを見てすぐにこのホテルの特色、つまり、ここが博物館のようなホテルだと分かるようにしているのです」

 館内にはチベット独特の文化を伝える骨董品、調度品や仏具など、およそ14000点が展示されています。

 展示品は売り物にもなっています。

071007-07nefuda.jpeg  (ある仏像、字幕【8万元(120万円)】)

 チベット各地の民家や寺などから集められた伝統の品々に値札が付いています。

  (別の仏像、字幕【6万元(90万円)】)

071007-08tanka.jpeg チベットの宗教画、タンカも売られています。

客(中国人?)
「それ2枚でいくらになる?」

女性従業員
「ご覧ください。合計で195万円ですが、135万円に致しましょう」

客(中国人?)
「たいして安くないじゃないか」

女性従業員
「もとの値段が高いですから」

 仕入れの10倍の値が付くことも珍しくありません。

張暁宏社長
「市場が何を求めているのかわたしには分かります。観光客はだれもが、その土地の文化を体験したいと考えています。そうでなければ何のためにラサに来るのでしょう。仏教文化がなければあなたはラサに来ますか?来ないでしょう。必ず、その土地の文化を体験させなければならない」


 四川省で年商100億円あまりを売り上げてきた張社長。
 まだ市場経済に慣れない地元スタッフにその経営哲学を教え込んできました。

 (従業員を集めた会議室で)

071007-09danketu.jpeg女性幹部(?)
「右手を挙げてください。……団結、服従、高効率発展」

従業員一同
「団結、服従、高効率発展。団結、服従、高効率発展。団結、服従、高効率発展」

 開業1年。競争を勝ち抜くため、張社長はさらなるコストダウンを決断しました。

張暁宏社長
「ホテルのレストランの利益率は、四川省の成都ならば普通65%だ。もし利益率が65%を下回ったらコックか仕入れ担当者の責任だ。今後1%でも低くなれば、7500円の罰金を科すことにする。各自、責任をもって仕事に取り組んでほしい」


 ここで働く従業員の半数はチベット族。
 農村や遊牧地域から現金収入を求めてやって来ます。
 観光客にうけのよい民族音楽の演奏は高い収入につながります。

 (ホテルの片隅で演奏をするチベット族男性ら)

斡旋業者の男性(?)
「(ホテルの女性幹部(?)に)彼らを雇うのは問題ないでしょう。……(チベット人らに)中国語は聞き取れるかい?」

チベット人男性A
「少しだけ」

斡旋業者の男性(?)
「チベット語の読み書きは?」

チベット人男性A
「大丈夫です」

斡旋業者の男性(?)
「もう外に物ごいに行くんじゃないぞ」

 こうしたチベット族の若者22人が所属する芸能部門。
 民族音楽で客を出迎えます。


071007-10chure.jpeg ここで働き始めて3カ月になるチュレさん(23)です。
 子供の頃から故郷の村で音楽に親しんできました。

 ここではチベット各地のさまざまな演奏を身につけなければなりません。
 毎日2時間の練習が課せられます。

 来月からは、社長の方針を受けて能力別に給料が決まる新たな制度が導入されます。
 しかし能力給とは何か、チュレさんたちには実感が湧きません。


 夜11時。仕事が終わりました。
 チュレさんの給料は月におよそ2万円。ほとんどを家族のもとに仕送りしています。

 宿舎はホテルからあてがわれた4人部屋です。故郷の仲間と暮らしています。

 これまで遊牧民として生きてきたチュレさん。
 慣れないことが多いホテル勤めの中、心の支えにしているものがあります。
 チベットの小さな仏像です。

071007-11butuzo.jpegチュレさん
「お金では買えないものですよ」

取材班
「身につけないのですか?」

チュレさん
「ホテルでは、いろいろな衣装を着て汚れてしまうから。村ではこうして、首にかけて身につけていたんですけどね。いま、わたしにできるのは祈ることぐらいです。頑張ってお金をためて、親に恩返しができますようにと」


 7月、寺の僧侶がホテルにやって来ました。
 開業1周年の儀式です。

 チベットには家や会社に僧侶を迎え、加持祈祷の法要を営む習慣が古くからあります。
 ホテルの無事とさらなる発展を祈願します。
 チベット産の麦を水でこね、ドマと呼ばれるお供え物を用意します。

 チベットの法要に欠かせない神聖な作業が続きます。
 その様子をじっと見ていた張社長。一つのアイデアがひらめきました。

071007-12houyou.jpeg張暁宏社長
「(僧侶らが作業をしている横で部下に)法要をお客に見せてお金を頂くというのはどうだ。3万円くらいかな。客は安いと思うだろう。法要のようすは写真にも撮っておくんだ。わかったか。この企画で進めるぞ。日本人は仏教に関心があるから、法要を求めてくるかもしれない」

 チベット仏教の儀式をホテルの売りにする新たな企画。
 張社長にとって、あらゆることがビジネスのチャンスです。
 法要の準備を横目に、今度は別のプランを話し始めました。

張暁宏社長
「(袋からマツタケを取り出して部下に)マツタケだ。大きいだろう。マツタケ料理を作ろう。茶わん蒸し、スープ、焼きマツタケの3点セットを作って売り出そう。それぞれ、マツタケは4枚ずつだ。焼きマツタケは5枚にしよう。値段は3000円にして、ガイドには750円の紹介料だ」

 法要が始まりました。
 張社長、次の仕事に向かいます。


 チベット自治区の人口の9割を占めるチベット族。
 古くからの民族文化を守ってきました。

071007-13kaichou.jpeg およそ400年続けられてきたタンカ開帳の儀式です。
 年に1度姿を現す巨大タンカを拝もうと、12万を超える信者がチベット各地から集まります。

 人々は来世の幸福を祈り、精神の充足を求めてきました。
 仏教の教えが重んじられてきた天空の大地チベット。
 1000年以上にわたって独自の文化圏が築かれてきました。

 (当時のVTRスタート)

071007-14sinryaku1.jpeg そのチベットに1950年、建国間もない中国政府が軍を進めます。

071007-15sinryaku2.jpeg やがて混乱の中で、寺院など多くの文化財が破壊され、激しい抵抗運動が起きました。

071007-16darairama.jpeg 1959年、チベットの政治と宗教の最高指導者ダライラマ14世はインドへ亡命しました。

 (当時のVTRここまで)

 以来半世紀、主が戻らないポタラ宮殿。
 人々はそこに厚い信仰を寄せ続けてきました。

 そして今、ポタラ宮殿は信仰とは別の大きな役割を担うようになっています。
 観光資源としての役割です。

071007-17fukukyokucho.jpegチベット自治区観光局 孫永平 副局長
「これまで中央政府は45億円をかけて、ポタラ宮殿などの文化財を修復しました。文化財の保護と観光客の需要を最大限に両立させます」

 鉄道の開通以来、増え続ける観光客。
 波乱の歴史をくぐり抜けてきたチベットの伝統文化に、新たな波が押し寄せています。


 7月末、ホテルで働くチュレさんは、張社長に呼び出されました。
 骨董品を従業員の故郷で集めるため、案内役を命じられたのです。

張暁宏社長
「今回の目的は主に民具の買いつけだ。このホテルは民俗博物館でもあるから、そうしたものも必要なんだ。どこの民家で何を買うか、事前に交渉して決めてくれ」

チュレさん
「紹介は致しますが、値段のことは社長が持ち主と相談してください」

張暁宏社長
「あさっては45万円ぐらい持っていけば、間に合うだろうな」


 かつての秘境にも、数年前から道路が延びるようになりました。
 チュレさんの故郷はラサから西へおよそ250キロメートルです。

 村に近づくにつれ道の状態が悪くなり、馬を使うことにしました。
 標高4000メートルを超える山道を進みます。

071007-18mura.jpeg チュレさんの故郷ジシャ村です。
 およそ800人が農業や放牧で自給自足の暮らしを営んできました。
 しかし、ここ数年、米や小麦などの食糧を現金で買う習慣も広がってきています。


 村に着いたチュレさんは、古い道具がお金になることを人々に知らせて回ります。

チュレさん
「古道具や家具などを買いますよ」

村の女性A
「箱なんかでも買ってくれるかい」

チュレさん
「そうそう。古い箱なら買いますよ」

 近年、骨董品が高く売れるという噂がこの村にも広がり始めています。

村の男性B
「これはヤクと羊の毛で織ったものだよ。こんなもの売れるかな?……灯明台だよ。昔はこれであかりをつけていた」

チュレさん
「売ればいい値段になると思う。少しずつ値段を探ったらどうかな。最初は高値で言ってみたら?」

村の男性B
「全部で1万5000円になるかな?」

チュレさん
「どうかな?」

 現金収入は月に3000円ほど。せっかくなら高く売りたい村人たち。
 張社長の品定めが始まります。

 (村の広場で)

張暁宏社長
「(灯明台を手に取り)これはいくらだ」

村の男性B
「7500円です」

張暁宏社長
「せいぜい3000円だ。古くても20年前の物だろう。もうたくさん持っている。それに言い値も高い」

 今度は村人の一人が、銅で出来た水差しを出してきました。

張暁宏社長
「悪くないな。いくらだ?」

チュレさん
「おばあさん、いくら?3000円は欲しい?」

村の女性C
「4500円は?」

チュレさん
「(社長に聞いてから女性に)いいってさ」

 羊2頭分の金額です(現金を手渡す張社長)。

071007-19murabito1.jpeg村の女性D
「もっと高く売れないの?」

チュレさん
「これ以上は無理だよ」

 続いて、ヤクの皮を張った古い衣装箱です。

張暁宏社長
「いくらだ?」

チュレさん
「彼女は9000円と言っています」

張暁宏社長
「7500円だ」

チュレさん
「7500円だって。それで売りましょうよ。こんなものでも7500円になるんだから。また作ったとしても安いもんでしょう」

村の女性D
「でも、わたしはすごく重宝しているよ」

チュレさん
「もうその値段で手を打ちましょうよ」

張暁宏社長
「どうなんだ?」

チュレさん
「7500円でいいです」

 こうして買い取られた古い道具にやがて数倍の値が付くことを、チュレさんはラサの町で目の当たりにしてきました。

チュレさん
「最近、多くの人が仲買の商売で裕福になっているのを見ると、わたしにもできるのではないかと思えるようになりました。でもわたしは、いなか者だから、まだ商売を始める元手がありません。これから頑張ってお金をためて、いつか商売をしたいと思います」


 チュレさんは張社長に一つの注文を出されました。

張暁宏社長
「ここには売れるような仏像やタンカはあるのか?」

チュレさん
「ないと思います」

張暁宏社長
「ここの村人たちは家に仏像などをまつらないのか?」

チュレさん
「あるにはあるんですが…」

張暁宏社長
「仏像はあるけど、売りたくないんだな」

 売ればかなりのお金になる仏像やタンカ。
 近年、チベット各地で手放す人が現れています。
 しかし、この村の人々にはまだ抵抗がありました。

 (村人が集まっている屋内)

取材班
「仏像は売らないのですか?」

村の男性E
あるけど売らないよ

村の男性F(若者)
「チベット人ならだれでも仏像の商売は気にする。そんなことをする人に良い印象はないよ」

取材班
「生活に困っても売りませんか?」

071007-20murabito2.jpeg村の男性F(若者)
親からもらったものだからね

村の男性G(若者)
おれは手をつけないよ

 仲買の商売に興味を持つチュレさんとしても、それ以上は言えません。

チュレさん
「わたしはチベット人だから、仏像やタンカを売ってくれとはなかなか言えないのです」

 ひたすら来世での幸福を願うチベット仏教は、物やお金に対する執着を厳しく戒めてきました。
 伝統を守る思いと、より豊かな生活を求める思いが、人々の間で揺れています。


 張社長がこの村で買うことができたのは、古い箱と数点の銅製品でした。

取材班
「この村はどうでしたか?」

張暁宏社長
「村人はたくさん来たが、たいしたことない物ばかりだった。ここの村人は、ビジネスの意識がまだそれほど高まっていないのだ」


 買いつけが終わり、チュレさんは久しぶりに家族と過ごすことにしました。

 チュレさんの家は羊や牛、およそ500頭で生計を立てています。
 5人の兄弟と父親は夏の間、放牧に出かけ、家には妻(ブチさん(24))と子(長男ポルドちゃん(3))、そして母親が残っています。

 かつての一家の年収は、家畜を売って手に入るおよそ3万円が全てでした。
 チュレさんは、家族のために新しい家を建て、生活を豊かにしたいと町に出稼ぎに出たのです。

071007-21kazoku.jpeg母親
「お給料は?」

チュレさん
「月に2万円もらえるよ。あそこで2、3年働いて仲買の商売をしようと思うけど、家族のみんなは許してくれる?」

ブチさん
「反対してもいいの?」

母親
「商売には手を出さないで欲しいよ。あんたには難しくてできないだろう」

チュレさん
「どんな仕事だって難しいよ。ぼくが商売を始めたら、もっと生活も良くなるし、家も立派になるじゃないか」

 仏教の教えを深く信じてきた家族。
 商売の世界に足を踏み入れようとするチュレさんが気がかりです。

母親
「わたしはいつもお祈りしているよ。お釈迦さま、わたしの子をお助けくださいとお祈りしているよ。あんたは悪い人の言葉を聞いて、悪いことには手を出さないでね。商売といったって、わたしにはよく分からないんだよ」


 チベット自治区に鉄道が開通して1年。
 経済発展は一段と加速しています。

 今年8月、ラサ市で、多数の企業が契約を結ぶ合同調印式が開かれました。
 市が中心となって、国内外のビジネスや投資を積極的に招こうというものです。
 北京や重慶などの大手企業や外資系企業が相次いで進出しています。

071007-22kigyo.jpeg市側の代表者(?)のスピーチ
「ラサ市はビジネスや投資の誘致を何よりも重要課題としてきました。ラサの巨大なビジネスチャンスはまさに鉄道開通のおかげであります」

 今回の調印式では1100億円の商談が成立しました。
 鉄道の開通は、中国各地から人と資本をチベットへ運ぶ新たな流れを生み出しています。

ホテル業者
「ハワイのホノルルから来ました。世界中でホテルを手がけましたが、今回はまたとない機会です」

健康食品業者(中国人?)
「チベットには冬虫夏草もありますから、とても魅力的なプロジェクトです」

畜産業者(中国人?)
「きっと現地の農民や遊牧民と共に、富を手に入れることができますよ」

 聖地に富を求め、全国から押し寄せる人々。
 ラサ市の人口はチベット族15万に対し、今や漢民族は20万とも言われています。


 8月初め、張社長のホテルでは日本人向けに企画したマツタケ料理のフルコースが始まりました。

 そしてもう1つの企画。
 支配人が呼ばれました。チベット生まれの漢民族で地元事情に精通しています。

 (ホテルのロビーのような所で)

張暁宏社長
「ホテルで法要を行うことについて話し合いたいんだが」

071007-23sihainin.jpeg支配人
「チベットでは宗教問題は非常に敏感な問題ですよ。ホテルは営業する場所です。慈善機関でも寺院でもありません。僧たちの読経は専門の場所で行うべきです」

張暁宏社長
「そうしたことはやるべきではないかもしれない。だが企業というのは、まず経営を中心に考えるものだ。これはいわば“体験ビジネス”であり、やってみるべきだと思う。法要の主な目的は、我々の事業の成功を祈ることだよ」

支配人
「……。まあやってもいいでしょうが、どのようにするのか…」

張暁宏社長
ツアー向けのナイトショーのような形はどうだ。パンフレットも作って、客に見に来てもらおう」


 張社長は部下を連れてラサ市内の寺院へ向かいました。

 200年あまり前に建立されたクンデリン寺。
 現在58人の僧が厳格な戒律のもとで修行しています。

 張社長は寺の住職に会い、ホテルでの法要の話を持ちかけました。

住職・イシチャンバさん(74)
「法要はお寺でやったほうが、あなた方も面倒でないでしょう。わたしたちに任せてくだされば問題ありませんよ」

張暁宏社長
「ホテルまで来て頂きたいのは、宿泊客や従業員に見せたいからです」

 (沈黙――)

部下
「では社長、大きい法要はお寺で、小さい法要をホテルでやりますか」

張暁宏社長
「そうだな。ただ大きい法要も正月前にホテルでやろう」

071007-24juushoku.jpeg部下
「(イシチャンバさんに)まず小さい法要をホテルでしてくださいませんか。たくさんの外国人観光客に見てもらうことができれば、チベット仏教への尊敬がもっと深まるでしょう」

イシチャンバさん
「法要をお待ちの方々がいますからすぐには難しいですが、わたしたちを必要だと言うなら前もってご連絡をください。なんとか準備しますし、行けるように致しましょう」

 住職との話し合いは終わりました。
 (テーブルにお金を置いて去る張社長ら)

張暁宏社長
「毎月、数人の僧をホテルに招き法要をしてもらいます。具体的な時間も決めましたし、こちらの要望を受け入れてくれました。よい祝福があるでしょう」


 ホテルのレストランで民族音楽を披露するチュレさん。
 観光シーズンがピークを迎え、仕事に追われる日が続いていました。

 8月15日。この日、新しい制度に基づく給料が支払われます。

 (従業員を集めた会議室で)

女性幹部A
「今から皆さんに7月分の給料を渡します。まずは今回の給料の仕組みについて報告します。わたしたちはABC評価の制度を実施します。7月にA評価となったのは一人だけでした。こちらへどうぞ(A評価と思われる男性従業員が歩いてくる)」

 給料は仕事の能力に応じて、ABCの3段階に分けられました。
 さらに、細かい就業規則が設けられ、遅刻などには罰金が科せられます。

女性幹部A
「ここにサインしてください。2万2500円を渡しますから」

 (サインする男性。給料が現金で手渡される)

女性幹部A
「チュレさん。(歩み寄るチュレさん)あなたは今月C評価でした。さらに欠勤の罰金400円を引いて、1万1600円になります」

チュレさん
「(女性幹部Aの隣の男性に)通訳してくれませんか?」

 チュレさんは演奏のレベルが十分でないと見なされ、Cの評価でした。
 給料はこれまでの半分近くに減らされていました。

071007-25kyuuryou1.jpegチュレさん
「この給料はおかしいですよ。受け取れません。もとの2万円から1万2000円に下がるなんて。こんなことは納得できないですよ。サインはしませんよ。どういうことですか」

女性幹部A
「あとで話しますから」

チュレさん
「信じられないよ(席に戻る)」

 この日、Cと評価されたのは12人。
 芸能部門の半数を超える従業員が給料を下げられました。
 人件費の大幅な削減となります。

女性幹部B
「(女性幹部Aに)ABC制度のことを分からせて。彼らはC評価なんだから」

 これまで農業や放牧で暮らしてきた彼らが、こうした企業の制度と向き合うのは初めての経験です。

チベット人女性従業員
「返してよ(明細を奪い取って見る)」

女性幹部B
「言いたいことがあるなら下で話しましょう」

チベット人女性従業員
「罰金の日付が変よ」

071007-26kyuuryou2.jpeg女性幹部B
「あなたが自分でサインしたんでしょ。しかも罰金を低くしてあげたのよ!出勤簿にみんな書かれているじゃないの!わたしに手を出すなんて、文句があるなら外に出ましょう!まったくあなたって人は!」

女性幹部C
「けんかをやめて座りなさい」

 新しい制度を受け入れられず、その場でホテルを辞める者も現れました。

女性幹部A
「(辞めるチベット人男性に)8月分の給料は明日渡します。あなたが出て行く前にね」

辞めるチベット人男性
「サインはどこにしますか?文字が全然わかりません」

女性幹部B
文字がわからなくても名前だけ書けばいいの

 (サインするチベット人男性)

 給料を引き下げられた若者たち。
 家族への仕送りにも差し支えます。


 チュレさんは考えた末、ホテルを辞めることを上司に申し出ました。

 (ホテルのロビーのような所で)

上司
「なぜ出て行くんだ?」

チュレさん
「ここにはいられません。給料が半分になりましたから」

上司
「これからどうするんだ?」

071007-27chure.jpegチュレさん
「ほかのところに行きますよ」

上司
「よそのホテルなのか?」

チュレさん
「新しくできたホテルがあります。給料を上げたり下げたりはきっとしないはずです。あなた方のように」

 チベットに流れ込んできた新しいやり方への反発。
 しかしもう後戻りはできません。

チュレさん
「家族のためにここで働いてきました。自分のためではありません」

取材班
「これから家族を豊かにできますか?」

チュレさん
「きっと実現します」

取材班
「自信はあるのですか?」

チュレさん
「それがわたしの願いですから」

 現金収入のある暮らしを知ったチュレさん。
 ラサの町で生き抜く覚悟です。

張暁宏社長
「(従業員らを前に)日々ともに働く我々が、なぜ一つにまとまれないのだ?チベット族にはすばらしい伝統や思想がたくさんある。ただ外から来た者のほうが早く経済体制を受け入れたから、ビジネスに関する考え方が進んでいると思う。一つの組織には服従が要求される。上司の言うことは正しく、上司には従うべきだ。そういうルールを徹底させねばならない。そうしてこそ我々の会社は団結できるはずだ」


071007-28potara.jpeg 夏の夜のポタラ宮殿(ライトアップ&噴水、たくさんの観光客)。
 チベットを訪れる観光客は3年後、倍増すると見られています。
 市場経済の波はますますチベットの奥深くへ広がっていきます。

 富をもたらすチベットの聖なる大地。
 急速な変化に人々の心は揺れています。

     ※語り=小林勝也、高橋美鈴

 ____________________________内容紹介ここまで


 チュレさんがこの先、中国人化していってしまうんだろうか?と思うと、すごく悲しくなりました。
 私はチャンスがあればチベットに一度は行ってみたいなと思っていたんですが、この番組を見て、行くのはやめようと思いました。一人の日本人として。

 
 番組全体の感想ですが、NHKのことですから中国共産党の立場で描かれるかと思いきや、

  純朴なチベット人の出稼ぎ若者(チュレさん)=善
  拝金主義の中国人ホテルオーナー(張社長)=悪

 という図式で描かれており(しかも張社長ってのが見た目もろヤクザ(T^T))、NHKにしてはかなりまともだったという印象を受けました。


 ただ、中共によるチベット侵攻の箇所、「混乱の中で、寺院など多くの文化財が破壊され」という、まるで破壊が不可抗力だったかのような表現は容認できません。

 中共は明確な意図を持って、何千という寺院、僧院を破壊し、仏像、工芸品、古代の写本や経典などを略奪したのですから。
 また、中共はチベット人に対し、大変な数の虐殺、拷問、言論弾圧などを行ってきているのに(ダライラマの写真を所持しているだけで違法)、それらについても全く触れずじまい。

 最近も、村の警察施設の壁にダライラマ14世の帰還やチベットの自由を求める落書きをしたとして、チベット族の中学生の男子生徒約40人が拘束される事件が発生しています。うち7人が別の町に移送され、所在は不明とのことです(朝日9/21。ネットを少し探しましたが、続報はないようです)。


 でも、2年前に放送された「報道ステーション」の加藤千洋工作員によるチベット・レポート(最後のリンク集参照)に比べたら、100倍マシだったと思います。
 このレポでは「チベットを併合」と言ったり、鉄道開通の良い面ばかりを取り上げたり(チベット人の生活レベルが上がるとか)、完全に中共の立場で伝えてましたから。

 もっとも、一見まともな今回のNHKスペシャルも、実は単なるアリバイ作りにすぎなかったりして。
 私は見ていませんが、07年1月2日に放送された「青海チベット鉄道 世界の屋根2000キロをゆく」(これもリンク集参照)、これ、かなり中共マンセーだったらしいので。
 つまり、「NHKは公正中立な番組作りをしてますよ。だから皆さん受信料ちゃんと払って下さいね」って作戦なのかも。


 本日もスクロールお疲れ様でした。以下はリンク集です。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


◆チベットについて

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所

チベット(Wikipedia)

チベット自治区(Wikipedia)


◆05年11月3日放送「報ステ」加藤工作員のチベット紀行



加藤千洋のチベット紀行1加藤千洋のチベット紀行2
 Silly Talkさんによるテキスト起こしです。


◆その他、チベットを取り上げた日本のテレビ

シナ人「チベット侵略は中国の国内問題だからお前ら関係ないアル」(YouTube動画)
 06年8月11日放送、日テレ「太田総理」より。中共の代弁者・張景子に宮崎哲弥がマジギレ。「チベットは侵略じゃないのか!」。鈴木紗里奈もGJツッコミ。

NHKにもの申す(大紀元時報)
 梅香居士氏による07年1月2日放送、NHK「青海チベット鉄道 世界の屋根2000キロをゆく」への批判。


◆チベット少年僧ら射殺事件について

中国軍がチベットの巡礼者を無差別に撃ち殺す映像(非グロ/日本語字幕付)(YouTube動画)
 ルーマニア人登山家が撮影した、事件を伝えるニュース映像。

中国兵に銃撃されたチベット族の子どもたち、恐怖を語る=インド
 06年10月24日付APF=時事の記事のキャッシュ。


◆拙ブログ関連エントリー

5/4付:大高未貴さんチベットを語る
 産経新聞に掲載されたインタビュー紹介です。

5/12付:ペマ・ギャルポさんチベット・モンゴルを語る
 産経新聞に掲載されたインタビュー紹介です。


このブログが面白かったらクリックして下さい→人気blogランキングへ
ご面倒でなければこちらも→FC2 blogランキングへ
________________________________________________
★トラックバックを下さる方へ
サーバー不調につき、トラックバックを送信してすぐに反映されない場合、こちらで受信できていない可能性大ですので、もう一度送信なさって下さい。それでも反映されない場合は、コメント欄にURLを書き込んでトラックバックの代用として下さい。あるいはミラーブログの方にトラックバックを送信なさって下さい。お手数をおかけしますが宜しくお願いします。なお、営利目的、アダルト、エントリー内容と無関係なトラックバックは削除させていただきます。

★コメント(投稿)を下さる方へ
初めてコメント下さる方は、こちらのガイドラインに一度目を通されてから宜しくお願いします。
TV番組内容紹介 | comments (37) | trackbacks (2)

Comments

給料の支給場面で二万円から簡単に四割引きになるところに、この国の恐ろしさ、法体系のなさに怒りを覚えました。
一月の「チベット鉄道」と比べてチベット人の視点からも製作しようと見えたのが救われましたね。
しかし、NHKの中国報道番組は今後も視聴者として監視していかなばなりませんね。
石坂 | 2007/10/09 01:19 AM
中国共産党結党85周年に合わせて派手に2006年7月1日、開通式典を行った「チベット鉄道」だが、翌月には脱線事故を起こし、高山病による死者も出している。
レールには亀裂が入り、台座はひび割れし、線路補修が困難を極めるといわれている。また、冬場は零下30度にもなり運行できない。
果たして何年持つのか?
(リチャードギアは、「侵略鉄道」と呼んでいるとか)早く使用不可能となることを望んでいます。
山椒小粒 | 2007/10/09 09:26 AM
NHKにも、民放にも、本当に悔しい思いばかりしていますが、こういった視点で制作された番組には、逆にみんなで、
「よくやってくれた!ありがとう!心のある国民はNHKの良心を信じています。頑張って下さい!」
と、激励のメールやハガキを出していくべきだと思います。
そういう地道な活動が大事なんじゃないかと思います。
shirasetai | 2007/10/09 09:28 AM
私も中国マンセー番組だと思って見ませんでしたが、意外といい内容だったのですね。
文字起こし、ありがとうございました。
再放送されたら見てみようと思います。
モモ | 2007/10/09 09:30 AM
はじめまして。
いつも読ませていただいています。
また、関東圏では視聴できない番組の文字起こし、いつも感謝しながら拝読させていただいております。

私は今回のNHKスペシャル見逃してしまいましたが、中国のチベット自治区による文化的、人的支配の問題はやはり深刻なんだと改めて感じました。

話は変わりますが、NHKも大きく分けて二つの派閥があるそうで、NHK総合派とNHK教育派があって、NHK総合派はわりとまともなプログラムが多いらしいのですが、NHK教育派が相当リベラル色が強いらしく、両者のパワーバランスもNHK教育派に傾いているような話を以前本で読みました。
ですので、今回のNHKスペシャルはNHK総合派が製作したのかなぁと思います。
NHKも国営放送として是非とも中道のスタンスを保ってもらいたいと切に願うばかりです。
裸眼人 | 2007/10/09 11:19 AM
くっくりさん

チベット、アップしておきました。


人間というものは、文化伝統を失くしたらその国の人間ではなくなります。日本人には、日本語をしゃべるだけの外人同然の人間がとても多いですね。

そのうちチベット人も文化をなくして、心もなくし、金しかなくなり、金が世界の中心になるでしょう。中国化します。
たか改名 元祖たか | 2007/10/09 12:05 PM
この番組ざっと観たんですが、NHKにしては少しはマシと言えるかもしれないけれど、よいとは思いませんでした。
「聖地に富を求めて」というのは誰にとっての「富」なのか。NHKはHPにも「夢の鉄道」などと書いていたが。
小さな仏像を大事に持っているような信心深いチベット民族の所に入り込んでいく儲け主義の強引な中国人のやり方に対して、チュレさんらチベットの人達が“新しい制度に反発している”という論調もあったし、中国の立場から見ているような感は否めませんでした。
コーディネーターが劉なんとかという名前だったし、虐殺のことにも触れないし、NHKだけでなく日本のマスコミはこの程度、限界なのでしょう。マスコミ自身が変わろうとしませんから。
どこぞのジャーナリスト宣言なんて苦笑するばかりです。
これからはますます、ニュースや情報をチェックして、あとは自分でよく判断することが必要だと思っています。
風 | 2007/10/09 01:23 PM
くっくりさん、番組見てなかったので、大変参考になりました。
裸眼人さん・・・そういえば、安倍さんや中川さんが巻き込まれた件も、NHK教育でしたね。
yum | 2007/10/09 01:27 PM
皆さん、コメントをいただきありがとうございます。
いつも個別にレスを差し上げられず申し訳ありません。

たか改名 元祖たかさん:
チベットの映像UPありがとうございます!長いのにお手数おかけしてすみません。さっそく画像を入れさせていただきました。これでだいぶ分かりやすくなったと思います。ロケ物はやっぱり絵がないと辛いですから(^_^;。本当にありがとうございました<(_ _)>
くっくり | 2007/10/09 04:12 PM
チベットも比較的にまともかと思いましたが、「北朝鮮帰還船」はこれがNHKかというような内容でした。是非ご覧ください。
マックス | 2007/10/09 05:48 PM
「検定意見は撤回するしかない」林博史 沖縄タイムズ 2007年10月7日

 日本軍の強制を削除させた教科書検定に対する沖縄県民の怒りの前に政府はようやく対応せざるをえなくなってきた。そのなかで浮上してきたのが、検定そのものは認めたうえで、教科書会社から記述の訂正があった場合には「真摯に対応する」として、元の記述の表現を若干変えれば、事実上、同趣旨の記述の復活を認めるという方法である。この方法では、日本軍の強制性を否定した検定意見はそのまま無傷で残り、将来にわたって禍根を残すであろう。
 文部科学省が教科書執筆者たちを呼び出して、検定意見を通知した方法を見ると、検定意見が執筆者に説明され、それに対して執筆者で対応を協議し、どのように修正するかを決めて回答する。この手続きを日本史教科書であれば古代から現在まですべてを2時間で終えなければならない。つまり持ち帰って資料や研究に再度あたることが許されず、その場で対応を決定しなければならない。
 複数の教科書執筆者の話によると、この席で文科省の調査官は、「最新の成果といっていい林博史先生の『沖縄戦と民衆』を見ても、軍の命令があったというような記述はない」などを私の著書を例に挙げて、日本軍の強制を削除させる根拠にしたという。執筆者たちは結局、その場で検定意見を受け入れざるを得なかった。そこであくまで拒否すれば検定不合格となり、教科書作成のそれまでの努力がふいになるからである。ある執筆者は帰宅後、私のその著書を取り出してみたところ、「いずれも日本軍の強制と誘導が大きな役割を果たしており」「日本軍の存在が決定的な役割を果たしている」という結論であることを確認し、「無念」の思いにとらわれたと語っている。
 私は著書の中で1つの章を「集団自決」にあて、その中で「日本軍や戦争体制によって強制された死であり、日本軍によって殺されたと言っても妥当であると考える」との認識を示したうえで各地域の分析をおこない、渡嘉敷島のケースでは「軍が手榴弾を事前に与え、「自決」を命じていたこと」を指摘している。座間味島のケースでも日本兵があらかじめ島民にいざという場合には自決するように言って手榴弾を配布した証言を紹介している。「集団自決」がなされるにあたって「軍からの明示の自決命令はなかったが」というように、同書執筆時点(刊行は2001年12月であり、執筆は前年からおこなった)で確認できた証言などから、いま自決せよというような命令は出されていなかったと思われたのでそうした認識は示している。その箇所だけが文科省に利用されてしまった。しかし、綿井の著書では、あらかじめ自決するように手榴弾が配布されていたことや、捕虜になることは恥だと教育されていたこと、米軍に捕まるとひどい目にあわされて殺されると叩き込まれていたこと、住民が「自決」を決意したきっかけが「軍命令」であったことなども指摘し、さらに日本軍がいなかった島々では米軍が上陸しても「集団自決」がおきていないことを検証し、結論として先に引用した部分のほかに「「集団自決」は文字どおりの「自決」ではなく、日本軍による強制と誘導によるものであることは、「集団自決」が起こらなかったところと比較したとき、いっそう明確になる」と断言しているのである。
 渡嘉敷島や座間味島については、この間、新しい証言が次々に出てきており、この著書の記述を書き改めなければならないと痛感しているが、しかし日本軍の強制と誘導が「集団自決」を引き起こしたことは、それまでに明らかにされていた証言などからも明白であり、私の著書のみならず沖縄戦に関するすべての研究が同じ結論に達していたものだった。最近、新しい証言が出てきたから、それを理由にして教科書会社からの正誤訂正を認めると話が出ているようだが、そうしたやり方は、これまで長年、沖縄の人々の努力によって積み重ねられてきた沖縄戦の調査と研究をまったく否定するもので、決して認めることはできない。
 教科書調査官が執筆者たちに言い渡した検定意見は、明らかに虚偽に基づいて執筆者を欺いたとしか言いようがない。資料も文献もない文科省の一室にいた執筆者たちは調査官の意見に反論する材料も機会も与えられないまま、その検定意見を認めて書き換えるしかなかった。執筆者たちが検定意見を持ち帰って、私の著書を確認すれば、調査官が根拠にしている研究では「日本軍の強制と誘導」によると結論付けているではないか、そうであれば、日本軍によって「集団自決」を強いられた、あるいは「集団自決」に追い込まれたという記述は、この研究成果を正しく反映した記述ではないか、という反論を行うことができただろう。しかしその機会は与えられなかった。こんなやり方は詐欺と非難されても仕方がないのではないか。
 文科省は、日本軍の強制を否定するような研究がまったくないので、仕方なく、全体の文脈からは切り離して私の著書から一文だけを抜き出して、結論とは正反対の主張の根拠に使ったのである。現在の検定意見言い渡しの方法が、そうした詐欺的手法を可能にしたのであり、検定制度そのものの見直しも必要である。
 文科省はこうした手法で執筆者たちを騙し、検定意見を押し付けたのである。このようなやり方のどこが合法的なのだろうか。これが教育に責任を負う官庁がおこなうことなのだろうか。こうした詐欺のような手法で押し付けられた検定意見をそのままにして正誤訂正でごまかそうとすることはけっして認めるわけにはいかない。文科省は、著作を歪曲し間違った検定をおこなったことを認め、検定意見をただちに撤回すべきである。
林博史 | 2007/10/09 07:02 PM
>NHKにしてはかなりまともだったという印象を受けました。
出てた支那人ホテルオーナーにしろ根本的に「自分が悪いことをしている」自覚がないんじゃないの?
段ボール肉まんの件と同じかな。

どっちにしても中共によるチベット侵略・民族浄化・民族同化によりもはやチベット「人」ではないチベット族の暮らしぶりを紹介するのが目的だったのか。

この後にやってた在日の特集も酷いこと酷いこと。

関係ないけど「チベット族」は一発変換、「チベット人」は単語登録されてませんでした@ATOK2006
リル度 | 2007/10/09 11:28 PM
問題点はあるものの意外と良かったですよね。台湾に留学していましたが、あのオーナーが話す中国語は全然わかりませんでした。自信がなくなったのと同時に、台湾とは違うとよくわかりました。
いいちこ | 2007/10/09 11:38 PM
私も見ませんでしたが、
この番組は必ず再放送がなされると思います。
おそらく深夜放送ですが。

・・・と、思ったら、今日じゃないですか!?
9日深夜25時から。(10日深夜1時)
あら座 | 2007/10/09 11:57 PM
こんばんは。
日テレ「大田総理」面白かったです。
中国の張女史、先の戦争での日本批判には、さすがにスタジオの日本人は、眉をひそめていました。
まぁー張女史の主張は、本ブログ読者にとっては、聞くまでもない中共毎度のワンパターン主張にすぎないのですが。
さすがに「チベット侵攻」では、日本の靖国参拝を例に挙げて「国内問題」で逃げました。
どこの国・民族だって似たような事やっているんだよね! それが「戦争」だと思います。中国は「ベトナム侵攻」だってやっています。
ボクの立場は、張女史の日本批判は、もちろん許せません。
しかし、彼女は中国人(漢民族かな!)。彼女は彼女の国の国益を主張することは、ある意味当然だと思います。
一番許せないのは、日本人でありながら、反日の立場をとっている連中(いわゆる「サヨク」)です。
Gくん | 2007/10/10 12:34 AM
くっくり様、私はこの番組を見逃してしまいました。
テキスト起し、お疲れさまでした。そして本当にありがとうございます。

う〜んと永い目で見たら、いずれチベットも独立する日が来るのではないでしょうか?
所詮、中共とは民族・文化・歴史どれをとっても別ですし・・・

広西チワン・内モンゴル・寧夏回族自治区・チベット・新疆ウイグルの各自治区が独立し、
おまけに東北三省も分離したら、中共は国として丁度よい大きさになるのでは?と思います。

学生時代、山東省からの留学生がいましたが、彼の言葉の節々に“満州族”への侮蔑意識が垣間見られ、非常に興味深く思いました。
満州族は、漢民族への同化も進んでいるとは言え、これらの地域ではまだまだ、漢民族への反感も根強いようです。
(そう言えば、満州族の宗教は“チベット仏教”ですしね。これも一つのキーのように思えるんですが・・・)

東トルキスタン、もっと内陸部の地域においては、既にイスラム勢力の組織的な潜伏も囁かれています。
力での締付け・官民含めての“帝国主義的な征服”は、成長ムードが落ち着いた頃、あちこちで綻び始めてやがて破綻する事でしょう。

我々も草の根レベルで、チベットは中共が武力で侵略した地域だという事実を、多くの日本人に認識させる事が必要だと思います。
一郎太 | 2007/10/10 01:23 AM
 NHKスペシャルは、良くも悪くも、居た堪れない内容でした。ただ、朝日よりはマシと、感じてはいます。
 最近、朝日のバラエティー番組のクイズで、解答者が「チベット」と答えると、アナウンサーが「そのような国はありません」と返答していました。その時、持っていたリモコンをテレビに投げつけそうになりました。判ってはいましたが、あの局は酷すぎる。

>>Gくん
どこの国・民族だって似たような事やっているんだよね! それが「戦争」だと思います。中国は「ベトナム侵攻」だってやっています。

 この書き方は、誤解を招くような内容なので気になりました。たぶん、私の言いたいことは、理解して頂けると思います。ですから、敢えて、これ以上のことは申しません。失礼しました。
DUSK | 2007/10/10 03:27 AM
 同じ反日でも、社会的地位を利用している人間は、ほぼ洗脳工作員と考えてよい。彼らに共通しているのは、保守系ブログや板には近付かない事。 例えば、サヨク系の問答有用板に、時折「梶村」氏が登場するのは、そこに支持者がいるから。
 
 従って、上投稿「林博史」は、本人ではなく洗脳済の反日サヨクが「崇高な正義感に燃えて」、若しくは転載要請に応じてあちこち投稿してるんでしょ。
 
 沖縄の「日本軍の強制」主張は、敗戦直後から検証無しに一貫しており、当初から軍命令の有無なんて問題視してなかったのだが、保守系の発言力が増して「軍命令云々」になったから、焦って既得権を守ろうと広義の強制にすり替えようとしているだけ。
 
 前にも書いたが、集団自決は沖縄だけの「特許」じゃないのだから、沖縄だけを特別扱いするより、沖縄を含め各地で行われた「自決」を検証する方が、余程非戦思考のタメになる。
 
 彼の主張は、「自決命令は確認されなかった」のに手榴弾「支給」問題にすり替えてるのだが、軍の「支給」が無かった地域では、刃物や首吊るロープも無いとき、布を輪にして二人が対面首に掛けて、中に挟んだ棒を回して締め上げ、意識のある方が締め続けるから死ねる・・・と思いそうだけど時間が掛かるから、迫るソ連人や中共人に「救われて」しまって、結局色々されて殺される日本人・・・だったとしたら、自分達が使いたい筈の手榴弾を、「家族同時にすぐ死ねるから」と分けてくれる日本兵がいて欲しかっただろ。
 
 「日本軍がいなかった島々では米軍が上陸しても「集団自決」がおきていない」のは、戦場にならなかっただけ。上陸した米兵の、民間人虐殺・暴行・強姦・略奪より、集団自決の有無だけが問題なのか?
 
 米戦記には、掃討戦中に沖縄女性の慰安所が開設されていたというし、米兵による強姦事件の多発と共に、抑留県民への給養が不足していたため、個人的売春が10人中何人と具体的に書かれてる。
 敗戦間近の物資欠乏した抑留所の日本兵を、戦後米軍が「虐待」事由で死刑にしていた同時期に、県民を虐待していた米軍・・を責めるより、日本軍を責めるよう教えられた県民には同情するけど、洗脳工作員氏には呆れるしかない。
 
 彼って「東京裁判でオランダや中国、フランスの検察団から慰安婦に強制性があったとする証拠書類が提出され、判決でも証拠として認定されていた事実を指摘した上で、東京裁判の時点で慰安婦の強制性は既に明らかになっており、サンフランシスコ平和条約第11条で戦犯裁判の判決を受諾している以上、日本政府は従軍慰安婦の犯罪性と強制性を認めなければならない」とやってた奴でしょ。
 
 東京裁判は、中国のプロパガンダにより、独と同じようにA級・C級犯罪の証拠が溢れてる・・・と勢い込んで訴追しようと思ったのだけど、A級の証拠が全然無くて、しょうがないから共同謀議をでっち上げ、それでも自信が無いから文官の広田さんを含め、B級犯罪の不作為責任を被せて処刑したんだけど、C級も同じ。
 南京をC級にしたかったのだけど、否定する証拠しか出てこない。A級でも無罪にするしかなかったから、自棄になってB級不作為責任で処刑しただけ。
 慰安婦問題も、C級として訴追したくて各国確定済B級裁判資料を集めてみたのだけど、C級犯罪と認定出来ないから訴因から外され訴追もされていない。
 「判決でも証拠として認定され・・・サンフランシスコ平和条約第11条で戦犯裁判の判決を受諾している以上、日本政府は従軍慰安婦の犯罪性と強制性を認めなければならない」
 傍論・・・以下の雑談を「判決が出た」という典型サヨクだが、仏例なんか戦犯裁判も行われていない単なる「噂話」じゃないか。
 
 反日サヨクとウヨク、過去論争した際、詭弁を弄するのは必ず反日サヨクでした。
福原 | 2007/10/10 04:14 AM
市場経済 vs 伝統文化 という図式で描いてましたね。チベット青年にスポットを当てながらも、変化は避けられないという感じで締めくくられています。話の展開は面白いですが、それが故にちょっと出来過ぎに感じました。
企画段階からストーリーコンセプトが決められ、それに沿って撮影、編集されたのは間違いないでしょう。
それにしても、もうラサはテーマパーク化してる感じで行ってみたいとは思いませんね。
ほい | 2007/10/10 04:31 AM
再放送しっかり見ました。兵士たちの証言シリーズを見終わったあと引き続きみました。
切ないです。ひとつの国が、侵食されていく様もまざまざと見せられて。
チベット人たちの何か必死で真っ直ぐな目が忘れられない。あの中国人社長とは明らかに違う哀しい悲しい目でした。
あんなに世界から観光が入って、ましてや日本人も多く、そのために色々と戦略を練る商魂あさましい中国人。憤りはもちろん申し訳ない気持ちになりました。
きっときっとバチがあたる。あの仏像や肖像画に対する扱いを見て、そしてなによりチベット人への弾圧虐殺はバチどころではないですよね。
みけ | 2007/10/10 11:11 AM
くっくりさん、いつも興味深い書き起こしありがとうございます。よく拝見していますが書込みは久しぶりです。この番組見ていないので、読めて良かったです。
テレビを見ていないのでここを読んだ範囲の私の妄想ですが、チベットの人たちのところにモノを買い付けに行った中国人オーナーなどの発言を読んで、彼らの言う「商売がわかる・できる」ことが進んでいて、それがまだ十分ではないチベットに住む人たちは遅れている、見てるこちらにそんな印象を与えているようにも感じました。
既にご存知かもしれませんがYOUTUBEでこんな映像を見ました。1年前の来日時のダライ・ラマ法王へのインタビュー映像。法王の半生、開通した青蔵鉄道のことなどにもちょっと触れてます。映像後半の方の、法王猊下の自嘲するような笑顔や発言がなんとなく切なくもあります。
1)http://jp.youtube.com/watch?v=0Yypcjqx624
2)http://jp.youtube.com/watch?v=hdp_NWlRF7E&NR=1
halo | 2007/10/10 12:04 PM
昨日の深夜見る機会がありました。
勝ってながらTBさせていただきました。
Tukasa-gumi | 2007/10/10 12:26 PM
昨日の深夜見る機会がありました。
勝ってながらTBさせていただきました。

また番組のテキスト起こし
本当にありがとうございます。

これからも寄らせていただきます。
Tukasa-gumi | 2007/10/10 12:28 PM
全然記事とは関係がないのですが
気になっていたので・・。

有田芳生氏のプログで
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/10/post_6e00.html
蓮池透さんの講演を聞きに行った
との記事があったのですが
圧力ではダメで融和路線に・・
と書いてありました。
安倍元総理と中山恭子氏の事も
書いてありました。

なんだかよくわからないです・・。
何を信じたらいいのか・・。

蓮池氏はなんか人が変わってしまったように
思うのは私だけでしょうか。
けけ | 2007/10/10 03:42 PM
NHKはたまに勇気あるドキュメンタリーを放送する事があります。
「新シルクロード」シリーズでウイグル族を取材した時もそうでした。取材に同行・協力した中国人スタッフや通訳もよく頑張ったと思ったものです。

チベット文化の破壊と完全なる漢化についてですが、それは難しいと思うのです。というのは、中国は現在「国家の分裂」を極度に恐れており、例えば東北地方だと、満州族やモンゴル族の文化に気を使って祭典を催したり、チベット族に関してもそうだと思います。
但し、「独立」等の具体的な動きに関しては当然容赦がありません。今後のチベットは、平和で豊かだけれども自立はできない…といった生殺し状況が延々と続く事になるかと思います。

ところで、チベット人は歌が上手ですね。
最近民族音楽も盛んです。
美人歌手のコンサートでの映像と、チベタンラップをどうぞ。

http://www.youtube.com/watch?v=nLaerozmnQE
http://www.youtube.com/watch?v=_WYjdskkpnc&mode=related&search=
通りすがり | 2007/10/10 07:05 PM
反日サヨク現る?

大体、テレビ番組の内容でチベット侵略の話をしているのに、教科書問題を書き込んでうんこの様な情報を垂れ流す関東学院大学教授。

過去の研究が正しいと思いこんで新事実をスルーすることに決め込んでいる。大学教授なら新事実ぐらい認めなさいって。

炎上を恐れてか、ホームページ形式でのアップみたい。メールがあるから、そのうちちゃねらー連中が行く可能性もあるなぁ。まず、将校達の発言内容を引用していないのはいかがか?当事者より当時子供だった目撃者の意見がちゅうしんちゃ、おかしいしね。

裁判では子供の証言は参考意見にしかならない事ぐらいしらんのかねぇ。

まあ、これくらいにしといてやろっか。林博史教授に対してはこれくらいにしといてやろっか。

スレッドが違うからな。

で、本題。
所詮詭弁でしかないNHKの放送。ドキュメント見れば見る程、我が国の歴史は暗い音楽、不安をかき立てる様な音楽、支那紹介は明るく、楽しい、何か希望がありそうな音楽。シルクロード然り、大黄河しかり。イメージ操作甚だしいっちゃありゃしない。

今回、見損なったが、兵士達の…はしっかり見せてもらったが、むかついたので、ブログでボロカス書かせてもらったよ。NHK終わったかな?
Dr.Kanzaki | 2007/10/10 08:58 PM
 中国は共産党が「宗教はアヘン」と言って宗教を抑えていました。その結果、仏像はコレクター向けの古びた人形であり、法事は珍妙なるアホみたいなショーに映るわけです。今回の番組は中国人にとっては「カネ」を儲けることが正義であり「カネ」が全てということが、改めてわかりました。チベット密教の仏具や経典もいい値段がつくとわかれば盗難されるでしょう。寺から動かせるものは仏像(ミイラに金粉を塗ったものまで)や手回しの大きな円筒形のガラガラまで台座からはずして持っていかれるかもしれません。アフガニスタンも貴重な仏像が多数流出したそうです。
 ラサ市の人口はチベット族15万に対し、今や漢民族は20万?すなわち20万人の「中国人社長の同類」に略奪まがいに収奪されているのですね。

 日本が同じようにならないように祈ります。(人民開放軍がいなくなるように行ったチベット僧侶たちの祈りは通じませんでした。)
普通の国民 | 2007/10/10 09:40 PM
くっくりさんこんばんはいつもお疲れ様です。
この番組少しだけ見ていました。最後の方の、「文字がわからなくても名前だけ書けばいいの」という女性の言い方にぞっとしました。ここでは大丈夫だったようですが、いつかこのチベット男性変な契約書や借用書にホイホイ騙されてサインしてしまうのではないでしょうか。
ある意味、チベット人自体が変わりたくって自ら変わるというなら外野が何を言ってもしょうがないのですが、こんな中共の労働者の権利なんて無視!というやり方で変わっていくのは大変残念です。労働者の味方たるべき共産党の独裁なのになんで労働者をこれっぽっちも守れないのでしょうか?まあ、抑止力や対抗勢力ってものがない独裁体制なんてそんなものでしょうけど
私もチベットは一度行ってみたいと思っていましたが、絶対に行きません。遠くの国への憧憬で我慢します
TOT | 2007/10/11 12:08 AM
NHKにしてはまとも?と思わせるところに落とし穴がありそうです。以前放送されたパール判事のNHKスペシャルでも、一見、パール判事の主張を取り上げているように見せかけて、パール判事によって他の判事も影響されたなどの経緯をレポートし、最終的には「だから東京裁判は正しかった」と締めくくっているに過ぎなかったと思います。
今回のも、一度失ったら取り返しのつかないチベット文化を、中共が経済の力を(以前は軍事力でしたが)用いて破壊していると読み取るべきでしょう。しかし、NHKの編集では単なる経済発展による時代の変遷程度に印象を緩めて、チベットの中国化を既成事実にしているに過ぎないでしょう。
にゃはにゃは | 2007/10/11 12:34 AM
くっくりさん、こんばんは。
ミャンマー(ビルマ)の方々にも見せてあげたい内容だったようですね。
LiX | 2007/10/11 12:52 AM
NHKは総合でも教育でも衛星波でも他国のプロパガンダ垂れ流しですね…。
ニュース、NHKスペシャル、視点論点、クローズアップ現代等、「公共放送」という言葉に疑問符が山ほどつく放送局です…。
かず | 2007/10/11 02:56 AM
林博史さん:
投稿規約はご覧いただいていますか。
http://kukkuri.jpn.org/blogkiyaku.html

>同じ方が違うHNを複数使い分けることも、特別の事情がなければご遠慮下さい(管理者モードで簡単にバレます)。同一人物なのに別人だと思って、個別にレスをつけられる方がお気の毒です。

今後はご配慮下さい。
くっくり | 2007/10/11 03:17 AM
 チベット関連では、くっくりさん・皆さんのご指摘通りなんですが、エントリー違い連投で申し訳ないけど、

けけさん投稿

有田芳生氏のプログで
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/10/post_6e00.html
蓮池透さんの講演を聞きに行った
との記事があったのですが
圧力ではダメで融和路線に・・
と書いてありました。


 北朝鮮制裁緩和なんていう馬鹿げた世論誘導勢力があるので、敢えて投稿します。

 蓮池兄氏は、横田さんの陰に隠れて目立たなかったけど、家族会分断工作にまんまと乗せられる・・早い話が軽率なお調子モンであるのは、前回のヤマタク関連騒動だったかで既成事実。

 身を慎むという事が出来ない思い上がりタイプだから仕方ないんだろうが、彼が家族会にいる限り前途は多難。
 自主退会して、大人しくするタイプでもないから、・・・まー、拉致被害者救出妨害者のレッテル貼って黙らせるしかないかも。・・・困った奴です。
福原 | 2007/10/11 05:06 AM
読んでいて悲しくなりました。
観光客というより文化そのものを
むしりとっているような印象。
「チベット」と名の付く
ものも中共が介在してると
思うと偽物としか思えません。
紀州梅 | 2007/10/11 07:48 PM
しょーもない思いつきですが、某お宝番組でそのうち出てきそうですね。
チベットの古民具や仏像。
いったいいくらの値が付くことやら。悪質な国内の古物荒らしがチベットに目をつけないよう祈るところです。
テキストを読んでいて、昔のGHQの話を思い出しました。
祖父から聞いた話ですが、彼らは、ある民家の仏壇に金メッキされた仏像や仏具が飾られているのを見て、純金と勘違いし、硬軟態度を織り交ぜて奪っていったそうです。
電灯すらない地域から徴兵されてきた兵士達の無知を笑うことも簡単でしょうが、無知であるが故に、その行為が文化の破壊・略奪であることにも気づかないところに哀れを感じます。
えう | 2007/10/16 02:56 PM
はじめまして。いつも拝見させていただいてます。この番組は、NHKにしてはよくやってるなと感心しながら見てました。
ダライ・ラマ14世のニュースをブログで記事にした際、この記事のリンクを貼らせていただきました。事後承諾ですが宜しくお願いします。
しんのすけ | 2007/10/19 11:28 AM
非常に良心的で、取材にも力が入った番組だったと思うよ。
なんか斜めに構えた意見を言っている人がいるが、もうちょっと素直に見てもいいんではないかと思う。
中国での取材の難しさは日本では想像もできないものがあるらしい。今週出た某週刊誌によれば、この番組も中国当局から担当者が呼び出され、厳しい圧力をかけられたようだ。
勘違いしてる人も覆いようだが、こういった個々の番組の方向性がどうなるかというのは、制作するプロデューサーの意思がほぼ全てであって、制作サイドが「これで行きたい」と主張し、番組として制作されることが決まれば、放送局側がその基本線に関与する余地なんてほとんどないものだ。
NHKにも時々「中国に迎合的だな」と思える番組があるが、それも結局は制作者の資質の問題にすぎない。上でも誰か書いていたが、こういう難しい番組を作り上げた制作者には、きちんとエールを送ってあげた方が、後々いい番組が出ることにつながっていくと思うよ。
rainbird | 2007/10/20 08:51 PM

Comment Form

Trackbacks

Nスペ「激流中国『チベット』」 | これ 見逃すな | 2007/10/09 08:11 AM
NHKにしては まとも?ぼやきくっくりNスペ「激流中国『チベット』」全編テキストに起こしてみました。画像なしでわかりにくいですが、見逃した方、よろしかったら参考になさって下さい・・・・番組全体の感想ですが、NHKのことですから中国共産党の立場で描かれるかと思いきや、  純朴なチベット人の出稼ぎ若者...
独メルケル首相、ベルリン首相官邸でダライ・ラマと会見す | 中南海ノ黄昏 | 2007/10/10 12:06 AM
今更ですが、ドイツ首相メルケルがダライ・ラマとベルリンの首相官邸で面会した件につ