集団自決で審議会「軍命令の資料ない」けど「軍強制」は容認?

2007.12.08 Saturday 01:26
くっくり



 同省の教科書調査官は各社に「指針」を示し、「軍から直接命令した事例は確認できていない」と伝え、軍の命令を明記しないよう求めたという。「指針」の妥当性について渡海文科相は「通常の検定の範囲で(審議委員が)学問的、専門的な調査をする中で行われていると理解してほしい」とした。

 審議会が結論を出す時期が遅れていることには「今やっている作業は来年の春の教科書に間に合うようにお願いしており、審議会の先生もそれを念頭に審議していると思っている」と述べた。
(以下略)

 この見出し、誤解を招きますね。
 渡海文科相は「指針が出されたかどうか承知していない」と言っているのに、この見出しでは、「軍命明記回避を承知していない」と言ったように誤解してしまう人が多いのでは。
 (最後まで読んでみれば、見出しの「軍命明記回避」は記事の後半部分を指してるとわかるんですが)


 これまで軍強制肯定派が強硬に求めてきており、軍強制否定派が大変危惧していた「検定意見の撤回」という最悪の事態は、とりあえず避けられそうな空気になってきたようです。

 とはいえ、このままでは、「軍の命令があった」と明記さえしなければ、また、「軍の強制があった」といった紋切り型の書き方さえしなければ、検定に通ってしまう可能性は大いにあると思われます。

 渡海さんの態度もそうですが、「指針」の内容自体がいまいちすっきりしないんですよね。
 結局、事をこれ以上荒立てたくないから、間をとってお茶を濁そうってことですかね?
 そんな中途半端な幕引きをすれば、必ず将来に禍根を残すと思います。

 しかし、ここまでの騒動に発展したのは、やはり安倍政権から福田政権になって、山崎拓の子分である渡海さんが文部科学相に据えられたことが大きいんじゃないかと。
 まぁ、まともな人が大臣でも、今回、軍強制肯定派の圧力はものすごかったわけで、多かれ少なかれ何らかの対応をせざるをえない事態に追い込まれはしたでしょうが……。
 だって、あの9月の沖縄の集会をきっかけに、地元メディアだけでなく、朝日新聞、TBS、テレビ朝日など多くの全国メディアが全面的に軍強制肯定派をバックアップし、政治介入を煽ったわけですからね。

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