教科書採択問題〜愛媛の現状
 愛媛における教科書採択問題について、7/17付の産経朝刊が報道しています。
 総合面で1ページの半分近くを使って伝えていますが、ネット版には未掲載のようです。
 おそらく、数日以内に産経WEBの教育カテゴリに掲載されると思うのですが、先乗りで紹介しておきます。

■扶桑社教科書採択問題/愛媛に外圧/反対派、韓国の友好都市に働きかけ/知事・松山市長「政治利用だ」
 十八年度から中学校で使われる教科書の採択作業が大詰めを迎えた。焦点は「新しい歴史教科書をつくる会」メンバーらが執筆し、扶桑社が発行する社会科の歴史・公民教科書。十三日に栃木県大田原市教委が導入を決めると、中国や韓国がさっそく妨害活動を展開している。三年前、公立一般校として全国で初めて、県立中高一貫校に扶桑社版歴史教科書を採用した愛媛県も、激しい妨害の渦中にある地域の一つ。県内の反対派は韓国の友好都市から運動団体を呼び込んで採択阻止を唱え、加戸守行知事や中村時広・松山市長が「友好関係の政治利用だ」と批判する事態になっている。(松山支局 近藤正義)

◆「支える会」
 松山市には先月三十日、韓国の友好都市・平澤(ピョンテク)市から市民訪問団十人が訪れた。松山市と市教委、愛媛県、県教委に扶桑社版教科書の不採択を求める要請書を渡す手はずだった。しかし、県教委は「採択に関する面会には応じられない」と拒否。松山市と市教委も、企画官一人だけが面会。訪問団は記者会見して“非礼”をなじった。
 友好都市の市民を迎えるにしては冷淡な対応に映るが、この訪問自体、特定県議や県内の政治活動家らが訪韓して要請したものだった。
 訪韓したのは、阿部悦子県議(54)=松山市選出、無会派=と、教科書採択無効確認訴訟の原告で「えひめ教科書裁判を支える会」のメンバー二人。三人は五月十四、十五の両日、平澤市で米軍基地反対運動などの市民団体と交流し、その模様は平澤市民新聞(発行部数七千部)などが報道。
 訪韓メンバーの高井弘之氏(50)は同紙のインタビューで「松山は日本の右傾化の中心都市」と発言。さらに、昨年十月の友好都市提携前から十年以上も地道に民間交流を続けた松山の市民団体幹部らを「右翼人士」と中傷した。この影響で、同団体と交流する平澤の市民団体は、地元で「親日売国団体」と攻撃されるはめになった。
 高井氏はインタビューの中で「日本は友好提携している都市の意見には耳を傾ける」と“入れ知恵”。韓国の団体が松山を訪問したのは、こうした経緯があったからだ。

◆平澤市民?
 阿部県議らの行動に対して、中村市長は「自らの政治目的を果たすために外国を刺激し、国内に影響させるやり方が真っ当か」と言い、加戸知事も「政治家として不見識」と痛烈に批判する。
 阿部県議は知事らに「事実無根の批判で傷ついた」と発言撤回・謝罪を要求。行政主導ではない市民間の新たな交流の開拓が訪韓の目的−と説明し、平澤の市民運動の自発性を強調している。
 しかし、中村市長は今月十二日の会見で、韓国からの訪問団を「政治活動の中での訪問」と表現し、「平澤市民ではない方もいた」と語った。
 市長が指摘しているのは、訪問団の会見や対外アピールで常に中央に陣取り、積極的に発言した韓国人女性のこと。ソウル市の「アジアの平和と歴史教育連帯(教科書運動本部)」の梁美康(ヤンミガン)・常任共同運営委員長。松山だけでなく広島や大阪、東京、北海道など全国を巡り、扶桑社版の不採択を主張する“日本の教科書問題専門家”らしい。
 平澤市の市民運動団体は脇役に過ぎず、「友好都市の意見」を印象づけるもくろみで同行した−とみる日韓交流関係者も少なくない。

◆採択は来月末
 扶桑社版の採択を求める市民組織「教科書を改める愛媛1000人委員会」の村上英富事務局長は、反対派の動きを「三年前の経験から、正攻法では勝ち目がないと学習した」とみる。
 十四年の県立中高一貫校への採択を前に、扶桑社版反対派は全国で約三万二千人の署名を集めたが、賛成署名は県内十万、全国三十三万。反対派は圧倒的少数だった。
 現場の教師も、過激な反対運動からは距離を置く。県内の社会科中堅教諭は「答えが出るのはまだ先ではないか」としたうえで「しかし、(歴史認識に)別の視点がありうることを提示した意味は大きい」と評価した。
 東温市立重信中学校の大津寄章三教諭は、歴史の多面性について「歴史者としては複眼で見ることは大事だが、歴史教育では話が違う。子供たちが最初に出合う歴史は、『日本人でよかったと思えるもの』であるべきだ。その後で、失敗も多かったよ、と教えればいい」と歯切れがよい。
 「支える会」は、今年の採択から扶桑社版の除外を求める訴訟を新たに準備するなど、運動を活性化させそう。八月下旬に集中する愛媛県内各教委の採択判断が注目される。

◇写真(省略。キャプションは、以下のようになってます)
<扶桑社版教科書の不採択を求め愛媛県庁を訪れた韓国の市民訪問団と、支援する日本人ら。後列左から阿部悦子県議、高井弘之氏。前列左から2人目が梁美康常任共同運営委員長。手前右は応対する県職員=6月30日>

●えひめ教科書裁判を支える会
 扶桑社版教科書の採択には知事の介入があったとして無効確認や採択取り消しを求める訴訟を起こしているグループの中枢メンバー。県教組(日教組系)の元委員長や自営業者らで構成。主要メンバーは、韓国の市民団体を招請した「平澤市と松山市の市民友好を実現させる会」や、同教科書に反対する琉球大教授を愛媛に招いた「高嶋伸欣さん講演会実行委員会」にも名を連ねている。

◇えひめ教科書裁判を支える会が関与する訴訟一覧(全8件。省略)

 「えひめ教科書裁判を支える会が関与する訴訟」については、こちらのサイトを参考に。
 ちなみに産経の一覧によれば、原告が「県民のみ」なのは8件中4件で(うち3件は県立盲学校教諭2人が原告)、それ以外の訴訟は県外民、韓国人が噛んでいます。
 一番最近の訴訟(17年3月30日提訴)は中国人も多数原告に名を連ねており、原告の内訳は、韓国人189人(国会議員53人含む)、中国人68人、県内5人となっています。

 logさんのブログ、その他多数のブログさんで夕張市議会議員・くまがい桂子が話題になっていますが、この愛媛県議会議員・阿部悦子も相当ひどいもんです。
 私たちはともすれば国会議員の言動だけに目が行きがちですが、地方にこのようなトンデモ議員がいることにも注目していかねばなりませんね。

 高井弘之氏は「新しい教科書と教育を考える市民ネットワーク・えひめ」というプロ市民団体のメンバーのようですが、詳細はよくわかりません。

【7/17 23:10追記】
※参考リンク:
 つくる会品川支部 第1回イベント「教育再興 in 品川」より、産経新聞論説委員・石川水穂氏による講演その2
 前回の採択におけるサヨクの凄まじい言論テロについて言及されています。

Posted by くっくり 18:22 | 教育問題 | comments (7) | trackback (11)