麻生総裁誕生によせて

2008.09.23 Tuesday 00:52
くっくり



 非宗教法人化を主張する麻生さんの狙いは、

 「政教分離原則との関係を断ち切る、すなわち『私的か公的か』『参拝は憲法違反ではないか』といった低レベルの攻撃をなくし、靖国神社が政治利用されないようにする」
 「天皇陛下にご親拝いただける環境を整える」
 「靖国神社は民間の寄付で成り立っており、このまま遺族が減れば神社存続が危ぶまれるため国が管理をすべき」

 といったもののようで、これらは全く正論だと思います。

 国のために戦って亡くなった人を祀る施設を、国ではなく民間が管理している現在の状態は不自然であるとも言えますし(戦前は国が管理をしていました)、その意味でも麻生私案は正論でしょう。

 ただ、私はこの私案に懸案も持っています。それは、慰霊対象については国会で議論して決めるべきだとしている点です。

 私案の文中に『A級戦犯』や分祀という文字はありませんが、慰霊対象を国会で議論するとなれば当然、『A級戦犯』分祀問題も俎上に載るでしょう。
 非政治化したいという麻生外相の考えとは逆に、かえって政治化を呼び込むことになりはしないでしょうか。

 また麻生さん自身、『A級戦犯』を分祀すべきだと考えているのではないか?と思われる発言が過去にありました。
 もちろん分祀すべきとはっきり明言したわけではなく、たとえば、「靖国神社は、基本的に戦死者を祀っており、戦死者でない人たちが祀られているのは、非常に大きな問題点だ」といった表現でしたが……(拙エントリー06/4/11付参照)。

 で、麻生さんが今回の総裁選期間中、この問題について何て言ってたのかというと、「自民総裁選に立候補している石原伸晃、小池百合子、麻生太郎、石破茂、与謝野馨の5氏は14日のテレビ朝日番組で、靖国神社からA級戦犯を分祀(ぶんし)することが望ましいとの見解で一致した」(日経9/15)とのことです。

 私は今回、総裁選関連のテレビ番組はほとんど見てないので、この番組も見てないんですが(14日のテレビ朝日番組ってことは「サンプロ」でしょうか)、記事の続きをよく見ると、「ただ、A級戦犯の分祀には宗教法人の靖国神社が反対している。これについて麻生氏は『この(重要な)話を一宗教法人に丸投げし、国が逃げていることが問題だ』と指摘した」とあります。

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