「日本の、これから」第二部(1)

2007.08.20 Monday 00:28
くっくり



伊勢崎賢治 東京外国語大学大学院教授【1】
「まず一つ、たぶん日本国民が広く認識しなきゃいけないのは、平和貢献というのは普通、いわゆる歩兵部隊を出すだけではないんですね。それはたくさんあるオプションの中の一つであって、同じ治安のことを、もちろんNGOみたいな人道援助という手もありますけれども、同じ治安に関することではたとえば警察を出すであるとか、非武装の軍事監視を出すであるとか、いろいろなオプションがあるわけです。そのオプションを総合して、やはり武力を使わなきゃならないというふうな政局が日本にできているかいないか、というと、僕の考えではできてないですね。それでもう一つ今、カンボジア行かれた方がいまして、普通、これも東ティモールの時も同じような議論が繰り返されたんですけれども、普通、国連のブルーベレーをかぶるってことは、これは国連の安全保障理事会が定める、任命する指揮権に委ねるということなんですね。これが日本の政局ではどういうわけか知らないけど、9条ということが全てのフィルダー通して見たから、東京の防衛庁長官が指揮を執ってる、これは国際常識では全くないと思います。これはたぶん国際貢献の現実が、非常に日本の国内政治のために歪曲されて伝わって理解されている。それはあります。こういう状況ではまっとうな議論はできないと思います」

三宅民夫
「(交通整理)前にいらっしゃる皆さん(識者)をご覧いただくと、小林よしのりさんと高坂さんが【3】で要するに9条が活動の妨げになってると。他の方が皆さんは【1】で9条から逸脱している。意見が分かれてます。ちょっと皆さんで議論して下さい」

小林よしのり 漫画家【3】
「まず国際法っていうのは軍隊の活動にとって非常に重要ですよ。自衛隊っていうのは、国際法を守ればあとは何やってもいいっていうのが軍隊なんですから。だから国際法なんかどうでもいいとかって言ったら、軍隊を動かす法的根拠がなくなってしまう。だからホップスの言った『自然状態』とかっていうのは、これは全くの嘘っぱちの話で、本当は国際法の網の目、あるいは条約の網の目で世界というのは結ばれているわけであって、国際法っていうのはあくまでも進展させていかなければいけません。で、国連憲章にイラク戦争が違反してるかどうかというところが問題なわけです。やっぱり大量破壊兵器がなかったっていうね、大義がなかったというのは間違いない。で、国連事務総長そのものがイラクに対する侵略というのを非常に不快に思ってるといいうのは、いや、アメリカもすでにイラク戦争の反省はなされていってるわけであって、日本だけがいったいイラク戦争が正しかったかどうかっていうことを、なるべく口を閉じて言わんままで行こうとしているわけです。だからそこで行くんだったら、憲法改正という問題がわしが一点、非常に問題があると思ってるのは、このイラク戦争が侵略か否かというその論争を避けて、このまま9条を改正しようとしている、政府のやり方っていうのがわしは非常に気にいらない(拍手)。議論がちゃんとなされていない、そういう9条の改正の仕方というのは非常に危ないから、わしは9条反対という立場に立ってもいいぐらい(拍手)。今現在の安倍政権においてはね。そういう感覚でわしはいるわけです。ただ、ここでね、平和主義ということを考えた時にね、昨日パール判事のドラマがNHKであったけど、すごくいい番組だった。で、あれの中でね、パール判事が最後に、平和主義というのは、武力は役に立たないと、だからもうそれで世界の問題は解決することはできないと。平和主義でないといかんと言った。で、パール判事が尊敬してるのはガンジーですよ。ガンジー主義ですよ。ガンジー主義というのはね、日本の平和主義者の方たちが思っておられるような平和主義ではありません。ガンジーの非暴力による抵抗主義っていうのは、これはもし、当時のインドはイギリス側の植民地だったんですけどね、もし他国の軍隊が攻めてきたら、非暴力によって徹底的に抵抗せよ、それで自分の国の独立を守るっていう、そういう精神です。だからほんと横一列に並んで、敵の銃弾火器を浴びて、バタバタバタバタ倒れていっても、それでも非暴力で行くという恐ろしい、これはイデオロギーなんです。わしはこれに賛成です。やってもいいです、わしは。恐ろしく勇気がいるんです。それを日本国民がやれますか?平和主義者の方がやれますか?ってことをわしは問います」

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