「アンカー」福島原発の“今”&近隣諸国に媚びる野田首相の所信表明
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※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■9/14放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
前半は、福島第一原発の現状及び、菅内閣と何も変わらない(であろう)野田内閣の原発政策の問題点について。
後半は、外交・安保について。野田内閣が近隣諸国に対しどう対処するのかを、野田首相の所信表明演説から読み解きます。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。
※また画像を利用される方は、直リンクでなく必ずお持ち帰り下さい。当方のサーバーへの負荷軽減のためご協力のほど宜しくお願いいたします。「直リンク」の意味が分からない方はこちらをご覧下さい。
内容紹介ここから____________________________
(衆議院本会議で野田首相の所信表明演説に対する代表質問が始まり自民党の谷垣総裁が質問に立ち、野田首相の鉢呂前経産相辞任をめぐる任命責任など追及…など政治ニュースのあと)
山本浩之
「さ、そして、その、色んな問題に直面する野田新政権について、今日このあと、“ニュースDEズバリ”でお話をいただくということですけど」
青山繁晴
「はい。あの、野田政権の、もうひとつの重要な課題っていうのは当然、福島原子力災害の克服ですよね。で、その、福島原子力災害が今どうなってるのかっていうのについて、その、国民の方々は、ずいぶん情報が少なくなったと、分かりにくくなったと思われてると思うんですよ。つまり、ちょっと落ち着いてくると、この国は報道がされなくなっちゃうんですよね。悪い時はワンワン出るけど、ちょっと、一部でも良くなると報道がドカンと減ってしまうと。で、でもその中で、新政権ができたんですから、今どうなり、これからどうなるかってことを、当然ご関心強いと思いますし、当然僕ら、一緒に考えなきゃいけないことですから、今日はそれを考えるんですが、最初のキーワードはこれです(フリップ出す)」
山本浩之
「『内閣非交替』」
青山繁晴
「これ、あの、これ(非)がなくて、交替したはずですよね、今」
山本浩之
「ええ、そうですね」
青山繁晴
「内閣交替したはずですが、ところが原子力災害について言うと、実は内閣替わってないんじゃないかと。替わってないと、いうのを具体的に、いつも通り皆さんと一緒に検証したいと思います」
山本浩之
「分かりました。では、コマーシャルを挟んで青山さんの解説です」
(いったんCM)
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■9/14放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
福島原発事故の“今”を検証〜野田新政権による原子力政策を青山ズバリ!
前半は、福島第一原発の現状及び、菅内閣と何も変わらない(であろう)野田内閣の原発政策の問題点について。
後半は、外交・安保について。野田内閣が近隣諸国に対しどう対処するのかを、野田首相の所信表明演説から読み解きます。
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。
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(衆議院本会議で野田首相の所信表明演説に対する代表質問が始まり自民党の谷垣総裁が質問に立ち、野田首相の鉢呂前経産相辞任をめぐる任命責任など追及…など政治ニュースのあと)
山本浩之
「さ、そして、その、色んな問題に直面する野田新政権について、今日このあと、“ニュースDEズバリ”でお話をいただくということですけど」
青山繁晴
「はい。あの、野田政権の、もうひとつの重要な課題っていうのは当然、福島原子力災害の克服ですよね。で、その、福島原子力災害が今どうなってるのかっていうのについて、その、国民の方々は、ずいぶん情報が少なくなったと、分かりにくくなったと思われてると思うんですよ。つまり、ちょっと落ち着いてくると、この国は報道がされなくなっちゃうんですよね。悪い時はワンワン出るけど、ちょっと、一部でも良くなると報道がドカンと減ってしまうと。で、でもその中で、新政権ができたんですから、今どうなり、これからどうなるかってことを、当然ご関心強いと思いますし、当然僕ら、一緒に考えなきゃいけないことですから、今日はそれを考えるんですが、最初のキーワードはこれです(フリップ出す)」
山本浩之
「『内閣非交替』」
青山繁晴
「これ、あの、これ(非)がなくて、交替したはずですよね、今」
山本浩之
「ええ、そうですね」
青山繁晴
「内閣交替したはずですが、ところが原子力災害について言うと、実は内閣替わってないんじゃないかと。替わってないと、いうのを具体的に、いつも通り皆さんと一緒に検証したいと思います」
山本浩之
「分かりました。では、コマーシャルを挟んで青山さんの解説です」
(いったんCM)
山本浩之
「震災から半年、原子力災害からの復旧・復興は野田新政権になってどう変わっていくんだろうと、思っているんですけれども、最初のキーワードは、『内閣非交替』でした。さっそくお願いします」
青山繁晴
「はい。えっとまず、これ、ちょうど福島第一原発の事故後の構内が映ってるんですけれども、当然ここから出た放射性物質によって、広大な地域に汚染も広まって、もう問題は広く深いんですけれど。まずやっぱりこの根っこの、この原発の構内がどうなってるかっていうことから見たいと思います。はい、出して下さい」
村西利恵
「福島第一原発の汚染水処理システム、この稼働率が9割を超えました」
青山繁晴
「はい。これまず、その、汚染水処理システムっていうのは、あの、皆さん思い出していただくと、要するに冷やせなくなって、水素爆発を含め、悲惨なことが起きました。で、従って、その、冷やすためにどんどん海水も含めて、水を注入していったんですが、その水が放射性物質を含んだままあふれ出して、その水が蒸発することによって、放射性物質の漏洩も、あの、放射性物質の種類は限られてはいます、本当は、チェルノブイリと違ってですね、でもずっと終わらないってことがありました。その水の問題どうするかっていうことで、えー、要は、ぐるぐる循環させましょうと。汚染水処理システムですが、ま、あの、同じ水をぐるぐると循環させていって、途中でこうやってきれいにしていって、その、ある程度きれいになった水を冷やすのに使いましょうと。そうすると水も増えないよねってことなんですが。今では当たり前のように言われてるけども、これ、あの、初期の頃はですね、この『アンカー』でも何度も言いましたが、あの、提案してたのは例えば私とか、あるいは政府の中でも警察庁とか、要するに原子力村、以外の所から、これ提案してて、原子力村の人々はこれ嫌だ嫌だと言ってたわけですよ。で、原子力村のやり方では上手く行かないってことがもう最終的に分かって、ようやくこれを導入して、ところがその時に、例えば、フランスとかアメリカに頼ろうっていう話にもなって、これも僕は反対してきましたが、これもあの、当然予想された通り、フランス・アメリカ、国籍が違うだけじゃなくて、日本でも東芝・日立・日揮っていうふうに違うメーカーが、テストもほとんどしないで、噛み合わせただけですから、最初はトラブルあるの決まってるわけですよ。で、トラブルがあって、稼働率、その、動いてる割合が低い時は、一面トップとかになってたのに、今のように良くなったらですね、その、全然報道されなくなったわけです。で、テレビではもうほとんどやらないし、新聞でもこんな(小さな)記事ですよね。よーく見ないと分かんないような記事になってるわけです。これは、この今の日本のひとつの根幹の問題だと思います、あの、メディアの在り方としてですね。悪い時だけ、その、報道が多いと。で、実態は、この汚染水の処理が進んでるってことは、どういうことかというと、それはこれです」
村西利恵
「計画通り、『冷温停止』状態へ向かっていると」
青山繁晴
「はい。えー、冷温停止っていうのは、原子力発電の場合は、炉の中が100度以下。100度ですから一般的には冷温と言えないと、あの、いう感じでしょうが、実際には100度を割ると、冷温停止という状態になってきますが。ま、来年の1月末までに、来年の1月までに、この冷温停止に行く見通しがだいぶ立ってきました。これは、あの、この『アンカー』でも何度も申しましたが、高卒の、10代の作業員から、それからほんとは定年になっているんだけれども、志を持ってこの原発に戻って来られた、60代以上の作業員の方々と、それから闘うリーダーの吉田昌郎さんの努力もあって、こういうことが進み出してるということなんですよね。で、ところが、まあ、あの、これあくまで構内で、で、その、町や村には、放射性物質が、その、静かに広く、その、ずっと、あの、薄くても何日も何日も、これはチェルノブイリよりはるかに長く続いてるっていう重大な問題もあります。で、それに加えて、えー、新しい野田総理にとっては予定外のことが起きたのが、これですよね。はい、出して下さい」
村西利恵
「鉢呂経済産業大臣が辞任し、枝野前官房長官が後任に決まりました」
青山繁晴
「はい。これ今、野田さんにとって予定外だったと言ったんですが、僕は。しかし本当は、僕はこれ予定外じゃなくて、起こるべくして起きたことだと思ってるんですね」
村西利恵
「どういうことですか」
青山繁晴
「はい。で、まずこの鉢呂さんていう方を、どうして、この経済産業大臣にしたかというとですね、この野田内閣っていうのはとにかく、原子力発電所の再稼働、をやる内閣です。それはもうはっきり言ってますね」
一同
「はい」
青山繁晴
「で、党内に、この鉢呂さんのように旧社会党出身で、えー、党内左派と言われる人たちから反対論も強いの分かってたから、だから、反対の人ほど中に取り込んで、文句を言わせないようにしたと。ね。そのためには鉢呂さんが実は原子力を、ご存知ないというのを、知識がないってのを知りつつ、素人と分かった上で、その、反論が出ないようにむしろ取り込んだんですよ」
一同
「うーん」
青山繁晴
「で、従って、ま、鉢呂さんの問題発言2つあってですね。1つはその、地元の福島を死の町と表現してしまったり、それからもう1つは、その視察に行ったあとに、その、自分の議員宿舎の前にいた記者団に対して、ほら、放射能をうつすぞと。ね。放射能はうつるもんじゃありません(笑)。伝染病じゃないんだから。だから、知識がないことが、実は災いして、そういう問題発言になってるんで、僕は起こるべくして起きたことだと思うんですよ。但し、これもメディアに問題があってですよ、これあの、毎日新聞の記者ですが、毎日新聞の記者にこうやって、放射能うつすぞって言った時にね、当然毎日新聞の記者は、大臣何をおっしゃってるんですかと、放射能うつるんですかと、あなたそれで経済産業大臣ですかと、抗弁して書くならいいけど」
村西利恵
「そのままね」
青山繁晴
「その時は黙っていて、毎日新聞が率先して一面トップに据えて、僕の古巣の共同通信もそのあと、大ニュースとして扱っていくって、これ卑怯ですよ。これはね、僕、記者時代に、その、先輩に噛み付いた頃には、青山くん、記者っていうのは傍観者でなきゃいけないんだってことを説教されて、ま、それが僕、記者を辞める原因にもやがてなっていったんですが。いや、それは違うんですよ。それはね、質問ですから。この場合は大臣に対して、大臣の発言ここおかしいんじゃないですか、で、鉢呂さんが何か言って、それを記事にすべきですね」
一同
「はい」
青山繁晴
「しかし、その問題はあるけれども、起こるべくして起こったことだから、野田総理はどう考えたかというと、やっぱり素人はまずいと。だから、あの、原発事故と、それからあの、ある程度の原子力の仕組み分かる人でなきゃいけないっていうので、実はこの枝野さんともう1人、えー、前の…前の前の経済産業大臣の直嶋さんっていう人を考えたんです」
村西利恵
「ああー」
青山繁晴
「しかし、ま、党内の力関係もあって、この枝野さんを起用したわけですね。特に、実は野田さんから見たら、原子力災害起きてから枝野さんの記者会見は、評判が良かったと、実際に思ってらっしゃるんですよ。つまりあの冷静な会見のお陰で、だいぶ、その、不安が鎮まったと思われているんですが、果たしてそうでしょうか。そしてその上でですね、枝野さんを起用したことによって、何がどうなったかというと、こうなったんですね」
村西利恵
「原発対応の担当大臣は、実質的に『菅内閣のまま』と」
山本浩之
「あー、そうですねえ」
青山繁晴
「ええ。ま、報道番組だから菅内閣のままになってんですが、本当は、まんまやねんと言いたいぐらいですよ、僕はね。これ、まんまでしょ?」
一同
「はい」
青山繁晴
「そして、ま、ひとつは、その、細野さんが原発事故担当っていうのもそのままだし、松本さんから替わったとはいえ平野さんは前の菅内閣から復興担当なんですね。すると、震災対応については官房長官として責任を担ってた枝野さんも含めて、菅内閣と同じですから。だから、原子力災害の克服と、それから東日本大震災からの復興に関して言うと、何のための政権…内閣交替か分からないから、さっき、内閣非交替と僕は申したわけですね。交替してないじゃないですかと。で、さらに、野田さんが評価したところの枝野さんの、官房長官時代の会見どうでしたか?皆さん思い出していただくと、この言葉、流行語にもなりましたよね。はい、出して下さい」
村西利恵
「『ただちに人体に影響はない』。何度も聞きましたよね」
青山繁晴
「はい。これ一番最初は3月16日から始まったんですけども、水素爆発とかあっても、20km、30km圏内であっても、外へ出て活動しても、ただちに人体に影響あるような数値ではないと。これ聞いたらどなたも、え?今すぐはそりゃ倒れたりしないけれども」
村西利恵
「将来的には…」
青山繁晴
「将来的には、そして将来ってことは今ちっちゃい子供が大きくなっていく過程で、例えばガンが増えたりするんじゃないかと、誰も思うわけで、だから本当はこれは、公平に見ると、枝野さんのこの繰り返された発言によって、えー、不安は広まったと言わざるを得なくて、それが風評被害や、その、世界から見た日本への偏見にもつながっているし、これ実は僕、つい最近、イギリスでBBC放送の記者の取材を受けたんですけど、福島原子力災害についてですね。で、その、イギリスでは、原発を増やそうとしてて、そして皆さんご存知のフランスの原子力施設の事故も、爆発事故も起きましたよね。だからイギリス人は不安じゃないんですか?と聞いたら、イギリスでは、彼はね、この官房長官の会見もよく研究してて、こういう言い方は絶対にしないと。ただちにって言ったら、じゃあ長期はどうなるのかって必ず国民も聞くから、必ず、政府は苦しくても説明を繰り返し情報を公開するので、その、原発に反対の人はもちろん反対し続けるけども、中立的な国民はいたずらな不安は持たないんだっていうことをおっしゃったわけです」
山本浩之
「なるほど」
青山繁晴
「で、そう考えると、菅政権時代の原子力災害の対応ってのは問題があるわけですが、この官房長官の言葉だけじゃなくて、具体的な実は失敗、いくつもあります。はい、出して下さい」
村西利恵
「原発対応での菅政権の失敗。同心円で警戒区域を設定したこと。それからSPEEDI(スピーディ)を使わなかったこと。さらには、チェルノブイリと同じ『レベル7』としたこと」
青山繁晴
「はい。これあの、同心円でっていうのは、ここに福島第一原発があって、ま、こっち(右側)太平洋なんですけどね、こうやって20kmで円を描きます、その上に30kmで円を描いてですよ、20km圏内はとにかく誰も入ってはならぬと。だから仕事もしちゃいけない、子供もここで学校行けない。で、30km圏内は、最初の1カ月は屋内にいなさいと。1カ月屋内にいなさいて無茶なことを言って、今はいざという時に避難を準備するってことになってるんですが、これ、チェルノブイリと違って、福島第一原発は軽い放射性物質が中心ですから、この、目に見えないチリの上に乗っかって広がるようなもんだから、これ同心円で広まるわけがないから、だから例えば本当はこういうふうに(北西方向を示して)汚染が広がっていってですよ、40km離れた飯舘村は、残念ながら汚染されました。僕もそこに行って確認しましたが。汚染されてない所から、その、汚染された所にわざわざ避難して、大混乱が起きたりしたと。ところが、未だにこれ、変えてないんですね。ところがその過程で、明らかになったのは、日本にもSPEEDIっていう名前のものがあってですね、それ何かというと、こうやって均一に広がるんじゃなくて、必ず地形と風によってまだらに広がりますね、それを科学的にちゃんとシミュレーションできるものがありますね、それを使わなかった。しかし、なぜ使わなかったのかっていうのが、実はメディアでも明らかにされてませんが、今日はそれ、お話ししようと思うんですけれども、ちょっとこれ見ていただけますか」
青山繁晴
「これあの、実際に僕が今から7年ぐらい前にアメリカに行って、えー、いただいた冊子なんですが、これは、ニューヨークって町ご存知だと思いますが、ニューヨークの電源も、インディアンポイントという、原子力発電所なんですね。で、その、インディアンポイントの周辺の住民にこれが配られたんですが、この中にですね、えー、これ、ま、この冊子で言うと7ページなんですが、ちょっと出していただけますか」
村西利恵
「冊子の中の地図の部分ですね」
青山繁晴
「はい。これはですね、えー、このずっと下の方にニューヨークがあるんです。えー、で、この辺(地図の外、右下)に、ま、自由の女神がいらっしゃって、9・11の爆発があったのこの辺ですね。で、そこからハドソン川をこう遡っていくわけです。こっちは、この下(地図の外、左下)、ニュージャージーなんですが。そのハドソン川を遡っていった所にインディアンポイントっていう原発があってですね。で、僕が、その原発担当の保安官と何度かお会いしたのはこの(地図中、右上の)ウェストチェスターって書いてある、ウェストチェスター郡。そして、それだけじゃなくてパトナム、オレンジ、ロックランドって、こうやって、あの、郡ですね。あの、軍隊の『軍』じゃなくて、なんとか郡の『郡』…」
山本浩之
「マディソン郡の『郡』ですね」
青山繁晴
「マディソン郡の『郡』ですね。で、この4つの郡を、その、協力して、これ見ていただくとまず半径10マイルって書いてるんですね。だから16kmぐらいですから、20kmの警戒区域と似てるように見えて、全く違うんですよ。こうやって、もちろん、その、近いとそれだけ汚染の可能性ありますから、本来は。だから、いちおう16kmをこうやって半径描くけれども、これ、あの、まるでモザイクみたいに地域は割ってあるでしょ」
青山繁晴
「そしてこれは、ここにですね、その、日本で言うとSPEEDIに当たるシミュレーションを重ねるんですよ。そうすると、例えば今回で言うと、2011年3月11日午後2時46分から始まったとすると、その時の風向きをシミュレーションして、パッと出すとですね、例えば、あの、はい、4・2・8・19の地域の人は逃げて下さいと」
一同
「ああー」
青山繁晴
「つまり他の所は逃げる必要がないから、その、例えば警察官であったり消防官もたくさん対処できる上に、さらに僕が行った時に、青山さん、この番号も、よく覚えてくれるんだけどもっと覚えやすいように、例えばモモ地区とか、ウサギさん地区とか、果物とか動物の名前にすることも実は考え中なんですよってこともおっしゃってたわけですね。で、それに加えて、ちょっと時間はないけれども、このパンフレットの一番最後のページに、さらに僕は感心したことがあってですね、アメリカだからいいってわけじゃないけれども感心したのはね、これ冊子渡してですよ、この最後のページだけ自分で記入して、あの、渡すようになってるわけです」
山本浩之
「どこに渡すんですか」
青山繁晴
「あの、その、係官に。例えばあの、自治体にですね」
山本浩之
「はあ、はあ…」
青山繁晴
「で、何が書いてるかというと、あなたは車椅子が必要ですか?と。ね」
山本浩之
「ああー(感嘆)」
青山繁晴
「このページですね。それからあなたはその、ちょっと視力に問題あったりしませんか?と。ね。つまり、弱者を探してるわけです。避難の弱者を」
一同
「はい。なるほど…」
青山繁晴
「で、これ一回では回収できないそうです。何回も何回も回ってるうちに、ほぼ全員書いてくれますと。ね」
山本浩之
「へえー」
青山繁晴
「で、全員書いてもらったら、じゃあこの方は例えば49地域に住んでると。49地域に目の不自由な方が何人いらっしゃるか、事前に把握してるから、何かあった時に、49がそのシミュレーションに当たってたら、そこにパッと人が行って、パッと救出できるわけですね」
村西利恵
「そこまで把握…」
青山繁晴
「だから弱者を守れるだけじゃなくて、実に効率が良くて、そういうのが全部、こう噛み合ってるわけですよ。(日本は)何でSPEEDIを使わなかったかというと、それは、こういう見直しをするのが嫌なんですよ」
岡安譲
「嫌なんですか?」
青山繁晴
「ええ。要するに縦割りの官僚組織もあって、こういうその、例えば自治体を超えて、それから役所も超えて連携することを日本が選ばないから、SPEEDIだけポツンとあるから、実は使われなかったということで。本来は新政権というのは例えばこれ(インディアンポイント)を参考にして、僕はだから、あの、これは7年前から政府に提案してるわけですけれども、ま、聞く耳も持たないで今日(こんにち)まで来てるっていうのが本当のところなんです。で、もうひとつ、菅政権の重大な失敗はこれですよね」
村西利恵
「こちらですね。チェルノブイリと同じ、事故のレベルを『レベル7』にしたこと」
青山繁晴
「はい、これ何のレベルかというと、IAEA、国際原子力機関の、持ってる尺度、で言うレベルならチェルノブイリと同じだと、いうことなんですが、これを日本政府が、自分で言った時に誰がびっくりしたかというと、その、IAEA、国際原子力機関のNo.2のフローリーさんっていう、この人、真面目な人なんですが、この事務次長がびっくりしたんですよ。え?チェルノブイリと福島は全然違うよと、別物だと彼は何度も言って、何でかというと、僕はウクライナ行った時に、軍から聞かされたのは、4000人死んでますと。で、福島原子力災害も、これから中長期に、子供たちや、あるいはその、妊婦を含めた女性の方への影響に絶対対処しなきゃいけないけれども、しかし1人も亡くなってないのも、あの、厳然たる事実ですから、(チェルノブイリと)同じじゃないんですよ。これを変えないままにしてるから、鉢呂さんは死の街って言ったんでしょう?」
一同
「ああー」
青山繁晴
「だから、僕は偶然の失言じゃないって言ってるんですよ。ね。それを変える。変えるってどうするかというと、レベル7がチェルノブイリで、レベル5がスリーマイル島事故なんです、アメリカの。スリーマイルよりは福島は明らか深刻だから、レベル6にしろってことを国際社会が言ってるんで。これが、今の大臣にできますか?どうしてできないかというと、できない恐れが強いかというと、枝野さんは、さっき皆さん(ストレートニュースで)ご覧になった福島の佐藤知事と会った時に、こうおっしゃいました。継続性が大事ですと。ね。謝りながらのように見えて、胸を張って継続性が大事って言ったのは、自分たちのやってきたことは正しいんだと言ってるわけですよ」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「その方にレベル6、頭下げて、国際社会に頭もう一回下げてレベル6でしたと、間違ってましたと言うことができますか?ということなんですよ。だから、単に前の人がやってるって問題じゃなくて、このままだと福島は、あのソ連が軍事用につくったチェルノブイリで、汚してしまった土地と一緒にされて、100年間、以上、福島の人が風評被害に苦しまなきゃいけないから、それを考えると、僕は新しい大臣で、つまり今の細野さんも平野さんも含めて、責任をとって、むしろ新しい大臣にバトンタッチすべきだと思います。で、その上でですね、もうひとつ、私たちが注目しなきゃいけないのは野田政権これから何をどうするかについて言うと、今日もニュース見て…昨日もニュース見ていただいたと思いますけど『アンカー』で、所信表明演説、その、野田さんが何をやりたいのか、信ずるところを話した演説に、その重大なカギが隠されてると思うんですが、そのお話のキーワードはこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『媚びる』。あの所信表明演説から野田内閣のどんな正体が見えてきたのか、このあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「2つめのキーワードは『媚びる』でした。所信表明演説から見えてくるものとは。続きをお願いします」
青山繁晴
「あの、所信表明演説の中には、私たちの気になるっていうか、気にしなきゃいけない増税の問題とか、もありますけれども、今日はまず、その、外交・安全保障について見たいと思うんですね。というのは野田さんは本来、自衛官の息子として、安全保障については関心が深いはずなんですよね。で、それに加えて、実は日本の周りでは、安全保障についてほんとにとんでもない状況が色々起きてます。まずその1つはこれです」
村西利恵
「来年、北朝鮮とロシアが合同軍事演習を行う予定だと報道されました」
青山繁晴
「はい、これは報道だけじゃなくて、ロシアの実際の東部戦略司令部っていう所がハバロフスクにあるんですが、そこの報道官がもうはっきり言いました。やりますよと。で、もちろん形の上では、パイロットが遭難した時に、一緒に助けましょうってことになってんですが、これもう明かな軍事協力で、そしてこれは、ロシアになってから、ソ連が崩壊してロシアになってから全く初めてのことで、そもそも北朝鮮が他国に手の内を見せて、あの、合同で演習やるってのは、ま、ほとんどないんですよ」
岡安譲
「びっくりですよね」
青山繁晴
「はい。で、これをどうしてやるかというとですね、これあの、今日のストレートニュースにあった通り、国民は苦しんでるのに、独裁者は最近絶好調なんですよ」
村西利恵
「絶好調」
青山繁晴
「どうして絶好調かというと、アメリカのオバマ政権がガクッとこう膝をついたからですね。もう今持ってる核はしょうがないよと、これから3回目の核実験っていうのはやめてね、そういう、あの、もうこれ以上やんないっていうならば認めてあげるよって言ったから、北朝鮮としては、じゃあもう6カ国協議を再開してですね、アメリカに堂々と文句言うのに、その時に中国、あなたがあの、仕切り役になりたいか、いや、ロシア、仕切り役になりたいか、ね、そうやって、ま、上手にロシア・中国の力を使おうとしてるから合同軍事演習をやるんですが、同時に、北朝鮮が日本国民を誘拐したままだけども、日本はそんなことを口に出さない、アメリカが膝を屈したら日本も言う通りに聞くだろうと思ってるから、日本なんか無視だよって意思表示でもあるんですね。で、さらに、皆さんこれよく、実はご存知だと思いますが、こういうことが起きてますね」
村西利恵
「日本を取り巻く外交安全上の問題、先月末からだけでもこれだけあります」
青山繁晴
「はい。まず、わが日本列島をロシアの爆撃機が、まるで爆撃の演習でもしてるのかっていうぐらい、ぐるぐる回ったりですよ。それから宗谷海峡も普通に、大量の艦隊が、ロシア、通過していったり。それから、北方領土、メドベージェフ大統領が足を降ろしましたけど、今度はプーチン、次にまた大統領に復帰するんじゃないかって言われてるプーチンさんの側近がわざわざ上陸してみせたり、ね。そして、ま、このロシアについて言うと、この間サラリーマンの方から僕は聞かれました。青山さん、これってやっぱり、その、野田政権とか、その、日本の出方を見てるんですか?と。いや、誰でもそう思うでしょ?」
一同
「はい」
青山繁晴
「誰でもそう思うのにどうしてサラリーマンの方は聞かれたかというと、いくら何でもそんな、そこまで日本はなめられてんですかと、そこまで露骨にやられるもんですかって趣旨だと思うんですが、その通り、やられてるんですよ。そしてさらに、私たちの竹島に韓国の李明博大統領、親日派と言われた李明博さんも、行きますよ、できるっていうのは、どうせ日本は何も反論しないから、っていうことだし、そして中国は、野田内閣の組閣前の、新政権ができる前に、わざわざ尖閣諸島の領海内に船を領海侵犯させて。いずれも日本は、じゃあ領土問題を含めて、近隣諸国に対して物を言うのか言わないのかを、探ってるわけですよね。それに対して答えたのが、野田さんの昨日(9/13)の所信表明演説だったんですが、じゃあ答はどうだったか。はい、出して下さい」
村西利恵
「きのうの演説の中の、外交・安保に関する部分です。ロシアに対しては、『北方領土問題を解決すべく精力的に取り組む』。韓国に対しては、『一層の関係強化』。そして中国に対しては、『国際社会の一員として、より一層の透明性を持って適切な役割を果たすよう求めながら、戦略的互恵関係を深める』としています」
青山繁晴
「はい。これ、あの、何か、ちゃんと言ってるようで実は全然言ってないでしょ。これね、例えば、ロシアに対しては、北方領土の問題を解決すべく精力的に取り組みます、まるで、日本に責任があるみたい。ね。ロシアが不法占領してることは全然、棚上げですね。それから韓国についてはもう、竹島問題なんかないかのごとく。このままでいいから関係強化するって言ってるわけでしょ。そして中国に対しては、かろうじて物を言ってるのは、もっと責任持って下さいよと、そして、例えば国防予算が不透明だけど、もっと透明性を持って下さいって、これ、言ってるようで、これはアメリカが言ってることであって、日本と中国の間の、例えば尖閣諸島の問題、尖閣諸島の問題は、領土問題は存在しないって立場だから、直接尖閣って言う必要はないけれども、しかし、全部について言えるのは、相手が嫌がることは言いませんってことですね。で、ここには書きませんでしたが、嫌がることは言わないことの中には、沖縄の問題も入っていて、例えば普天間基地の問題について、その、どこに移設するかと。日米合意は大事にすると、日米合意を踏まえつつとは言ってるけども、じゃあ、やっぱり辺野古に移すんですねってことは言わない、何も触れないっていうことが実は特徴なんですね。そしてその中で北朝鮮についてはこう言ってるわけです」
村西利恵
「『北朝鮮との関係では、関係国と連携しつつ、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決を図り、不幸な過去を清算して国交正常化を追求します。拉致問題については、わが国の主権に関わる重大な問題であり、国の責任において、全ての拉致被害者の一刻も早い帰国に向けて全力を尽くします』」
青山繁晴
「はい。拉致問題に触れてるのはあまりにも当然ですが、北朝鮮が嫌がることは何も言ってないんですね。つまり例えば、拉致が解決できなかったら国交正常化できませんということを、かつての内閣は言ってきたんですが、そうじゃなくて、全部、丸ごとの中のひとつですよと。そしてさっきの北方領土と同じで、まるで日本が力を尽くすかどうかが問題みたいになっていて、そして、決めつけは、不幸な過去を清算し、と、いうふうに、日本がむしろ悪いんですと。ね。だから、これ聞きようによっては、拉致事件について北朝鮮は、あの、かつての、戦争の前のこと考えたらこれぐらいでゴタゴタ言うなっていうような姿勢が北朝鮮ですけれども、それに、媚びてると、言わざるを得ないような言葉だけはしっかり入ってるわけです。で、これを、僕は、野田総理ひとりの問題にするつもりはなくて、日本はなぜ戦争にたった一回負けただけで、ね、そして北朝鮮や韓国とは戦争してません、戦争してない国に対しても、自国民が誘拐されてもどうしてこんなに媚びて物を言わなきゃいけないのか。野田総理ひとりの問題だけではなくて、野田さんを含めて、あるいは私自身も含めて、実は敗戦後の日本は、媚びることによってそれを外交と勘違いしてきたんではないかと。だから、やすやすと自国民は誘拐されたままなのではないかということを、この機会にもう一度、私たち原点戻って考えたいと思います」
山本浩之
「ありがとうございました。以上“ニュースDEズバリ”でした」
____________________________内容紹介ここまで
この日は他に、能登半島沖で発見された脱北者9人の続報、野田首相の所信表明に対する代表質問、八ツ場ダム建設すべしとの国交省の検証結果報告に前原政調会長怒る、 アフガニスタンで米大使館などを狙った武装勢力による攻撃、のニュースで青山さんの解説がありました。
脱北者の件ですが、青山さんによれば、この小さな船で日本までたどり着けたのはあまりに不自然で、実際は母船が途中で送ってきて、あの小船を降ろしたのではないかという見方が公安当局にもあるそうです。
それは北朝鮮の工作活動というのではなく、朝鮮人民軍が崩壊現象を起こしていて、軍の一部が“アルバイト”として脱北者の船を出しているのではないか、ということでした。
これらも含め、拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらを是非ご覧下さい。
ところで今日(9/14)の代表質問、テレビ報道では自民党の谷垣総裁の質問ばかりがクローズアップされているようですが、古川禎久さんも登場しました。GJでした!(^o^)
(衆議院インターネット中継はじめ各動画サイトに上がってると思いますので、是非ご覧下さい)
一川防衛大臣「素人」発言問題、日教組のドン輿石氏の幹事長登用、靖国参拝、外国人参政権、在日献金問題、朝鮮学校無償化手続き再開問題、領土問題、外資による日本の土地買収問題など、民主党の体質を鋭くえぐる質問(批判)をたくさんしてくれました。
が、その合間にテレビ画面に映った民主党議員や大臣の態度にはガッカリ(T^T)
私が見た中で言えば、例えば「菅首相の退陣間際の朝鮮学校無償化手続き再開指示」を批判された時の菅さん、この笑顔ですよ(画像は2ちゃんねるより)。
あと、別の場面で平岡法務大臣も笑ってました。
領土問題のところで、古川禎久さんが「何かあってもアメリカ軍が自動的に出動するわけではない。日本は覚悟をもって自主防衛しなければならない」という趣旨のことを述べた時でした。
「そこは笑うとこちゃうやろ!」と思わずテレビに突っ込んでしまいました。
やっぱり民主党の人たちって、日本の主権とか防衛とか、そういうことには全く興味がないのでしょうね(-.-#)
で、肝心の野田首相の答弁は、官僚が書いた通り一遍のペーパーを読むのみで、これまたガッカリでした(T^T)
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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「震災から半年、原子力災害からの復旧・復興は野田新政権になってどう変わっていくんだろうと、思っているんですけれども、最初のキーワードは、『内閣非交替』でした。さっそくお願いします」
青山繁晴
「はい。えっとまず、これ、ちょうど福島第一原発の事故後の構内が映ってるんですけれども、当然ここから出た放射性物質によって、広大な地域に汚染も広まって、もう問題は広く深いんですけれど。まずやっぱりこの根っこの、この原発の構内がどうなってるかっていうことから見たいと思います。はい、出して下さい」
村西利恵
「福島第一原発の汚染水処理システム、この稼働率が9割を超えました」
青山繁晴
「はい。これまず、その、汚染水処理システムっていうのは、あの、皆さん思い出していただくと、要するに冷やせなくなって、水素爆発を含め、悲惨なことが起きました。で、従って、その、冷やすためにどんどん海水も含めて、水を注入していったんですが、その水が放射性物質を含んだままあふれ出して、その水が蒸発することによって、放射性物質の漏洩も、あの、放射性物質の種類は限られてはいます、本当は、チェルノブイリと違ってですね、でもずっと終わらないってことがありました。その水の問題どうするかっていうことで、えー、要は、ぐるぐる循環させましょうと。汚染水処理システムですが、ま、あの、同じ水をぐるぐると循環させていって、途中でこうやってきれいにしていって、その、ある程度きれいになった水を冷やすのに使いましょうと。そうすると水も増えないよねってことなんですが。今では当たり前のように言われてるけども、これ、あの、初期の頃はですね、この『アンカー』でも何度も言いましたが、あの、提案してたのは例えば私とか、あるいは政府の中でも警察庁とか、要するに原子力村、以外の所から、これ提案してて、原子力村の人々はこれ嫌だ嫌だと言ってたわけですよ。で、原子力村のやり方では上手く行かないってことがもう最終的に分かって、ようやくこれを導入して、ところがその時に、例えば、フランスとかアメリカに頼ろうっていう話にもなって、これも僕は反対してきましたが、これもあの、当然予想された通り、フランス・アメリカ、国籍が違うだけじゃなくて、日本でも東芝・日立・日揮っていうふうに違うメーカーが、テストもほとんどしないで、噛み合わせただけですから、最初はトラブルあるの決まってるわけですよ。で、トラブルがあって、稼働率、その、動いてる割合が低い時は、一面トップとかになってたのに、今のように良くなったらですね、その、全然報道されなくなったわけです。で、テレビではもうほとんどやらないし、新聞でもこんな(小さな)記事ですよね。よーく見ないと分かんないような記事になってるわけです。これは、この今の日本のひとつの根幹の問題だと思います、あの、メディアの在り方としてですね。悪い時だけ、その、報道が多いと。で、実態は、この汚染水の処理が進んでるってことは、どういうことかというと、それはこれです」
村西利恵
「計画通り、『冷温停止』状態へ向かっていると」
青山繁晴
「はい。えー、冷温停止っていうのは、原子力発電の場合は、炉の中が100度以下。100度ですから一般的には冷温と言えないと、あの、いう感じでしょうが、実際には100度を割ると、冷温停止という状態になってきますが。ま、来年の1月末までに、来年の1月までに、この冷温停止に行く見通しがだいぶ立ってきました。これは、あの、この『アンカー』でも何度も申しましたが、高卒の、10代の作業員から、それからほんとは定年になっているんだけれども、志を持ってこの原発に戻って来られた、60代以上の作業員の方々と、それから闘うリーダーの吉田昌郎さんの努力もあって、こういうことが進み出してるということなんですよね。で、ところが、まあ、あの、これあくまで構内で、で、その、町や村には、放射性物質が、その、静かに広く、その、ずっと、あの、薄くても何日も何日も、これはチェルノブイリよりはるかに長く続いてるっていう重大な問題もあります。で、それに加えて、えー、新しい野田総理にとっては予定外のことが起きたのが、これですよね。はい、出して下さい」
村西利恵
「鉢呂経済産業大臣が辞任し、枝野前官房長官が後任に決まりました」
青山繁晴
「はい。これ今、野田さんにとって予定外だったと言ったんですが、僕は。しかし本当は、僕はこれ予定外じゃなくて、起こるべくして起きたことだと思ってるんですね」
村西利恵
「どういうことですか」
青山繁晴
「はい。で、まずこの鉢呂さんていう方を、どうして、この経済産業大臣にしたかというとですね、この野田内閣っていうのはとにかく、原子力発電所の再稼働、をやる内閣です。それはもうはっきり言ってますね」
一同
「はい」
青山繁晴
「で、党内に、この鉢呂さんのように旧社会党出身で、えー、党内左派と言われる人たちから反対論も強いの分かってたから、だから、反対の人ほど中に取り込んで、文句を言わせないようにしたと。ね。そのためには鉢呂さんが実は原子力を、ご存知ないというのを、知識がないってのを知りつつ、素人と分かった上で、その、反論が出ないようにむしろ取り込んだんですよ」
一同
「うーん」
青山繁晴
「で、従って、ま、鉢呂さんの問題発言2つあってですね。1つはその、地元の福島を死の町と表現してしまったり、それからもう1つは、その視察に行ったあとに、その、自分の議員宿舎の前にいた記者団に対して、ほら、放射能をうつすぞと。ね。放射能はうつるもんじゃありません(笑)。伝染病じゃないんだから。だから、知識がないことが、実は災いして、そういう問題発言になってるんで、僕は起こるべくして起きたことだと思うんですよ。但し、これもメディアに問題があってですよ、これあの、毎日新聞の記者ですが、毎日新聞の記者にこうやって、放射能うつすぞって言った時にね、当然毎日新聞の記者は、大臣何をおっしゃってるんですかと、放射能うつるんですかと、あなたそれで経済産業大臣ですかと、抗弁して書くならいいけど」
村西利恵
「そのままね」
青山繁晴
「その時は黙っていて、毎日新聞が率先して一面トップに据えて、僕の古巣の共同通信もそのあと、大ニュースとして扱っていくって、これ卑怯ですよ。これはね、僕、記者時代に、その、先輩に噛み付いた頃には、青山くん、記者っていうのは傍観者でなきゃいけないんだってことを説教されて、ま、それが僕、記者を辞める原因にもやがてなっていったんですが。いや、それは違うんですよ。それはね、質問ですから。この場合は大臣に対して、大臣の発言ここおかしいんじゃないですか、で、鉢呂さんが何か言って、それを記事にすべきですね」
一同
「はい」
青山繁晴
「しかし、その問題はあるけれども、起こるべくして起こったことだから、野田総理はどう考えたかというと、やっぱり素人はまずいと。だから、あの、原発事故と、それからあの、ある程度の原子力の仕組み分かる人でなきゃいけないっていうので、実はこの枝野さんともう1人、えー、前の…前の前の経済産業大臣の直嶋さんっていう人を考えたんです」
村西利恵
「ああー」
青山繁晴
「しかし、ま、党内の力関係もあって、この枝野さんを起用したわけですね。特に、実は野田さんから見たら、原子力災害起きてから枝野さんの記者会見は、評判が良かったと、実際に思ってらっしゃるんですよ。つまりあの冷静な会見のお陰で、だいぶ、その、不安が鎮まったと思われているんですが、果たしてそうでしょうか。そしてその上でですね、枝野さんを起用したことによって、何がどうなったかというと、こうなったんですね」
村西利恵
「原発対応の担当大臣は、実質的に『菅内閣のまま』と」
山本浩之
「あー、そうですねえ」
青山繁晴
「ええ。ま、報道番組だから菅内閣のままになってんですが、本当は、まんまやねんと言いたいぐらいですよ、僕はね。これ、まんまでしょ?」
一同
「はい」
青山繁晴
「そして、ま、ひとつは、その、細野さんが原発事故担当っていうのもそのままだし、松本さんから替わったとはいえ平野さんは前の菅内閣から復興担当なんですね。すると、震災対応については官房長官として責任を担ってた枝野さんも含めて、菅内閣と同じですから。だから、原子力災害の克服と、それから東日本大震災からの復興に関して言うと、何のための政権…内閣交替か分からないから、さっき、内閣非交替と僕は申したわけですね。交替してないじゃないですかと。で、さらに、野田さんが評価したところの枝野さんの、官房長官時代の会見どうでしたか?皆さん思い出していただくと、この言葉、流行語にもなりましたよね。はい、出して下さい」
村西利恵
「『ただちに人体に影響はない』。何度も聞きましたよね」
青山繁晴
「はい。これ一番最初は3月16日から始まったんですけども、水素爆発とかあっても、20km、30km圏内であっても、外へ出て活動しても、ただちに人体に影響あるような数値ではないと。これ聞いたらどなたも、え?今すぐはそりゃ倒れたりしないけれども」
村西利恵
「将来的には…」
青山繁晴
「将来的には、そして将来ってことは今ちっちゃい子供が大きくなっていく過程で、例えばガンが増えたりするんじゃないかと、誰も思うわけで、だから本当はこれは、公平に見ると、枝野さんのこの繰り返された発言によって、えー、不安は広まったと言わざるを得なくて、それが風評被害や、その、世界から見た日本への偏見にもつながっているし、これ実は僕、つい最近、イギリスでBBC放送の記者の取材を受けたんですけど、福島原子力災害についてですね。で、その、イギリスでは、原発を増やそうとしてて、そして皆さんご存知のフランスの原子力施設の事故も、爆発事故も起きましたよね。だからイギリス人は不安じゃないんですか?と聞いたら、イギリスでは、彼はね、この官房長官の会見もよく研究してて、こういう言い方は絶対にしないと。ただちにって言ったら、じゃあ長期はどうなるのかって必ず国民も聞くから、必ず、政府は苦しくても説明を繰り返し情報を公開するので、その、原発に反対の人はもちろん反対し続けるけども、中立的な国民はいたずらな不安は持たないんだっていうことをおっしゃったわけです」
山本浩之
「なるほど」
青山繁晴
「で、そう考えると、菅政権時代の原子力災害の対応ってのは問題があるわけですが、この官房長官の言葉だけじゃなくて、具体的な実は失敗、いくつもあります。はい、出して下さい」
村西利恵
「原発対応での菅政権の失敗。同心円で警戒区域を設定したこと。それからSPEEDI(スピーディ)を使わなかったこと。さらには、チェルノブイリと同じ『レベル7』としたこと」
青山繁晴
「はい。これあの、同心円でっていうのは、ここに福島第一原発があって、ま、こっち(右側)太平洋なんですけどね、こうやって20kmで円を描きます、その上に30kmで円を描いてですよ、20km圏内はとにかく誰も入ってはならぬと。だから仕事もしちゃいけない、子供もここで学校行けない。で、30km圏内は、最初の1カ月は屋内にいなさいと。1カ月屋内にいなさいて無茶なことを言って、今はいざという時に避難を準備するってことになってるんですが、これ、チェルノブイリと違って、福島第一原発は軽い放射性物質が中心ですから、この、目に見えないチリの上に乗っかって広がるようなもんだから、これ同心円で広まるわけがないから、だから例えば本当はこういうふうに(北西方向を示して)汚染が広がっていってですよ、40km離れた飯舘村は、残念ながら汚染されました。僕もそこに行って確認しましたが。汚染されてない所から、その、汚染された所にわざわざ避難して、大混乱が起きたりしたと。ところが、未だにこれ、変えてないんですね。ところがその過程で、明らかになったのは、日本にもSPEEDIっていう名前のものがあってですね、それ何かというと、こうやって均一に広がるんじゃなくて、必ず地形と風によってまだらに広がりますね、それを科学的にちゃんとシミュレーションできるものがありますね、それを使わなかった。しかし、なぜ使わなかったのかっていうのが、実はメディアでも明らかにされてませんが、今日はそれ、お話ししようと思うんですけれども、ちょっとこれ見ていただけますか」
青山繁晴
「これあの、実際に僕が今から7年ぐらい前にアメリカに行って、えー、いただいた冊子なんですが、これは、ニューヨークって町ご存知だと思いますが、ニューヨークの電源も、インディアンポイントという、原子力発電所なんですね。で、その、インディアンポイントの周辺の住民にこれが配られたんですが、この中にですね、えー、これ、ま、この冊子で言うと7ページなんですが、ちょっと出していただけますか」
村西利恵
「冊子の中の地図の部分ですね」
青山繁晴
「はい。これはですね、えー、このずっと下の方にニューヨークがあるんです。えー、で、この辺(地図の外、右下)に、ま、自由の女神がいらっしゃって、9・11の爆発があったのこの辺ですね。で、そこからハドソン川をこう遡っていくわけです。こっちは、この下(地図の外、左下)、ニュージャージーなんですが。そのハドソン川を遡っていった所にインディアンポイントっていう原発があってですね。で、僕が、その原発担当の保安官と何度かお会いしたのはこの(地図中、右上の)ウェストチェスターって書いてある、ウェストチェスター郡。そして、それだけじゃなくてパトナム、オレンジ、ロックランドって、こうやって、あの、郡ですね。あの、軍隊の『軍』じゃなくて、なんとか郡の『郡』…」
山本浩之
「マディソン郡の『郡』ですね」
青山繁晴
「マディソン郡の『郡』ですね。で、この4つの郡を、その、協力して、これ見ていただくとまず半径10マイルって書いてるんですね。だから16kmぐらいですから、20kmの警戒区域と似てるように見えて、全く違うんですよ。こうやって、もちろん、その、近いとそれだけ汚染の可能性ありますから、本来は。だから、いちおう16kmをこうやって半径描くけれども、これ、あの、まるでモザイクみたいに地域は割ってあるでしょ」
青山繁晴
「そしてこれは、ここにですね、その、日本で言うとSPEEDIに当たるシミュレーションを重ねるんですよ。そうすると、例えば今回で言うと、2011年3月11日午後2時46分から始まったとすると、その時の風向きをシミュレーションして、パッと出すとですね、例えば、あの、はい、4・2・8・19の地域の人は逃げて下さいと」
一同
「ああー」
青山繁晴
「つまり他の所は逃げる必要がないから、その、例えば警察官であったり消防官もたくさん対処できる上に、さらに僕が行った時に、青山さん、この番号も、よく覚えてくれるんだけどもっと覚えやすいように、例えばモモ地区とか、ウサギさん地区とか、果物とか動物の名前にすることも実は考え中なんですよってこともおっしゃってたわけですね。で、それに加えて、ちょっと時間はないけれども、このパンフレットの一番最後のページに、さらに僕は感心したことがあってですね、アメリカだからいいってわけじゃないけれども感心したのはね、これ冊子渡してですよ、この最後のページだけ自分で記入して、あの、渡すようになってるわけです」
山本浩之
「どこに渡すんですか」
青山繁晴
「あの、その、係官に。例えばあの、自治体にですね」
山本浩之
「はあ、はあ…」
青山繁晴
「で、何が書いてるかというと、あなたは車椅子が必要ですか?と。ね」
山本浩之
「ああー(感嘆)」
青山繁晴
「このページですね。それからあなたはその、ちょっと視力に問題あったりしませんか?と。ね。つまり、弱者を探してるわけです。避難の弱者を」
一同
「はい。なるほど…」
青山繁晴
「で、これ一回では回収できないそうです。何回も何回も回ってるうちに、ほぼ全員書いてくれますと。ね」
山本浩之
「へえー」
青山繁晴
「で、全員書いてもらったら、じゃあこの方は例えば49地域に住んでると。49地域に目の不自由な方が何人いらっしゃるか、事前に把握してるから、何かあった時に、49がそのシミュレーションに当たってたら、そこにパッと人が行って、パッと救出できるわけですね」
村西利恵
「そこまで把握…」
青山繁晴
「だから弱者を守れるだけじゃなくて、実に効率が良くて、そういうのが全部、こう噛み合ってるわけですよ。(日本は)何でSPEEDIを使わなかったかというと、それは、こういう見直しをするのが嫌なんですよ」
岡安譲
「嫌なんですか?」
青山繁晴
「ええ。要するに縦割りの官僚組織もあって、こういうその、例えば自治体を超えて、それから役所も超えて連携することを日本が選ばないから、SPEEDIだけポツンとあるから、実は使われなかったということで。本来は新政権というのは例えばこれ(インディアンポイント)を参考にして、僕はだから、あの、これは7年前から政府に提案してるわけですけれども、ま、聞く耳も持たないで今日(こんにち)まで来てるっていうのが本当のところなんです。で、もうひとつ、菅政権の重大な失敗はこれですよね」
村西利恵
「こちらですね。チェルノブイリと同じ、事故のレベルを『レベル7』にしたこと」
青山繁晴
「はい、これ何のレベルかというと、IAEA、国際原子力機関の、持ってる尺度、で言うレベルならチェルノブイリと同じだと、いうことなんですが、これを日本政府が、自分で言った時に誰がびっくりしたかというと、その、IAEA、国際原子力機関のNo.2のフローリーさんっていう、この人、真面目な人なんですが、この事務次長がびっくりしたんですよ。え?チェルノブイリと福島は全然違うよと、別物だと彼は何度も言って、何でかというと、僕はウクライナ行った時に、軍から聞かされたのは、4000人死んでますと。で、福島原子力災害も、これから中長期に、子供たちや、あるいはその、妊婦を含めた女性の方への影響に絶対対処しなきゃいけないけれども、しかし1人も亡くなってないのも、あの、厳然たる事実ですから、(チェルノブイリと)同じじゃないんですよ。これを変えないままにしてるから、鉢呂さんは死の街って言ったんでしょう?」
一同
「ああー」
青山繁晴
「だから、僕は偶然の失言じゃないって言ってるんですよ。ね。それを変える。変えるってどうするかというと、レベル7がチェルノブイリで、レベル5がスリーマイル島事故なんです、アメリカの。スリーマイルよりは福島は明らか深刻だから、レベル6にしろってことを国際社会が言ってるんで。これが、今の大臣にできますか?どうしてできないかというと、できない恐れが強いかというと、枝野さんは、さっき皆さん(ストレートニュースで)ご覧になった福島の佐藤知事と会った時に、こうおっしゃいました。継続性が大事ですと。ね。謝りながらのように見えて、胸を張って継続性が大事って言ったのは、自分たちのやってきたことは正しいんだと言ってるわけですよ」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「その方にレベル6、頭下げて、国際社会に頭もう一回下げてレベル6でしたと、間違ってましたと言うことができますか?ということなんですよ。だから、単に前の人がやってるって問題じゃなくて、このままだと福島は、あのソ連が軍事用につくったチェルノブイリで、汚してしまった土地と一緒にされて、100年間、以上、福島の人が風評被害に苦しまなきゃいけないから、それを考えると、僕は新しい大臣で、つまり今の細野さんも平野さんも含めて、責任をとって、むしろ新しい大臣にバトンタッチすべきだと思います。で、その上でですね、もうひとつ、私たちが注目しなきゃいけないのは野田政権これから何をどうするかについて言うと、今日もニュース見て…昨日もニュース見ていただいたと思いますけど『アンカー』で、所信表明演説、その、野田さんが何をやりたいのか、信ずるところを話した演説に、その重大なカギが隠されてると思うんですが、そのお話のキーワードはこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『媚びる』。あの所信表明演説から野田内閣のどんな正体が見えてきたのか、このあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「2つめのキーワードは『媚びる』でした。所信表明演説から見えてくるものとは。続きをお願いします」
青山繁晴
「あの、所信表明演説の中には、私たちの気になるっていうか、気にしなきゃいけない増税の問題とか、もありますけれども、今日はまず、その、外交・安全保障について見たいと思うんですね。というのは野田さんは本来、自衛官の息子として、安全保障については関心が深いはずなんですよね。で、それに加えて、実は日本の周りでは、安全保障についてほんとにとんでもない状況が色々起きてます。まずその1つはこれです」
村西利恵
「来年、北朝鮮とロシアが合同軍事演習を行う予定だと報道されました」
青山繁晴
「はい、これは報道だけじゃなくて、ロシアの実際の東部戦略司令部っていう所がハバロフスクにあるんですが、そこの報道官がもうはっきり言いました。やりますよと。で、もちろん形の上では、パイロットが遭難した時に、一緒に助けましょうってことになってんですが、これもう明かな軍事協力で、そしてこれは、ロシアになってから、ソ連が崩壊してロシアになってから全く初めてのことで、そもそも北朝鮮が他国に手の内を見せて、あの、合同で演習やるってのは、ま、ほとんどないんですよ」
岡安譲
「びっくりですよね」
青山繁晴
「はい。で、これをどうしてやるかというとですね、これあの、今日のストレートニュースにあった通り、国民は苦しんでるのに、独裁者は最近絶好調なんですよ」
村西利恵
「絶好調」
青山繁晴
「どうして絶好調かというと、アメリカのオバマ政権がガクッとこう膝をついたからですね。もう今持ってる核はしょうがないよと、これから3回目の核実験っていうのはやめてね、そういう、あの、もうこれ以上やんないっていうならば認めてあげるよって言ったから、北朝鮮としては、じゃあもう6カ国協議を再開してですね、アメリカに堂々と文句言うのに、その時に中国、あなたがあの、仕切り役になりたいか、いや、ロシア、仕切り役になりたいか、ね、そうやって、ま、上手にロシア・中国の力を使おうとしてるから合同軍事演習をやるんですが、同時に、北朝鮮が日本国民を誘拐したままだけども、日本はそんなことを口に出さない、アメリカが膝を屈したら日本も言う通りに聞くだろうと思ってるから、日本なんか無視だよって意思表示でもあるんですね。で、さらに、皆さんこれよく、実はご存知だと思いますが、こういうことが起きてますね」
村西利恵
「日本を取り巻く外交安全上の問題、先月末からだけでもこれだけあります」
青山繁晴
「はい。まず、わが日本列島をロシアの爆撃機が、まるで爆撃の演習でもしてるのかっていうぐらい、ぐるぐる回ったりですよ。それから宗谷海峡も普通に、大量の艦隊が、ロシア、通過していったり。それから、北方領土、メドベージェフ大統領が足を降ろしましたけど、今度はプーチン、次にまた大統領に復帰するんじゃないかって言われてるプーチンさんの側近がわざわざ上陸してみせたり、ね。そして、ま、このロシアについて言うと、この間サラリーマンの方から僕は聞かれました。青山さん、これってやっぱり、その、野田政権とか、その、日本の出方を見てるんですか?と。いや、誰でもそう思うでしょ?」
一同
「はい」
青山繁晴
「誰でもそう思うのにどうしてサラリーマンの方は聞かれたかというと、いくら何でもそんな、そこまで日本はなめられてんですかと、そこまで露骨にやられるもんですかって趣旨だと思うんですが、その通り、やられてるんですよ。そしてさらに、私たちの竹島に韓国の李明博大統領、親日派と言われた李明博さんも、行きますよ、できるっていうのは、どうせ日本は何も反論しないから、っていうことだし、そして中国は、野田内閣の組閣前の、新政権ができる前に、わざわざ尖閣諸島の領海内に船を領海侵犯させて。いずれも日本は、じゃあ領土問題を含めて、近隣諸国に対して物を言うのか言わないのかを、探ってるわけですよね。それに対して答えたのが、野田さんの昨日(9/13)の所信表明演説だったんですが、じゃあ答はどうだったか。はい、出して下さい」
村西利恵
「きのうの演説の中の、外交・安保に関する部分です。ロシアに対しては、『北方領土問題を解決すべく精力的に取り組む』。韓国に対しては、『一層の関係強化』。そして中国に対しては、『国際社会の一員として、より一層の透明性を持って適切な役割を果たすよう求めながら、戦略的互恵関係を深める』としています」
青山繁晴
「はい。これ、あの、何か、ちゃんと言ってるようで実は全然言ってないでしょ。これね、例えば、ロシアに対しては、北方領土の問題を解決すべく精力的に取り組みます、まるで、日本に責任があるみたい。ね。ロシアが不法占領してることは全然、棚上げですね。それから韓国についてはもう、竹島問題なんかないかのごとく。このままでいいから関係強化するって言ってるわけでしょ。そして中国に対しては、かろうじて物を言ってるのは、もっと責任持って下さいよと、そして、例えば国防予算が不透明だけど、もっと透明性を持って下さいって、これ、言ってるようで、これはアメリカが言ってることであって、日本と中国の間の、例えば尖閣諸島の問題、尖閣諸島の問題は、領土問題は存在しないって立場だから、直接尖閣って言う必要はないけれども、しかし、全部について言えるのは、相手が嫌がることは言いませんってことですね。で、ここには書きませんでしたが、嫌がることは言わないことの中には、沖縄の問題も入っていて、例えば普天間基地の問題について、その、どこに移設するかと。日米合意は大事にすると、日米合意を踏まえつつとは言ってるけども、じゃあ、やっぱり辺野古に移すんですねってことは言わない、何も触れないっていうことが実は特徴なんですね。そしてその中で北朝鮮についてはこう言ってるわけです」
村西利恵
「『北朝鮮との関係では、関係国と連携しつつ、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決を図り、不幸な過去を清算して国交正常化を追求します。拉致問題については、わが国の主権に関わる重大な問題であり、国の責任において、全ての拉致被害者の一刻も早い帰国に向けて全力を尽くします』」
青山繁晴
「はい。拉致問題に触れてるのはあまりにも当然ですが、北朝鮮が嫌がることは何も言ってないんですね。つまり例えば、拉致が解決できなかったら国交正常化できませんということを、かつての内閣は言ってきたんですが、そうじゃなくて、全部、丸ごとの中のひとつですよと。そしてさっきの北方領土と同じで、まるで日本が力を尽くすかどうかが問題みたいになっていて、そして、決めつけは、不幸な過去を清算し、と、いうふうに、日本がむしろ悪いんですと。ね。だから、これ聞きようによっては、拉致事件について北朝鮮は、あの、かつての、戦争の前のこと考えたらこれぐらいでゴタゴタ言うなっていうような姿勢が北朝鮮ですけれども、それに、媚びてると、言わざるを得ないような言葉だけはしっかり入ってるわけです。で、これを、僕は、野田総理ひとりの問題にするつもりはなくて、日本はなぜ戦争にたった一回負けただけで、ね、そして北朝鮮や韓国とは戦争してません、戦争してない国に対しても、自国民が誘拐されてもどうしてこんなに媚びて物を言わなきゃいけないのか。野田総理ひとりの問題だけではなくて、野田さんを含めて、あるいは私自身も含めて、実は敗戦後の日本は、媚びることによってそれを外交と勘違いしてきたんではないかと。だから、やすやすと自国民は誘拐されたままなのではないかということを、この機会にもう一度、私たち原点戻って考えたいと思います」
山本浩之
「ありがとうございました。以上“ニュースDEズバリ”でした」
____________________________内容紹介ここまで
この日は他に、能登半島沖で発見された脱北者9人の続報、野田首相の所信表明に対する代表質問、八ツ場ダム建設すべしとの国交省の検証結果報告に前原政調会長怒る、 アフガニスタンで米大使館などを狙った武装勢力による攻撃、のニュースで青山さんの解説がありました。
脱北者の件ですが、青山さんによれば、この小さな船で日本までたどり着けたのはあまりに不自然で、実際は母船が途中で送ってきて、あの小船を降ろしたのではないかという見方が公安当局にもあるそうです。
それは北朝鮮の工作活動というのではなく、朝鮮人民軍が崩壊現象を起こしていて、軍の一部が“アルバイト”として脱北者の船を出しているのではないか、ということでした。
これらも含め、拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらを是非ご覧下さい。
ところで今日(9/14)の代表質問、テレビ報道では自民党の谷垣総裁の質問ばかりがクローズアップされているようですが、古川禎久さんも登場しました。GJでした!(^o^)
(衆議院インターネット中継はじめ各動画サイトに上がってると思いますので、是非ご覧下さい)
一川防衛大臣「素人」発言問題、日教組のドン輿石氏の幹事長登用、靖国参拝、外国人参政権、在日献金問題、朝鮮学校無償化手続き再開問題、領土問題、外資による日本の土地買収問題など、民主党の体質を鋭くえぐる質問(批判)をたくさんしてくれました。
が、その合間にテレビ画面に映った民主党議員や大臣の態度にはガッカリ(T^T)
私が見た中で言えば、例えば「菅首相の退陣間際の朝鮮学校無償化手続き再開指示」を批判された時の菅さん、この笑顔ですよ(画像は2ちゃんねるより)。
あと、別の場面で平岡法務大臣も笑ってました。
領土問題のところで、古川禎久さんが「何かあってもアメリカ軍が自動的に出動するわけではない。日本は覚悟をもって自主防衛しなければならない」という趣旨のことを述べた時でした。
「そこは笑うとこちゃうやろ!」と思わずテレビに突っ込んでしまいました。
やっぱり民主党の人たちって、日本の主権とか防衛とか、そういうことには全く興味がないのでしょうね(-.-#)
で、肝心の野田首相の答弁は、官僚が書いた通り一遍のペーパーを読むのみで、これまたガッカリでした(T^T)
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・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
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takeshima dokdo dokto tokdo tokto
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