海上保安官メモ全文起こし

2010.11.13 Saturday 01:19
くっくり


 そして山川記者は最後に、「彼と直接向き合った感想は、非常に丁寧な人物。家族を心配する時には涙するという事もあった」と述べました。


 さて、その彼ですが、水曜の朝に流出を告白、事情聴取が始まって、その日のうちに逮捕されるのかと思いきや、金曜(12日)夜の時点でまだ逮捕されてませんね。

 世論が彼に対して非常に同情的なのでそれに考慮してるとか、そういうことではなくて、裏付け捜査ができない、つまり物的証拠や「秘密の暴露」がないため逮捕に踏み切れないようです。

 てか、それ以前の問題として、国家公務員法100条の守秘義務違反に該当するのか、つまり1977年の最高裁の判決に照らして、あのビデオが同条でいうところの「秘密」に該当するのかということがあり、そこでまず捜査当局内も逮捕するか否かで意見が分かれているのだとか。
 (国家公務員法100条と最高裁判決に関してはこの水曜の「アンカー」で青山繁晴さんの解説がありましたので、未読の方は是非)

 報道によれば、中国とのことも関係しているようです。
 というのは、APECで中国の胡錦濤国家主席が金曜(12日)の夕方に来日しましたが、日曜まで滞在するそうなんですね。で、日本側としてはどうしても日中首脳会談をやりたいので、胡錦濤がいる間は波風を立てたくない。だからこのまま任意捜査を続けて、逮捕するにしても捜査当局が動くのは月曜以降であろうと。

 中国といえば、沖縄・西表島の南の海上で中国人の乗組員25人が乗ったパナマ船籍の貨物船が遭難、11日の朝に第11管区海上保安本部の巡視船がうち5人を救出(うち2人はすでに死亡)したという出来事がありましたが(FNN11/12)、実はこのニュースを中国の国営テレビは繰り返し報道しているそうです。
 つまり、向こうは首脳会談をやる気はあるというメッセージだと日本側は捉えているようです。

 まあそういうことで、現在も彼の身柄が宙ぶらりんにされてしまっているのには、「外交的配慮」も絡んでいるのではないかと。


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