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「アンカー」毒ギョーザ事件で男逮捕の真相は?(付:郵政問題)

■3/31放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”

なぜ今?毒ギョーザで男を逮捕真相は?青山ズバリ!

100331-16frip.jpg 容疑者拘束も、中国側の説明は「?」な点ばかり。なのに鳩山政権はこれで手打ちにしようとしている!?果たして日本の「食の安全」は守られるのか!?

 コーナー前に、党首討論、郵政改革など政局について青山さんの解説がありました。まずこの部分を要旨のみ記述、続けてコーナー本編は完全起こしでお送りいたします。

 コーナー本編は間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
 画像はYouTubeで拾ったビデオからキャプチャさせていただきました。


 内容紹介ここから____________________________

鳩山首相と自民・谷垣総裁による2回目の党首討論 谷垣総裁、言葉の軽さを攻める(FNN3/31)

 …………青山さんの解説(あくまで要旨)…………
  (  )内は山本浩之キャスターの発言です

(私たちは政治ショーとか政治ごっこを期待してるのではなくて、国の重要政策、中身についてきちんとやってほしいと。連日この郵政の問題も含めて、先週水曜からですが毎日「アンカー」でも時間を割いてお伝えしてるんですけども、この状況をまず率直にどういうふうにご覧になりますか?)

 まず今日の党首討論、自民党の谷垣総裁と鳩山総理のやりとりでは普天間が中心になって、郵政の問題まであまり時間がなかったってことなんですけどね。普天間もちろん重大な問題ですが、やっぱり自民党の谷垣総裁にも、結局亀井さんと原口さんの案で落着したのはどうしてかって聞いてほしかった。

 どうしてかというと、総理が最後リーダーシップを発揮して自分で決めたことになってるが、しかしリーダーシップを発揮したと言うのであれば、もともと鳩山さんは「私は了承してない」とはっきり言っている(25日の発言)。それが一転、閣僚懇談会で全く原案のまま了解したということは、その間にジャンプがある。このジャンプの理由が一言も総理から説明されてない。

 実は理由がないんじゃないか。理由というのは政策的な理由ではなくて、要は党首討論が今日あるし、参院選も近づいてくるから、これ以上もめるのはまずいのでジャンプしただけじゃないかという疑いがある。

 そうじゃなくて政策的な理由があってのことで了解したと言うならば、最初、了解できなかったが(郵便貯金の預け入れ限度額を)2000万円に引き上げるかわりに、たとえば民業圧迫をしない別の措置を講ずるとか、それから350兆と言われる国民から集めたお金をどのように私たち国民の暮らしに活かすのか、その措置も取りなさいと。

 その中身まで踏み込まなくてもいちおう許せるとしても、その指示を亀井さん、原口さんに出した上でそれで了解するということになったらリーダーシップの発揮なんですが、それがないから了解したのはなぜなのか、やっぱり追及してほしかったなと思う。

(よく民業圧迫と言われるが、青山さんも民業圧迫と言う前にというふうに先週おっしゃったが、小泉・竹中改革のある種、負の部分を民主党は政権取るまで突いてきた。政権取って、さあ何をしてもらえるんだろうと。今回、原口さんは亀井さんと同じ考えだが、総務大臣というとやはり郵政のサービス全般について監督する責任があって、郵政改革によって地方が著しくサービスが低下したと。これを是正するために何か必要な具体策があるのかと。そういった手を打たなければならないので、全体的に限度額を引き上げるのも一つの手なのか、そういったあたりの説明を私たちは待っている。だから政策の中身について言うと、そのあたりについて誰も閣僚の中からも指摘はしてこない。結局、国民が置き去りにされてしまってるんじゃないかというのがある)

 今おっしゃったことは本質的なことに関わっていて、そもそも小泉さん、竹中さんが郵政民営化しようとしたのはなぜなのかということが、未だに普通の国民になかなか分からない。

 郵便・簡保の問題というのは、郵便サービスと、郵便貯金・簡易保険の集めたお金の問題と、実は2つある。郵便は、ひょっとしたら人口がだんだん減っていく所まで全部サービスするのは難しくなったので、それをだんだん縮小するのか、いや、赤字であってもサービスちゃんとやるのか、そのどっちかの選択でこれはまだ分かる。分からないのは、郵便貯金と簡易保険で集めたお金をどうするのかということが分からないままになってる。

 で、それが民業圧迫という話だけ、つまりそれは当然大きな金融機関だけじゃなくて、地域を支える小さな信用組合とかの経営に関わるからそれも大事なことだが、本当は、新聞にも民業圧迫の話ばかり書いてあるが、それだけじゃなくて、みんなから集めたお金をどうやってみんなの所に戻すのかという議論をしてくれということなんですよ。それに対しては小泉さん、竹中さんも答えてないし、じゃあ民主党の鳩山政権が答えてるかというと、これも答えない。

 今日の党首討論、少なくとも谷垣さんとの間ではほとんどなかったことも含めて、結局どなたの話を聞いても分からないまま。その上で、とにかく亀井さん、原口さんが言ってるのは、郵便貯金・簡易保険のお金がさらに集まるようにしましょうと。しかもそこに政府が3分の1の決定権を持って関わるわけだから、結局、官のところにもう一回お金が戻るんじゃないかということに答えなきゃいけない。で、鳩山さんもリーダーシップ発揮したと言うなら、その部分までも総理からご説明がなきゃいけないのだが。

(おかしいですね。だけど、今朝の総理、ぶら下がりの会見では、「迅速に結論を出さなければならないから判断して指示を出した」と言いますけど、私たち国民の目から見ると拙速に答えを出したとしか映らないんですね)

 …………以下、“ニュースDEズバリ”全文起こし…………
 
 <<<上海万博 大阪館の取材などのニュースのあと>>>

山本浩之
「ま、開幕1ヶ月前ということで、今お伝えしたのは中国国内にある、まあ明るい、陽の部分なんですけども、中国国内にはそれとは違って、陰、暗い部分もあります、たくさん。で、今日の青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーは、この中国に関連したお話だということですよね」

青山繁晴
「はい。あの、中国って今聞いてですね、あの、確かにその、上海万博への関心もだんだん高まっていくんでしょうが、やっぱりたった今、僕たち日本国民にとって関心の強い中国の問題っていうのは、中国のことっていうのは、やっぱり毒ギョーザですよね。で、ちなみにあの、今朝の新聞、朝刊各紙見ますと、毒ギョーザの件が、少なくともこの大阪で見た限りは、1行1字も載ってなかったですよね。で、しかしおそらくあの、国民の方々の多くは関心を失ってるどころか、その、容疑者が突然出てきたけれども、これで、じゃあその、中国の輸入食品を食べても大丈夫なのかと、食の安全大丈夫なのかということで、非常に強い関心を持っておられると思うんですよ。で、従って今日このコーナーのために色んな取材をしてまいりましたが、その、まず、やむをえず最初に出さなきゃいけないキーワードはこれです(フリップ出す)」

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山本浩之
「『嘘が嘘を呼ぶ』」

青山繁晴
「はい。今回の容疑者逮捕について、実はこの、嘘が嘘を呼んでるんじゃないかと疑わざるをえない、非常に根深い問題があるというお話を、具体的に一緒に考えてまいりたいと思います」

山本浩之
「はい。ではコマーシャルを挟んで青山さんの解説です」

(いったんCM)

 …………………………VTR開始…………………………

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 2年前、日本中を震撼させた中国毒ギョーザ事件が先週金曜日、急展開を見せた。

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【今月28日】
中国公安当局
「(容疑者は)工場の環境部から殺虫剤のメタミドホスを盗み、(2007年)10月1日、冷凍庫に忍び込み、製品に毒物を入れた」

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 中国の公安当局は、ギョーザを製造していた中国・天洋食品の元アルバイト従業員、呂月庭容疑者の身柄を拘束したと発表。

 さらに公安当局はその2日後、日本の報道機関に対し、捜査状況を詳しく説明する異例の会見を開いた。
 しかし……。

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Q(記者)
「2008年、工場内にメタミドホスはなかったと言っていたが?」

中国公安当局
その後、調査してみたらあった

 中国側の発表によると、事件発生当初は「ない」としていたメタミドホスが工場内に「あった」と言ったり、犯行に使われたとされる注射器が今月になって見つかったと説明するなど、腑に落ちないことだらけ。

 呂容疑者の元同僚は……。

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呂容疑者の元同僚
「冷凍保管庫は夜も見張りがいるので通常入れない。会社の管理は厳しかった」

 と、呂容疑者が冷凍庫に忍び込んで犯行に及んだとする公安当局の発表に疑問を呈している。

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 容疑者が拘束されたとはいうものの、多くの謎が残る毒ギョーザ事件。
 なぜ今になって動き出したのか。青山がズバリ解説します。

 …………………………VTR終了…………………………

山本浩之
「この事件では当時5歳の女の子が一時重体になるなど、10人が中毒症状に陥ったわけですよね。で、今回の中国当局の発表ではもう到底納得できません。えー、不可解な点がいくつもあります。えー、そこでこの事件の真相を青山さんの解説とともに見ていきたいというふうに思います」

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青山繁晴
「はい。あの、まず皆さんこれ見ていただくと、容疑者が、まぁせっかく拘束されたということなんだけども、逆に疑問や不信感が募っていませんかということを、あえて最初に書きました。これ、かなりきつい書きぶりですけれども、こう書かざるをえないぐらい、重大な疑問が客観的に見ていくつもあるわけです。で、まずですね、えー、事態が動き出した最初のことをちょっと振り返ってみましょう。はい、出して下さい」

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村西利恵
「第一報は今月26日、中国国営の新華社通信が、元臨時従業員の呂月庭容疑者を拘束したと報じました。それによると、犯行に使った注射器も押収した。そして、賃金待遇や同僚への不満が動機ということなんですが、具体的な犯行の手口などは伝えられませんでした

青山繁晴
「はい。これあの、26日って要するに先週の金曜日の夜なんですね。で、僕もこれ事前には全然知りませんでした。で、新華社がいきなりこういうのやったよってことを、まず、ある外交官から電話されて、えっと僕もびっくりしたんですよ」

村西利恵
「びっくりしましたね」

青山繁晴
「ええ。それで、これあの、新華社通信ってたとえば日本の、あの、僕がいた共同通信と違って、これ国営なんで。これ要するに国が発表してるのと同じなんですね。で、注射器をその、押収したから、この容疑者の自供通りに注射器を押収できたから、これが犯人なんだというニュアンスで、この新華社電が報道されて、で、動機はこうやって出てるんですけれどね、でも具体的な話はなかったわけです。で、このあと僕はどうしたかというと、当然これ翌朝に取材を始めたんですけど、まず、ある警察の幹部に電話したんですが、これあの、どういう人かというとですね、当時のこの毒ギョーザ事件の捜査の日本側の最高責任者なんですよ。で、もちろん警察にも色んな人がいて、っていうか、その、警察って色んな問題ありますよね。たとえばその、国松長官の狙撃に関して、昨日やった警視庁公安部の記者会見ってあれ、とんでもない会見だと僕は思いますね」

山本浩之
「そうですね」

青山繁晴
「それから警察のおかげでずいぶん冤罪事件も生まれてるわけです。で、警察官の中に色々いらっしゃるんだけど、この毒ギョーザ事件の最高責任者だった人は、まぁ名前は出せませんけれども、非常にフェアな、客観的な考え方の人で、で、この人が当時どういう捜査の指揮を取ったかというと、中国にも厳しかった。でも当時の福田内閣、あるいは麻生内閣のその、首相官邸にも厳しかった。それから外務省、農水省に対しても、事件をうやむやにしているんじゃないかっていうふうに非常に厳しく臨んだんですね。で、この人がずっと捜査を指揮してきたんですが、もう皆さんあれから2年経ってるわけで、2年以上経ってるわけですから、こういう、その、幹部ほど異動します。従ってこの人ももう2年経って事態動かないし、実は異動したわけですよ。で、最近異動したら、急にこういう新しい動きになったから、ひょっとしてその人が替わったことも要因にあるんじゃないかと思って、実はまず他の警察幹部に電話をして、これ関係あるんですかと聞いたら、いや、関係ありますよって言われたんで、この当時の最高幹部に電話をして、土曜日の朝にですね、どう思いますかとまずいきなり聞いたら、もうズバリこの答えが返ったんです」

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村西利恵
「『おかしいです』と」

青山繁晴
「はい。これおかしいですよと、はっきり言われました。あの、非常に穏やかな人なんですけど、非常に強い調子で、おかしいです、これはと言われまして、で、当然根拠をはっきり言われたわけですけれども、まず1つめですね」

村西利恵
「何がおかしいかというと」

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青山繁晴
「あ、両方出ましたが」

村西利恵
「はい、2つ出ましたが、2年経過して注射器が発見されたという点。それからあの国では供述はどうにでもなる」

青山繁晴
「はい。これはですね、あの、まずあれから2年経ってて、その注射器をどうやって見つけたのか。これもし犯人が注射器持ってたら、ずっと2年間抱えてるはずがないでしょうと。だからこの見つかったってのはどういう経緯なのか、それがその新華社電、全然出てこない。それから新華社電のニュアンスだと、要するに犯人がもう自供したんだってことになってるけど、その、その2年の間ですね、この当時の捜査最高責任者として中国と接触をしてるうちに、あの国、もうきつい言い方ですけど、中国では供述っていうのはどうにでもなっちゃうんだなということを印象を持ったと。だから自供したから逮捕しましたってことを、にわかに信じるわけにはいかないという話をされたわけですね。で、それに対してですね、あの、そのあと何が起きたかというと、実はこの人だけじゃなくて、もうその土曜日のうちに、警察の内部に疑問の声がうわーっと広まっていったんです。メディアにはあの、出てきませんけど、あんまりね。実はたくさんそういう声が出てきたら、そしたらさっきVTRにもあった通り、中国側は異例の説明を行ったんですね。はい、その説明出して下さい」

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村西利恵
「中国側の事件説明によりますと、呂容疑者の単独犯と断定しています。そしてその呂容疑者が、2007年7月と8月に工場内にあるメタミドホスと注射器を入手し、2007年10月から12月に冷凍庫に侵入したということなんですよね。そして呂容疑者の供述に従って、下水道から注射器を発見し、メタミドホスも検出したという説明でした」

青山繁晴
「はい。これあの、まず、いずれもですね、日本側の警察の内部であそこがおかしい、ここがおかしいと、内部でわーわー言ってたことに見事に全部答える形になってるわけです。従って、まぁはっきり分かりませんけれども、少なくとも複数の警察幹部は、これ外交ルートも使って、中国側が情報入手して、早朝に手を打とうとして、こういう記者会見に及んだんじゃないかと。まあ、これはあくまで推測だと思いますけれども、そういう話もあります。で、その上でですね、まずその呂月庭っていうこの36歳のこの青年の単独犯ってことを、その、さっき皆さんご覧になった中国公安部の3人の記者会見の中ですごく強調されたんですが、なぜ他に犯人がいないと分かるのかっていう、どうして複数犯じゃないのかっていう根拠が何も示されてないんですね。で、示されないまま、とにかくこいつが1人でやったんだってニュアンスで、で、この彼の犯行に、いわゆる犯行については詳しく話されて、で、その、これ、毒ギョーザの被害が出たのは2007年12月でしたね。そして発覚したのは2008年の年が明けてからだったんですけど。その2007年のこの夏、7月と8月にこの呂津庭っていう青年が工場内、天洋食品の工場内にあったメタミドホスと注射器を入手したんだと。ここでまずですね、さっきあの、嘘が嘘を呼ぶって申しましたが、これ、いわば中国側にとってはヤブヘビな話になってんですよ。というのは、皆さんだんだんと思い出して下さいね。兵庫県、千葉県で被害者出たじゃないですか。で、それ以外にも、その、被害者は出なかったけども農薬入りの中国製冷凍ギョーザ発見されてんですね。あの、福島で発見された物はですね、まずその、メタミドホスじゃなくて、ジクロルボスっていう違う農薬が入っていた。で、しかもその製造は、皆さんここ(パネルの2項目め)見て下さいね。2007年6月なんですよ。ということは、この呂月庭容疑者は関係ないじゃないですか。従って他に犯人がいるんだと、単独犯じゃないってことが、これ、はっきりむしろこれで分かっちゃうわけですよね。で、さらにこの冷凍庫について3回入ったことになってんですが、あの、さっきありました通り、これは監視がついてるはずだと。ね。しかしまぁそれは何かの隙を狙って入ったと説明できなくはないけれども、一番問題なのはこの、最後の注射器の部分なんですね。えー、呂容疑者が供述した通り、下水道から注射器を発見して、その注射器にメタミドホスも付いてたんだと言ってるんですが、ところがさっきの当時の捜査の責任者の方は、これについて、これは中国にとって致命的ですよと言ってるわけですね。どうしてか。ちょっと出して下さい」

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村西利恵
「下水道から注射器発見の疑問点はこの2つ。食品工場なので下水の水量が多いということ。それから鑑識にも確認したが、メタミドホスは水に溶ける」

青山繁晴
「はい。つまりですね、これもうお分かりだと思いますけど、下水道って言うんだから当然こう水が流れてるわけじゃないですか。で、それもこれ天洋食品って食品工場ですから、食品ですから水使いますから、流量、流れる量が多いから、注射器が2年間そこに留まってたのはどうしてなのかと。そりゃまあ何か引っかかってたんだと中国側は言いたいかもしれない。それを仮に認めたとしても、決定的なのはですね、注射器にメタミドホスがあったと中国側は言ってるわけですが、これは当時日本の鑑識がちゃんと調べていて、メタミドホスってのは水に溶けやすいんです。水で分解されるから。その、2年間も下水道に洗われてメタミドホスが残ってるわけはないと。だからここに至っても実は中国側の説明というのはもう、あの、ガラガラに崩れてしまってるわけですね」

山本浩之
「そうですねー」

青山繁晴
「そしてさらにですよ、どうして今になってこの1人の容疑者を出してきたのかという問題、次の問題ですね。で、これについてですね、ちょっと、この事件発生当時に私がこのコーナーで何を言ったかっていうのを、はい」

村西利恵
「VTRでご覧いただきます」

【2008年2月6日放送】

青山繁晴
「1週間前に申した食品テロということが、実はほぼそういう方向になってるということなんですが、今日一番大事な話は実はこれなんです(フリップ出す)」

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山本浩之
『中国で容疑者を拘束』という…」

〈VTR中略〉

青山繁晴
「今日の午前11時頃に僕の携帯にかかってきた電話の中身、まずこれです。はい」

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村西利恵
「『確認した。複数の容疑者を実質的に拘束して、厳しく激しく取り調べている。容疑者は複数の退職者だ』」

青山繁晴
「はい。これあの、今だから言える話ですけどもね。あの、ま、あの当時もある程度は言ってますけど。もう、あの、どういうこれ情報源だったかというと、あの時その、2008年の1月末から2月にかけて、日本の捜査官が中国に行って、日中でけっこう捜査の交流があったんですよ。で、その、中国に行った日本の捜査官がこの複数の容疑者をすでに中国側は拘束してるっていう情報をつかんで、それでそれをこのコーナーで僕はお話ししたわけです。で、ところが皆さん思い出して下さいね。その、そのあと突然、中国側は別な記者会見をやってですよ、記者会見を新たにやって、いや、実は毒は中国で入れられてないと。日本で入れられたとは言わなかったけど、もう日本で入れられたこと示唆してると同じことを言って」

一同
「ええ、ありましたね」

青山繁晴
「みんなびっくりしたわけですよ。びっくりしたら、当時の自民党政権、自公政権の福田総理は何ておっしゃったかというと、中国は非常に前向きだと言われてみんなびっくりし、そして、その当時の政府の中でこれ怒って、記者会見ではっきり怒ったのは当時の警察庁長官だけだったわけですね。で、そこで実はもう捜査は行き詰まったことになったんですが、そのあともう1つ皆さん思い出していただくと、この、中国で毒入れたんじゃないと言ったもんですから、中国の企業とか普通の人は、じゃあ中国で、中国で流通するはずのギョーザは大丈夫だと思ったわけですよ。日本に行かない限りは大丈夫だと。だからそれ横流ししたわけですね、天洋食品が。そしたらそれを食べた人が、もうたくさんの人が中毒症状を起こしてしまったわけですね

一同
「そうですね」

青山繁晴
それで中国の捜査はやり直しということになったんですね。で、やり直しになった捜査もなかなか進展しなくって、突然今回、呂容疑者が出たんですが、じゃあこの人はどういう人かというと、実はこれなんです」

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村西利恵
『呂容疑者は、当時拘束された容疑者の一人』

青山繁晴
「はい。これあの、要するに2年ちょっと前に僕が申した複数の容疑者、で、しかもそれは農家出身で、退職した臨時工、まさしく今回の」

村西利恵
「当てはまってますね」

青山繁晴
「呂月庭容疑者に当てはまるんですが、これ複数の容疑者、4人から6人、その中に女性もいたってことだったんですが、その中でこれ、1人だけが取り出されて、今、犯人ってことになりつつあるわけですね。で、これについてですね、その、こういう疑問点を受けて、今、日本政府が、じゃあ全体として、警察だけじゃなくて全体としてどうしようとしてるかというと、これは実は捜査当局の幹部から見るとですね、この捜査当局の幹部ってのは、さっきの最高責任者とは違う人です。その、別な捜査当局幹部が今、政府の動きをどう見てるかというと、こうなんです」

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村西利恵
『官邸や外務省・農林水産省は、事件の真相解明に興味がない』

山本浩之
「興味がない」

青山繁晴
「はい。これはね、どうしてこういう言い方をしてるかというと、これあの、決して情緒的に言ってんじゃなくて、根拠があるんです。というのはね、皆さんもう一回また思い出して下さい。兵庫県、千葉県で、あの、被害者が出ました。5歳の女の子は重体にもなった。だから兵庫県警と千葉県警が合同捜査本部を立ち上げましたね。その時、容疑、殺人未遂と。食品テロだってことはっきり出したわけですね。だからたくさんのことを、こう調べていったわけですね。だから今回、中国側がその、犯人を出してきたならば、当然この捜査当局の幹部たちはその当時の捜査官、捜査本部にいた、合同捜査本部にいた人たちを中国に送りたいと言ってるわけですよ」

山本浩之
「ええ。当然そうです」

青山繁晴
「で、中国側は、日本の警察から訪問受け付けるって言ってるけども、実は日中の今、水面下の調整は、いや、兵庫県警も千葉県警も手を出すなと。警察庁のその刑事局だけでやるんだという話になりかかってるから、それを、その捜査当局幹部はこれ批判して、実はこれは官邸とか外務省、農水省のいわばプレッシャーで、警察はその、警視庁の、ごめんなさい、警察庁の幹部しか送れないってことになりかかってるということを、実は言ってるわけですね」

山本浩之
「そんなおかしいことはないですねー」

青山繁晴
「はい。で、これについてですね、えー、もう1人、警察庁の最高幹部の1人が、僕に電話で何を言ったかというと、実はこれを言ってるんです。はい(フリップ出す)」

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村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『これで日本は国家と言えるのか』。毒ギョーザ事件をめぐる問題で日本はどう対応するべきなのか。CMのあと詳しく話していただきます」

(いったんCM)

山本浩之
「日本政府は真相解明に興味がないと、捜査幹部が断言するのはなぜなんでしょうか。話の続きをお願いします」

青山繁晴
「はい。じゃ皆さんね、さっきのこのキーワード、ちょっときつい言葉ですからもう一回見ていただけますか。ここにあの、カギカッコ(『』)がついてますね。カギカッコ。その通り、これは僕の言葉じゃなくて、実はこのコーナーの本番、この『アンカー』の本番が始まるけっこう直前に、その警察庁の現職の幹部と電話でかなり長時間話したんですが、その中で彼が、だんだんだんだん憤りを堪えきれなくなって、このままじゃ青山さん、日本はもう国家と言えなくなりますよということを言ったんです。それでこのキーワードにしたんですが、彼がそういう激しい言葉を口にするだけには、もちろん重大な理由があります。えー、それを見て下さい」

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村西利恵
「『日本警察の証拠物件と犯行手口が合わない』」

青山繁晴
「はい。これあの、当時の実物ですよね。実はこの関西テレビにもう一回探してもらったんですが、残念ながら見つからなかったけど、でも『アンカー』でもこの実物、触りながら皆さんにお話ししたこと覚えてらっしゃると思うんですよ。というのは、あの当時、日本警察は、食の安全に関わることだから、ほんとにまぁ当たり前ですけど一生懸命調べたわけですね。そうすると分かったのはですよ、この、ギョーザの、この袋の上にべったりと農薬が付いていて、そしてこの中のギョーザのこの袋にべったりと実は農薬、メタミドホスが付いていたと。そしてその具の部分はですね、皮から染み込んでいったっていうのがですね、その、この袋から中には染みませんよ、しかしその、具については皮から染みていったっていうことが、もうこれ鑑識の結果としてはっきり分かってるわけです。従ってその、冷凍庫に入っていって、注射器で直接その、具のところにメタミドホスを入れたっていう中国側の発表と全く合わないわけです

村西利恵
「なるほど」

青山繁晴
「従ってその、呂月庭容疑者がどうこう言う前に、これその、証拠物件と中国の言ってる犯行手口が合わないのにこのままにしてしまったら、じゃあ日本の捜査は何なのか。日本にとって公正さはいったい何なのかってことになってしまうと。だからあの、当然、この警察庁幹部は実は内部でですね、その、警察の内部の声として、今、警察の中でも実はあの、検討してるっていうか、意見の、ま、食い違いがあって、それをこう乗り越えようとしてるわけです。で、その中で、この警察庁幹部が何を内部で提案してるかというと、この2つです」

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村西利恵
必ず当時の担当捜査官と鑑識を中国に送るべき。そして、証拠の注射器を中国側に提示させろと

青山繁晴
「はい。すなわちその、警察庁刑事局の偉い人だけじゃなくて、兵庫、千葉県警、兵庫県警、千葉県警のその捜査本部で、その、直接ギョーザを調べた鑑識の人や、それから鑑識と一緒に細かく調べた当時の捜査官、事情分かってる奴を必ず中国に送るべきだと」

山本浩之
「そりゃそうですよね」

青山繁晴
「警察庁の幹部だけ行ってごまかそうとするんじゃないというのが1点と、それからその、注射器っていうものを必ず中国側に提示させるべきだと。そしてそこにメタミドホスが付いてるって言うけれども、その、鑑識に、中国に主権はあるけれども、一緒に立ち会った上でね、主権は尊重しながら調べさせるべきだと。こういうことを、その、電話で言いながら、実はこの警察庁幹部は怒りを通り越して、最後にはもう笑ってしまってですね、いや、ほんと電話口で笑ってんですよ。もうピカピカの注射器、そのへんでいかにも買いましたって注射器が出てきたりしてね、アハハと思わずね、その、警察庁幹部は笑ってしまう。まあはっきり言うと、ことほどさように奇怪な中国側の発表なわけです。そうすると皆さん、今日の最後に当然、じゃあ日本は政治として何をやるべきなのかと、何をやろうとしてるのかってのを考えなきゃいけないですね。それで僕はまず、今の内閣の前に、当時の外務大臣に電話をして、その、あなたはこれをどう思ってるんですかと、この発表を、と、聞きました。そうするとこういう答えでした」

村西利恵
「『単独犯をしきりに強調していたね』と」

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青山繁晴
「はい。これだけおっしゃって、そして、もうこれ以上は言えないと言われたんですよ。でもそれニュアンス非常に分かりますね。つまり、証拠もなく単独犯だ単独犯だっていうのは、要するに1人の青年に押しつけて、中国の根本的な問題じゃないってことを、もうしきりに言いたがっていたねと。そして、それ以上言えないってことはですよ、これ普通だったら中国はよく頑張りましたとか、たとえばあの、さっきの新華社通信は、もう粘り強い捜査でついに解決したって言ってんだから、これでたとえば日中のトゲを抜いたとか何とかね、評価すること言ってもいいんだけど、一切言わなかったわけです。それはその、政権が変わったからということでは僕はないと思います。あんまりにもやっぱりおかしいなってことがあるんだと思うんですね。で、そうするとですよ、中国側には何か政治的動機があって、何か狙いがあって、この時期に呂月庭っていう容疑者、1人を出してきたというのが当然、可能性としては考えられるわけですね。断定はできませんけれども。そうすると、中国側の狙いってのはむしろはっきりしてて、これです」

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村西利恵
「アメリカ・中国が緊張しているから、日本を取り込みたい」

青山繁晴
「はい。これ実は先週の『アンカー』で申しましたね。オバマ政権の方針が変わって、その、米中が非常に緊張してるわけですね。グーグルの問題とか台湾への武器売却とか。そういう時に日本を味方にして、中国としては有利に運びたいってことがあって、これ日本のチャンスとも申しましたが、中国はいわば先手を打って、この毒ギョーザ事件でトゲを抜いてあげるから俺に協力しろってことで、実は出てきているという、この、動機ははっきり感じられるわけですね。そしてさらに具体的に日中の間ではですよ、この、さっきあの、ニュースでもあった上海万博、これ実は5月1日から始まりますけど、その前夜、4月30日の夜にあの、北京オリンピックの開会式と同じように、にぎにぎしく各国の首脳に集まってもらって盛り上げたいって中国の思惑があって、それ、鳩山さんそれに乗っかる気配なんですよ。まだ決まってませんけどね。本来は6月のジャパン・デーに行くはずだったのが、そのオープンセレモニー行きたいなと水面下でやってるわけです。そしてその上海万博の最中の5月に温家宝首相がまず来日して、そして今年11月には横浜でAPECって会議ありますから、その時に胡錦濤さんが来ると。こうやって日中を盛り上げるという、こういう動機もあるから、つまり中国側には十分な政治的動機があるわけです。そしてこれ中国側だけじゃなくて、日本の鳩山内閣にも重大な動機ありますね。というのは、今日の党首討論にも出た通り、普天間をめぐってアメリカと日本は、また中国とは別の意味でもめてるわけですね。そうすると鳩山政権としては、その、アメリカと仲が悪くなっても中国とはこんなに立派にやってるじゃないですかと、ね。だから日本外交はちゃんと動いてるんだということ、言えますから、実は日本側にも魚心水心の動機があるってことなんですよ。そうすると今日最後にやっぱり皆さんと考えなきゃいけない、残ったことは当然これです、はい」

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村西利恵
「これで『食の安全』は確保されるのか」

青山繁晴
「はい。これでっていうのは、毒ギョーザ事件を中国側が解決したと称して、それに日本が乗っかったら、それで私たちの食の安全は確保されるのかと。これ、たとえばですね、今、日中の水面下で話し合いが少し進み出してるのは、これで毒ギョーザ事件は解決なんだから、日本と中国が双方同じ基準で、双方の食品の輸出輸入の基準を作りましょうって話になってるから、なってるんですよ、今、なり始めてるんですが、ちょっと待って下さい。日本は被害者なんです。そして日本の食品はほんとに厳しい安全基準を守ってきて、私たちのモラルを守って輸出してるわけですから、それと中国の今の食品輸出の現状と一緒くたにするってのは、これとんでもないことで、それ結果的には何が起きるかというと、その、同じ基準に合わせるってことは、日本は新たに何かしなきゃいけないわけじゃないですから、中国も別にしなくていいってことになりかねない。そうすると中国からの輸入食品、実はギョーザだけじゃなくて、たとえば、書いてなくても、唐辛子の中の材料が中国の物だったりするわけですよ。非常に広範囲に入り込んでる食の安全が保たれない。そう考えますと、今日色んないわば客観的証拠について申したのは、それを手がかりにして私たちがちゃんと声を挙げるべきだと、ちゃんとその、鑑識や捜査官を少なくとも中国に送れということを、警察が言うだけじゃなくて、私たちの声として考えるべきじゃないでしょうか

山本浩之
「はい。ありがとうございました」

 ____________________________内容紹介ここまで


 「容疑者拘束」で私たち主婦が安心してるかっていうと、そういうことは全然ないですね。
 今日もスーパーで冷凍食品売場に立ち寄ってみましたが、割引の日なのにも関わらず、だーれもいませんでした(あとでもう一回見たら、一人だけ定年退職後っぽい男性が熱心に品定めされてましたが……)。

 ネットでは何かと馬鹿にされる主婦ですが、仮に他の問題は忘れたとしても、これだけは絶対忘れません。家族の健康を預かる主婦はしっかりしてますよ〜(-.-#)

 「命を守りたい」が信条の鳩山総理、どうか私たち日本国民の命を守って下さい!
 ということで、関係各所へのリンクを貼っておきます。

■首相官邸ご意見募集
 http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
■各府省への政策に関する意見・要望
 https://www.e-gov.go.jp/policy/servlet/Propose
■民主党へのご意見・ご感想
 http://www.dpj.or.jp/header/form/index.html
■国民新党 国民の声を聞く
 http://www.kokumin.or.jp/opinion/
 亀井さんって元警察官僚だし、鳩山さんよりアテになりそう?


※拙ブログ関連エントリー
【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし

※参考リンク
ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
 青山さんのブログです。ご本人に直接コメントが送れます。
誰にも手渡してはならない自由意志
 拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。


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正論の尊さ1(パチンコvsボート) | 東京のばかやろーブログ | 2010/04/19 12:56 AM
申し訳が無いが正論の尊さを感じる今日この頃である。1パチンコにみる正論2日米関係にみる正論1パチンコにみる正論パソコンはセキュリティをしっかりしないとあかんと思う。博士の独り言と『日本よ何処へ』ブログより↓超党派「賭博議連」考http://specialnotes.blog77.fc2.com/blog-entry-3362.htmlパチンコの合法化を許...