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「アンカー」南北首脳会談と6カ国協議と福田別働隊

■10/3放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”

裏で何が動いた?南北首脳会談の真相を青山がズバリ

071003-06amaigoui.jpeg アメリカが北朝鮮戦略の大転換?
 拉致問題で福田別働隊も戦略を転換?

 直前のニュースコーナーで南北首脳会談が取り上げられましたので、そこから起こします。

 細かい相づちはカット、言葉尻など曖昧な箇所もありますが、それ以外はほぼ完璧です。
 画像は“元祖たか”さんがUPして下さった映像(最後のリンク集参照)から、キャプチャさせていただきました。
 各画像をクリックすると、新規画面で拡大します。


 内容紹介ここから____________________________
 
山本浩之(キャスター)
「韓国と北朝鮮の南北首脳会談が今日、始まりました。この中で金正日総書記は何を語ったのでしょうか」

村西利恵(女子アナ)
「昨日は比較的無表情だった金総書記は、盧武鉉大統領からプレゼントのDVDを渡されると笑顔を見せました。一方で話し合いは予定通り進んではおらず、金総書記が会談の1日延長を韓国側に提案した模様です」

 …………………………VTR開始…………………………
 
金総書記
「今回は陸路で来てくれてうれしかった」

盧大統領
「きのう平壌市民が歓迎してくれ、感謝しています」

 今日平壌で始まった南北首脳会談。7年振りに両国の首脳が一つのテーブルにつきました。
 
071003-01kimnomu.jpeg 今日、出迎えの時から無表情だと指摘されていた金総書記ですが、笑みを浮かべる瞬間も。それは――。

 盧武鉉大統領からお土産として、ドラマ「冬のソナタ」のDVDや茶器とお茶のセットを受け取った瞬間でした。

金総書記
「貴重なものを下さってありがとう、ありがとう」

071003-02kim.jpeg 会談の中心となったのは、朝鮮半島の平和と大規模経済援助。
 
 当初は今日のうちに共同文書を採択する予定でしたが、先ほど韓国メディアが、金正日総書記が会談を1日延長することを申し出たと報じました。

 今回姿を現した金総書記にはある懸念が――。
 
【東亜日報】ぐんと増えたシワ、傾いた姿勢、どこか病気でも?
【朝鮮日報】変わった歩き方……、糖尿病か?

 など、韓国各紙が一斉に取り上げたのは、金総書記の健康不安説。

 昨日の晩餐会でも――。

071003-03nomu.jpeg盧大統領
「金総書記が健康で長生きされますように」

 盧武鉉大統領は突然予定になかった挨拶に立ち、金総書記の健康状態に言及しました。

 体力の衰えが指摘される中、核や拉致問題解決への道筋は依然見えないままです。

 …………………………VTR終了…………………………

山本浩之
「はい。7年ぶりの開催となったわけですけれども、久しぶりに金正日総書記の映像を見て、室井さんはいかがでした?」

室井佑月
「あの、一部、噂で死にそうだって、病気が重くてっていうのが流れてたけど、しぼんだ感じはするけど、そんな何か死にそうな感じには見えなかったよね。……本物?」

青山繁晴
「本物だと思われます」

山本浩之
「本物だと思われます、というのは、ああいう席では本物が出てきて、別の所では偽物が出てくるっていう?」

青山繁晴
「バルコニーの上とか、そういう遠景でしか出てこない時にはダミーが出てきたことはあるだろうと言われてます。だから今日は室井さんの言うね、死ぬほどの病じゃない、あるいは一部にあったアルツハイマー説っていうのは確かに打ち消しているけれども、ま、そういう説というのはもともと、たとえば日本の公安当局も米英の諜報機関も、もともと信じてなかったですよ。だからそうじゃなくて、やっぱりかなりこうはっきりした下り坂を金正日さんの健康が落ちていってるなというのはこれ、むしろ雄弁に語ってますね」

山本浩之
「そうですね。やっぱり7年前の時と全く違いますね」

青山繁晴
「全く違いますね。で、もうむしろね、髪の毛を無理に染めたりしないで、ある程度、健康が万全じゃないってことをむしろ見せてると思いますね。だからこれ、社会主義特有のやり方ですけども、独裁者、たまにしか出てこないでしょ。たまに出てくるとたくさんメッセージ抱えてるんですよ。だから実は後継者選びに入ってるってことを、むしろ出してますよね。で、あの、日本で有名な金正男さんがね、金正男さんが今までいた海外から平壌に帰ったということに関連してね、むしろメッセージですね」

山本浩之
「金正男さんが北朝鮮の方に呼び戻されたというのは、これ、もう確かなんですか」

青山繁晴
「確かです。ずっと平壌だけにいるかどうかは確認とれてませんけどね。つまり北京との往来とかいろいろあるとは思われますけども、ただ、活動の本拠が北朝鮮に戻ったということはほぼ確かと見ていいでしょうね」

山本浩之
「それでま、この、南北首脳会談の中身なんですけど、ま、今日、1日延長申し入れたって話も入ってますけどもね」

青山繁晴
「1日延長ね。正直僕にとってもサプライズで、事前に予想した情報機関もたぶんなかったと思いますけども、僕の知る限りでは。だからこれはあくまでも推測ですが、おそらく演出ですよ。中身で何かこうこってりしたものが出てきたから、さあ延長して頑張りましょうというのでなくて、韓国のことをちゃんと考えてますよという演出だと思います。これね、今回のね、南北首脳会談の最大の特徴はね、今、そのヤマヒロさんが言った7年前というのは、韓国の金大中大統領、当時のね、が、むしろ北朝鮮を利用したんですよ。つまり裏金まで渡してね、首脳会談実現してノーベル平和賞とったでしょ。今回逆さまでね、北朝鮮が韓国を明らかに利用してますよね。つまり韓国を見てるんじゃなくてアメリカを見てる。アメリカと今だんだん交渉うまくいってる。それをいわば担保するために、韓国を引き入れたいっていうのが目的だから」

山本浩之
「そうすると今やってる、今日やった南北首脳会談というのは、北朝鮮のペース、主導で行われているというふうに考えていいんでしょうか」

青山繁晴
「もう今回は日程の決め方からそうじゃないですか。いったん決めといて北朝鮮の水害を理由にして延期したけど、ほんとは6カ国協議とかませるのが目的だったでしょ。もう引きずり回されてますよね」

山本浩之
「なるほど。さあその6カ国協議という言葉が今出ましたが、今日の青山さんの“ニュースDEズバリ”に行きたいと思います。この、引き続き北朝鮮関連の話題というふうに聞いております」

青山繁晴
「はい。で、あの、まさしく今、6カ国協議の話をした通りですね、実はこの、今僕らの目の前に見えてる南北首脳会談というのは、6カ国協議と実はセットになってて、で、南北首脳会談も6カ国協議の進展も、日本の報道ではですね、基本的には北朝鮮の核をなくすという方向で、いろいろま、文句は書いてあるけど、そういう方向だってことになってるじゃないですか。違います。ほんとはこれです」

<キーワード>
 ミニ核保有国の誕生

青山繁晴
「北朝鮮の核をなくすんじゃなくて、小さいけれども核を持ってる、そういう核の国にしてしまうというのが、実は南北首脳会談も6カ国協議も同じ方向です」

山本浩之
「ついにそういうところまで来たんですが……、お知らせの後、青山さんの解説です」

(いったんCM)

 …………………………VTR開始…………………………

071003-04rokkakoku.jpeg 先月30日に暫定合意に至ったものの、本国での承認を得るため異例の休会となっていた6カ国協議。

 昨日、日米両国はそれぞれ承認する方針を決めた。

ヒル国務次官補(昨日10/2)
「ライス国務長官とブッシュ大統領に文書案を報告した。そして中国にアメリカが内容を承認したと伝えた」

071003-05koumura.jpeg高村正彦外相
「必ずしも満足すべきという結果ではなかったというふうに思っております。それは完全な申告というのが完全でない完全な申告……」

 日米の反応は対照的だったが、間もなく発表されると見られる共同文書には、寧辺(ヨンビョン)の核施設3カ所を年内に無能力化するという内容が盛り込まれたものの、2月に合意されたすべての核計画の完全な申告にはほど遠いものになっている。

 果たしてこれで朝鮮半島の非核化に向けた次のステップになりうるのか?

 アメリカと北朝鮮の思惑、そして早くも妥協を迫られた福田政権の選択。
 この後ズバリ解説します。

 …………………………VTR終了…………………………

山本浩之
「はい、まあ、この北朝鮮は青山さんによれば、核の廃棄どころか核保有国に向かっているんだというお話なんですけども、先週に引き続き青山さんはイスに座ったままの解説になります。骨折によるためなんですけども、いかがですか、足の具合の方は」

青山繁晴
「あの、ドクターによると全治3カ月なんで、まだ1週間しか経ってないから、当分この情けない姿で皆さんにお目にかかることになりますが、ちょっとそれは許して下さい」

山本浩之
「いえいえ。あの、その中での解説なんですが、間もなく6カ国協議における合意文書、これも採択されるというふうに聞いているんですけども」

071003-06amaigoui.jpeg青山繁晴
「はい。まずね、ここ(パネル)に北朝鮮に甘すぎる合意が出そうだと。ヤマヒロさんの言われたことを言うとね、これを今日は表に出てる話からね、まずいっしょに考えたいと思うんです。これはいわばこのコーナーの一つの目的は、新聞とかテレビのニュースの見方にもつながることですからね。まず表を見る。表を見る時に、やっぱり一つ振り返ることが必要です」

村西利恵(進行役)
「今年2月13日に合意された、北朝鮮の核放棄に向けたプロセスからおさらいしてみましょう。こちらをご覧下さい」

071003-07process.jpeg村西利恵
「2月13日に合意していたのは、初期段階の措置として寧辺の核施設を稼働停止、封印してIAEAの監視を受け入れるということでした。で、それがもしちゃんと終われば、次の段階の措置として、全ての核計画の完全な申告と全ての核施設の無能力化とされていたわけですね」

青山繁晴
「はい。今から8カ月ぐらい前のこの合意についてね、僕はこの番組で、こんな合意はだめですっていうことを言いました。で、それはどうしてかというと、ここに書いてある寧辺の核施設というのはもう古くて使わなくなったものだから、そんなもの今さら停止にしたって意味がない。意味のない停止をIAEAが監視したってもっと意味がない、ということを言ったわけですね。だから僕はこの合意をおかしいと言ったら、たとえば日本の外務省の中で比較的北朝鮮に近い人は、『いやいや青山さん、次があるじゃないの次が。あんまりそう決めつけないでよ』ってことを、ずいぶん僕は言われたわけですよ。それでさっきヤマヒロさんが言われた、間もなく合意しそうな6カ国協議の新たな合意、10月の合意っていうのはつまり、この部分(全ての核計画の完全な申告と全ての核施設の無能力化)の話ですよね」

村西利恵
「この部分の手順などが完全に決まっていなかったので、具体的に話し合いましょうという話し合いが行われていたわけですよね。で、『全ての』と書いてあるんですけども、合意されそうな見込みの内容ですけど、ちょっと見ていただきましょうか。こうなっているんですよ」

071003-08tuginosoti.jpeg村西利恵
「年内に寧辺の3つの核施設を無能力化。『全ての』って書いたのに『3つの』になってるんですけども。これ『全て』じゃない……」

青山繁晴
「だから村西さんも言われた通りで、こんなの子供でもわかる話でね。あれ?寧辺っていうのは初期段階でもう終わった話だろう?と。今はとにかく止めて、IAEA、国際原子力機関が監視してる状態ですね。それをさらに無能力化すると言ってるわけですよ。全ての核施設っていうのはね、核関連っていうのはどこに行ったんですか?と。それ、ボーンとなくして、いきなりこのテロ支援国家の指定も解除しましょうと。『履行状況に応じ』って書いてあるけども、要はこれ(寧辺の無能力化)をやれば(テロ国家指定解除を)やりましょうってことになってるわけでしょ。だからこんな無茶な話はないっていうのは、どなたも新聞やテレビで感じると思うんですが、その庶民感覚は実は正しいわけです。で、今は裏で解説するっていうのは、なぜそれが起きるかっていうのは解説しますが、まず表のおかしいなという感覚はやっぱり皆さん、大事にしていただきたいんです。で、ちょっと付け加えておきますとね、そもそもこの無能力化って何なのか。僕は原子力とか核の世界にま、専門家のはしくれとして関わってきましたが、こんな言葉、今まで聞いたことないわけですよ。これ、あのまあ普通は廃棄って言うわけです、止めちゃう場合は。それはディスマントルって言うわけですね、普通の専門用語でいうと。で、これはディスエイブルネスとか、そういう言い方してるわけですけど、そんな言葉、今まで聞いたことないわけですよ。だから本来はチェルノブイリの原発をコンクリートに埋めたようにすることを廃棄って言うんであって、それはどうせやるつもりはなかったから、たとえば部品を1個抜くとか、あるいは化学物質を1個混ぜるとか、つまり当分は使えないけれども、やがて使ってもかまわないよっていう話にすぎなかったわけです」

村西利恵
「使いたい時にはまた使えるようには置いておくという……」

青山繁晴
「そういうことですね。ヒルさんはそのへん、ある意味それを正直に言っちゃってて、最初はまあたとえば、10年ぐらい使えなかったらいいんじゃないですかと言ってたのが、最近は、こないだ6カ国協議の中ではね、いや、1年ぐらい使えなきゃいいんじゃないかと言ってるわけですよ。これ皆さん、もうこれでわかるじゃないですか。1年間北朝鮮が核開発やめたって、その先はできるってことになっちゃいますからね。で、このテロ国家の指定を外すことについて、ここでまあ食い違いが今、出てるわけですね。それは興味ある方はご存知だと思います。つまり日本とかアメリカとかヒルさんに至るまでね、これ年内にやるというのは別に今の合意の、これまだ案なんですけども、中には入れてないよということを言ってるわけですけども、北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)さんはもう入れてあると言ってるわけでしょ。それ食い違ってることになってるけど、僕はほんとは食い違ってないと思います。というのは、北朝鮮の金桂冠さんは本音を言ってるのは、こんなの(寧辺の無能力化)簡単だからですよ。こんなのいつだってできる。もうすぐでもできちゃうから。まだ10月ではすぐできちゃうんだから、履行状況に応じてテロ支援国家を外してくれるというなら、年内、間に合うはずだってことを金桂冠さんは言ってるにすぎないわけです」

山本浩之
「それは僕ですらそういうふうに思うんです。で、毎週このコーナーを見てる、テレビを見てる、毎週見てる人はもうみんなそう思ってると思います」

青山繁晴
「はい、その通り。で、ここから先がいわば肝心なところでね。要はこれもアメリカが態度が変わったからでしょ。で、今までアメリカの態度が変わったことについて、僕はこの番組でも主に、ブッシュ大統領が任期中の成果を何とかあげたいと言ってきました。それも正しいんですが、それに加えて最近、特に国務省との僕なりのやりとりの中で非常にはっきりしてきたことがあります。すなわちアメリカはもっと根本的な戦略転換をしつつある。それがこれです」

071003-09sinbei.jpeg村西利恵
核保有国のまま北朝鮮を親米国家にしてしまう……」

一同
「はぁーー」

青山繁晴
「はい。これね、まず核保有国のままっていうことね、これびっくりされるでしょうが、実は今までの話でもびっくりしなくていいんですよ。わかるはずなんです。というのは、今まで出てきた合意の中に、どこにも去年10月にやった核実験の話はないじゃないですか。去年の10月にいちおう核実験、規模は小さかったけどやったんだから、核兵器をもうこの北朝鮮は持ってるんですよ。それを何ら問題にしないってことはもうすでに、さっき言ったミニ核保有国、そういう意味です。あの去年の10月の核実験って、はっきり言うとまあ大したことない核実験ですよ。たとえばアメリカが持ってる核兵器に比べたらね、小指の先にもならないもんだけども、だけどたとえば東京や大阪に落ちたらどれぐらいの人が死ぬか、想像を絶する。もちろん何万、何十万の世界ですよ。ミニだけど核保有国になるってことは、実はこの6カ国協議やその流れでわかるじゃないですか」

山本浩之
「だけど改めてそれを見ると、やっぱりアメリカはそういう戦略なのかって思ってしまいますと、ショッキングですね」

青山繁晴
「ショッキングなんですが、これを現実として見なきゃいけないのは、アジアでいよいよ冷戦が終わるってことなんですよ。というのは、ずっと冷戦時代は共産中国と共産北朝鮮が仲間で、この、韓国と日本とそしてアメリカが仲間で、仲間同士が必ず固まってるっていうのが冷戦時代の話だったわけでしょ。それがヨーロッパではもう18年前に冷戦が終わってんのに、アジアではずっとそれ固定されてきたんだけど、とうとう終わるんですよ。アジアで冷戦が終わる最先端が北朝鮮とアメリカの接近であって、この地図を見ていただくと皆さんよくわかりますね。今まで中国はここ(北朝鮮)にいわば緩衝地帯があったわけですね。属国があったわけですよ。で、韓国、日本、アメリカだったわけでしょ。ところが韓国も日本もいいから、ここ(北朝鮮)にもしアメリカが入ってくれば、中国としては柔らかい喉元にいわばナイフを突きつけられるも同じで、しかも核を持ってるわけだから。小さくてもですね。そうすると今までの仲間同士のどうのこうのというのはガラガラポンになるという話なんです。その現実を見なきゃいけない。だからアメリカがどうしてあんなひどい合意まで含めて、さっきのVTRにもあった通り、ブッシュ大統領までおそらくは認めてしまったかというと、戦略がもう切り替わってしまったからなんですよ。そうするとね、皆さんにこのこともお話ししなきゃいけないのは、先週にこの放送でね、いや、違う問題が出ましたと。北朝鮮がシリアやイランに、捨てるはずの核関連の物を売ろうとして、イスラエルがそれを爆撃して新たな事態になってますと言いましたね。あれは6カ国協議が始まる直前でしたね。さあ始まってみてどうだったかというと、これは実はこんなことなんです」

071003-10shakumei.jpeg村西利恵
「朝鮮工業開発貿易、民間企業がミサイル関連物資をシリア経由でイランへ持ち込もうとした……という言い訳をしたということなんです」

山本浩之
「先週、青山さんおっしゃって、それからいろいろと新聞とか見てたんですが、あまり載ってないんです」

青山繁晴
「あまりじゃなくて全然載ってないんですが、それでこれ、まずね、6カ国協議でやったんじゃなくて、6カ国協議が開かれる前にニューヨークで、アメリカと北朝鮮が秘密交渉を行いました。これもうあえて断言しますけど新聞には出てません、一切。ニューヨークって、前から北朝鮮も国連加盟してるから、国連本部のあるニューヨークでアメリカと北朝鮮がずっと秘密折衝、今までもやってきたんですが、この件もやって、その時に北朝鮮側がアメリカに説明した中身が、『いや、確かに核じゃない、核じゃない、でも確かにミサイル関連物質をシリア経由でイランに持ち込もうとしたんだよ。だから大統領にとっては怒るよね。ごめんね。だけどそれは金正日さんや政府には関係ない。あくまで民間企業のやったことで、これはけしからんと考えてます』と言ったわけですよ」

山本浩之
「そんな!子供の説明じゃないですか(笑)」

村西利恵
「まさかそんな言い訳、通じないでしょ?」

青山繁晴
「でもね、この言い訳ってね、まさか通じないって今、その村西さんも言ったけど、実は僕たちはこれ、どこかで聞いた話でしょ。というのは、2002年9月17日に小泉さんが訪朝した時に、金正日さんが『そうです、拉致は確かにありましたよ。でも自分は関係ありません。とんでもないはね上がりがやっただけで、もう処罰したんだ』って言ったじゃないですか。全く同じ手口なんですよ。それでアメリカが、少なくとも国務省が今どうしたかというと、この朝鮮工業開発貿易って会社、民間と書いてあるけど、北朝鮮に民間なんかほんとはありません。しかしこの会社に制裁を科しました。その制裁は何かというと、この企業はアメリカと取引できないっていうだけの話なんです」(一同あぜん)

山本浩之
「こんな小さな話になってしまってる……」

青山繁晴
「みんな今ため息つきましたが、そのためいきは健全な感覚です。そして6カ国協議でもいちおうこの説明をしてるわけです。しかし皆さん、もう一回考えて下さい。なぜこんな馬鹿馬鹿しい嘘の説明をアメリカが信じるふりをするのかというとですね、それはさっき言った通り核を持ってる、むしろ持ってる北朝鮮を仲間に引き入れて、これから20年後、30年後、40年後のアジアで中国にナイフを突きつけるという大目的があるからです。さて、その上でね、さあ日本はどうするのかっていうことになりますね。日本はさっき高村さんが出てきて、この合意はおかしな点があるってことで言ってましたね。言ってたけど、おそらく基本的にはせっかく中国が合意案作ったから受け入れることになります。なりますが、それと同時に日本がやっぱり忘れられないのは、拉致の問題は当然あるわけですね。で、その拉致の問題について、今日はこのキーワードを皆さんにお示ししたいと思います」

<キーワード>
 福田別働隊が戦略を変える

村西利恵
「『福田別働隊が戦略を変える』ということで、ま、拉致問題で、そう言えば福田総理は総裁選で、私の手で解決すると話していましたけれども、そのあたり、CMの後詳しく解説していただきます」

(いったんCM)

山本浩之
「さあアメリカや北朝鮮の思惑が拉致問題にどう関わってくるのか。続きをお願いします」

071003-11rati.jpeg青山繁晴
「はい。この番組でですね、今年の1月に山崎拓さんという人が北朝鮮に行って、そこで何やら秘密交渉をやりましたという話は何度も言いましたね。それからこの内閣でヤマタクさん、閣僚になれないのはいろいろスキャンダルがあるからってこともあるけど、党の幹部にもならなかったのは自由に動くからだということを言いましたね。それで僕はヤマタクさんの動きを批判する時にね、1人とか2人とかを返すだけで、つまり今まで帰ってきた5人の方にいわば1人2人を、嫌な言葉ですけど上乗せするだけでね、たとえば北朝鮮の援助を開始すると。そういう動きは絶対許されないし、国民が許さないってことを何度も言ってきたわけですよ。ところがですね、これは僕はヤマタクさん1人とは言いません。1人じゃなくてヤマタクさんの考え方を支持する自由民主党内部の人たち、これは特に自民党です、民主党じゃなくて。自民党の内部でですね、新たな話が出てます。それは僕に電話も、それから直接の話もありました。それは何かというとですね、『青山さん、1人2人じゃないよ。あんたそればっかり言ってるけど違うよ、もう。我々が目指してるのは17人だよ。17人全員の解決なんだよ』。これ17人ってわかる人はすぐわかると思いますが、政府が認定できた、ようやくできた拉致被害者の方々の総数であって、もう5人の方帰ってますから、残りで言うと12人の方々、これをね、だけど返すとは言わないんですよ。『12人の方の解決で我々はちゃんと事を仕上げようとしてるんだ』と」

村西利恵
「え、どういうことですか?」

青山繁晴
「これはつまり、たとえば横田めぐみちゃんをね、今まで死んだことにしてきて、ニセの遺骨も出してきたわけでしょ。それが突然生き返りました、出せないっていう含みが僕はあるんだろうと思います。それ、いくら聞いても相手は言いませんけどね。『解決は解決なんだ』と言うだけです。で、これ実はですね、もう辞めてしまった安倍さんですけど、ある意味、辞めてしまったから安倍さんがほんとに言ってたこと言うとね、これ、もしも安倍政権の時もそういう話になったら、生きてる人も殺害される恐れがあるんじゃないか、ひょっとしたら腕の1本だけ返すってことまであるんじゃないかってことを、安倍晋三さんらしくね、心配してました。そこまで今、自民党内部やろうとしてるって、まさか言いませんよ。しかしいずれにしろ、12人の方が仮に解決ということになってもですね、実際の拉致被害者が17人だけで終わってると思う人は、実はこの国にいないわけですよ。特に支援者団体の方々は100人を超えてるとおっしゃってるし、それから日本の公安当局、北朝鮮を世界でほんとは一番よく知ってる公安当局は少なくとも20人半ば以上、少なくともですよ、逆に言うと、何とか頑張って認定して20何人だということは、17人で止めるってことは少なくとも10人前後の方は、最小限でも10人前後の方は見捨てられるわけだし、もし救援団体の言ってることが正しいとすると80人以上の方が、80人、90人の方が見捨てられるってことになるわけですね。だからこの17人全員を、全員を解決すると言ったら、これはしかし大きな誘惑でね、今までの1人2人と違って、実はなかなかすごい誘惑なんですよ。たとえばアメリカは、それだったら解決じゃないと僕に言う人がいるわけです、政府関係者の中に。というのは、100人とかそんな話、アメリカの人も知らないから、当然日本政府が認定してるその話で終わりだろうとみんな思ってるから、これは大変なことです。但し、公平を期すために言っときますと、福田総理がこれをもう受け入れてそれで行きましょうと指示した事実は、僕が知る限りはありません。あくまでもさっきここ(キーワード)に書いた通り、福田さんの別働隊の動きが、ちょうどアメリカが北朝鮮に対する戦略を根幹から変えたように、この別働隊は戦略を根幹から変えつつあるということを、僕ら国民は早めに知る必要があります。そしてもう時間がありませんけど、最後に皆さんにお話ししたいのはですね、じゃあ日本はもう絶望なのかと。最後の1人まで取り返したいと言って、普通の神経を持った、普通の心を持った日本国民にとっては絶望かというと、そうではありません。そうじゃなくて、さっき南北首脳会談の時にもお話ししましたけど、たとえば金正日さんは、これは米英日のそれぞれの当局が何となく今回感じたのは、やっぱりもって5年かなと。この金正日の独裁政権は。あの感じからするとですね。それが一つと、もう一つはさっき言った通り、ナイフを突きつけられた中国がいつまでも黙ってることはありえないんです。今まで何度も言いましたけども、今は北京オリンピックと上海万博を絶対やらなきゃいけないからずっと死んだふりしてる胡錦濤体制が、やがてこの件について戦略を動かそうとする、その時に日本はさっき言った冷戦が終わりつつあるということをよく胸に叩き込んで、その時だけ中国を利用し、いい時だけアメリカを使うという、使われる日本から使う日本に変わると必ず最後の1人まで僕は取り返せると、福田政権であってもその可能性はあると僕は思っています」

山本浩之
「福田総理はまだその決断をしていないということならば、私たちはその、福田総理の決断までに、そんな動きで呑んじゃだめなんだという意見を強く言わないことには……」

青山繁晴
「ああ、その通り、その通り」

山本浩之
「そういう外交もできないということになりますよね」

青山繁晴
「その通り。だから国民の声だけなんです。福田さんはその、結局国民の声を聞いて判断しようとすることは間違いないと思います。福田さんは調整型だしね。但し政府認定してる人が全部解決するならいいんじゃないかって声は、絶対出てきますよ

山本浩之
「確かにそうですね。室井さん、どうですか今の話」

室井佑月
「やっぱり北朝鮮が親米国家になったら困っちゃうから、中国の嫌がらせを期待しますね(一同笑)。嫌じゃない?中国まで北朝鮮に擦り寄ることになっちゃったらどうなるんだろうって、思っちゃう」

青山繁晴
「うん、それはいい質問だけども、中国がそうなるように日本が本来、外交でこれから仕向けなきゃならない。中国がそうなるのを待つだけじゃだめです。逆に言うとね、上海万博は2010年でしょ。まだ今2007年ですから3年、4年の、いわば日本にとっても時間があるわけじゃないですか。その間に中国に対して仕掛けていくんですよ。それが日本外交を根っこから変えることにもなる」

山本浩之
「ほんとに福田政権、船出したばかりですけど、その、気分とか感情とか、そういうことだけじゃなくて、福田さん、やっぱり冷静な方だと思うので、そのへんは世論の意を受けてですね、あの、期待したいですね、やっぱりこの問題については」

室井佑月
「あの、『私の手で解決』と言った時に、ちょっと嫌な感じはした……」

山本浩之
「だけど本人はやっぱりそれは覚悟はあるんじゃないですか。それはやっぱり期待したいと思いますが。どうもありがとうございました。“ニュースDEズバリ”でした」

 ____________________________内容紹介ここまで


 金正日が提案した会談の延長ですが、結局、盧武鉉大統領は当初の予定通り、明日(10/4)ソウルに帰るそうです。遠慮せんと、そのままずっと北朝鮮におったらええのに(^_^;

 6カ国協議が茶番劇にすぎないってことは前からわかってたことなんですから、素人でも見抜いてることなんですから、日本はもういいかげん離脱したらどうなんでしょう。行き先が違うバスに乗っててもしょうがないでしょ。
 今回の合意にしたって(読売10/4)、「へー、日本はこんな甘い合意でOKなのか」って舐められるだけでしょ。
 きっと青山さんの言うように、“せっかく中国が合意案を作ったんだから”ってことで日本は妥協したんでしょうが、聖徳太子17条憲法の「和をもって貴しとなす」精神をこんなとこで発揮せんでもええっちゅーねん(T^T)


※参考リンク
 ON THE ROAD : Aoyama 's Daily Essay(青山繁晴さんのブログ)

※映像ご提供
 国風(“元祖たか”さんのサイト)
 いつもお世話になっています。UPありがとうございます。

※拙ブログ関連エントリー/「アンカー」起こし
 いっぱいになってきたので、別ページに一覧を作りました。
 こちらからどうぞ。


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Comments

アンカーの起こし、ありがとうございます。
しかし・・・
> その時だけ中国を利用し、いい時だけアメリカを使うという、使われる日本から使う日本に変わると必ず最後の1人まで僕は取り返せると、福田政権であってもその可能性はあると僕は思っています

こんなことができるなら、アメリカの慰安婦決議も阻止できたはずですし、特アからタカられることもなかったはず。
そしてもっと言えば、とっくに拉致された方を取り戻せていたはずだと思います。
青山さんはこう仰いますが、まず福田政権では無理でしょう。

沖縄の教科書問題等々、福田氏になってからニュースをみると憂鬱になります。
安倍さん、本当に辞めないでいただきたかったです。
ゆきたん | 2007/10/04 09:27 AM
親米の北朝鮮・・・ねぇ。

なら、北朝鮮に積極支援を行い、
介入して日本の圏内に取り込んで、拉致被害者が自由に日本に移動できるようにする。
と一瞬でも考えた、私は結構左よりらしい(w;

イラン・イラク戦争の時に、イラクのフセインを支持したと考えれば分かりやすいかな。
その結果・・・
もふっと | 2007/10/04 10:28 AM
他の方のブログの内容に言及するはいけないかもしれませんが、青山さんの言ってることはアカシックレコードの中朝戦争シナリオとほぼ同一の戦略をアメリカが取る、ということです。
アメリカは日本に「拉致なんぞとっと手打ちにして中朝戦争に協力しろ」といってくるでしょう。
sdi | 2007/10/04 10:35 AM
アカシックレコードの福田政権の組閣予想はまったく外れましたね。
すらり | 2007/10/04 05:27 PM
アメリカが北を親米国家にするという戦略は
ドライに外交を眺めれば、確かに悪い手ではありません。
けど、一日本人として絶対に許せないアメリカの裏切り(またか)ですよね。

朝鮮人は恩を受ければ受けるほど恨みに思う恩知らず民族です。
韓国が日米を憎むように、北朝鮮もまた中露に反感を持っているのは確実です。
さぞやアメリカにとって都合のいい手駒になることでしょう。
その代わりにとうとう日本からも支持を失いアメリカはますます没落していくのです。
3gou | 2007/10/04 06:12 PM
 くっくりさん、いつもアンカー起こしお疲れさまです。遅レス申し訳ありません。(勢いで書いた文章なので、論文調の堅い文章になってしまいました。スミマセン)

 現時点で戦略転換したかどうかは置くとしても、アメリカが「北朝鮮を親米国家に」という戦略をとったとしても一驚に値しない。
 ブッシュ共和党政権は、当初は価値観外交を展開していたが、現在は現実主義外交に転換していることは周知の通りである。要は、アメリカの国益にとってどうするべきかという観点から、外交戦略を構築するということであり、この点は主権国家なら自然なことであろう。戦略転換の功罪両面を鑑みて、アメリカの国益に適うのなら、それが実行されても不思議ではない。

 問題は、我々日本がどうするか、である。安倍前首相であれば、細かい点で不安や不満を抱くことはあっても、大ハズレしない安心感があった。しかし、内政・外交両面にわたって「保守の防波堤」となってくれていた安倍前首相を守りきれず、あまつさえ保守でありながら安倍政権の足を引っ張った連中を含め、今後保守派は揺り戻しに抗する覚悟が必要となる。昨今の沖縄“集団自決”の問題はその一例であろう。

 今後、福田政権を厳しく監視するとともに、拉致問題を棚上げしないようプレッシャーをかけつづける必要がある。
 阿比留瑠比氏のブログの最新エントリー「安倍前首相の遺産・政府の拉致対応について」では、安倍前首相の遺産について指摘されている。
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/327240/

 安倍前首相の遺産については大いに共感できる。しかし、日本国民が「拉致問題より年金」という選択を今後もつづけるのなら、拉致被害者は容易に見殺しにされるだろう。
 政府にとって拉致問題解決の原動力(あるいは強制力)となるのも、福田首相が拉致被害者を見放す契機を与えるのも、この国の主人公である我々国民であることは不変である。
独立自尊 | 2007/10/05 08:00 PM

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