「アンカー」ビデオ流出で検察レジスタンス&APECで外務省サボタージュ
【緊急拡散!】危険な生駒市外国人条例
※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■11/17放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
ビデオ流出問題で官邸と最高検からの「海上保安官を逮捕せよ」のプレッシャーに対し、レジスタンスさながらに敢然と立ち向かった検察官たちがいました。一方、APECでは外務省が菅総理に対してサボタージュ。
※この場合の「サボタージュ」とは破壊工作という意味です。
コーナー前に、柳田法務大臣の国会軽視発言問題のニュース報道&青山さんの解説がありましたので、まずこの部分を要旨のみ記述、続けてコーナー本編は完全起こしでお送りいたします。
コーナー本編は間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
内容紹介ここから____________________________
…………青山さんの解説(あくまで要旨)…………
( )内は山本浩之キャスターの発言です
■仙谷官房長官、柳田法相を国会答弁軽視発言で厳重注意 柳田法相、参院予算委で謝罪(FNN11/17)
(柳田法務大臣の発言については?)
僕はあまりニュース見て実は感情的になることはないんですが、今回ばかりはムカムカしましたね。あまりにひどすぎますよね。
(パーティで発言してる柳田大臣の状況を見て特にそう思われた?)
むしろ国会答弁の方ですよね。政治不信とか国会が機能してないんじゃないかとか、いろんなことを国民は疑問に思っているが、ある程度国会を信用してるところもあるじゃないですか。ところがもうあの国会で答弁してる腹の中が、ほんとはこれ2つだけ言えばいいんだと。そういう民主主義をなめてかかった、国民を愚弄した態度でやったんだってのがみんなに伝わってきたじゃないですか。だからムカムカするって表現はもちろんよくないが、普通の怒りじゃ済まない感じがします。
(こういう席で、どこまで本心かわかりませんが、「法務大臣はいいですよ、個別の事案はお答えを差し控えます、法と証拠に基づいて適切にやってます、この2つ答えてりゃいいんですよ」って、これ柳田法務大臣の中で、自分からそれを思い至ったことなのか…?)
まず政治家って意外に地元に帰った時に気が緩んで本音を言うんですよ。もちろんウケようと思って冗談のような感じで言ってるが、やっぱり本音なんですよ。びっくりするぐらい、東京で見る政治家とは地元に帰ると違います。で、僕は柳田法務大臣、かつて記者として民社党を担当した時からよく存じてますが、若い時代と実は言ってること同じです。いつも、はっきり言うと、なるべく安直な道を選んで、それさえやりゃいいんだと。だから、「あなたは国会議員をいったい何のつもりでやってるんですか」と僕は言ったことがあります。
(はあー、そうなんですか)
そのあと選挙で苦労されたから、僕も言うこと控えてたが、この方によって検察に圧力もかかって、中国人船長の釈放もあったわけですから。それと重ね合わせると、あまりにひどいのと、これジョークで言ってるんじゃなくて本音を言ってるんですよ。本当にこの2つだけで乗りきればいいんだというふうに法務大臣の職も彼は理解してて、で、なおかつこれだけで済まされるんだよって意味は、実は例えば検察っていう強力な捜査機関を預かってるんだと、だから特別扱いしてもらえるんだとってことも実は踏まえて言ってるんですよ。だから全く愚かで言ってるわけじゃなくて、非常にずるくやってるわけですよね。その意味からこれは問責決議案って話になるし、今度はもう参議院が舞台になったんだから可決されますよ。そうすると、今、柳田法務大臣自らおっしゃってたとおり、法務検察を全く知らないってことを承知で任命したとしたら、任命責任者の総理、実際は仙谷官房長官の口利きで柳田法務大臣が突然浮上したと言われてて、仙石さんの責任もどうなるんだと。それからもうひとつ、柳田さんは拉致問題担当大臣だが、家族会は今まで会ったことがないと。柳田さんがおっしゃったとおり、まさしく20年前から僕は柳田さんを知ってるが、拉致事件の話を聞いたことがないわけですよ。
2つ合せて、何のために任命したのかと。結局、仙谷の言うこと聞くから任命したんじゃないか、ポスト余ってたからそこに入れたんじゃないかという疑問も出てくる。その上で、これ、問責決議案が参院で可決されそうなのは、仙谷官房長官、柳田法務大臣、馬淵国交大臣、さらに国家公安委員長の岡崎トミ子さんまで含めて、場合によっては4人可決される事態が目の前に迫ってきてる。これは憲政史上初めての事態で、ほんとに深刻なことで、通常考えると4人も閣僚辞めて内閣がもつわけないから、これは極端な話だが、菅さんは場合によっては追い込まれて改造しなきゃいけないと。本格改造で要するに仙谷官房長官以下全部替えると。でもそうなってくると、そんな馬鹿な話はないから、結局よく分かんないままに破れかぶれの衆院解散に追い込まれることもゼロとは言えないですよ。
(例えば内閣改造と、内閣総辞職じゃないんですね?というのは、4人問責決議案が可決されることもあり得ると。任命権者は全部総理。その責任が問われる)
それはまともに健全な感覚で、そうなったら内閣総辞職するのが憲政の常道でしょうってことですが、菅さんは石にかじりついても自分は総理辞めたくないと言ってるわけですから、それを模索してるうちに衆議院解散に追い込まれると、負けを承知でってこともなくはない。今、衆議院は300もいる。減って260ぐらいになっても大丈夫って発想になるかもしれない。その時に大事なのは、野党の腰が座ってるのか。例えば自民党はまだ、この近畿でも、総選挙になった場合に候補者が確定してない選挙区も多々あるわけですから。それを考えると野党の腰の定まり具合も今後問題になりますよと。それほどの重大な局面にすでに至りましたということなんです。
…………以下、“ニュースDEズバリ”全文起こし…………
■「尖閣ビデオ」流出問題 海上保安庁、保安官の刑事処分待たずに免責含む行政処分へ(FNN11/17)
山本浩之
「さ、この件についてはこのあとの“ニュースDEズバリ”のコーナーで青山さんに詳しく解説をしていただけると、いうことですよね」
青山繁晴
「はい。あの、実は最近、こう、菅政権は、思ったことがほとんどそのとおりとならないって感じになってますよね。で、例えばその、尖閣ビデオの流出については、もう、誰が犯人かっていうその犯人探しに、あの、全力集中してるように見えましたね。というのは、もうその人が悪いんだって話にこう持っていって、そもそも、その、あの中国人船長を釈放したのはよかったのかって話に行かないように、という意図がまあはっきり言ってミエミエだったわけですよ」
山本浩之
「そうですよね」
青山繁晴
「でも、その、犯人が逮捕っていうことにならずに、その、ご本人が名乗り出て、しかも名乗り出て調べたけれども、逮捕は見送られる、ということになったと。で、それと同時進行でその、APECがあったわけですけれども、そのAPECっていう晴れ舞台で、菅さんとしては一気に形勢を逆転して、内閣の支持率を上げたかったけれども、それが逆に落ち込むことになったと」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「で、あの、それは皆さん、その、どんどん報道されてるんですけれども、ま、毎回毎回この『アンカー』でその、メディア批判ばっかりやりたくないんですけれども、しかし実はその、やることなすこと上手くいかないその背景に、実は重大な2つのことがあって、それが全く報道されないと。その2つは何かというと、これです(フリップ出す)」
山本浩之
「『レジスタンスとサボタージュ』」
青山繁晴
「はい。ちょっとカタカナが2つ並んで申し訳ないんですけど、その意味は、このあとコーナーで、あの、きちんとご説明したいと思いますし、また、具体的にひとつひとつ皆さんと一緒に考えたいと思います」
山本浩之
「えー、それではコマーシャルをはさんで青山さんの解説です」
(いったんCM)
山本浩之
「漁船衝突ビデオ、そしてAPEC首脳会議、この2つのニュースの裏側にはどのような経緯が隠されているのか。さっそく解説をお願いしたいと思います」
青山繁晴
「はい。皆さん、ま、この1週間、んー、もうこの、尖閣ビデオ問題の続きと、それからAPECっていう非常に大きな動きと、もうそれでニュースいっぱいでしたが、実はそのいっぱいのニュースの中でも全く報道されない2つの重大なことがありましたということなんですね。で、ちょっと外来語、片仮名で申し訳ないんですが、ま、あの、レジスタンスっていうのはご承知のとおり、激しく抵抗することですね。例えば、あのナチの時代にフランスにレジスタンスっていう運動もあったと。で、こっちのサボタージュの方なんですが、これ実は、その、日本語の、っていうか、日本の解釈が、実は間違ってるんです。これあの…」
山本浩之
「えっ?サボるとかそういうことじゃないんですか?」
村西利恵
「怠けるとか」
青山繁晴
「サボるっていう語源になってるんですけどね。サボるって怠けるってことですよね。でもその、英語をはじめとする、その、海外で言われるサボタージュってのは、怠けるっていう意味はないんです」
一同
「へえー」
青山繁晴
「そうじゃなくて、これ、あの、サボ、ここまで、フランス語でサボっていうのは、例えば、すいません、こんな足で、あの、でもこれ(自分の足元示して)革靴ですよね。いちおうね。あの、安いですけども。で、ところがこの言葉が生まれた、その産業革命の時代の労働者、働く人たちってのは、革靴なんか履いてなくて、木の靴を履いてたわけですよね」
一同
「ああー」
青山繁晴
「で、このサボっていうのは木の靴なんですよ。で、この木の靴で例えば機械を蹴って、壊して、破壊して、その、業務を妨害して、それによって何とか労働者の地位を上げようとしたと。だから怠けるっていう意味じゃなくて、叩き壊す、破壊工作、つまりテロに近い意味なんですね。ということは、激しい抵抗と、破壊工作がありましたって実は、あの、重大なお話を今日は申し上げるわけです。まずは1週間の動きをちょっと見て下さい」
村西利恵
「先週の水曜日に、海上保安官がビデオを流出させたと告白。その日から3日間、任意での事情聴取が行われましたが、今週の月曜日になって、この逮捕が、見送りが発表されました」
青山繁晴
「はい。これ皆さん、あの、報道でご存知の1週間なんですけど、ちょうど1週間ですね、昨日の火曜日まで。これ実は異常な点が1点あるんですね。異常な点ていうのはですね、あの、海上保安官が、このまさしく水曜『アンカー』のあの日にですね、先週のあの日に、告白をされて、さあ大変だっていうので、これも珍しいですけれども、東京地検と警視庁が一緒になって調べるっていうのを3日間やったんですね。でも逮捕しないで、任意のままで、この3日間やりました。そして、そのあと、土曜日曜、これ、えー、保安官は家にも帰らなかった。ご自分の意思ってことになってますけれど、家に帰らず、その、取り調べを受けた場所、神戸の第5管区海上保安本部の建物の中にずっといたんですよ。ところが、調べ、なかったんですよ。ね。で、これを、その、新聞、テレビもちらっと報道しましたが、この週末は調べがなかったって。なぜなのかって報道が全然なくて、実は僕の後輩諸君も含めてですね、あの、それこそ記者に電話取材してみたら、えっ、それはあの、たぶん週末だからじゃないですかとかね」
村西利恵
「土・日はお休みってことですか?」
青山繁晴
「はい。それから、いや、APECとかあったし、とかいう、ことを言った奴まで、言った記者までいて僕はびっくりしたんですが、全然関係ないです、APECはまず。それから、週末だからお休みってことはあり得ない。どうしてかというと、あの、どんな、例えば容疑者でもですよ、あの、軽い罪から重い罪まで、必ず人権がありますから、調べってのは必ずコンパクトに短くならなきゃいけないんです。ずるずるずるずる引き延ばして調べるってのは、それ独裁国家のやり口であってですね、政治犯収容所に送るんじゃないんだから、なるべく早く終わらなきゃいけないんですよ。ですから、この土・日が関係あるわけがない。これずっと調べなきゃいけないんですよ。だから、ここを休んだってことは、実は異常なことなんですよね」
一同
「はあー」
※【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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■11/17放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
尖閣映像流出問題で海上保安官“逮捕見送り”の真相・菅政権への影響と捜査の行方は?青山ズバリ
ビデオ流出問題で官邸と最高検からの「海上保安官を逮捕せよ」のプレッシャーに対し、レジスタンスさながらに敢然と立ち向かった検察官たちがいました。一方、APECでは外務省が菅総理に対してサボタージュ。
※この場合の「サボタージュ」とは破壊工作という意味です。
コーナー前に、柳田法務大臣の国会軽視発言問題のニュース報道&青山さんの解説がありましたので、まずこの部分を要旨のみ記述、続けてコーナー本編は完全起こしでお送りいたします。
コーナー本編は間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
画像はYouTubeからキャプチャさせていただきました。
内容紹介ここから____________________________
…………青山さんの解説(あくまで要旨)…………
( )内は山本浩之キャスターの発言です
■仙谷官房長官、柳田法相を国会答弁軽視発言で厳重注意 柳田法相、参院予算委で謝罪(FNN11/17)
(柳田法務大臣の発言については?)
僕はあまりニュース見て実は感情的になることはないんですが、今回ばかりはムカムカしましたね。あまりにひどすぎますよね。
(パーティで発言してる柳田大臣の状況を見て特にそう思われた?)
むしろ国会答弁の方ですよね。政治不信とか国会が機能してないんじゃないかとか、いろんなことを国民は疑問に思っているが、ある程度国会を信用してるところもあるじゃないですか。ところがもうあの国会で答弁してる腹の中が、ほんとはこれ2つだけ言えばいいんだと。そういう民主主義をなめてかかった、国民を愚弄した態度でやったんだってのがみんなに伝わってきたじゃないですか。だからムカムカするって表現はもちろんよくないが、普通の怒りじゃ済まない感じがします。
(こういう席で、どこまで本心かわかりませんが、「法務大臣はいいですよ、個別の事案はお答えを差し控えます、法と証拠に基づいて適切にやってます、この2つ答えてりゃいいんですよ」って、これ柳田法務大臣の中で、自分からそれを思い至ったことなのか…?)
まず政治家って意外に地元に帰った時に気が緩んで本音を言うんですよ。もちろんウケようと思って冗談のような感じで言ってるが、やっぱり本音なんですよ。びっくりするぐらい、東京で見る政治家とは地元に帰ると違います。で、僕は柳田法務大臣、かつて記者として民社党を担当した時からよく存じてますが、若い時代と実は言ってること同じです。いつも、はっきり言うと、なるべく安直な道を選んで、それさえやりゃいいんだと。だから、「あなたは国会議員をいったい何のつもりでやってるんですか」と僕は言ったことがあります。
(はあー、そうなんですか)
そのあと選挙で苦労されたから、僕も言うこと控えてたが、この方によって検察に圧力もかかって、中国人船長の釈放もあったわけですから。それと重ね合わせると、あまりにひどいのと、これジョークで言ってるんじゃなくて本音を言ってるんですよ。本当にこの2つだけで乗りきればいいんだというふうに法務大臣の職も彼は理解してて、で、なおかつこれだけで済まされるんだよって意味は、実は例えば検察っていう強力な捜査機関を預かってるんだと、だから特別扱いしてもらえるんだとってことも実は踏まえて言ってるんですよ。だから全く愚かで言ってるわけじゃなくて、非常にずるくやってるわけですよね。その意味からこれは問責決議案って話になるし、今度はもう参議院が舞台になったんだから可決されますよ。そうすると、今、柳田法務大臣自らおっしゃってたとおり、法務検察を全く知らないってことを承知で任命したとしたら、任命責任者の総理、実際は仙谷官房長官の口利きで柳田法務大臣が突然浮上したと言われてて、仙石さんの責任もどうなるんだと。それからもうひとつ、柳田さんは拉致問題担当大臣だが、家族会は今まで会ったことがないと。柳田さんがおっしゃったとおり、まさしく20年前から僕は柳田さんを知ってるが、拉致事件の話を聞いたことがないわけですよ。
2つ合せて、何のために任命したのかと。結局、仙谷の言うこと聞くから任命したんじゃないか、ポスト余ってたからそこに入れたんじゃないかという疑問も出てくる。その上で、これ、問責決議案が参院で可決されそうなのは、仙谷官房長官、柳田法務大臣、馬淵国交大臣、さらに国家公安委員長の岡崎トミ子さんまで含めて、場合によっては4人可決される事態が目の前に迫ってきてる。これは憲政史上初めての事態で、ほんとに深刻なことで、通常考えると4人も閣僚辞めて内閣がもつわけないから、これは極端な話だが、菅さんは場合によっては追い込まれて改造しなきゃいけないと。本格改造で要するに仙谷官房長官以下全部替えると。でもそうなってくると、そんな馬鹿な話はないから、結局よく分かんないままに破れかぶれの衆院解散に追い込まれることもゼロとは言えないですよ。
(例えば内閣改造と、内閣総辞職じゃないんですね?というのは、4人問責決議案が可決されることもあり得ると。任命権者は全部総理。その責任が問われる)
それはまともに健全な感覚で、そうなったら内閣総辞職するのが憲政の常道でしょうってことですが、菅さんは石にかじりついても自分は総理辞めたくないと言ってるわけですから、それを模索してるうちに衆議院解散に追い込まれると、負けを承知でってこともなくはない。今、衆議院は300もいる。減って260ぐらいになっても大丈夫って発想になるかもしれない。その時に大事なのは、野党の腰が座ってるのか。例えば自民党はまだ、この近畿でも、総選挙になった場合に候補者が確定してない選挙区も多々あるわけですから。それを考えると野党の腰の定まり具合も今後問題になりますよと。それほどの重大な局面にすでに至りましたということなんです。
…………以下、“ニュースDEズバリ”全文起こし…………
■「尖閣ビデオ」流出問題 海上保安庁、保安官の刑事処分待たずに免責含む行政処分へ(FNN11/17)
山本浩之
「さ、この件についてはこのあとの“ニュースDEズバリ”のコーナーで青山さんに詳しく解説をしていただけると、いうことですよね」
青山繁晴
「はい。あの、実は最近、こう、菅政権は、思ったことがほとんどそのとおりとならないって感じになってますよね。で、例えばその、尖閣ビデオの流出については、もう、誰が犯人かっていうその犯人探しに、あの、全力集中してるように見えましたね。というのは、もうその人が悪いんだって話にこう持っていって、そもそも、その、あの中国人船長を釈放したのはよかったのかって話に行かないように、という意図がまあはっきり言ってミエミエだったわけですよ」
山本浩之
「そうですよね」
青山繁晴
「でも、その、犯人が逮捕っていうことにならずに、その、ご本人が名乗り出て、しかも名乗り出て調べたけれども、逮捕は見送られる、ということになったと。で、それと同時進行でその、APECがあったわけですけれども、そのAPECっていう晴れ舞台で、菅さんとしては一気に形勢を逆転して、内閣の支持率を上げたかったけれども、それが逆に落ち込むことになったと」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「で、あの、それは皆さん、その、どんどん報道されてるんですけれども、ま、毎回毎回この『アンカー』でその、メディア批判ばっかりやりたくないんですけれども、しかし実はその、やることなすこと上手くいかないその背景に、実は重大な2つのことがあって、それが全く報道されないと。その2つは何かというと、これです(フリップ出す)」
山本浩之
「『レジスタンスとサボタージュ』」
青山繁晴
「はい。ちょっとカタカナが2つ並んで申し訳ないんですけど、その意味は、このあとコーナーで、あの、きちんとご説明したいと思いますし、また、具体的にひとつひとつ皆さんと一緒に考えたいと思います」
山本浩之
「えー、それではコマーシャルをはさんで青山さんの解説です」
(いったんCM)
山本浩之
「漁船衝突ビデオ、そしてAPEC首脳会議、この2つのニュースの裏側にはどのような経緯が隠されているのか。さっそく解説をお願いしたいと思います」
青山繁晴
「はい。皆さん、ま、この1週間、んー、もうこの、尖閣ビデオ問題の続きと、それからAPECっていう非常に大きな動きと、もうそれでニュースいっぱいでしたが、実はそのいっぱいのニュースの中でも全く報道されない2つの重大なことがありましたということなんですね。で、ちょっと外来語、片仮名で申し訳ないんですが、ま、あの、レジスタンスっていうのはご承知のとおり、激しく抵抗することですね。例えば、あのナチの時代にフランスにレジスタンスっていう運動もあったと。で、こっちのサボタージュの方なんですが、これ実は、その、日本語の、っていうか、日本の解釈が、実は間違ってるんです。これあの…」
山本浩之
「えっ?サボるとかそういうことじゃないんですか?」
村西利恵
「怠けるとか」
青山繁晴
「サボるっていう語源になってるんですけどね。サボるって怠けるってことですよね。でもその、英語をはじめとする、その、海外で言われるサボタージュってのは、怠けるっていう意味はないんです」
一同
「へえー」
青山繁晴
「そうじゃなくて、これ、あの、サボ、ここまで、フランス語でサボっていうのは、例えば、すいません、こんな足で、あの、でもこれ(自分の足元示して)革靴ですよね。いちおうね。あの、安いですけども。で、ところがこの言葉が生まれた、その産業革命の時代の労働者、働く人たちってのは、革靴なんか履いてなくて、木の靴を履いてたわけですよね」
一同
「ああー」
青山繁晴
「で、このサボっていうのは木の靴なんですよ。で、この木の靴で例えば機械を蹴って、壊して、破壊して、その、業務を妨害して、それによって何とか労働者の地位を上げようとしたと。だから怠けるっていう意味じゃなくて、叩き壊す、破壊工作、つまりテロに近い意味なんですね。ということは、激しい抵抗と、破壊工作がありましたって実は、あの、重大なお話を今日は申し上げるわけです。まずは1週間の動きをちょっと見て下さい」
村西利恵
「先週の水曜日に、海上保安官がビデオを流出させたと告白。その日から3日間、任意での事情聴取が行われましたが、今週の月曜日になって、この逮捕が、見送りが発表されました」
青山繁晴
「はい。これ皆さん、あの、報道でご存知の1週間なんですけど、ちょうど1週間ですね、昨日の火曜日まで。これ実は異常な点が1点あるんですね。異常な点ていうのはですね、あの、海上保安官が、このまさしく水曜『アンカー』のあの日にですね、先週のあの日に、告白をされて、さあ大変だっていうので、これも珍しいですけれども、東京地検と警視庁が一緒になって調べるっていうのを3日間やったんですね。でも逮捕しないで、任意のままで、この3日間やりました。そして、そのあと、土曜日曜、これ、えー、保安官は家にも帰らなかった。ご自分の意思ってことになってますけれど、家に帰らず、その、取り調べを受けた場所、神戸の第5管区海上保安本部の建物の中にずっといたんですよ。ところが、調べ、なかったんですよ。ね。で、これを、その、新聞、テレビもちらっと報道しましたが、この週末は調べがなかったって。なぜなのかって報道が全然なくて、実は僕の後輩諸君も含めてですね、あの、それこそ記者に電話取材してみたら、えっ、それはあの、たぶん週末だからじゃないですかとかね」
村西利恵
「土・日はお休みってことですか?」
青山繁晴
「はい。それから、いや、APECとかあったし、とかいう、ことを言った奴まで、言った記者までいて僕はびっくりしたんですが、全然関係ないです、APECはまず。それから、週末だからお休みってことはあり得ない。どうしてかというと、あの、どんな、例えば容疑者でもですよ、あの、軽い罪から重い罪まで、必ず人権がありますから、調べってのは必ずコンパクトに短くならなきゃいけないんです。ずるずるずるずる引き延ばして調べるってのは、それ独裁国家のやり口であってですね、政治犯収容所に送るんじゃないんだから、なるべく早く終わらなきゃいけないんですよ。ですから、この土・日が関係あるわけがない。これずっと調べなきゃいけないんですよ。だから、ここを休んだってことは、実は異常なことなんですよね」
一同
「はあー」
青山繁晴
「で、どうしてそれが起きたのかということを、当然これは、これあの、もう一回言いますが、警察と検察が一緒にやってるけれども、しかし主導権を持ってるのは検察なんですよ。そもそも検察の方が上ですからね。あの、いわば格、あの、格上って言葉がいいかどうか分からないけども、警察が調べて検察に送る。検察の方が組織として上にいるから。だからこの検察の側と、それから警察の側にも念のため、何で土・日休んだんですか?ということを聞いてきましたら、こういう証言が出ました。はい、出して下さい」
村西利恵
「検察幹部によると、逮捕は見送りのウラで、『官邸と最高検からは“逮捕せよ”という強いプレッシャーがあった』」
青山繁晴
「はい。えー、これ皆さんご承知のとおり、東京地検の判断として、えー、もう逮捕しないと、つまり手錠をかけないと、その人の自発的な意思に任せる、つまり任意ですね、そういう捜査にしますと、いう結論に、この週が明けた、一昨日の月曜日になったんですけど、それに至るまでに、逆に、その政治の側、つまり官邸と、そして同じ検察の中でも、東京地検は逮捕したくないと言ってるのに、最高検からは、強く、逮捕しろ!ということを言ってきたと。これ、具体的に申しますとね、まず検察の内部で言うと、この大林検事総長、これ、あの、検察はこういうピラミッド社会ですが、その頂点にいる人ですが、この頂点の大林さんから見たらですよ、東京地検ってのは格下なんですよ。検事総長がいて、最高検察庁、最高検があって、その下に、高等検察庁、ね、例えば東京高検、大阪高検ってあって、その下にやっと地方検察庁、東京地方検察庁、東京地検ですね、あるいは大阪地検って来るわけですね。だから、検事総長から東京地検まではずいぶん間があって、直接来たんじゃなくて、この検事総長ないしは最高検からですよ、その、いや、ごめんなさい、その、最高検の中で、大林検事総長から最高検の公安部長を使って、これ、えー、勝丸さんって人なんですけどね、勝丸公安部長から東京地検に、逮捕しろ!早く逮捕しろ!ってことをずっと言ってきて、それに対して、いや、逮捕しない、逮捕しないっていうことを、抵抗してたと。激しい内部対立があって、一切表に出てない。その陰には、実は仙谷官房長官から、皆さん、あの、さっきの柳田法務大臣を通じて、柳田法務大臣からこの大林さんには、早く逮捕しろっていう圧力までありましたと」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「そしてそもそも中国人船長を、釈放する時にも、無罪放免、実質的にした時にも、同じことありましたね、この『アンカー』ではっきり申しましたね」
一同
「はい」
青山繁晴
「仙谷官房長官から柳田法務大臣に下ろして、柳田法務大臣はそのまま大林さんに投げて、大林さんがそれに屈服して、下に、那覇地検に、釈放させたと。ね。あれ未だにあのように報道してきたの、この『アンカー』だけですけれども、それがいわば正しかったことの証明にも僕はなると思ってますし、この検察幹部は、そのとおり、あの、これは東京にいる検察の首脳陣の1人ですが、あの、関西テレビの『アンカー』でやったとおりですってこともおっしゃったわけですよ。で、その上で、じゃあ、その東京地検は、その、どういう行動に出たかというと、それがこれだったわけです。はい、出して下さい」
村西利恵
「東京地検が取った行動は、異例の土曜・日曜、聴取なし」
青山繁晴
「はい。これどういうことかというとですね、あの、意味は、もう皆さんかなりお分かりになると思うんですが、これなんですね、はい」
村西利恵
「検察幹部によると、『最高検へのレジスタンスだ』」
山本浩之
「なるほど」
青山繁晴
「はい。つまり週末だから休んだんじゃなくて、最高検にわれわれは断固抵抗しますよってことを見せるための、聴取なしだったんですね。それを理解していただくために、もう一度あの表、見ていただけますか。1週間の表を」
村西利恵
「はい。日程に戻ります」
青山繁晴
「はい。これ見ていただくとですね、要するに東京地検は何を言おうとしたかというと、3日間調べて、最初は保安官の供述、つまり喋ることに揺れはありましたと。それ今は皆さん理由分かりますね。実はそもそも、あのビデオを、その、えー、ダウンロードしたのは、最初が、ご自分が最初じゃなくて、同僚の保安官が最初にやってたから、そういう人に迷惑がかかることを怖れて、どこから入手したかって話が、一時期こう揺れたんですよ。でも調べてるうちに、もうちゃんと定まって、矛盾はなくなった。そして自宅の捜索もやりました。海上保安庁も資料出しました。だからもう、調べることはありませんと。3日間で十分、もうかなり固まりましたと。ね。だから土・日やらなかったっていうのは、もう調べることがほとんどありませんよってことなんですよ」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「それをメッセージとして、最高検に送り、最高検から官邸にも伝わるように仕向けたっていうのが、東京地検の苦肉の策だったわけですね。苦肉のレジスタンスだった。で、それなのに、調べることはもうほとんど残ってないのに、今さら逮捕しろというのかと、ね、というのが、実は月曜日で、月曜日も任意で続けてるうちに、実は東京地検は、これ東京地検内部の人の証言によると、様子見てましたと。最高検は、あいかわらず、あの、逮捕しろと言ってきたけど、その上の、官邸から具体的なことが下りてくるのか、最高検を通じて下りてくるのかを見てたら、来なかったと」
一同
「ほうー」
青山繁晴
「来なかったから、もう今しかないと思って、月曜日に、いやもう逮捕しませんってことを、メディアにも、実質的に公表したんですと。で、僕はそれは、官邸が言ってこなかったのは、このギリギリの場面で言ってこなくなったのはどうしてでしょうかと、聞いたらですね、これは、いや、世論の力だと思いますってことをはっきりおっしゃいました」
村西利恵
「ああー」
青山繁晴
「つまり、あの、英雄視するわけではないけれども、逮捕までするのはおかしいんじゃないかと、いう世論が高まったので、官邸は身動きとれなかったんでしょうと、ね、いうふうに、複数の幹部が申し、あの、おっしゃってですね。そして、じゃあ東京地検をはじめとして、検察の中に、逮捕しちゃいけないっていう意見がどうしてそんなに強かったのかというと、それはこれですよね」
村西利恵
「このレジスタンスの根源は、中国人の船長を釈放して、日本の海の保安官を逮捕できない」
青山繁晴
「はい。これは、皆さんご承知のとおりですが、外国人、中国人の船長は、あれほどのはっきりした犯罪を犯しながら釈放してるのに、同じことに絡んで、ま、その、例えばビデオ流出とぶつけたのと、悪質性もほんとは違うぐらいですからね。外国人、中国人は釈放して、日本の海の保安官は、逮捕するのかと。そんなアンバランスなことができますかと、いう主張をまずしましたと。そうしたら、実は最高検の側からですね、特にあの、最高検の側ってのは不正確ですね、最高検の中の大林検事総長を中心とする、逮捕しろっていう側は、こんなのは感情論だと。法律論じゃないじゃないかと。情緒論だからそんなのおかしいと言ってきた時に何が起きたかというと、皆さんもう一回僕の手を見て下さいね。(検察のピラミッド社会のジェスチャー)その、光輝くトップの検事総長がいて、東京地検はだいぶ下です。この間に、実は他の方々いるわけですね。で、例えば東京地検ていう力の強いところもいるんですね。その東京高検の検事長が、実は検察の中で、全部の中でナンバー2なんですよ。ね。で、誰がどれだって言いませんけれども、この、東京地検と最高検の間で、これが情緒論なのかどうなのかになった時にですね、その間に、ガン、あの、ドーンと割って入った人たちが複数いてですね、検察の内部で。検事総長に向かって、これが情緒論て言うならば、じゃあこれはどうなんだよと言った人たちがいるんです。はい、出して下さい」
村西利恵
「はい。東京地検の判断のポイントは、このビデオは『見てはいけない』ものではなく、『見なくてはいけない』ものだった」
山本浩之
「そのとおりですね!」
青山繁晴
「はい。で、これをね、ここ(モニター)には東京地検の判断ポイントになってます。そのとおり、東京地検側からですよ、一生懸命、最高検の公安部長を通じて、検事総長にも言ったんですけど、このとおりだと、ヤマヒロさんが言ったとおり…」
山本浩之
「そのとおりですよ」
青山繁晴
「このとおりじゃないかってことを、実は最高検の中にも、東京高検の中にも、ね、つまり間に入った人たちが、このとおりだと。つまり、見てはいけない秘密じゃなくて、それどころか、国民も海上保安官も見なくちゃいけないもの、公開しなきゃいけないものじゃないかと。だから法律から言ったら、これはまさしく国家公務員法の守秘義務で言うところの、秘密には当たらないと。感情論じゃないと。だから検事総長、あなたが間違ってるんだというやり取りが、実はずっと繰り返されてきたんですよ」
一同
「はあー」
青山繁晴
「そして、その時に、じゃあその、証拠として、いわばこの、見なくてはいけないものだった証拠として、その逮捕するなって側が挙げたのは、実はこれだったんです」
村西利恵
「この映像ファイルは、海上保安大学校にあった」
青山繁晴
「はい。で、これも報道されましたが、皆さんほんとにあの、国民は、あの、気を付けられるべきだと思うのはですね、要するに、ずさんだずさんだっていうその管理、危機管理の話になってるわけですよね。で、海上保安大学校が何となく勉強用に保存して、で、それをその、第5管区海上保安本部の、あの告白した保安官以外の方がね、自分の勉強用に他のファイルを見ようとしたら、たまたまそこにあったので、これは面白いと思って興味を持って、ダウンロードしたと報道されてるじゃないですか、全体に。それは実は事実と違うんですよ、僕が知る限りは。そうじゃなくて、これはですね、見なきゃいけないもの、海上保安官、海の保安官だったら見なきゃいけないから、海上保安大学校にちゃんと置いたんですよ。これは例えば、大阪大学や東京大学と違って、研究機関であるよりも、実務の学校ですから。実務として、みんな見なきゃいけないよと。だから海上保安大学校に置かれたというのは、その、たまたまとか偶然って話じゃなくて、海の保安官が見なきゃいけなかったものだからって証拠なんです。で、それはですね、これを見ていただくともっとよくお分かりになります。はい、出して下さい」
村西利恵
「地図でご覧いただきます」
青山繁晴
「はい。これ、第11管区って沖縄県の管轄の海上保安本部のことですね。そしてこれ沖縄本島で、えー、このあたりが尖閣になるわけですよね。そして、ここ(第11管区)で起きた事件について、その、神戸を中心とした第5管区の保安官が、なぜビデオを流出したのかってことは、最初の報道で大騒ぎされて、そして神戸と、例えばここに石垣島ですね、その、石垣海上保安部のある、石垣島と神戸は、直線距離で1500キロ離れてる、どうしてこんな遠くにっていうのはね、これあんまり言いたくないんですけれども、そこはワアワア騒がれたんですが、はっきり言うとこんな愚かな報道はないと僕は思います。そうじゃなくてですよ、これ離れてるんじゃなくて、海の守りですから、この神戸からですね、あるいは四国のあの、高知県から、南に下がって管区があるわけですね。この一目瞭然、この、地図のとおり、つまりこの四国の端っこから、宿毛(すくも)のところから南に下りていくと、そこは11管区の管轄とこう接するわけですよ」
一同
「うん」
青山繁晴
「そしてここ(第11管区)で、その、はっきり言うと、違法操業をやったり、悪いことをしてる中国の船、その中には、また日本の暴力団の船もあったりしますよ、そういうのが逃げてこっち(第5管区)に入ってきたことが過去に何度もあって、現在進行形なんですよ。そして拘留はしてませんが、中国の漁船、あるいは偽装漁船は、日本の巡視船に、一度はぶつけたことはあるんです。公表してません。今回2回連続でぶつけたから、最も悪質なわけですけれども。そういうのが、ここ(第5管区)に入ってきたこと何度もあるんですよ。あるんです。もう一回言いますが、2回ぶつけたってのは初めての悪質なケースだから、ここに逃げ込んできた時に、神戸を含む第5管区の人たち、保安官は、どうしたらいいのかってことを勉強しなきゃいけないから。だから、まさしく見なきゃいけないもんだったっていう、はっきりした証拠なんですよ。で、従って、えー、ついに検察の内部の、あの、対決の結果、逮捕は見送られて、任意のまま、つまりあの保安官が手錠かけられることはなくなったんですが、でも皆さん、まだまだ勝負は決着とは言わずに、今後その、処分をどうするのか。刑事処分、これは海上保安庁の中では、例えば懲戒停職とか懲戒免職とかいろんな選択肢があります、そうじゃなくて、私たちの法律に基づく、処分はどうなるのかってことは、実は現実はこうなんですね。はい、出して下さい」
村西利恵
「現実的な可能性はこの2つ。略式起訴による罰金刑か、起訴猶予」
青山繁晴
「はい。ここに現実的ってあえて入れたのはですよ、月曜日に逮捕しないってことが決まってから仙谷官房長官が、火がついたように、もう、あんなのは、その、驚天動地、言語道断の犯罪なんだから、何で逮捕しなかったんだ、おかしいおかしいと言ってるでしょ。そうやって仙谷さんは、あの、仙谷さんってやっぱり、法廷で弁護士として演技する時のまま、その、全て言われてる感じなんですけれども」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「それは本当はですよ、その、いや、本当の前にね、官房長官の言うことをまともに聞いたら、もう一回、その、厳しいことやって、政治裁判をやれっていうように見えるじゃないですか」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「それ本当は官邸は困るんですよ。だって裁判になると、弁護側は、そもそも中国人船長釈放したことは何なのかってことを、蒸し返すっていうか、もう一回原点に戻ってそれをやりますから、それは困るから、官邸の本音は、いや、もう略式起訴、ね、これ例えば僕らの交通違反と同じで、その、罰金払えばいい、それまでのそのいきさつっていうのは、ま、闇に葬られるっていうか、表に出ることはなくなっちゃうわけですよ。官邸はほんとはこれ(略式起訴)を目指してて、そして現在は、最高検がこれをやれ、もう今度はこれにしろって言ってて」
一同
「はあー(驚き)」
青山繁晴
「そして逮捕しません、ね、そしてあれは守るべき秘密ではなかったと、みんなが見るべきもんだったと言ってる東京地検だけじゃなくて、東京高検や、最高検の中の、つまりそもそも船長を釈放するなって言ってた検事たちは、いやもう起訴猶予にすべきだと。起訴猶予って意味はですね、これ不起訴ということです。不起訴にはいくつか種類があります。例えば小沢さんを不起訴にしたのは、その、証拠が足りないと。容疑はあるけども証拠が足りないという不起訴だったですね。そしてこの場合、えー、この検察の中の一部がやろうと、例えば東京地検が主張してるのは、犯罪事実はありますと。しかしその犯罪と言われるものは、その、裁判にかけて、その、罪を与えるほどのものではありませんと。どうしてかというと、あのビデオそのものが、みんなが見るべきものだったからと。だから起訴猶予、つまり不起訴にしようということで、いまだにこれ、せめぎ合いが続いてるわけですね」
山本浩之
「いやー、その話伺って、途中で申し訳ないんですけど、あの、検察もとやかく言われますけど、あの、さっきのそのレジスタンスの話もですね、健全なるレジスタンスだし、そのせめぎ合いのところでも、感情論ではないということをですね、見事に論破して、やっぱり、ちゃんとした人はいるんだなっていう気がしますね」
青山繁晴
「そうです。あの、これは僕たちの救いでね、あの、検察がとやかく言われるのは当然のことで、大阪地検特捜部の主任検事だった前田さんていう人が、証拠を改竄したっていうのは、これはもうそれこそ驚天動地の話であってね、検察批判は必ずされなきゃいけないけれども、しかし批判されるからこそ、あるいは批判されながら、何とか、目に見えないところで、良心を貫こうと、日本の民主主義の根幹の司法の独立を守ろうとしてる人たちがいるっていうのは、やっぱり…」
山本浩之
「いやー、ほんとすごいですね」
青山繁晴
「僕たちの救いなんですよ。で、その上でね、今日はもうひとつ、この件を考えなきゃいけないんですね。はい」
村西利恵
「13日から14日にかけて、APEC首脳会議が行われました」
青山繁晴
「はい。これが、ま、これ菅さんですけど、菅さんがどうして、その菅さんの意気込みが、あれほど無残な結果に終わってしまったのかと。えー、その陰にも、実は、官僚の動きがあったんです。えー、それも一切報道されてません。えー、そのことを後半にお話しするんですが、キーワードはこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『まさか中国と…』。CMのあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「いちばん最初の青山さんのキーワードは、『レジスタンスとサボタージュ』でしたね。じゃあ今度はそのサボタージュが、APECの舞台でどう関わってくるのか。続きをお願いします」
青山繁晴
「はい。皆さんあの、そもそも、結局APECって何だったのかと。あの、僕、タクシーの運転手さんにも聞かれたんですけどもね。その疑問は当然で、本当はそのAPEC、もうこれもアルファベットで馴染みにくいと思いますが、本来の英語は、Asia-Pacific Economic Cooperation、つまり、経済協力、特にこのEですね、Economic、つまり経済の話で、しかもアジア太平洋、太平洋を囲んで、その、アメリカも含めてですよ、アジア諸国も全部含めてた21カ国、だから、こっちから見ると、アメリカ、南米、そして、その、オーストラリア、ニュージーランド、そしてアジアっていうね、こういうその広いその、丸い、こう円の中に入る国々が21カ国あって、それが、要はEUみたいに、やがて経済統合しましょうよと、ね。統合を図っていきましょうって、そういう、いわば非常に重要な大きな目的を持った会議。なのに、今回はそうじゃなくて、例えば日中とか日露っていう2国間、これバイの会談って言いますけど、2国間の会談ばっかり焦点が当たってしまって、そしてメディアもそこばっかり報じたわけですよ。本筋からずれたことを、外れたことを上手に利用してサボタージュをやる、ちょっと困った人たちがいるということなんですね。それをまさしく、具体的に見るために、あの2つの首脳会談をちょっと見てみましょう。はい、出して下さい」
村西利恵
「13日土曜日に、日中、日露、2つの首脳会談が行われました。時間を見ると、日中首脳会談が午後5時20分、そして日露首脳会談は午後6時でした」
青山繁晴
「はい。これ6時ってあの、日露首脳会談、ちょうどキリのいい時間から始まったように見えますが、これ実はほんとは大幅に遅れて、ほんとは5時40分からやるはずが、20分遅れちゃったんですよ。えー、もっとはっきり言うと、このメドベージェフ大統領を、菅さんが待たせたわけです。おっ、菅さんわりとやるなと思った人いるかもしれませんが、違います(笑)。そうじゃなくてですよ、そうじゃなくて、本当は、日中首脳会談がなかなかやってもらえると決まらなくて、菅さんやきもきして、やきもきして、10分前になって、やっぱり日中首脳会談やりましょうと、胡錦濤さんやりましょうってことになって、それを待ってる間に遅れちゃって、この、ずれ込んだっていうだけなんですよね」
一同
「うーん」
青山繁晴
「で、ところがですよ、この日中首脳会談でその、なかなかできなくて当然だ、尖閣諸島でこれだけ揉めたんだから、ね、例えば廊下で、温家宝首相と懇談したからいっぱいそれ報道積み重なって、何となく国民の側も、日本国民の側も、まあ、その、ギリギリまでできるかどうか分かんなかったのはやむを得なかったのかなっていう感じになってるでしょうが、それが実は全く違うんですよ。本当はこうです。はい、出して下さい」
村西利恵
「外務省のサボタージュとありますが、政府高官によりますと、『ホスト国が首脳会談を断られた前例はない。しかし、菅総理はそれを知らなかった』」
青山繁晴
「はい。これは、そのホスト国っていうのはですね、まさしく今年APEC15年ぶりに日本で開いて、その開いた国の首相か大統領がホストになるわけですよね。つまりあの、仕切り役ですよね。で、その仕切り役が、首脳会談やりたいと言った時にですよ、ご病気でもない限り相手が断ったら、その国はいったい何なんだってことになるわけですよ。だから、ホスト国の申し出に対して断った前例ってのは今まで一度もありません。で、ましてや中国は、この、尖閣も含めですね、世界の孤児になりつつありますね。やっぱり中国ってのはとってもやりにくい国だと、経済強くなってかえって困るなと、世界が思い出してる。それは中国にとっても困りますから。こんな時にホスト国の申し出を断れるはずがない。それは外務省も百も承知なのに、それを菅総理に全く伝えなかった」
村西利恵
「分かっていたのに言わなかった」
青山繁晴
「はい。で、そうすると、実は何が起きたかというとですよ、例えば中国は演技してるわけじゃないですか。本当は首脳会談やらなきゃいけないのに、いや、やるかどうか分かりませんと。つまり高く売ってるわけですね。そうすると、菅さんとしてはだんだんだんだん、中国に対してこう、低姿勢にならざるを得ないですよね」
村西利恵
「お願いしますというふうになっちゃいますよね」
青山繁晴
「そして外務省はサボタージュしてなかったら、つまり破壊的なことやらないんだったら、総理、心配ありませんと、必ず中国は首脳会談応じなきゃいけないから、こう(低姿勢)じゃなくて、ちゃんと身体立て直して、しっかりなさったらいいんですと、いうことをやるはずが、これをやらないで、いわば、その、菅さんの、膝にこう、何て言いますか、ね、あの、手刀入れてるようなものなんですよ、本当は。その結果、何が起きたかというと、皆さんご存知のこれですね」
村西利恵
「日中首脳会談に臨んだ菅総理は、胡錦濤さんが横にいるにもかかわらず、手にしたメモを読み出しました」
青山繁晴
「えー、これね、まずね、この胡錦濤さんのこの、この口元をね、ちょっと見て下さい、これね」
村西利恵
「空いてますね」
青山繁晴
「ね。これね、あの、僕はもと政治記者ですから、いろんな首脳会談を見ましたが、その、特にね、中国の首脳って、首脳会談の経験多いんですよ。これは中国に旅行された方ご存知でしょう。ホテルでテレビ付けて下さい。もうやたらアフリカや中南米からいろんな首脳が来て、ずっと胡錦濤さん、首脳会談やってるじゃないですか。しかし、どんなちっちゃな国から来ても、メモを読んだ首脳ってのはいないんですよ」
村西利恵
「はあー」
山本浩之
「でしょうね」
青山繁晴
「で、僕もう一回一生懸命調べて、外務省にも、それこそ外務省にも聞いたんですが、いや、1人もいませんと。よくそれを僕に言うなと思うんですが(一同笑)、だから(胡錦濤は)びっくりしてんですよ、実は。ね。口あんぐりってまでは行きませんよ、しかし半開きの状態になってるわけですよ。ね。で、こう見るとですよ、中国の方は、ほんとは首脳会談やらなきゃいけないのに、本当はその、日本側の出方によってはやらないこともあるよって演技してたんですね。で、それに、まさか外務省が裏で、手を組んだとまでは僕も言いませんが、しかしですよ、外務省はそれを知っていて、菅総理に教えなかったっていうことは、まさかとは思うけれども、中国とてんてんてん(キーワードの『中国と…』)、手を組んだように見えなくもないね、っていうか、見えてしまっても不思議じゃないね、そういうことなんですよね。で、これを、やっぱりサボタージュって強い言葉を言わざるを得ないし、僕は外務省の何人かにそれをぶつけました。そしてその上でね、もう一つ、重大なことが浮かび上がってくるのはこれなんですね。はい」
村西利恵
「日露首脳会談で菅総理は、『大統領が国後島を訪問したことはわが国の立場、そして日本国民の感情から受け入れられない』と話しました」
青山繁晴
「はい。あの、この『アンカー』をやっててですね、あの、僕はあの、元同僚の記者から、何か最近青山ちゃん、いつも怒ってるんだねみたいに言われたんですよ。記者時代の僕はあんまり怒らなかったから。だから本当は怒ってないんですけど、これは正直ね、僕、怒ってるんですよ。これ勝手に言わないで下さいよ。ね。これだって要するに、日本国民が北方領土を取り返したいと言ってるのは、感情論だって話ですよ?皆さん、国民そうですか?あるいは北方領土に住んでた方が、その島に戻りたいとおっしゃてるのは感情論、情緒論で言ってんですか?そうじゃありませんね。それなのに、このようなことを総理が言いですよ、しかもこれは外務省が振り付けた言葉なんです。それは僕は外務省の側から確証は取りました、僕なりに」
山本浩之
「ああー」
青山繁晴
「そして皆さん、これ、この言葉聞くとね、(コーナーの)時間はなくてもね、思い出していただきたいことが1個あるんですよ。かつて小泉総理が靖国神社に参拝した時に、中国側がいつも、中国国民の感情を傷つけたって言ってたでしょ。それはそう言うしかないんですよ。だって国際法のどこを見てもですよ、自国の兵士、亡くなった兵士を、自国の首相がどういうふうに弔おうが、外国に言われる筋合いはないんですよ。だから中国としては、感情を傷つけたって言うしかないわけですよね。それを、同じことをですよ、菅さんに外務省は振り付けて言わせてるわけですよ。もう一回言いますが、まさか手を組んだわけじゃないだろうけれども、結果としては中国と手を組んだんじゃないかと言わざるを得ないし、そして、これはロシアにとっては万々歳ですね。北方領土返還論って、ただの感情論だと。ね。国民の情緒的な思いなんだから、そこを頭なでなでしてあげればいいんでしょと。ロシアにとっては、こんな上手くいった会談はないわけですよ。そしてこの話はね、さっきの検察の話と違ってちょっと救いがないように見えるんですよ。その、あの、外務省が、外務官僚がこう嫌がらせをやって、その、何の得になるのか。ま、政治主導をやりたいと言った民主党政権への嫌がらせでもあるんでしょう。ところがですよ、その外務省自身が実は大きな失敗をしてるんです。はい、出して下さい」
村西利恵
「外務省の失敗、それはアメリカ頼み」
青山繁晴
「はい。これはね、ひとつには、その外務官僚が、自分の思った嫌がらせをやれてよかったねって話じゃありませんよと、外務省もでっかい大きな失敗してますよってことなんですよ。というのは、アメリカ頼みっていうのはね、日米首脳会談だけ今回はその変な、その、嫌がらせみたいなのなかったわけですよ。ね。普天間は今後、沖縄県知事選、今月終わりますが、そのあとまた真っ暗な状況になるのに、そういうことも触れないように、日米首脳会談は外務省も協力して上手く仕切ったわけですよ。つまりどういうことかというと、次の政権を見て、外務省は日米関係だけは守ったってことを印象付けたいわけですよ。ところがこれが間違いなんです。その証拠はこれです」
村西利恵
「その理由は、オバマ大統領のアジア歴訪失敗」
山本浩之
「失敗ですか」
青山繁晴
「失敗です。オバマ大統領が今回アジアを回ったっていうセンスには僕はちょっと脱帽するんですよ。APECに合せて、アジアの国々を回ってですね、中国に対して包囲網を作ろうとした」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「それは軍事面、安全保障では上手くいったんです。インドやインドネシアと新しい軍事同盟を実質作るステップを踏んだから。ところが、経済で、ね、さっき言ったでしょ、APECは経済の会議なんです、本来は。経済で失敗してるんです。例えば人民元をもうちょっと、もうちょっと高くして、実態に合せて下さいってこともできなかった。あるいは韓国との自由貿易協定の決着もできなかった。だからアメリカが弱ってる、何が弱ってるっていうとドルが弱ってるんです。弱ったドルのアメリカに頼んだらダメなんで、これは、もうさっきから、もう時間だからやめましょうって(スタッフから指示が)出てるんですけど、でも最後までやらなきゃいけないのはですね、これは外務省も、政治家も、それから官僚世界も、あの、国会議員の方々も、今の体制は全体として、今の世界の動きに合ってないってことなんですよ(CMへのジングルが入る)。僕らは決然として、世の中変えなきゃいけないと思います」
山本浩之
「はい。ありがとうございました」
____________________________内容紹介ここまで
最後は時間なくなって強引にCMに行っちゃいましたが、「今の世界の動きに合ってない」って青山さんの最後の言葉、ほんとそのとおりだと思いますわ。
「日本の常識は世界の非常識」(by竹村健一さん)ってのは昔から言われてましたが、今の日本政府、民主党政権のやってることってのは、もう、普通の日本国民の目から見ても明らかに非常識じゃないですか。
私はちょっと前までは、「今たとえ解散総選挙になっても、『もう少し様子を見よう』って民主党に投票しちゃう有権者はけっこういるだろうなぁ」と思ってましたが、そんな甘い有権者はもうグッと数が減ってきてますよね。
残念ながら対抗できる強力な野党ってのも実は存在はしてないんですが、それでもとにかく「民主党だけはもう勘弁して」って人が、あの中国人船長を釈放したあたりから急増しているのは確かだと思います。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
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「で、どうしてそれが起きたのかということを、当然これは、これあの、もう一回言いますが、警察と検察が一緒にやってるけれども、しかし主導権を持ってるのは検察なんですよ。そもそも検察の方が上ですからね。あの、いわば格、あの、格上って言葉がいいかどうか分からないけども、警察が調べて検察に送る。検察の方が組織として上にいるから。だからこの検察の側と、それから警察の側にも念のため、何で土・日休んだんですか?ということを聞いてきましたら、こういう証言が出ました。はい、出して下さい」
村西利恵
「検察幹部によると、逮捕は見送りのウラで、『官邸と最高検からは“逮捕せよ”という強いプレッシャーがあった』」
青山繁晴
「はい。えー、これ皆さんご承知のとおり、東京地検の判断として、えー、もう逮捕しないと、つまり手錠をかけないと、その人の自発的な意思に任せる、つまり任意ですね、そういう捜査にしますと、いう結論に、この週が明けた、一昨日の月曜日になったんですけど、それに至るまでに、逆に、その政治の側、つまり官邸と、そして同じ検察の中でも、東京地検は逮捕したくないと言ってるのに、最高検からは、強く、逮捕しろ!ということを言ってきたと。これ、具体的に申しますとね、まず検察の内部で言うと、この大林検事総長、これ、あの、検察はこういうピラミッド社会ですが、その頂点にいる人ですが、この頂点の大林さんから見たらですよ、東京地検ってのは格下なんですよ。検事総長がいて、最高検察庁、最高検があって、その下に、高等検察庁、ね、例えば東京高検、大阪高検ってあって、その下にやっと地方検察庁、東京地方検察庁、東京地検ですね、あるいは大阪地検って来るわけですね。だから、検事総長から東京地検まではずいぶん間があって、直接来たんじゃなくて、この検事総長ないしは最高検からですよ、その、いや、ごめんなさい、その、最高検の中で、大林検事総長から最高検の公安部長を使って、これ、えー、勝丸さんって人なんですけどね、勝丸公安部長から東京地検に、逮捕しろ!早く逮捕しろ!ってことをずっと言ってきて、それに対して、いや、逮捕しない、逮捕しないっていうことを、抵抗してたと。激しい内部対立があって、一切表に出てない。その陰には、実は仙谷官房長官から、皆さん、あの、さっきの柳田法務大臣を通じて、柳田法務大臣からこの大林さんには、早く逮捕しろっていう圧力までありましたと」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「そしてそもそも中国人船長を、釈放する時にも、無罪放免、実質的にした時にも、同じことありましたね、この『アンカー』ではっきり申しましたね」
一同
「はい」
青山繁晴
「仙谷官房長官から柳田法務大臣に下ろして、柳田法務大臣はそのまま大林さんに投げて、大林さんがそれに屈服して、下に、那覇地検に、釈放させたと。ね。あれ未だにあのように報道してきたの、この『アンカー』だけですけれども、それがいわば正しかったことの証明にも僕はなると思ってますし、この検察幹部は、そのとおり、あの、これは東京にいる検察の首脳陣の1人ですが、あの、関西テレビの『アンカー』でやったとおりですってこともおっしゃったわけですよ。で、その上で、じゃあ、その東京地検は、その、どういう行動に出たかというと、それがこれだったわけです。はい、出して下さい」
村西利恵
「東京地検が取った行動は、異例の土曜・日曜、聴取なし」
青山繁晴
「はい。これどういうことかというとですね、あの、意味は、もう皆さんかなりお分かりになると思うんですが、これなんですね、はい」
村西利恵
「検察幹部によると、『最高検へのレジスタンスだ』」
山本浩之
「なるほど」
青山繁晴
「はい。つまり週末だから休んだんじゃなくて、最高検にわれわれは断固抵抗しますよってことを見せるための、聴取なしだったんですね。それを理解していただくために、もう一度あの表、見ていただけますか。1週間の表を」
村西利恵
「はい。日程に戻ります」
青山繁晴
「はい。これ見ていただくとですね、要するに東京地検は何を言おうとしたかというと、3日間調べて、最初は保安官の供述、つまり喋ることに揺れはありましたと。それ今は皆さん理由分かりますね。実はそもそも、あのビデオを、その、えー、ダウンロードしたのは、最初が、ご自分が最初じゃなくて、同僚の保安官が最初にやってたから、そういう人に迷惑がかかることを怖れて、どこから入手したかって話が、一時期こう揺れたんですよ。でも調べてるうちに、もうちゃんと定まって、矛盾はなくなった。そして自宅の捜索もやりました。海上保安庁も資料出しました。だからもう、調べることはありませんと。3日間で十分、もうかなり固まりましたと。ね。だから土・日やらなかったっていうのは、もう調べることがほとんどありませんよってことなんですよ」
村西利恵
「なるほど」
青山繁晴
「それをメッセージとして、最高検に送り、最高検から官邸にも伝わるように仕向けたっていうのが、東京地検の苦肉の策だったわけですね。苦肉のレジスタンスだった。で、それなのに、調べることはもうほとんど残ってないのに、今さら逮捕しろというのかと、ね、というのが、実は月曜日で、月曜日も任意で続けてるうちに、実は東京地検は、これ東京地検内部の人の証言によると、様子見てましたと。最高検は、あいかわらず、あの、逮捕しろと言ってきたけど、その上の、官邸から具体的なことが下りてくるのか、最高検を通じて下りてくるのかを見てたら、来なかったと」
一同
「ほうー」
青山繁晴
「来なかったから、もう今しかないと思って、月曜日に、いやもう逮捕しませんってことを、メディアにも、実質的に公表したんですと。で、僕はそれは、官邸が言ってこなかったのは、このギリギリの場面で言ってこなくなったのはどうしてでしょうかと、聞いたらですね、これは、いや、世論の力だと思いますってことをはっきりおっしゃいました」
村西利恵
「ああー」
青山繁晴
「つまり、あの、英雄視するわけではないけれども、逮捕までするのはおかしいんじゃないかと、いう世論が高まったので、官邸は身動きとれなかったんでしょうと、ね、いうふうに、複数の幹部が申し、あの、おっしゃってですね。そして、じゃあ東京地検をはじめとして、検察の中に、逮捕しちゃいけないっていう意見がどうしてそんなに強かったのかというと、それはこれですよね」
村西利恵
「このレジスタンスの根源は、中国人の船長を釈放して、日本の海の保安官を逮捕できない」
青山繁晴
「はい。これは、皆さんご承知のとおりですが、外国人、中国人の船長は、あれほどのはっきりした犯罪を犯しながら釈放してるのに、同じことに絡んで、ま、その、例えばビデオ流出とぶつけたのと、悪質性もほんとは違うぐらいですからね。外国人、中国人は釈放して、日本の海の保安官は、逮捕するのかと。そんなアンバランスなことができますかと、いう主張をまずしましたと。そうしたら、実は最高検の側からですね、特にあの、最高検の側ってのは不正確ですね、最高検の中の大林検事総長を中心とする、逮捕しろっていう側は、こんなのは感情論だと。法律論じゃないじゃないかと。情緒論だからそんなのおかしいと言ってきた時に何が起きたかというと、皆さんもう一回僕の手を見て下さいね。(検察のピラミッド社会のジェスチャー)その、光輝くトップの検事総長がいて、東京地検はだいぶ下です。この間に、実は他の方々いるわけですね。で、例えば東京地検ていう力の強いところもいるんですね。その東京高検の検事長が、実は検察の中で、全部の中でナンバー2なんですよ。ね。で、誰がどれだって言いませんけれども、この、東京地検と最高検の間で、これが情緒論なのかどうなのかになった時にですね、その間に、ガン、あの、ドーンと割って入った人たちが複数いてですね、検察の内部で。検事総長に向かって、これが情緒論て言うならば、じゃあこれはどうなんだよと言った人たちがいるんです。はい、出して下さい」
村西利恵
「はい。東京地検の判断のポイントは、このビデオは『見てはいけない』ものではなく、『見なくてはいけない』ものだった」
山本浩之
「そのとおりですね!」
青山繁晴
「はい。で、これをね、ここ(モニター)には東京地検の判断ポイントになってます。そのとおり、東京地検側からですよ、一生懸命、最高検の公安部長を通じて、検事総長にも言ったんですけど、このとおりだと、ヤマヒロさんが言ったとおり…」
山本浩之
「そのとおりですよ」
青山繁晴
「このとおりじゃないかってことを、実は最高検の中にも、東京高検の中にも、ね、つまり間に入った人たちが、このとおりだと。つまり、見てはいけない秘密じゃなくて、それどころか、国民も海上保安官も見なくちゃいけないもの、公開しなきゃいけないものじゃないかと。だから法律から言ったら、これはまさしく国家公務員法の守秘義務で言うところの、秘密には当たらないと。感情論じゃないと。だから検事総長、あなたが間違ってるんだというやり取りが、実はずっと繰り返されてきたんですよ」
一同
「はあー」
青山繁晴
「そして、その時に、じゃあその、証拠として、いわばこの、見なくてはいけないものだった証拠として、その逮捕するなって側が挙げたのは、実はこれだったんです」
村西利恵
「この映像ファイルは、海上保安大学校にあった」
青山繁晴
「はい。で、これも報道されましたが、皆さんほんとにあの、国民は、あの、気を付けられるべきだと思うのはですね、要するに、ずさんだずさんだっていうその管理、危機管理の話になってるわけですよね。で、海上保安大学校が何となく勉強用に保存して、で、それをその、第5管区海上保安本部の、あの告白した保安官以外の方がね、自分の勉強用に他のファイルを見ようとしたら、たまたまそこにあったので、これは面白いと思って興味を持って、ダウンロードしたと報道されてるじゃないですか、全体に。それは実は事実と違うんですよ、僕が知る限りは。そうじゃなくて、これはですね、見なきゃいけないもの、海上保安官、海の保安官だったら見なきゃいけないから、海上保安大学校にちゃんと置いたんですよ。これは例えば、大阪大学や東京大学と違って、研究機関であるよりも、実務の学校ですから。実務として、みんな見なきゃいけないよと。だから海上保安大学校に置かれたというのは、その、たまたまとか偶然って話じゃなくて、海の保安官が見なきゃいけなかったものだからって証拠なんです。で、それはですね、これを見ていただくともっとよくお分かりになります。はい、出して下さい」
村西利恵
「地図でご覧いただきます」
青山繁晴
「はい。これ、第11管区って沖縄県の管轄の海上保安本部のことですね。そしてこれ沖縄本島で、えー、このあたりが尖閣になるわけですよね。そして、ここ(第11管区)で起きた事件について、その、神戸を中心とした第5管区の保安官が、なぜビデオを流出したのかってことは、最初の報道で大騒ぎされて、そして神戸と、例えばここに石垣島ですね、その、石垣海上保安部のある、石垣島と神戸は、直線距離で1500キロ離れてる、どうしてこんな遠くにっていうのはね、これあんまり言いたくないんですけれども、そこはワアワア騒がれたんですが、はっきり言うとこんな愚かな報道はないと僕は思います。そうじゃなくてですよ、これ離れてるんじゃなくて、海の守りですから、この神戸からですね、あるいは四国のあの、高知県から、南に下がって管区があるわけですね。この一目瞭然、この、地図のとおり、つまりこの四国の端っこから、宿毛(すくも)のところから南に下りていくと、そこは11管区の管轄とこう接するわけですよ」
一同
「うん」
青山繁晴
「そしてここ(第11管区)で、その、はっきり言うと、違法操業をやったり、悪いことをしてる中国の船、その中には、また日本の暴力団の船もあったりしますよ、そういうのが逃げてこっち(第5管区)に入ってきたことが過去に何度もあって、現在進行形なんですよ。そして拘留はしてませんが、中国の漁船、あるいは偽装漁船は、日本の巡視船に、一度はぶつけたことはあるんです。公表してません。今回2回連続でぶつけたから、最も悪質なわけですけれども。そういうのが、ここ(第5管区)に入ってきたこと何度もあるんですよ。あるんです。もう一回言いますが、2回ぶつけたってのは初めての悪質なケースだから、ここに逃げ込んできた時に、神戸を含む第5管区の人たち、保安官は、どうしたらいいのかってことを勉強しなきゃいけないから。だから、まさしく見なきゃいけないもんだったっていう、はっきりした証拠なんですよ。で、従って、えー、ついに検察の内部の、あの、対決の結果、逮捕は見送られて、任意のまま、つまりあの保安官が手錠かけられることはなくなったんですが、でも皆さん、まだまだ勝負は決着とは言わずに、今後その、処分をどうするのか。刑事処分、これは海上保安庁の中では、例えば懲戒停職とか懲戒免職とかいろんな選択肢があります、そうじゃなくて、私たちの法律に基づく、処分はどうなるのかってことは、実は現実はこうなんですね。はい、出して下さい」
村西利恵
「現実的な可能性はこの2つ。略式起訴による罰金刑か、起訴猶予」
青山繁晴
「はい。ここに現実的ってあえて入れたのはですよ、月曜日に逮捕しないってことが決まってから仙谷官房長官が、火がついたように、もう、あんなのは、その、驚天動地、言語道断の犯罪なんだから、何で逮捕しなかったんだ、おかしいおかしいと言ってるでしょ。そうやって仙谷さんは、あの、仙谷さんってやっぱり、法廷で弁護士として演技する時のまま、その、全て言われてる感じなんですけれども」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「それは本当はですよ、その、いや、本当の前にね、官房長官の言うことをまともに聞いたら、もう一回、その、厳しいことやって、政治裁判をやれっていうように見えるじゃないですか」
村西利恵
「そうですね」
青山繁晴
「それ本当は官邸は困るんですよ。だって裁判になると、弁護側は、そもそも中国人船長釈放したことは何なのかってことを、蒸し返すっていうか、もう一回原点に戻ってそれをやりますから、それは困るから、官邸の本音は、いや、もう略式起訴、ね、これ例えば僕らの交通違反と同じで、その、罰金払えばいい、それまでのそのいきさつっていうのは、ま、闇に葬られるっていうか、表に出ることはなくなっちゃうわけですよ。官邸はほんとはこれ(略式起訴)を目指してて、そして現在は、最高検がこれをやれ、もう今度はこれにしろって言ってて」
一同
「はあー(驚き)」
青山繁晴
「そして逮捕しません、ね、そしてあれは守るべき秘密ではなかったと、みんなが見るべきもんだったと言ってる東京地検だけじゃなくて、東京高検や、最高検の中の、つまりそもそも船長を釈放するなって言ってた検事たちは、いやもう起訴猶予にすべきだと。起訴猶予って意味はですね、これ不起訴ということです。不起訴にはいくつか種類があります。例えば小沢さんを不起訴にしたのは、その、証拠が足りないと。容疑はあるけども証拠が足りないという不起訴だったですね。そしてこの場合、えー、この検察の中の一部がやろうと、例えば東京地検が主張してるのは、犯罪事実はありますと。しかしその犯罪と言われるものは、その、裁判にかけて、その、罪を与えるほどのものではありませんと。どうしてかというと、あのビデオそのものが、みんなが見るべきものだったからと。だから起訴猶予、つまり不起訴にしようということで、いまだにこれ、せめぎ合いが続いてるわけですね」
山本浩之
「いやー、その話伺って、途中で申し訳ないんですけど、あの、検察もとやかく言われますけど、あの、さっきのそのレジスタンスの話もですね、健全なるレジスタンスだし、そのせめぎ合いのところでも、感情論ではないということをですね、見事に論破して、やっぱり、ちゃんとした人はいるんだなっていう気がしますね」
青山繁晴
「そうです。あの、これは僕たちの救いでね、あの、検察がとやかく言われるのは当然のことで、大阪地検特捜部の主任検事だった前田さんていう人が、証拠を改竄したっていうのは、これはもうそれこそ驚天動地の話であってね、検察批判は必ずされなきゃいけないけれども、しかし批判されるからこそ、あるいは批判されながら、何とか、目に見えないところで、良心を貫こうと、日本の民主主義の根幹の司法の独立を守ろうとしてる人たちがいるっていうのは、やっぱり…」
山本浩之
「いやー、ほんとすごいですね」
青山繁晴
「僕たちの救いなんですよ。で、その上でね、今日はもうひとつ、この件を考えなきゃいけないんですね。はい」
村西利恵
「13日から14日にかけて、APEC首脳会議が行われました」
青山繁晴
「はい。これが、ま、これ菅さんですけど、菅さんがどうして、その菅さんの意気込みが、あれほど無残な結果に終わってしまったのかと。えー、その陰にも、実は、官僚の動きがあったんです。えー、それも一切報道されてません。えー、そのことを後半にお話しするんですが、キーワードはこれです(フリップ出す)」
村西利恵
「ここでズバリキーワードは、『まさか中国と…』。CMのあと詳しく話していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「いちばん最初の青山さんのキーワードは、『レジスタンスとサボタージュ』でしたね。じゃあ今度はそのサボタージュが、APECの舞台でどう関わってくるのか。続きをお願いします」
青山繁晴
「はい。皆さんあの、そもそも、結局APECって何だったのかと。あの、僕、タクシーの運転手さんにも聞かれたんですけどもね。その疑問は当然で、本当はそのAPEC、もうこれもアルファベットで馴染みにくいと思いますが、本来の英語は、Asia-Pacific Economic Cooperation、つまり、経済協力、特にこのEですね、Economic、つまり経済の話で、しかもアジア太平洋、太平洋を囲んで、その、アメリカも含めてですよ、アジア諸国も全部含めてた21カ国、だから、こっちから見ると、アメリカ、南米、そして、その、オーストラリア、ニュージーランド、そしてアジアっていうね、こういうその広いその、丸い、こう円の中に入る国々が21カ国あって、それが、要はEUみたいに、やがて経済統合しましょうよと、ね。統合を図っていきましょうって、そういう、いわば非常に重要な大きな目的を持った会議。なのに、今回はそうじゃなくて、例えば日中とか日露っていう2国間、これバイの会談って言いますけど、2国間の会談ばっかり焦点が当たってしまって、そしてメディアもそこばっかり報じたわけですよ。本筋からずれたことを、外れたことを上手に利用してサボタージュをやる、ちょっと困った人たちがいるということなんですね。それをまさしく、具体的に見るために、あの2つの首脳会談をちょっと見てみましょう。はい、出して下さい」
村西利恵
「13日土曜日に、日中、日露、2つの首脳会談が行われました。時間を見ると、日中首脳会談が午後5時20分、そして日露首脳会談は午後6時でした」
青山繁晴
「はい。これ6時ってあの、日露首脳会談、ちょうどキリのいい時間から始まったように見えますが、これ実はほんとは大幅に遅れて、ほんとは5時40分からやるはずが、20分遅れちゃったんですよ。えー、もっとはっきり言うと、このメドベージェフ大統領を、菅さんが待たせたわけです。おっ、菅さんわりとやるなと思った人いるかもしれませんが、違います(笑)。そうじゃなくてですよ、そうじゃなくて、本当は、日中首脳会談がなかなかやってもらえると決まらなくて、菅さんやきもきして、やきもきして、10分前になって、やっぱり日中首脳会談やりましょうと、胡錦濤さんやりましょうってことになって、それを待ってる間に遅れちゃって、この、ずれ込んだっていうだけなんですよね」
一同
「うーん」
青山繁晴
「で、ところがですよ、この日中首脳会談でその、なかなかできなくて当然だ、尖閣諸島でこれだけ揉めたんだから、ね、例えば廊下で、温家宝首相と懇談したからいっぱいそれ報道積み重なって、何となく国民の側も、日本国民の側も、まあ、その、ギリギリまでできるかどうか分かんなかったのはやむを得なかったのかなっていう感じになってるでしょうが、それが実は全く違うんですよ。本当はこうです。はい、出して下さい」
村西利恵
「外務省のサボタージュとありますが、政府高官によりますと、『ホスト国が首脳会談を断られた前例はない。しかし、菅総理はそれを知らなかった』」
青山繁晴
「はい。これは、そのホスト国っていうのはですね、まさしく今年APEC15年ぶりに日本で開いて、その開いた国の首相か大統領がホストになるわけですよね。つまりあの、仕切り役ですよね。で、その仕切り役が、首脳会談やりたいと言った時にですよ、ご病気でもない限り相手が断ったら、その国はいったい何なんだってことになるわけですよ。だから、ホスト国の申し出に対して断った前例ってのは今まで一度もありません。で、ましてや中国は、この、尖閣も含めですね、世界の孤児になりつつありますね。やっぱり中国ってのはとってもやりにくい国だと、経済強くなってかえって困るなと、世界が思い出してる。それは中国にとっても困りますから。こんな時にホスト国の申し出を断れるはずがない。それは外務省も百も承知なのに、それを菅総理に全く伝えなかった」
村西利恵
「分かっていたのに言わなかった」
青山繁晴
「はい。で、そうすると、実は何が起きたかというとですよ、例えば中国は演技してるわけじゃないですか。本当は首脳会談やらなきゃいけないのに、いや、やるかどうか分かりませんと。つまり高く売ってるわけですね。そうすると、菅さんとしてはだんだんだんだん、中国に対してこう、低姿勢にならざるを得ないですよね」
村西利恵
「お願いしますというふうになっちゃいますよね」
青山繁晴
「そして外務省はサボタージュしてなかったら、つまり破壊的なことやらないんだったら、総理、心配ありませんと、必ず中国は首脳会談応じなきゃいけないから、こう(低姿勢)じゃなくて、ちゃんと身体立て直して、しっかりなさったらいいんですと、いうことをやるはずが、これをやらないで、いわば、その、菅さんの、膝にこう、何て言いますか、ね、あの、手刀入れてるようなものなんですよ、本当は。その結果、何が起きたかというと、皆さんご存知のこれですね」
村西利恵
「日中首脳会談に臨んだ菅総理は、胡錦濤さんが横にいるにもかかわらず、手にしたメモを読み出しました」
青山繁晴
「えー、これね、まずね、この胡錦濤さんのこの、この口元をね、ちょっと見て下さい、これね」
村西利恵
「空いてますね」
青山繁晴
「ね。これね、あの、僕はもと政治記者ですから、いろんな首脳会談を見ましたが、その、特にね、中国の首脳って、首脳会談の経験多いんですよ。これは中国に旅行された方ご存知でしょう。ホテルでテレビ付けて下さい。もうやたらアフリカや中南米からいろんな首脳が来て、ずっと胡錦濤さん、首脳会談やってるじゃないですか。しかし、どんなちっちゃな国から来ても、メモを読んだ首脳ってのはいないんですよ」
村西利恵
「はあー」
山本浩之
「でしょうね」
青山繁晴
「で、僕もう一回一生懸命調べて、外務省にも、それこそ外務省にも聞いたんですが、いや、1人もいませんと。よくそれを僕に言うなと思うんですが(一同笑)、だから(胡錦濤は)びっくりしてんですよ、実は。ね。口あんぐりってまでは行きませんよ、しかし半開きの状態になってるわけですよ。ね。で、こう見るとですよ、中国の方は、ほんとは首脳会談やらなきゃいけないのに、本当はその、日本側の出方によってはやらないこともあるよって演技してたんですね。で、それに、まさか外務省が裏で、手を組んだとまでは僕も言いませんが、しかしですよ、外務省はそれを知っていて、菅総理に教えなかったっていうことは、まさかとは思うけれども、中国とてんてんてん(キーワードの『中国と…』)、手を組んだように見えなくもないね、っていうか、見えてしまっても不思議じゃないね、そういうことなんですよね。で、これを、やっぱりサボタージュって強い言葉を言わざるを得ないし、僕は外務省の何人かにそれをぶつけました。そしてその上でね、もう一つ、重大なことが浮かび上がってくるのはこれなんですね。はい」
村西利恵
「日露首脳会談で菅総理は、『大統領が国後島を訪問したことはわが国の立場、そして日本国民の感情から受け入れられない』と話しました」
青山繁晴
「はい。あの、この『アンカー』をやっててですね、あの、僕はあの、元同僚の記者から、何か最近青山ちゃん、いつも怒ってるんだねみたいに言われたんですよ。記者時代の僕はあんまり怒らなかったから。だから本当は怒ってないんですけど、これは正直ね、僕、怒ってるんですよ。これ勝手に言わないで下さいよ。ね。これだって要するに、日本国民が北方領土を取り返したいと言ってるのは、感情論だって話ですよ?皆さん、国民そうですか?あるいは北方領土に住んでた方が、その島に戻りたいとおっしゃてるのは感情論、情緒論で言ってんですか?そうじゃありませんね。それなのに、このようなことを総理が言いですよ、しかもこれは外務省が振り付けた言葉なんです。それは僕は外務省の側から確証は取りました、僕なりに」
山本浩之
「ああー」
青山繁晴
「そして皆さん、これ、この言葉聞くとね、(コーナーの)時間はなくてもね、思い出していただきたいことが1個あるんですよ。かつて小泉総理が靖国神社に参拝した時に、中国側がいつも、中国国民の感情を傷つけたって言ってたでしょ。それはそう言うしかないんですよ。だって国際法のどこを見てもですよ、自国の兵士、亡くなった兵士を、自国の首相がどういうふうに弔おうが、外国に言われる筋合いはないんですよ。だから中国としては、感情を傷つけたって言うしかないわけですよね。それを、同じことをですよ、菅さんに外務省は振り付けて言わせてるわけですよ。もう一回言いますが、まさか手を組んだわけじゃないだろうけれども、結果としては中国と手を組んだんじゃないかと言わざるを得ないし、そして、これはロシアにとっては万々歳ですね。北方領土返還論って、ただの感情論だと。ね。国民の情緒的な思いなんだから、そこを頭なでなでしてあげればいいんでしょと。ロシアにとっては、こんな上手くいった会談はないわけですよ。そしてこの話はね、さっきの検察の話と違ってちょっと救いがないように見えるんですよ。その、あの、外務省が、外務官僚がこう嫌がらせをやって、その、何の得になるのか。ま、政治主導をやりたいと言った民主党政権への嫌がらせでもあるんでしょう。ところがですよ、その外務省自身が実は大きな失敗をしてるんです。はい、出して下さい」
村西利恵
「外務省の失敗、それはアメリカ頼み」
青山繁晴
「はい。これはね、ひとつには、その外務官僚が、自分の思った嫌がらせをやれてよかったねって話じゃありませんよと、外務省もでっかい大きな失敗してますよってことなんですよ。というのは、アメリカ頼みっていうのはね、日米首脳会談だけ今回はその変な、その、嫌がらせみたいなのなかったわけですよ。ね。普天間は今後、沖縄県知事選、今月終わりますが、そのあとまた真っ暗な状況になるのに、そういうことも触れないように、日米首脳会談は外務省も協力して上手く仕切ったわけですよ。つまりどういうことかというと、次の政権を見て、外務省は日米関係だけは守ったってことを印象付けたいわけですよ。ところがこれが間違いなんです。その証拠はこれです」
村西利恵
「その理由は、オバマ大統領のアジア歴訪失敗」
山本浩之
「失敗ですか」
青山繁晴
「失敗です。オバマ大統領が今回アジアを回ったっていうセンスには僕はちょっと脱帽するんですよ。APECに合せて、アジアの国々を回ってですね、中国に対して包囲網を作ろうとした」
山本浩之
「そうですね」
青山繁晴
「それは軍事面、安全保障では上手くいったんです。インドやインドネシアと新しい軍事同盟を実質作るステップを踏んだから。ところが、経済で、ね、さっき言ったでしょ、APECは経済の会議なんです、本来は。経済で失敗してるんです。例えば人民元をもうちょっと、もうちょっと高くして、実態に合せて下さいってこともできなかった。あるいは韓国との自由貿易協定の決着もできなかった。だからアメリカが弱ってる、何が弱ってるっていうとドルが弱ってるんです。弱ったドルのアメリカに頼んだらダメなんで、これは、もうさっきから、もう時間だからやめましょうって(スタッフから指示が)出てるんですけど、でも最後までやらなきゃいけないのはですね、これは外務省も、政治家も、それから官僚世界も、あの、国会議員の方々も、今の体制は全体として、今の世界の動きに合ってないってことなんですよ(CMへのジングルが入る)。僕らは決然として、世の中変えなきゃいけないと思います」
山本浩之
「はい。ありがとうございました」
____________________________内容紹介ここまで
最後は時間なくなって強引にCMに行っちゃいましたが、「今の世界の動きに合ってない」って青山さんの最後の言葉、ほんとそのとおりだと思いますわ。
「日本の常識は世界の非常識」(by竹村健一さん)ってのは昔から言われてましたが、今の日本政府、民主党政権のやってることってのは、もう、普通の日本国民の目から見ても明らかに非常識じゃないですか。
私はちょっと前までは、「今たとえ解散総選挙になっても、『もう少し様子を見よう』って民主党に投票しちゃう有権者はけっこういるだろうなぁ」と思ってましたが、そんな甘い有権者はもうグッと数が減ってきてますよね。
残念ながら対抗できる強力な野党ってのも実は存在はしてないんですが、それでもとにかく「民主党だけはもう勘弁して」って人が、あの中国人船長を釈放したあたりから急増しているのは確かだと思います。
※参考リンク
・ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
青山さんに直接コメントが送れます。
・誰にも手渡してはならない自由意志
拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。
・青山繁晴氏のファンサイト・淡交 ブログ
動画の紹介など情報が大変充実しています。
※拙ブログ関連エントリー(アンカー)
・【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし
■「お気楽くっくり」更新済
はやぶさ君のおつかい大成功(^o^)
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