「アンカー」青山氏にもサイバー攻撃&日本の原発テロ対策の現状は?
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※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■9/21放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
三菱重工やIHIだけでなく、青山繁晴さん及び独立総合研究所にもサイバー攻撃(メール攻撃)が。しかもその差出人名は何と…!
また、公表はされていませんが、すでに原発テロに遭った国が存在するそうです。
後半は、日本の原発テロ対策についてですが、残念ながら今後もあまり期待は持てそうにありません。
ちなみに、青山さんは現在、原子力に関する公職を3つ持たれているそうですが、その具体的な中身について私は初めて知りました(^^ゞ
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。
※また画像を利用される方は、直リンクでなく必ずお持ち帰り下さい。当方のサーバーへの負荷軽減のためご協力のほど宜しくお願いいたします。「直リンク」の意味が分からない方はこちらをご覧下さい。
内容紹介ここから____________________________
山本浩之
「で、このあとは、青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーにまいります。今日はどのようなお話をされますか」
青山繁晴
「はい。あの、国内ではその、台風に苦しみ、それからその、復興増税どうするかっていうまさしく国内の世論が行われてる中で、今、野田さんを含め、かなりの主要閣僚が国際社会に出てるわけですよね。で、特に、世界の注目の福島原子力災害について、その、細野さんがまず、もう年内にも冷温停止になるんだと言って、野田さんもそれを、改めて国際社会にアピールしてるわけですけれども、実は国際社会の関心はそこにはないんですよ」
山本浩之
「はあー」
青山繁晴
「というのは、その、ま、そもそもの本来の冷温停止っていうのは、その、燃料棒がちゃんとしての停止ですから。もう、溶けちゃった上で、温度が下がるっていうこと、ま、それ温度が下がっていってること自体も諸国は知ってるし、もうそれは分かってることなんです。それから、日本国内ではやっぱり国民の最大関心事は放射性物質の漏洩、それがまだ止まらないってことで、もちろんそれは僕も含めて重大な関心を持ち続けなきゃいけないけれども、国際社会ではそこにも実は、国内で言われるほどの関心はありません。実際に僕は海外出てみてそれを痛感しましたが。それどうしてかというと、チェルノブイリで出た時の放射性物質の質、特に質と全然違うってことは国際社会は分かってるから。実は、福島原子力災害について、大きな国際社会の関心はもちろんあるんですけど、それは、国内ではほとんど語られてないことに、実はあるんです。それは、これです(フリップ出す)」
山本浩之
「『原発テロ』」
青山繁晴
「はい。これがすなわち今日の最初のキーワードでもあるんですが。福島原子力災害が引き起こしたことというのは、私たち日本国民の健康不安、そういうことにとどまらず、実は、原発のテロを起きやすくしてしまったと。世界中の原発で、テロの危険が高まってる。それが本当の世界の関心事なんです。で、これは当然、私たちの日本の原発についても当てはまることですから、今このことが、メディアに出てこないこのことがどうなってるかっていうことを、この機会に皆さんと一緒に、具体的に考えたいと思います」
山本浩之
「はい。えー、では、コマーシャルをはさんで青山さんの解説です」
(いったんCM)
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※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■9/21放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
サイバー攻撃が発覚〜防衛・原子力情報が狙われた?テロ対策から見た原発の現状を青山ズバリ!
三菱重工やIHIだけでなく、青山繁晴さん及び独立総合研究所にもサイバー攻撃(メール攻撃)が。しかもその差出人名は何と…!
また、公表はされていませんが、すでに原発テロに遭った国が存在するそうです。
後半は、日本の原発テロ対策についてですが、残念ながら今後もあまり期待は持てそうにありません。
ちなみに、青山さんは現在、原子力に関する公職を3つ持たれているそうですが、その具体的な中身について私は初めて知りました(^^ゞ
間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
※引用転載はご自由に。連絡不要です。但し誤字などに後日気づいて修正をすることが多々ありますので、必ずこちらのURLを添えておいて下さい。
※また画像を利用される方は、直リンクでなく必ずお持ち帰り下さい。当方のサーバーへの負荷軽減のためご協力のほど宜しくお願いいたします。「直リンク」の意味が分からない方はこちらをご覧下さい。
内容紹介ここから____________________________
山本浩之
「で、このあとは、青山さんの“ニュースDEズバリ”のコーナーにまいります。今日はどのようなお話をされますか」
青山繁晴
「はい。あの、国内ではその、台風に苦しみ、それからその、復興増税どうするかっていうまさしく国内の世論が行われてる中で、今、野田さんを含め、かなりの主要閣僚が国際社会に出てるわけですよね。で、特に、世界の注目の福島原子力災害について、その、細野さんがまず、もう年内にも冷温停止になるんだと言って、野田さんもそれを、改めて国際社会にアピールしてるわけですけれども、実は国際社会の関心はそこにはないんですよ」
山本浩之
「はあー」
青山繁晴
「というのは、その、ま、そもそもの本来の冷温停止っていうのは、その、燃料棒がちゃんとしての停止ですから。もう、溶けちゃった上で、温度が下がるっていうこと、ま、それ温度が下がっていってること自体も諸国は知ってるし、もうそれは分かってることなんです。それから、日本国内ではやっぱり国民の最大関心事は放射性物質の漏洩、それがまだ止まらないってことで、もちろんそれは僕も含めて重大な関心を持ち続けなきゃいけないけれども、国際社会ではそこにも実は、国内で言われるほどの関心はありません。実際に僕は海外出てみてそれを痛感しましたが。それどうしてかというと、チェルノブイリで出た時の放射性物質の質、特に質と全然違うってことは国際社会は分かってるから。実は、福島原子力災害について、大きな国際社会の関心はもちろんあるんですけど、それは、国内ではほとんど語られてないことに、実はあるんです。それは、これです(フリップ出す)」
山本浩之
「『原発テロ』」
青山繁晴
「はい。これがすなわち今日の最初のキーワードでもあるんですが。福島原子力災害が引き起こしたことというのは、私たち日本国民の健康不安、そういうことにとどまらず、実は、原発のテロを起きやすくしてしまったと。世界中の原発で、テロの危険が高まってる。それが本当の世界の関心事なんです。で、これは当然、私たちの日本の原発についても当てはまることですから、今このことが、メディアに出てこないこのことがどうなってるかっていうことを、この機会に皆さんと一緒に、具体的に考えたいと思います」
山本浩之
「はい。えー、では、コマーシャルをはさんで青山さんの解説です」
(いったんCM)
山本浩之
「最初のキーワードは『原発テロ』でした。この、原発事故は計り知れない被害をもたらすってことは痛感しましたけれども、じゃあテロへの備えは万全なのか。大変私も不安です。さっそくお願いしたいと思います」
青山繁晴
「はい。えー、ここにも、原発テロって文字を、書きましたけれども。実は、原子力発電所には大きなリスクがあって、原発にリスクはないってのは真っ赤な嘘であって、大きなリスクがある。その中でも、テロによるリスクは非常に大きいってことを、僕は最初に問題提起したのは13年前なんですね。記者から実務家になった時から、ずっとそのことを言ってまいりまして。なぜかというと、テロリストが、冷却を止めてしまったら、原子炉自体は止まっていても、大変なことになると。それを今回、テロリストのかわりに、津波がやってしまったわけですけれども。逆に言うと、テロリストがどういうふうにやれば、冷却止められるかを、今回、学ぶことになってしまったんですね。で、その上でですね、皆さん今、全く最新のニュースと、この原発テロのことが、実は報道には出てこないけども、深く深くつながってることがあるんです。それをまず、ちょっとVTRから見ていただけますか」
…………………………VTR開始…………………………
ナレーション(村西利恵)
「防衛関連機器を製造する重機メーカー、三菱重工業のサーバーやコンピューターが、ウイルスに感染していたことが明らかになりました。感染していたのは、本社のほか、神戸、長崎の造船所など、潜水艦や原子力プラント、弾道ミサイルを迎撃する誘導弾を生産している工場の、サーバーやパソコン、合わせて83台です」
ナレーション(村西利恵)
「外部からの操作で、コンピューター内部の情報を盗み出すことができるウイルスも含まれており、外部へ情報が流出していた可能性があることが分かりました」
…………………………VTR終了…………………………
青山繁晴
「はい。えー、この三菱重工とか、あるいはIHI、石川島播磨重工(旧石川島播磨重工業、現在のIHI)、そういった、その、いわゆる防衛産業に対するサイバー攻撃というのは、本当はもう数年前から、ずっと続いてきたことです。で、今回は、防衛産業を狙い撃ちってことで大きく報道されてるんですが、その、防衛関連の機密情報を盗むこと以外にですね、実は原子力発電と大きな関係があるだろうと思われてるんですね。で、えー、ちょっとこれ見ていただけますか。はい。えー…」
村西利恵
「まずその手口はというと、標的型のメール、それから、内閣府の実在の人物からメールが来る」
青山繁晴
「はい。まずちょっと上から見てほしいんですけれども。この標的型メールっていうのはですね、あの、普通、いたずらメールとか、あるいはウイルスを仕込んだメールっていうのは、もう不特定多数に嫌がらせをすると。それで、なぜか快感を持つ人たちがいるという話なんですが。ま、その、いわばそこでできてきた技術を踏まえて、そういう単純な嫌がらせじゃなくて、はっきり標的、ターゲットを持った、その、ウイルスを仕組んだメールっていうのはこの頃増えてきてるわけです。で、もう一度さっきの話しますとね、例えば三菱重工ですと、やっぱり防衛関係の潜水艦とか飛行機の、機密を盗みたいんだろうと。で、それもちろんあると考えられますが、実は例えばさっき、VTRに出てきた三菱重工の神戸造船所、造船所って名前ですけれども、本当の今の仕事のだいたい7割ぐらいが原子力関連なんですよね」
一同
「ああー」
青山繁晴
「で、さらにはこの三菱重工では、皆さんご存知の、ストレステスト、これ、菅さんが言い出して今やってる、その、原発の安全性確認するために、ストレス、すなわち自然災害とか、を中心に、その、いろんな危機が起きた時のストレスを、その原発にかけたと仮定して、それをコンピューターでシミュレーションして、安全かどうか確かめる。それを例えば三菱重工では600人、えー、スタッフを置いて、えー、ものすごい数のコンピューターでそれやってるわけですね。で、従って、そういう情報を狙って、その、メールを出してるんじゃないかと。で、しかもそれが、これ共通した手口があってですね。内閣府に今現在いる人物からのメールなんですよ。で、そのメールアドレスだけ見たら、確かに彼のメールアドレスなんです。で、そこに付いてる、その添付ファイル、添付ファイルの題名も、例えばその、原発のリスク整理とかいうタイトルがついてて、開けたくなるわけですよ。で、何で僕は今こんな具体的なこと言うかというとですね、えー、私と、それから私たちの独立総合研究所、独研にもこれ来てるんです」
一同
「はあー(驚き)」
青山繁晴
「前から。で、基本的に同じ人物なんですよ。で、うちはもちろん内閣府と議論しますから、知ってる人もいますが、(そのメールアドレスの人物の名前は)知ってる人ではないんだけど、内閣府に問い合わせは当然しました。すると実在してるわけですよ。で、実在してるけれど、彼から独研に、メールを出したことはないというの確認できたから、そのまま削除して、うちには被害が出てません。しかし、繰り返し来るわけですよ。繰り返し来る。ね。で、ということは、本来これが、すみません、こういうことを言って申し訳ないけど、本当は、日本じゃなくてアメリカやイギリスやフランスだったら、当然この人物がなぜ名前を使われるのか、その元々の原因は何なのかを突き止めて、この人物の名前が使われないようにするはずですが」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「少なくとも、私たちが知ってる限り、独研だけじゃなくて、こういう民間企業とかあるいは政府機関に対するメールについても、全然その対策取られないから、ずっとこれが来るわけなんですよね」
山本浩之
「はあー」
青山繁晴
「で、そして今回、特に、サイバー攻撃は三菱重工などに、今までよりも激しくなってる理由は、本当はひとつはこれがあるんじゃないかっていうことなんです。出して下さい」
村西利恵
「三菱重工などが狙われたのは、日本、アメリカの情報当局者によると、『原発を攻撃する方法を探るためではないか』」
青山繁晴
「はい。で、それは、もうちょっと僕、先に言ってしまったんですが、ちょっと開けて下さい。はい」
村西利恵
「三菱重工神戸造船所で行われていたのは、『原発のストレステスト』」
青山繁晴
「はい。で、このストレステストっていうのは、あの、さっき言いました通り、その、いろんな、こうストレス、つまり困った事態が起きた時に、どうするかってことですから、いわば原発を守るためのデータが全部揃ってるわけですよ」
一同
「そうですね」
青山繁晴
「そうすると、いわば裏からも表からも、右からも左からも、全部、このストレステストの情報によって、攻撃する側は、もう全部手に入るってことに、その、なってしまうわけですよね。で、これはもうひとつ背景があって、さっき今日最初に申しました通り、福島原子力災害が、引き起こしてしまった恐るべき事態というのは、放射性物質の漏洩などに加えて、実はこういうことがあるんです。はい、出して下さい」
「福島第一原発事故でさらされた『真実』は、原発というのは、外部電源や冷却施設を狙われると弱いということ。それから、ここを攻撃することによって広範囲に社会不安を与えることができるということ」
一同
「そうですね…」
青山繁晴
「はい。で、今、申しました、引き起こしてしまったことっていうのは、つまり、福島第一原発事故は、テロリストや、これ、もっとはっきり言いますと、一般的なテロリストだけじゃなくて、例えば、朝鮮人民軍の特殊部隊や、北朝鮮の工作機関、そういったところに対して、情報を与えてしまった、さらけ出してしまったってことがあるんですよってことなんですね。で、これ、あの、さっき言いました通り、テロリストのかわりに津波のおかげで、津波のために、外部電源が失われ、あるいは冷却できなくなって、大変なことになったわけですが、これを、テロリストの側からどう見えるかというと、こう見えるんです」
村西利恵
「原子炉建屋を狙う必要がなくなった」
一同
「ああー、なるほど」
青山繁晴
「はい。今ここ(モニターの背景画像)にもちょっと見えてますけど、こういう原子炉建屋っていうのはですね、この日本でも実は今まですごく防護してきたんですよ。それは、あの、実務家、本業としての僕の大事な仕事でもあってですね。皆さんこれはフェアに申しておきますが、日本政府だっていつもいつもダメなわけじゃない。世界に先駆けて、9・11同時多発テロ後に、世界に先駆けて何をやったかというと、全ての原子力発電所の構内に、武装警官隊を24時間常駐させたんです。これ世界で初めてで。で、正直、私たちの提案もベースになってます、無償の提案ですけれども。そして、こういうことをイギリスが今、参考にしたりしてるんですよ。敗戦後、まあ西側諸国が日本の安全保障を参考にしたって初めてなわけですよね。しかし、ところがそれはあくまでも、原子炉の入ってる建屋、その中心部分、防護区域っていうんですが、その防護する区域をしっかり守りましょうってことだったから」
村西利恵
「じゃあ電源や、その冷却施設ってのは、あまり防護されてないと」
青山繁晴
「そうです。これは、あの、詳しくは言えません。テロリストに情報与えるから。しかし一目瞭然で、外部電源は外にあるし、それから非常用電源も外に置いてあるし。だってその、例えば、建屋で何かあった時に外で、外から非常用電源を取れるようになってるわけですからね。それから、冷却で言うと、例えば水を取る所っていうのは、当然海辺の所ですから、その、原子炉建屋をまさか、この、海に直に建ってるわけじゃないから、つまり遠くにあるわけですよ。ということは原子炉建屋までわざわざ行かなくても、遠くの所で電源を断ち切ったり、非常用電源壊したり、あるいは水を取り込めなくなったりしたらお終いだってことを、テロリストに、あの、情報として与えてしまったってことなんですよね。それからもうひとつ、もしも原発から放射性物質の漏洩が始まったら、例えばチェルノブイリと全然違ってても、今の日本のように、つまりチェルノブイリは、僕がウクライナ行って聞いた限りでは、短い時間に4000人の人が亡くなったって情報が、ウクライナの軍当局にありましたけれども、福島ではまだ幸いに亡くなった人はいらっしゃいません。あの、但し、中長期的には重大な健康の問題を、私たちは向かい合わなきゃいけないけれども。しかし、そこまで違ってても、とにかく、放射性物質の漏洩がこうやって、しかもこの点はチェルノブイリよりも長く続いていればですよ、日本国民のように冷静な国民であっても、もうほんとに広い範囲、立場の違い乗り越えて、社会不安がずっと続いてるってことになるわけですね。ということは、9・11から10年経ちますが、それ以降、実は重大なハイジャック起きてませんね。テロリストの側から見たら、もうハイジャックのようにできなくなったテロ、古いタイプのテロをやるんじゃなくて、原発を襲えばいいんだと」
一同
「はあー…」
青山繁晴
「で、テロというのはどっかの国を占領する目的はありません。社会不安だけが目的ですから」
村西利恵
「はあー」
青山繁晴
「何ていう分かりやすい話か、になるんですよ。強い守りの所じゃなくて、遠くにある守りにくい所、しかもいっぱいあるわけですから。どっかをやって、ちょっとでも放射能物質の漏洩が始まれば、テロは成功だってことになってしまうわけです。さらに、実はもうひとつ具体的にこれもあります」
村西利恵
「アメリカの原子力防護の専門家によると、福島の事故で、『ショックを受けたのは、ハイテク防護設備が使えなくなったこと』」
青山繁晴
「はい。これもね、あの、あんまり具体的には言いたくないんですが、でもこれも皆さん分かると思いますが、ハイテクってことはね、いや、ハイテク防護設備ってまず何かというと、すごい高感度のカメラであったりね、侵入者がすぐ分かる。それからタッチセンサーって言いまして、えー、ちょっとそのネットに触れたら、もうすぐに、その、侵入者があることが分かって、カメラと組み合わせたら、えー、中央でその、防護してる、防護センターみたいな所あるんですね。キャスって言うんですけど、そこで、もう全部を見ることができる。これ皆さん、すぐお分かりになるでしょ。これ全部電気で動くわけですから。だから電源が断たれたら、非常用電源も合わせて断たれたら全部ブラックアウトで、逆に普段それに依存してるから、特にアメリカは、それ一生懸命やってきたから、アメリカ側と議論をすると、いや、これは大変で、じゃあこれは、その、こういうことにもう頼れないから、人をたくさんずーっと出さなきゃいけないのかというね、その、大きな不安にもなってるわけです。ということは、今まで、私も含めて、10年以上、国際社会が努力してきた、その、防護対策っていうものが、福島原子力災害の一撃で、いや、実はほとんど使えない時があるんだと。その時に一体どうするんだって、新しい対策を立てなきゃいけないってことになってるわけですよ。その上で、たぶんご覧になってる方、冷静に見てらっしゃる方ほど、もうひとつ疑問あると思うんですね。しかし、しかしそれでも本当に原発を狙うテロなんてあるんですかと。ね。そこまでやりますかと、いう疑問あると思うんですが、答はこれなんです」
村西利恵
「原発テロの可能性について、ある国の軍の幹部は、『IAEAは知らないが、ある国のある原発が実際に襲われた』」
青山繁晴
「はい。これね(苦笑)、あの、ある国、ある国、ある原発ばっかりで、もう誠に申し訳ないんですが、これはもちろん、私は、直接この国の軍の幹部っていうか将軍に、その話を打ち明けられ、この原発にも実際に行ってまいりました。えー、詳細に調べ、同時にこの原発は戦闘訓練もやるんです。襲われた時に備えてですね。どうしてやるかっていうと前からやってたわけじゃない、実際に襲われたから、実はそこの原発の運転員は、軍人が7割近いんですが、びっくりでしょ?それは逆なんですよ。襲われたあとに、人を差し替えて、軍人に原子力発電所の操作を教えて、オペレーターにして、いざとなったら、その、つくられた武器庫から武器を出して戦闘するっていう原発に、変わってしまってるわけです」
一同
「へえー…」
青山繁晴
「この国でも、この原発だけなんですよ。何でかというと、この事実は、IAEAどころか、IAEAに報告もしてませんし、この国で、公表されてないんです」
一同
「へえー…」
村西利恵
「公表されてない?」
青山繁晴
「されてません。軍の中でも、知ってるのは本当にごく一部です。えー、僕なりに、原発防護に努力してることをこの人が信頼してくれて、その、本当は襲われたことがある、というのはIAEAの見解によると、実際襲われたことがないってことになってるから。本当はあったんですと。その時何が起きたかを、じゃあ青山さんには見てもらおうということで、ここに行ったわけです。で、従って、可能性としては、現実の問題だということを考えなきゃいけないんですね」
村西利恵
「その時は未遂で終わったんですか」
青山繁晴
「えっと、これはですね、あの、全部は申せませんが、あの、えー、正確な意味で言うと未遂ではないです。その原発のある海岸線から上がってこようとして、ま、もちろん、真っ暗な夜中ですけれども、月も出てない夜中でしたが、たまたまその国の海軍のパトロール艦がそれを発見して、それを全部射殺してですね、その遺体その他も公表することなく、終わってるんです。はい。もうこれ以上は申せないわけですけど。で、ここまで見ていただくと、福島原子力災害が引き起こしてしまった大きな懸念として、世界の最大の懸念のひとつとして、このようなことが、日本を含め他の国でも起こるんじゃないかということが、本当の心配だっていうことはある程度理解していただけたと思うんですが、じゃあその上で、今、日本政府は、どういう対策を作ろうとしてるのか。それ肝心なことですよね。で、それを後半にお話しするんですが、そのキーワードは、残念ながらこれです(フリップ出す)」
青山繁晴
「ここでズバリキーワードは『形だけ』。日本でも今すぐ考えないといけない原発テロへの備えについて、このあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「さあ、日本の原発テロへの備えはどうなっているのか。さっそくお願いします」
青山繁晴
「はい。ま、ここには日本の原発がと、狙われてると書きましたけれど、もちろん日本だけじゃなくて、福島原子力災害のあと、世界の原発がテロのターゲットになってると言わざるを得ないんですけれども。ま、そのきっかけになってしまった日本としてどういう対策を取ってるのか。これ実は、僕は当事者の一人です。はい。で、どうして当事者の一人かというと、ちょっとこれを見ていただけますか」
村西利恵
「原子力に関する青山さんの公職がこの3つです」
青山繁晴
「はい。で、これ公職って、例によってもう漢字ばっかりでですね(一同笑&ざわ)、やたら長いんですが、あの、簡単に説明しますとね、これあの、内閣府に原子力委員会っていう、その、原子力に関する政策を考える、決めるんじゃないんですよ、考える所があって、で、これに対して、その、安全をしっかり考えるのが原子力安全委員会で、今回の事故で話題になりましたが、それとは別に、原子力委員会があって、そこに原子力防護専門部会っていうのが、今から5年前の平成18年に新設されたんです。で、これを僕は実は当時評価しました。というのは、信じがたいことに、それまで原子力委員会によれば、日本の原発はリスクがないってことになってたわけですよ」
一同
「はい…へぇー…」
青山繁晴
「だから、さっき言いました通り、13年前、12年前から、リスクはあるんですと言ってきて、ずっと黙殺されてきましたが、今から5年前になって、防護専門部会ができたっていうのは、これ馬鹿馬鹿しい話に聞こえるでしょうが、初めて防護すべきリスクはあるってことを認めたんですよ」
村西利恵
「はあー」
青山繁晴
「これ本当はいわば外圧で、国際社会の動きに合わせざるを得なくなってこれを作ったんですが。で、これ作ったことは評価しましたから、専門委員になりました。で、それを踏まえてこないだ4月22日に、福島第一原発の構内にも行って来たんですが、ただ、誤解なきよう。原子力委員会の委員と違って、専門委員っていうのは全く自由な立場ですから。原子力委員会に対しても、誰に対しても自由に物を言えるからなったんです。それからもうひとつ。えー、これは、原子力安全・保安院のある経産省の中にあるんですけど、総合資源エネルギー調査会、これは原子力に全然限りません。で、僕は昔から、このエネルギー安全保障担当、って言ってもこれ無任所ですね。で、その専門委員やってたんですよ。それはもちろん無給で。で、どうしてかというと、これは僕が、原発とか見に行くでしょ、世界の。全くの民間人だったら、例えばイギリス政府ならイギリス政府は、僕が機密を保持するって保証がないから、何かこういう公職がないと、見せられないんですよ」
岡安譲
「ま、そりゃそうですよね」
青山繁晴
「で、各国政府と協議の上、無任所で無給で、こういう担当することになったんです。それが最近ですね、これ以外に、ここに核セキュリティワーキンググループって、作業部会のことですね、これが作られた。どうしてかというと、福島原子力災害踏まえて、核セキュリティ、テロ対策ってのやんなきゃいけないねって話になったんです。これも、IAEA、国際原子力機関が、核セキュリティサミットってのを始めたから、それに合わせてやんなきゃいけないべーっていうね、もうはっきり言うと、その、外圧なんですよね。で、しかし、まあこの2つを通じて、議論をしてたんですが、それ以外に、去年の11月に、これも突然来たんですけれども、その原子力委員会から、原子力の新しい政策大綱ってのを策定、ま、作る、その会議をやりますと。で、あまり知られてないと思いますが、原子力は政策大綱っていう、ま、だいたい10年ぐらいの期間、タームを考える、中長期計画があるんですね。で、前のを作ってからもう5年経ってるから、その10年間のちょうど真ん中で見直しをしましょうってことで、去年の11月から始まったんですよ。で、その議論をしてる最中に、ていうか、この会議を5回やった時に、3・11の大震災が起きて、もうガラッと事態は変わってしまってですね。で、この策定会議は、この内閣府のお役人からは、青山さん、もう4〜5年できませんから、4〜5年、あの、凍結ですと。で、また再開したらお願いしますと言われてて。4〜5年先、僕はガンの手術したし、生きてるかどうか分かんないけどねって話をしてたんですよ。ところが、この会議が突然、再開になったんですよ。僕はびっくりして、それどうして再開するんですかと。それはね、だって福島第一原発まだ終わってません、災害が。それから、事故調査の結論も出てない。で、原子力は一体どうするのかもはっきりした方針はない。それなのに、その状態で新しい政策大綱決められるはずがないと思ったんだけど、これも、実は、えー、外圧も含めて、他のスケジュール考えると、再開しなきゃいけないっていうことで始まったんですよ。で、そして、僕はもう、出席の予定になっていたら、突然こういうことが起きました」
村西利恵
「内閣府原子力委員会の近藤委員長が青山さんに、『核セキュリティーが外れるから、原子力新政策大綱策定会議の委員から退いてください』と、話があったと」
青山繁晴
「はい。これね、ぱっと見たら何のことか分かんないでしょ。何のことかというとですね、これあの、原子力委員会のトップです、近藤さんって、この人は本当に専門家ですね、本当に知識豊かな専門家なんですが、その、この委員長などによるとですね、その、核セキュリティー、つまりテロを中心に、原子力施設を守るってことは、もう原子力委員会からは、外れちゃったんですと。つまり、そのことを考えるのは、(よそに)取られちゃったよと。ね。どこに取られたかあとで言いますが、取られちゃったと。で、従って、青山さんは核セキュリティーの専門家だから、もう取られちゃったんだから、この会議、この会議は原子力委員会の主催ですから、もう外れてくださいっていうふうに言われて。僕は当然、4月22日に福島第一原発に入って、えー、民主党政権から一時は逮捕もされようとしてた、そのことが背景にあるのかなとは思いましたけれども、あえて何も聞きませんでした、近藤さんにね。どうしてかというと、この核セキュリティーが原子力委員会から、削られちゃったのは事実なんですよ。それと、私がなりたいと言って手を挙げたんじゃなくて、向こうから言ってきたことですから、何で俺を退任させるんだって言う気もしない。それから、福島第一原発に入ったことによって、例えば、それが影響してるんだったら、どうぞこういうことをおやりなさいと、これからもどんどんやりなさいよと、その上で真っ正面から私は毅然として、どんな立場でも、物を言いますから、実は僕としては何も変わらないから、そのまま受け入れたんですが、こういうことの、全部の背景になってるのは、ひとつはこれです」
村西利恵
「日本の原発テロ対策は、来年4月にできる予定の環境省の外局『原子力安全庁』に移ると」
青山繁晴
「はい。これが奇怪な話だってのはこの『アンカー』でも申しましたね。原子力安全・保安院が、今回の原子力災害でいかに、ダメな役所かってことはもうはっきり分かりました。ね。国民にも分かりました。で、その上で、じゃあそれはなぜダメなのかというと、独立性がないからだってことだったでしょ」
一同
「はい」
青山繁晴
「独立性がないから変えようって話が、何で環境省の下に入るんですか、外局とは言いながらですよ。しかも環境省は、実は原発推進派なんですよ、ずっと。だってCO2減らすためには原発だって民主党政権も言ってきたじゃないですか。推進派の中に入れて、どうしてこれがブレーキ役として健全に働くのか、誰もさっぱり分かんないけれども、とにかくこうやって決まってしまったわけですよ。ちなみに『アンカー』でこれはほんとはドイツの真似で、ドイツは上手くいってないって話しましたね。その1週間か2週間ぐらいあとに細野担当大臣が、ドイツを参考にしたと、実際におっしゃってましたよね、あの、記者会見その他で。で、但しですよ、もうこうなってしまった以上は、やらなきゃいけないんですが、ひとつには、これ来年4月からってことはですよ、あの策定会議の委員、僕が外れただけじゃなくて、原子力委員会の中のせっかく作った原子力防護委員会なども、3月末で解散なんですよ」
村西利恵
「解散…」
青山繁晴
「ええ、それ退任じゃなくて解散になっちゃうわけです。ということは、もう起きてしまったことを少しでも良くするためには、この中にですね、原子力安全庁の中にせめて原子力防護課とか、そういうものを作るべきです。これはずっと保安院に対して、防災課しかないから、原子力防災課しか。防護課を作らないとできるはずがないでしょって言ってきたんですが」
山本浩之
「そういう専門家の意見というものに、耳貸さないんですか?」
青山繁晴
「ああ、まあはっきり言うとほとんど黙殺ですね、都合の悪いことは」
山本浩之
「ほとんど黙殺…」
青山繁晴
「それから、あの、僕のように原子力村に絶対入らない人間に対しては、ま、非常に冷淡なんですよ。で、それが、さすがに、テロ対策と原子力両方やってる人間がほとんどいないって理由で、いくらか、公職が、向こうから言ってきたりしたんですが、それがもう一度、揺り戻しに入ってるような感じはしますね。で、その上でですね、皆さんもう、時間も厳しいですから、問題をひとつ指摘しておきたいんですが、このことは本当に注意しなきゃいけない。はい、出して下さい」
村西利恵
「新しい原子力政策大綱に、核セキュリティーが入らない」
山本浩之
「はあー」
青山繁晴
「はい。これ要は、4月から新しい体制になることがあるから、とにかく、もう、とにかく、先10年の政策大綱を作らなきゃいけないってプレッシャーが官邸からかかったから、この会議、あの、再開するんですね。ところが、いや、原子力委員会はもう核セキュリティーは削られちゃって、その、すみません、専門家のはしくれたる僕も外されちゃって、ということは、10年間の、政策大綱の中に、セキュリティーが入らないってことになるわけですよね。逆に入ったらおかしいですよね、これ。ね。専門家外しといて入れるのもおかしいし、入れなかったらまた、実は日本はテロ対策を10年間やらないのかってことになってしまう、実際はやっていくんですが、その上で、最後にこれをひとつ聞いて下さい」
村西利恵
「被害を最小限にするしかない」
青山繁晴
「はい。これ、あの、原発は守れるのかっていうことがその、今、大きなテーマなんですが、原発に限らず、完全に守りきることはできません。そうやって、形だけ、完全に守れるように見せるんじゃなくて、もしも守れなかった時に被害を最小限にするにはどうしたらいいのかってことを、これは英語では、ま、ミティゲーションって言って、国際社会では常識なんですが、日本では全然語られてない。ね。これ、防災では減災というように語られてますよね。それをテロ対策に持ち込むべきで、そして最後にこれを申せばですよ、被害を最小限にする中に、いたずらな不安に負けないってことがあるんです。その放射線障害、あるいは放射性物質に対する、その、優れた感覚を持ち続けるのは大事ですが、今、学者がもう、言うことがバラバラになってることを、本来は厚生労働省も含めて政府が統一見解として出してもらって、必要な、懸念は持つ、しかし、いたずらな不安は持たない。ということは、テロに強い国民になるということです。原発が仮にテロに襲われて、放射性物質の漏洩があっても、社会不安はなかなか起きないとなれば、実はそれが最大の抑止力で、テロを防ぐんです。その意味から、国民の方々に新しい考え方と関心を持っていただきたいと、僕は今日提案いたしたいと思います」
山本浩之
「あの、そもそも3月11日以降、まあ国民の大多数が、もう原発はもうダメなんだと、いう考え方に今、立ってる。この状況に。じゃあ、でも、この時点、この瞬間から、原発はなくなるわけじゃないですよね」
青山繁晴
「その通りです」
山本浩之
「そうすると、明日、テロにやられるかもしれないっていう、今、そういう状況にあるってことですよね」
青山繁晴
「はい」
山本浩之
「この国のセキュリティーってこんな甘かったんですね」
青山繁晴
「そうです」
山本浩之
「ありがとうございました」
(いったんCM。他のニュース報道のあと)
山本浩之
「今日、青山さんのお話聞いていて、ほんとにテロに対して大丈夫なのかなって、不安になってしまいました」
青山繁晴
「あの、『アンカー』っていう番組は希望の番組であって不安の番組じゃないから、あの、いいことを言いたいんですが、でもやっぱり現実を見なきゃ、見ることから希望は作られますし、で、僕なりにまだまだ、来年の3月末までは少なくとも、その、テロ対策のための公職もあるから、全力尽くしますから。そういう人はいっぱいいると思いますから」
山本浩之
「そういう方がその、そういった組織っていうか集まりの中にたくさんいてほしいんですけれどね。なかなかそうはいかないんで」
青山繁晴
「うん、はっきり言うと少数派です」
山本浩之
「いや、もう少数派でも一人でも、頑張って下さい」
青山繁晴
「頑張ります、はい」
山本浩之
「今日はどうもありがとうございました」
青山繁晴
「ありがとうございました」
____________________________内容紹介ここまで
原発テロに遭った「ある国」ってどこでしょうね。
何カ月か前にイギリスで原発テロ未遂ってニュースがありましたが、青山さんのお話とはまた別のようだし……うーむ。
この日は他に、震災復興のための財源めぐり財務省と民主党で“綱引き”、野田総理外交デビュー(訪米)のニュースで青山さんの解説がありました。
これら拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらを是非ご覧下さい。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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「最初のキーワードは『原発テロ』でした。この、原発事故は計り知れない被害をもたらすってことは痛感しましたけれども、じゃあテロへの備えは万全なのか。大変私も不安です。さっそくお願いしたいと思います」
青山繁晴
「はい。えー、ここにも、原発テロって文字を、書きましたけれども。実は、原子力発電所には大きなリスクがあって、原発にリスクはないってのは真っ赤な嘘であって、大きなリスクがある。その中でも、テロによるリスクは非常に大きいってことを、僕は最初に問題提起したのは13年前なんですね。記者から実務家になった時から、ずっとそのことを言ってまいりまして。なぜかというと、テロリストが、冷却を止めてしまったら、原子炉自体は止まっていても、大変なことになると。それを今回、テロリストのかわりに、津波がやってしまったわけですけれども。逆に言うと、テロリストがどういうふうにやれば、冷却止められるかを、今回、学ぶことになってしまったんですね。で、その上でですね、皆さん今、全く最新のニュースと、この原発テロのことが、実は報道には出てこないけども、深く深くつながってることがあるんです。それをまず、ちょっとVTRから見ていただけますか」
…………………………VTR開始…………………………
ナレーション(村西利恵)
「防衛関連機器を製造する重機メーカー、三菱重工業のサーバーやコンピューターが、ウイルスに感染していたことが明らかになりました。感染していたのは、本社のほか、神戸、長崎の造船所など、潜水艦や原子力プラント、弾道ミサイルを迎撃する誘導弾を生産している工場の、サーバーやパソコン、合わせて83台です」
ナレーション(村西利恵)
「外部からの操作で、コンピューター内部の情報を盗み出すことができるウイルスも含まれており、外部へ情報が流出していた可能性があることが分かりました」
…………………………VTR終了…………………………
青山繁晴
「はい。えー、この三菱重工とか、あるいはIHI、石川島播磨重工(旧石川島播磨重工業、現在のIHI)、そういった、その、いわゆる防衛産業に対するサイバー攻撃というのは、本当はもう数年前から、ずっと続いてきたことです。で、今回は、防衛産業を狙い撃ちってことで大きく報道されてるんですが、その、防衛関連の機密情報を盗むこと以外にですね、実は原子力発電と大きな関係があるだろうと思われてるんですね。で、えー、ちょっとこれ見ていただけますか。はい。えー…」
村西利恵
「まずその手口はというと、標的型のメール、それから、内閣府の実在の人物からメールが来る」
青山繁晴
「はい。まずちょっと上から見てほしいんですけれども。この標的型メールっていうのはですね、あの、普通、いたずらメールとか、あるいはウイルスを仕込んだメールっていうのは、もう不特定多数に嫌がらせをすると。それで、なぜか快感を持つ人たちがいるという話なんですが。ま、その、いわばそこでできてきた技術を踏まえて、そういう単純な嫌がらせじゃなくて、はっきり標的、ターゲットを持った、その、ウイルスを仕組んだメールっていうのはこの頃増えてきてるわけです。で、もう一度さっきの話しますとね、例えば三菱重工ですと、やっぱり防衛関係の潜水艦とか飛行機の、機密を盗みたいんだろうと。で、それもちろんあると考えられますが、実は例えばさっき、VTRに出てきた三菱重工の神戸造船所、造船所って名前ですけれども、本当の今の仕事のだいたい7割ぐらいが原子力関連なんですよね」
一同
「ああー」
青山繁晴
「で、さらにはこの三菱重工では、皆さんご存知の、ストレステスト、これ、菅さんが言い出して今やってる、その、原発の安全性確認するために、ストレス、すなわち自然災害とか、を中心に、その、いろんな危機が起きた時のストレスを、その原発にかけたと仮定して、それをコンピューターでシミュレーションして、安全かどうか確かめる。それを例えば三菱重工では600人、えー、スタッフを置いて、えー、ものすごい数のコンピューターでそれやってるわけですね。で、従って、そういう情報を狙って、その、メールを出してるんじゃないかと。で、しかもそれが、これ共通した手口があってですね。内閣府に今現在いる人物からのメールなんですよ。で、そのメールアドレスだけ見たら、確かに彼のメールアドレスなんです。で、そこに付いてる、その添付ファイル、添付ファイルの題名も、例えばその、原発のリスク整理とかいうタイトルがついてて、開けたくなるわけですよ。で、何で僕は今こんな具体的なこと言うかというとですね、えー、私と、それから私たちの独立総合研究所、独研にもこれ来てるんです」
一同
「はあー(驚き)」
青山繁晴
「前から。で、基本的に同じ人物なんですよ。で、うちはもちろん内閣府と議論しますから、知ってる人もいますが、(そのメールアドレスの人物の名前は)知ってる人ではないんだけど、内閣府に問い合わせは当然しました。すると実在してるわけですよ。で、実在してるけれど、彼から独研に、メールを出したことはないというの確認できたから、そのまま削除して、うちには被害が出てません。しかし、繰り返し来るわけですよ。繰り返し来る。ね。で、ということは、本来これが、すみません、こういうことを言って申し訳ないけど、本当は、日本じゃなくてアメリカやイギリスやフランスだったら、当然この人物がなぜ名前を使われるのか、その元々の原因は何なのかを突き止めて、この人物の名前が使われないようにするはずですが」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「少なくとも、私たちが知ってる限り、独研だけじゃなくて、こういう民間企業とかあるいは政府機関に対するメールについても、全然その対策取られないから、ずっとこれが来るわけなんですよね」
山本浩之
「はあー」
青山繁晴
「で、そして今回、特に、サイバー攻撃は三菱重工などに、今までよりも激しくなってる理由は、本当はひとつはこれがあるんじゃないかっていうことなんです。出して下さい」
村西利恵
「三菱重工などが狙われたのは、日本、アメリカの情報当局者によると、『原発を攻撃する方法を探るためではないか』」
青山繁晴
「はい。で、それは、もうちょっと僕、先に言ってしまったんですが、ちょっと開けて下さい。はい」
村西利恵
「三菱重工神戸造船所で行われていたのは、『原発のストレステスト』」
青山繁晴
「はい。で、このストレステストっていうのは、あの、さっき言いました通り、その、いろんな、こうストレス、つまり困った事態が起きた時に、どうするかってことですから、いわば原発を守るためのデータが全部揃ってるわけですよ」
一同
「そうですね」
青山繁晴
「そうすると、いわば裏からも表からも、右からも左からも、全部、このストレステストの情報によって、攻撃する側は、もう全部手に入るってことに、その、なってしまうわけですよね。で、これはもうひとつ背景があって、さっき今日最初に申しました通り、福島原子力災害が、引き起こしてしまった恐るべき事態というのは、放射性物質の漏洩などに加えて、実はこういうことがあるんです。はい、出して下さい」
「福島第一原発事故でさらされた『真実』は、原発というのは、外部電源や冷却施設を狙われると弱いということ。それから、ここを攻撃することによって広範囲に社会不安を与えることができるということ」
一同
「そうですね…」
青山繁晴
「はい。で、今、申しました、引き起こしてしまったことっていうのは、つまり、福島第一原発事故は、テロリストや、これ、もっとはっきり言いますと、一般的なテロリストだけじゃなくて、例えば、朝鮮人民軍の特殊部隊や、北朝鮮の工作機関、そういったところに対して、情報を与えてしまった、さらけ出してしまったってことがあるんですよってことなんですね。で、これ、あの、さっき言いました通り、テロリストのかわりに津波のおかげで、津波のために、外部電源が失われ、あるいは冷却できなくなって、大変なことになったわけですが、これを、テロリストの側からどう見えるかというと、こう見えるんです」
村西利恵
「原子炉建屋を狙う必要がなくなった」
一同
「ああー、なるほど」
青山繁晴
「はい。今ここ(モニターの背景画像)にもちょっと見えてますけど、こういう原子炉建屋っていうのはですね、この日本でも実は今まですごく防護してきたんですよ。それは、あの、実務家、本業としての僕の大事な仕事でもあってですね。皆さんこれはフェアに申しておきますが、日本政府だっていつもいつもダメなわけじゃない。世界に先駆けて、9・11同時多発テロ後に、世界に先駆けて何をやったかというと、全ての原子力発電所の構内に、武装警官隊を24時間常駐させたんです。これ世界で初めてで。で、正直、私たちの提案もベースになってます、無償の提案ですけれども。そして、こういうことをイギリスが今、参考にしたりしてるんですよ。敗戦後、まあ西側諸国が日本の安全保障を参考にしたって初めてなわけですよね。しかし、ところがそれはあくまでも、原子炉の入ってる建屋、その中心部分、防護区域っていうんですが、その防護する区域をしっかり守りましょうってことだったから」
村西利恵
「じゃあ電源や、その冷却施設ってのは、あまり防護されてないと」
青山繁晴
「そうです。これは、あの、詳しくは言えません。テロリストに情報与えるから。しかし一目瞭然で、外部電源は外にあるし、それから非常用電源も外に置いてあるし。だってその、例えば、建屋で何かあった時に外で、外から非常用電源を取れるようになってるわけですからね。それから、冷却で言うと、例えば水を取る所っていうのは、当然海辺の所ですから、その、原子炉建屋をまさか、この、海に直に建ってるわけじゃないから、つまり遠くにあるわけですよ。ということは原子炉建屋までわざわざ行かなくても、遠くの所で電源を断ち切ったり、非常用電源壊したり、あるいは水を取り込めなくなったりしたらお終いだってことを、テロリストに、あの、情報として与えてしまったってことなんですよね。それからもうひとつ、もしも原発から放射性物質の漏洩が始まったら、例えばチェルノブイリと全然違ってても、今の日本のように、つまりチェルノブイリは、僕がウクライナ行って聞いた限りでは、短い時間に4000人の人が亡くなったって情報が、ウクライナの軍当局にありましたけれども、福島ではまだ幸いに亡くなった人はいらっしゃいません。あの、但し、中長期的には重大な健康の問題を、私たちは向かい合わなきゃいけないけれども。しかし、そこまで違ってても、とにかく、放射性物質の漏洩がこうやって、しかもこの点はチェルノブイリよりも長く続いていればですよ、日本国民のように冷静な国民であっても、もうほんとに広い範囲、立場の違い乗り越えて、社会不安がずっと続いてるってことになるわけですね。ということは、9・11から10年経ちますが、それ以降、実は重大なハイジャック起きてませんね。テロリストの側から見たら、もうハイジャックのようにできなくなったテロ、古いタイプのテロをやるんじゃなくて、原発を襲えばいいんだと」
一同
「はあー…」
青山繁晴
「で、テロというのはどっかの国を占領する目的はありません。社会不安だけが目的ですから」
村西利恵
「はあー」
青山繁晴
「何ていう分かりやすい話か、になるんですよ。強い守りの所じゃなくて、遠くにある守りにくい所、しかもいっぱいあるわけですから。どっかをやって、ちょっとでも放射能物質の漏洩が始まれば、テロは成功だってことになってしまうわけです。さらに、実はもうひとつ具体的にこれもあります」
村西利恵
「アメリカの原子力防護の専門家によると、福島の事故で、『ショックを受けたのは、ハイテク防護設備が使えなくなったこと』」
青山繁晴
「はい。これもね、あの、あんまり具体的には言いたくないんですが、でもこれも皆さん分かると思いますが、ハイテクってことはね、いや、ハイテク防護設備ってまず何かというと、すごい高感度のカメラであったりね、侵入者がすぐ分かる。それからタッチセンサーって言いまして、えー、ちょっとそのネットに触れたら、もうすぐに、その、侵入者があることが分かって、カメラと組み合わせたら、えー、中央でその、防護してる、防護センターみたいな所あるんですね。キャスって言うんですけど、そこで、もう全部を見ることができる。これ皆さん、すぐお分かりになるでしょ。これ全部電気で動くわけですから。だから電源が断たれたら、非常用電源も合わせて断たれたら全部ブラックアウトで、逆に普段それに依存してるから、特にアメリカは、それ一生懸命やってきたから、アメリカ側と議論をすると、いや、これは大変で、じゃあこれは、その、こういうことにもう頼れないから、人をたくさんずーっと出さなきゃいけないのかというね、その、大きな不安にもなってるわけです。ということは、今まで、私も含めて、10年以上、国際社会が努力してきた、その、防護対策っていうものが、福島原子力災害の一撃で、いや、実はほとんど使えない時があるんだと。その時に一体どうするんだって、新しい対策を立てなきゃいけないってことになってるわけですよ。その上で、たぶんご覧になってる方、冷静に見てらっしゃる方ほど、もうひとつ疑問あると思うんですね。しかし、しかしそれでも本当に原発を狙うテロなんてあるんですかと。ね。そこまでやりますかと、いう疑問あると思うんですが、答はこれなんです」
村西利恵
「原発テロの可能性について、ある国の軍の幹部は、『IAEAは知らないが、ある国のある原発が実際に襲われた』」
青山繁晴
「はい。これね(苦笑)、あの、ある国、ある国、ある原発ばっかりで、もう誠に申し訳ないんですが、これはもちろん、私は、直接この国の軍の幹部っていうか将軍に、その話を打ち明けられ、この原発にも実際に行ってまいりました。えー、詳細に調べ、同時にこの原発は戦闘訓練もやるんです。襲われた時に備えてですね。どうしてやるかっていうと前からやってたわけじゃない、実際に襲われたから、実はそこの原発の運転員は、軍人が7割近いんですが、びっくりでしょ?それは逆なんですよ。襲われたあとに、人を差し替えて、軍人に原子力発電所の操作を教えて、オペレーターにして、いざとなったら、その、つくられた武器庫から武器を出して戦闘するっていう原発に、変わってしまってるわけです」
一同
「へえー…」
青山繁晴
「この国でも、この原発だけなんですよ。何でかというと、この事実は、IAEAどころか、IAEAに報告もしてませんし、この国で、公表されてないんです」
一同
「へえー…」
村西利恵
「公表されてない?」
青山繁晴
「されてません。軍の中でも、知ってるのは本当にごく一部です。えー、僕なりに、原発防護に努力してることをこの人が信頼してくれて、その、本当は襲われたことがある、というのはIAEAの見解によると、実際襲われたことがないってことになってるから。本当はあったんですと。その時何が起きたかを、じゃあ青山さんには見てもらおうということで、ここに行ったわけです。で、従って、可能性としては、現実の問題だということを考えなきゃいけないんですね」
村西利恵
「その時は未遂で終わったんですか」
青山繁晴
「えっと、これはですね、あの、全部は申せませんが、あの、えー、正確な意味で言うと未遂ではないです。その原発のある海岸線から上がってこようとして、ま、もちろん、真っ暗な夜中ですけれども、月も出てない夜中でしたが、たまたまその国の海軍のパトロール艦がそれを発見して、それを全部射殺してですね、その遺体その他も公表することなく、終わってるんです。はい。もうこれ以上は申せないわけですけど。で、ここまで見ていただくと、福島原子力災害が引き起こしてしまった大きな懸念として、世界の最大の懸念のひとつとして、このようなことが、日本を含め他の国でも起こるんじゃないかということが、本当の心配だっていうことはある程度理解していただけたと思うんですが、じゃあその上で、今、日本政府は、どういう対策を作ろうとしてるのか。それ肝心なことですよね。で、それを後半にお話しするんですが、そのキーワードは、残念ながらこれです(フリップ出す)」
青山繁晴
「ここでズバリキーワードは『形だけ』。日本でも今すぐ考えないといけない原発テロへの備えについて、このあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「さあ、日本の原発テロへの備えはどうなっているのか。さっそくお願いします」
青山繁晴
「はい。ま、ここには日本の原発がと、狙われてると書きましたけれど、もちろん日本だけじゃなくて、福島原子力災害のあと、世界の原発がテロのターゲットになってると言わざるを得ないんですけれども。ま、そのきっかけになってしまった日本としてどういう対策を取ってるのか。これ実は、僕は当事者の一人です。はい。で、どうして当事者の一人かというと、ちょっとこれを見ていただけますか」
村西利恵
「原子力に関する青山さんの公職がこの3つです」
青山繁晴
「はい。で、これ公職って、例によってもう漢字ばっかりでですね(一同笑&ざわ)、やたら長いんですが、あの、簡単に説明しますとね、これあの、内閣府に原子力委員会っていう、その、原子力に関する政策を考える、決めるんじゃないんですよ、考える所があって、で、これに対して、その、安全をしっかり考えるのが原子力安全委員会で、今回の事故で話題になりましたが、それとは別に、原子力委員会があって、そこに原子力防護専門部会っていうのが、今から5年前の平成18年に新設されたんです。で、これを僕は実は当時評価しました。というのは、信じがたいことに、それまで原子力委員会によれば、日本の原発はリスクがないってことになってたわけですよ」
一同
「はい…へぇー…」
青山繁晴
「だから、さっき言いました通り、13年前、12年前から、リスクはあるんですと言ってきて、ずっと黙殺されてきましたが、今から5年前になって、防護専門部会ができたっていうのは、これ馬鹿馬鹿しい話に聞こえるでしょうが、初めて防護すべきリスクはあるってことを認めたんですよ」
村西利恵
「はあー」
青山繁晴
「これ本当はいわば外圧で、国際社会の動きに合わせざるを得なくなってこれを作ったんですが。で、これ作ったことは評価しましたから、専門委員になりました。で、それを踏まえてこないだ4月22日に、福島第一原発の構内にも行って来たんですが、ただ、誤解なきよう。原子力委員会の委員と違って、専門委員っていうのは全く自由な立場ですから。原子力委員会に対しても、誰に対しても自由に物を言えるからなったんです。それからもうひとつ。えー、これは、原子力安全・保安院のある経産省の中にあるんですけど、総合資源エネルギー調査会、これは原子力に全然限りません。で、僕は昔から、このエネルギー安全保障担当、って言ってもこれ無任所ですね。で、その専門委員やってたんですよ。それはもちろん無給で。で、どうしてかというと、これは僕が、原発とか見に行くでしょ、世界の。全くの民間人だったら、例えばイギリス政府ならイギリス政府は、僕が機密を保持するって保証がないから、何かこういう公職がないと、見せられないんですよ」
岡安譲
「ま、そりゃそうですよね」
青山繁晴
「で、各国政府と協議の上、無任所で無給で、こういう担当することになったんです。それが最近ですね、これ以外に、ここに核セキュリティワーキンググループって、作業部会のことですね、これが作られた。どうしてかというと、福島原子力災害踏まえて、核セキュリティ、テロ対策ってのやんなきゃいけないねって話になったんです。これも、IAEA、国際原子力機関が、核セキュリティサミットってのを始めたから、それに合わせてやんなきゃいけないべーっていうね、もうはっきり言うと、その、外圧なんですよね。で、しかし、まあこの2つを通じて、議論をしてたんですが、それ以外に、去年の11月に、これも突然来たんですけれども、その原子力委員会から、原子力の新しい政策大綱ってのを策定、ま、作る、その会議をやりますと。で、あまり知られてないと思いますが、原子力は政策大綱っていう、ま、だいたい10年ぐらいの期間、タームを考える、中長期計画があるんですね。で、前のを作ってからもう5年経ってるから、その10年間のちょうど真ん中で見直しをしましょうってことで、去年の11月から始まったんですよ。で、その議論をしてる最中に、ていうか、この会議を5回やった時に、3・11の大震災が起きて、もうガラッと事態は変わってしまってですね。で、この策定会議は、この内閣府のお役人からは、青山さん、もう4〜5年できませんから、4〜5年、あの、凍結ですと。で、また再開したらお願いしますと言われてて。4〜5年先、僕はガンの手術したし、生きてるかどうか分かんないけどねって話をしてたんですよ。ところが、この会議が突然、再開になったんですよ。僕はびっくりして、それどうして再開するんですかと。それはね、だって福島第一原発まだ終わってません、災害が。それから、事故調査の結論も出てない。で、原子力は一体どうするのかもはっきりした方針はない。それなのに、その状態で新しい政策大綱決められるはずがないと思ったんだけど、これも、実は、えー、外圧も含めて、他のスケジュール考えると、再開しなきゃいけないっていうことで始まったんですよ。で、そして、僕はもう、出席の予定になっていたら、突然こういうことが起きました」
村西利恵
「内閣府原子力委員会の近藤委員長が青山さんに、『核セキュリティーが外れるから、原子力新政策大綱策定会議の委員から退いてください』と、話があったと」
青山繁晴
「はい。これね、ぱっと見たら何のことか分かんないでしょ。何のことかというとですね、これあの、原子力委員会のトップです、近藤さんって、この人は本当に専門家ですね、本当に知識豊かな専門家なんですが、その、この委員長などによるとですね、その、核セキュリティー、つまりテロを中心に、原子力施設を守るってことは、もう原子力委員会からは、外れちゃったんですと。つまり、そのことを考えるのは、(よそに)取られちゃったよと。ね。どこに取られたかあとで言いますが、取られちゃったと。で、従って、青山さんは核セキュリティーの専門家だから、もう取られちゃったんだから、この会議、この会議は原子力委員会の主催ですから、もう外れてくださいっていうふうに言われて。僕は当然、4月22日に福島第一原発に入って、えー、民主党政権から一時は逮捕もされようとしてた、そのことが背景にあるのかなとは思いましたけれども、あえて何も聞きませんでした、近藤さんにね。どうしてかというと、この核セキュリティーが原子力委員会から、削られちゃったのは事実なんですよ。それと、私がなりたいと言って手を挙げたんじゃなくて、向こうから言ってきたことですから、何で俺を退任させるんだって言う気もしない。それから、福島第一原発に入ったことによって、例えば、それが影響してるんだったら、どうぞこういうことをおやりなさいと、これからもどんどんやりなさいよと、その上で真っ正面から私は毅然として、どんな立場でも、物を言いますから、実は僕としては何も変わらないから、そのまま受け入れたんですが、こういうことの、全部の背景になってるのは、ひとつはこれです」
村西利恵
「日本の原発テロ対策は、来年4月にできる予定の環境省の外局『原子力安全庁』に移ると」
青山繁晴
「はい。これが奇怪な話だってのはこの『アンカー』でも申しましたね。原子力安全・保安院が、今回の原子力災害でいかに、ダメな役所かってことはもうはっきり分かりました。ね。国民にも分かりました。で、その上で、じゃあそれはなぜダメなのかというと、独立性がないからだってことだったでしょ」
一同
「はい」
青山繁晴
「独立性がないから変えようって話が、何で環境省の下に入るんですか、外局とは言いながらですよ。しかも環境省は、実は原発推進派なんですよ、ずっと。だってCO2減らすためには原発だって民主党政権も言ってきたじゃないですか。推進派の中に入れて、どうしてこれがブレーキ役として健全に働くのか、誰もさっぱり分かんないけれども、とにかくこうやって決まってしまったわけですよ。ちなみに『アンカー』でこれはほんとはドイツの真似で、ドイツは上手くいってないって話しましたね。その1週間か2週間ぐらいあとに細野担当大臣が、ドイツを参考にしたと、実際におっしゃってましたよね、あの、記者会見その他で。で、但しですよ、もうこうなってしまった以上は、やらなきゃいけないんですが、ひとつには、これ来年4月からってことはですよ、あの策定会議の委員、僕が外れただけじゃなくて、原子力委員会の中のせっかく作った原子力防護委員会なども、3月末で解散なんですよ」
村西利恵
「解散…」
青山繁晴
「ええ、それ退任じゃなくて解散になっちゃうわけです。ということは、もう起きてしまったことを少しでも良くするためには、この中にですね、原子力安全庁の中にせめて原子力防護課とか、そういうものを作るべきです。これはずっと保安院に対して、防災課しかないから、原子力防災課しか。防護課を作らないとできるはずがないでしょって言ってきたんですが」
山本浩之
「そういう専門家の意見というものに、耳貸さないんですか?」
青山繁晴
「ああ、まあはっきり言うとほとんど黙殺ですね、都合の悪いことは」
山本浩之
「ほとんど黙殺…」
青山繁晴
「それから、あの、僕のように原子力村に絶対入らない人間に対しては、ま、非常に冷淡なんですよ。で、それが、さすがに、テロ対策と原子力両方やってる人間がほとんどいないって理由で、いくらか、公職が、向こうから言ってきたりしたんですが、それがもう一度、揺り戻しに入ってるような感じはしますね。で、その上でですね、皆さんもう、時間も厳しいですから、問題をひとつ指摘しておきたいんですが、このことは本当に注意しなきゃいけない。はい、出して下さい」
村西利恵
「新しい原子力政策大綱に、核セキュリティーが入らない」
山本浩之
「はあー」
青山繁晴
「はい。これ要は、4月から新しい体制になることがあるから、とにかく、もう、とにかく、先10年の政策大綱を作らなきゃいけないってプレッシャーが官邸からかかったから、この会議、あの、再開するんですね。ところが、いや、原子力委員会はもう核セキュリティーは削られちゃって、その、すみません、専門家のはしくれたる僕も外されちゃって、ということは、10年間の、政策大綱の中に、セキュリティーが入らないってことになるわけですよね。逆に入ったらおかしいですよね、これ。ね。専門家外しといて入れるのもおかしいし、入れなかったらまた、実は日本はテロ対策を10年間やらないのかってことになってしまう、実際はやっていくんですが、その上で、最後にこれをひとつ聞いて下さい」
村西利恵
「被害を最小限にするしかない」
青山繁晴
「はい。これ、あの、原発は守れるのかっていうことがその、今、大きなテーマなんですが、原発に限らず、完全に守りきることはできません。そうやって、形だけ、完全に守れるように見せるんじゃなくて、もしも守れなかった時に被害を最小限にするにはどうしたらいいのかってことを、これは英語では、ま、ミティゲーションって言って、国際社会では常識なんですが、日本では全然語られてない。ね。これ、防災では減災というように語られてますよね。それをテロ対策に持ち込むべきで、そして最後にこれを申せばですよ、被害を最小限にする中に、いたずらな不安に負けないってことがあるんです。その放射線障害、あるいは放射性物質に対する、その、優れた感覚を持ち続けるのは大事ですが、今、学者がもう、言うことがバラバラになってることを、本来は厚生労働省も含めて政府が統一見解として出してもらって、必要な、懸念は持つ、しかし、いたずらな不安は持たない。ということは、テロに強い国民になるということです。原発が仮にテロに襲われて、放射性物質の漏洩があっても、社会不安はなかなか起きないとなれば、実はそれが最大の抑止力で、テロを防ぐんです。その意味から、国民の方々に新しい考え方と関心を持っていただきたいと、僕は今日提案いたしたいと思います」
山本浩之
「あの、そもそも3月11日以降、まあ国民の大多数が、もう原発はもうダメなんだと、いう考え方に今、立ってる。この状況に。じゃあ、でも、この時点、この瞬間から、原発はなくなるわけじゃないですよね」
青山繁晴
「その通りです」
山本浩之
「そうすると、明日、テロにやられるかもしれないっていう、今、そういう状況にあるってことですよね」
青山繁晴
「はい」
山本浩之
「この国のセキュリティーってこんな甘かったんですね」
青山繁晴
「そうです」
山本浩之
「ありがとうございました」
(いったんCM。他のニュース報道のあと)
山本浩之
「今日、青山さんのお話聞いていて、ほんとにテロに対して大丈夫なのかなって、不安になってしまいました」
青山繁晴
「あの、『アンカー』っていう番組は希望の番組であって不安の番組じゃないから、あの、いいことを言いたいんですが、でもやっぱり現実を見なきゃ、見ることから希望は作られますし、で、僕なりにまだまだ、来年の3月末までは少なくとも、その、テロ対策のための公職もあるから、全力尽くしますから。そういう人はいっぱいいると思いますから」
山本浩之
「そういう方がその、そういった組織っていうか集まりの中にたくさんいてほしいんですけれどね。なかなかそうはいかないんで」
青山繁晴
「うん、はっきり言うと少数派です」
山本浩之
「いや、もう少数派でも一人でも、頑張って下さい」
青山繁晴
「頑張ります、はい」
山本浩之
「今日はどうもありがとうございました」
青山繁晴
「ありがとうございました」
____________________________内容紹介ここまで
原発テロに遭った「ある国」ってどこでしょうね。
何カ月か前にイギリスで原発テロ未遂ってニュースがありましたが、青山さんのお話とはまた別のようだし……うーむ。
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これら拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言については、誰にも手渡してはならない自由意志さんが後日文字起こしして下さると思うので、そちらを是非ご覧下さい。
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takeshima dokdo dokto tokdo tokto
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