<< 【東日本大震災-12】外国人から見た日本と日本人(36) | main | 日本よ、これが韓国だ >>

「アンカー」経済の夢破れて尖閣狙いの中国が領海と領空の同時侵犯へ!?

【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■3/20放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”

本格始動、習近平国家主席率いる中国新体制…安倍政権の対中外交を青山解説

130320-14buki.jpg

 ヨーロッパから帰国したばかりの青山さん。
 まずはメタハイのメタンガス産出試験「中止」の理由について。
 メインテーマは習近平国家主席率いる中国の新体制。
 尖閣を狙う中国に対し、安倍政権が現在取ろうとしている戦略とは?
 中国の武器輸出戦略、日本の武器輸出三原則見直しについても。
 この日は祝日だったため、ふだん放送を見ていない企業の人たちへのメッセージも込められています。
 
 間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
 画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。

※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。
画像を利用される方は、直リンクでなく必ずお持ち帰り下さい。当方のサーバーへの負荷軽減のためご協力のほど宜しくお願いいたします。「直リンク」の意味が分からない方はこちらをご覧下さい。現在、直リンクされても画像が表示されない措置をとらせていただいています。



 内容紹介ここから____________________________

山本浩之
「さ、このあとは、青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーに行きたいと思います。今日はどのような話題でしょうか」

青山繁晴
「はい。あの、激しく怒ったあとなので(笑)(直前のニュースが「福島第一原発で冷却再開 仮設配電盤に焦げた跡」だった)、あの、えー、ま、頭切り替えてお話ししますけれども、えっと、実はあの、今回も日帰りみたいな感じでヨーロッパに行ってきました。土曜日の夕方に、まずスイスのチューリッヒ空港に着いて、1日はさんで月曜日の朝には、チューリッヒからまた飛行機に乗って、えー、皆さん正直に言いますと、昨日、火曜日に毎週、この『アンカー』のこのコーナーのために、スタッフの方々と激しくバトル、議論をする場をやってるんですね。で、そこで揉んでから今日のこのコーナーになるんで、どうしても、昨日帰ってきたかったので、無理な日程でも、帰ってきました。ちょっと、あの、前のニューヨークの時差ボケの上に、さらに時差ボケが覆うようにして、悪い頭がよけい悪くなってる状況なんですが(一同笑)、但し今回のヨーロッパでも非常に印象に残ったひとつは、アベノミクスと安倍総理に対する強い関心が、ずーっと続いてるっていうか、さらに高くなってて」

山本浩之
「ああー、そうですか」

青山繁晴
「あの、行ってる間ヨーロッパのキプロスの危機っていうのも、起きたりして、だからよけいにやっぱりアベノミクスに対する、関心っていうか期待の高さを感じたんですね。ところがですね、残念ながらヨーロッパの有力な新聞、あるいはテレビ報道で、その、アベノミクスっていう言葉は出てきたりして、僕はおおーってまた思ったんですが、残念ながら安倍さんの顔写真とか、そんなの出てこないんですよ。映像なしで、終わっちゃうんですね。で、くり返し映像が、そのヨーロッパでも流れてた人たちがいて、それがこのお二人なんですね(フリップ出す)」
 
山本浩之
「ああ、こっちですか」
 
130320-01ShuuRi.jpg

青山繁晴
「はい。やっぱり中国の方で、えー、皆さんご存知の通り、全人代、全国人民代表大会、日本の新聞はもう、お優しいから、これを日本の国会にあたると言ってるけども、ほんとは国会みたいに、丁々発止の議論をするんじゃなくて、シャンシャン大会ですけど、大事なことは、10年に一度の政権交代がこれで完成して、新しい国家主席に習近平さん、そして新しい総理に李克強さんていう、2人が、就任した。で、特にこの李克強さんは、この全人代でいわば、公には初めて登場した形になりましたから、フィナンシャルタイムズとかそういう新聞に、李克強さんが笑ったり下向いたり、ちょっと皮肉っぽい顔したり、そういう七変化みたいな写真までずっと並べて、いたんですね。で、これは、その中国の経済力が強いというよりは本当は、この2人の体制で今後中国は大丈夫なのか。そして隣国の日本、アベノミクスで盛り返しつつあるように見える日本が、これからこの中国に今後の10年間、安倍政権の数年間だけじゃなくて今後の10年間、どうやって向かい合っていくのかっていうのを、今回ヨーロッパの人々が非常に、我が事として、捉えてる、つまり世界の関心事であるってことを改めて感じたんです。今日、春分の日で、普段この『アンカー』見れない、企業にお勤めの方々も、たくさんいらっしゃると思います。その企業の多くが中国と今、ビジネスで関係お持ちだと思います。それも含めて、じゃあ中国はどう変わり、それに対して日本はどう向かい合っていくのかを、今週も具体的に一緒に考えたいと思います」

山本浩之
「キーワードは?」

青山繁晴
「あ、はい、そうです。(忘れてた)…やっぱり…(笑)」

山本浩之
「やっぱりちょっと時差ボケがあるから(笑)」

青山繁晴
「ダブル時差ボケで(笑)」

山本浩之
「大丈夫ですよ、まだ」

青山繁晴
「えー、キーワードは、これです(フリップ出す)」

130320-02frip.jpg

山本浩之
「『夢破れて、尖閣狙い』」

青山繁晴
「はい。刺激的なキーワード、かもしれませんが」

山本浩之
「分かりました。この言葉の意味は、コマーシャルをはさんでの、解説です」

(いったんCM)

山本浩之
「新体制になった中国はどのように変化するのか。日本にはどう影響するのか。さっそくお願いします」

130320-03title.jpg

青山繁晴
「はい。皆さん中国の、特に経済と外交どうなるかを今日見ていくんですが、その前にその中国も、すごく関心を持って見てる日本の重大なニュース1個ありましたので、これをまずやりたいと思います。出して下さい」

130320-04meta.jpg

村西利恵
「それが、国が進めていた海底メタンハイドレートのメタンガス産出試験が、おととい(3月18日)、突然中止されました」

青山繁晴
「はい。これ先週に、このオレンジ色の炎を、日本の全く新しい希望として紹介したばかりですね。で、それは、この太平洋の、愛知県、三重県、両県沖の、この太平洋の海の底にある、メタンハイドレート、メタンが凍って氷になってるもの、燃える氷ですね。で、それを、ガスを取り出して、上にあげてきたから、ちきゅう号っていう、科学船の後ろから炎が出たわけですけど。それが、もう、2週間やる予定だったのが、一昨日、5日目でもう中止になってしまったんですね。で、このことは、やっぱり関心お持ちだと思いますが、これで全然その、絶望というわけではありません。そもそも、このオレンジ色の炎が示したように、日本にメタンハイドレートっていう自前の資源が、これからいろいろ技術的な難しい問題はあっても、私たちは確実にそれを実用化していくんだってことが、国民のいわば、共通の意識になっただけでも、本当は、予定より早く中止しても十分意味はあると思います。但しですね、この中止になった理由について、経済産業省を中心とした政府は、ま、第二次安倍政権ですね、この今の政権が説明してるのは、まず天候が悪くなりそうだと。ね。で、それから、たとえばポンプがちょっと不具合になったと、いうようなことも言ってるんですが、そんなもん関係ありません。天候は、もちろん良くなったり悪くなったりしますから、そんなものを主な理由に掲げるのはおかしい。そうじゃなくて、もちろん隠してるわけじゃないけど、さりげなくそこに3つめの理由が入ってるんですが、それはこの見ていただいてるこの、要するに管ですね。管が、詰まっちゃったんですよ」

130320-05kuda.jpg

青山繁晴
「それ何で詰まったかというと、砂で詰まった。ね。で、何で砂で詰まったかというと、ここのメタンハイドレートは、もともと、メタンハイドレートの分子が、分子レベルで砂と、もう非常に細かい状態でいわば、濃厚に混じり合ってしまってるから、それを分けて取り出して取り出してっていうふうに、やったからガス化に成功したけど、やっぱりだんだん砂が混じってきちゃって、もともと砂と混じってるから、ここで詰まっちゃったってことなんですよ。それはどういうことかというと、太平洋側のメタンハイドレートのタイプは、砂と混じり合ってるタイプのメタンハイドレートは、なかなか、必ず、必ず実用化に向かっていきますけれども、なかなかまだまだ難しいっていうことなんですよ。従って、これが意味する本当のところは、これですよね」

130320-06nihonkai.jpg

村西利恵
日本海の開発が加速する必然性

青山繁晴
「はい。これが、さらに国民に向かって明らかになったということです。なぜかというと、この絵がもし日本海の側だったら、もちろん日本海だけじゃなくて、和歌山県沖のように、和歌山県の熊野灘沖のように、太平洋側の一部にもあるんですが、主として日本海側にあるメタンハイドレートは、全くタイプが違ってて、砂と全く、いや、砂と混じってんじゃなくてですね、きれいな結晶状、塊のままで、つまり外に泥はついてたりするけれども、基本的には塊のまま、この海底に露出してるか、海底の浅い所にあるんですから、こういう(太平洋側のガス産出試験の)中止を考えても、日本海側の開発・研究を加速する必然性がこれでよく国民に伝わったっていうことです。むしろ、そういうポジティブな面を今回のニュースで見ていただきたいと思うんですが。実は中国も、この日本のメタンハイドレートには非常に関心が強くて、そしてそもそも海洋資源の開発に中国は熱心で、そのために海洋権益をこう拡大しようとしてるんですね。それで尖閣諸島とも、ま、あの、ぶつかる形になるわけですけれども。じゃあその中国の話に戻ってですね、中国でどういうことが始まってるか。もう一度これを見て下さい」

130320-07zenjin.jpg

青山繁晴
「そして、さっき言いましたとおり、全国人民代表大会」

村西利恵
「終わったばかりですね」

青山繁晴
「はい。終わったばかりなんですが、これ中国の国会にあたると言われてて、もう一回言いますが議論はないんですけど、でも、こういう偉い人がいろいろ、その、演説をなさるわけです、それも長時間の。で、中国ってのは基本的に情報閉鎖、情報を出さない国ですから、そういう表に出た演説から、その、裏を、あるいは背後、水面下を読み取る作業ってのが、とっても大事なんですね。で、いつも言ってる通りそれは専門家の仕事だけじゃなくて、普通に、生活と仕事の合間にニュースをご覧になってる視聴者、国民の方々でも、必ず気づくことができるヒントがあるんですね。で、残念ながら日本の報道にはそういうことがあんまり出てこないんです。今回も習近平さんや李克強さん、つまり新たに権力についた方々の話は、あれこれ、たとえば腐敗を撲滅したいと李克強さんが言ったとか、いうことばっかり出てくるんですね。それは日本だけじゃなくてさっき言いましたヨーロッパの、有力紙でも、そっちの方ばかり強調されてたんです。ところが、実はそうじゃなくて、今後中国がどうなるかの最大のヒントは、そうじゃなくて何と、辞めていく人、権力を失った人の話の中にありました。それはこれです」

130320-08onkahou.jpg

村西利恵
「今月5日の、全人代の中の政府活動報告で、温家宝前首相は、『我が国の経済社会の発展が、依然としてかなり多くの困難と課題に直面している』と話しました」

青山繁晴
「はい。これ、一瞬、当たり前のことを言ってるのかなと。つまり、困難や課題ってのはどこの経済にもありますからね。中国はこの10年、すごい経済力伸ばしたけど、でも課題はあるだろうから、普通に見えるっていう方もいらっしゃると思うんですが、これは実は、一番のキーワードっていうのは実はここなんですよね」

村西利恵
「『依然として』…」

青山繁晴
「この『依然として』。依然として、つまり中国は10年かかっても変わらなかったんだってことを実は言ってて」

山本浩之
「はあー」

青山繁晴
「それは何を意味するかというと、これです」

130320-09sippai.jpg

村西利恵
“改革に失敗”と明言

青山繁晴
「はい。これは、僕は、あの、フェアに申して、評価しますね。この、温家宝首相の政府活動報告、つまり、5年10年の、総括で言ってるわけですけど、これは勇気ある発言ですよ。なぜかというとですね、温家宝さんと、この上の国家主席の胡錦濤さん、これで辞めていくわけですね。で、胡錦濤さんは、いろいろ権力闘争をなさって、自分の権力を守るのに熱心だけど、温家宝さんは比較的それが少ない。ね。だからスキャンダルの暴露もやられた。で、今後、その、10年間の成果を誇っておかないと、何やられるか分かんない立場ですよね。しかもこの温家宝総理の方が、むしろ、経済に取り組んできたんですよ。中国がこの10年良くなったのはもう、経済、だけですからね。で、それを10年間誇る、誇ることもしましたよ? 独裁者ですから温家宝さんも。誇ることもしたけれども、いや実は、改革に失敗してるんだってことをですね、いわば、分かるように言ったわけですね。これは非常に重大なことであり、もう一度申しますが、僕は勇気ある発言だと思いますね。で、その中身についてはさすがの温家宝さんも独裁者ですから、それ以上言ってませんが、えー、これは、すごく分かりやすく言うとですね、中国は今までどうやって経済伸びてきたか。皆さんご存知ですね。それは、世界の工場として伸びてきたんですね。たとえばこういうワイシャツとか、ま、特に下着とか、その、あんまり、要するにいわゆる高級品でない、つまり、お金が、高級品じゃないっていうのは低級って意味じゃなくて、お金の安い、たとえば繊維製品は、メイドインチャイナがすごく多い。で、世界の工場って言ったら聞こえはいいけど、それは要は、今まで世界の下請けに甘んじてきたってことですよね。で、どうして下請けに甘んじて、経済良くなってきたかというと、それはあくまで中国は、人件費安い」

山本浩之
「そうですね」

青山繁晴
「そして人口が多いから、人件費の安い労働力はたくさんあるから、その、日本で作ったりアメリカで作ったりするより中国で、いわば下請けしてもらって作った方が、世界にとってもいいから、それで上手く回ってきたんですよね。ところがご承知のように、この中国の、経済発展のおかげで、皮肉にも人件費がどんどん上がってしまって、もう世界の工場でいられなくなってきたんですね。そして、世界の工場でいた10年間に、この温家宝さんが言った通り改革に失敗ってのはこれ腐敗とかそんなことだけ言ってるんじゃなくて、何に失敗したかというと、産業資本、を育てられなかった。産業資本ってのはちょっと難しい経済用語だけど、日本にはたくさんあるんですよ、この大阪にも、関西全体、東京にも。つまりそれは、自前の資本、民間が自前の資本を持って、その民間の経済で回っていくっていう仕組みですね。それを中国は、怠けて作れなかったんです。従って、世界の工場でいられなくなると、急に経済が困難になるわけですね。そして、皆さん、これは、あの、時々僕申してんですけど、世界ってのは面白いもので、あえて面白いと申しましたけれども、噛み合う時、歯車がガチガチガチッと噛み合って、それがドドッと世界の表に出てくるんですよ。それは、中国にとっても、今、目の前に見えてることは何かというと、これです」

130320-10chuunan.jpg

村西利恵
「コンクラーベで初の中南米出身のローマ法王が誕生。2016年、オリンピックがリオデジャネイロで開催。そしてベネズエラのチャベス大統領が死去。一見バラバラのニュースに見えますが」

青山繁晴
「中国の話してたはずが、コンクラーベはバチカン、ローマの真ん中にある場所、で、オリンピックの話、ベネズエラの話、バラバラだと思われるかもしれませんが、お気づきの方は多いと思いますが、全部、中南米の話なんですね(一同同意)。そして、たとえばチャベス大統領、あの、独裁者、力のある人でしたけれども、賛否両論あっても、はっきり言うと古い中南米のシンボルだった、それが、わずか58歳で意外な、癌による死去を遂げてしまった。そして同時に、法王、ローマカトリックの法王ってのは12億人を率いる人で、それが初めてアルゼンチン、中南米から出た。そしてオリンピックも、次のオリンピックはすでに中南米になってる。これは全部、何を意味してるかというと、これです」

130320-11koujou.jpg

村西利恵
世界の工場は、中南米へ移っていく

山本浩之
「なるほど」

青山繁晴
「はい。今の中国、人件費高くなったんで、当面バングラデシュとかそういうアジアの他の国々に行ってますが、やがてそれも高くなっていっても、そこで中国に工場が戻ってくるんじゃなくて、中南米に行っちゃうわけですよ。それは交通とITの発達もありますからね。そして中南米、南米大陸をこう全部覆っていくまでに、ま、10年、下手すると20年かかりますね。そして、中南米の人件費も上がると、今度はどこ行くかというと、アフリカに行くんですよ」

一同
「ああ〜…」

青山繁晴
「アフリカ、あの巨大な大陸に行って、また10年20年30年、下手すると50年。だからずーっと中国に、世界の工場は戻ってこないんですよ」

村西利恵
「なるほど」

青山繁晴
「従って、今、中国経済は、もう、突然と言っていいぐらいの、大混乱に直面してるから、次の国家主席の習近平さんの演説はこうなっちゃうんです。出して下さい」

130320-12yume.jpg

村西利恵
習近平国家主席は就任後初めての演説で、『中国の夢』という言葉を、9回繰り返しました

青山繁晴
「Chinese dream、Chinese dreamってアメリカでもけっこう、ヨーロッパでも報道されてるわけですけど、こうやって、いや中国はまだ夢があるんだ、夢があるんだと言いつつ、経済をどうするかってことは言えないんです。産業資本の育成っていうのは本当は、独裁政権と矛盾しちゃうから、共産党の改革開放もここで実は限界に来てるわけですね。従って、何をやるかというと、これしかないんです。はい」

130320-13gun.jpg

村西利恵
軍を前面に押し出すしかない

青山繁晴
「はい。要するに、これは習近平さんの演説でも何度も言ってますけれども、中華民族の復興というために、中国が、その主権を、いや、ごめんなさい、中国の主権を守ってくれるのはあくまで、戦争に勝つ、軍隊であるということを、何度も何度も言ってるわけです。従って、尖閣諸島にも、だから軍の影がどんどんどんどん出てくるっていうことになって、夢破れたら尖閣狙いっていうキーワードってのは実はそういう意味なんですね。そしてこれはたとえばですね、こういう注目すべき変化も生んでいるんです。出して下さい」

130320-14buki.jpg

村西利恵
中国の武器の輸出が、2008年から2012年の5年間で、アメリカ・ロシア・ドイツ・フランスに次いで、世界5位となりました」

青山繁晴
「はい。これ、武器の輸出っていうのはまあ、あの、要するに単価は高いんで、武器っていうのは基本的にですね。えー、その国にとって非常に大きなビジネスになる。で、中国は、その、経済がおかしくなってるから、その儲け口として武器の輸出にも力を入れてる。で、今までアメリカ、ロシアが極端に多くてですね、2つ合わせてだいたい6割ぐらいのシェア持っちゃってますが、3位何とドイツ、そしてフランス、このあとイギリスだったんですよ。イギリスを追い抜いて、世界の5位になったんですが、これ大事なことは、その、商売で儲けやすいっていうだけじゃなくてですね、中国の武器輸出ははっきりした戦略があって、要するに安い安い武器を、メンテナンスつきで、もうどんどん売っちゃうと。で、それどんどん買いますよ喜んで、安いから、あるいは、あの、メンテのサービスもついてるから。そうするとその国の武器体系が全部中国に筒抜けになって、中国に誰も抵抗できないっていうことになるんですよね」

一同
「う〜ん…」

青山繁晴
「で、それをアジア中心ですごくやってきて、たとえば、インドネシアは、つい最近まで中国製の武器は買わなかったのに、もう中国製の武器を入れる姿勢に転換しました。それを、あくまで中国製の武器は絶対入れないって言ってるのは、ベトナムだけなんですよね。で、こういうふうに中国は今までの世界の工場の経済でやっていけなくなったから、はっきり言うと、危ないビジネスという意味も含めて、そうやって、その、武器ビジネスで世界を支配しようとしていると。そういう事態になってきてるわけですね。じゃあこのあとは、当然それに対して、日本の新政権、ま、世界中がほんとにこれも『アンカー』で何度も言った通り惑星直列が起きまして、最後の日本も政権交代しました、その新しい安倍政権、第二次安倍政権が、この中国に対して、じゃあどうやって向かい合っていくのかっていうのを後半、お話しします。えー、そのキーワードは、これです(フリップ出す)」

130320-15frip.jpg

村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『呪縛を解き放つ』。中国の脅威に日本はどう備えるべきなのか。このあと詳しく話していただきます」

(いったんCM)

山本浩之
「さあ、中国の軍事的脅威に日本はどう備えるべきか。続きをお願いします」

130320-16title.jpg

青山繁晴
「はい。ここに、中国の新たな戦略に日本はどうするのか、安倍政権どうするのかっていうふうに書いてもらったんですけど、新たな戦略もさることながら、実は、中国共産党自身も、変えようとしても変えられない、続けるしかない戦略を、まず考えなきゃいけないんですね。それは何かというと、反日暴動を思い出して下さい。去年の9月に反日暴動があって、そしてそこから、日本だけじゃなくてヨーロッパの資本も中国から逃げていって、中国も、これ困ってんですよ。ところがですね、この反日暴動、尖閣の一件があったから、反日暴動あったと、当然日本で報道され評論家もそうおっしゃってるけど、そう考えるのは実は楽観論にすぎないんですよ。そうじゃなくて、中国共産党の政権の正統性、なぜ独裁を、こうやって経済が資本主義になってんのになぜ政治は独裁かって、その根拠は1個しかなくて、中国人民解放軍の前身のひとつの八路軍、ね、えー、もう字はいちいち書きませんけどこういうところが、こういう組織が、かつて第二次世界大戦中に日本軍と戦った、それだけが正統性の根拠になってるから、実は、その尖閣の一件があったからやむを得ず反日暴動になったんじゃなくて、何かの機会作っては反日を強調し、強調し、時々この2人(習近平と李克強)もやらざるを得ない。ずーっとそうなんだと。それを、今日、春分の日で、お家にいらっしゃるかもしれない企業の方にこそ聞いていただきたいんですけど、普段の視聴者とともに聞いていただきたいんですが、こういう中国の現状があっても、中国に進出するメリットがあるという所は、どうぞ進出をなさり、ね、そして、今はその撤退の時期じゃないかもしれない。しかしこの全体像を、つまり反日をずっとこれから強調していかざるを得ない、しかも中国経済は悪くなっていくからよけい反日を前面に出して、軍まで前面に出てきて企業にも介入していく、いったん進出したらなかなか日本に戻ることも難しくなっていく、その現実を、中国とのビジネスを考える上で、真っ直ぐ真ん中から、見ていただきたいと思います。その中でですね、実は日本の企業よりももっと露骨に、中国にずっと前から接近してる、国、その企業があって、たとえば重大なことが今、起きました。それはこれです」

130320-17heri.jpg

村西利恵
フランスの防衛関連企業が、中国にヘリ着艦装置を売却していたことが分かりました」

青山繁晴
「はい。えー、これ、朝日新聞の、日本では朝日新聞の特ダネなんですけれども、実はこれ公表されてるんです。このフランスの企業自体が、公表してるわけですね、自分のビジネスをですね。そして実は皆さんヨーロッパっていうのは、本来、1989年の天安門事件以来、中国に武器を輸出するなっていう、事実上の措置があるんですよ。ところがずっとフランスが、その禁輸措置をやめようやめようと言っててですね、特に前のサルコジ大統領は、もう中国とのビジネスも、すごく…」

山本浩之
「そうでしたね」

青山繁晴
「裏のつながりもあって力を入れてたわけですね。で、今回、今、オランドっていう政権に代わってですね、だから安倍さんは日仏首脳会談をやろうとしてるんですが、その矢先にフランスの防衛、ま、関連って書いてあるけど要するに防衛企業はですね、こういうものを売った。それ何かというとですね、要するに中国のヘリっていうのは技術が未熟ですから、特に荒れた海では、その、船から、出発したり降りたりができない。それを、この技術を使って、着艦しやすくなる。ま、いっぱい穴が空いててですね、そこからヘリからワイヤー入れて、そこで、つないで、その、パイロットや、その、船の上の係員が下手でも、その、とりあえず半固定にできるっていうね」

一同
「はぁ〜…ふ〜ん…」

青山繁晴
「そういう装置なんですよ」

山本浩之
「へえー、そんなんあるんですね」

青山繁晴
「これなかなか世界で評判いいんですが、これ、ちょっとこれは、すみません、仮定の話だけど、前の政権だったら黙って見てたかもしれないけど、実は現政権は、フランスのエルゼ宮っていう要するに、大統領のいらっしゃる所に直接抗議したんですよ。これ、そもそもEUの、対中武器禁輸と、違反するじゃないかと。そしたら、何とフランス側の返事はですよ、現在のオランド政権であっても、いや、中国に話聞くと、軍艦につけるんじゃなくて、海洋監視の船に、つけるだけだから、問題ないっていう返事を寄こしてきたんです。それが問題なんですよ。その海洋監視船、実は武装もできて、その船を、今、尖閣諸島に、毎日のように領海侵犯させてるわけですね。領海侵犯だけだったら、いちおう海上保安庁でも、ま、かろうじて、食い止めようとすることはできるけども、ヘリが上がっていったら、その、海上保安庁、もちろんヘリありますけども、とてもじゃないけどこれ、止められないですよね。しかし相手が、要するに海洋監視船なのにこっちが海上自衛隊ってわけにもなかなかいきませんね。非常に巧みな戦略で、領空を侵犯しようと、してるわけですね。そして、これは日本にとって重大なのは、情報当局もこう見てるわけです。はい、出して下さい」

130320-18douji.jpg

村西利恵
「情報当局者によると、『中国が、尖閣周辺海域で海洋監視船からヘリを飛ばし、領海と領空の同時侵犯を行う恐れ』がある」

青山繁晴
「はい。恐れあるんですが、フランスはこれを、変えようとしてない。そしてちょっと時間はないけれども大事な情報を1個申しますとね、えー、実はフランスはかつて、中国に空母を売ろうとしてたんです。で、僕はそれ防衛省の、当時、防衛庁ですけど、当局者から話を聞いて、そして防衛庁どうするんですかと言ったら、事実上何もできないって言われたんで、あの、いつもの通りですけど、一民間人ですけどフランス行きまして、そしてフランス国防省とフランス海軍の人たちがちゃんと会ってくれたんで、もう怒鳴り合いですよ、一日中、パリ市内で怒鳴り合い。で、彼らはずっと何て言ったかというと、いや、フランスが空母売ることがむしろ東アジアの安定に寄与するんだってことを、平然と言うわけですよ。禁輸措置があるのに。これ、どうして話が潰れたかというと、もちろん僕が頑張ったから、違います(笑)。そうじゃなくて、僕は怒鳴り合いしただけに終わりましたけれども、中国自身が、空母を自分で造るって方針を変えたから」

一同
「ああー…」

青山繁晴
「フランスの空母を買わなかっただけであって、ずーっとビジネスをやろうとしてるわけですよ。だから、さっき言いました、安倍さんの顔写真は出なくても李克強の写真、李克強首相の写真はいっぱい出ると。要するにヨーロッパは、経済危機で困ってるから、中国はいろいろあってもとにかく、お金と人口いっぱいいるから、あてにしてるわけですよ」

村西利恵
「商売相手としてですね」

青山繁晴
「じゃあ、話の、今日の話の最後として、そういう中で日本はどうするか。安倍政権が現実に今やってることはこの3つです、主として。はい」

130320-19senryaku.jpg

村西利恵
日本の対中戦略はこの3つ。アメリカ主導のTPP参加で中国を牽制。中国包囲網を形成。それから、武器輸出三原則の見直し

青山繁晴
「はい。これ、現在安倍さんが進めてることで、何度も言いましたが僕はアメリカ主導のTPPは反対です。日本が主導すべきだと、今もその考えは変わりませんが、もう交渉参加を決めてしまった以上はですね、その、中国をフェアに、きちんと、中国に対して抑止力を持てるような、この経済をきっかけにした、日米の仕組みを作るべきです。それから、この中国包囲網っていうのはここに書いてませんけども、たとえば、韓国に対して安倍さんが甘いのも、全部、中国に対してのカードに使いたいんですね。そしてやがて、あの、4月末から5月の連休来ますが、そこでモスクワに行って、そのあとに、実は中東も回りますね。中東は中国に影響力強くなってるからそれを何とか、変えたいと。その前にモンゴルに行くかもしれない。モンゴルは、中国の頭の上にいるわけですからね。そういう3つをやりながら同時に、実は武器輸出三原則の見直しってのを今、検討してて、これ、一番視聴者の中で意見が分かれる、あるいは僕の意見に反対の人が多いこと、だろうから、最後、時間はないですけど、ひとつだけ申しますと、皆さん、さっき思い出して下さい。武器を輸出している世界のトップ5の中の、第3位はドイツです。ドイツは(日本と)同じ戦争に、同じ戦争で、同じ相手に負けた敗戦国ですが、でも、この武器輸出を、いわば正当なビジネスとして行ってるわけです。えー、これ日本やっちゃいけないっていうご意見の方は、僕も学校で教わりましたが、日本は死の商人をやるなってことですよね? しかし国内で武器売るのは死の商人じゃなくて、海外で売るのだけは死の商人ってのは話が、矛盾してませんか。それともうひとつ、僕は実際に中東で、死の商人を探して、何人も会いました。彼らが何をしてるかというとアフリカに行って、主にアフリカに行って、部族に、部族国家ですから、弱い方の部族にタダで、ね、中国のようにもうタダ同然で武器を与えて、すると、戦争始めますよね。あの、内戦を。そして負け始めますよね、今までの権力の側が。そこに今度武器を高く売りつけて、そうやってそれを繰り返してガンガン儲けていってるのが、本物の死の商人で、日本人がそんなことしますか? そんなことは日本はしないという、原則をちゃんと確立した上で、実は中国製の武器でアジアが全部染まってしまうのを阻むために、この武器輸出三原則というのは、国民目線で、僕たちの、手と力で考え直すってことを始めるべきじゃないかと思います」

山本浩之
「その主張すごくよく分かるんですけども、またそうすると、例外規定とかそういったことで凌ぐ、んですかね、安倍政権も。これまでの、自民党政権がそれを繰り返してきたように」

青山繁晴
「あの、武器輸出に関して言うとですね、たとえばF35って新しい飛行機を造るのに日本の技術が入ってしまう、それがイスラエルに売られていいのかってなことを、これ例外とするっていうふうに官房長官が、あの、言ってですね、要するに全体の見直しには踏み込んでないですよね。で、それあの、参議院選まで、一生懸命アベノミクスをやって、国民の支持を得て、そうしてねじれを解消するんだったら、その先に、こういうことも、根っこから、国民の意見で決めるんですよ?最終的には、しかし…」

山本浩之
「その議論が必要でしょうね、根っこからどうするかっていう話がね」

青山繁晴
「そうです。問題提起を、やるべきだと思います。そういうことが、中国とも共存できる道を開くことになると思います」

山本浩之
「ありがとうございました。いったんコマーシャルです」

 ____________________________内容紹介ここまで


 武器の問題にしてもそうだし、安保や軍事にまつわる問題全般に言えることですが、他国がこれまでどういう動きをしてきたかというのを、日本人はもっと知るべきですよね。

 たとえば、「ドイツは戦争を反省してるのに日本はしてない」「日本もドイツに学べ」などとよく言うサヨクや韓国の皆さんは、ドイツが世界3位の武器輸出国であることをどう考えているのでしょう?

 日本のメディアが、私たちが本当に知るべき報道をしない以上(「報道しない自由」を行使する以上)、関西のみとはいえ地上波で放送されているという意味において、この青山さんのコーナーはやはり大変貴重だと思います。


 この日の「アンカー」では他に以下のニュースで青山さんの解説がありました。

・日本オリンピック委員会、全日本柔道連盟への交付金を停止へ
・大阪産業大学“やらせ受験”問題 合格者多数も入学者ゼロ
・福島第一原発で冷却再開 仮設配電盤に焦げた跡
・オバマ大統領がイスラエルへ

 拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらをご覧下さい。


※参考リンク
ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
 青山さんに直接コメントが送れます。
誰にも手渡してはならない自由意志
 拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
 動画の紹介など情報が大変充実しています。

※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし






このブログが面白かったらクリックお願いします→人気blogランキングへ
ご面倒でなければこちらも→FC2 blogランキングへ
拙ブログのミラー(FC2)にfacebookのボタンがあります。

※拉致被害者奪還 日本列島縦断デモ行進はじめ、各種デモ・集会のまとめ
 http://ameblo.jp/hosyuyamato/

130118-NYianfu-blueS.jpg
 NY州議員宛にメールを出して下さった方々のもとに、Mark Butler下院議員から「いただいた情報に基づいて、私は決議案に署名しない決定をなしました」という返信が届いています。米国の議員さんは韓国側の情報しか知らないor問題自体をよく知らないので、まずは知ってもらうことが大切です。効果はあります。まだの方はぜひメールを送って下さい(下院を中心に)。

 以下も慰安婦関係のお知らせです。よろしくお願いします。
デトロイト 慰安婦少女像建立 絶対阻止!メッセージを送ろう!
ニュージャージ州議会 慰安婦決議に反対のメッセージを送ろう!


megumi080328-1.jpeg アニメ「めぐみ」配信中。
 英語・中国語・韓国語版もあります。ダウンロードはこちらから。コピーフリーです。世界に広めましょう!

「島根県の竹島英文ページを検索に引っ掛かり易くする作戦」もよろしく。
takeshima dokdo dokto tokdo tokto
________________________________________________
★コメント・トラックバックを下さる方へ
お手数ですが規約(12.5.31改訂)に一度目を通された上でお願いいたします。

★この記事へのコメントは現在受け付けておりません。読者様向け掲示板にて宜しくお願い致します。
TV番組内容紹介 | - | trackbacks (0)

Trackbacks