小泉首相は「心ならずも北朝鮮に拉致された多数の被害者」をどう思っているのか
拉致被害者家族が座り込み 首相官邸近く、制裁迫る(産経新聞/共同)

 梅雨の時期なので雨を心配していたのですが、天気は良かったようです。ただ、ものすごく暑かった。
 全国的に蒸し暑かったのですが、東京も真夏日で、朝の10時にはもう30度を超えていたのだそう。

 真夏日の炎天下、しかも熱いアスファルトの上で、70〜80代の拉致被害者家族が座り込みを強いられるなんて、明らかに異常事態です。
 座り込みに関しては、救う会批判とか拉致議連批判もあるようですが、ここでは触れません。大元の責任は国にあるのですから。

 ……昨年12月8日、北朝鮮が日本側に横田めぐみさんの物として提供した遺骨が、DNA鑑定により赤の他人の骨であることがわかりました。
 あの時は日本政府もさすがに激しい怒りを表明しました。

遺骨は横田めぐみさんと別人と政府発表 北朝鮮に抗議(12月8日付朝日新聞)
 細田長官は記者会見で「先方の調査が真実ではなかったと断じざるを得ない。極めて遺憾だ。厳重に抗議するとともに、真相究明を迫りたい」と語った。また、小泉首相と金正日(キム・ジョンイル)総書記が02年9月に署名した日朝平壌宣言に「双方が相互の信頼関係に基づき、諸問題に誠意をもって取り組む」という記述がある点を指摘したうえで、「この精神に反するのはかなり明らかだ」と批判した。

 そして12月24日、日本政府は北朝鮮側から速やかに誠意ある回答がない場合には「厳しい対応をとらざるをえない」との方針を表明したのです。

北朝鮮次第で「厳しい対応」 政府、制裁の可能性に言及(12月24日付朝日新聞)
 細田官房長官は24日の記者会見で今後の方針について(1)北朝鮮に対して「再調査の結果は極めて誠意を欠く」と強く抗議する(2)拉致被害者の真相究明を一刻も早く行い、生存者をただちに帰国させることを要求する(3)迅速かつ誠意ある回答がない場合、政府として厳しい対応をとらざるをえない(4)核問題解決のため、6者協議の早期再開を求める――を示した。回答期限は特に設けていない。

 「迅速かつ誠意ある回答がない場合、政府として厳しい対応をとらざるをえない」と言っておきながら、半年以上スルー。
 「迅速」ってどのぐらいの期間でしょう?常識で考えて1〜2週間、長くても1ヶ月までではないでしょうか。

 今思えば、政府が「回答期限を設けない」としたのは、すでに逃げ道を用意していた……つまりこの時点でもうすでに、「経済制裁はしない」という方向で固めていたのでしょうか。
 当時から、小泉首相も細田官房長官も口では強いこと言ってても何か迫力に欠けるというか、「あんたらほんとに怒ってんの?」という印象はあったのですが……。
 
 その後の小泉首相はと言うと、アホの一つ覚えみたいに「対話と圧力」。
 北朝鮮は「誠意ある回答」どころか、「日本の鑑定結果は嘘だ」とか「遺骨を返せ」とか、開き直りとしか思えない不誠実な態度を繰り返し取ってきてたのに、それでも「対話と圧力」。
 実際は対話も圧力も何もないまま、半年が過ぎてしまいました。
 家族会はこの間、繰り返し経済制裁発動や小泉首相との面会などを訴えてきたものの、いずれも実現せず、ついに今日を迎えてしまったのです。

経済制裁に慎重−細田氏 被害者家族座り込みで(共同通信)
 細田博之官房長官は24日午前の記者会見で、拉致被害者家族会などが北朝鮮の拉致問題の早期解決と経済制裁を求めて首相官邸近くで座り込みを始めたことに関し「6カ国協議再開の動きも出てきているので、その中で対応していきたい。経済制裁に対する考え方は変わっていない」と述べ、日本単独の制裁発動に慎重な姿勢をあらためて示した。
 その上で「拉致被害者の家族の気持ちはよく分かっている。被害者は当然、生存しており、1日も早い帰国を実現しなければいけないという前提であらゆる努力をしている」と強調した。

 圧力かけるどころか対話もしてないのに、「あらゆる努力をしている」とはこれいかに。
 具体的なことは何も説明せず、「努力してる」なんて曖昧な言葉を言われても、全く現実味がありません。
 「水面下で交渉をやってるので現時点では公表できない」とかなら、せめてご家族にだけでも知らせてあげればいいのに、それすらやってない。

 6カ国協議の中で対応すると言っても、本当に再開される保証なんてないし、もし再開されたとしても北朝鮮は拉致問題なんか全くやる気ないし、他の国も核・ミサイルで手一杯で、拉致なんかに関わってる暇ない。
 6カ国協議の中で日本ができることと言ったら、北朝鮮側に「実務者協議を再開しましょう」と促すぐらいとちゃいますのん?
 でも向こうがタダで乗ってくるわけないし。結局またコメ取られるだけちゃいますのん?

<小泉首相>北朝鮮経済制裁、単独で制裁する考えはない(毎日新聞)
 小泉純一郎首相は24日午後、日本単独での北朝鮮への経済制裁について「拉致の問題も核の問題も各国協力していますからね。その点で見ていかないと難しい問題だと思う」と述べ、現段階では単独で制裁する考えがないことを改めて示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 拉致問題で一体どこの国が日本に協力してると言うのでしょうか。
 アメリカですか?そりゃ他の国よりは関心は持ってくれてるでしょうが、あくまで「北朝鮮を人道問題で批判するのに利用できるから」とか「日米の結束を北朝鮮に示すため」とか……そういう計算の元に動いているように思えます。
 いざという時は協力してくれるかもしれませんが、それもあくまで日本が主体的に動いた上での話でしょう。当事者はアメリカでなく日本なんですから。

 小泉首相は何で家族会と会わないんでしょうか。半年もスルーしてしまったから、顔向けできないんですかね。
 単独制裁する考えがないならないで、直接会って、「こういう理由で今動くのは得策ではない。理解して下さい」と『説得』すればいいじゃないですか。それすらしないから、「解決する気がない」と思われてしまうんです。
 北朝鮮に対してもスルー、家族会に対してもスルー。あなたの気持ちは今どこにあるのですか。郵政民営化だけですか。

 偽の遺骨だとばれても開き直って何ら誠意を見せない北朝鮮。ここまで馬鹿にされていながら何ら厳しい対応をとらない日本。
 被害者だけでなく国民全体がこんなにも怒り、一刻も早い解決を願っているのに、それを政治に反映しない、できない。
 高齢の被害者家族を座り込みさせるまでに追い込む「国」とは一体何なのでしょう。空しくなります。少なくとも、主権国家のあるべき姿ではありません。

 小泉首相は靖国参拝問題についてよくこう言います。「心ならずも戦場で亡くなった多数の戦没者に追悼の念を持って参拝しているわけで、どこの国でも自然のことだ」と。
 戦没者はもう還ってきません。が、「心ならずも北朝鮮に拉致された多数の被害者」は、まだ大半が生存しておられますし、奪還することができるのです。そして、奪還しようとするのは「どこの国でも自然のこと」なのです。

 北朝鮮は建国以来、政治的にも経済的にも最大のピンチにあると思います。
 素人考えかもしれませんが、「なぜこのチャンスを活かさないの?なぜ知恵を絞って動かないの?」と歯がゆくてなりません。
 とにかく完全放置プレーにしか見えない今の状況には、ご家族・関係者はもちろん国民の誰も納得していないと思います。

 今すぐ経済制裁というのは無理としても、経済制裁をちらつかせるなど、やり方はいくらでもあるはずです。それが外交戦術というものではないんでしょうか。
 いや、外交戦術どころか、日本の「姿勢」そのものがまるで見えてこない。日本国民にすら見えないものが、金正日に見えるわけもありません。

 余談ですが、ニュース映像を見ていたら、民主党の岡田代表がやってきて、座り込み中のご家族らに握手をしていました。
 今日は都議選の公示日でしたし、私にはパフォーマンスにしか映りませんでした。

 この土日も座り込みは行われます。お近くにお住まいの皆様、ぜひ参加なさって下さい。

 ※参考リンク:
 ★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2005.06.24)座込みに当たって−家族会・救う会声明
 電脳補完録さん
 Blue jewelさん「座り込み初日速報」
 logさん「座り込み速報」
 tarochan.netさん「通りすがりの握手が激励?」


Posted by くっくり 01:53 | 拉致問題 | comments (10) | trackback (4)
細切れぼやき
北方4島返還に賛成51%、別の調査では反対多数…露(読売新聞)

 意外な結果に見えますが、「素朴で外交問題に無関心な社会層」は、「小さな島の帰属など、広大なロシアには取るに足りない問題」なんですって。わかるような気もする。
 でもロシアは日本と違って世論の動向なんか気にしないでしょうから、いくら「返還すべき」という声が高まったとしても、4島返還なんて絶対ありえないでしょうなぁ(T^T)

旧日本軍の戦争被害を米教科書に掲載義務づけ?(ANNニュース)
(リンク切れの際はmumurさんのブログを)

 「アメリカでも教科書問題です。カリフォルニア州の議会で、旧日本軍によるアジアでの戦争被害を歴史教科書に掲載する法案が、在米中国人が作る反日団体の後押しで成立目前となっています」……すっげーウキウキしてるような文章に見えるのは、私だけでしょうか?(^_^;
 世界中で活躍する反日中国工作員。人口の面でも愛国心の面でも大負けしてる日本人が、彼らに対抗する術はないのでしょうか。

Posted by くっくり 01:24 | 細切れぼやき | comments (0) | trackback (0)