「アンカー」東谷暁氏解説第2弾 TPP参加で日本に迫る知られざるリスク(1)
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■10/19放送 関西テレビ「アンカー」TPP問題を東谷暁さんが解説(第2弾)
「参加すべきか否か。日本の国論を二分するTPP問題。韓国とアメリカで結ばれたFTAから、TPPの本当の姿を読み解きます」(前振りナレーションより)
解説はTPP反対派としておなじみの東谷暁さんです。
この日はコメンテーターとして松原聡さんも来られてたんですが、お二方の間でちょっとしたバトルになりました。
ちなみに、松原聡さんはこの番組のレギュラーではありません。
レギュラーの方がお休みの時にピンチヒッターで時々呼ばれています。
※間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
※画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
※右クリックで大きな画像を見ることができます(Macの場合は画像にカーソルを合わせ押し続けるとメニューが出ます)。
※今回は記事を2つに分けてUPしています。コメントを下さる方は「アンカー」東谷暁氏解説第2弾 TPP参加で日本に迫る知られざるリスク(2)終にてよろしくお願いします。
※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。
※また画像を利用される方は、直リンクでなく必ずお持ち帰り下さい。当方のサーバーへの負荷軽減のためご協力のほど宜しくお願いいたします。「直リンク」の意味が分からない方はこちらをご覧下さい。
内容紹介ここから____________________________
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■10/19放送 関西テレビ「アンカー」TPP問題を東谷暁さんが解説(第2弾)
【当日のテレビ欄より】TPP参加で日本に迫る知られざるリスク
「参加すべきか否か。日本の国論を二分するTPP問題。韓国とアメリカで結ばれたFTAから、TPPの本当の姿を読み解きます」(前振りナレーションより)
解説はTPP反対派としておなじみの東谷暁さんです。
この日はコメンテーターとして松原聡さんも来られてたんですが、お二方の間でちょっとしたバトルになりました。
ちなみに、松原聡さんはこの番組のレギュラーではありません。
レギュラーの方がお休みの時にピンチヒッターで時々呼ばれています。
※間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
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※今回は記事を2つに分けてUPしています。コメントを下さる方は「アンカー」東谷暁氏解説第2弾 TPP参加で日本に迫る知られざるリスク(2)終にてよろしくお願いします。
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内容紹介ここから____________________________
山本浩之
「さて、今日はレギュラーコメンテーターの青山繁晴さんがお休みのため、緊急企画として、TPP問題、結論を迫られているTPP問題って急に結論を迫られている感もあるんですけれども、えー、考えてみたいと思います。では岡安さん、よろしくお願いします」
岡安譲
「はい。えー、今日は『間違いだらけのTPP』の著者で、ジャーナリストの東谷暁さんと一緒に、進めてまいります。どうぞよろしくお願いします」
一同
「よろしくお願いします」
岡安譲
「えー、前回、2月にご出演いただいたんですが、その時はTPPの問題点を鋭く指摘されました、東谷さん。今どうしても言いたいことがあるということで、再び、『アンカー』にご登場いただきました。よろしくどうぞお願いします」
東谷暁
「はい。あの、日本政府はですね、すでに、TPP交渉への参加を決めたと言われています。えー、しかしですね、私は、あの、もっと議論しておくべきことがほんとはたくさんあると思うんですね。今日はその中心部分を私はお話し申し上げたいと思いますんで、よろしくお願いします」
岡安譲
「東谷さんの解説に入る前に、まず松原さん、TPPについてはどうお考えですか」
松原聡
「あの、これあの、菅さんのね、3大思いつき、か何かの1つでね(一同笑い&ざわ)、ま、3つ何だかよく分かんないですけど、ま、消費税とか、えー、あとあの、ストレステストもそうですね。まあそう、ほんとにそういう思いつきで、去年の11月ですね、あの、APECの時に、横浜で自分が議長だと、何か目玉がほしいなっていうので、やっぱり急に言い出したんですよ。ですから、筋がそもそも日本にとって、僕は悪いと思ってますね。基本は自由貿易の方がいいと思うんですよ。だけどTPPは筋が悪すぎますね」
岡安譲
「なるほど。島村さんはどうお考えですか」
島村洋子
「えっと、農業以外のこともいっぱいあるということを知って、ちょっと考えたいなと思うようになりました」
岡安譲
「前回もね、そのようなあの、お話いただいたんですが、今回は、TPPに参加すると一体何が変わるのか、そしてどんなことが起きるのか、これを具体例を交えて解説していただきます。で、まず、前回ご覧になっていらっしゃらない方もおられると思います。前回、東谷さんが指摘されたTPPのおさらいから行きましょう。こちらです」
岡安譲
「問題点をまとめました。1つめ、『TPPは実質的には日米のFTA』である。『焦点は農業問題ではない』。そして、『アメリカの狙いは「金融」「投資」「農業法人」』だということなんですが、東谷さん」
東谷暁
「はい。あの、10カ国になるわけですね、日本が参加しますと、TPPというのは。そのうちですね、アメリカと日本を入れますとですね、2国だけで91%ぐらいになってしまうんですね。で、GDPから見ただけでもですね、ほとんど、その日米、日米間の問題を解決しようよと、言ってることと同じなんですね。それでもう、TPPは実質的に、日米FTAであると、そういうふうに認識した方が非常に分かりやすいんじゃないでしょうか。それから2番め、その、農業問題じゃないと言われるとですね、意外な思いをされるかもしれませんが、実はその、農業以外にですね、非常に多くの要素が入ってしまっている。さっき松原先生もおっしゃったようにですね、もうその、その、いっぱいあるというところが非常に問題なんですね。で、農業問題だけではないと、どころかですね、農業の問題がですね、非常にその、逆に交渉材料になってしまうと、そういう側面があると思っています。それから、その、アメリカの狙いは金融、投資であると、それから、その、投資を通じた農業生産法人の、買収もしくは投資ではないかと、いうような、あの、私は見当を付けているんですが、特にですね、やはり金融と投資という側面からTPPをもう一回見直さないと、これは日本にとって危険だっていうふうに思っています」
岡安譲
「農業がクローズアップされてますけれど、実際に今、TPP交渉で話し合われているのは、この24分野です。24あるんですね。はい。ご覧の…多いですね」
東谷暁
「はい。これを見ていただくと分かるようにですね、農業は確かに右肩のとこにありましてですね、ちゃんとした位置を占めてるんですが、その一番上の段、3つありますね、市場アクセスと書いている、ここが関税の撤廃問題なんですね。関税の撤廃問題、だからイコール農業問題かというとそうでもなくてですね、さらに、この下の方、こんなにいっぱいあるんですね。全部でこの24個の枠がありますが、えー、政府はこれをですね、色んなその、首席交渉官とかそういう、ものを除くとですね、21あるというふうに認識しているようです。で、その中でもですね、実は、その、TPPというのはニュージーランド、チリ、それからブルネイ、あとはシンガポールの4カ国で始めた小さな小さな経済協定だったわけです。ところが2008年に突然、アメリカがこれに加わると言い出しまして、それで、急に様変わりしてしまった。えー、その時にですね、アメリカが、それまでなかったものを持ち込んでいます。その持ち込んだものが、ここの金融と投資なんです」
岡安譲
「この2つですね」
東谷暁
「はい。それだからですね、私はその、アメリカが持ち込んだものをまずしっかりと認識して、で、全体を見直すということが必要だと、それを言いたいわけなんですね」
岡安譲
「その全体の見直しを考える上で、非常に参考になるものがあるというんですね。それがこれです」
岡安譲
「『米韓FTA』。来年1月発効へということで、先週アメリカ議会で可決されて、ニュースが大きく報じられたばかりですね。で、その内容を、VTRにまとめてありますのでご覧下さい」
…………………………VTR開始…………………………
先週、アメリカ連邦議会は、『米韓FTA』の実施法案を可決。
来年1月から発効すると、5年以内に、工業製品の95%で関税が撤廃されます。
李明博大統領
「米韓FTAを通じ、米韓同盟の新しい時代を切り開いた」
韓国の大統領として、13年ぶりに、国賓として訪米した李明博大統領は、異例の厚遇で、夕食会や視察など10時間以上もオバマ大統領と共に過ごし、米韓の蜜月ぶりが注目されました。
…………………………VTR終了…………………………
岡安譲
「ま、この米韓FTAによって日本企業が、アメリカ市場で、不利になるのではないかという報道も、ま、見られるわけですけれども」
東谷暁
「はい。あの、今のですね、米韓FTAを考える際はですね、やはり、まずですね、韓国国内でも、全員がこれを喜んでるってわけではないということですね。で、事実ですね、未だに実は、韓国国内での、議会での、あの、批准ていうのはまだなされていないんですね。おそらくその、野党がまだ反対していますが、おそらく政治的な決着を図ってですね、来年の発効にはこぎつけることはできると思いますが、えー、非常に大きな問題をはらんだまま、スタートしていると。それからもう一つですね、これこそ私たちが、その、注目すべき問題なんですが、米韓FTAの問題の中にですね、TPPの問題がたくさん詰まってるってことですね。で、なぜかというと、アメリカというのはですね、必ず今までのその、経済連携協定、それから地域経済協定を見ますとですね、前の成果はですね、手放さないようにしながら次の協定の上に、こう嵩上げしていくという、そういうプロセスを踏んできているんですね。そういう意味でもその、米韓FTAを注目する。そうすると、TPPによって生まれてくる日本の姿っていうのが分かってくると思います」
岡安譲
「見えてくるわけですよね」
松原聡
「ちょっとね、お伺いしたいのはね。韓国も独立した国だし、属国じゃないですよ、アメリカもそうですね。だからこういう交渉って、国益と国益のバトルですよ。だから、韓国がじゃあ何でそんな不利なのを結ぶんだと。で、民主的な国ですから、大統領は、それがみんな不満を持ってたら、次、勝てないわけですから。だからそこのところを、もう少し言っていただかないとね。不利なのを無理やりやらされましたよと、それがTPPでもそうなりますよというにはね、説得力がないような気がする…」
岡安譲
「なるほど、東谷さん、そのあたり…」
東谷暁
「はい。そこで見ていただきたいのが」
岡安譲
「そう、実はこの米韓FTAとTPPには、すごく、共通する部分が多いですね。まずはこちらをご覧下さい。こんな共通点がある。『ここがそっくり!“米韓FTA”と“TPP”』。アメリカとの関係が悪化すると、『経済連携』が急浮上する。例えばこれ、韓国でいうと、金大中さんと盧武鉉さんで、まあ、米韓の関係が悪くなった。そこに、李明博さんが、経済連携へということで、急浮上している。日本も、振り返ってみれば、鳩山さんと菅さんで悪くなってるところに、野田さんで、この、経済連携というものが、ま、浮上、きっかけを作ったのは菅さんですけれども、浮上してきているということなんですね」
東谷暁
「はい。あの、えー、こういう経済協定、というのはですね、交渉事ですから、その、自分たちに隙があった時、やるべきではないんですね、ほんとは。だけど、この2つの日韓の例というのはですね、まさに自分たちが、その、外交的な隙を作った時に始めてしまうと。そういう馬鹿なことをやってるんじゃないかと私は思っています」
岡安譲
「で、日本では、米韓FTAの中身についてはですね、ま、ほとんど報道されていないと思うんです、中身については。そこで、中身を見てみたいと思うんですが、このようになってます」
岡安譲
「米韓FTAで、経済成長率が1.99%増えるということで、これ韓国政府系の研究所が試算しています。で、内容を見ていきますと、工業製品、『95%以上の品目で、今後5年以内に関税を撤廃する』。農業製品は、『肉や果物、乳製品などにかかる関税は、一定の期間を経て撤退すると。一部を除く』と書いてあります。但し…」
岡安譲
「コメの自由化は拒否しているんですね、東谷さん」
東谷暁
「あの、このですね、数字もそれからその、お米の問題もですね、あの、そのままこう言われたことを、素直に受け止めていては、問題が分からないわけでありましてですね、まず1.99%の経済成長率ってのは、ちょっと高すぎるんじゃないかと。つまりすごい楽観的なですね、楽観的な予測に基づいた数字だと思いますね。えー、他の色々な試算は出ていますが、えー、上手く行ってもですね、せいぜい0.28%ぐらいじゃないかと、そういう試算も出ておりますし」
山本浩之
「ずいぶん違いますね(一同ざわ)」
東谷暁
「ええ、そうなんですね。それからちょっと考えてみますとですね、今、韓国は3%台の成長なんです。そこにいきなりですね、2%台の成長するっていう(笑)、つまり5%いきなり行くんだっていう、そういうことはあり得ないと思いますね。それで非常にその、逆に経済も混乱してしまうんではないかと。えー、ですからまあ、0.2%も正しいかどうかはともかくとしてですね、政府側が言っている1.99%っていうのは、やはりかなり楽観的であると。それからまあ、その、失業者も出てくるであろうと。それから他にもですね、色々、社会的な、それから変動とかですね、それから経済制度の変更を要求されるとか、そういう問題もありますので、必ずしもその、韓国にとってありがたいものだとは言えないと思います」
岡安譲
「うん。で、韓国経済にとってですね、実はこの米韓FTAというのが発効されたら、マイナス面も多く出てくるというんですね。で、大打撃を受ける分野があるというんですけれども、その打撃を受ける分野というのがこちらなんです」
岡安譲
「農業以外に、『金融(保険)』と『医療』の分野だというんですが、東谷さん」
東谷暁
「はい。あの、この金融なんですが、日本でもそういうことありましたけれども、この米韓FTAを結んだことによってですね、何が始まるかというと、まずですね、郵政、あの、韓国の郵政てのがあるわけです。郵便ですね。郵便を中心にした組織ですが、ここの保険部門というのを切り離して、民営化するということが、もう約束されています。それからもう一つですね、それだけじゃないんですね、えー、あの、日本で言ったら共済ですね。えー、あの、協同組合組織で作っている保険部門ですが、こういうとこもですね、えー、みんなですね、その共済という形式をやめて、一般の保険会社になるように、あの、今度のFTAで決まってしまったと。これはですね、実は、こういうふうになるっていうふうには、あの、よく分からなかったわけですね。で、やってみたらこういうふうな結果になっていると。で、もちろんその、色々抵抗したとは思うんですが、あの、これで何が起こるかって言いますと、色々なその、地域にある、小さな金融機関ですね、それから小さなその、協同組合組織、そういうものがですね、経営が成り立たなくなっていくという可能性が非常に高いわけですね」
山本浩之
「経営が成り立たなくなっていく」
東谷暁
「成り立たなくなる、つまりその、協同組合組織の中でですね、保険部門を持っていたらですね、それで成立していたようなところがいくつもある。それから、大きいところに関しても、今までは、その、特定の人たちに保険を供給していた、その、共済とかそういうものはですね、あの、一般の保険会社のように、その経営をしなくちゃいけなくなるっていうことで、非常にこれまでの優位というものをみんな失っていくわけですね。そこでその、これからその、民営化した共済、それから民営化した郵政の保険部門ていうのは、経営危機に陥っていくだろうと。それから、そのことによってですね、アメリカの金融機関が、やはり韓国内に入ってきて、その、それまでのその、韓国内の金融機関が持っていた市場をやはり取っていくんじゃないかと。ここらへんまで私は考えておいた方がいいと思います」
松原聡
「いや、ちょっとね、最初に僕が言ったね、じゃあそんな不利なのを、0.2%しか成長しない、それから保険も共済も全部ダメだと、そんな不利なのをそもそも何で、あの、結んだんですかっていう問いに答えられてないと思うのと、それから僕あの、6月か何かに韓国行ってきました。で、韓国は、EUとFTAを結んでるんですよね。ですから日本から、あの、車輸出すると10%の関税が韓国はゼロと。テレビ14%もゼロです。で、もちろん色々な不利な面があるわけです、国益どうしのバトルですからね。だけどその時にやはり李明博大統領は、やっぱりそういう不利な面があるのは百も承知で、分かんないでやるわけないですよ、百も承知で、資源のない韓国が、貿易でやっていくしか国益がトータルで守れないと、だから、EUと結んで、アメリカとももう結んでいて、これがそろそろ発効っていうことですよ。そういう…」
山本浩之
「つまりそれは、総合的に勘案して…」
松原聡
「そういうことです」
山本浩之
「損するところもあるけれども、得するところも…」
松原聡
「そう、トータルでプラスだと。それで貿易立国でやっていかざるを得ない、韓国は、そういう国内の不満を、相当強くですね、大統領は抑え付けて、EUともそれからアメリカとも結んだんですね。だからそういうことを考えないとね、あの、何か騙されてこんな不利なことになっちゃいましたよと、いうのは、ほんとに韓国の事情をね(笑)、僕は理解してるとは思えないんだな」
東谷暁
「(苦笑)それはそうかもしれませんが例えばですね、その、経済発展をその、工業製品の輸出で確実にできるっていう保証も何もないわけですね」
松原聡
「それは韓国の選択で…」
東谷暁
「それから農業の場合は…」
松原聡
「それを日本側の先生がね、それをおっしゃるのは(笑)、韓国はそういう選択をして、そのことを韓国がノーと判断すれば今の大統領が負ける、今の政権が落ちるわけですから。そんなことは、分かんないでやってたらそれはおかしいですよ?でもトータルに全部分かった上で、そういうふうに判断したんですからね」
東谷暁
「でもそのことをですね、私たちがその、教訓としたり、それから、えー、そのことによってTPPを、あの、読む、読み、見抜くですね…」
松原聡
「あ、それはいいですよ、あ、それはいいです…」
山本浩之
「じゃあ伺いたいのは、例えば韓国の場合はその金融、保険、それから医療がですね、あの、打撃を受けるとおっしゃいますが、どう打撃を受けますか」
東谷暁
「今まではですね、共済組織とかそういうものはですね、あの、利子も高いんですね。だから、その、えー、安い契約金で高い利子を払うって、そういう経営が可能だったわけですね。そういうものがですね、等し並み(ひとしなみ)にそういう経営が全くできなくなっていくっていうことですから、それは打撃を受けますね。それから地域的なもの、っていうのが非常に多いわけですね、韓国では、その、共済的なものっていうのは。それがあの、次々と危機に陥る、可能性もあるということですね。で、もちろんその、総合的に考えたっていうことですが、あの、それはどこの国でも総合的に考えたって言いますよ。だけれど、えー、よほどの工業製品の輸出が伸びない限りですね、韓国は、ますますその、農業だけダメになっただけじゃなくてですね、工業の輸出も必ずしもですね、いい状況ではないわけです。例えば、今ですね、世界経済自体がですね、あの、非常に危機に陥りがちであると。じゃあアメリカとFTAを結んだからですね、アメリカへどんどん輸出できるかと、それはなかなか(笑)僕はできないと思いますね。なぜかと言ったら、アメリカが韓国に、えー、やってくれる、してくれるっていうのは、例えば自動車は2.5%の関税を引き下げる(笑)、それからもう一つが例えば、液晶テレビは5%安くしてくれる、そのことでですね、韓国がじゃあ急激に輸出を伸ばすことができるかって言ったら、私はできないと思いますね。なぜなら韓国が今まで輸出を伸ばしてきたのは、ウォンの、通貨であるウォンが、2分の1ぐらいまで下落したからですね。非常に、国際マクロ経済的に見てですね、その、通貨が下落した時には輸出がものすごく楽になるわけですね。そのことで、韓国はどんどんと輸出をあの、増やしてきたわけですよ。で、あの、中にはですね、財界の人なんかも、米韓FTAっていうのはすでに結ばれたものだと思ってですね、韓国が、えー、対米輸出を伸ばしたのはですね、その、FTAのおかげだと、そういう論じ方をする人もいるんですが、これは根本的に間違ってますね(笑)。なぜかって言ったら、今までまだ、発効すらしてないんですね」
松原聡
「いやいや、EUとはね、もう結ばれているわけですよ、すでにね。それから、あの、これは経済産業省があの、やった調査で、日本の企業に対して、韓国に、日本から出て行くと、いうのが震災前からもう出ていたんですね。で、それは韓国は、あー、法人税が、日本が約4割に対して、25%ぐらいですね。それから電気料金も安いと。ま、もちろんあの、震災後は震災も受けないんですけれども、その時に、やはり対EUに対する輸出の時に、自動車で10%、テレビで14%安いと。で、実際そういうのを受けて、韓国に生産拠点を移してる企業がものすごく増えてきていて、そのことに対する経済産業省の危機感はやっぱりものすごかったですよね。だから単に韓国がウォン安に、ま、韓国政府が振ったんですけどね、それでも、それで輸出が伸びただけということではなくて、経済の基本的な強さ、それからそのベースとして、韓国が、やっぱり国内の色んな問題を乗り越えて、貿易についてしっかりやっていこうということで今まで政策をやってきた、こと、で、そのことがやっぱり日本から韓国に、企業が移り始めていて、そのことを経済産業省はものすごいびびってんですよ」
東谷暁
「その、経済産業省がびびってるのはよく分かりますが(笑)、あの、韓国自体もびびっているから今のような政策を取ってるわけですね。あの、韓国はですね、この2月にも通貨危機があって、非常に苦しい思いをした。えー、韓国の場合、なぜ輸出に賭けなくてはいけないかと、それはもう、経済構造見れば歴然としてるんですね。えー、輸出依存率がですね、韓国の場合、38%から42%ぐらいあるんですよ。GDPのうちの、38%から42%ぐらいを、輸出で稼ぎ出してるわけですね。で、それに比べて日本は12%から15%ですから、えー、その韓国がですね、あの、たとえですね、たとえ国内の農業を犠牲にしたと言われてもですね、その輸出産業に賭けるっていうのは非常にそれは、合理的かもしれません。だけどそれを見てですね、韓国と同じようにやろうじゃないかって言ってる財界の人たちとか、それからその、韓国と同じようにですね、TPPがその、上手く、あの、行くんじゃないかと、言って議論をしてる人たちとはやっぱり、あの、話がやっぱり、論理的にですね、整合性が私はないと思うんですね」
岡安譲
「さ、ここでちょっといったんCMを挟んでですね、コマーシャルのあとも再びこのTPP、FTAの問題について考えたいと思います」
(いったんCM)
「アンカー」東谷暁氏解説第2弾 TPP参加で日本に迫る知られざるリスク(2)終に続きます。
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「さて、今日はレギュラーコメンテーターの青山繁晴さんがお休みのため、緊急企画として、TPP問題、結論を迫られているTPP問題って急に結論を迫られている感もあるんですけれども、えー、考えてみたいと思います。では岡安さん、よろしくお願いします」
岡安譲
「はい。えー、今日は『間違いだらけのTPP』の著者で、ジャーナリストの東谷暁さんと一緒に、進めてまいります。どうぞよろしくお願いします」
一同
「よろしくお願いします」
岡安譲
「えー、前回、2月にご出演いただいたんですが、その時はTPPの問題点を鋭く指摘されました、東谷さん。今どうしても言いたいことがあるということで、再び、『アンカー』にご登場いただきました。よろしくどうぞお願いします」
東谷暁
「はい。あの、日本政府はですね、すでに、TPP交渉への参加を決めたと言われています。えー、しかしですね、私は、あの、もっと議論しておくべきことがほんとはたくさんあると思うんですね。今日はその中心部分を私はお話し申し上げたいと思いますんで、よろしくお願いします」
岡安譲
「東谷さんの解説に入る前に、まず松原さん、TPPについてはどうお考えですか」
松原聡
「あの、これあの、菅さんのね、3大思いつき、か何かの1つでね(一同笑い&ざわ)、ま、3つ何だかよく分かんないですけど、ま、消費税とか、えー、あとあの、ストレステストもそうですね。まあそう、ほんとにそういう思いつきで、去年の11月ですね、あの、APECの時に、横浜で自分が議長だと、何か目玉がほしいなっていうので、やっぱり急に言い出したんですよ。ですから、筋がそもそも日本にとって、僕は悪いと思ってますね。基本は自由貿易の方がいいと思うんですよ。だけどTPPは筋が悪すぎますね」
岡安譲
「なるほど。島村さんはどうお考えですか」
島村洋子
「えっと、農業以外のこともいっぱいあるということを知って、ちょっと考えたいなと思うようになりました」
岡安譲
「前回もね、そのようなあの、お話いただいたんですが、今回は、TPPに参加すると一体何が変わるのか、そしてどんなことが起きるのか、これを具体例を交えて解説していただきます。で、まず、前回ご覧になっていらっしゃらない方もおられると思います。前回、東谷さんが指摘されたTPPのおさらいから行きましょう。こちらです」
岡安譲
「問題点をまとめました。1つめ、『TPPは実質的には日米のFTA』である。『焦点は農業問題ではない』。そして、『アメリカの狙いは「金融」「投資」「農業法人」』だということなんですが、東谷さん」
東谷暁
「はい。あの、10カ国になるわけですね、日本が参加しますと、TPPというのは。そのうちですね、アメリカと日本を入れますとですね、2国だけで91%ぐらいになってしまうんですね。で、GDPから見ただけでもですね、ほとんど、その日米、日米間の問題を解決しようよと、言ってることと同じなんですね。それでもう、TPPは実質的に、日米FTAであると、そういうふうに認識した方が非常に分かりやすいんじゃないでしょうか。それから2番め、その、農業問題じゃないと言われるとですね、意外な思いをされるかもしれませんが、実はその、農業以外にですね、非常に多くの要素が入ってしまっている。さっき松原先生もおっしゃったようにですね、もうその、その、いっぱいあるというところが非常に問題なんですね。で、農業問題だけではないと、どころかですね、農業の問題がですね、非常にその、逆に交渉材料になってしまうと、そういう側面があると思っています。それから、その、アメリカの狙いは金融、投資であると、それから、その、投資を通じた農業生産法人の、買収もしくは投資ではないかと、いうような、あの、私は見当を付けているんですが、特にですね、やはり金融と投資という側面からTPPをもう一回見直さないと、これは日本にとって危険だっていうふうに思っています」
岡安譲
「農業がクローズアップされてますけれど、実際に今、TPP交渉で話し合われているのは、この24分野です。24あるんですね。はい。ご覧の…多いですね」
東谷暁
「はい。これを見ていただくと分かるようにですね、農業は確かに右肩のとこにありましてですね、ちゃんとした位置を占めてるんですが、その一番上の段、3つありますね、市場アクセスと書いている、ここが関税の撤廃問題なんですね。関税の撤廃問題、だからイコール農業問題かというとそうでもなくてですね、さらに、この下の方、こんなにいっぱいあるんですね。全部でこの24個の枠がありますが、えー、政府はこれをですね、色んなその、首席交渉官とかそういう、ものを除くとですね、21あるというふうに認識しているようです。で、その中でもですね、実は、その、TPPというのはニュージーランド、チリ、それからブルネイ、あとはシンガポールの4カ国で始めた小さな小さな経済協定だったわけです。ところが2008年に突然、アメリカがこれに加わると言い出しまして、それで、急に様変わりしてしまった。えー、その時にですね、アメリカが、それまでなかったものを持ち込んでいます。その持ち込んだものが、ここの金融と投資なんです」
岡安譲
「この2つですね」
東谷暁
「はい。それだからですね、私はその、アメリカが持ち込んだものをまずしっかりと認識して、で、全体を見直すということが必要だと、それを言いたいわけなんですね」
岡安譲
「その全体の見直しを考える上で、非常に参考になるものがあるというんですね。それがこれです」
岡安譲
「『米韓FTA』。来年1月発効へということで、先週アメリカ議会で可決されて、ニュースが大きく報じられたばかりですね。で、その内容を、VTRにまとめてありますのでご覧下さい」
…………………………VTR開始…………………………
先週、アメリカ連邦議会は、『米韓FTA』の実施法案を可決。
来年1月から発効すると、5年以内に、工業製品の95%で関税が撤廃されます。
李明博大統領
「米韓FTAを通じ、米韓同盟の新しい時代を切り開いた」
韓国の大統領として、13年ぶりに、国賓として訪米した李明博大統領は、異例の厚遇で、夕食会や視察など10時間以上もオバマ大統領と共に過ごし、米韓の蜜月ぶりが注目されました。
…………………………VTR終了…………………………
岡安譲
「ま、この米韓FTAによって日本企業が、アメリカ市場で、不利になるのではないかという報道も、ま、見られるわけですけれども」
東谷暁
「はい。あの、今のですね、米韓FTAを考える際はですね、やはり、まずですね、韓国国内でも、全員がこれを喜んでるってわけではないということですね。で、事実ですね、未だに実は、韓国国内での、議会での、あの、批准ていうのはまだなされていないんですね。おそらくその、野党がまだ反対していますが、おそらく政治的な決着を図ってですね、来年の発効にはこぎつけることはできると思いますが、えー、非常に大きな問題をはらんだまま、スタートしていると。それからもう一つですね、これこそ私たちが、その、注目すべき問題なんですが、米韓FTAの問題の中にですね、TPPの問題がたくさん詰まってるってことですね。で、なぜかというと、アメリカというのはですね、必ず今までのその、経済連携協定、それから地域経済協定を見ますとですね、前の成果はですね、手放さないようにしながら次の協定の上に、こう嵩上げしていくという、そういうプロセスを踏んできているんですね。そういう意味でもその、米韓FTAを注目する。そうすると、TPPによって生まれてくる日本の姿っていうのが分かってくると思います」
岡安譲
「見えてくるわけですよね」
松原聡
「ちょっとね、お伺いしたいのはね。韓国も独立した国だし、属国じゃないですよ、アメリカもそうですね。だからこういう交渉って、国益と国益のバトルですよ。だから、韓国がじゃあ何でそんな不利なのを結ぶんだと。で、民主的な国ですから、大統領は、それがみんな不満を持ってたら、次、勝てないわけですから。だからそこのところを、もう少し言っていただかないとね。不利なのを無理やりやらされましたよと、それがTPPでもそうなりますよというにはね、説得力がないような気がする…」
岡安譲
「なるほど、東谷さん、そのあたり…」
東谷暁
「はい。そこで見ていただきたいのが」
岡安譲
「そう、実はこの米韓FTAとTPPには、すごく、共通する部分が多いですね。まずはこちらをご覧下さい。こんな共通点がある。『ここがそっくり!“米韓FTA”と“TPP”』。アメリカとの関係が悪化すると、『経済連携』が急浮上する。例えばこれ、韓国でいうと、金大中さんと盧武鉉さんで、まあ、米韓の関係が悪くなった。そこに、李明博さんが、経済連携へということで、急浮上している。日本も、振り返ってみれば、鳩山さんと菅さんで悪くなってるところに、野田さんで、この、経済連携というものが、ま、浮上、きっかけを作ったのは菅さんですけれども、浮上してきているということなんですね」
東谷暁
「はい。あの、えー、こういう経済協定、というのはですね、交渉事ですから、その、自分たちに隙があった時、やるべきではないんですね、ほんとは。だけど、この2つの日韓の例というのはですね、まさに自分たちが、その、外交的な隙を作った時に始めてしまうと。そういう馬鹿なことをやってるんじゃないかと私は思っています」
岡安譲
「で、日本では、米韓FTAの中身についてはですね、ま、ほとんど報道されていないと思うんです、中身については。そこで、中身を見てみたいと思うんですが、このようになってます」
岡安譲
「米韓FTAで、経済成長率が1.99%増えるということで、これ韓国政府系の研究所が試算しています。で、内容を見ていきますと、工業製品、『95%以上の品目で、今後5年以内に関税を撤廃する』。農業製品は、『肉や果物、乳製品などにかかる関税は、一定の期間を経て撤退すると。一部を除く』と書いてあります。但し…」
岡安譲
「コメの自由化は拒否しているんですね、東谷さん」
東谷暁
「あの、このですね、数字もそれからその、お米の問題もですね、あの、そのままこう言われたことを、素直に受け止めていては、問題が分からないわけでありましてですね、まず1.99%の経済成長率ってのは、ちょっと高すぎるんじゃないかと。つまりすごい楽観的なですね、楽観的な予測に基づいた数字だと思いますね。えー、他の色々な試算は出ていますが、えー、上手く行ってもですね、せいぜい0.28%ぐらいじゃないかと、そういう試算も出ておりますし」
山本浩之
「ずいぶん違いますね(一同ざわ)」
東谷暁
「ええ、そうなんですね。それからちょっと考えてみますとですね、今、韓国は3%台の成長なんです。そこにいきなりですね、2%台の成長するっていう(笑)、つまり5%いきなり行くんだっていう、そういうことはあり得ないと思いますね。それで非常にその、逆に経済も混乱してしまうんではないかと。えー、ですからまあ、0.2%も正しいかどうかはともかくとしてですね、政府側が言っている1.99%っていうのは、やはりかなり楽観的であると。それからまあ、その、失業者も出てくるであろうと。それから他にもですね、色々、社会的な、それから変動とかですね、それから経済制度の変更を要求されるとか、そういう問題もありますので、必ずしもその、韓国にとってありがたいものだとは言えないと思います」
岡安譲
「うん。で、韓国経済にとってですね、実はこの米韓FTAというのが発効されたら、マイナス面も多く出てくるというんですね。で、大打撃を受ける分野があるというんですけれども、その打撃を受ける分野というのがこちらなんです」
岡安譲
「農業以外に、『金融(保険)』と『医療』の分野だというんですが、東谷さん」
東谷暁
「はい。あの、この金融なんですが、日本でもそういうことありましたけれども、この米韓FTAを結んだことによってですね、何が始まるかというと、まずですね、郵政、あの、韓国の郵政てのがあるわけです。郵便ですね。郵便を中心にした組織ですが、ここの保険部門というのを切り離して、民営化するということが、もう約束されています。それからもう一つですね、それだけじゃないんですね、えー、あの、日本で言ったら共済ですね。えー、あの、協同組合組織で作っている保険部門ですが、こういうとこもですね、えー、みんなですね、その共済という形式をやめて、一般の保険会社になるように、あの、今度のFTAで決まってしまったと。これはですね、実は、こういうふうになるっていうふうには、あの、よく分からなかったわけですね。で、やってみたらこういうふうな結果になっていると。で、もちろんその、色々抵抗したとは思うんですが、あの、これで何が起こるかって言いますと、色々なその、地域にある、小さな金融機関ですね、それから小さなその、協同組合組織、そういうものがですね、経営が成り立たなくなっていくという可能性が非常に高いわけですね」
山本浩之
「経営が成り立たなくなっていく」
東谷暁
「成り立たなくなる、つまりその、協同組合組織の中でですね、保険部門を持っていたらですね、それで成立していたようなところがいくつもある。それから、大きいところに関しても、今までは、その、特定の人たちに保険を供給していた、その、共済とかそういうものはですね、あの、一般の保険会社のように、その経営をしなくちゃいけなくなるっていうことで、非常にこれまでの優位というものをみんな失っていくわけですね。そこでその、これからその、民営化した共済、それから民営化した郵政の保険部門ていうのは、経営危機に陥っていくだろうと。それから、そのことによってですね、アメリカの金融機関が、やはり韓国内に入ってきて、その、それまでのその、韓国内の金融機関が持っていた市場をやはり取っていくんじゃないかと。ここらへんまで私は考えておいた方がいいと思います」
松原聡
「いや、ちょっとね、最初に僕が言ったね、じゃあそんな不利なのを、0.2%しか成長しない、それから保険も共済も全部ダメだと、そんな不利なのをそもそも何で、あの、結んだんですかっていう問いに答えられてないと思うのと、それから僕あの、6月か何かに韓国行ってきました。で、韓国は、EUとFTAを結んでるんですよね。ですから日本から、あの、車輸出すると10%の関税が韓国はゼロと。テレビ14%もゼロです。で、もちろん色々な不利な面があるわけです、国益どうしのバトルですからね。だけどその時にやはり李明博大統領は、やっぱりそういう不利な面があるのは百も承知で、分かんないでやるわけないですよ、百も承知で、資源のない韓国が、貿易でやっていくしか国益がトータルで守れないと、だから、EUと結んで、アメリカとももう結んでいて、これがそろそろ発効っていうことですよ。そういう…」
山本浩之
「つまりそれは、総合的に勘案して…」
松原聡
「そういうことです」
山本浩之
「損するところもあるけれども、得するところも…」
松原聡
「そう、トータルでプラスだと。それで貿易立国でやっていかざるを得ない、韓国は、そういう国内の不満を、相当強くですね、大統領は抑え付けて、EUともそれからアメリカとも結んだんですね。だからそういうことを考えないとね、あの、何か騙されてこんな不利なことになっちゃいましたよと、いうのは、ほんとに韓国の事情をね(笑)、僕は理解してるとは思えないんだな」
東谷暁
「(苦笑)それはそうかもしれませんが例えばですね、その、経済発展をその、工業製品の輸出で確実にできるっていう保証も何もないわけですね」
松原聡
「それは韓国の選択で…」
東谷暁
「それから農業の場合は…」
松原聡
「それを日本側の先生がね、それをおっしゃるのは(笑)、韓国はそういう選択をして、そのことを韓国がノーと判断すれば今の大統領が負ける、今の政権が落ちるわけですから。そんなことは、分かんないでやってたらそれはおかしいですよ?でもトータルに全部分かった上で、そういうふうに判断したんですからね」
東谷暁
「でもそのことをですね、私たちがその、教訓としたり、それから、えー、そのことによってTPPを、あの、読む、読み、見抜くですね…」
松原聡
「あ、それはいいですよ、あ、それはいいです…」
山本浩之
「じゃあ伺いたいのは、例えば韓国の場合はその金融、保険、それから医療がですね、あの、打撃を受けるとおっしゃいますが、どう打撃を受けますか」
東谷暁
「今まではですね、共済組織とかそういうものはですね、あの、利子も高いんですね。だから、その、えー、安い契約金で高い利子を払うって、そういう経営が可能だったわけですね。そういうものがですね、等し並み(ひとしなみ)にそういう経営が全くできなくなっていくっていうことですから、それは打撃を受けますね。それから地域的なもの、っていうのが非常に多いわけですね、韓国では、その、共済的なものっていうのは。それがあの、次々と危機に陥る、可能性もあるということですね。で、もちろんその、総合的に考えたっていうことですが、あの、それはどこの国でも総合的に考えたって言いますよ。だけれど、えー、よほどの工業製品の輸出が伸びない限りですね、韓国は、ますますその、農業だけダメになっただけじゃなくてですね、工業の輸出も必ずしもですね、いい状況ではないわけです。例えば、今ですね、世界経済自体がですね、あの、非常に危機に陥りがちであると。じゃあアメリカとFTAを結んだからですね、アメリカへどんどん輸出できるかと、それはなかなか(笑)僕はできないと思いますね。なぜかと言ったら、アメリカが韓国に、えー、やってくれる、してくれるっていうのは、例えば自動車は2.5%の関税を引き下げる(笑)、それからもう一つが例えば、液晶テレビは5%安くしてくれる、そのことでですね、韓国がじゃあ急激に輸出を伸ばすことができるかって言ったら、私はできないと思いますね。なぜなら韓国が今まで輸出を伸ばしてきたのは、ウォンの、通貨であるウォンが、2分の1ぐらいまで下落したからですね。非常に、国際マクロ経済的に見てですね、その、通貨が下落した時には輸出がものすごく楽になるわけですね。そのことで、韓国はどんどんと輸出をあの、増やしてきたわけですよ。で、あの、中にはですね、財界の人なんかも、米韓FTAっていうのはすでに結ばれたものだと思ってですね、韓国が、えー、対米輸出を伸ばしたのはですね、その、FTAのおかげだと、そういう論じ方をする人もいるんですが、これは根本的に間違ってますね(笑)。なぜかって言ったら、今までまだ、発効すらしてないんですね」
松原聡
「いやいや、EUとはね、もう結ばれているわけですよ、すでにね。それから、あの、これは経済産業省があの、やった調査で、日本の企業に対して、韓国に、日本から出て行くと、いうのが震災前からもう出ていたんですね。で、それは韓国は、あー、法人税が、日本が約4割に対して、25%ぐらいですね。それから電気料金も安いと。ま、もちろんあの、震災後は震災も受けないんですけれども、その時に、やはり対EUに対する輸出の時に、自動車で10%、テレビで14%安いと。で、実際そういうのを受けて、韓国に生産拠点を移してる企業がものすごく増えてきていて、そのことに対する経済産業省の危機感はやっぱりものすごかったですよね。だから単に韓国がウォン安に、ま、韓国政府が振ったんですけどね、それでも、それで輸出が伸びただけということではなくて、経済の基本的な強さ、それからそのベースとして、韓国が、やっぱり国内の色んな問題を乗り越えて、貿易についてしっかりやっていこうということで今まで政策をやってきた、こと、で、そのことがやっぱり日本から韓国に、企業が移り始めていて、そのことを経済産業省はものすごいびびってんですよ」
東谷暁
「その、経済産業省がびびってるのはよく分かりますが(笑)、あの、韓国自体もびびっているから今のような政策を取ってるわけですね。あの、韓国はですね、この2月にも通貨危機があって、非常に苦しい思いをした。えー、韓国の場合、なぜ輸出に賭けなくてはいけないかと、それはもう、経済構造見れば歴然としてるんですね。えー、輸出依存率がですね、韓国の場合、38%から42%ぐらいあるんですよ。GDPのうちの、38%から42%ぐらいを、輸出で稼ぎ出してるわけですね。で、それに比べて日本は12%から15%ですから、えー、その韓国がですね、あの、たとえですね、たとえ国内の農業を犠牲にしたと言われてもですね、その輸出産業に賭けるっていうのは非常にそれは、合理的かもしれません。だけどそれを見てですね、韓国と同じようにやろうじゃないかって言ってる財界の人たちとか、それからその、韓国と同じようにですね、TPPがその、上手く、あの、行くんじゃないかと、言って議論をしてる人たちとはやっぱり、あの、話がやっぱり、論理的にですね、整合性が私はないと思うんですね」
岡安譲
「さ、ここでちょっといったんCMを挟んでですね、コマーシャルのあとも再びこのTPP、FTAの問題について考えたいと思います」
(いったんCM)
「アンカー」東谷暁氏解説第2弾 TPP参加で日本に迫る知られざるリスク(2)終に続きます。
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