「アジア」と靖国問題と東京裁判
産経新聞:【主張】靖国神社 静かな追悼の場としたい 赦免決議の原点を大切に

 8月は鎮魂の月。
 なのにここ数年、8月は特に騒がしい。英霊に申し訳ないですな。早く本来の「静かな追悼の月」を取り戻したいものです。

 中国・韓国(ついでに国内サヨクも)はよく、「アジアの国々は首相の靖国神社参拝に反対している」という言い方をしますが、そんなのはもちろん嘘です。
 首相の参拝を正面から批判している国は、世界190数カ国のうちわずか2カ国、つまり中国と韓国だけです。他の国々は、靖国神社こそ日本の戦没者追悼の中心的施設とみなして参拝しています。A級戦犯合祀後も、です。

 これまでに外国のどういった要人が参拝しているかは、「思いつきブログ」hit on!さんが見やすい表にまとめて下さっていますので、以下をご覧下さい。

 ・靖国神社 外国人参拝者(1) A級戦犯合祀判明後の外国人参拝者(S54〜H08)
 ・靖国神社 外国人参拝者(2)A級戦犯合祀判明後の外国人参拝者(H09〜H11)
 ・靖国神社 外国人参拝者(3)A級戦犯合祀判明後の外国人参拝者(H12〜H14)

 外国人要人参拝者は日本を訪れる要人の数から数えれば決して多いとは言えませんが、これは要人の日程を作成する外務省が、靖国神社参拝に対して消極的反対の立場を取っているからです。

 アメリカのアイゼンハワー大統領も参拝を希望しましたが、外務省が難色を示して潰れたことがあったと言われています。2002年には同じアメリカのブッシュ大統領が参拝を希望しましたが、これまた外務省に阻まれたと言われています。
 インドネシアのある閣僚経験者も数年前に参拝を要望したのですが、アレンジを外務省から断られています。

 つまり、参拝した要人たちはみな、外務省の消極的反対を押し切って訪れたのであり、日本の戦没者に対する並々ならぬ敬意の表れとして積極的に受け止めるべきなのです。

 いや、しかし隣国である中国や韓国の声を無視するのはどうか?という声もあります。
 韓国は本来A級戦犯とは何も関係ないのでこの際置いといて、中国について書きます。

 中国共産党と中国国民の声は同じなのでしょうか?と言うと、一概にそうとも言えません。
 実は、全世界に広がる中国民主化運動の関係者の日本観は、中国共産党指導部とは全く異なるのです。
 「中国民主化運動海外連席会議」のアジア地域代表で、高校まで中国で過ごした生粋の中国人である相林氏の発言。

 実は日本に来るまで、靖国神社は「戦後、A級戦犯を祀る目的で作られた軍国主義賛美の施設だ」と教えられてきました。
 ところが、実際に来てみると、明治維新で亡くなられた方をはじめとする国のための戦没者を祀っていることを知り、驚きました。私たち中国民主化運動に携わる者にとって、明治維新とは中国革命のモデルであり、維新の志士たちは尊敬の対象です。中国人からみれば、日露戦争はロシアの侵略から中国を守る戦いでした。ですから、私たちが尊敬する人々、そして中国を救ってくれた恩人が祀られているところ、それが靖国神社だとわかったのです。
 そこで、日本に来る中国民主化運動の同志たちを、私はたびたび靖国神社に連れてきます。そして、靖国神社は私たち民主化運動の恩人たちが祀られているところだと説明すると、みなびっくりして、丁重にお参りします。
(中略)

 −−−では、中国共産党政府は、なぜ首相の靖国神社参拝に反対するのか。

 まず理解してほしいことは、中国共産党は無神論者である、ということです。だから現在の中国は宗教の自由も認めていません。(中略)毛沢東時代には自分の先祖を家で祀ることすら許されていませんでした。日本の国土より27倍も大きな中国では靖国神社のような国の為に犠牲になった英霊の魂を祀る場所は一箇所もないのです。(中略)
 本来なら無神論者の中国共産党政権は日本人の靖国参拝には関心がないはずです。その証拠に30年前の日中国交回復の時、中共は靖国神社のことに一言も触れませんでした。江沢民は3年前にイタリアを訪問した時に無名戦士のお墓に献花しました。数年前に米国を訪問した際にアーリントン国立墓苑で献花しています。このアーリントン墓地には、朝鮮戦争で中国人民解放軍と戦った兵士も祀っています。旧敵国兵士に敬意を表するのであるならば、江沢民は来日の際に靖国神社にも献花するべきなのです。
 そうしないのは、近年日本の中国に対する弱腰外交を見て、責めればODAや円借款等の多額の援助が取れるから、中国共産党は、靖国問題や教科書問題は日本との外交の切り札として使っているのです」

  つまり、中国共産党指導部は、首相の靖国参拝を怒っているのでも何でもなくて、「怒った素振りを見せれば、日本から他の分野で譲歩や援助を得られる」と考えてるってことですな。
 (韓国の場合はそこまで深い考えはないと思います。特に今の盧武鉉政権はほとんど支持率絡みで反日を利用してますから)

 まあこの相林氏のような中国人は、ごくごく一部でしょうけどね。中国国内にいる限り、まともな情報は入って来ないんですから。
 逆に言えば、大多数の中国人(特に内陸部の貧しい人たち)にしてみたら、「ヤスクニ?何それ。そんなのどうでもいいよ。こちとら毎日の生活に必死なのよ」てなもんかもしれません。

 ……中国や韓国はなぜ「アジアの国々は首相の靖国神社参拝に反対している」とミエミエの嘘をつくのか?答えは明快ですね。
 国際社会(特に欧米)を味方につけて日本を孤立させるためです。「こんなにも多くの国が、多くの人々が、日本のやることに反対しているんですよ〜」とイメージ操作をしているのです。
 中国は先ほど言ったように、譲歩や援助を引き出すのが主な目的。
 韓国はちょっと違ってて、「日本のイメージを下げることで韓国のイメージを上げたい。韓国の方が日本より優れていると世界に知らしめたい」という子供じみた劣等感から来ているような気がします。

 中国・韓国の「反日」を止める方法はあるのでしょうか?中国・韓国と仲良くする方法はあるのでしょうか?
 私は正直、無理だと思います。少なくとも近い将来は無理でしょう。

 歴史や政治にあまり興味のない人の中は、中国や韓国の反日はごく最近の歴史が原因だと勘違いしている(日中戦争や日韓併合など数十年前の歴史に原因があると思っている)人も多いようですが、決してそうではありません。根っこは「中華思想」にあります。
 この思想では、中国にとって朝鮮は長男。朝鮮にとって日本は弟。てな感じになります。

 20世紀、そんな彼らにとって起こってはいけないことが起こってしまいました。
 中国は日本に攻め込まれ、朝鮮は日本に併合され……。「息子(弟)にしてやられた」、もっと言えば「格下の野蛮な民族にしてやられた」という現実、これは彼らにとって非常にショッキングなものでした。プライドが大いに傷つけられました。

 聖徳太子の時代にすでに中華秩序から抜け出た日本人にとって、彼らの民族アイデンティティや民族ナショナリズムは理解を超えています。
 日本人はそのへん実にあっさりしているというか、戦争でアメリカに負けてすっかり飼い慣らされてしまいましたからなぁ。
 まあ日本人の「あっさり」もあまり良くはないとは思いますけどね。日本と中国の間ぐらいがちょうど良いのかも?

 また、中国も韓国も儒教の国です。儒教では、恨みつらみに「時効」がありません。現代の儒者は未だに始皇帝を赦していません(紀元前213年、始皇帝は無用の政治批判を行う儒者達の書物を焼き払わせた)。
 そういう考え方が根っこにある中国人や韓国人に対して、日本人が「そんな何十年も何百年も前のことはもう水に流して下さいよ」と言っても、到底受け入れてもらえないでしょう。

 中華思想や儒教に由来した彼らの考え方というのは、もう何千年も前から継承されてきた物ですから、今さら変えさせるのは不可能に近いのではないでしょうか。
 例えば内政上の理由から、日本と一時的に友好関係を構築したりはするでしょうが、そんなものは向こうの都合ですぐ反故にされてしまいます。中国も韓国も現在まさに「自分たちの都合」で日本を攻撃してきてますよね。

 いま私たちにできること言えば、中国・韓国(そしてサヨク)の「アジア全体が靖国参拝に反対している」等の嘘に基づいたプロパガンダを一つずつ打ち消していく作業……地道に真実を世界の人々に伝えていく作業、これしかないのかもしれません。
 本当は外務省が積極的にやってくれりゃーいいんですけどね。この期に及んでもまだあまりやる気なさそうですが……(T^T)

※ここまでの参考文献・サイト
 ・「中韓のごたくに誤魔化されるな!世界は靖国をこうみている」日本会議事務総局・江崎道朗氏(「正論」8月号)
 ・平成浮世奇譚さん


■「『正義』か『報復』か これで分かる東京裁判」

 今日の産経は社説でも東京裁判に触れていますが、他に、見開き2ページを使って特集を組んでます。
 題して「『正義』か『報復』か これで分かる東京裁判」。

 全文入力は無理なので前文と見出しだけ書き出しときます。
 拙ブログ読者さんなら、見出しだけで内容はだいたい想像できると思います(^_^;

(前説)
 終戦から六十年を迎える今も、日本人の意識は「過去の日本=悪」とみなす東京裁判史観から脱却できず、その思考パターンが外交や安全保障、教育などさまざまな分野に影響を及ぼし続けている。それほどまでに日本を呪縛してきた極東国際軍事裁判(東京裁判)とは一体、何だったのだろうか。東京裁判を実行した連合国軍総司令部(GHQ)幹部や戦勝国の判事ですら、やがてその正当性と意義を疑うに至った「勝者」による「報復の裁き」を検証する。(阿比留瑠比、加納宏幸)


………見開き右………


●「真実探求」無罪を主張 パール判事の慧眼
 【パール判決文】
 【日本での講演】

 ・(用語説明)ラダ・ビノード・パール氏

 ・(年表)東京裁判をめぐる主な出来事

◇開廷までの経緯

 ・(用語説明)ポツダム宣言

 ・(写真)1945年(昭和20年)8月30日、神奈川県・厚木飛行場に降り立ったマッカーサー・GHQ総司令官。その日のうちに東京裁判の被告逮捕を命じたが、後には東京裁判の効果に否定的見解を示すようになる。

◇弁護側資料は却下「対ソ侵略」糾弾も

◇国際法に根拠のない「新法」で裁く

◇ナチスドイツより厳しく裁かれた日本

◇検閲…許されない批判

◇昭和天皇「戦犯」に深い同情

◇天皇誕生日に刑執行の“演出”


………見開き左………


●一貫性欠く政府の姿勢 相次ぐ異議 沈静化図る

◇(写真)昭和3年から20年までの日本の歴史を断罪した東京裁判の法廷。A級戦犯の席は後方の2列=21年6月、東京・市ヶ谷台

 ・(用語説明)A級戦犯

 ・(用語説明)サンフランシスコ講和条約第11条

◇「戦犯」生存者は名誉回復

 ・(表)A級戦犯とされた28人と判決

◇東条元首相「自衛戦争だが敗戦の責任は私に」

 ・(写真)絞首刑になったA級戦犯
 (くっくり注:東条英機氏は大きい写真。土肥原賢二氏、広田弘毅氏、板垣征四郎氏、木村兵太郎氏、松井石根氏、武藤章氏は小さい写真)

 ・(表)東京裁判とその判決を批判した海外の識者ら
  ハンキー卿(英国枢密院顧問官で国際法の権威)
  マッカーサー元帥(米国)
  ウィロビー将軍(GHQ参謀第2部長)
  シーボルドGHQ外交局長
  ケナン国務省政策企画部初代部長(米国)
  ダグラス連邦最高裁判所判事(米国)
  プライス陸軍法務官(米国)
  チョプラ博士(インド教育省事務次官)
  コリナ駐米大使(メキシコ)
  (くっくり注:各人数行ずつ東京裁判に対する批判コメントが載ってます)

◇オランダ判事「裁判誤り」竹山道雄氏に後年吐露
(くっくり注:このオランダ判事はローリング氏。竹山道雄氏は「ビルマの竪琴」の作者。)

◇原爆投下完全にタブー視
(くっくり注:米国人ブイクニー弁護人の原爆投下に言及した弁論が途中から日本語通訳されなかった)

◇「偽書」の征服計画を基に追及
(くっくり注:「偽書」=田中上奏文。「検察側は裁判途中で偽書らしいと気付いて追及をやめている」「が、中国の高校教科書には事実として記載されている」と本文で言及しています)

◇短絡的な被告指弾は知的怠惰 国際日本文化研究センター助教授 牛村圭氏

◇「負ければ賊軍」しみじみ実感 伊藤忠商事元会長 瀬島龍三氏


★このブログが面白かったらクリックして下さい→人気blogランキングへ
________________________________________________
★トラックバック下さる方へ
当ブログには「トラックバック保留機能」が装備されています。詳しくはこちらをご覧下さい。


Posted by くっくり 02:15 | 歴史認識 | comments (4) | trackback (8)
コメント
くっくり様

私、産経新聞を購読していますが、1日の紙面は気合いが入っていましたね。
竹山道雄さんのことを紹介されていましたが、私は彼の『昭和の精神史』(講談社学術文庫所収/初出:1956年(昭和31年))を読んだことをありありと思い出しました。
敗戦から10年ほどしか経っていない中で書かれた小著ですが、これに匹敵するほどの戦争総括の本に出会ったことがありません。
今の靖國論議など笑止千万だし、人間、進歩も反省もしない存在なのだと思います。我が身に照らして…。(反省)
Posted by さぬきうどん | URL | 05/08/02 08:23 | dX4dJhFc

初めてコメントさせていただきます。私も多くの国民に靖国神社を知ってもらいたいと思います。日本のために戦地に赴いた人たちを皆で追悼してあげることが、戦争の悲惨さを国内外へのメッセージになると思ってます。いつも貴重な情報に感謝します。
Posted by oomori | URL | 05/08/02 10:48 | P/xoEdYw

江崎氏の投稿「中韓のごたくにだまされるな〜」の中の一部をご紹介したら、ご本人さまからコメントを戴いてかなり恐縮してしまった記憶がございます(汗)
Posted by 佐倉純 | URL | 05/08/02 11:19 | tTq68TMo

 細かいところですが中華秩序は普通華夷秩序と言いますよ。
Posted by ゲッピー | URL | 05/08/02 20:23 | CnU42K5I

投稿規約に同意した上でコメントする








この記事のトラックバックURL
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri/tb.php?93
トラックバック
「自虐史観からの脱却」、その足を引っ張り続けているのは?
 先ず「極東国際軍事裁判」に問題がある。これはドイツ人自らがナチスの行為を犯罪として“ドイツの裁判所”で裁いた「ニュルンベルク裁判」とは、明らかに性格が異なる。 1 「極東国際軍事裁判」は戦勝国によって一方的に敗戦国を裁くという、極めて異常な構図であっ...
Posted by log | 05/08/02 05:59

「独立とは何か」
8月号の「正論」を、会社帰りにチマチマと読んでいます。 なんか発売されてもう10日近くなるのですが、通勤時間に読む程度なので、遅々として進まないですが、それでも徐々に読んでいます。 それはともかく。 今月の「正論」では、一ついい話が載っていました。日本...
Posted by 桜日和 | 05/08/02 11:20

戦後60年目の読書録
何をいまさら…と思われるかもしれませんが、今年は「戦後60年」の節目の年です。今から10年前、同様に「戦後50年」ということで「太平洋戦争」や「第二次世界大戦」についての特集をあちこちで目にした記憶があります。当時の私の率直な感想は、「ああ…これで“戦...
Posted by プロテクトX −傍観者たち− | 05/08/02 15:06

死者の人権はどこに? 高橋哲哉  『靖国問題』 ちくま新書(...
一読後、笑ってしまった。高橋哲哉は、明晰な論理と批判的思考に定評があるらしい。靖国問題はどのような問題か。どのような筋道で考えていくべきか。『論理的に明らかにする』のだそうです。歴史学者ではなく、哲学者の端くれとして。「靖国神社を汚すくらいなら、私自身...
Posted by 書評日記  パペッティア通信 | 05/08/02 17:55

東京裁判原爆問題
 昨年、庭付きの家に引っ越した。殺風景なので撫子の花を庭先に置いているのだが、夏になると雑草が生い茂って埋もれてしまう。そこで今日は庭の手入れをした。雜草を引っこ抜くのは骨なので、剪定バサミを買ってきてチョキチョキ刈り取る。 気が付いたのは虫が多いこと...
Posted by 悪の教典楽天市場店 | 05/08/11 21:09

■中国人の友達との徹底討論(その1)靖国問題・東京裁判
中国の友達が初来日した。この友達とは、ダボス会議で出会って、日本と中国のヤングリ
Posted by ■グロービス堀義人ブログ | 05/08/17 02:59

■終戦記念日に靖国神社への参拝を考える
〜このコラムは、「中国人の友達との徹底討論その1)と2)」に対して、靖国神社への
Posted by ■グロービス堀義人ブログ | 05/08/17 02:59

自虐的反日歴史観の構造。
ありもしなかった南京大虐殺や従軍慰安婦問題の捏造、教科書への記述がどのような構造で行われているかを『日本国民に告ぐ』小室直樹著(クレスト社出版)を要約することで書く。
Posted by ウブドちゃん かく思う。 | 05/09/19 23:18