朝日新聞の「NHK番組改変問題検証記事」を検証しました
NHK番組改変問題、改めて報告します
 朝日新聞は今年1月、NHKの特集番組改変をめぐる問題を報道しました。これに対し、当事者や読者の方から批判や疑問、意見が寄せられたため、改めて取材をしてきました。その結果を読者の皆さんに報告します。新たに設置した「『NHK報道』委員会」で、この報告をもとに審議していただいたうえ、委員会の評価や意見は、読者の皆さんにもお伝えします。委員は、伊藤忠商事会長・丹羽宇一郎氏、元共同通信編集主幹・原寿雄氏、前日弁連会長・本林徹氏、東大大学院教授・長谷部恭男氏の4人。丹羽氏は本社「紙面審議会」委員、原、本林、長谷部の3氏は本社「報道と人権委員会」委員です。第1回は28日に開きます。

 今さら「『NHK報道』委員会」?しかも委員は全部、朝日新聞社内の会の委員を務めてきた人でしょ。これで第三者機関と言えるんかしら。

 以下、8ページに渡って延々と「検証」がされています。

* NHK番組改変問題1―読者の皆様へ
http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200507250001.html
* NHK番組改変問題2―取材の総括
http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200507250002.html
* NHK番組改変問題3―検証・番組改変の経緯
http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200507250003.html
* NHK番組改変問題4―NHKの見解 政治家の指示ない
http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200507250004.html
* NHK番組改変問題5―当時の取材 松尾武元放送総局長
http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200507250005.html
* NHK番組改変問題6―当時の取材 中川昭一議員
http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200507250006.html
* NHK番組改変問題7―当時の取材 安倍晋三議員
http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200507250012.html
* NHK番組改変問題8―取材・報道への指摘について
http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200507250013.html

 記事がリンク切れの際は or 一つずつ開いて見るのが面倒な人は、mumurさんのブログを。
 しかし「06.html」の次が何で「12.html」なんでしょうね?謎やわ。

 読んだ第一印象は、「なんとまあ長い言い訳!」。これだけ長いと読む気も失せますね。
 校長先生の長話みたい。聞かされてる生徒はもう途中から集中力なくして、結局、先生が何喋ってたのか全然覚えてない〜みたいな。
 ……ひょっとしてそれが狙いですかね?(^_^;

 大きなポイントは次の2点だと思います。

・安倍・中川両議員がNHK幹部を呼びつけて圧力を加えたという根拠はどこにあるのか?
1月21日付NHKの「朝日新聞社への公開質問状」に対して朝日新聞がどのような回答をしているか?

 以下、ざっと見た限りにおいてですが、いくつかツッコミ入れさせていただきます。

NHK番組改変問題1―読者の皆様へより

 この問題は、限られた関係者による密室での出来事が多く、現段階で、すべてが明らかになったとは言えません。しかし、公共放送のあり方に関する重要な課題を含み、かつ、責任あるメディア同士の論争になったことで高い関心が寄せられています。朝日新聞は過度に中傷的な報道に対し法的措置も辞さないとの姿勢も示しました。ただ、再取材を終えた今、まず選ぶべきは、紙面での報道と読者への説明であるとの思いから、今回の報告をまとめました。読者のご判断の一助となるように、NHK側の見解も併せて掲載しました。

 明らかになったとは言えない検証記事を、この時期に出さないといけない事情でもあるんでしょうか?
 それにしても「まず選ぶべきは、紙面での報道と読者への説明である」って、こんな当たり前のことに気づくまで半年もかかるとはね。

NHK番組改変問題2―取材の総括より

 1月12日付記事のきっかけとなったのは、「政治家の圧力で番組が改変された」というNHKの担当デスクの内部告発でした。告発内容を政治家や番組関係者らに確認し、NHKの内部文書など他の取材結果と照らし合わせ、一致する範囲で記事としました。

 「NHKの担当デスク」って、あの「伝聞」だけで内部告発した長井暁のことでしょ?「信頼できる上司に聞いた」とかあやふやなこと言って泣きながら記者会見して、隣りになぜか朝日新聞御用達の弁護士が座ってた、あの長井氏でしょ?何で今さら名前伏せるの?(長井氏については後述)

 特に記事の支えとなったのが、直接の当事者である中川昭一、安倍晋三両衆院議員と、NHKの放送総局長だった松尾武氏の取材結果です。政治家とNHKの最高幹部という責任ある立場にあった人の発言であり、その内容が大筋で相互に一致したことから「信じるに足る」と判断しました。

 「大筋で相互に一致した」って、あくまで「最初の取材の時点で大筋で相互に一致した」ってことでしょ?(正確には、「一致した」と朝日が勝手に思った)
 その後の中川・安倍・松尾の3人の証言を聞くと、なるほど大筋で相互に一致してます。が、それはあくまで「NHK幹部を呼びつけていない(呼びつけられていない)」「圧力などかけていない(かけられていない)」という、朝日の記事とは真逆の一致の仕方。

 一方、記事中の(1)中川氏が放送前日にNHK幹部に会った(2)中川、安倍両氏がNHK幹部を呼んだ、という部分に疑問が寄せられていました。
 1月の取材で、記者たちはこの2点を含む内部告発の内容を説明し、3人とも大筋で認めるか、あるいはそれを前提に質問に答えています。しかし、記事掲載後、いずれも否定しました。本紙はその都度、その旨を報じてきました。
 当初の3人の証言は、相互に矛盾がなく、具体的・迫真的な表現が随所にあり、重い、と今でも考えています。したがって現時点では記事を訂正する必要はないと判断します。
 しかし、当事者が否定に転じたいま、記事が示した事実のうち、(1)(2)については、これらを直接裏付ける新たな文書や証言は得られておらず、真相がどうだったのか、十分に迫り切れていません。この点は率直に認め、教訓としたいと思います。

 おろろ、開き直ってますよ。
 そもそも当初の取材の状況を考えてみて下さいよ。
 安倍さん家には夜中に押しかけ、「中川さんは吐きましたよ」みたいな誘導尋問で釣ろうとした。中川さんに対しては旅行先に電話かけてきた。
 両氏とも、何年も前のことを急に「こうだったでしょ?ああだったでしょ?」と決め付けで質問されても、はっきりした回答はできなくて当たり前じゃないですか。その場ですぐに事実関係を確認することもできないし。
 それを「相互に矛盾がなく、具体的・迫真的な表現が随所にあり、重い」などと断定しちゃってますが、こうなるともう完全に「思い込み」の世界ですな。何が「したがって訂正する必要はない」やねん。ほんとにもう。

 「しかし、記事掲載後、いずれも否定しました」「当事者が否定に転じたいま」って書き方も嫌らしいですね。
 松尾氏がいくら「最初からそんなこと言ってない」と言っても、安倍さんがいくら「呼びつけてない」と言っても、中川さんがいくら「会ったのは放送後だ」と言っても、朝日は聞く耳持たないというか、「こっちは正しい記事を書いたのに、当事者が証言を翻した。翻した方がおかしい」とでも言いたげ。

 「これらを直接裏付ける新たな文書や証言は得られておらず」……おお!これで話終わってますやん。
 なのに「率直に認め、教訓としたい」って?裏付けが見つかってない以上、彼らは「無罪」ですやん。素直に謝ったらどないやねん。

 私たちは、番組への賛否の視点で、この問題を扱ってきたのではありません。問うたのは、特定の政治家の影響で番組を改変することの是非であり、ひいては「公共放送と政治との距離」でした。今後も、この問題を考えていく姿勢は変わりません。

 この期に及んでもまだ「問題すり替え」をするか。
 あのね、これが普通の番組(歌番組とか時代劇とか)だったらね、NHKが番組を事前に修正するとか、政治家が圧力かけたのでは?と朝日に思わせてしまうとか、そういう事態にはなってないでしょ?
 なぜ「圧力あった」「なかった」なんて問題に発展した(朝日が発展させた)かと言うと、それはこの番組が歴史認識という微妙なテーマを扱っていたからです。つまり問題の根本は番組の中身にあるのです。そこに触れずにまともな検証なんかできるわけないんですよ。

NHK番組改変問題3―検証・番組改変の経緯より

 NHKでは1月中旬、吉岡民夫・教養番組部長や永田浩三チーフプロデューサー(CP)らが制作会社が編集中の番組を試写し、「内容が女性国際戦犯法廷の主催者団体の主張に近すぎる」と指摘。1月24日に編集作業を制作会社からNHKが引き取り、直接番組作りを進めることにした。

 1月中旬、つまり放送日のずーっと前からNHK内部で問題になっていたことは朝日も認めてるようです。
 なのになぜ、放送日前日にNHK幹部と会った安倍さんが「圧力をかけて番組内容を改変させた」って話になるのか。改めて言うまでもないけど、明らかに不自然。

 1月下旬、放送予定を知った自民党の「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」のメンバーの間で番組の批判が出ていた。
 同会は97年に設立された。放送当時、代表は中川昭一衆院議員。安倍晋三衆院議員は前事務局長で、2人は会の中心だった。「新しい歴史教科書をつくる会」とともに中学歴史教科書から慰安婦に関する記述の削除を求めていた。当時は「つくる会」主導で編集された教科書の初めての検定をめぐり議論が起きていた。

 朝日は安倍・中川両氏が「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の中心メンバーだったことを強調、その上「つくる会」まで引っ張り出してきて、「安倍・中川はこういう問題には目ざとくて、政治介入してもおかしくない人たちなんですよ」的な書き方をしてますが、一方的すぎませんか。
 だったら、1月12日付記事を書いた本田雅和記者が「こういう問題には目ざとくて、プロパガンダ記事を書いてもおかしくない人なんですよ」ってことも伝えなきゃ、不公平というものです。
 (本田雅和記者は、2000年に「女性国際戦犯法廷」が開かれた当時これの取材をして、盛んに記事を載せてました。社内でも昔から異端児扱いされてる人です)

 もう一人、池田恵理子という重要人物がいるのですが、この人の名前も一切出てきませんね。まあ朝日は当初から出してませんでしたけど。
 (池田恵理子は、番組内容を企画した「NHKエンタープライズ21」の当時のプロデューサーかつ「女性国際戦犯法廷」を主催した「バウネットジャパン」発起人で、「女性国際戦犯法廷」の運営委員もしていたという、問題の核心に近い所にいた人です)

 松尾総局長らが国会議員に面会していた29日夕、NHK内では伊東局長、吉岡部長、永田CP、長井暁デスクらが44分版の試写に集まった。伊東局長が「もうすぐ(松尾、野島両氏が)永田町から戻る」と述べた。「この時期にNHKは政治と戦えない。天皇有罪とかは一切なしにして。番組尺が短くなったらミニ番組で埋めるよう手配して」と話すのも、スタッフの一人は聞いた。

 出た。泣きの「長井」!
 でも実名が出てるのはこの箇所だけ。しかもこの書き方では、「長井氏=1月12日付記事のきっかけとなった内部告発した人物」と読みとることは不可能です。
 朝日は何で今さら長井氏を隠すの?本人からの要請?

 あとね、この検証記事、「〜と証言するスタッフもいる」とか、「スタッフの一人は〜と聞いた」とか、こういう表現がたくさん出てくるんですよ。匿名の証言をいくら列挙しても信憑性ないと思うんですけど。

 関係者によると、野島担当局長はその後、待機していた永田CPに指示。修正作業は2人きりで行われた。野島担当局長は、慰安婦をビジネスだったことにできないかとの趣旨で発言。(1)法廷への積極的評価を避ける(2)慰安婦制度への日本軍の関与を薄める(3)「天皇有罪」の結論を放送しない、などを指示した。「若手議員の会」の本に書かれた主張に沿った「根本的な修正だった」とスタッフの一人。

 「問題なのは特定の政治家の影響で番組を改変することの是非であり、番組内容は関係ない」と言ってたわりには、えらく番組の具体的なことに言及してますね。朝日、便乗してプロパガンダしてません?(^_^;

 番組内容が今回の問題に大きな影響を与えたということを、朝日もちゃんと自覚してるんですよね。
 が、番組内容に触れると、「女性国際戦犯法廷」を避けては通れなくなります。そうすると、「バウネットジャパン」だとか、池田恵理子だとか、本田雅和が心酔する松井やより(故人)だとか、さらには朝鮮総連だとか、そういう水底に隠してあった醜い深海魚みたいな人物や団体がどんどん水面に上がってきて、最終的には問題の記事が「政治的思惑をもって仕掛けられた捏造記事」であると露見してしまう。そうなったら朝日も終わりです。
 だから朝日は今後も番組内容への言及は避けるでしょう。だから何十回検証記事を書いても同じだし、「委員会」を作っても同じです。何ら進展はありません。

 (もう疲れてきたんで、はしょります)

 NHK番組改変問題8―取材・報道への指摘について、これって核心パートのはずなのに、そういうわけで目新しい物は何もありません。
 「中川氏と松尾氏の面会については確定的な情報は得られていないが、誰それはこう言ってる」とか、「中川氏や安倍氏の言動を直接示したものではないが、こう話す人もいる」とか、ごまかしのオンパレード。
 あと、松尾氏の最初の証言(本人は「そんなこと言ってない」と主張している「証言」)の垂れ流し。
 ただ、言葉の端々を見ますと「記事は間違い」だと朝日自身、認めちゃってるとしか思えないんですけどね。

 例えば↓このあたり。

 また、中川氏や安倍氏の言動を直接示したものではないが、自民党の中には、番組放送前に「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の中の動きを知って、NHK側に対し、きちんと対応するようアドバイスしたと話す政治家もいる。
 ただ、安倍氏らがNHK側を呼んだ直接的な事実を示す新たなデータは見つかっていない。

 はい、ここでも話終わっちゃってます。

 また、朝日は「中川、安倍両氏は記事掲載後、NHK側を呼び出したことはないと主張しているが、当初の取材に対してはNHK側を呼んだことを否定せず、それを前提とした質問にも答えていた」と鬼の首取ったようなことも言ってます。
 が、先ほどもツッコミ入れたけど、取材時の状況見たら、誰だって「はあ?何のことですか?え?僕がその人と会ったって?そうなんですか?よく覚えてませんけど」って感じで、否定も肯定もできませんよ。それを「否定しなかった」なんて一方的に言われてもねぇ。何年何月何日に誰と会ってどんな話をしたとか、その場で正確な話ができるわけないでしょ。できる方がおかしい。

 あとね、↓ここまで来ると、もう子どもの言い訳以下。

 記者の発言の意図が正しく伝わらず、批判を受けた点もあった。
 たとえば、安倍氏が主張する「記者は『安倍さんが圧力をかけて番組を中止するようにした、と中川さんが証言している』と言った」という部分。
 記者は、NHKへの内部告発の内容に沿って「安倍さんが放送中止を事前に求めたということが書かれている」と質問した。安倍氏が「求められるわけがない」と答え、記者は「中川氏はそういうふうに言ったとおっしゃっているが」と問い直した。これは、中川氏が取材に対し、自身が放送中止を求めたことを認める発言をした事実を伝えたものだ。

 「安倍さんが記者の質問の意味を取り違えた」「安倍さんが言ってるような、最初に結論ありきで『中川さんもこう言ってますよ』と釣ろうとしたなんて、ありえない」って言いたいの?
 あの〜、何で今頃こんな細かい反論してくるの?安倍さんは当時あれだけテレビや新聞や雑誌で説明してたのに、何でその時に言わんと今頃になって言うの?
 半年間、一生懸命言い訳を考えて、何とかつじつま合わせようと社内で知恵を絞って絞って、ようやく思いついた言い訳がこれですか?アホらし。

 「朝日新聞社への公開質問状」で出てきた本田記者の「すりあわせ」発言についても、朝日の回答はこれまで通りはっきりしないものです。

 記者は、取材源の松尾氏が不利益を被ることがないように配慮した。そこで、証言内容を改めて確認し、場合によってはより正確にするために、再取材できないかと尋ねた。

 こういうのを普通「すりあわせ」と言うと思うんですけど?(^_^;
 ちなみに2/17の時点で、朝日は「すりあわせ」について、「松尾氏が証言と記事の内容が違うと主張される部分について、具体的にどう違うのかを確認しようとしたものです」と説明してました。
 今回は「証言内容を改めて確認し、場合によってはより正確にするために」だそうですが、「より正確」って何じゃそりゃ。今でも朝日は最初の記事を「正確」だと思ってますよ〜って強がり?もうここまで来ると哀れ。

 何で安倍さん・中川さんなのか?皆さん、根本に立ち返って考えて下さい。
 4年前の例の番組については、平沢勝栄や古屋圭司など他の議員のところにもNHK側から説明があったし、彼らはそれについて会見もしたんですよ。なのにそれは報道されていないんです。
 北朝鮮や中国に対して屈しない保守派の政治家、しかも昇り調子の政治家、それが安倍さん・中川さん。ご本人には失礼ですが、平沢さんや古屋さんなんか潰しても意味ないですもん。だから朝日は安倍さん・中川さんを狙い撃ちした。

 そもそも、あったかなかったかもわからん、それ以前に「何をもってして圧力があったと見なすか」が人によって見解が分かれる、そんなあやふやな物をニュースとして配信すること自体おかしくないですか?
 東スポとかならよくあることなんでしょうが、自称「日本一のクオリティペーパー」がそんな低レベルなことやっちゃいかんでしょ。
 それをわざわざ記事にしたってことは、やはり別に目的(安倍・中川追い落とし)があったんだろうなと考える方が自然です。

 さて、この朝日の検証記事を受けて、NHK・安倍さん・中川さんはどう言ってるかと言いますと。

朝日新聞の主張 裏付けなし(NHKニュース)
 朝日新聞は、自民党の中川昭一氏と安倍晋三氏が、番組の放送前にNHKの幹部を呼んで内容の偏りを指摘し番組が改変されたと、ことし1月に報じた問題について、25日の朝刊で、半年にわたる追加取材の結果を検証記事として掲載しました。この中で朝日新聞は、「政治家の圧力による番組の改変という構図がより明確になった」と主張する一方で、「真相に十分迫りきれていないことを率直に認め教訓としたい」としています。これについて、NHKの原田豊彦放送総局長は記者会見し、「朝日新聞は、再取材によっても真相を明らかにすることができなかったことをみずから認めている」と指摘しました。そして、「政治家からどのような圧力があり、それによって番組がどう改変されたのかという記事の根幹部分を補強する新たな事実の提示もなく、到底理解できない。検証記事にもかかわらず、当初の思い込みから抜け出ておらず、極めて遺憾だ」と批判しました。そのうえで、「NHKが政治家の圧力で番組を改変することは、これまでもこれからもない」と反論しました。

 上記リンク先ではテキスト化されていないのですが、動画では安倍さん、中川さん、自民党調査チームの佐田副幹事長のコメントが収録されています。
 こちらでテキスト化しときます。

安倍さん(本人のぶら下がり会見)
確証がとれる裏付けがとれなかったということを認めています。それを認めるのであれば記事は間違っているんですから、その記事の間違いを訂正して、私と中川さんに謝罪してもらいたいと。こういう検証の仕方では、かつての伊藤律の架空会見、あるいはサンゴ事件等のような捏造体質が全く是正されていない。これからも同じような捏造記事が書かれる危険性があるなというふうに思いました」

中川さん(本人のぶら下がり会見)
「放送前に会ったか会わないかはっきりしないというような、極めてあいまいと言いましょうか、逃げてると言いましょうか。この一点を指摘しても、朝日としては検証というよりも、都合の悪い部分についての保身以外の何物でもないという印象を持っております」

自民党調査チームの佐田さん(NHKアナウンサーの読み上げ)
「自民党が行っている公開討論会の出席要求を聞き入れずに書かれた朝日新聞の記事が、推測と虚偽報道の積み重ねであり、絶対に許すことができないとして、朝日新聞に対して公開討論会に応じるように改めて求めました」

 「伊藤律の架空会見」「サンゴ事件」に言及した安倍さん&それを流したNHK、GJ!(≧▽≦)

 また、識者はどう言ってるかというと。

<NHK特番>番組改変、改めて検証記事掲載 朝日新聞(毎日新聞)
 ▽川上和久・明治学院大教授(コミュニケーション論)の話
 取材記者が最初から「政治家の圧力があった」との結論ありきで取材し、記事を組み立てたのではないかと見ていた。検証記事では、政治圧力を示す新たな根拠はなく、歯切れが悪い印象だ。NHKの番組が変わっていった経緯はよく分かった。NHKと政治のかかわりを改めて問題提起した意味はある。第三者機関の委員会で審議し、さらに問題点が明らかになることを期待したい。
 ▽服部孝章・立教大教授(メディア法)の話
 この問題では「言った」「言わない」の水掛け論になり、朝日新聞の報道の確からしさが問われる中で、記者がインタビューした際の録音テープは例外的に公開すべきだと思うが、検証記事はこれまでと同様、有無についてさえ言及していない。また、自民党議員ら150人以上に取材したというのであれば、その詳細な取材結果を掲載することで、本来問われるべき政治と放送との距離についての問題点も浮かび上がってきたと思うが、それがなかったのは残念だ。検証記事は、朝日の報道に疑問を持っている人をも納得するという場面転換に結びつく内容とは言えないのではないか。

 朝日の味方だった服部孝章・立教大教授ですらすっかりトーンダウン(^_^;
 もはや朝日の味方は↓こういう人たちしかいないのでは?

「NHK報道で人権侵害」=弁護士ら救済申し立て−番組改変問題
 自民党国会議員の圧力でNHKの番組内容が改変されたとする朝日新聞の報道について、NHKがニュースで一方的に「虚偽、わい曲」などと報道したことで「知る権利」を侵害されたとして、梓沢和幸弁護士ら18人が25日、日弁連に人権救済を申し立てた。 
(時事通信) - 7月25日19時2分更新

 意味がよくわからん。何でNHKを悪者にしてるの?「朝日新聞がダンマリ決め込んで『知る権利』を侵害した」と主張するのならわかるけど。
 そもそも人権侵害で救済してあげるべきは、捏造記事で政治生命が危険にさらされた安倍さん、中川さんの方だと思いますわ。

 あと、テレビの扱いですが、「報ステ」はこの件、全くスルーでした。
 「NEWS23」は「朝日新聞の検証記事に対してNHKが反論した」ことと、原田豊彦放送総局長の「検証記事にもかかわらず、当初の思い込みから抜け出ておらず、極めて遺憾だ」という発言箇所を流しただけでした。

 以上です。超長文にもかかわらず、最後までお読みいただきありがとうございました。お疲れ様でした<(_ _)>

※参考リンク:
 Irregular Expressionさん7/25付「朝日新聞が虚偽報道を認めました、でも反省の色無し」

【7/26 PM4:00 追記】
※拙ブログ関連エントリー:
 7/13付「朝日新聞捏造報道から半年」(テキスト起こしリンク集)
 7/21付「もう本田記者を出してスッキリしようよ!朝日新聞!」
 

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Posted by くっくり 01:39 | 朝日新聞 | comments (6) | trackback (10)
コメント
長文のUP、お疲れさまでした。朝日のいつもののらりくらりぶりに飽きながらも読みごたえがありました。
最後の
>「知る権利」を侵害されたとして、梓沢和幸弁護士ら18人が25日、日弁連に人権救済を申し立てた

の部分、もし、”人権擁護法案”が成立したらこの人たちによって令状もなしにNHKの反論が封じられる、ということですよね。
”人権侵害”の定義の曖昧さの危険性を示す好例だと思いました。
Posted by あおい | URL | 05/07/26 05:15 | g2qTnHxw

読み応えありました!ありがとうございます。

>しかし、当事者が否定に転じたいま、記事が示した事実のうち、(1)(2)については、これらを直接裏付ける新たな文書や証言は得られておらず、真相がどうだったのか、十分に迫り切れていません。この点は率直に認め、教訓としたいと思います。

私はこの部分に注目しています。朝日は捏造記事発覚のたびに、この「ニュースソースへの責任転嫁」を常としています。教科書事前検閲の問題のときもそうでした。もし、一歩譲って「(恣意的な)捏造ではない」ならば、ソースが正しいことを述べたかどうかの検証を怠るという、新聞としては極めてお粗末な取材・編集方針だと言えましょう。つまり、報道能力に欠けるわけです。

こんな基本的なことをいまさら「教訓」にするとは...じゃ、今までの朝日の記事の取材・編集にはそのような態度がなかったと認めるわけですね。特に百人斬りの記事なんかは。

改めて言いますが、朝日の選択肢は2つのみ。
1 良心はあるが報道能力がない → 「教訓」でよい
2 報道能力はあるが良心がない → 「謝罪」とすべき
どちらだ??

私は良心も報道能力もないとおもうが。

中国・韓国・北朝鮮・朝日・社民党、そろって自己矛盾により崩壊過程まっしぐら!
Posted by 未定 | URL | 05/07/26 10:17 | a6R4Flz6

こちらこそお疲れ様でした。
しかし、毎度のことながら、このアサヒのバカっぷりは
もう手がつけられませんね。
「誰かが〜言ってた。」とか「スタッフは〜言ってた。」とか
。これはもはや新聞ではなく、単なる伝言ゲームですよ

そして、この期に及んでまだ本田雅和の名前すら出さない。検証するなら、まずお前らの身内を検証しろと言いたいですね。
Posted by 侍 | URL | 05/07/26 10:21 | TAAf4172

  長文お疲れ様でした。この日本で普通に育って成人すると、やや左かがりますが、その人たちでさえ朝日ってちょっとイタイという印象になっていることに朝日はもっと危機感を持たないとヤバイなぁ。
Posted by 雷蔵 | URL | 05/07/26 23:39 | gv0cOleI

 最近、ドラマ『女王の教室』論争見ていて、子供の教育もだけど、親を教育し直さなきゃいかんだろと思う今日この頃。掲示板等見てるとどうも朝日チックな香ばしさを漂わされてるようで。責任転嫁でしっちゃかめっちゃかな大人の様。
 久々にメタル戦士の”戦う憂国の戦士たち(朝日新聞の歌)”聴いてます。(`・ω・´)♪
Posted by おもちゃ | URL | 05/07/27 18:12 | Gi92d3UQ

 間違ってコメント書き終わる前[コメント送信]押してしまいました。(>_<;)
 泣き男の長井もどこにいるんでしょうね。都合のいい時だけカメラの前に立って。

 長文、ご苦労様でした。読み応えありました。
Posted by おもちゃ | URL | 05/07/27 18:20 | Gi92d3UQ

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Posted by 桜日和 | 05/07/26 11:02

朝日の「検証」記事について
読みましたよ、朝日新聞、半年ぶりに。疑問。1)なんでこういう中途半端な時期にこういう記事をわざわざ載せたのか?これがわからない。まぁ「じゃあ、いつならベストタイミングなのよ?」と言われると困るのですが(笑)。これ、どう見ても半年かけなきゃ書け
Posted by 226TRAX | 05/07/26 12:22

検証記事
[http://www.sankei.co.jp/news/050713/morning/editoria.htm:title=先日の産経]につっつかれたかのように朝日新聞が出した「記事捏造問題」の[http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200507240365.html:title=検証記事]。 ワラタw 社内の誰か載せる前にとめて...
Posted by はぐれ雲のうえ | 05/07/26 14:42

事実を検証できないくせに検証記事を書く朝日新聞
前記事「幹部が改変指示」 元番組担当者が証言 NHK問題で集会朝日新聞の不買運動に協力したいそれでも朝日新聞を今だに読んでいる日本人が多いのが残念だ。朝日新聞は捏造記事を書くという事実を広めなければならない。珊瑚事件も風化させてはいけない。http:
Posted by 反日活動から日本を守るBlog | 05/07/26 20:45

朝日捏造記事問題:印象操作はお手の物
 問題の放火魔、朝日新聞が”NHK番組改変問題”と称して自己反省をするフリをしながら、たっぷり恥部を薄めて開き直った特集を組みました。 「朝日捏造記事問題」を追っているgoriさんのblog、『Irregular Expression』の記事、「朝日新聞が虚偽報道を認めました、で...
Posted by 退屈をブッつぶせ! | 05/07/27 18:03

朝日が社説で人権擁護法案に対する危惧に「心配のしすぎ」
週に2回も死ねるのが朝日新聞の特技です。
Posted by 226TRAX | 05/07/28 23:31

オオカミ少年の系譜
オオカミ少年ってしってるよね?イソップ童話の寓話で、オオカミが出たオオカミが出たと村人にウソばかり触れ回っていた羊飼いが、本当にオオカミが出た時に誰にも相手にされずに食べられてしまうという話だよ。
Posted by 神のいどころ | 05/07/29 00:29

久々のフルチン(^^)v
ううう、おばかなタイトル(笑) 久し振りの独身の夜。何をするって一人で酒を飲むし
Posted by キティハケーン | 05/08/02 20:59