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「アンカー」鳩山外交は日本背信か(付:事業仕分けと米中会談)

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■11/18放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”

迷走する普天間と日米首脳会談・鳩山外交は友愛ならぬ背信か?青山がズバリ

091118-05futari.jpg 普天間移設問題におけるゴタゴタは、日米同盟だけでなく国際社会における日本の信頼も失墜させています。
 その流れで外務省と防衛省の政務三役の中に2人、すでに辞表を用意している人が!?

 間投詞(「あの」「その」など)や言い直しもできるだけ再現しました。但し、細かい相づちなどは支障のない範囲でカットしています。
 画像はYouTubeで拾ったビデオからキャプチャさせていただきました。

 コーナーの前に、「事業仕分け」、米中首脳会談について青山さんの解説がありました。この部分は要旨のみ記載、続いてコーナー本編は完全起こしでお送りいたします。


 内容紹介ここから____________________________

行政刷新会議「事業仕分け」 第1ラウンド終了 概算要求の削減額、4,380億円余りに(FNN11/18)
自民・小泉 進次郎衆院議員、内閣委員会で当選後初の質問(FNN11/18)
米中首脳会談 新時代における米中関係の進展をうたった共同声明発表(FNN11/18)

 …………上記ニュース報道のあと青山さんの解説(あくまで要旨)…………
    (  )内は山本浩之キャスターの発言です

●事業仕分けについて

 非常に深い関心を持って見ている。小泉進次郎さんの質問にもあったが、天下りを繰り返していわゆる渡りをやって、そのたびに多額の退職金をいただいていくと。そういうお金がどういうからくりでどんな予算に潜り込ませてあったのかというのが、かなり国民の前に出てきたというようなことは高く評価したい。その上で、今のような仕分けを続けていくのには大きな疑問が2つある。

 1つは、仕分け人の中に民間人がたくさん含まれていること。あくまでも予算は法に基づいて作られるもので、法的資格のない民間人がこれを削れと言う根拠はどこにあるのか。それをそのまま認めるとしたら法治国家の意味がなくなる。最終的には財務省がやるからいいと言ったら、じゃあこれは見せかけかということになる。

 しかも、仕分け人の民間人の中にたとえば外資系の方がいる。外資系の日本人も米国人もいる。外資系だから直ちに悪いと言うつもりはないが、外資系の人々も含めて民間人は普通は利害関係がある。たとえばこの予算を削って、日本のこの部分が成長できなくなったら、喜ぶ外国もあるかもしれないわけですから。その民間人が今、仕分けている予算について利害関係を持ってないことが必要だが、持ってないという証明は可能なのか。少なくとも今そういうことをちゃんと調べた形跡がないというのは、重大な疑問を持たざるをえない。

 このままやっていくと、たとえば国民が心配している中の1つが科学技術予算。いろんなメディアでも指摘されているが、みんなの共通の思いとして、科学技術というのはそもそもすぐ結果が出るはずないだろうと。すぐ結果が出ないものであっても、試行錯誤を繰り返して失敗を重ねて、失敗の巨大な山の上に次の成功があるというのが科学技術じゃないのか。それなのに今、結果が出ないからといって切るというのは、むしろこの日本の力を貶めて、日本は科学技術立国しかないのに、その未来を断ち切るんじゃないかという心配が非常にある。

(どなたか委員が言った「トヨタがF1から撤退したように」と、そういうことと同じに考えていいんですかって話ですよね)
 全く同感で、民間はすぐ期末ごとに利益を出さなきゃいけない。しかしそれではできない部分があって、それは特に科学技術のような時間がかかるもので、だから国家がやるんで、だから僕たちは税金を払っている。それが国家というものの根幹だから、それをひっくり返す話になるから。これは民主党支持するしないに関わらず、国民も疑問を持ってるから、仕分けの後半が始まる前に、この件は少なくとも仙谷さんですむ話じゃなくて、総理も含めてこの件の説明はあるべきだと思う。

 自民党の姿勢にも大きな疑問を感じてて、谷川秀善さん(参院幹事長)が「おもろいな」と、「自民党も早くからやりゃよかった」と言う気持ちは分からないでもないが、たとえばさっきの民間の仕分け人が利害関係があるのかないのかということについて、自民党はなぜ調べないのか。評論家集団じゃないので、実務に携わるはずの政治家がなぜ調べないのか。幹事長の大島理森さんが「これはパフォーマンスじゃないのか」と言ったが、そんなことは誰でも言える。幹事長なら会見する前に民間の仕分け人の仕事の内容とか調べて、当然自分の身も切らなきゃいけない。たとえば今、仕分け人になってる外資系の外国人(フェルドマン氏?)は竹中さんのブレーンだったりするわけですよ。だから自民党も自ら切るところがあって、その上で批判すべきは批判する。でないと、今の自民党はただ評論家のように横で言ってるだけでしょ。

●米中首脳会談について

 オバマさんは笑顔もさわやかでフレッシュなイメージでいいが、本音を言うと、がっかりしてます。オバマさん、だらしない。1つの例をあげると、胡錦濤国家主席と2時間半会談、鳩山さんより1時間長い、それはアメリカの自由だからいい。が、問題はそのあとの共同記者会見で、記者の質問全面禁止。記者が質問できないでなぜ記者会見ですか。それはもう独裁者が好きなことだけ言って民に知らしめて、はい終わりということでしょ。全部確認できてないが、今までの米中首脳会談で、記者の質問やめてくれという中国側の要求に屈服して、合衆国大統領も質問受けることができなくて、記者だんまりのまま会見終わらないといけないって、これ初めてでしょう。

(アメリカのメディアも会見には参加したが、不満の声は?)
 不満の声は僕の知り合いからも聞こえた。あなた方もだらしないと。日本のメディア頑張ってるとは正直言えないが、しかし表現の自由、報道の自由の元祖のようなアメリカがこんな会見でいいのか。

(たとえば天皇陛下に対して90度の礼をとったオバマ大統領に対して、共和党支持のメディアから批判する声が出てる。オバマさんの行為は自然な行為と受け取る方が自然だと思う。が、米中共同記者会見については質問も封じられてる。この方がものすごく異常)
 天皇陛下への礼の批判は一部。ヤマヒロさんの言うとおりで、日本は天皇陛下のことも含めて、ぼろくそに言われても黙ってるだろうと。でも中国は、会見おかしいと言ったら何するか分からないという、みんな中国に対して遠慮してる、その象徴になってる。だからさっき、記者会見のあとに故宮に行った時、ちょっと声聞こえた、必死に質問してる声が。共同会見で聞けなかったから。オバマさんは聞こえてたけど知らん顔。これはアメリカと中国だけの問題じゃなくて、私たちの世界の価値観が下手すると変わっていくことになる。独裁体制の方がうまくいくんだ、その証拠にアメリカは屈服してるじゃないかということにつながりかねないから、これはアメリカも、日本も声をあげないといけない。

 中国がしたたかだなと思うのは、記者に質問させないという強権だけじゃなくて、見事に胡錦濤さんはオバマさんに助け船を出してる。共同会見で「両国は違いがあって当然なんです」「そういうこと会談でも言いましたよ」と、これを言ってくれたから、オバマさんはやっとチベットと一言は言えたんです。ダライ・ラマさんと対話してくれと言えたから、いちおうお国に帰れるようになってる。そうすると、掌の上で載っけられてるってことになる。

 …………以下、“ニュースDEズバリ”全文起こし…………
 
山本浩之
「で、今日このあとの“ニュースDEズバリ”のコーナーなんですけれども、えー、先に行われた日米首脳会談、ここからですよね」

青山繁晴
「あの、今日はね、視聴者の方、実はあの、青山はいつに増してね、こうあの、激しい口調だなと思われてるかもしれないんですが、あの、正直僕はこの1週間とても辛かったです。その、つまり日本外交は一体もうどうなったのか、あの、これからどうなるのかっていうその、危機感っていうよりはショックな1週間だったんですね、その、日米首脳会談を中心にして。で、今日のキーワード、こういうふうにしました、今日(フリップ出す)」

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山本浩之
「えっと、『1、約束を守る、2、その場で言う、3、あとで覆さない』」

青山繁晴
「はい。これはあの、皆さん、僕たちの普通の生活の中の健全な常識ですよね。その、いったん約束した以上は自分の身勝手な理由で簡単にあの、破ってはいけませんと。それから何か話し合いしてる時に、意見があったら相手とちゃんと議論しなきゃいけないことは、その場で言いなさいと。で、その場で言った上で、決まったことはあとで勝手に覆さないと。で、これ日常生活の当たり前のルールですが、実は外交も同じなんです。あの、『アンカー』で何度も申しましたが、このコーナーで何度も申しましたが、外交だから特別なことをやってるんじゃなくて、人間のやってることは基本的に同じ。もちろん外交上の、たとえばしきたり、ありますよ。その、儀礼のようなものは。たとえばあの、交換公文とかそういうのありますが、でもルールは基本的には同じなんですよ。この1週間のその、いわば鳩山外交、そして日本外交はこういうルールを全部破ってしまったんじゃないかと。で、その傷跡があまりにも大きいんじゃないかってことで、もう正直、僕、胸に今刺さってるようなことで、皆さん申し訳ない、今日全体にあの、口調が強くなってると思うんですが、あの、このことを、この中身をですね、あくまでも公平に、このあと皆さんと一緒に考えてまいりたいと思います」

山本浩之
「はい。ではコマーシャルをはさんで青山さんの解説です」

(いったんCM)

 …………………………VTR開始…………………………

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 アメリカのオバマ大統領が就任後初めて来日。
 首脳会談後の共同会見では、お互い日米同盟の重要さを強調した。

 にもかかわらず両首脳の発言には大きな食い違いが。
 それは揺れる普天間基地の移設問題。

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オバマ大統領(今月14日)
「沖縄の米軍基地再編については、ワーキンググループを通じて両国政府の合意を迅速に実行に移すことで合意した

 一方、鳩山総理大臣は…。

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鳩山首相(おととい(16日))
合意というものの下にすべてを決めるという話であれば、議論する必要がなくなりますから。その議論する意味というのをね、オバマ大統領も実際にはよく分かって下さってます」

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 直接会談をしているのに、明らかに食い違う両者の発言。
 なぜここまでの認識の違いが生まれるのか。

 さらに沖縄を訪問していた岡田外務大臣は…。

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岡田外相(おととい(16日))
「すでに米軍再編について一定の合意がされている中で、それを白紙に戻して議論するという選択は、私は非常に難しいと…」

 果たして鳩山政権に普天間移設問題の解決策はあるのか。
 今日は、青山が外交交渉のイロハの「イ」から分かりやすく解説します。

 …………………………VTR終了…………………………

山本浩之
「確かに日米首脳会談が終わってから、両首脳の言ってることに食い違いがありますよね。あの、そこで今日は鳩山外交の問題点などについて、青山さんの解説です。さっそくお願いします」

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青山繁晴
「はい。あの、さっき僕も鳩山外交って言葉使ったし、今ヤマヒロさんも鳩山外交とおっしゃったんですが、ちょっと皆さん、ここ見ていただくと、日本外交の最大の危機と書いたのは、あの、鳩山さんの個人の問題にしたくないということが1つあるんです。それからもう1つはその、今日、普天間のお話がまあ中心と言えば中心なんですけど、ほんとは普天間のことだけじゃなくてですね、ここに書いてるとおり、私たちのこの日本が世界の中でどう生きていくのか、それがこの最大のって書いたのは決して誇張じゃない、びっくりするぐらいの、その危機に直面してる。日米だけじゃないんです。国際社会から日本を見る目がもう音を立てて、この数日間変わってるということを皆さんに、えー、お話ししつつ一緒に考えたいんですね。で、まずその、実はこの日米首脳会談の中身が、今まで私たちが報道で目にしたものとずいぶん中身がどうも違います。様子も雰囲気も違う。それをまず見ていただけますか」

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村西利恵
「外務省の幹部によると、日本へのリップサービスを除くと、普天間基地の移設問題が会談の大半を占めたと」

青山繁晴
「はい。あの、そもそも鳩山総理は日米首脳会談の前の調整を受けて、普天間の問題はもう特に出ないと思いますよと、ね。その、イシュー、イシュー、つまりテーマになりませんよと、議題になりませんよってことをおっしゃってた。そしてその報道ぶりもですね、その、普天間のことは出たけども、ちょこっとだけであったと、なってたんですが、そうじゃなくて、その、これほんとは複数の当局者なんですが、大半がその話でしたよと。で、日本へのリップサービスを除くと、つまりその、これ、前の『アンカー』でやりましたけどね、たとえば日米同盟は大事ですねとか、ね、やっぱり基軸ですねとか、それからたとえば鳩山さんと2人で核廃絶頑張りましょうねとか、地球温暖化阻止やりましょうね、それリップサービス、もうこれは聞かなくても分かってる話、それ全部除いたら、あとは普天間しかなかった、その話ばっかりしてたっていうことなんですね。で、だから、やっぱりあの、ここでしっかり普天間の問題って何だったのかってことをね、あの、ま、時間はないですがちょっとあの、ふり返りましょう。はい、出していただけますか」

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村西利恵
「基地の移設問題をふり返るための、沖縄本島の地図ですね」

青山繁晴
「はい。これね、むしろ地図見ていただくと分かりやすいんですよ。で、これまあ沖縄本島ですが、普通僕たちが沖縄行ったらこの那覇、この空港、このあたりですからね、あの、那覇の近くに来るわけですけど。で、そのちょっと北に普天間っていう町があって、これあの、実際行かれるとびっくりされると思いますけど、本当の住宅街です。で、その中に海兵隊のけっこう大きな基地があってですね、で、そこにその、住宅街の上すれすれにヘリやそれから輸送機がその、ひっきりなしに行き来してて、しかも訓練も実は行いますから、その、戦闘状態の動きをするヘリもあったりして、みんなが非常に、今、画像出てますけど(普天間の映像流れる)心配してるわけですね。で、さらにこの海兵隊員の中でその、少女を暴行するという事件が起きてしまって、で、従って、今から、実はここに2006年と書いてるけど、その前に、13年も前にですね、橋本内閣の時代にこの普天間からもうちょっと違う所、つまりここほど危なくない所に移設しましょうっていう話になったわけですね。で、その話になって、えー、いろいろもめたんですが、あの、この沖縄の真ん中あたりの名護市って所の辺野古地区っていうのが有力な候補になったんです。というのは、ここにキャンプ・シュワブっていう、その、アメリカのやっぱり海兵隊の基地があるんですね。シュワブって人の名前です、あの、沖縄戦でなくなった海兵隊員の名前なんですが、ここに海兵隊の基地があるから、同じ海兵隊のここに、その、移して、で、いちおう海辺に作ってですね、そうすると住宅地の真ん中よりはずっとマシだろうという話になったんですよ。ところがね、このあたりにジュゴンが生息してるんじゃないかっていうその、自然環境の問題もあり、それからキャンプ・シュワブはあっても、その周りにやっぱり住民が住んでらっしゃるわけですから」

一同
「そうですね」

青山繁晴
「そこに新たな負担を押しつけるのかということがあって、それなかなか上手く行かなかったわけですよ。で、それでずいぶん時間がやっぱり経っちゃったんだけども、あの、3年前の2006年の5月にですね、えー、当時の額賀防衛庁長官が、ま、ちょっとアイデアを出して、この滑走路ね、V字型と言ってますけど、これ異例ですね、要するに離陸と着陸の滑走路を分けて、その、風向きとかをうまく使ってですね、その、住民にその、音が聞こえる被害を少なくするっていうことで、これで正式に合意した、もうこれでやりますってことになったんですよ。ところがそのあともですね、いや、やっぱりちょっと沖に動かした方がいいんじゃないかとかね、やっぱりこれはよくないんじゃないかって話もいろいろあったりして、動かないままになっていたわけです。で、それをとらえて、その鳩山さん以下の民主党が先の総選挙で、もう県内の移設はやめましょうと。県外か、つまり僕たちの住んでる本土の側か、あるいは国外、これはほんとはグアムのことです。グアムに移転するかどっちかにしますと、政権取ったらしますと言ったから、当然沖縄県民はそれに期待して投票して、小選挙区で全部自民党がいなくなったわけですね。で、これが当然あの、アメリカ側から見たらびっくりな話だから、これがその日米首脳会談でテーマになったわけですが、で、その日米首脳会談で実際どうだったか、どんな話が出たか。はい、出していただけますか」

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村西利恵
「はい。表には出てきていない会談の内容、青山さんの取材によると、こういったやり取りがあったと」

青山繁晴
「はい。さっき言ったとおり、その普天間の問題について、オバマさんは実はかなり時間を割いて、ずいぶん踏み込んだことを言われたと。で、まずその、日米政府の間の合意は変えられないと。で、日本も政権交代したんだけど、アメリカだって政権交代してて、この合意自体アメリカも前の政権が作ったもんですと」

山本浩之
「そうですね、ええ」

青山繁晴
「しかし国家の間の合意というのは基本的に変えられないもんですと、それをコロコロ変えてたらおかしなことになるっていうことまで、オバマさんは踏み込んで発言したそうです。で、さらにそれに加えてですね、でも、やっぱり地元の懸念は自分もちゃんと考えたいと思うと、ね。そしてここに書いてあるのはね、滑走路、50m、ちょっとに見えますけど、50mだけ沖合いに移動させる、これ実は誰が言ってるかというと、沖縄県知事の仲井真さんがもうはっきり言われたわけですよ。で、50mだから、50mだけど何とかジュゴンのその生活環境は守れるんじゃないか、そしてわずかでも沖合いに出すことによって住民の方々の騒音被害を少しでも減らしたいという気持ちで、あの、知事はそういうふうにあの、おっしゃったんですけれども、オバマさんは50m沖合いとは言ってないんです。ね。これはちゃんと申しておきますが、実際に言ったのはですね、地元の方々の心配事、懸念を十分考えて、で、それが調整つく範囲のことだったらその、部分的な変更はできますと。基本的には合意守らなきゃいけないけど、こういう、こういうことだったらできますと。で、出席した誰もが、ああ、仲井真さんの言ってることだと。するとオバマ大統領と沖縄県知事がパッチリ合ったわけだから、ああ、これで行けるんじゃないかと思った。さあ鳩山さんがどんな返事するか、みんなが注目したら、こういう返事だったんです。はい、出して下さい」

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青山繁晴
「で、これは、まず鳩山さんは、いや、総選挙で県外移設あるいは国外移設を明言したので、現状案をそのままやるのは難しいと、ね。しかしそのあとに閣僚級の作業部会、ね、作業グループを作ってそこで急いで解決すると、そのようにしますからと言ったので、これは実はそこにいたアメリカ側だけじゃなくて日本側もですね、鳩山さんも政府間の合意は基本的には変えられないってことを合意したんだなと。しかし現状のままというわけには行きませんと」

村西利恵
「ということで、こっち(50m沖合いへ移動)ですね」

青山繁晴
「うん、つまりこれ(50m移動)、これを中心にして、この作業部会でこれから詰めましょうと。ああ、だから合意できたとみんながけっこうほっとしたというのが、ほんとは日米首脳会談の中身でしたと。だから皆さん思い出して下さい、翌日、日米首脳会談の翌日に何があったか。はい」

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村西利恵
「オバマ大統領はアジア政策演説の中で、『共同作業グループを通じて日米合意の実施を迅速に進めることで合意した』と話しました」

青山繁晴
「はい。これあの、ご記憶のとおり日米首脳会談を夜にやって、明けてその、東京で、東京の大使館(注:正しくはサントリーホール)で演説しましたよね。で、その時にオバマさんは合意したと言ってるわけですよ、鳩山さんを信じて。何を合意したかというと、この日米合意が基本的に実施できるように細かい詰めを、そのためにね、日米合意を反故にしないで、それをむしろやるために、詰めを作業グループでやるんだということで合意したと言ったわけです。で、この演説を聞いて、またみんなけっこう安心したわけですよ。まああの、難しい問題だったけど、これでよくやく決着かと思ったら、その日、同じ日に鳩山さんがこういう発言をなさったんです

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村西利恵
「はい。シンガポールでの発言です。『日米合意が前提なら作業グループを作る必要はない』」

青山繁晴
「はい。これは、僕も含めて、僕は最初、何か英語の誤訳かと思ったら、これ日本語で、日本人の記者団におっしゃってるから、誤訳もへったくれもないんでね」

一同
「(笑)」

青山繁晴
「それで、いや、僕もそう思いたいと思ったぐらいなんです。というのはね、ほんとはもっときつい言い方してんですよ。それは、オバマさんにとったら日米合意が前提だと思いたいよねと、ね。しかしそんなことだったら作業グループをそもそも作る必要はないじゃないのと

山本浩之
「ええ(笑)」

村西利恵
「全部ひっくり返したことに…」

山本浩之
「だからさっきのキーワードになるわけですねー。その3つの」

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青山繁晴
「ええ。ひっくり返すだけじゃなくて、あの、1枚目の、いや、ごめんなさい、あの、オバマさんから見たらね、後頭部をハンマーで殴られたようなもんですよ。だからね、今言いかけましたけど、1枚目のね、フリップをもう一度皆さん見ていただくとね(先ほどのフリップ出す)、その、約束を守るって2つの意味あるんですよ。そもそもこれはあの、自民党と共和党が約束したんじゃなくて、日本国とアメリカ合衆国が約束したんだから。そのあとお互い民主党政権になっても、この約束は守らなきゃいけないねって意味もあるし、日米首脳会談で合意したんじゃないですかと、ね。これダブルの意味で約束守ってんじゃないか、いや、破ってるんじゃないかということと、鳩山さん、あなたそういうことはその場で言って下さいよと、ね。そしてその場で言わずにあとで覆すって、まさか、それやってたら、もうとにかく日本の総理とは話ができないっていうことになるわけですよ。だから僕はさっき、あの、最初にアメリカとの問題だけじゃありませんと申したんです。つまり国際社会で、日本は政権交代してちゃんと民主主義あること実証したけども、もう日本の首脳とは話できないんじゃないかと。で、この危機感を持ってる人は、実は政権の中にも現れていて、実はもう1つのキーワードはこれなんです(次のフリップ出す)」

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村西利恵
「ここでズバリキーワードは『2通の辞表』。いったい誰の辞表なのか。普天間問題の今後の展開については、CMのあと詳しく解説していただきます」

(いったんCM)

山本浩之
「ま、『2通の辞表』というのは非常に、ま、衝撃的なキーワードではあります。早くそれの中身を知りたいんですけど、その前にやはり普天間基地の移設問題ですね。これ自体がどうなっていくのかっていうところなんですけれども、引き続き青山さん、解説お願いします」

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青山繁晴
「はい。あの、今ヤマヒロさんがおっしゃったとおりね、あの、実は2通の辞表が用意されてるっていうか、政権の内部で、辞表をすでにもう胸の中に入れてる人が2人いるんです

一同
「へえー」

青山繁晴
「で、あの、そのことに入っていく前にね、これどうしても僕は申し上げておきたいんですが、自由民主党の責任、ね、さっきの事業仕分けのとこでもちょっと申しましたけどね、さっき皆さん普天間の話した時にお気づきになったと思います。ずっとほったらかしにしといたのは自民党じゃないですか。そうでしょう。13年も前にですよ、この移転の話があの、移転するってことを、それももちろんその当時モンデール大使と橋本総理で決めてですよ、で、長いこと10年ぐらい動かさないでいて、ようやっと3年前にそのV字滑走路というね、いわばアイデアで決めたんですね。そのあとまた動かさなかったのはその、自民党なんですよ。で、従ってこの、これも鳩山さんがおかしなこと言ってるよねーって、何かそれこそほんとに批評家みたいに言ってるんじゃなくてですよ、自民党の中で最大の問題点は、当然、野党になったら次の内閣を作ってですよ、次の外務大臣を決めて、次の防衛大臣を決めて、ま、次の総理はおそらく総裁が谷垣さんだからそうなんでしょうが、総理の下に外務・防衛がいてですよ、どうせ断られるかもしれないけどオバマさんに対してね、日本に来られたら、この次の内閣のこの3人、総理・外務・防衛と普天間問題を話し合って下さいと呼びかけだけでもすべきですよ。それやってたらね、日本はいちおうまだ違う選択肢があるのかもしれないってことを国際社会に対して、アメリカよりも国際社会に対して見せられるじゃないですか

山本浩之
「なるほど」

青山繁晴
「その努力、一切なし。そうでしょう。次の内閣も全然作らないで、ただ横から言ってるだけで、自分たちが10年以上も放置しといたことがそのままね、その、責任取らないで、これは次の政権交代で自民党に渡すと思う人いませんよ、はっきり言いますと。だから自民党の責任は非常に重いと思うんですが、その、自民も民主もそうだということはですね、僕は最初に申した通り、あなたが悪い、これが悪いというよりは、日本外交そのものが非常な最大の危機を迎えてると。普天間がきっかけであって、普天間だけのことじゃない、私たちのこの、国の在り方が危機に瀕しているっていうことなので、実は政権内部、まだできて2ヶ月ですが、日が当たる所にいる人の中から2人、実は辞表を用意してる人がいて、それはこの中にいるんです。はい、あえて出して下さい」

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村西利恵
「それは、外務省と防衛省の政務三役の顔ぶれです」

青山繁晴
この中のお2人なんです。で、さすがにね、あの、この人ですと言うわけにいきません。その、実際にそのうちのお1人と今日あの、朝、長電話したんですが、その時に自分の名前を出さないことっていう条件で、でも僕ははっきり確認したのは、あの、あなたはその、辞表を実際に文面にしてらっしゃるんですかと。文面にして胸に入れておりますと

一同
「はぁー(驚き)」

青山繁晴
「そしてその方がはっきりおっしゃったのはね、この中の1人ですよ、みんなが名前聞いてよくご存知の方、おっしゃったのはね、私は11月中に鳩山総理に対して、直接、諫言(かんげん)、諫言ってちょっと難しい字を書きますね。あの、だけど要するに直言って意味ですよね。諫言いたしますと。で、総理が変わらなかったら、私はその、年内に辞めますと、身を以て示したいと思いますということも、電話ではっきり言われたんです。で、そしてですね、それを、皆さん、その、僕とその方の電話のやりとりだけじゃなくて、いつも言ってるとおり、普通のニュースの中にこのヒントが、実は皆さんの目に見えるとこに出てるんです。はい。それちょっと出して下さい」

村西利恵
「それが…」

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青山繁晴
「昨日の、これはあの、今朝の新聞に出てる、昨日(17日)の鳩山総理の動き。これ首相動静って言いましてね、どこの新聞にも必ず出てますね。そこちょっと見ていただくとですよ、昨日の夕方から夜にかけて何があったかというと、この夕方、要するに5時43分から、えー、報道各社の例のぶらさがりっていうインタビューですね。で、それが終わって、つまりこれ普通はもう官邸での仕事が終わる時にこのぶらさがりインタビューやってんですよ、毎日ね。で、そのとおり、もうこの6時過ぎにはこの都内の会合に出ちゃってるわけですよ。で、すごくこういう時間、もう6時半ぐらいになっていくわけですから、その、えー、これは当然そのままもう公邸に戻っていって、官邸に戻らないんですよね。で、ところがこれ見ていただくと、官邸に戻ってるわけですよ。で、戻ってたらそこで岡田外務大臣が待ってて、ここで30分ってこれ長いです。2人だけで話をしてるんですね。で、そして皆さんね、この報道各社のインタビューで鳩山さんが何をおっしゃったかって、ちょっと出していただけますか」

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村西利恵
「『結論がもし一つにまとまれば、当然、一番重い決断として受け止める必要があろうかと思っている』」

青山繁晴
「はい。昨日の会見っていうのは、だからさっき書いた17時43分からのぶらさがりなんですが、この結論て何の結論かというと、その、さっき出てきた作業部会、作業グループですね、その、日米が大臣級を出して、細かい詰めをしましょうと。そこでもし一つにまとまった結論が出たら、一番重い決断、ね、すなわちその、自分が言ってることよりも重いものとして受け取る必要があると思ってると言われたんで、これまたみんな、あ、結局そうなのかと安心して、たとえば今日の新聞でも、読売新聞などが一面トップに持ってきてるわけですよ」

山本浩之
「そうですね」

青山繁晴
「で、どうしてかというと、その作業部会の結論というのがですよ、その日米合意ひっくり返すって話になるわけがないじゃないですか。アメリカ側からルース大使と、それからグレグソン国務次官補も出てるんで、ひっくり返しましょうになるわけがないから、ああ、あの例の50m沖合いに移設するって話しか結論はありえないから、だから鳩山さんもそれ分かった上でやってくれてんのかと思ったわけですよ

山本浩之
「いや、そう思ってました」

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青山繁晴
「思ったんですよ。ところが表に出てない事実がもう1個あるんです。あの、さっきのあの、鳩山総理の動き、もう一回見ていただくとね、さっき言いましたが、わざわざ総理が、本来は公邸に戻るか、夜の会食に行く時間帯なのに、珍しく官邸にこの時間に戻ってきた。岡田さんが待ってて30分話した。この中身、えー、新聞に一切出てません。ね。昨日の夕方の話なのに出てませんが、その中身を関係当局者、関係筋とかじゃないですよ、当局者に、これ複数ですけど確認しましたら、岡田さんは決意を込めて総理に迫りましたと。総理、もう時間がありませんと。その、作業部会では50m沖合いで話をまとめますと。で、それを受け入れていただけますかと聞いたんですよ。するとね、皆さんもう一回見て下さい。その前のね、報道各社のインタビューで、一番重い決断とおっしゃってるわけでしょ。岡田さんそれはたぶん知らなかったと思いますが、でも普通の流れで行くと、同じこと言うはずじゃないですか、総理は。ところがですよ、もう一回言いますね、関係当局者、複数の方々の証言によると、総理は、いや、いいんですよ、その作業部会でどうぞ結論出して下さいと。ね。で、それが50m沖合いに動かす案でもいいですよ、しかしそれを本当に実行するかどうか、あるいはいつやるかどうかは私が決めると言ったんで、岡田さんはびっくりして、総理ちょっと待って下さい、あなた日米首脳会談で、その件でオバマさんと合意してるじゃないですかと言ったら、いや、私はだからそのつもりはないと、それはオバマさんがそう思ってるだけであって、違うと、牢固として譲らなかったと。だから岡田さんはガーンっていうショックを受けてですね」

山本浩之
「はぁー」

青山繁晴
「そのショックがこの、夜から朝にかけて伝わっていって、たとえばこう、僕は今朝方電話した時に、私はあの、誰かは言ってませんよ、しかしさっきのあの、9人の外務・防衛、政務三役の中の1人がもうそれを受けて、私はその、今朝早くに、未明に辞表を書いて、胸の中に入れましたと。で、私はやがて11月中に総理に直言をして、受け入れられなかったら辞めますということを言ってるわけですよ。そうするとね」

山本浩之
「はあー」

青山繁晴
「これはもうほんとにあの、日本外交にとって未曾有の危機が訪れていてですよ、これ正直言うと、これからどうなるかは僕も、あの、分からないわけですよ」

山本浩之
「これは…うーん」

青山繁晴
「でね、あの、ま、ヤマヒロさんから質問も受けたいと思うんですけどね、時間はなくても。あの、いちおう考えられることはもういっぱいあるわけですよ。たとえばその作業部会が無事に結論出せるのか。その結論出してですよ、総理が、あ、そうですかって受け取ってそのあと知らん顔されたらですよ、日本がもっとひどいことになるから、もう作業部会をもうむしろね、もうデッドロック、暗礁に乗り上げたってやめてしまおうかってこともありえるし、そして作業部会が、いや、そうは言いながら総理はまた変えるかもしれないからってことで、50m沖合いでこれやったとして、で、鳩山さんがそれを実行しなかったら国際社会でおかしくなるし、それ実行するとなったらじゃあ沖縄は裏切られるわけですよね。沖縄裏切られるとなると、それもし実行するんだったら、沖縄の皆さん申し訳ないと鳩山さんが頭下げて、自分の首をかわりに差し出してですよ、それをお詫びの印にして50m沖合い案でやるのかもしれないし

山本浩之
「だって選挙前にあれだけ言ったわけですから」

青山繁晴
「はい。もう、そこはもう今の段階では分からないことになってるわけですよ」

山本浩之
「これ鳩山さんの真意は、青山さんはほんとはどこにあると思いますか」

青山繁晴
「僕ははっきり言うとグアム移転を考えてるんだと思いますよ

一同
「はぁー」

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青山繁晴
「ね。で、それができるできないじゃなくて、自分がその、頑張って頑張って歴史的な総理になるというふうにたぶん思われてると思うんですよ。つまりね、鳩山さんの耳にこれを入れてる人が間違いなくいると僕は思います。実は辞表を書いたお2人は両方ともある1人の人物の名前をあげてるんですが、ここでは申しません、ウラ取れてませんから。で、ただですね、あの、実はグアムの移転ていうのは合衆国ももう10年ぐらい前ですけど、検討したことは事実あったんですよ。しかしね、これ最後に申しますとね、これはアメリカ側に聞いてもですね、前はその話はあったんだけど、ダメになったのは、この鳩山さんがその、言うことが信用できないからもう一切できないってことになったんですよ

山本浩之
「いや、今回もね、上院では移転の予算が7割削減された分しか通ってないじゃないですか」

青山繁晴
「そうです。要するに、そうなんですよ、もうだからグアム移転も風前の灯火になってて、アメリカはもう足に火がついて、こうやって焦ってるわけですよ。ね。で、その中で、信用できることを言ってくれと、そしたらいろんな選択肢が新たにありえるってことなんですよ。だから信頼回復がまずなきゃいけないから、それを僕たちも考えたいと思います」

山本浩之
「分かりました。今日は時間が来ましたので。えー、“ニュースDEズバリ”でした」

 ____________________________内容紹介ここまで


 ハッティの言うことって連日ころころ変わって、真面目に聞いてる方がバカを見るというか。
 こういう人って身近に1人はいて、周囲は多大な迷惑を被るものですが、まさか我が国の総理大臣がそーゆー人だったとは…。本当にもう泣けてきますわ(T^T)

 辞表を用意してる2人って、岡田外務大臣と長島防衛政務官でしょうか?
 あと「鳩山さんの耳に入れてる人」っていうのは寺島実郎氏かな?東アジア共同体をはじめ、外交方面でハッティに入れ知恵してるらしいってことは、もうすっかり有名になってますしね(^_^;


※拙ブログ関連エントリー
【一覧】「アンカー」青山さんコーナーテキスト起こし

※参考リンク
ON THE ROAD 青山繁晴の道すがらエッセイ
 青山さんのブログです。ご本人に直接コメントが送れます。
誰にも手渡してはならない自由意志
 拙ブログで紹介しきれなかった青山さんの発言を起こして下さっています。

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