天皇はなぜ尊いか(付:石井選手の発言)

2008.10.11 Saturday 02:34
くっくり


 【第3回教科書改善シンポジウム詳報「日本文明のこころとかたち」】における竹田恒泰さん(明治天皇の玄孫にあたる方)の発言です。一部引用させていただきます。

 まず、日本を知るということは、天皇を知るということ、そして日本を語るということは天皇を語るということ、その逆もしかりなわけですけども、天皇とは何かということを説明するのは非常にやっぱり難しいことなのですね。それで人それぞれ感じ方も違いますし、持っているものも違う。

 天皇はなぜ尊いか。私も何年間も考えておりました。考えた挙げ句、思想家の葦津珍彦(あしづ・うずひこ)先生の全集を読んでいた時、「これだー」と思った一節に当たりました。

 葦津珍彦先生は戦後、特に神道界において非常に重要な役割を担った方です。日本中の神職の方もたいへん尊敬をしている方ですけれども、この方は神道のこと、日本の伝統のこと、そして皇室、憲法のこと、天皇のことなどを非常に論理的に事細かに説明される先生なんですね。その葦津珍彦先生が著書の中でこういうことを言っているわけです。

 天皇はなぜ尊いか。これについては「言葉では説明できない」と。これだけ論理的に明解に説明される先生が、説明ができないとおっしゃるんですね。それで僕はそれ読んだ時、「これだ」と思いました。これしかないという思いでした。

 たとえば最初に申し上げましたけど、天皇がなぜ尊いか。人によって思いはまちまちです。中にはかっこいいとか、素敵とかいういう人もいれば、歴史上の流れを汲んだ上でいう人もいれば、愛子様がかわいいとか、皇室が好きな理由はいろいろあると思います。

 ただし、葦津珍彦先生は、世界の中で天皇ほど非政治的な君主はないが、国民に対してこれほど影響力を持っている君主もないのだということを言っているわけですね。それで国民はいろんな理由で天皇を尊敬する。その尊敬もいろいろバラバラであるというわけです。でもバラバラでいいということなんですね。ただ、それが今だけの話ではなくて、五十年前も百年前も、それこそ幕末だろうが江戸時代、平安時代、もう日本のわが国の歴史始まって以来、その状況は変わらなかったというわけです。

 故高松宮殿下のお言葉を借りれば、なぜ二千年皇室が続いてきたか。それは歴史的に国民によって守られてきたからです。ですからもしどこかの時代で、天皇なんか要らないという時代が一カ所でもあれば、今皇室はなかったわけですよね。どの時代も国民が守り続けた。ですから今の皇居は徳川の城ですから城壁があってお堀に囲まれてますけども、本来の天皇のおわす場所は京都御所。お堀もなければ塀だって誰かが軍事力で抹消しようと思ったら簡単にできてしまう、低くて薄っぺらい塀でした。

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