「アンカー」妄想が生んだ中国の南シナ海“進出”と『美味しんぼ』問題
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※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■5/14放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
今週は、コーナー前のニュース解説の部分から起こしています。
前半のキーワードは『妄想VS現実』。
後半のキーワードは『安倍首相にも責任あり』。
前半は、南シナ海のパラセル(西沙)諸島で中国とベトナム当局の船が衝突をくり返している問題。
中国がここまで無茶をする理由とは?
後半は、『美味しんぼ』問題。
福島とチェルノブイリをごっちゃにするような漫画が出てしまった背景(日本政府の対応)を見ると、安倍総理にも責任があると青山さんは指摘します。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
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■5/14放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
緊張続く南シナ海情勢…中国の挑発に日本のとるべき行動は?青山繁晴解説
今週は、コーナー前のニュース解説の部分から起こしています。
前半のキーワードは『妄想VS現実』。
後半のキーワードは『安倍首相にも責任あり』。
前半は、南シナ海のパラセル(西沙)諸島で中国とベトナム当局の船が衝突をくり返している問題。
中国がここまで無茶をする理由とは?
後半は、『美味しんぼ』問題。
福島とチェルノブイリをごっちゃにするような漫画が出てしまった背景(日本政府の対応)を見ると、安倍総理にも責任があると青山さんは指摘します。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
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※南シナ海のベトナムvs中国についてのストレートニュースのあと
岡安譲
「ま、テレビをご覧の皆さんもですね、これは、遠く離れた南シナ海の話だけじゃなくて、やがて私たちの日本の周りでも起こりうる事態だと、不安に思ってらっしゃる方も多いと思いますが、青山さん、中国やっぱりやりたい放題ですね、最近、さらに」
青山繁晴
「うん、あの、先ほどね、えー、中国の武装した船が、ベトナムの船にぶつけてくる映像」
岡安譲
「はい、ありました」
青山繁晴
「ご覧いただきましたよね」
岡安譲
「はい、これですね」
青山繁晴
「はい。で、これに関して、実はベトナムにいま住んでる日本の方から、僕のブログに書き込みをいただきましてね。つまりこれを見て、違うショックを受けたと。つまり、いま岡安キャスターがおっしゃった、東シナ海で、中国の、あの時はまあいちおう漁船でしたけれども、日本の海上保安庁の船にぶつけてきた時に、日本はその映像を隠しましたよね」
岡安譲
「そうでした」
青山繁晴
「当時、民主党政権ですけど。それが勇気ある海上保安官の行動によって、初めて僕らは見ることができた。でもベトナム政府は、瞬時にこれを公開したと(一同同意)。で、その方がずっと世界の基準であって、日本が中国に襲われながら、それを、自ら政府が隠そうとしたっていうのはね、改めて思い浮かべたっていう書き込みいただいて」
岡安譲
「なるほど」
青山繁晴
「ま、世界に散らばってる日本の方々も本当に物事を公平に正確にご覧になってるなと、感じたんですね。で、その上で、実はこの、ベトナム政府が公開した映像を、日本の海上保安庁、海上自衛隊、それから日本の警察、それから情報当局、みんな一生懸命いま分析してるんですよ。つまり、やがて東シナ海でですね、その尖閣諸島をめぐって、日本に仕掛けてくるための、今回テストとしても中国はやってるんであろうと」
岡安譲
「テストですかあれは」
青山繁晴
「はい。で、ぶつけ方も、あの、前に尖閣諸島で、起きた時と、その時は、もう一回言います、中国の漁船だったのに、今回、中国の海警っていって、中国の海上保安庁にあたる船なのに、手口同じなんですよね」
岡安譲
「それ手口が同じって何が言えるんですか」
青山繁晴
「いや、訓練されたものですよね。だからあの時も、酔っ払った船長が勝手にぶつけてきたっていうんじゃなくて、実は、まあ、これはその時の映像ですけれども、基本的にある程度の訓練をして、どういう角度でぶつけていって、つまり沈まない程度にダメージを与えて、中国の脅威を感じさせて怯えさせるかっていうことを、計画的にやってるってことが、この現在の、ベトナムとの間での、映像も日本は分析して、それつかんでるわけですね」
岡安譲
「確かに衝突角度とか似てますよねー」
青山繁晴
「ええ、そっくりですね。だから、あの、そういう意味でも、情報の公開のあり方っていうか、その、中国に対するフェアな姿勢ってのは何なのかっていうことも、いま日本は、その、中国とベトナムの衝突から、学ぶべきですね」
岡安譲
「はい。そしてですね、今日はこのあと“ニュースDEズバリ”のコーナーでも、青山さん、この南シナ海のお話と、いうふうにも聞いています」
青山繁晴
「ええ。えー、この、中国がなぜここまで無茶をするのかと、いうことの、その根っこを考えるんですが、その根っこを考える時に、視聴者の方にとっても意外かもしれませんが、実は根っこを考えようとするとつながることがあって、それがいま、話題、問題になってる、マンガ、『美味しんぼ』っていうマンガで」
岡安譲
「マンガ」
青山繁晴
「はい。えー、福島原子力災害のおかげで鼻血が出てるんだっていうね、ま、これも無茶な話なんですが、そのマンガについて、ま、騒動になってるわけですね」
岡安譲
「それが根っこでつながってるんですか」
青山繁晴
「根っこで残念ながらつながっていて、そのつながりのキーワードはこれです(フリップ出す)」
岡安譲
「『妄想VS現実』」
青山繁晴
「はい。つまり、中国も、妄想にとらわれて、つまり、大きな国だから何をしてもいいんだっていうような妄想が実はベースにあって、このあと詳しく話しますけれども。えー、そして、あの問題のマンガもですね、その、福島で起きたことはチェルノブイリと同じなんだと。チェルノブイリは、まだ真相全部明らかになってませんけれども、おそらく、鼻血が出て亡くなった方もいるであろうとされてます、専門家の間でもですね。そのことと福島が、もうごちゃごちゃになってるんですよ、妄想でですね」
岡安譲
「なるほど、ええ、ええ」
青山繁晴
「で、もちろんそれに対して現実をしっかり見なきゃいけないってことはあるんですが、事はそう簡単じゃなくて、その例えばマンガでいう妄想が、例えばマンガの原作者の方とか、マンガ家とか、そこで起きただけではなくて、実は現在の安倍政権も含めて、その妄想を、政府自ら作り出してるところがあると。で、それが、もう一度言いますが、例えば、中国と起きた出来事は、まず隠そうとすることにも実はつながってると。そういうことをですね、全然違うように見える現実から、本当は根っこの妄想が見えてくるってお話を、皆さんと一緒に考えたいと思います」
岡安譲
「はい。コマーシャルのあと、青山さんに解説していただきます」
(いったんCM)
岡安譲
「コマーシャル前にちょっと意外に思った方も多いと思います。南シナ海の問題と、いま話題の『美味しんぼ』の問題が、根っこではつながっているんじゃないか。一体どういうことなのか。青山さん、よろしくお願いします」
青山繁晴
「はい。まず南シナ海に中国が、実質、武力を背景に出て行ってる問題ですけどね。それは中国は自分の海だと言ってるけども、日本を含めた国際社会は、これは中国は外に出てきたっていうことですよね。でも、外に出てくる根っこは、中国の内部、中国の内部で、起きていることを知ることが一番大切です。じゃあ内部で、何が起きてるのか。これです」
村西利恵
「いま中国で起きていることは、ミニミニ文化大革命」
青山繁晴
「はい。たぶんこれ、えー、他のメディアで言った言葉はないんじゃないかと思いますが(一同同意&ざわ)」
村西利恵
「しかも、ミニミニですからね」
青山繁晴
「意味は2つあるんですけど、ま、文化大革命っていうのは、たぶん視聴者の方、多くご存知だと思うんですけれども、毛沢東さんっていう、中国の初代の国家主席が、まあ思想統制うんぬんを言いつつ本当は虐殺を引き起こして、はっきり数は分かりませんけど、普通の中国国民が2000万とも3000万とも殺されたんじゃないかって言われてる、人類史上最悪の、いわば、権力闘争だったんですよね。で、その毛沢東さんを、この、いまの習近平国家主席が、こうしてる。はい、出して下さい」
村西利恵
「毛沢東初代国家主席を、真似している」
青山繁晴
「はい。実は歩き方、話し方」
村西利恵
「あ、そういうことですか」
青山繁晴
「はい。えー、それもなんですけどね、話し方、歩き…、こういう歩き方、そしてこういう、目線の送り方、それも、体型も含めてですね(一同笑&ざわ)。ま、体型はもともと習近平さんも、ちょっと毛沢東さんタイプではありますけれども、ま、真似ていると。中国はまさかそれを、認めてるわけじゃないけれども、日本やアメリカ、フランス、僕の知る限り、それからイギリスも、情報機関は、みんな一致して、そういう見方をしてるわけですね。で、それは、ま、北朝鮮の金正恩第一書記が、お祖父さんの金日成国家主席を真似てる、これは誰でも知ってるけれども、ちょっとそれを笑えないねって話なんですが、ま、中国には、その真似をしなきゃいけない深刻な理由があってですね、それが妄想に関連してくるんですが、はい、出して下さい」
村西利恵
「こうすることで腐敗を一掃できると、『妄想』している」
青山繁晴
「というのは、いま中国で起きてることっていうのは、一番ひどいのが、腐敗なんですよ。で、経済もいま非常に行き詰まりが目立ってますけれども」
岡安譲
「そうですね」
青山繁晴
「それも民間の、普通の企業が育つんじゃなくて、ほとんど国有企業が経済的な利益を独占して、しかも軍とも結びついて、共産党も結びついて、腐敗がめちゃくちゃに進行してるから経済もダメになってる。じゃあそれをやるには、文化大革命を思い出させるような、まさか、いまインターネットもある時代に2000万、3000万を虐殺して、統制強めることはできないので」
村西利恵
「同じことはできないけど」
青山繁晴
「文革の一部があるんじゃないかと恐れさせて、それで何とかなるんじゃないか、そのために毛沢東さんの真似をする。でも残念ながら、それでは腐敗が一掃できないから、妄想に、終わりつつあるわけですよね」
岡安譲
「なるほど」
青山繁晴
「で、妄想に終わりつつあると、よけいに、実は内側でそういう、こう、グーッと落ち込んでいく、ことがあるから、ドーンと外へ出て、この、気分を反らさなきゃいけない、不満も反らさなきゃいけない。それによって、もうひとつのでっかい妄想を作らざるを得ないでいる。それは何かというと、これです」
村西利恵
「世界2大帝国建設を『妄想』している」
青山繁晴
「はい、世界2大帝国ってのは、まあ冷戦が終わって、冷戦が終わったってことは要するに1991年に、ソ連が崩壊したってことですね。だからプーチンさんはそれを盛り返そうという、妄想があるから、ウクライナでも、いま揉めてるわけですけれども、しかし中国から見たら、その、依然としてアメリカが強いわけだから、そのアメリカと中国の2大帝国で」
岡安譲
「帝国(笑)」
青山繁晴
「アメリカとしては帝国と言われる理由は、ないでしょうが、でも軍事的には帝国のようなやり方してきましたからね。中では民主主義でも、世界に対しては軍事一辺倒でアメリカもやってきましたから。だから米中で、世界を2つに分けられる。太平洋だったら、日本込みの西太平洋を、中国が支配して、ハワイから東はアメリカにお任せしてもいいというような、もうまさしく、妄想です」
岡安譲
「勝手な妄想ですね」
青山繁晴
「はい。これあの、英語で言うと、obsession(オブセッション=妄想)って言いますけど、obsessionっていうふうにアメリカの情報機関、が、例えば、いち民間人の僕と議論してる時にも、あるいは軍人の言葉でも、このobsessionって言葉は実は出てくるわけですね。で、これは、ミニミニ文化大革命っていうのはまあ僕があえて申した言葉ですけれども、これあの、僕の個人的認識じゃなくて、西側の分析ではだいたいこれで一致してるわけですね。で、それ西側だけじゃなくて、いま、中国にいきなり乗り込まれた、海に乗り込まれた、ベトナムも、実はそういう分析をしていた。あるいは、してきた。なぜかというとですね、その理由も含めて、ちょっと出して下さい」
村西利恵
「ベトナムは現実主義だから、油断していた。どういうことでしょうか」
青山繁晴
「これは、中国もベトナムも、共産党の一党独裁です。ところが、中国とベトナムの大きな違いは、中国はそういう妄想によって、国を、運営せざるを得ない。なぜかというと、広すぎる領土、多すぎる人口、詰め込みすぎた異民族、何かでっかい話を作らないとやっていけないんですよ。ところがベトナムは、その、むしろ逆に、この大きな中国を頭に抱いて、徹底的なリアリズム、現実主義でやってかないといけないんで、妄想の部分がベトナムには、ほとんどないんですよ。一時期この、インドシナ半島に出て行こうとして、事実上失敗して、よけいに今、しっかりした現実主義なんですよね。で、現実主義から見たら、これ皮肉な話なんですが、中国に対して、油断せざるを得なかったんですよ。現実主義だから油断しないんじゃなくて、現実主義だから、油断してしまった。はい、それどうしてかというと、出して下さい」
村西利恵
「油断の原因の1つ目は、去年10月に、李克強首相がベトナムを訪問していること」
青山繁晴
「はい。だから、去年10月ですからまだ半年ちょっとしか経ってない、その時に、中国のトップの1人の李克強さんが、ベトナムにやって来てですね、これ、東南アジア歴訪したんですけどその最後にベトナムにやって来て、もう、やあやあで仲良くしてですね」
青山繁晴
「ここトンキン湾(ベトナムと中国の海南島に挟まれた湾)っていうんですが、このベトナムのトンキン湾で共同開発するってことも、中越、中国とベトナムで、合意したわけですよ。で、ベトナムとしては、その前に戦争を、準備してた。これ『アンカー』で何度もやりましたよね。で、中越戦争、かつて、中越戦争があって、ベトナムはそれ勝ったわけですけど、その記憶も踏まえてですね、その戦争の危機は『アンカー』で指摘したように実際に高まっていったからこそ、お互いに、このまま戦争になると、お互い損するなってことで、李克強さんが手を差し伸べてきたと理解し、同時に、ベトナムが冷静、現実的に見てたのは、もう1つこれがあります。はい、出して下さい」
村西利恵
「先月、アメリカとフィリピンが、軍事連携を強化した」
青山繁晴
「はい、これ皆さんご承知の通り、オバマさんが、これ(地図の上の方を示して)日本ちょっと出てないですけど、日本をはじめ、えー、アジアを歴訪して最後にフィリピンに行って、22年ぶりに、この、ここ(パラセル諸島の東側)フィリピンですが、フィリピンに、アメリカ海軍や空軍を、展開することに合意しましたよね。で、その、合意は、こないだですけれども、つまり去年の秋ぐらいからベトナムはその動きを察知してました。ということは現実主義のベトナムから見たらですよ、中国は当面ここの、アメリカ・フィリピン連合に対抗しなきゃいけないから、当面はベトナムと手を結んだんだと。つまりベトナムは、中国も現実主義があると思ってたから、現実的に考えたら、とりあえず中国は、目の前のベトナム、我々とは手を結び、そしてアメリカとフィリピンの連合軍に対抗していくんだ、しばらくは大丈夫だと思ったところへドーンと中国が、石油掘削を理由にして、えー、力を出してきたっていうことなんですね」
岡安譲
「油断の理由はよく分かります、確かに」
青山繁晴
「はい、だから、皮肉な妄想と現実のぶつかりになってるんですけれども、でも中国という国は、その、妄想が根っこにあって、したがって、はっきり言って自ずから失敗は、明らかなんですけれども、でもその妄想を、その、何も考えないでやるんじゃなくて、妄想を実行する時、したたかなやり方でやるんですね。というのは、今回、無茶なやり方で出てきたように見えて、実は、やるならば、その妄想を実行したいならば、このタイミングしかなかったんです。なぜかというと、これです」
村西利恵
「緊迫する南シナ海の真相。今は、誰も出てこられない」
青山繁晴
「はい。誰が出てこられないのか。はい、まず出して下さい。まず1人目。まずアメリカですね」
村西利恵
「アメリカですが、フィリピンとの連携で手一杯」
青山繁晴
「はい。これ、実は、軍事っていうのは、準備が非常に必要なんです。はい。例えば、フィリピンで、22年ぶりに海軍・空軍を展開するってことは、事情がよく分からない将兵ばっかりですから、演習も共同で課さなきゃいけないし、機種の使い方も習熟しなきゃいけないと。軍用機とか軍の船ってのは厳しい動き方するんで、事故ばっかりになっちゃいますからね。だからアメリカは当面、もうフィリピンと連携すると決めた以上は、当面出てこられないんですよ。そして、じゃあ2人目のプレイヤーは誰か」
村西利恵
「日本、ですが、日本はまだ、『神学論争』の真っ最中」
青山繁晴
「これ、今の集団的自衛権(の行使容認をめぐる憲法解釈の見直し)の話です。で、これ集団的自衛権に賛成・反対っていう問題以前に、自衛権、ね、国が自分で自分を守る自衛権の中に、個別も集団も含まれていますから、自衛権を認めるかどうかの話なんですよ(一同同意)。それをわざわざ、本当は世界の学者でもあまりやらないようなことを、国会とか与党の中で、神学論争をくり広げてる最中ですから、これまず、プレイヤーが日本って出ただけで、視聴者の方、驚かれる方もいらっしゃると思うんです。日本はそんな、南シナ海に手を出したりしない、違います。手を出すんじゃなくて、アジアの大国として本当は責任があるんですが、とてもじゃないけどそんなことにいかなくて、日本の国内の、しかも自公両党のせめぎ合いっていう、ちっちゃな話の神学論争になってるから、まだまだ日本は、責任を果たすような段階じゃない。はい、3つ目、見て下さい」
村西利恵
「ベトナムなど、ASEAN諸国はいずれも、海軍弱体」
青山繁晴
「はい。これは、先ほど、中越戦争の話しました。ベトナムは勝ちましたが、それは陸戦であって、陸上の戦いでベトナムは、まずフランスを、駆逐し、ね、植民地にしてた、ベトナムを植民地にしてたフランスを追い出し、代わりにやって来たアメリカに打ち勝ち、アメリカはおかげで建国以来初めての敗北を喫した。ね。えー、そのあと、中国にも打ち勝った。でも全部陸の戦いなんですよ。海軍は未だに、ベトナムは極めて連携で、僕は記者時代に、海上自衛隊の幹部にベトナムと連携すべきだと、やがて中国は海に出てくるから連携すべきだと言ったら、当時の海上自衛隊の将軍は僕に、あんなボートしかないような海軍と手を組むのかと、手を組めと言うんですかあなたは、って言われたんですね。で、その時よりは少し改善してきたけれどもいずれも、ベトナムだけじゃなくてASEAN諸国は海軍が弱体なんで、これ例えば、中国に対抗してベトナムの海軍力や、こないだそれから、ASEANの首脳が集まって、ミャンマーが議長国で、中国と仲いいはずのミャンマーも、中国を非難する声明出したけど、口だけなんですよ。その、海軍が連携して中国に対抗するってことはできません。そして最後に極めつけ、出てこられないのはこれです」
村西利恵
「国連は、常任理事国は“やりたい放題”」
青山繁晴
「国連というのは国同士で不当なことがあったら、それを諫める機能があるはずが、ところが、戦争に勝った国で大きな国の、5大国、アメリカ、ロシア、フランス、イギリス、そして中国、本当は中華民国だったんですが、そのあと中華人民共和国、入れ替わってしまって、その常任理事国、5大国は、国連が何を決めようとも拒否権を持ってて、だから、常任理事国が悪さをした時には、何にもできないっていう、大欠陥を持ってるわけですね(一同同意)。で、しかも中国はしたたかですから今回海軍の船が混じってたり、それから頭の上を戦闘機が飛んだりするんだけど、前面に出てくるのは、海警って言って海上保安庁レベルですから。国連はやっぱり軍事行動について反応するんで、反応しにくいってこともあって、見事に、誰も出てこれないんですよ。じゃあこの先、出てこれる可能性があるのはどこかというと、アメリカに見えるでしょうが、違います。オバマ大統領がいる限りはアメリカはほとんど出てきません」
岡安譲
「弱腰ですもんね」
青山繁晴
「はい。ということは、責任を果たさなきゃいけないっていう意味で考えると、もともとアメリカはそもそも、アジアの国じゃない。ね。アジア・太平洋って言えばそうだけれども、アジアの、一番責任ある国は、実はわが日本なんですよ。従って、南シナ海で戦争が起きないように、先ほどの自衛権の問題も含めて、自分のことだけ良ければいいんじゃなくて、アジアの平和を守る役割を、本当は果たさなきゃいけない。それは、国連を改革するって意味でも、アメリカ除けば日本が一番お金も出してる。私たちの税金で、国連を運営してるに等しい面もあるんですから、日本はそういう責任を果たさなきゃいけない。それが、実は、根っこの根っこなんですよ。ところがその日本では、日本国内で足を引っ張る、日本がそういう責任を果たさない国のままでいた方がいいっていう、この、ものすごい足の引っ張りがあって、申し訳ないですが、それが、その1つが、これです」
村西利恵
「それが、このマンガ『美味しんぼ』問題」
青山繁晴
「はい。これは、例えば1つのマンガ、あるいは1つの、原作者や、マンガ家を非難するためにこれから話すんではなくて、こういうマンガが出てきてしまう根っこには何があるかっていうことを、皆さんと、公平に、具体的にこのあと考えたいと思います。それに向けたキーワードは、これです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『安倍総理にも責任あり』。一体どういうことなんでしょうか。このあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
岡安譲
「まあ人気マンガだけに広げた波紋もまた大きかった『美味しんぼ』の問題。これ、青山さん曰く、安倍総理大臣にも責任があるということなんですが、どういうことでしょうか」
青山繁晴
「はい。このマンガが引き起こしてることっていうのは、もうご存知の方多いと思いますけど、ま、すごい簡単に言うと、例えばこういう主人公が、福島第1原発を1回視察に言っただけで、これべっとり鼻血が出て、それが被ばくのせいであろうってことが、描かれてるわけですけど、これは科学的にあり得ないって批判がいっぱい出てるけど、そんなレベルじゃなくて、全くの妄想としか言いようがないんですね。本当の基準は何なのかってことを、まず見て下さい」
村西利恵
「こちらは放射線医学総合研究所が作成した、放射線被ばくの早見図の一部です」
青山繁晴
「はい。これ、この早見図に対して、異論反論っていうのは世の中に存在してない、世の中っていうのは、専門家の中には存在してません。ま、これ本当はこっち(1ミリ以下)もあるし、こっち(1000ミリ以上)もあるんで、まあ、分かりやすく一部には、してあるんですが、まずあの、視聴者の方に理解していただきたいのは、福島原子力災害が起きてから、いや、放射線障害の、問題については、学者の中でも、いろんな意見があって、まだ定説がないと、いうふうによく言いますよね。例えば著名なジャーナリストの田原総一朗さんも、それをくり返していらっしゃいますが、それは事実に反します。その、意見が、いっぱいあるのはもちろん他の分野でもそうであって、しかしこの、放射線被ばくの問題、あるいは放射線障害の問題でも、どんなに意見が違っても、ここは変わらないって点はあるんですよ。それは何かというとこの100です。つまり、100ミリシーベルトを最低でも浴びないと、人間の体に、影響は確認できない。言い方を変えると、100ミリを超えないと人間の体に放射線は、悪影響を及ぼさないであろうということは、これは、意見の違う学者は、専門家はいないんですよ」
村西利恵
「もう分かってることなんですね」
青山繁晴
「はい。それどうしてかというと、これはあの、賛成反対とか、嫌い好きの問題じゃなくて、この、例えば10とか、10ミリシーベルトとか1ミリシーベルトで起きた例が、1回もないので、それは他の意見を言いようがないわけですね。で、だからまず、この、100を超えるかどうかが基準になって、そして福島で言うと、1回、福島第1原発に行ったなんて人じゃなくて、住んでらっしゃった方で、一番多く被ばくされた方で、23ミリシーベルトから24ミリシーベルトぐらいの、ここ(図を示す)なんですね。で、じゃあ、その、もうこれで100よりはるかに少ないですから、そもそも住んでた方にもそういう影響は出ないし、これは国連科学委員会の報告書でもそうなってますし、ましてや1回、福島第1原発といえども、中に入っただけで鼻血が出るなんてことはあり得ないと。これはそこでも分かるんですが、もっと、掘り下げて言うとですね、じゃあ逆に、鼻血が出るような、放射線障害はあり得るのか。あり得ます。例えばチェルノブイリは未だに、起きた、事故が起きた時、ソ連だったこともあって、情報隠しが行われたんで全部はっきり分からないけど、おそらく鼻血を出しながら亡くなった、例えばウクライナの兵士がいる。いま話題のウクライナですが、当時はソ連の一部で、チェルノブイリ原発はウクライナにあります。で、僕はウクライナに行った時に、当時の陸軍の将軍から、そういう話を聞きました。謎の出血もあったし、たくさんの兵士が、わけも分からず死んでいったということを、聞きました。で、その、そういうことが起きるのはどういうレベルになった状態かというと、少なくとも、500ミリシーベルトは浴びないといけません」
村西利恵
「うーん」
青山繁晴
「500ミリシーベルトを浴びると、僕らの血液の中の、血小板の数が減る、可能性っていうのは、これはだいたい100人に1人ぐらいです。100人の方が500ミリシーベルトのこれ、すごく大量の放射線ですが浴びた場合に、100人のうち、1人、だけが、1人程度ぐらいが、血小板の数が減る。血小板の数が減るってことは血液が、固まりにくくなる。したがって、例えば、鼻の中で何か傷が付いた時に、それが普通だったら固まって、それで止まるんですけど、それ鼻血として出てきてしまう。で、いま話している僕の立場を言いますと、僕の本業のひとつが危機管理です。で、その中の柱が、原発のテロ対策です。原発のテロを北朝鮮などが起こさないようにするということに加えて、もし起きてしまった時に、被害を最小限にとどめるにはどうしたらいいかが、僕の本来の実務の仕事なんで、放射線が、人間に及ぼす影響っていうのは僕の専門分野のひとつです。私は医者じゃありませんけれども、危機管理の立場から、そういうことを長年、携わってまいりました。で、これは世界の常識であって、いや、世界の学者の常識であって、さらに言うとその倍の、1000ミリシーベルトを超えないと、超えて初めて、多くの人の血液に異変が起きて、鼻血が止まらない人も出てくるっていうのは、実に、1000ミリシーベルトまでならないとそうならないんですよ。ということはもう1回言いますと、福島の地元の方で、最大で23、24。で、多い方でもだいたい10前後です、ね。だから、もう一度言いますが、マンガに出てくるような1回、福島第1原発に入ったからといって、鼻血が出るなんてことはあり得ない。えー、しかしマンガには、実在の人が出てきて、いやいや出るんだと、言ってる方がいます。はい、それは何かというと、これです。この方です」
村西利恵
「福島県双葉町の、井戸川元町長、前町長ですね」
青山繁晴
「はい。双葉町、は、大熊町と並んで、福島第1原発の文字通り地元の町です(一同同意)。で、そこの町長までなさった方が、自分は鼻血が出る、それは、被ばくしたからだと、おっしゃってる。それがこのマンガの、いわば妄想を支えているんですが、井戸川さんは前町長になってますが、これ、町議会から全会一致で、不信任決議を突き付けられて、もめた挙げ句、自分でお辞めになった方です。で、それをどうこう言うつもりはありませんが、少なくとも、井戸川さんが鼻血が出ようと出まいと、関係ないです。それはどうしてかというと井戸川さんが鼻血が、出て、それを医師が、少なくとも1人以上の医師が、これは被ばくと関係がある恐れもあると、言ってるなら別ですが、そういうことは一切なくて、ご自分でお考えになってそれをお話になってる(一同同意)。もちろんそれは表現の自由で、それをマンガにするのも表現の自由です。そして公権力がそこに介在する話をしてるんじゃなくて、僕もこの『アンカー』も表現の自由に基づいて、いま、批判、指摘をいたしています。したがって、僕も物書きのはしくれですけれども、例えば物書きの立場から言うと、この、前町長っていう肩書きをいかにも、使って、そして鼻血が出るということと被ばくとの、関連を、この町長、前町長が語っていないのに、あたかも地元に重大な証言があるかのように言ってるっていうのは、これは、恥ずべき行為だと、思います」
岡安譲
「何の因果関係も言ってないですもんね、そのマンガについ…、マンガもそうですけれど、町長(前町長)自身が」
青山繁晴
「はい、ちょっとよけいなこと言いますとね、この『アンカー』の視聴者の方には、覚えてらっしゃると思いますが、僕は事故直後に、2011年4月22日、福島第1原発に入りました(一同同意)(11/4/27放送分参照)。今よりはるかに線量高かった。このマンガに出てくる状況よりもはるかに、線量は高かったですが、鼻血は全く出ませんでした。ちなみにしかし僕、この僕は、その同じ自分が、昭和天皇が崩御なさる時に、天皇陛下の吐血、下血がある間ずっと鼻血が止まらなかったんですよ。それを小説に実は書きましたけれども、あれは本当は実際に起きたことで。だから鼻血というのは、その、いろんな原因で起きるものであって」
岡安譲
「ええ、ええ、そうですね」
青山繁晴
「少なくとも福島第1原発に線量が高い時に入った、私には、と、入ったあとの僕には、鼻血など起きてないんですよ。だから、どなたに鼻血が出た出ないじゃなくて、その鼻血の原因が解明されないと、本来の表現の自由を使って、書き物に残すべきじゃないと思います。但し、さあここからなんですが、このマンガの原作を書かれた方とかマンガを描いた、そのマンガ家の人とか、あるいは出版社のことを言ってるんじゃなくて、但し出版社はですね、これ有名な言葉があって、危険は売れる、安全は売れないってあるんですよ。貶める話の方が売れる。特に日本ではそうなんですね。で、それが出版社の背景に、ある恐れは、指摘しておきます。但しもう一回言いますが、出版社も含めて、もっと大きな、社会的背景が実はあるってことを、公平に考えなきゃいけません。これ2つあります。1つはこれです」
村西利恵
「このような漫画が出る背景、その1。IAEAのフローリー事務次長は、福島第1原発事故“レベル7”という評価に対して、『チェルノブイリ事故とは構造や規模の面で全く異なる』と、2011年4月に発言しています」
青山繁晴
「はい。これ思い出していただくと、2011年4月、つまり、3月11日から事故が始まって、菅直人さんが総理の時ですよね。で、菅さんがリーダーシップをとって、その、チェルノブイリ原発、この、IAEAの基準があるんですが、それ今まで、そのチェルノブイリだけが7だったんですね。これ、0(ゼロ)から7まであってですね、4以上が初めて事故なんですね。例えば関西電力で美浜の事故ありましたが、それは実は0でした。0プラス。で、4以上が原発事故なんですが、5がスリーマイルで、7がチェルノブイリだったわけです。で、日本側からむしろ提案をして、その、チェルノブイリと同じ7にしてくれと」
村西利恵
「日本側から」
青山繁晴
「はい。で、その連絡があった時に、このIAEAのフローリーさんって、この真面目な人ですけど、事務次長が、ちょうど記者会見中で、それ日本側からその提案があったと聞いた時にびっくりして、え、チェルノブイリとは、福島は全く、事故の中身そのものも、規模も、つまり人の被害とかそういうのも、あるいは、出ていった放射線量とかそういうものも含めて、全然違うじゃないかと、いうことを言ったんです。ね。言って、フローリーさんそのあと色々やわらかい言い方に変えたけれども、実は、僕はIAEAは仕事で付き合ってますから、国際原子力機関ですね、IAEAの内部でずいぶん、意見があった。つまり、全然違うものを同じレベルにしてって言うのはおかしいじゃないかと。その時に、すみません、これは僕の個人的見解ですけど、壁になったのがこの人です」
村西利恵
「天野事務局長」
青山繁晴
「IAEAの、天野之弥(ゆきや)事務局長、これ日本の外務官僚が、初めてIAEAの、事務局長という、栄誉ある仕事に就いたんですが、この、天野さんがそう発言したとは聞いて、(言い直し)そこまでは言わないけれども、いずれにしても、日本人が初めて事務局長やってる時、日本の事故はもっとレベルが下だと言ったら、その、事務局長が日本を庇ってるようになって、事務局長の立場がないと、いうこともあってですね」
村西利恵
「そんな理由ですか」
岡安譲
「保身ですか」
青山繁晴
「そんな理由だけとは言わないけれども、僕がIAEAの当局者たちに、複数の人に聞いた限りでは、実はそういう配慮も動いたと。で、そのままになってるわけです。で、天野さんも含めてそのあと本当はどういう提案あったかというと、ここに(レベル7より上の)8っていうのを作りましょうと。日本を動かせないんだったら、チェルノブイリを動かして8にしましょうと。そしたらIAEAの中から、それいい加減にしろと。ね。そんなやり方おかしいっていうので、結局いま、こうなってるわけですよ」
村西利恵
「でもそのぐらい2つの事故は、規模が違うということですね」
青山繁晴
「違う。違うと同時にですね、これ本当はいま、天野さんやフローリーさんの話をしたけれども、本当に誰がやんなきゃいけないかというと、安倍総理じゃないですか。安倍さんから、これ違うんだったら違うっていうふうにIAEAに問題提起をして、協議してもらわなきゃいけないですよね。えー、ところがですね、チェルノブイリと福島がどんなに違うかっていうのは例えば、これを見ていただくと分かります。はい、出して下さい」
村西利恵
「福島原子力災害の真実。福島県の県民健康調査課によると、『被ばく検査を受けた一般市民は大勢いるが、死亡した人や、放射線障害で治療を受けた人は確認されていない』」
青山繁晴
「はい。これ、地元の県庁の健康課に確認した話なんですが、まず亡くなった方というのはですね、福島原子力災害のおかげで亡くなった人がいないって言うんではないですよ。福島原子力災害が起きて、無理な避難を強いられて、そのために亡くなった方は、多くいらっしゃいます。これを、災害関連死と呼んでます(一同同意)。ね。このことは絶対軽視しちゃいけない(一同同意)。しかし同時に、この場合は、あのマンガに関して言うと、災害関連死のことを言ってるんじゃなくて、直接的な被ばく、放射線障害による、その、人の健康のことを言ってるんですね。放射線障害で死亡した人は、ゼロです。チェルノブイリはたくさんいらっしゃいます。それどころか、福島では、放射線障害で、治療を受けた人すら、いないんですよ。役人は、確認されていないって言ってますが、確認されてないってほんとは要らない。(治療を受けた人は)いないんです。これは例えば、僕は福島第1原発に早期に入ったから、英国の国営放送BBCが何度も何度も僕に会いに来て、調べてみたら、1人、治療を受けた人がいると。ね。1人だけはいるとおっしゃったんで、それは本当は自衛官なんですよ。自衛官が、この足がですね、熱いところに当たって火傷したんですよ。火傷したけど、福島第1原発での火傷だからいちおう、専門病院に送っていったら、それ単なる火傷で、放射線障害はなかったから、自宅に帰って今は部隊に戻ってます。治療受けた人すらいない。チェルノブイリは、たくさんの人が実際に放射線障害で亡くなってる。一体これが、同じなのかということなんですね。だから当然これは政権の責任として、これマンガとかの話以前に政権の責任としてやってないから、チェルノブイリと同じ、チェルノブイリ(と同じレベル7)だったら鼻血も出るんじゃないかという、まんまとそれを利用されて、ああいうマンガになってしまうということが起きました。はい、時間なくなってきましたがもう1つはこれです」
村西利恵
「あのようなマンガが出る背景その2。今の福島の除染の目標、『年間1ミリシーベルト以下』。これに対して、IAEAは、“基準が厳しすぎる”と、去年10月に報告を出しています」
青山繁晴
「これは、福島が、同じ被災地の、東日本大震災の被災地って意味での福島が、他の東北の県に比べて復興が遅れてるってのは皆さんご存知ですよね。それはどうしてかというと除染が終わらないから。除染が終わらないからなかなかみんなが帰れない。その、じゃあその除染が終わらないってのは目標クリアできない。目標ってのは何なのか。例えばこの東大の、小佐古先生が、大泣きをされた。もっと厳しくすべきだと。年間1ミリシーベルトとにすべきだと、言われましたよね。しかし年間1ミリシーベルトって、さっきの表を思い出していただくと、実は、ものすごく、小さな数字になっちゃってるわけですね。で、この根拠は何かというと、さっき言いました基準は100ミリシーベルトですね、人間に悪影響与えるのは。その100ミリシーベルト、そこに人間が100年生きるとする。100年生きるんですか。僕は生きません。ね。僕は間もなく死ぬと思いますが、でも100年生きると無理に設定して、100割る100は、1なんですよ。だから例えば、70年しか生きなかったら、もっと数字は変わるわけですよね。でも、100年としちゃったから年間1ミリシーベルトにしなきゃいけないっていう、これ科学とも言えない話が、日本では定着してしまってるんですよ。で、IAEAがびっくりしてやって来て調査団が、これ、マスコミの報道だったら、基準は厳しいって報道された。厳しい基準ってのはいい話じゃないですか。違います。IAEAが本当に言ったのは、安倍総理にも直接言ったのは、厳しすぎますと」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「なぜかというと、日本でいうと熊本県や大分県や三重県は、自然に、年間1ミリシーベルトより高いですよ。ね。他にもあります、そういう地域は。じゃあ一体この基準は何なのか。それだったら、福島の復興はないじゃないかってことを指摘して、せめて世界の常識の、一番厳しい話でも20ミリシーベルトに、以下にしないといけないと。これを安倍政権は、しかし、IAEAの、この申し入れも、はねつけてしまって、変わってないから、何が起きてるかというと、これが起きてるんですよね」
村西利恵
「除染基準を適正にしないと、子どもたちが福島にちゃんと戻れない」
青山繁晴
「はい。これは、福島のお父様、お母様、おじいちゃん、おばあちゃんにしたらですよ、その、政府が、お上が1ミリシーベルト以下にならないと除染が終わらないと言ってる。ね。それいつまでも終わらないんだったら少なくとも子供たちは帰したくない。ね。帰った子供たちもたくさんいますが、でも帰れない子供たちもいる。皆さん、阪神淡路大震災で、神戸や淡路に、子供がみんな戻って来なかったら、今の復興がありましたか。だから実は、このマンガのことだけをとらまえて、閣僚は、次々批判するだけで終わらせるんじゃなくて、実は、安倍政権といえども、世論におもねて、世の中の空気におもねて、なるべく批判されないように、例えば除染の基準も、そのままにしておき、IAEAの基準(指摘?)もそのままにしておき、そして除染が利権になってる。ね。除染いつまでも終わらないならいつまでも儲かる話にもなるわけですから。ですから、もう一回言います、ひとつのマンガだけを問題にするんじゃなくて、それが生まれる社会的背景を、これを機会に私たちよく考えるべきで、そういう日本に変わっていったら、アジアに対する責任も果たせる。だから南シナ海と『美味しんぼ』は、意外なところで根っこはつながってるってことを、あくまで僕の、いち問題提起です。皆さんと一緒に今後も考えたいと思います」
岡安譲
「はい、ありがとうございました。以上、青山さんの“ニュースDEズバリ”でした」
____________________________内容紹介ここまで
『美味しんぼ』問題については1つ前の記事で書きましたが、その後の様々な動きや情報から2点だけご紹介。
そもそも、そんなにも危険があるならば、キャロライン・ケネディ大使も福島第一原発にわざわざ入らない(入らせない)でしょう(NHK 5月14日 18時36分)。
さて、今週も告知。
青山さんが最近ブログで「アンカー」と視聴率についてお話しされています。
青山さんの引き続きの番組ご出演を願う皆様、時々でけっこうですので、関西テレビにご意見をお寄せ下さい。
http://www.ktv.jp/goiken/
関テレ側にご意見するのとは別に、ギモズバ!用のメールアドレスに、ニュースの疑問(青山さんにコーナーで解説してほしいニュースなど)を送ることも、大きな力になると思います。
zubari@ktv.jp
この日の「アンカー」では他に以下のニュースで青山さんの解説がありました。
・若田光一さん地球に帰還 「地球はかけがえのないふるさと」
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、こころが風邪をひいたらさんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらをご覧下さい。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・こころが風邪をひいたら
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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http://ameblo.jp/hosyuyamato/
竹島に関する動画:英語版(Takeshima - Seeking a Solution based on Law and Dialogue)
尖閣諸島に関する動画もあります。いずれも12カ国語公開されています。世界に広めましょう!
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岡安譲
「ま、テレビをご覧の皆さんもですね、これは、遠く離れた南シナ海の話だけじゃなくて、やがて私たちの日本の周りでも起こりうる事態だと、不安に思ってらっしゃる方も多いと思いますが、青山さん、中国やっぱりやりたい放題ですね、最近、さらに」
青山繁晴
「うん、あの、先ほどね、えー、中国の武装した船が、ベトナムの船にぶつけてくる映像」
岡安譲
「はい、ありました」
青山繁晴
「ご覧いただきましたよね」
岡安譲
「はい、これですね」
青山繁晴
「はい。で、これに関して、実はベトナムにいま住んでる日本の方から、僕のブログに書き込みをいただきましてね。つまりこれを見て、違うショックを受けたと。つまり、いま岡安キャスターがおっしゃった、東シナ海で、中国の、あの時はまあいちおう漁船でしたけれども、日本の海上保安庁の船にぶつけてきた時に、日本はその映像を隠しましたよね」
岡安譲
「そうでした」
青山繁晴
「当時、民主党政権ですけど。それが勇気ある海上保安官の行動によって、初めて僕らは見ることができた。でもベトナム政府は、瞬時にこれを公開したと(一同同意)。で、その方がずっと世界の基準であって、日本が中国に襲われながら、それを、自ら政府が隠そうとしたっていうのはね、改めて思い浮かべたっていう書き込みいただいて」
岡安譲
「なるほど」
青山繁晴
「ま、世界に散らばってる日本の方々も本当に物事を公平に正確にご覧になってるなと、感じたんですね。で、その上で、実はこの、ベトナム政府が公開した映像を、日本の海上保安庁、海上自衛隊、それから日本の警察、それから情報当局、みんな一生懸命いま分析してるんですよ。つまり、やがて東シナ海でですね、その尖閣諸島をめぐって、日本に仕掛けてくるための、今回テストとしても中国はやってるんであろうと」
岡安譲
「テストですかあれは」
青山繁晴
「はい。で、ぶつけ方も、あの、前に尖閣諸島で、起きた時と、その時は、もう一回言います、中国の漁船だったのに、今回、中国の海警っていって、中国の海上保安庁にあたる船なのに、手口同じなんですよね」
岡安譲
「それ手口が同じって何が言えるんですか」
青山繁晴
「いや、訓練されたものですよね。だからあの時も、酔っ払った船長が勝手にぶつけてきたっていうんじゃなくて、実は、まあ、これはその時の映像ですけれども、基本的にある程度の訓練をして、どういう角度でぶつけていって、つまり沈まない程度にダメージを与えて、中国の脅威を感じさせて怯えさせるかっていうことを、計画的にやってるってことが、この現在の、ベトナムとの間での、映像も日本は分析して、それつかんでるわけですね」
岡安譲
「確かに衝突角度とか似てますよねー」
青山繁晴
「ええ、そっくりですね。だから、あの、そういう意味でも、情報の公開のあり方っていうか、その、中国に対するフェアな姿勢ってのは何なのかっていうことも、いま日本は、その、中国とベトナムの衝突から、学ぶべきですね」
岡安譲
「はい。そしてですね、今日はこのあと“ニュースDEズバリ”のコーナーでも、青山さん、この南シナ海のお話と、いうふうにも聞いています」
青山繁晴
「ええ。えー、この、中国がなぜここまで無茶をするのかと、いうことの、その根っこを考えるんですが、その根っこを考える時に、視聴者の方にとっても意外かもしれませんが、実は根っこを考えようとするとつながることがあって、それがいま、話題、問題になってる、マンガ、『美味しんぼ』っていうマンガで」
岡安譲
「マンガ」
青山繁晴
「はい。えー、福島原子力災害のおかげで鼻血が出てるんだっていうね、ま、これも無茶な話なんですが、そのマンガについて、ま、騒動になってるわけですね」
岡安譲
「それが根っこでつながってるんですか」
青山繁晴
「根っこで残念ながらつながっていて、そのつながりのキーワードはこれです(フリップ出す)」
岡安譲
「『妄想VS現実』」
青山繁晴
「はい。つまり、中国も、妄想にとらわれて、つまり、大きな国だから何をしてもいいんだっていうような妄想が実はベースにあって、このあと詳しく話しますけれども。えー、そして、あの問題のマンガもですね、その、福島で起きたことはチェルノブイリと同じなんだと。チェルノブイリは、まだ真相全部明らかになってませんけれども、おそらく、鼻血が出て亡くなった方もいるであろうとされてます、専門家の間でもですね。そのことと福島が、もうごちゃごちゃになってるんですよ、妄想でですね」
岡安譲
「なるほど、ええ、ええ」
青山繁晴
「で、もちろんそれに対して現実をしっかり見なきゃいけないってことはあるんですが、事はそう簡単じゃなくて、その例えばマンガでいう妄想が、例えばマンガの原作者の方とか、マンガ家とか、そこで起きただけではなくて、実は現在の安倍政権も含めて、その妄想を、政府自ら作り出してるところがあると。で、それが、もう一度言いますが、例えば、中国と起きた出来事は、まず隠そうとすることにも実はつながってると。そういうことをですね、全然違うように見える現実から、本当は根っこの妄想が見えてくるってお話を、皆さんと一緒に考えたいと思います」
岡安譲
「はい。コマーシャルのあと、青山さんに解説していただきます」
(いったんCM)
岡安譲
「コマーシャル前にちょっと意外に思った方も多いと思います。南シナ海の問題と、いま話題の『美味しんぼ』の問題が、根っこではつながっているんじゃないか。一体どういうことなのか。青山さん、よろしくお願いします」
青山繁晴
「はい。まず南シナ海に中国が、実質、武力を背景に出て行ってる問題ですけどね。それは中国は自分の海だと言ってるけども、日本を含めた国際社会は、これは中国は外に出てきたっていうことですよね。でも、外に出てくる根っこは、中国の内部、中国の内部で、起きていることを知ることが一番大切です。じゃあ内部で、何が起きてるのか。これです」
村西利恵
「いま中国で起きていることは、ミニミニ文化大革命」
青山繁晴
「はい。たぶんこれ、えー、他のメディアで言った言葉はないんじゃないかと思いますが(一同同意&ざわ)」
村西利恵
「しかも、ミニミニですからね」
青山繁晴
「意味は2つあるんですけど、ま、文化大革命っていうのは、たぶん視聴者の方、多くご存知だと思うんですけれども、毛沢東さんっていう、中国の初代の国家主席が、まあ思想統制うんぬんを言いつつ本当は虐殺を引き起こして、はっきり数は分かりませんけど、普通の中国国民が2000万とも3000万とも殺されたんじゃないかって言われてる、人類史上最悪の、いわば、権力闘争だったんですよね。で、その毛沢東さんを、この、いまの習近平国家主席が、こうしてる。はい、出して下さい」
村西利恵
「毛沢東初代国家主席を、真似している」
青山繁晴
「はい。実は歩き方、話し方」
村西利恵
「あ、そういうことですか」
青山繁晴
「はい。えー、それもなんですけどね、話し方、歩き…、こういう歩き方、そしてこういう、目線の送り方、それも、体型も含めてですね(一同笑&ざわ)。ま、体型はもともと習近平さんも、ちょっと毛沢東さんタイプではありますけれども、ま、真似ていると。中国はまさかそれを、認めてるわけじゃないけれども、日本やアメリカ、フランス、僕の知る限り、それからイギリスも、情報機関は、みんな一致して、そういう見方をしてるわけですね。で、それは、ま、北朝鮮の金正恩第一書記が、お祖父さんの金日成国家主席を真似てる、これは誰でも知ってるけれども、ちょっとそれを笑えないねって話なんですが、ま、中国には、その真似をしなきゃいけない深刻な理由があってですね、それが妄想に関連してくるんですが、はい、出して下さい」
村西利恵
「こうすることで腐敗を一掃できると、『妄想』している」
青山繁晴
「というのは、いま中国で起きてることっていうのは、一番ひどいのが、腐敗なんですよ。で、経済もいま非常に行き詰まりが目立ってますけれども」
岡安譲
「そうですね」
青山繁晴
「それも民間の、普通の企業が育つんじゃなくて、ほとんど国有企業が経済的な利益を独占して、しかも軍とも結びついて、共産党も結びついて、腐敗がめちゃくちゃに進行してるから経済もダメになってる。じゃあそれをやるには、文化大革命を思い出させるような、まさか、いまインターネットもある時代に2000万、3000万を虐殺して、統制強めることはできないので」
村西利恵
「同じことはできないけど」
青山繁晴
「文革の一部があるんじゃないかと恐れさせて、それで何とかなるんじゃないか、そのために毛沢東さんの真似をする。でも残念ながら、それでは腐敗が一掃できないから、妄想に、終わりつつあるわけですよね」
岡安譲
「なるほど」
青山繁晴
「で、妄想に終わりつつあると、よけいに、実は内側でそういう、こう、グーッと落ち込んでいく、ことがあるから、ドーンと外へ出て、この、気分を反らさなきゃいけない、不満も反らさなきゃいけない。それによって、もうひとつのでっかい妄想を作らざるを得ないでいる。それは何かというと、これです」
村西利恵
「世界2大帝国建設を『妄想』している」
青山繁晴
「はい、世界2大帝国ってのは、まあ冷戦が終わって、冷戦が終わったってことは要するに1991年に、ソ連が崩壊したってことですね。だからプーチンさんはそれを盛り返そうという、妄想があるから、ウクライナでも、いま揉めてるわけですけれども、しかし中国から見たら、その、依然としてアメリカが強いわけだから、そのアメリカと中国の2大帝国で」
岡安譲
「帝国(笑)」
青山繁晴
「アメリカとしては帝国と言われる理由は、ないでしょうが、でも軍事的には帝国のようなやり方してきましたからね。中では民主主義でも、世界に対しては軍事一辺倒でアメリカもやってきましたから。だから米中で、世界を2つに分けられる。太平洋だったら、日本込みの西太平洋を、中国が支配して、ハワイから東はアメリカにお任せしてもいいというような、もうまさしく、妄想です」
岡安譲
「勝手な妄想ですね」
青山繁晴
「はい。これあの、英語で言うと、obsession(オブセッション=妄想)って言いますけど、obsessionっていうふうにアメリカの情報機関、が、例えば、いち民間人の僕と議論してる時にも、あるいは軍人の言葉でも、このobsessionって言葉は実は出てくるわけですね。で、これは、ミニミニ文化大革命っていうのはまあ僕があえて申した言葉ですけれども、これあの、僕の個人的認識じゃなくて、西側の分析ではだいたいこれで一致してるわけですね。で、それ西側だけじゃなくて、いま、中国にいきなり乗り込まれた、海に乗り込まれた、ベトナムも、実はそういう分析をしていた。あるいは、してきた。なぜかというとですね、その理由も含めて、ちょっと出して下さい」
村西利恵
「ベトナムは現実主義だから、油断していた。どういうことでしょうか」
青山繁晴
「これは、中国もベトナムも、共産党の一党独裁です。ところが、中国とベトナムの大きな違いは、中国はそういう妄想によって、国を、運営せざるを得ない。なぜかというと、広すぎる領土、多すぎる人口、詰め込みすぎた異民族、何かでっかい話を作らないとやっていけないんですよ。ところがベトナムは、その、むしろ逆に、この大きな中国を頭に抱いて、徹底的なリアリズム、現実主義でやってかないといけないんで、妄想の部分がベトナムには、ほとんどないんですよ。一時期この、インドシナ半島に出て行こうとして、事実上失敗して、よけいに今、しっかりした現実主義なんですよね。で、現実主義から見たら、これ皮肉な話なんですが、中国に対して、油断せざるを得なかったんですよ。現実主義だから油断しないんじゃなくて、現実主義だから、油断してしまった。はい、それどうしてかというと、出して下さい」
村西利恵
「油断の原因の1つ目は、去年10月に、李克強首相がベトナムを訪問していること」
青山繁晴
「はい。だから、去年10月ですからまだ半年ちょっとしか経ってない、その時に、中国のトップの1人の李克強さんが、ベトナムにやって来てですね、これ、東南アジア歴訪したんですけどその最後にベトナムにやって来て、もう、やあやあで仲良くしてですね」
青山繁晴
「ここトンキン湾(ベトナムと中国の海南島に挟まれた湾)っていうんですが、このベトナムのトンキン湾で共同開発するってことも、中越、中国とベトナムで、合意したわけですよ。で、ベトナムとしては、その前に戦争を、準備してた。これ『アンカー』で何度もやりましたよね。で、中越戦争、かつて、中越戦争があって、ベトナムはそれ勝ったわけですけど、その記憶も踏まえてですね、その戦争の危機は『アンカー』で指摘したように実際に高まっていったからこそ、お互いに、このまま戦争になると、お互い損するなってことで、李克強さんが手を差し伸べてきたと理解し、同時に、ベトナムが冷静、現実的に見てたのは、もう1つこれがあります。はい、出して下さい」
村西利恵
「先月、アメリカとフィリピンが、軍事連携を強化した」
青山繁晴
「はい、これ皆さんご承知の通り、オバマさんが、これ(地図の上の方を示して)日本ちょっと出てないですけど、日本をはじめ、えー、アジアを歴訪して最後にフィリピンに行って、22年ぶりに、この、ここ(パラセル諸島の東側)フィリピンですが、フィリピンに、アメリカ海軍や空軍を、展開することに合意しましたよね。で、その、合意は、こないだですけれども、つまり去年の秋ぐらいからベトナムはその動きを察知してました。ということは現実主義のベトナムから見たらですよ、中国は当面ここの、アメリカ・フィリピン連合に対抗しなきゃいけないから、当面はベトナムと手を結んだんだと。つまりベトナムは、中国も現実主義があると思ってたから、現実的に考えたら、とりあえず中国は、目の前のベトナム、我々とは手を結び、そしてアメリカとフィリピンの連合軍に対抗していくんだ、しばらくは大丈夫だと思ったところへドーンと中国が、石油掘削を理由にして、えー、力を出してきたっていうことなんですね」
岡安譲
「油断の理由はよく分かります、確かに」
青山繁晴
「はい、だから、皮肉な妄想と現実のぶつかりになってるんですけれども、でも中国という国は、その、妄想が根っこにあって、したがって、はっきり言って自ずから失敗は、明らかなんですけれども、でもその妄想を、その、何も考えないでやるんじゃなくて、妄想を実行する時、したたかなやり方でやるんですね。というのは、今回、無茶なやり方で出てきたように見えて、実は、やるならば、その妄想を実行したいならば、このタイミングしかなかったんです。なぜかというと、これです」
村西利恵
「緊迫する南シナ海の真相。今は、誰も出てこられない」
青山繁晴
「はい。誰が出てこられないのか。はい、まず出して下さい。まず1人目。まずアメリカですね」
村西利恵
「アメリカですが、フィリピンとの連携で手一杯」
青山繁晴
「はい。これ、実は、軍事っていうのは、準備が非常に必要なんです。はい。例えば、フィリピンで、22年ぶりに海軍・空軍を展開するってことは、事情がよく分からない将兵ばっかりですから、演習も共同で課さなきゃいけないし、機種の使い方も習熟しなきゃいけないと。軍用機とか軍の船ってのは厳しい動き方するんで、事故ばっかりになっちゃいますからね。だからアメリカは当面、もうフィリピンと連携すると決めた以上は、当面出てこられないんですよ。そして、じゃあ2人目のプレイヤーは誰か」
村西利恵
「日本、ですが、日本はまだ、『神学論争』の真っ最中」
青山繁晴
「これ、今の集団的自衛権(の行使容認をめぐる憲法解釈の見直し)の話です。で、これ集団的自衛権に賛成・反対っていう問題以前に、自衛権、ね、国が自分で自分を守る自衛権の中に、個別も集団も含まれていますから、自衛権を認めるかどうかの話なんですよ(一同同意)。それをわざわざ、本当は世界の学者でもあまりやらないようなことを、国会とか与党の中で、神学論争をくり広げてる最中ですから、これまず、プレイヤーが日本って出ただけで、視聴者の方、驚かれる方もいらっしゃると思うんです。日本はそんな、南シナ海に手を出したりしない、違います。手を出すんじゃなくて、アジアの大国として本当は責任があるんですが、とてもじゃないけどそんなことにいかなくて、日本の国内の、しかも自公両党のせめぎ合いっていう、ちっちゃな話の神学論争になってるから、まだまだ日本は、責任を果たすような段階じゃない。はい、3つ目、見て下さい」
村西利恵
「ベトナムなど、ASEAN諸国はいずれも、海軍弱体」
青山繁晴
「はい。これは、先ほど、中越戦争の話しました。ベトナムは勝ちましたが、それは陸戦であって、陸上の戦いでベトナムは、まずフランスを、駆逐し、ね、植民地にしてた、ベトナムを植民地にしてたフランスを追い出し、代わりにやって来たアメリカに打ち勝ち、アメリカはおかげで建国以来初めての敗北を喫した。ね。えー、そのあと、中国にも打ち勝った。でも全部陸の戦いなんですよ。海軍は未だに、ベトナムは極めて連携で、僕は記者時代に、海上自衛隊の幹部にベトナムと連携すべきだと、やがて中国は海に出てくるから連携すべきだと言ったら、当時の海上自衛隊の将軍は僕に、あんなボートしかないような海軍と手を組むのかと、手を組めと言うんですかあなたは、って言われたんですね。で、その時よりは少し改善してきたけれどもいずれも、ベトナムだけじゃなくてASEAN諸国は海軍が弱体なんで、これ例えば、中国に対抗してベトナムの海軍力や、こないだそれから、ASEANの首脳が集まって、ミャンマーが議長国で、中国と仲いいはずのミャンマーも、中国を非難する声明出したけど、口だけなんですよ。その、海軍が連携して中国に対抗するってことはできません。そして最後に極めつけ、出てこられないのはこれです」
村西利恵
「国連は、常任理事国は“やりたい放題”」
青山繁晴
「国連というのは国同士で不当なことがあったら、それを諫める機能があるはずが、ところが、戦争に勝った国で大きな国の、5大国、アメリカ、ロシア、フランス、イギリス、そして中国、本当は中華民国だったんですが、そのあと中華人民共和国、入れ替わってしまって、その常任理事国、5大国は、国連が何を決めようとも拒否権を持ってて、だから、常任理事国が悪さをした時には、何にもできないっていう、大欠陥を持ってるわけですね(一同同意)。で、しかも中国はしたたかですから今回海軍の船が混じってたり、それから頭の上を戦闘機が飛んだりするんだけど、前面に出てくるのは、海警って言って海上保安庁レベルですから。国連はやっぱり軍事行動について反応するんで、反応しにくいってこともあって、見事に、誰も出てこれないんですよ。じゃあこの先、出てこれる可能性があるのはどこかというと、アメリカに見えるでしょうが、違います。オバマ大統領がいる限りはアメリカはほとんど出てきません」
岡安譲
「弱腰ですもんね」
青山繁晴
「はい。ということは、責任を果たさなきゃいけないっていう意味で考えると、もともとアメリカはそもそも、アジアの国じゃない。ね。アジア・太平洋って言えばそうだけれども、アジアの、一番責任ある国は、実はわが日本なんですよ。従って、南シナ海で戦争が起きないように、先ほどの自衛権の問題も含めて、自分のことだけ良ければいいんじゃなくて、アジアの平和を守る役割を、本当は果たさなきゃいけない。それは、国連を改革するって意味でも、アメリカ除けば日本が一番お金も出してる。私たちの税金で、国連を運営してるに等しい面もあるんですから、日本はそういう責任を果たさなきゃいけない。それが、実は、根っこの根っこなんですよ。ところがその日本では、日本国内で足を引っ張る、日本がそういう責任を果たさない国のままでいた方がいいっていう、この、ものすごい足の引っ張りがあって、申し訳ないですが、それが、その1つが、これです」
村西利恵
「それが、このマンガ『美味しんぼ』問題」
青山繁晴
「はい。これは、例えば1つのマンガ、あるいは1つの、原作者や、マンガ家を非難するためにこれから話すんではなくて、こういうマンガが出てきてしまう根っこには何があるかっていうことを、皆さんと、公平に、具体的にこのあと考えたいと思います。それに向けたキーワードは、これです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『安倍総理にも責任あり』。一体どういうことなんでしょうか。このあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
岡安譲
「まあ人気マンガだけに広げた波紋もまた大きかった『美味しんぼ』の問題。これ、青山さん曰く、安倍総理大臣にも責任があるということなんですが、どういうことでしょうか」
青山繁晴
「はい。このマンガが引き起こしてることっていうのは、もうご存知の方多いと思いますけど、ま、すごい簡単に言うと、例えばこういう主人公が、福島第1原発を1回視察に言っただけで、これべっとり鼻血が出て、それが被ばくのせいであろうってことが、描かれてるわけですけど、これは科学的にあり得ないって批判がいっぱい出てるけど、そんなレベルじゃなくて、全くの妄想としか言いようがないんですね。本当の基準は何なのかってことを、まず見て下さい」
村西利恵
「こちらは放射線医学総合研究所が作成した、放射線被ばくの早見図の一部です」
青山繁晴
「はい。これ、この早見図に対して、異論反論っていうのは世の中に存在してない、世の中っていうのは、専門家の中には存在してません。ま、これ本当はこっち(1ミリ以下)もあるし、こっち(1000ミリ以上)もあるんで、まあ、分かりやすく一部には、してあるんですが、まずあの、視聴者の方に理解していただきたいのは、福島原子力災害が起きてから、いや、放射線障害の、問題については、学者の中でも、いろんな意見があって、まだ定説がないと、いうふうによく言いますよね。例えば著名なジャーナリストの田原総一朗さんも、それをくり返していらっしゃいますが、それは事実に反します。その、意見が、いっぱいあるのはもちろん他の分野でもそうであって、しかしこの、放射線被ばくの問題、あるいは放射線障害の問題でも、どんなに意見が違っても、ここは変わらないって点はあるんですよ。それは何かというとこの100です。つまり、100ミリシーベルトを最低でも浴びないと、人間の体に、影響は確認できない。言い方を変えると、100ミリを超えないと人間の体に放射線は、悪影響を及ぼさないであろうということは、これは、意見の違う学者は、専門家はいないんですよ」
村西利恵
「もう分かってることなんですね」
青山繁晴
「はい。それどうしてかというと、これはあの、賛成反対とか、嫌い好きの問題じゃなくて、この、例えば10とか、10ミリシーベルトとか1ミリシーベルトで起きた例が、1回もないので、それは他の意見を言いようがないわけですね。で、だからまず、この、100を超えるかどうかが基準になって、そして福島で言うと、1回、福島第1原発に行ったなんて人じゃなくて、住んでらっしゃった方で、一番多く被ばくされた方で、23ミリシーベルトから24ミリシーベルトぐらいの、ここ(図を示す)なんですね。で、じゃあ、その、もうこれで100よりはるかに少ないですから、そもそも住んでた方にもそういう影響は出ないし、これは国連科学委員会の報告書でもそうなってますし、ましてや1回、福島第1原発といえども、中に入っただけで鼻血が出るなんてことはあり得ないと。これはそこでも分かるんですが、もっと、掘り下げて言うとですね、じゃあ逆に、鼻血が出るような、放射線障害はあり得るのか。あり得ます。例えばチェルノブイリは未だに、起きた、事故が起きた時、ソ連だったこともあって、情報隠しが行われたんで全部はっきり分からないけど、おそらく鼻血を出しながら亡くなった、例えばウクライナの兵士がいる。いま話題のウクライナですが、当時はソ連の一部で、チェルノブイリ原発はウクライナにあります。で、僕はウクライナに行った時に、当時の陸軍の将軍から、そういう話を聞きました。謎の出血もあったし、たくさんの兵士が、わけも分からず死んでいったということを、聞きました。で、その、そういうことが起きるのはどういうレベルになった状態かというと、少なくとも、500ミリシーベルトは浴びないといけません」
村西利恵
「うーん」
青山繁晴
「500ミリシーベルトを浴びると、僕らの血液の中の、血小板の数が減る、可能性っていうのは、これはだいたい100人に1人ぐらいです。100人の方が500ミリシーベルトのこれ、すごく大量の放射線ですが浴びた場合に、100人のうち、1人、だけが、1人程度ぐらいが、血小板の数が減る。血小板の数が減るってことは血液が、固まりにくくなる。したがって、例えば、鼻の中で何か傷が付いた時に、それが普通だったら固まって、それで止まるんですけど、それ鼻血として出てきてしまう。で、いま話している僕の立場を言いますと、僕の本業のひとつが危機管理です。で、その中の柱が、原発のテロ対策です。原発のテロを北朝鮮などが起こさないようにするということに加えて、もし起きてしまった時に、被害を最小限にとどめるにはどうしたらいいかが、僕の本来の実務の仕事なんで、放射線が、人間に及ぼす影響っていうのは僕の専門分野のひとつです。私は医者じゃありませんけれども、危機管理の立場から、そういうことを長年、携わってまいりました。で、これは世界の常識であって、いや、世界の学者の常識であって、さらに言うとその倍の、1000ミリシーベルトを超えないと、超えて初めて、多くの人の血液に異変が起きて、鼻血が止まらない人も出てくるっていうのは、実に、1000ミリシーベルトまでならないとそうならないんですよ。ということはもう1回言いますと、福島の地元の方で、最大で23、24。で、多い方でもだいたい10前後です、ね。だから、もう一度言いますが、マンガに出てくるような1回、福島第1原発に入ったからといって、鼻血が出るなんてことはあり得ない。えー、しかしマンガには、実在の人が出てきて、いやいや出るんだと、言ってる方がいます。はい、それは何かというと、これです。この方です」
村西利恵
「福島県双葉町の、井戸川元町長、前町長ですね」
青山繁晴
「はい。双葉町、は、大熊町と並んで、福島第1原発の文字通り地元の町です(一同同意)。で、そこの町長までなさった方が、自分は鼻血が出る、それは、被ばくしたからだと、おっしゃってる。それがこのマンガの、いわば妄想を支えているんですが、井戸川さんは前町長になってますが、これ、町議会から全会一致で、不信任決議を突き付けられて、もめた挙げ句、自分でお辞めになった方です。で、それをどうこう言うつもりはありませんが、少なくとも、井戸川さんが鼻血が出ようと出まいと、関係ないです。それはどうしてかというと井戸川さんが鼻血が、出て、それを医師が、少なくとも1人以上の医師が、これは被ばくと関係がある恐れもあると、言ってるなら別ですが、そういうことは一切なくて、ご自分でお考えになってそれをお話になってる(一同同意)。もちろんそれは表現の自由で、それをマンガにするのも表現の自由です。そして公権力がそこに介在する話をしてるんじゃなくて、僕もこの『アンカー』も表現の自由に基づいて、いま、批判、指摘をいたしています。したがって、僕も物書きのはしくれですけれども、例えば物書きの立場から言うと、この、前町長っていう肩書きをいかにも、使って、そして鼻血が出るということと被ばくとの、関連を、この町長、前町長が語っていないのに、あたかも地元に重大な証言があるかのように言ってるっていうのは、これは、恥ずべき行為だと、思います」
岡安譲
「何の因果関係も言ってないですもんね、そのマンガについ…、マンガもそうですけれど、町長(前町長)自身が」
青山繁晴
「はい、ちょっとよけいなこと言いますとね、この『アンカー』の視聴者の方には、覚えてらっしゃると思いますが、僕は事故直後に、2011年4月22日、福島第1原発に入りました(一同同意)(11/4/27放送分参照)。今よりはるかに線量高かった。このマンガに出てくる状況よりもはるかに、線量は高かったですが、鼻血は全く出ませんでした。ちなみにしかし僕、この僕は、その同じ自分が、昭和天皇が崩御なさる時に、天皇陛下の吐血、下血がある間ずっと鼻血が止まらなかったんですよ。それを小説に実は書きましたけれども、あれは本当は実際に起きたことで。だから鼻血というのは、その、いろんな原因で起きるものであって」
岡安譲
「ええ、ええ、そうですね」
青山繁晴
「少なくとも福島第1原発に線量が高い時に入った、私には、と、入ったあとの僕には、鼻血など起きてないんですよ。だから、どなたに鼻血が出た出ないじゃなくて、その鼻血の原因が解明されないと、本来の表現の自由を使って、書き物に残すべきじゃないと思います。但し、さあここからなんですが、このマンガの原作を書かれた方とかマンガを描いた、そのマンガ家の人とか、あるいは出版社のことを言ってるんじゃなくて、但し出版社はですね、これ有名な言葉があって、危険は売れる、安全は売れないってあるんですよ。貶める話の方が売れる。特に日本ではそうなんですね。で、それが出版社の背景に、ある恐れは、指摘しておきます。但しもう一回言いますが、出版社も含めて、もっと大きな、社会的背景が実はあるってことを、公平に考えなきゃいけません。これ2つあります。1つはこれです」
村西利恵
「このような漫画が出る背景、その1。IAEAのフローリー事務次長は、福島第1原発事故“レベル7”という評価に対して、『チェルノブイリ事故とは構造や規模の面で全く異なる』と、2011年4月に発言しています」
青山繁晴
「はい。これ思い出していただくと、2011年4月、つまり、3月11日から事故が始まって、菅直人さんが総理の時ですよね。で、菅さんがリーダーシップをとって、その、チェルノブイリ原発、この、IAEAの基準があるんですが、それ今まで、そのチェルノブイリだけが7だったんですね。これ、0(ゼロ)から7まであってですね、4以上が初めて事故なんですね。例えば関西電力で美浜の事故ありましたが、それは実は0でした。0プラス。で、4以上が原発事故なんですが、5がスリーマイルで、7がチェルノブイリだったわけです。で、日本側からむしろ提案をして、その、チェルノブイリと同じ7にしてくれと」
村西利恵
「日本側から」
青山繁晴
「はい。で、その連絡があった時に、このIAEAのフローリーさんって、この真面目な人ですけど、事務次長が、ちょうど記者会見中で、それ日本側からその提案があったと聞いた時にびっくりして、え、チェルノブイリとは、福島は全く、事故の中身そのものも、規模も、つまり人の被害とかそういうのも、あるいは、出ていった放射線量とかそういうものも含めて、全然違うじゃないかと、いうことを言ったんです。ね。言って、フローリーさんそのあと色々やわらかい言い方に変えたけれども、実は、僕はIAEAは仕事で付き合ってますから、国際原子力機関ですね、IAEAの内部でずいぶん、意見があった。つまり、全然違うものを同じレベルにしてって言うのはおかしいじゃないかと。その時に、すみません、これは僕の個人的見解ですけど、壁になったのがこの人です」
村西利恵
「天野事務局長」
青山繁晴
「IAEAの、天野之弥(ゆきや)事務局長、これ日本の外務官僚が、初めてIAEAの、事務局長という、栄誉ある仕事に就いたんですが、この、天野さんがそう発言したとは聞いて、(言い直し)そこまでは言わないけれども、いずれにしても、日本人が初めて事務局長やってる時、日本の事故はもっとレベルが下だと言ったら、その、事務局長が日本を庇ってるようになって、事務局長の立場がないと、いうこともあってですね」
村西利恵
「そんな理由ですか」
岡安譲
「保身ですか」
青山繁晴
「そんな理由だけとは言わないけれども、僕がIAEAの当局者たちに、複数の人に聞いた限りでは、実はそういう配慮も動いたと。で、そのままになってるわけです。で、天野さんも含めてそのあと本当はどういう提案あったかというと、ここに(レベル7より上の)8っていうのを作りましょうと。日本を動かせないんだったら、チェルノブイリを動かして8にしましょうと。そしたらIAEAの中から、それいい加減にしろと。ね。そんなやり方おかしいっていうので、結局いま、こうなってるわけですよ」
村西利恵
「でもそのぐらい2つの事故は、規模が違うということですね」
青山繁晴
「違う。違うと同時にですね、これ本当はいま、天野さんやフローリーさんの話をしたけれども、本当に誰がやんなきゃいけないかというと、安倍総理じゃないですか。安倍さんから、これ違うんだったら違うっていうふうにIAEAに問題提起をして、協議してもらわなきゃいけないですよね。えー、ところがですね、チェルノブイリと福島がどんなに違うかっていうのは例えば、これを見ていただくと分かります。はい、出して下さい」
村西利恵
「福島原子力災害の真実。福島県の県民健康調査課によると、『被ばく検査を受けた一般市民は大勢いるが、死亡した人や、放射線障害で治療を受けた人は確認されていない』」
青山繁晴
「はい。これ、地元の県庁の健康課に確認した話なんですが、まず亡くなった方というのはですね、福島原子力災害のおかげで亡くなった人がいないって言うんではないですよ。福島原子力災害が起きて、無理な避難を強いられて、そのために亡くなった方は、多くいらっしゃいます。これを、災害関連死と呼んでます(一同同意)。ね。このことは絶対軽視しちゃいけない(一同同意)。しかし同時に、この場合は、あのマンガに関して言うと、災害関連死のことを言ってるんじゃなくて、直接的な被ばく、放射線障害による、その、人の健康のことを言ってるんですね。放射線障害で死亡した人は、ゼロです。チェルノブイリはたくさんいらっしゃいます。それどころか、福島では、放射線障害で、治療を受けた人すら、いないんですよ。役人は、確認されていないって言ってますが、確認されてないってほんとは要らない。(治療を受けた人は)いないんです。これは例えば、僕は福島第1原発に早期に入ったから、英国の国営放送BBCが何度も何度も僕に会いに来て、調べてみたら、1人、治療を受けた人がいると。ね。1人だけはいるとおっしゃったんで、それは本当は自衛官なんですよ。自衛官が、この足がですね、熱いところに当たって火傷したんですよ。火傷したけど、福島第1原発での火傷だからいちおう、専門病院に送っていったら、それ単なる火傷で、放射線障害はなかったから、自宅に帰って今は部隊に戻ってます。治療受けた人すらいない。チェルノブイリは、たくさんの人が実際に放射線障害で亡くなってる。一体これが、同じなのかということなんですね。だから当然これは政権の責任として、これマンガとかの話以前に政権の責任としてやってないから、チェルノブイリと同じ、チェルノブイリ(と同じレベル7)だったら鼻血も出るんじゃないかという、まんまとそれを利用されて、ああいうマンガになってしまうということが起きました。はい、時間なくなってきましたがもう1つはこれです」
村西利恵
「あのようなマンガが出る背景その2。今の福島の除染の目標、『年間1ミリシーベルト以下』。これに対して、IAEAは、“基準が厳しすぎる”と、去年10月に報告を出しています」
青山繁晴
「これは、福島が、同じ被災地の、東日本大震災の被災地って意味での福島が、他の東北の県に比べて復興が遅れてるってのは皆さんご存知ですよね。それはどうしてかというと除染が終わらないから。除染が終わらないからなかなかみんなが帰れない。その、じゃあその除染が終わらないってのは目標クリアできない。目標ってのは何なのか。例えばこの東大の、小佐古先生が、大泣きをされた。もっと厳しくすべきだと。年間1ミリシーベルトとにすべきだと、言われましたよね。しかし年間1ミリシーベルトって、さっきの表を思い出していただくと、実は、ものすごく、小さな数字になっちゃってるわけですね。で、この根拠は何かというと、さっき言いました基準は100ミリシーベルトですね、人間に悪影響与えるのは。その100ミリシーベルト、そこに人間が100年生きるとする。100年生きるんですか。僕は生きません。ね。僕は間もなく死ぬと思いますが、でも100年生きると無理に設定して、100割る100は、1なんですよ。だから例えば、70年しか生きなかったら、もっと数字は変わるわけですよね。でも、100年としちゃったから年間1ミリシーベルトにしなきゃいけないっていう、これ科学とも言えない話が、日本では定着してしまってるんですよ。で、IAEAがびっくりしてやって来て調査団が、これ、マスコミの報道だったら、基準は厳しいって報道された。厳しい基準ってのはいい話じゃないですか。違います。IAEAが本当に言ったのは、安倍総理にも直接言ったのは、厳しすぎますと」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「なぜかというと、日本でいうと熊本県や大分県や三重県は、自然に、年間1ミリシーベルトより高いですよ。ね。他にもあります、そういう地域は。じゃあ一体この基準は何なのか。それだったら、福島の復興はないじゃないかってことを指摘して、せめて世界の常識の、一番厳しい話でも20ミリシーベルトに、以下にしないといけないと。これを安倍政権は、しかし、IAEAの、この申し入れも、はねつけてしまって、変わってないから、何が起きてるかというと、これが起きてるんですよね」
村西利恵
「除染基準を適正にしないと、子どもたちが福島にちゃんと戻れない」
青山繁晴
「はい。これは、福島のお父様、お母様、おじいちゃん、おばあちゃんにしたらですよ、その、政府が、お上が1ミリシーベルト以下にならないと除染が終わらないと言ってる。ね。それいつまでも終わらないんだったら少なくとも子供たちは帰したくない。ね。帰った子供たちもたくさんいますが、でも帰れない子供たちもいる。皆さん、阪神淡路大震災で、神戸や淡路に、子供がみんな戻って来なかったら、今の復興がありましたか。だから実は、このマンガのことだけをとらまえて、閣僚は、次々批判するだけで終わらせるんじゃなくて、実は、安倍政権といえども、世論におもねて、世の中の空気におもねて、なるべく批判されないように、例えば除染の基準も、そのままにしておき、IAEAの基準(指摘?)もそのままにしておき、そして除染が利権になってる。ね。除染いつまでも終わらないならいつまでも儲かる話にもなるわけですから。ですから、もう一回言います、ひとつのマンガだけを問題にするんじゃなくて、それが生まれる社会的背景を、これを機会に私たちよく考えるべきで、そういう日本に変わっていったら、アジアに対する責任も果たせる。だから南シナ海と『美味しんぼ』は、意外なところで根っこはつながってるってことを、あくまで僕の、いち問題提起です。皆さんと一緒に今後も考えたいと思います」
岡安譲
「はい、ありがとうございました。以上、青山さんの“ニュースDEズバリ”でした」
____________________________内容紹介ここまで
『美味しんぼ』問題については1つ前の記事で書きましたが、その後の様々な動きや情報から2点だけご紹介。
福島民報朝刊に宿泊キャンセルの記事が。これによると、キャンセルは二件。関東からの家族と25〜30人の高校生の団体の模様。これ以上波及しないように祈るのみ。 pic.twitter.com/PTL8omBitE
— コダック@オバ方さんNo.4 (@koduck_psyduck) 2014, 5月 13
ザ・ボイスで美味しんぼ問題について宮崎哲弥さん「同じ小学館のビッグコミック5/12発売号(美味しんぼはスピリッツ)の『そばもん ニッポン蕎麦行脚』を読んでほしい。ちょうど会津編、原発の放射線の影響問題をやってる。素晴らしい内容」 参考 http://t.co/TuLaRwfwfB
— くっくり (@boyakuri) 2014, 5月 13
そもそも、そんなにも危険があるならば、キャロライン・ケネディ大使も福島第一原発にわざわざ入らない(入らせない)でしょう(NHK 5月14日 18時36分)。
さて、今週も告知。
青山さんが最近ブログで「アンカー」と視聴率についてお話しされています。
青山さんの引き続きの番組ご出演を願う皆様、時々でけっこうですので、関西テレビにご意見をお寄せ下さい。
http://www.ktv.jp/goiken/
関テレ側にご意見するのとは別に、ギモズバ!用のメールアドレスに、ニュースの疑問(青山さんにコーナーで解説してほしいニュースなど)を送ることも、大きな力になると思います。
zubari@ktv.jp
※「ぼやきくっくり」「お気楽くっくり」はAmazonアソシエイト(アフィリエイト)に参加しています。拙ブログで実際に紹介している商品をクリックしてAmazonを訪問された皆様がすぐに購入されなくても、24時間以内にその商品や他の商品を購入されれば当方の報酬になる仕組みだそうです。「寄付」的にご協力いただければ幸いです<(_ _)>
この日の「アンカー」では他に以下のニュースで青山さんの解説がありました。
・若田光一さん地球に帰還 「地球はかけがえのないふるさと」
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、こころが風邪をひいたらさんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらをご覧下さい。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・こころが風邪をひいたら
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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